JP4586656B2 - フィルム外装型リチウム電池 - Google Patents
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Description
本発明は、フィルム外装型のリチウム電池に関し、詳しくは、フィルム外装型リチウム電池素子を構成要素として有するフィルム外装型リチウム電池に関する。
正極及び負極を備えた電極ユニットをフィルム外装体(例えば、ラミネートフィルム等の封止用フィルム同士を熱融着等により接合して形成される袋状容器)の内部に収容して密閉した構造の所謂フィルム外装型電池が知られている。このようなフィルム外装型電池は、金属等からなる硬質の外装体(金属缶等)を備えた電池に比べて小型化や軽量化が容易であるという利点を有する。フィルム外装型電池に関する従来技術文献として特許文献1が挙げられる。また、電池に関する従来技術文献として特許文献2が挙げられる。
ところで、電池は過充電や過剰な外部圧力等によって内部短絡を起こすことがあり得る。このような短絡箇所において局所的に発生した熱が蓄積される(滞留する)と、電池全体が過熱状態となって正極活物質や電解質の急速な熱分解等が引き起こされる虞がある。
特許文献1には、発電要素の側面を両側から拘束する拘束部材を備え、前記発電要素と前記拘束部材とをまとめてラミネートフィルムで密封した構成の電池が記載されている。この特許文献1には、前記拘束部材の一部に金属製の放熱部を設けることについても記載されている。かかる構成の電池では、拘束部材がフィルム外装体の内部に収容されていることから、フィルム外装型電池の長所の一つである小型性が損なわれてしまう。
また、特許文献2には、電池の満充電時のエネルギー容量に対する電池ケース(例えば、ステンレス鋼板等を加工してなる金属缶)の表面積を規定することによって電池の放熱性を確保する技術が記載されている。しかし、一般にフィルム外装体を構成する封止用フィルムは金属缶等に比べて熱容量が小さい。このため、特許文献2に記載の技術をフィルム外装型電池に適用すると、短絡による局所的な発熱を分散させる性能が不足しがちである。また、電池ケースの表面に凹凸を設けて表面積を調節する手法はフィルム外装体には適用し難いことから、電池容量と表面積とを適切にバランスさせることは困難である。
特許文献1には、発電要素の側面を両側から拘束する拘束部材を備え、前記発電要素と前記拘束部材とをまとめてラミネートフィルムで密封した構成の電池が記載されている。この特許文献1には、前記拘束部材の一部に金属製の放熱部を設けることについても記載されている。かかる構成の電池では、拘束部材がフィルム外装体の内部に収容されていることから、フィルム外装型電池の長所の一つである小型性が損なわれてしまう。
また、特許文献2には、電池の満充電時のエネルギー容量に対する電池ケース(例えば、ステンレス鋼板等を加工してなる金属缶)の表面積を規定することによって電池の放熱性を確保する技術が記載されている。しかし、一般にフィルム外装体を構成する封止用フィルムは金属缶等に比べて熱容量が小さい。このため、特許文献2に記載の技術をフィルム外装型電池に適用すると、短絡による局所的な発熱を分散させる性能が不足しがちである。また、電池ケースの表面に凹凸を設けて表面積を調節する手法はフィルム外装体には適用し難いことから、電池容量と表面積とを適切にバランスさせることは困難である。
そこで本発明は、フィルム外装体を用いることによる利点を生かしつつ放熱性(例えば、短絡等によって局所的に発生した熱を分散させる性能)を向上させたフィルム外装型リチウム電池を提供することを目的とする。
本発明により提供されるフィルム外装型リチウム電池は、正極及び負極を備えた扁平形状の電極ユニットがフィルム外装体に収容された扁平形状のリチウム電池素子と、該電池素子の扁平面の外側に前記フィルム外装体の外表面に接して設けられた放熱板と、を備える。このリチウム電池の電池容量は凡そ3Ah以上(典型的には3〜10Ah)であり得る。前記電極ユニットの厚さは凡そ3mm以下(典型的には1〜3mm)であり得る。前記放熱板の厚さは凡そ0.05〜1mmであり得る。
かかる構成の電池によると、短絡等により局部的に熱が発生した場合にも、電池素子の扁平面外側に設けられた放熱板によって該熱を適切に分散させることができる。このことにより、前記局部的な熱が蓄積されて電池全体が過熱状態となる現象を回避することができる。前記放熱板はフィルム外装体の外部に設けられているので、該放熱板の設置によってフィルム外装体の容積が大きくなることはない。したがって、本発明の電池によると、フィルム外装体を用いることによる利点(例えば、小型化が容易であること)を生かしつつ良好な放熱性を実現することができる。
かかる構成の電池によると、短絡等により局部的に熱が発生した場合にも、電池素子の扁平面外側に設けられた放熱板によって該熱を適切に分散させることができる。このことにより、前記局部的な熱が蓄積されて電池全体が過熱状態となる現象を回避することができる。前記放熱板はフィルム外装体の外部に設けられているので、該放熱板の設置によってフィルム外装体の容積が大きくなることはない。したがって、本発明の電池によると、フィルム外装体を用いることによる利点(例えば、小型化が容易であること)を生かしつつ良好な放熱性を実現することができる。
