JP4585904B2 - 色ずれ補正方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、色ずれ量を検出し、補正する色ずれ補正方法、及びこの色ずれ補正方法を実施する複写機、プリンタ、ファクシミリ、デジタル複合機などのカラー画像形成装置に関する。
今日、電子写真装置では、市場からの要求にともない、カラー複写機やカラープリンタなどカラー出力のものが多くなってきている。特に最近では、カラー出力時もモノクロ並みのスピードが望まれることから複数の感光体とそれぞれ個別に現像装置を備え、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、それらの単色トナー画像を順次転写して記録紙上にカラー画像を記録するタンデム方式のプリンタが主流となってきている。
タンデム方式のプリンタには、図12に示すように、各色毎に設けられた感光体2K、2M、2C、2Y(K,M,C,Yはそれぞれ色を示す)上に形成される画像を現像ユニット3K,3M,3C,3Yでトナー現像し、各色毎に設けられた転写装置4K、4M、4C、4Yにより、転写ベルト51で搬送する記録紙上に順次転写していくことによってフルカラーの画像を形成する直接転写方式のものと、図13に示すように、各感光体2K、2M、2C、2Y上に形成される画像を転写装置4K、4M、4C、4Yによりいったん転写ベルト51上に順次転写し、その転写ベルト上51上に形成されたフルカラーの画像を2次転写装置54により記録紙上に一括転写する間接転写方式のものとがあるが、画像を記録紙に転写する転写部にはベルトを使用した構成をとるものが多い。いずれの方式の場合も、各色の感光体2K、2M、2C、2Y上の画像は転写ベルト51上の異なる位置で記録紙もしくはベルト上に転写されるため、転写ベルト51の移動速度に微小な変化があった場合、次の色の転写位置までの到達時間が変動する。そして、この変動のため各色の転写位置にずれが生じ、結果的に出力された画像に副走査方向(ベルトの移動方向)の色ずれが発生してしまうことになる。また、書き込みユニット1K、1M、1C、1Yも、各色毎に独立しているため、温度等の環境変化により各部品が変位したりすることにより主走査方向の倍率や書き込みの位置が変化すると、結果的に出力された画像に主走査方向の色ずれが発生してしまうことになる。
このため、タンデム方式のプリンタでは、特許文献1に開示されているように実際のカラー画像を形成する前に転写ベルト51上に、図14に示すような位置ずれ検出用のトナーパターンを出力し、このパターンをセンサで検出し、その検出結果から、各色の正規の位置からのずれ量や補正量を演算し、その補正量に基づいて画像の書き出しタイミングや倍率を調整することで色ずれの補正行う機能を持つものが多い。
なお、図12及び図13中、符号6は定着部、符号7はプロッタ制御部、符号52は駆動ローラ、符号53は従動ローラをそれぞれ示す。
さらに、特許文献2には、最小限のダウンタイムで最小限の実行頻度でエンジンキャリブレーションを実施し、結果を次プリントに反映することによってユーザの待ち時間を低減しながら画像品質を維持するようにした画像形成装置が開示されている。
特開2002−244387号公報 特開2003−167394号公報
しかし、色ずれの量は、使用状況や設置環境に大きく依存する。色ずれを発生させる要因としては、機械内部の温度変化の影響が大きいが、大量の枚数を連続して印刷した場合と、少量を時間間隔をおいて印刷した場合では、設定した枚数に到達した時点の機械内部の温度状態が異なるため、色ずれ量も異なる。このため、一定枚数毎に色ずれ補正を行っても、色ずれ補正前のずれ量には大きな差が生じ、最適な条件を設定することが難しくなる。
そこで、印刷開始時に毎回色ずれ補正を実行してから、印刷を開始するようにすれば、印刷開始時の色ずれ量を所定の範囲内に収めることができるが、1枚目の出力までの時間が長くなるためユーザの使い勝手が悪くなる。また、連続プリント中に一定の枚数をプリントした段階で、色ずれ補正を行う際の、一定枚数の値を小さくして、色ずれ補正の実行間隔を短くするように設定すれば色ずれ量を良好な状態に保つことができるが、プリント中に色ずれ補正を行う回数が増えるため、スループットが悪化しユーザの使い勝手が悪くなる。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、スループットを低下させることなく、形成した画像の品質を低下させるような色ずれの発生を防止することにある。
