JP4585377B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
上記ビルトインタイプの空気調和装置室内機は、筐体である本体内に、送風機と、熱交換器と、この熱交換器の下部に設けられ、熱交換器を載置するドレンパンとを備えている。上記ドレンパンは、上記熱交換器を載置する載置部を挟んで、熱交換空気導通路の風上側(1次側)と風下側(2次側)にドレン水の受け部が形成される。
上記ドレンパンにおける2次側と1次側の受け部を比較すると、通風抵抗によって発生する圧力差分で、1次側よりも2次側にドレン水が溜まり易い。また、現地で施工されるダクトの形態によっても風量が大きく変動し、送風機の送風量が多くなるほど2次側に溜まるドレン水も多くなり、その結果、熱交換器下部が浸水することになる。
そこで、[特許文献1]には、熱交換器に対する風圧の差で2次側に多く溜まったドレン水を円滑に1次側に戻し、かつ容易に外部へ排水できるドレン受け皿を備えた空気調和機が開示されている。具体的には、ドレン受け皿中央に熱交換器を載置する凸部を設け、凸部の風下側(2次側)に第1溝を設け、風上側(1次側)に第1溝よりも深い第2溝を設けて、これら第1溝と第2溝とを複数個の傾斜通路で連通させてなる。
しかしながら上記傾斜通路は、送風機から熱交換器を介して吹出し口を結ぶ直線的な送風路中に設けられている。そのため、送風機から吹出された空気の大部分は熱交換器に導かれるが、一部の空気は傾斜通路に入って2次側である第1溝に流れ込んでしまう。
すなわち、一部の空気は熱交換器で熱交換しない状態のまま、傾斜通路を介して直接2次側へ行く生空気となり、熱交換効率の低下をきたす。そして、傾斜通路に導かれたドレン水の一部が、そのまま送風路の熱交換空気に乗って吹出し口から室内へ吹出される虞れがある。
上記ドレンパンは、傾斜姿勢の熱交換器の傾斜下部側端部を幅方向に亘って載置する載置部と、この載置部を挟んで両側に位置し熱交換空気導通路の風上側に設けられる1次側ドレン受け部および熱交換空気導通路の風下側に設けられる2次側ドレン受け部と、2次側ドレン受け部の幅方向の両側部に沿ってそれぞれ突設され、これらの一端部が載置部の端部と所定間隔を存して対向し、かつこの対向端面に傾斜姿勢の熱交換器の傾斜下部側端部と当接する傾斜面が形成される凸部と、これら凸部の一端傾斜面と載置部端部との間隙で上方空間が熱交換器の傾斜下部側端部で塞がれるトンネル状に形成され、2次側ドレン受け部と1次側ドレン受け部とを連通し、2次側ドレン受け部が受けたドレン水を一旦載置部外へ流出案内し載置部を迂回してから1次側ドレン受け部へ導くドレン流通路とを備えた。
図1は本発明の一実施の形態に係るビルトインタイプの空気調和装置室内機の取付け状態を説明する図、図2は空気調和装置室内機の概略の断面図である。
筐体である本体1は、各面部全てが、金属薄板を板金加工して成形され、内面には図示しない断熱材が組み込まれて断熱構造をなしている。図1における本体1の長手方向Xの寸法は、長手方向Xとは直交する方向である、紙面の前後方向(以下、「幅方向Y」と呼ぶ)と比較して小さい薄型矩形箱状に成型されている。
本体1の前後面には一対ずつの取付け具2が設けられていて、ここには天井裏Tに設けられる梁材3から垂設された吊持杆4が挿入され、かつ取付け固定される。本体1は梁材3と天井板5との間である、天井裏Tに設けられることになる。
上記機械室7Aの下面に吸込み口11が開口され、上記熱交換室7Bの正面(図の左側面)には吹出し口12が開口される。上記本体1が天井裏Tに取付け固定された状態で、上記吸込み口11には吸込みダクト13が接続され、上記吹出し口12には複数の吹出しダクト14が接続される。
上記吹出しダクト14は、普通、天井板5に設けられる図示しない複数の室内吹出し口に連通される。すなわち、本体1から導出される熱交換空気は吹出しダクト14で分流され、複数の室内吹出し口から一斉に室内へ吹出されて、室内の部位に係わらず均一な空調が行えるようになっている。
上記ファンケーシング18の仕切り板6側端部には吹出し口体部18aが形成され、上記仕切り板6に開口される連通口19に上記吹出し口体部18aが接続される。したがって、上記連通口19は、送風機8に通電しファン17を駆動するのにともなって、ファンケーシング18の吹出し口体部18aから吹出される風を直接、上記熱交換室7B側へ送風案内できる。