ここに開示される電池の一つの好ましい態様では、前記放熱板が、前記電池素子の扁平面側からみて前記電極ユニットの外縁よりも外側まで広がっている。放熱板の設置範囲を上記範囲とすることによって、より良好な放熱性が実現され得る。
ここに開示される電池の他の一つの好ましい態様では、前記放熱板が、前記扁平面側からみて前記外装体の外縁よりも内側の範囲に設けられている。かかる設置範囲とすることにより、電池の外形を面方向に拡大することなく放熱板を設置することができる。したがって、フィルム外装体を用いることによる利点(例えば、小型化が容易であること)を生かしつつ良好な放熱性を実現することができる。このように放熱板の設置範囲を制限することは、電池の軽量化の観点からも好ましい。
ここに開示される電池の他の一つの好ましい態様では、前記リチウム電池素子が前記扁平面の両外側から二枚の前記放熱板に挟まれており、それら二枚の放熱板の間では前記電池素子が外部に開放されている。このように電池素子が二枚の放熱板の間に挟まれた構成とすることによって、より良好な放熱性が発揮され得る。また、これら二枚の放熱板の間でリチウム電池素子が外部に開放されていることは、電池の小型化及び軽量化の観点から有利である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している内容以外の技術的事項であって本発明の実施に必要な事項は、従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている技術内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明は、電池容量が凡そ3Ah以上(典型的には凡そ3Ah以上10Ah以下、例えば凡そ3Ah以上7Ah以下)という比較的大容量のリチウム電池(典型的には、リチウムイオン二次電池)に関する。ここでリチウム電池の電池容量とは、例えば、該電池を定格充電電圧で完全充電した後、該電池をその定格放電電圧(終止電圧)まで1Cの放電レートで放電した場合における放電容量をいう。なお、放電レート1Cとは、定格放電電圧に至るまでの時間が1時間となる放電電流[A]で放電することをいう。
ここに開示されるリチウム電池を構成する電極ユニットは、正極及び負極を備え、典型的にはこれら正極及び負極を隔てるセパレータをさらに備える。該電極ユニットは扁平形状であって、その厚さ(すなわち扁平面間の距離)は凡そ3mm以下である。電極ユニットの厚さが凡そ3mmを超えると、厚み方向の中央部における内部短絡等によって生じた熱を放熱板に伝えることが困難となる。このため、放熱板を設けたことによる放熱性向上効果が少なくなりがちである。一方、放熱の観点からは電極ユニットの厚みを小さくするほうが有利であるが、電極ユニットを薄くすると所望の電池容量を確保するために要する扁平面の面積は大きくなる傾向にある。したがって、電極ユニットを過剰に薄くすると電池の内部抵抗が上昇しがちとなる。これらの事情を勘案して、通常は電極ユニットの厚さを凡そ1〜3mm程度とすることが好ましい。また、電極ユニットを扁平面側からみた面積を凡そ130〜1500cm2程度(例えば138〜1390cm2)の範囲とすることが好ましい。電極ユニットを扁平面側からみた面積のさらに好ましい範囲は、当該電極ユニットを備えるリチウム電池の電池容量によっても異なり得る。例えば、電池容量が概ね3Ah程度の電池であれば、前記面積を凡そ130〜450cm2程度(例えば139〜417cm2)の範囲とすることによって良好な放熱性が実現され得る。電池容量が概ね7Ah程度の電池であれば、前記面積を凡そ300〜1000cm2程度(例えば324〜974cm2)の範囲とすることによって良好な放熱性が実現され得る。電池容量が概ね10Ah程度の電池であれば、前記面積を凡そ450〜1500cm2程度(例えば463〜1390cm2)の範囲とすることによって良好な放熱性が実現され得る。
また、電極ユニットを扁平面側からみた形状が概ね長方形状である場合、その長方形の一辺の長さを1として、該辺と隣り合う辺の長さが凡そ0.2〜1(より好ましくは、凡そ0.3〜1)の範囲にあることが好ましい。
また、電極ユニットを扁平面側からみた形状が概ね長方形状である場合、その長方形の一辺の長さを1として、該辺と隣り合う辺の長さが凡そ0.2〜1(より好ましくは、凡そ0.3〜1)の範囲にあることが好ましい。
ここに開示されるフィルム外装型リチウム電池は、上述のような電極ユニットがフィルム外装体に収容された構成のリチウム電池素子を備える。かかる構成のリチウム電池素子は、それ自体で(該素子単独で、すなわち放熱板を備えない構成で)リチウム電池として機能し得るものである。前記フィルム外装体は、例えば、ラミネートフィルム等の封止用フィルム(外装フィルム)の内面同士を接合して形成することができる。電池の小型化及び放熱性向上の観点から、前記電極ユニットは、その扁平面がフィルム外装体の内表面に近接(典型的には、ほぼ密着)するようにしてフィルム外装体に収容されていることが好ましい。ここに開示される電池の一つの典型的な態様では、フィルム外装体の内部に電解質(典型的にはリチウム塩)を含有する電解液が収容されており、該電解液が前記電極ユニットに含浸されている。また、前記電極ユニットを構成する正極及び負極にはそれぞれ正極端子及び負極端子が接続されている。それらの電極端子は、例えば外装フィルムの合わせ目(接合部)を通ってフィルム外装体の外側まで引き出されている。