前記目的を達成するため、第1の手段は、ベルト上に色ずれ量を検出するためのトナーパターンを出力し、前記トナーパターンの位置を検出し、検出したトナーパターンの位置情報から色ずれ量を算出し、色ずれ量が最小となるように補正する色ずれ補正方法において、前回の印刷終了時点から今回の印刷開始時点までの時間間隔を測定する工程と、前記測定する工程の後に実行され、連続して大量に印刷されているかどうかを判定する工程と、測定した実行間隔に応じて次回の色ずれ補正を実行する実行条件を設定する工程と、設定された実行条件に基づいて得られた印刷枚数と所定枚数とを比較する工程と、前記比較する工程で前記印刷枚数が前記所定枚数より大きい場合に色ずれ補正処理を実行する工程と、を備え、前記判定する工程で連続して大量に印刷されていると判定された場合には前記色ずれ補正を行った後、前記実行条件を設定する工程を実行することを特徴とする。
第2の手段は、ベルト上に色ずれ量を検出するためのトナーパターンを出力する手段と、前記トナーパターンの位置を検出する手段と、検出したトナーパターンの位置情報から色ずれ量を算出し、色ずれ量が最小となるように補正する手段とを有する画像形成装置において、前回の印刷終了時点から今回の印刷開始時点までの時間間隔を測定する手段と、前記測定する工程の後に実行され、連続して大量に印刷されているかどうかを判定する手段と、測定した実行間隔に応じて次回の色ずれ補正を実行する実行条件を設定する手段と、設定された実行条件に基づいて得られた印刷枚数と所定枚数とを比較する手段と、前記比較する手段で比較した結果、前記印刷枚数が前記所定枚数より大きい場合に色ずれ補正処理を実行する手段と、を備え、前記判定する手段が連続して大量に印刷されているとした場合には前記色ずれ補正を行った後、前記実行条件を設定することを特徴とする。
この場合、前記設定する手段は、前回の色ずれ補正からの印刷枚数を算出する際に、印刷枚数に次の印刷までの間隔に応じて一定の係数を乗じ、印刷間隔が長い場合には、印刷枚数を実際の印刷枚数より少なくした実行条件を設定する。また、環境温度を測定する手段をさらに備え、前記設定する手段は、測定された環境温度に応じて放置時間による色ずれの変化を示す係数を変化させ、この係数の変化に応じて最適な補正係数を使用して次回の色ずれ補正を実行する実行条件を設定するようにすることもできる。なお、前記ベルトとしては、例えば、画像が直接転写される用紙を搬送する搬送ベルト、あるいは、画像が1次転写され、その転写された画像を2次転写位置で用紙上に転写する中間転写ベルトが使用される。
なお、後述の実施形態において、印刷処理の実行間隔を測定する工程はステップB16からB3に、実行条件を設定する工程はステップB4に、比較する工程はステップB5及びステップB12に、色ずれ補正処理を実行する工程はステップB6、B13及びC3に、連続して大量に印刷されているかどうかを判定する工程はステップC2にそれぞれ対応する。
また、トナーパターンを出力する手段はCPU100からの指示によりプロッタ制御部7を介して作像される作像要素全体に、位置を検出する手段はトナーマークセンサ108及びCPU100に、補正する手段、測定する手段、及び設定する手段はCPU100に、測定する手段は温度検出センサ109にそれぞれ対応する。
本発明によれば、測定された印刷処理の実行間隔に応じて次回の色ずれ補正を実行する実行条件を設定するので、スループットを低下させることなく、形成した画像の品質を低下させるような色ずれの発生を防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。同図において、本実施形態に係る画像形成装置は、CPU100、ROM101、RAM102、パラメータメモリ103、時間計測部104、操作表示部105、プロッタ106、I/O部107、トナーマークセンサ108、温度検出センサ109、モータ制御部110、モータドライバ回路111、モータ112及びシステムバス113から基本的に構成されている。
CPU100はROM101に書き込まれたプログラムを実行して装置各部の制御を行う中央演算処理装置である。ROM101はCPU100が装置各部の制御を行うためのプログラムや、制御に使用する固定データが記憶されたリードオンリメモリである。RAM102はCPU100が装置各部の制御を行うためのプログラム実行時の作業領域や、印刷する画像を展開するのに使用するランダムアクセスメモリである。パラメータメモリ103は装置の動作に関連したデータのうち、電源遮断時にも内容を保持し、次回の動作時にも参照されるデータを記憶するための不揮発性のメモリで、バッテリバックアップされたSRAMやEEPROMによって構成される。このパラメータメモリ103には色ずれ補正の実行間隔や、色ずれ補正用のパターンのパラメータや、色ずれの補正量のように色ずれ補正の実行時に更新されるデータが保存される。