これは、本体1が天井裏Tに取付けられる関係上、本体1の上下方向寸法を可能な限り短縮して薄型化を図る必要から、熱交換器9の上下方向寸法を充分な長さに設定することができない。その一方で、熱交換器9の熱交換面積を可能な限り確保して、熱交換効率の向上を図らなければならない。したがって、熱交換器9を斜めに傾斜した姿勢とすることにより、上下方向寸法を抑えて薄型の本体1内に収容可能となすとともに、充分な熱交換面積を確保することができる。
さらに、上記ドレンパン10について詳述する。図3はドレンパン10の斜視図であり、図4はドレンパン10の平面図である。
上記ドレンパン10は熱交換室7Bに嵌め込まれるところから、本体1の幅方向Yと比較して長手方向Xが極く狭い横長矩形状に形成される。このドレンパン10の周縁全周に亘って均一な立ち上がり寸法に形成される側壁部10a〜10dが設けられている。すなわち、ドレンパン10の外形を形成する側壁部10a〜10dは、底面から上端面までの寸法が全周に亘って均一である。
なお説明すると、再び図2に示すように、上記熱交換器9を載置部20に載置した状態で、この載置部20を挟んで後述する熱交換空気導通路Rの風上側に1次側ドレン受け部21が設けられ、熱交換空気導通路Rの風下側に2次側ドレン受け部22が設けられている。上記熱交換器9は、載置部20から2次側ドレン受け部22側に斜めに傾斜していて、下部側の一部が1次側ドレン受け部21側へ突出している。
各側壁部10c、10bの上端面から1次側ドレン受け部21までの距離である、1次側ドレン受け部21の深さ寸法は、各側壁部10c、10d上面から2次側ドレン受け部21までの距離である、2次側ドレン受け部22の深さ寸法よりも深く形成されている。そして、2次側ドレン受け部22は、載置部20側が最も深く、載置部20と長手方向Xに対向して設けられる側壁部10aに向かって漸次浅くなる傾斜に形成される。
このような2次側ドレン受け部22における幅方向Yの両側部には、互いに異なる形態のA凸部25とB凸部26が突設される。上記A凸部25は、上記載置部20の端部aと所定間隔を存して対向し、かつ図の左側の側壁部10cと並行する部分と、上側の側壁部10aと並行する部分が一体に屈曲形成されて、逆L字状となっている。上記B凸部26は、載置部20の端部bと所定間隔を存して対向し、右側の側壁部10aに沿って直状に設けられる。
図5(A)(B)はA凸部25の側端部25aと、その近傍部位の、互いに異なる方向から見た斜視図であり、図6(A)(B)はB凸部26の側端部26aと、その近傍部位の、互いに異なる方向から見た斜視図である。
2次側ドレン受け部22と1次側ドレン受け部21の一側部は、A凸部25の側端部25aと、載置部20の端部aとの間に形成される隙間を介して連通する。これらの部材間に形成される隙間を、第1のドレン流通路27と呼ぶ。また、2次側ドレン受け部22と1次側ドレン受け部21の他側部は、B凸部26の側端部26aと、側壁部10aと、載置部20の端部bとの間に形成される隙間を介して連通する。これらの部材間に形成される隙間を、第2のドレン流通路28と呼ぶ。
ただし、載置部20の端部aとA凸部25の側端部25aとは略同一線上にあり、第1のドレン流通路27はY方向に直状のトンネルとなる。載置部20の端部bはB凸部26の側面および側壁部10d内面から離間した位置にあり、第2のドレン流通路28は平面視で鍵状(L字状)のトンネルとなる。
左側固定板の熱交換器9側端面は、熱交換器9の傾斜姿勢に対応する傾斜面をなしている。ドレンパン10を本体1に取付けることにより、A凸部25の上端面と左側固定板の下端面とがシール部材dを介して当接する。この左側固定板により収容部23空間と熱交換室7Bの2次側空間とは区画される。
第1、第2のドレン流通路27,28の近傍で、1次側ドレン受け部21の幅方向Yと対向する側壁部10c,10dのそれぞれには、排水口29が設けられている。各排水口29には、図示しないドレンホースを接続するための接続用口体30が、側壁部10aから外方へ向かって突設される。すなわち、1次側ドレン受け部21に溜まるドレン水は、左右の排水口29から接続用口体30とドレンホースを介して排出されるようになっている。
このように構成された空気調和装置の室内機であり、冷凍サイクル運転とともに送風機8が駆動されると、室内空気が化粧グリル16と吸込み口11を介して本体1内に形成される熱交換空気導通路Rに沿って導かれる。具体的には、熱交換空気は吸込み口11から機械室7Aに吸込まれ、送風機8を構成するファンケーシング18と、仕切り板6に設けられる連通口19を介して熱交換室7Bに導かれる。