前記リチウム電池素子の扁平面の外側には、フィルム外装体の外表面に接して、少なくとも一枚の放熱板が設けられている。該電池素子の少なくとも一方の扁平面に放熱板が設けられた構成とすることにより、該放熱板を有しない構成のリチウム電池に比べて良好な放熱性を示すリチウム電池となり得る。より高い放熱効果が発揮され得ることから、該電池素子の一方及び他方の扁平面のいずれにも放熱板を有する構成(すなわち、電池素子の厚み方向の両側が放熱板で挟まれた構成)のリチウム電池が好ましい。
このような放熱板を構成する材質としては、熱伝導性の観点から、各種の金属(例えば、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、銅(Cu)、銀(Ag)又はこれらの金属のいずれかを主成分とする合金)を好ましく採用することができる。電池の軽量化の点から、アルミニウム等の軽金属又は該軽金属を主成分とする合金からなる放熱板が好ましい。
この放熱板の厚さは凡そ0.05〜1mm(例えば凡そ0.1〜1mm、好ましくは凡そ0.1〜0.5mm)であり得る。放熱板が薄すぎると、該放熱板の熱容量が小さいため、放熱性の向上効果が少なくなる。一方、放熱板を過剰に厚くすることは、電池全体の体格(特に厚さ)が大きくなり、また電池全体の質量も大きくなるため好ましくない。
放熱板の典型的な形状としては平板状を例示することができる。その平板の表面(例えば外側面)に凹凸が設けられていてもよい。このことによって放熱性を高める効果が実現され得る。製造コストの観点から、通常は単純な平板状の放熱板が好適に採用され得る。
この放熱板の厚さは凡そ0.05〜1mm(例えば凡そ0.1〜1mm、好ましくは凡そ0.1〜0.5mm)であり得る。放熱板が薄すぎると、該放熱板の熱容量が小さいため、放熱性の向上効果が少なくなる。一方、放熱板を過剰に厚くすることは、電池全体の体格(特に厚さ)が大きくなり、また電池全体の質量も大きくなるため好ましくない。
放熱板の典型的な形状としては平板状を例示することができる。その平板の表面(例えば外側面)に凹凸が設けられていてもよい。このことによって放熱性を高める効果が実現され得る。製造コストの観点から、通常は単純な平板状の放熱板が好適に採用され得る。
上記放熱板は、電池素子の扁平面側からみて、電極ユニットの少なくとも凡そ80%(より好ましくは凡そ90%以上)の面積を覆うように設置されていることが好ましい。電極ユニットのほぼ全体を覆うように放熱板が設けられることがより好ましく、放熱板の外周が電極ユニットの外縁よりも外側まで広がるように設けられることがさらに好ましい。かかる設置範囲とすることにより良好な放熱性が得られる。
また、放熱板は、電池素子の扁平面側からみて、フィルム外装体の外縁よりも内側の範囲に設けられていることが好ましい。かかる設置範囲とすることにより、電池の外形を面方向に大きくすることなく放熱板を設置することができる。したがって、フィルム外装体を用いることによる利点(例えば、小型化が容易であること)を生かしつつ良好な放熱性を実現することができる。このような設置範囲とすることは、電池の軽量化の観点からも好ましい。
また、放熱板は、電池素子の扁平面側からみて、フィルム外装体の外縁よりも内側の範囲に設けられていることが好ましい。かかる設置範囲とすることにより、電池の外形を面方向に大きくすることなく放熱板を設置することができる。したがって、フィルム外装体を用いることによる利点(例えば、小型化が容易であること)を生かしつつ良好な放熱性を実現することができる。このような設置範囲とすることは、電池の軽量化の観点からも好ましい。
一般に、リチウム電池に求められる電池容量が大きくなるにつれて、その電池容量を実現するために必要な電極ユニットの体積は大きくなる。本発明の電池では、電極ユニットの形状が厚み3mm以下の扁平形状に規定されていることから、該電池の電池容量が大きくなるにつれて電極ユニットの扁平面(幅広面)の面積は大きくなる傾向にある。したがって、かかる扁平面に放熱板を設けることにより、電池の外形が面方向に大きくなることを回避しつつ、電池の短絡等によって局所的に生じた熱を該放熱板によって効率よく分散させることが可能となる。なお、電極ユニットの扁平面の面積が大きくなりすぎると電池の内部抵抗が上昇しがちとなる。したがって、本発明は電池容量が凡そ10Ah程度まで(典型的には凡そ3Ah以上10Ah以下)の電池に対して好ましく適用され、電池容量が7Ah程度まで(典型的には凡そ3Ah以上7Ah以下)の電池に対してより好ましく適用される。