時間計測部104は、システム内部のクロックを使用し、このクロックをカウントすることにより色ずれ補正処理実行時からの経過時間を測定するものである。時刻を計測するための時計機能を持ち、色ずれ補正処理を実施した時刻を測定する。また、現在時刻との差から、色ずれ補正実行時からの経過時間を算出する構成とすることもできる。操作表示部105は、ユーザが機器の設定等を行うための操作キーとユーザに機器の動作状態やメッセージを表示するための液晶表示機等の表示部から構成される。
プロッタ106は、画像を記録紙70(図2参照)上に形成して出力する動作を行う部分でありプロッタ制御部7により制御される。プロッタ106の詳細な構成は図2に示す。I/O部107は入出力ポートから構成され、トナーマークセンサ108やその他のセンサの入力及び出力制御を行う。トナーマークセンサ108は、転写ベルト51上に生成したトナーマークを検出するセンサである。光学式センサを使用した場合は、転写ベルト51に光を照射し、転写ベルト51上に生成した色ずれ量を計測するためのトナーマークを検出し、色ずれ量を計測するための情報を得る。トナーマークの一例は前述の図14に示した通りである。温度検出センサ109は、環境温度を検出するためのセンサで、サーミスタ等の温度センサを使用して画像形成装置を設置した周囲温度を検出するものである。モータ112は本実施形態に係る画像形成装置の各部を駆動するモータで、モータドライブ回路111を介してモータ制御回路110から与えられる駆動信号によって制御される。システムバス113は、上記の各部がデータをやり取りするための信号ラインであり、具体的には、データバス、アドレスバス、制御バス、I/Oバスの集合として構成されている。
図2はプロッタ部106の概略構成を示す図である。同図において、プロッタ106は電子写真方式によるタンデム方式のもので、4つのドラム状の感光体2K,2M,2C,2Yと、その感光体2K,2M,2C,2Y上に形成された画像が各色毎に設けられたそれぞれの転写装置4K,4M,4C,4Yの転写位置で記録紙70上に順次転写されるように記録紙70を搬送するベルト状の搬送装置(転写ベルト51)からなる直接転写方式の構成のもので、前述の図12に対応する。
図2のように構成された画像形成装置では、まず、画像データがプロッタ制御部7でシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色の画像データに分解され、書き込み用の各色のデータに変換される。感光体ドラム2K,2M,2C,2Yは、書き込みユニット1K,1M,1C,1Yから出力されるレーザ光で露光され、感光体ドラム2K,2M,2C,2Y上の感光層に画像データに応じた静電潜像が形成される。感光体ドラム2K,2M,2C,2Y上に形成された静電潜像は、各色に対応した現像器3K,3M,3C,3Yで現像されて、各色のトナー像となる。現像されたトナー画像は給紙カセット71から給紙され、転写部4に供給された記録紙70上に順次転写され、記録紙70上に4色が重畳されてカラー画像が形成される。
転写部4は、各色の感光体ドラム2K,2M,2C,2Yに接する転写ベルト51と感光体ドラム2K,2M,2C,2Yと対向する転写装置(転写ローラ部)4K,4M,4C,4Yで構成される。記録紙70は転写ベルト51上を静電吸着された状態で搬送され、各感光体ドラム2K,2M,2C,2Yに接するところでトナー像が記録紙70に転写される。
転写ベルト51は無端状のベルトで、駆動ローラ52と従動ローラ53の間に張架されており、駆動ローラ52の軸に連結されたモータ112によって一定速度で動作するように駆動される。駆動ローラ52の転写ベルト51の回転方向下流側にはクリーニング装置54が設置され、転写ベルト51表面上の不要なトナー像をクリーニングする。この転写ベルト51は、例えばフッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等でベルトの全層を形成したベルトや、その一部を形成したベルトが使用される。転写ベルト51の搬送方向下流側には定着部6が設けられている。定着部6では、各色のトナー像が転写された記録紙70を、加熱及び加圧することによって記録紙70上に定着して出力する。
本実施形態では、直接転写方式のプリンタで説明したが、前述の図13に示すような間接転写方式のプリンタについても同様に適用できる。
前述のように構成された画像形成装置では、下記のような色ずれ補正処理が行われる。
色ずれ補正処理は、前述の図14に示したように転写ベルト51上の主走査方向の両側に形成した色が互いに異なる4色の短冊状のトナーパターン11K,11M,11C,11Yをトナーマークセンサ108で検出し、その各色のパターン11K,11M,11C,11Y間の色ずれ量を検出して、その色ずれ量が所定の値以下になるように書き込みのタイミング等を調整することにより行われる。