なお、ドレンパン10に対する熱交換空気の流れをみると、はじめに1次側ドレン受け部21を通過してから載置部20に到達し、さらに載置部20から2次側ドレン受け部22を通過して吹出し口12へ吹出される。したがって、熱交換空気導通路Rが、風上側である1次側ドレン受け部21−載置部20−風下側である2次側ドレン受け部22の順に形成されることになる。
通常、熱交換器9で生成されたドレン水は、熱交換器9を伝って1次側ドレン受け部21に滴下するが、ドレンパン10に載置される熱交換器9は、上述したようにほとんど大部分が2次側ドレン受け部22に対向するよう傾斜し、1次側ドレン受け部21が風上側に設けられ、2次側ドレン受け部22が風下側に設けられるところから、風量が大きかったりドレン水の発生量が多いと、1次側ドレン受け部21に滴下するドレン水よりも2次側ドレン受け部22に滴下するドレン水の量が多くなる。
上記載置部20でせき止められたドレン水は、載置部20の左右両側端に設けられる第1のドレン流通路27もしくは第2のドレン流通路28に向って流れ、それぞれの流通路27,28を通過する。いずれの流通路27,28も、載置部20の左右両端部a,bに沿って形成されるので、ドレン水は載置部20から一旦、外部へ流出案内される。
上記熱交換器9の取付け姿勢および送風機8の送風作用にともなう風圧の影響で、2次側ドレン受け部22に多くのドレン水が滴下するが、本発明においては2次側ドレン受け部22と1次側ドレン受け部21とを連通する第1、第2のドレン流通路27,28を設けている。これら第1、第2のドレン流通路27,28は、載置部20の両側端部a,bから一旦、載置部20外へドレン水を流出案内し、載置部20を迂回してから1次側ドレン受け部21に導くので、ドレン水を円滑に、かつ確実に排水できる。
また、第2のドレン流通路28は、載置部20の風下側である2次側ドレン受け部22にB凸部26とともに形成され、載置部20の端部bに沿って鍵状(L字状)に設けられるトンネルであるから、熱交換空気導通路Rに沿って導かれる熱交換空気が通り抜けし難い。
第2のドレン流通路28は、さらに直角に曲り載置部20の端部bに沿って鍵状に形成されていて、B凸部26の側端部26aに進行を妨げられた熱交換空気が、直角方向に曲って奥方へ侵入することはほとんどない。すなわち、第2のドレン流通路28を流通するドレン水も送風の影響を受け難くく、ドレン水は第2のドレン流通路28を円滑に流れる。
そして、2次側ドレン受け部22から熱交換空気に乗って吹出し口12と吹出しダクト14へ導かれるドレン水の飛沫もなく、結局、室内へ導かれるドレン飛沫がなくなって、快適空調が得られる。
また、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。
Claims (3)
- 吸込み口および吹出し口を備えた本体と、
この本体内に収容され、駆動にともなって上記吸込み口から本体内に熱交換空気を吸込んで上記吹出し口から吹出す熱交換空気導通路を形成する送風機と、上記熱交換空気導通路に傾斜姿勢で位置する熱交換器および、上記熱交換器の下部に設けられ熱交換器を載置するドレンパンとを具備し、
上記ドレンパンは、
上記傾斜姿勢の熱交換器の傾斜下部側端部を幅方向に亘って載置する載置部と、
この載置部を挟んで両側に位置し上記熱交換空気導通路の風上側に設けられる1次側ドレン受け部および熱交換空気導通路の風下側に設けられる2次側ドレン受け部と、
上記2次側ドレン受け部の幅方向の両側部に沿ってそれぞれ突設され、これらの一端部が上記載置部の端部と所定間隔を存して対向し、かつこの対向端面に上記傾斜姿勢の熱交換器の傾斜下部側端部と当接する傾斜面が形成される凸部と、
これら凸部の一端傾斜面と上記載置部端部との間隙で、上方空間が上記熱交換器の傾斜下部側端部で塞がれるトンネル状に形成され、上記2次側ドレン受け部と1次側ドレン受け部とを連通し、上記2次側ドレン受け部が受けたドレン水を、一旦、載置部外へ流出案内し、載置部を迂回してから上記1次側ドレン受け部へ導くドレン流通路とを備えたことを特徴とする空気調和装置。 - 上記ドレン流通路は、少なくともその一部が、上記熱交換空気導通路の熱交換空気導通方向とは直交する方向に設けられる
ことを特徴とする請求項1記載の空気調和装置。 - 上記1次側ドレン受け部の両側壁部のそれぞれに、ドレン水を排出する排水口が設けられる
ことを特徴とする請求項1および請求項2のいずれかに記載の空気調和装置。
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