上記放熱板は、該放熱板がフィルム外装体の外表面上に保持されるように設置されていればよく、その設置方法は特に限定されない。例えば、電極ユニットの扁平面を覆うフィルム外装体の外表面と放熱板の内表面(リチウム電池素子に面する側の表面)とを接合する方法を採用することができる。かかる接合方法としては、熱融着性樹脂(エチレンビニルアセテート共重合体樹脂、オレフィン系樹脂等)や接着剤(ホットメルト型接着剤、湿気硬化型接着剤、感圧性接着剤等)のような接合剤を用いて接合する方法を例示することができる。したがって、放熱板とフィルム外装体との間にこのような接合剤が介在する構成も、放熱板がフィルム外装体の外表面に接して設けられた構成の例に含まれ得る。また、フィルム外装体の構成材質と放熱板とが熱溶着された構成としてもよい。或いは、二枚の放熱板の間に電池素子を挟み、これら二枚の放熱板を適当な治具で連結(拘束)した構成としてもよい。
上述した本発明の効果を発揮し得る限り、本発明に係るリチウム電池を構成する電極(正極及び負極)の組成及び構成、電極ユニットの形状、電極ユニットと外部回路との接続方法、非水電解質の組成等は、従来公知のリチウム電池(典型的にはリチウム二次電池)と同様でよく、特に限定されるものではない。
例えば、正極としては、正極活物質を主成分とする正極合材が、シート状の導電性部材(正極集電体)の片面又は両面に層状に保持された構成を有するシート状の正極を好ましく使用することができる。正極集電体としては、例えば、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)等から選択されるいずれかの金属又はこれらの金属のいずれかを主成分とする合金からなる箔状体を使用することができる。正極集電体としてアルミニウム箔を使用することが特に好ましい。正極活物質としては、リチウムイオンをドープ及び脱ドープし得る材料であれば特に限定なく使用することができる。本発明にとり好ましい正極活物質として、リチウム遷移金属複合酸化物を例示することができる。例えば、リチウムニッケル系酸化物、リチウムコバルト系酸化物、リチウムマンガン系酸化物及びこれらの混合物を主成分とする正極活物質が好ましい。
ここで「リチウムニッケル系酸化物」とは、リチウム(Li)とニッケル(Ni)とを構成金属元素とする酸化物であって主たる(第一の)遷移金属元素がNiである酸化物の他、Li及びNi以外に他の少なくとも一種の金属元素(すなわち、Li及びNi以外の遷移金属元素及び/又は典型金属元素)をNiよりも少ない割合(原子数比)で含む組成の酸化物をも包含する意味である。その金属元素は、例えば、Co,Al,Mn,Cr,Fe,V,Mg,Ti,Zr,Nb,Mo,W,Cu,Zn,Ga,In,Sn,La及びCeからなる群から選択される一種又は二種以上であり得る。リチウムコバルト系酸化物及びリチウムマンガン系酸化物についても同様である。
ここで「リチウムニッケル系酸化物」とは、リチウム(Li)とニッケル(Ni)とを構成金属元素とする酸化物であって主たる(第一の)遷移金属元素がNiである酸化物の他、Li及びNi以外に他の少なくとも一種の金属元素(すなわち、Li及びNi以外の遷移金属元素及び/又は典型金属元素)をNiよりも少ない割合(原子数比)で含む組成の酸化物をも包含する意味である。その金属元素は、例えば、Co,Al,Mn,Cr,Fe,V,Mg,Ti,Zr,Nb,Mo,W,Cu,Zn,Ga,In,Sn,La及びCeからなる群から選択される一種又は二種以上であり得る。リチウムコバルト系酸化物及びリチウムマンガン系酸化物についても同様である。
正極合材に含まれ得る正極活物質以外の成分としては、導電材、バインダ等を例示することができる。導電材としては、例えば、カーボンブラック(アセチレンブラック等)のような炭素材料、ニッケル粉末等の導電性金属粉末等を用いることができる。バインダとしては、例えば、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチルセルロース(EC)等のセルロース類;ポリビニルアルコール;ポリアクリル酸塩;ポリアルキレンオキサイド(例えばポリエチレンオキサイド);ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)等のフッ素系ポリマー;スチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)等の有機ポリマーを使用することができる。
負極としては、負極活物質を主成分とする負極合材がシート状の導電性部材(負極集電体)の片面又は両面に層状に保持された構成を有するシート状の負極を好ましく使用することができる。負極集電体としては、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)等から選択されるいずれかの金属又はこれらの金属のいずれかを主成分とする合金からなる箔状体を使用することができる。負極集電体として銅箔を使用することが特に好ましい。負極活物質としては、リチウムイオンをドープ及び脱ドープし得る材料であれば特に限定なく使用することができる。天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン、金属リチウム等の、一般的なリチウム二次電池の負極に用いられる活物質の一種又は二種以上を好ましく用いることができる。或いは、錫酸化物系、ケイ素酸化物系等の負極活物質を用いてもよい。本発明にとり好ましい負極活物質として、アモルファス構造及び/又はグラファイト構造の炭素材料が挙げられる。負極合材に含まれ得る負極活物質以外の成分としては、導電材、バインダ等が挙げられる。導電材としては正極合材用と同様のもの等を使用することができ、バインダについても同様である。