トナーパターン11K,11M,11C,11Yは、図10に示した直接転写方式では、駆動ローラ52の転写ベルト51の回転方向下流側の直近の位置に対向した位置に、図11に示した間接転写方式では、駆動ローラ52の転写ベルト51の回転方向上流側の直近の位置に対向した位置に形成される。パターン11K,11M,11C,11Yは、一連の短冊状のパターンをトナーマークセンサ108の配置にあわせて主走査方向の複数箇所に通常の画像形成と同様にして感光体ドラム2K,2M,2C,2Yから転写して形成される。本実施形態では2箇所に配置しているが、センサの数に応じて3箇所以上パターンを配置する構成としても良い。なお、前記パターン自体はパラメータメモリ103に格納されたパターンのパラメータデータをCPU100が読み出し、プロッタ制御部7から前述の工程を経て顕像化される。
いずれにしても、色ずれ補正時には、記録紙70を通紙せず、転写ベルト51上に、図14に示す位置ずれ検出用のトナーパターンを出力し、このパターンをトナーマークセンサ108で検出し、その検出結果から、CPU100が各色の正規の位置からのずれ量を検出し、補正する。それぞれのパターンは4本の平行な線状のパターン11−1と、4本の斜め線のパターン11−2とからなり、これらのラインパターン11−1,11−2の組を対として副走査方向に一定間隔に配置し、それらを複数組繰り返し、転写ベルト51の移動方向に沿って形成したものである。この実施形態では、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色で形成している。
なお、特に説明しない各部は前述の図12に示した直接転写方式のプリンタと同等に構成され、同等に機能する。
図3はこのトナーパターンを使用した色ずれ補正処理の処理手順を示すフローチャートで、CPU100によって実行される。
この処理手順では、まず、処理が開始されると(ステップA1)パターン出力として、正規の画像出力に先立って、各色間の色ずれ量を検出するためのトナーパターンを出力する(ステップA2)。トナーパターンは、各感光体ドラム2K,2M,2C,2Yを介して転写ベルト51上に形成されるもので、前述の図14に示すパターンである。次に、転写ベルト51上に形成した色ずれ検出用のトナーパターン11K,11M,11C,11Yをトナーマークセンサ108で検出し、検出した波形を2値化処理して立下りエッジと立ち上がりエッジの中点の位置を各ラインパターンの位置情報として検出する(ステップA3)。
次に、ステップA3で検出した各ラインパターンの位置情報から、主走査方向のずれ量、副走査方向のずれ量ΔDを算出する。そして、算出したずれ量ΔDから各色間のずれが最小となる補正量を算出する。また、その算出したずれ量及び補正量はパラメータメモリ103に保存し、次回の色ずれ補正処理までの補正値として使用する(ステップA4)。次いで、ステップA4で算出した補正量を用いて、主走査、副走査のレジストの補正を行う。また、倍率及び倍率誤差偏差の補正も行う(ステップA5)。
ステップA5色ずれ補正が行われた後、色ずれ補正処理の補正結果を反映した状態で、再度色ずれ検出用パターンを出力し、転写ベルト51上に色ずれ補正後のパターンを形成する(ステップA6)。なお、最初に転写ベルト51上に形成した補正前のトナーパターン11は、トナーマークセンサ108による検出後に、クリーニング装置54によってクリーニング除去されている。
ステップA6で出力された色ずれ補正後の転写ベルト51上の色ずれ検出用パターンをトナーマークセンサ108で再度検出し、ラインパターン11の各位置情報を検出する(ステップA7)。次に、検出した各ラインパターン11のエッジ情報から、前回と同様に、スキュー、主走査方向のずれ量、副走査方向のずれ量を算出し、それら各色間のずれが最小となる補正量を算出する(ステップA8)。
ステップA8で各色間のずれが最小となる補正量が算出されると、その色ずれ補正後の各パターン間の色ずれ量が、所定の値(Δd)より小さいか否かを判定し(ステップA9)、Δdより小さい場合(Yesの判断)は処理を終了する(ステップA10)。また、Δdより大きい場合(Noの判断)はステップA5に戻り、検出した位置情報から、再度補正量を算出してステップA5以降の処理を繰り返す。
このような一連の処理を行うことによって、各色間の色ずれ量を所定の値(Δd)より小さい値に調整することができる。
なお、ここでは、一度色ずれ補正処理を行い、補正結果を反映した状態で再度色ずれ検出用パターンを出力し、色ずれ量を所定の値以下にする方式としたが、処理時間の短縮を優先する場合は、ステップA4までの処理で終了する動作としても良い。