ここに開示される電池の一つの好ましい態様では、該電池が、シート状の正極とシート状の負極とがセパレータを介して積層された構成の電極ユニットを備える。例えば、シート状の正極とシート状の負極とがセパレータを介して積層され、その積層体が捲回された構成(すなわち捲回型)の電極ユニットを備えるリチウム電池に好ましく適用され得る。また、本発明は、一枚又は二枚以上のシート状の正極と一枚又は二枚以上のシート状の負極とがセパレータを介して交互に積層された構成(すなわち積層型)の電極ユニットを備えるリチウム電池にも好ましく適用され得る。
このような態様の電極ユニットを構成するセパレータとしては、例えば、ポリオレフィン系(例えばポリエチレン、ポリプロピレン)樹脂からなる多孔質膜を好ましく用いることができる。或いは、ポリオレフィン系、セルロース系(例えばメチルセルロース)等の有機質繊維又はガラス繊維等の無機繊維からなる織布又は不織布を用いてもよい。
このような態様の電極ユニットを構成するセパレータとしては、例えば、ポリオレフィン系(例えばポリエチレン、ポリプロピレン)樹脂からなる多孔質膜を好ましく用いることができる。或いは、ポリオレフィン系、セルロース系(例えばメチルセルロース)等の有機質繊維又はガラス繊維等の無機繊維からなる織布又は不織布を用いてもよい。
ここに開示される電池に備えられる非水電解質は、所謂非水系有機溶媒を主成分とする液状の電解質(非水電解液)であってもよく、ゲル状又は固体状の電解質であってもよい。非水電解液としては、従来のリチウム電池に用いられる非水電解液等を特に限定なく用いることができる。例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、酢酸メチル、蟻酸メチル等の非水系有機溶媒から選択されるいずれかの溶媒又は二種以上の溶媒を含む混合溶媒に、LiPF6,LiBF4,LiClO4,LiCF3SO3,LiC4F9SO3,LiN(CF3SO2)2,LiC(CF3SO2)3等のリチウム塩(支持塩)の一種又は二種以上を溶解させた組成の電解液等を使用することができる。この電解質におけるリチウム塩の濃度は特に限定されないが、通常は凡そ0.5〜2mol/Lの範囲とすることが適当である。
フィルム外装体を構成する封止用フィルム(すなわち外装フィルム)としては、この種のフィルム外装型電池の外装体を構成し得るものであれば特に限定なく用いることができる。例えば、リチウム二次電池等の外装体を構成する外装フィルムとして従来使用されている所謂ラミネートフィルムを用いることができる。好ましく使用されるラミネートフィルムとしては、金属箔(例えばアルミニウム、スチール)から構成されたバリア層(ガスや水分を遮断する層)と、該バリア層の一面側に設けられた外面層であって高融点樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミド系樹脂)から構成された外面(保護)層と、該バリア層の他面側に設けられた接着層であって熱融着性樹脂(比較的低融点の熱可塑性樹脂、例えばエチレンビニルアセテート共重合体樹脂(EVA))、或いはポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂)から構成される接着層と、の三層から主として構成されるラミネートフィルムを例示することができる。このような三層構造のラミネートフィルムは、適当な加熱圧着手段(例えばヒートプレス機)を用いてそれら接着層同士を容易に接着(融着)することができる。
本発明により提供されるリチウム電池は、電池容量が凡そ3Ah以上という比較的大容量の電池でありながら、電極ユニットの厚さが凡そ3mm以下と非常にスリムである。このリチウム電池は、電池素子の扁平面外側に放熱板が設けられていることにより放熱性が良好である。換言すれば、該リチウム電池には、内部短絡による局所的な発熱に起因して電池全体が過熱状態となり正極活物質や電解質の急速な熱分解等が引き起こされる、というような事象の発生を防止または抑制する手段が設けられている。また、該リチウム電池は、フィルム外装型であることから小型性及び軽量性に優れる。このような特長を有する本発明のリチウム電池(典型的には、リチウムイオン二次電池)は、例えば、ハイブリッド電気自動車等に搭載される電池として有用である。
以下、本発明に関する具体的実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例1>
図1は、本実施例に係るリチウム二次電池を示す平面図(扁平面側から見た図に相当する。)であり、図2はそのII方向矢視図である。ただし図1では、図を見やすくするために、放熱板42を仮想線で示している。これらの図に示されるように、リチウム二次電池1は、大まかにいって、扁平形状の電池素子2と、その電池素子2を厚み方向の両側から挟む二枚の放熱板42,44とを備える。電池素子2は、フィルム外装体10と、この外装体10に収容された捲回型の電極ユニット30と、電極ユニット30に接続された正極端子3及び負極端子5とを備える。電極ユニット30は、図2に示すように、厚みTが1.7mmの扁平形状に捲回されている。電極ユニット30を扁平面側からみた形状は長方形状であって(図1参照)、その捲回軸方向の長さL1は130mm、捲回幅L2は452mmである。このリチウム二次電池1の定格充電電圧は4.1Vであり、その定格充電電圧で完全充電した後に1Cの定電流で3V(この電池の放電終止電圧)まで放電した場合における容量(すなわち電池容量)が凡そ5.4Ahとなるように設計されている。
図1は、本実施例に係るリチウム二次電池を示す平面図(扁平面側から見た図に相当する。)であり、図2はそのII方向矢視図である。ただし図1では、図を見やすくするために、放熱板42を仮想線で示している。これらの図に示されるように、リチウム二次電池1は、大まかにいって、扁平形状の電池素子2と、その電池素子2を厚み方向の両側から挟む二枚の放熱板42,44とを備える。電池素子2は、フィルム外装体10と、この外装体10に収容された捲回型の電極ユニット30と、電極ユニット30に接続された正極端子3及び負極端子5とを備える。電極ユニット30は、図2に示すように、厚みTが1.7mmの扁平形状に捲回されている。電極ユニット30を扁平面側からみた形状は長方形状であって(図1参照)、その捲回軸方向の長さL1は130mm、捲回幅L2は452mmである。このリチウム二次電池1の定格充電電圧は4.1Vであり、その定格充電電圧で完全充電した後に1Cの定電流で3V(この電池の放電終止電圧)まで放電した場合における容量(すなわち電池容量)が凡そ5.4Ahとなるように設計されている。
フィルム外装体10は、この種の一般的なフィルム外装型電池と同様、対向配置された二つの長方形状の外装フィルム12,14によって構成されている。これら外装フィルム12,14は、従来の一般的な三層構造ラミネートフィルムを用いて構築されている。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂製の外面層(保護層)と、アルミニウム箔から成るバリア層と、ポリプロピレン樹脂から成る接着層とがこの順に積層された構造を有する。図1及び図2に示すように、フィルム外装体10の扁平面側(厚み方向)からみた中央部には、外装フィルム12,14が該扁平面側及びその反対側に略長方形状に張り出した電極ユニット収容部102が形成されている。かかる収容部102の内部空間に電極ユニット30及び図示しない電解質が収容される。本実施例では、ジエチルカーボネート(DEC)とエチレンカーボネート(EC)との混合溶媒(DEC:ECの質量比が7:3である混合溶媒等)に支持塩としてリチウム塩(LiPF6等)を例えば1mol/L程度の濃度で溶解させた非水電解液を使用した。
一方、フィルム外装体10のうち電極ユニット収容部102を囲む外縁(外周)部分には、外装フィルム12,14の外縁によってフランジ部104が形成されている。該フランジ部104は、収容部102の外周(平面側からみて長方形状)の各辺から外方に広がっている。そのフランジ部104では、図2に示すように、該フランジ部104を構成する外装フィルム12,14の内面同士が互いに熱融着されている。これにより電極ユニット収容空間の密閉性が確保されている。
電極ユニット収容部102の内部空間に収容される電極ユニット30は、正極集電体の表面に正極活物質を含む層(正極活物質層)を有する正極シートと負極集電体の表面に負極活物質層を有する負極シートとをセパレータシートを介して重ね合わせ、それらのシートを扁平に捲回して成る。本実施例では、正極集電体として、厚さ約15μm、幅108.5mm、長さ3840mmの長尺状(帯状)のアルミニウム箔を使用した。該正極集電体の表面に、正極活物質としてのニッケル酸リチウム(LiNiO2)とカーボンブラック(CB)とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを質量比でLiNiO2:CB:PTFE=87:10:3の割合で含む正極組成物を塗布し、乾燥後にプレスして正極シートを作製した。また、負極集電体としては、厚さ約10μm、幅108.5mm、長さ3990mmの長尺状(帯状)の銅箔を使用した。該負極集電体の表面に、カーボン(黒鉛粉末)とカルボキシメチルセルロース(CMC)とスチレンブタジエンゴム(SBR)とを質量比でカーボン:CMC:SBR=98:1:1の割合で含む負極組成物を負極集電体に塗布し、乾燥後にプレスして負極シートを作製した。セパレータシートとしては、厚さ25μmポリプロピレン製多孔質シートを使用した。これらのシートを重ねたものを扁平に4.2ターン捲回することにより、厚さ1.7mmの電極ユニット30を作製した。
電極ユニット30を構成する正極集電体には正極端子3の一端が接続され、負極集電体には負極端子4の一端が接続されている。本実施例では、正極端子3としてアルミニウム板を、負極端子4として銅板を使用した。これら正極端子3及び負極端子4の他端は、電極ユニット30の捲回軸方向の両端から外装フィルム12,14の合わせ目(フランジ部104)を通って互いに反対方向に引き出されている。かかる構成のリチウム電池素子2は、それ自体、フィルム外装型の扁平なリチウム二次電池として機能し得る。