このようにして色ずれ補正機能を用いて、色ずれ補正処理を実施することにより色ずれ量は所定の範囲内に収めることができるが、印刷枚数や、印刷と印刷の時間間隔は使用環境によって異なるため、色ずれ補正の実行間隔を枚数だけで管理する方式では、画像の品質を一定に保つことができず、また、実行間隔が短い場合には処理効率が低下し、実行間隔が長い場合には、色ずれ量が拡大する虞が多い。そこで、本実施形態では、時間計測部104によって印刷処理の実行間隔を計時し、印刷処理の実行間隔に応じて、次回の色ずれ補正を実行する実行条件を調節するようにした。具体的には、前回の色ずれ補正からの印刷枚数を積算する際に、印刷枚数に次の印刷までの間隔に応じて一定の係数を乗じ、印刷間隔が長い場合には、印刷枚数を実際の印刷枚数より少なくして積算することにより、あらかじめ設定しておいた色ずれ補正を実行間隔枚数への到達しにくくし、色ずれ補正の実行頻度を低減させても十分な画像品質を得ることができるようにした。
このときの処理手順を図4のフローチャートに示す。図4に示す処理が開始されると(ステップB1)、ステップB2で印刷要求の待機状態になる。ステップB2では、印刷要求が出されたか否かを判断し、印刷要求が出されていなければそのまま待機する。印刷要求が出されると、ステップB3で前回の印刷終了時刻からの経過時間を計測する。時間の計測は、ステップB16で時間計測部104内部の時間計測用のカウンタをクリアし、カウントを開始しているので、ステップB3でカウンタの値を読み出すことによって経過時間を算出することができる。ここで使用する時間計測部104はシステム内部のクロックを使用して、これをカウントすることにより印刷処理終了時からの経過時間を計測する。
ステップB3で時間計測を行った後、ステップB4の処理を実行する。このステップB4の処理は、前回の色ずれ補正からの印刷枚数を算出する処理であるが、印刷枚数は、前回の色ずれ補正時から直前の印刷より1つ前までの印刷枚数Pに、直前の印刷時の印刷枚数P1に一定の係数を乗じた値を加算する。ここで使用する係数は、ステップB3で算出した経過時間を用いて、図6に示すテーブルを使用して求める。印刷処理時と印刷処理後の放置時の温度変化は図5に示すようなものとなるため、色ずれも同様の変化をとる可能性が高い。つまり、印刷時に温度が上昇して色ずれがある程度悪化しても、時間が経過し初期の状態に近づくにつれて、色ずれ量も元に戻り小さくなる。しかし、色ずれは温度以外の他の要因でも発生しているので、完全に元通りになるわけではない。そこで、十分時間が経過した場合についても、0ではなく一定量の比率を持つようなテーブルとする。図6に示す変換テーブルはあくまで一例であり、実機では機器の特性にあわせた変換テーブルを用意して使用する。
ステップB5では、ステップB4で求めた前回の色ずれ補正時からの印刷枚数Pとあらかじめ設定しておいた色ずれ補正の実行基準となる設定枚数を比較し、Pが設定枚数を超えた場合は、色ずれ補正処理を実行する(ステップB6)。ステップB6の色ずれ補正処理は、前述したように転写ベルト51上にトナーで色ずれ検出用のパターンを形成し、このパターンをトナーマークセンサ108によって検出することにより、主走査方向、副走査方向のレジスト及び倍率を調整し4色の色ずれが最小となるようにする処理である。ここで算出したずれ量及び補正量は次回の色ずれ補正処理までの補正値として使用できるように、パラメータメモリ103に保存される。次いで、ステップB7で前回の色ずれ補正時からの印刷枚数P、及び現在の印刷処理をカウントしているP1をそれぞれ0にクリアする。
ステップB5で、前回の色ずれ補正時からの印刷枚数Pがあらかじめ設定しておいた色ずれ補正の実行基準となる設定枚数以下の場合は、通常の印刷処理を実行する(ステップB9)。印刷処理中は、今回の印刷処理の枚数をカウントする必要があるので、ステップB8でカウンタP1をクリアして、ステップB10でカウントする。また、印刷実行中に、色ずれ補正の実行基準となる設定枚数を越える場合もあるので、ステップB11で、設定前回の色ずれ補正時から直前の印刷より1つ前までの印刷枚数Pに現在の印刷枚数P1を加算した値をP2としてカウントし、ステップB12でP2の値が設定した枚数を超えた場合は、ステップB6と同様に色ずれ補正処理を実行し(ステップB13)、ステップB14で前回の色ずれ補正時からの印刷枚数Pを0にクリアする。また、現在の印刷処理をカウントしているP1も0にクリアする。
ステップB15では、出力した画像が最終ページか否かを判断し、最終ページでない場合はステップB9に戻って画像を再度出力する。ステップB15で最終ページと判断した場合は、ステップB16に進む。ステップB16では、今回の印刷処理から次の印刷処理の実行までの時間を計測するので、時間計測部104内部の時間測定用のカウンタをクリアし、カウントを開始し、この状態でステップB2に戻り次の印刷要求を待機する。
以上の一連の処理により、印刷実行中の色ずれ補正の判断を行うための出力枚数を、印刷間隔の時間変化に応じて変化させた値を用いて実施することが可能となる。
このように処理すると、色ずれ補正処理を実行するための設定枚数が100ページの場合に、20ページ毎の印刷を20分間隔で繰り返した場合、従来の処理では5回の印刷に1回色ずれ補正処理が行われていたものが、本実施形態による制御では、10回の印刷で1回実行されるようになる。これにより、ユーザの使用状況にあわせた実行間隔に調整することができる。
なお、本実施形態では前記時間計測部104は、時間計測用のカウンタを使用する構成としているが、リアルタイムクロックを使用する構成としても良い。リアルタイムクロックは、計時専用のICで、システムからコマンドを用いて読み出すことにより現在の時刻情報を取得することができる。リアルタイムクロックは、非常に低消費電力で動作するため、バッテリでバックアップすることにより、システムの電源が切られている間も電源供給を受けて動作し続けることができる。
本実施形態においては、印刷間隔が長い場合は、機械内部の状態が定常時の状態に戻るため、温度変化によって生じた色ずれも初期の状態に戻る。そこで、印刷枚数を実際の印刷枚数より少なくして積算しても色ずれ量を一定の範囲に収めることができるものとして処理している。しかし、設置環境によって機械内部の状態が定常時の状態に戻るまでの時間は変化するので、経過時間に対して一定比率で制御した場合に、色ずれ補正前のずれ量には大きな差が生じることがある。そこで、環境温度を測定し、環境温度に応じて、放置時間による色ずれの変化を示す係数を変化させ最適な補正係数を使用して次回の色ずれ補正を実行する実行条件を調節するようにすることもできる。すなわち、画像形成装置の環境温度に応じて、補正の係数を変化させ、色ずれ補正処理の実行間隔を最適化するようにする。
また、本実施形態に使用する係数は、ステップB3で算出した経過時間を用いて、図6に示す1種類のテーブルを使用して求めているが、環境温度が異なる場合、図7に示すように放置時の温度が元に戻る傾きが大きく異なる場合がある。そこで、温度センサ109を使用して環境温度を検出し、その値に応じて、図8に示すテーブルの補正係数から最適なものを選択して使用するようにする。温度検出センサ109は、環境温度を検出するためのセンサで、サーミスタ等の温度センサを使用して画像形成装置を設置した周囲温度を検出する。色ずれは温度以外の他の要因でも発生しているので、完全に元通りになるわけではない。そこで、十分時間が経過した場合についても、0ではなく一定量の比率を持つようなテーブルとする点は前述の図6のテーブルの場合と同じである。当然、図8に示す変換テーブルは補正係数を複数設定した場合の一例を示すもので、実機では、機器の特性にあわせた変換テーブルを用意して使用する。
以上のように本実施形態によれば、印刷処理の実行間隔の時間を計測し、印刷処理の実行間隔に応じて、次回の色ずれ補正を実行するタイミングを変更するので、少量の枚数を時間間隔をあけて印刷するような使用形態の場合、単純に一定のページ数毎に色ずれ補正処理を行う場合に比べて実行間隔を長くすることが可能となる。また、連続で大量に印刷を行った場合には、所定の枚数で色ずれ補正処理が実施されるため、色ずれ量を常に一定の範囲に収めることが可能となる。このため、使用形態にあわせて最適な間隔で色ずれ補正処理を実施することが可能になる。
さらに、環境変化に応じて次回の色ずれ補正を実行するまでの実行間隔を決定するので、精度良く常に色ずれ量を一定の範囲に収まるように制御することができる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、一定間隔で色ずれ補正を実行することにより連続印刷中は色ずれ量を所定の範囲内に収めることができる。しかし、温度変化の影響により色ずれ補正処理から次の印刷時までの経過時間によって色ずれ量は変化する。特に連続印刷中に補正を行い、その後放置された場合には、温度が上昇した状態で色ずれを補正しているため、初期の状態から大きく離れた状態に補正されている。このため、この状態で放置されて初期の状態に戻った場合に、大きく離れた状態での設定値を使用して印刷することになり、次の印刷開始時には色ずれ量が大きくなることがある。
そこで、本実施形態では、印刷開始時の色ずれ補正処理の実行を前回の色ずれ補正処理を、前回の印刷処理の印刷枚数と、前回の印刷処理からの経過時間に基づいて、前回の印刷処理の印刷枚数が一定数以上かつあらかじめ設定した一定時間を経過した場合に実行するようにした。ハード構成を含め、その他の各部は前述の第1の実施形態と同等に構成されているので、重複する説明は省略する。