このリチウム電池素子2の扁平面の外側には、外装フィルム12,14の外表面に接して、アルミニウム製の放熱板42,44がそれぞれ設けられている。これらの放熱板42,44はいずれも厚さ0.1mmの平板状であって、その平面形状(扁平面側からみた形状)は長方形状である。図1によく示されるように、放熱板42,44の外縁は、その全周にわたって、電極ユニット30の外縁とフィルム外装体10の外縁(すなわちフランジ部104の外縁)との間に位置している。換言すれば、電池素子2の扁平面側からみて放熱板42,44は、電極ユニット30の全体を覆い、かつフィルム外装体10からはみ出さない範囲に設けられている。放熱板42,44うちリチウム電池素子2に面する側の中央部(電極ユニット収容部102を覆う部分)は、図示しない接着剤(ここでは、EVA系のホットメルト型接着剤を使用した。)を用いて外装フィルム12,14の外表面に面的に接合されている。図2によく示されるように、放熱板42,44の外縁部(電極ユニット収容部102を覆う部分)は外装フィルム12,14に接合されていない。そして、放熱板42,44の間では電池素子2が外部に開放されている。
かかる構成のリチウム二次電池に対し、以下の釘刺し試験を行って電池の挙動(表面温度プロファイル)を観察した。すなわち、リチウム二次電池をSOC(State of Charge、充電状態)80%に調整した。この電池の扁平面のほぼ中央に、直径2.5mmの釘を350mm/秒の速度で突き刺して貫通させた。そのまま該電池を釘が刺さった状態に保持して表面温度の推移を測定した。この表面温度は、釘から15mm離れたフィルム外装体の側面に貼り付けた熱電対により検出した。その結果、本実施例に係るリチウム二次電池のフィルム外装体表面の最高到達温度(釘刺し直後から放電完了するまでの間における最高到達温度)は41℃であった。
<実施例2>
本実施例に係るリチウム二次電池1は、電極ユニット30の厚さT及び捲回幅L2が異なる点以外は実施例1と概ね同様に構成されたリチウム電池素子2を備える(図1及び図2参照)。具体的には、本実施例では電極ユニット30の厚さTが2.0mmであり、捲回幅L2が384mmである。この捲回幅L2の値は、電極ユニット30の厚さTを2.0mmとしたときに実施例1と同じ電池容量(すなわち5.4Ah)が実現されるように設定されたものである。電極ユニット30の厚さTを2.0mmに調整するために、本実施例では、正負の電極シートとセパレータシートとを重ね合わせたものの捲回数を5.0ターンとしている。本実施例のリチウム二次電池1は、上記構成のリチウム電池素子2の両扁平面の外側に、実施例1と同じ材質及び厚さの放熱板42,44を備える。ただし、これらの放熱板42,44のL2方向(電極ユニットの捲回幅方向)の長さを実施例1よりも短くすることにより、実施例1と同様に放熱板42,44の外縁が電極ユニット30の外縁とフィルム外装体10の外縁との間に位置するように放熱板42,44のサイズが調節されている。
このリチウム二次電池を用いて実施例1と同様の釘刺し試験を行った。その結果、この電池のフィルム外装体表面の最高到達温度は46℃であった。
本実施例に係るリチウム二次電池1は、電極ユニット30の厚さT及び捲回幅L2が異なる点以外は実施例1と概ね同様に構成されたリチウム電池素子2を備える(図1及び図2参照)。具体的には、本実施例では電極ユニット30の厚さTが2.0mmであり、捲回幅L2が384mmである。この捲回幅L2の値は、電極ユニット30の厚さTを2.0mmとしたときに実施例1と同じ電池容量(すなわち5.4Ah)が実現されるように設定されたものである。電極ユニット30の厚さTを2.0mmに調整するために、本実施例では、正負の電極シートとセパレータシートとを重ね合わせたものの捲回数を5.0ターンとしている。本実施例のリチウム二次電池1は、上記構成のリチウム電池素子2の両扁平面の外側に、実施例1と同じ材質及び厚さの放熱板42,44を備える。ただし、これらの放熱板42,44のL2方向(電極ユニットの捲回幅方向)の長さを実施例1よりも短くすることにより、実施例1と同様に放熱板42,44の外縁が電極ユニット30の外縁とフィルム外装体10の外縁との間に位置するように放熱板42,44のサイズが調節されている。
このリチウム二次電池を用いて実施例1と同様の釘刺し試験を行った。その結果、この電池のフィルム外装体表面の最高到達温度は46℃であった。
<実施例3>
本実施例に係るリチウム二次電池1は、電極ユニット30の厚さTが2.3mmであり、捲回幅L2が334mmである点以外は実施例1と概ね同様に構成されたリチウム電池素子2を備える。この捲回幅L2の値は、電極ユニット30の厚さTを2.3mmとしたときに実施例1と同じ電池容量が実現されるように設定されたものである。上記厚さTを2.3mmに調整するために、本実施例では、正負の電極シートとセパレータシートとを重ね合わせたものの捲回数を5.7ターンとしている。本実施例のリチウム二次電池1は、実施例1と同じ材質及び厚さの放熱板42,44を備え、それらの放熱板42,44のサイズは、該放熱板42,44の外縁が電極ユニット30の外縁とフィルム外装体10の外縁との間に位置するように調節されている。
このリチウム二次電池を用いて実施例1と同様の釘刺し試験を行った。その結果、この電池のフィルム外装体表面の最高到達温度は45℃であった。
本実施例に係るリチウム二次電池1は、電極ユニット30の厚さTが2.3mmであり、捲回幅L2が334mmである点以外は実施例1と概ね同様に構成されたリチウム電池素子2を備える。この捲回幅L2の値は、電極ユニット30の厚さTを2.3mmとしたときに実施例1と同じ電池容量が実現されるように設定されたものである。上記厚さTを2.3mmに調整するために、本実施例では、正負の電極シートとセパレータシートとを重ね合わせたものの捲回数を5.7ターンとしている。本実施例のリチウム二次電池1は、実施例1と同じ材質及び厚さの放熱板42,44を備え、それらの放熱板42,44のサイズは、該放熱板42,44の外縁が電極ユニット30の外縁とフィルム外装体10の外縁との間に位置するように調節されている。
このリチウム二次電池を用いて実施例1と同様の釘刺し試験を行った。その結果、この電池のフィルム外装体表面の最高到達温度は45℃であった。
実施例1〜3に係るリチウム二次電池の形状(該電池を構成する電極ユニットのサイズ)及び該電池の釘刺し試験結果を表1にまとめて示す。これらのリチウム二次電池の釘刺し試験では、いずれも、電池全体が過熱状態となる現象は認められなかった。
<比較例1〜5>
比較例1〜5に係るリチウム二次電池は、電極ユニットの厚さTをそれぞれ表2に示す値とし、各厚さTに応じて実施例1と同じ電池容量が実現されるように捲回幅の値を設定した点以外は実施例1と概ね同様にして構成されている。これらの比較例に係るリチウム二次電池は、実施例1と同じ材質及び厚さの放熱板を備え、それらの放熱板のサイズは、該放熱板の外縁が電極ユニットの外縁とフィルム外装体の外縁との間に位置するように調節されている。
これらのリチウム二次電池を用いて実施例1と同様の釘刺し試験を行った結果を、該電池を構成する電極ユニットのサイズとともに表2に示す。この表から判るように、電極ユニットの厚さが大きくなると最高到達温度が顕著に上昇した。比較例2〜5の電池では電池全体が過熱状態となる現象がみられた。
比較例1〜5に係るリチウム二次電池は、電極ユニットの厚さTをそれぞれ表2に示す値とし、各厚さTに応じて実施例1と同じ電池容量が実現されるように捲回幅の値を設定した点以外は実施例1と概ね同様にして構成されている。これらの比較例に係るリチウム二次電池は、実施例1と同じ材質及び厚さの放熱板を備え、それらの放熱板のサイズは、該放熱板の外縁が電極ユニットの外縁とフィルム外装体の外縁との間に位置するように調節されている。
これらのリチウム二次電池を用いて実施例1と同様の釘刺し試験を行った結果を、該電池を構成する電極ユニットのサイズとともに表2に示す。この表から判るように、電極ユニットの厚さが大きくなると最高到達温度が顕著に上昇した。比較例2〜5の電池では電池全体が過熱状態となる現象がみられた。
なお、比較例1のリチウム二次電池を構成するリチウム電池素子について上記釘刺し試験を実施したところ、最高到達温度は150℃を超え、電池全体が過熱状態となる現象がみられた。また、実施例3のリチウム二次電池を構成するリチウム電池素子について上記釘刺し試験を実施したところ、最高到達温度が100℃程度に上昇した。これらの結果から、電極ユニットの厚さTを規定することによる効果及び電池素子の扁平面外側に放熱板を設けることによる放熱性向上効果が確認された。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独で或いは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独で或いは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1:リチウム二次電池(フィルム外装型リチウム電池)
2:電池素子(リチウム電池素子)
3:正極端子
4:負極端子
10:フィルム外装体
12,14:外装フィルム
30:電極ユニット
42,44:放熱板
102:電極ユニット収容部
104:フランジ部
2:電池素子(リチウム電池素子)
3:正極端子
4:負極端子
10:フィルム外装体
12,14:外装フィルム
30:電極ユニット
42,44:放熱板
102:電極ユニット収容部
104:フランジ部
Claims (4)
- 正極及び負極を備えた扁平形状の電極ユニットがフィルム外装体に収容された扁平形状のリチウム電池素子と、
該電池素子の扁平面の外側に前記フィルム外装体の外表面に接して設けられた放熱板と、
を備えるフィルム外装型リチウム電池であって、
前記電池の電池容量は3Ah以上であり、
前記電極ユニットの厚さは3mm以下であり、かつ
前記放熱板の厚さは0.05〜1mmである、フィルム外装型リチウム電池。 - 前記放熱板は、前記電池素子の扁平面側からみて前記電極ユニットの外縁より外側まで広がっている、請求項1に記載の電池。
- 前記放熱板は、前記扁平面側からみて前記外装体の外縁より内側の範囲に設けられている、請求項2に記載の電池。
- 前記リチウム電池素子は前記扁平面の両外側から二枚の前記放熱板に挟まれており、それら二枚の放熱板の間では前記電池素子が外部に開放されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の電池。
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