本実施形態の制御手順は、図4のフローチャートのステップB3とB4の間にステップC1ないしC5の処理ステップを挿入し、ステップB7及びB14の処理をステップB7’及びB14’に変形したものである。以下、異なる点についてのみ説明する。
図9のフローチャートにおいて、ステップB3で前回の印刷終了時刻からの経過時間を計測する。時間の計測は、ステップB16で時間計測部104内部の時間測定用のカウンタをクリアし、カウントを開始しているので、ステップB3でカウンタの値を読み出すことにより経過時間を算出することができる。ステップC1では、前回印刷終了時刻からの経過時間があらかじめ設定した設定値ΔTより大きいかを比較し、ΔTより小さい場合は、前回印刷時からの変化が少ないものと判断し、色ずれ補正処理は行わなず、ステップC5において現在の印刷処理をカウントしているP1を0にクリアする。
設定値ΔTより大きい場合は、さらに、ステップC2で前回印刷時の印刷枚数P1とあらかじめ設定した値P3の大小を比較する。前回印刷時の枚数が多い場合は、連続して大量に印刷されているので、機器の温度が上昇している可能性が高い。このため、この間で色ずれ補正が行われた場合は、温度が上昇した状態で色ずれを補正しているため、初期の状態から大きく離れた状態に補正されている。よって、前回印刷終了時刻からの経過時間が長くかつ、前回印刷時の枚数が多い場合は、前回の印刷時の色ずれ調整の結果で印刷を行うと、色ずれが大きくなる可能性があるため、ステップC3で色ずれ補正を実行し、前回の色ずれ補正時からの印刷枚数Pを0にクリアする。なお、ステップB7’及びB14’においても前回の色ずれ補正時からの印刷枚数Pを0にクリアする。その他の各処理は図5に示した第1の実施形態におけるフローチャートと同一である。
本実施形態によれば、第1の実施形態における効果に加えて、放置後の印刷時の色ずれを低減させることができるので、常に色ずれ量を一定の範囲に収めるように制御することができる。
<第3の実施形態>
本実施形態は、第1又は第2の実施形態に係る画像形成装置を直接転写方式のプリンタに適用したもので、図2の例とはトナーマークセンサ108の検出位置が異なるだけである。すなわち、トナーマークセンサ108は、定着側(用紙搬送方向下流側)の図において転写ベルト51の下面側に設けられている。色ずれ補正時には、記録紙を通紙せず、転写ベルト51上に図14に示した位置ずれ検出用のトナーパターン11−1、11−2を出力し、このパターン11−1,11−2をトナーマークセンサ108で検出し、その検出結果から、各色の正規の位置からのずれ量を検出する。検出したずれ量に対し、前述の第1又は第2の実施形態で説明した処理手順を踏んで最適な補正量を演算し、その補正量を用いて主走査、副走査方向の書き出しタイミング及び倍率設定値を調整することで色ずれの補正処理を行う。
その他、特に説明しない各部は前述の第1又は第2の実施形態あるいは図12に示した従来例と同等に構成され、同等に機能する。
本実施形態によれば、第1及び第2の実施形態における効果を直接転写方式のタンデム型カラープリンタで得ることができる。
<第4の実施形態>
本実施形態は、第1又は第2の実施形態に係る画像形成装置を間接転写方式のプリンタに適用したものである。トナーマークセンサ108は、2次転写ローラ54側(用紙搬送方向下流側)の図において転写ベルト51の下面側に設けられている。色ずれ補正時には、記録紙を通紙せず、転写ベルト51上に、図3に示す位置ずれ検出用のトナーパターンを出力し、このパターンをトナーマークセンサ108で検出し、その検出結果から、各色の正規の位置からのずれ量を検出する。検出したずれ量に対し、前述の第1又は第2の実施形態で説明した処理手順を踏んで最適な補正量を演算し、その補正量を用いて主走査、副走査方向の書き出しタイミング及び倍率設定値を調整することで色ずれの補正処理を行う。
その他、特に説明しない各部は前述の第1又は第2の実施形態あるいは図13に示した従来例と同等に構成され、同等に機能する。
本実施形態によれば、第1及び第2の実施形態における効果を間接転写方式のタンデム型カラープリンタで得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置のプロッタ部の概略構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態における色ずれ補正処理の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における印刷枚数と印刷時間とを勘案した補正処理を含む処理手順を示すフローチャートである。 印刷中と放置時の画像形成装置の時間をパラメータとした環境温度変化を示す図である。 図5の環境温度変化を勘案した印刷枚数のテーブル化された補正係数を示す図である。 印刷中と放置時の画像形成装置の時間をパラメータとした環境温度変化の他の例を示す図である。 図7の環境温度変化を勘案した印刷枚数のテーブル化された補正係数を示す図である。 本発明の第2の実施形態における印刷枚数と印刷時間とを勘案した補正処理を含む処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る直接転写方式のプリンタの概略構成を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る間接転写方式のプリンタの概略構成を示す図である。 従来から実施されている直接転写方式のプリンタの概略構成を示す図である。 従来から実施されている間接転写方式のプリンタの概略構成を示す図である。 従来から実施されている色ずれ量検出用パターンの例を示す図である。
符号の説明
1K,1M,1C,1Y 書き込みユニット
2K,2M,2C,2Y 感光体ドラム
3K,3M,3C,3Y 現像器
4K,4M,4C,4Y 転写装置
7 プロッタ制御部
11−1,11−2 パターン
51 転写ベルト
70 記録紙、
100 CPU
101 ROM
102 RAM
103 パラメータメモリ
106 プロッタ
108 トナーマークセンサ
109 温度検出センサ

Claims (6)

  1. ベルト上に色ずれ量を検出するためのトナーパターンを出力し、前記トナーパターンの位置を検出し、検出したトナーパターンの位置情報から色ずれ量を算出し、色ずれ量が最小となるように補正する色ずれ補正方法において、
    前回の印刷終了時点から今回の印刷開始時点までの時間間隔を測定する工程と、
    前記測定する工程の後に実行され、連続して大量に印刷されているかどうかを判定する工程と、
    測定した実行間隔に応じて次回の色ずれ補正を実行する実行条件を設定する工程と、
    設定された実行条件に基づいて得られた印刷枚数と所定枚数とを比較する工程と、
    前記比較する工程で前記印刷枚数が前記所定枚数より大きい場合に色ずれ補正処理を実行する工程と、
    を備え
    前記判定する工程で連続して大量に印刷されていると判定された場合には前記色ずれ補正を行った後、前記実行条件を設定する工程を実行することを特徴とする色ずれ補正方法。
  2. ベルト上に色ずれ量を検出するためのトナーパターンを出力する手段と、前記トナーパターンの位置を検出する手段と、検出したトナーパターンの位置情報から色ずれ量を算出し、色ずれ量が最小となるように補正する手段とを有する画像形成装置において、
    前回の印刷終了時点から今回の印刷開始時点までの時間間隔を測定する手段と、
    前記測定する工程の後に実行され、連続して大量に印刷されているかどうかを判定する手段と、
    測定した実行間隔に応じて次回の色ずれ補正を実行する実行条件を設定する手段と、
    設定された実行条件に基づいて得られた印刷枚数と所定枚数とを比較する手段と、
    前記比較する手段で比較した結果、前記印刷枚数が前記所定枚数より大きい場合に色ずれ補正処理を実行する手段と、
    を備え、
    前記判定する手段が連続して大量に印刷されているとした場合には前記色ずれ補正を行った後、前記実行条件を設定することを特徴とする画像形成装置
  3. 前記設定する手段は、前回の色ずれ補正からの印刷枚数を算出する際に、印刷枚数に次の印刷までの間隔に応じて一定の係数を乗じ、印刷間隔が長い場合には、印刷枚数を実際の印刷枚数より少なくした実行条件を設定することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 環境温度を測定する手段をさらに備え、
    前記設定する手段は、測定された環境温度に応じて放置時間による色ずれの変化を示す係数を変化させ、この係数の変化に応じて最適な補正係数を使用して次回の色ずれ補正を実行する実行条件を設定することを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  5. 前記ベルトは画像が直接転写される用紙を搬送する搬送ベルトであることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記ベルトは、画像が1次転写され、その転写された画像を2次転写位置で用紙上に転写する中間転写ベルトであることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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