JP4585269B2 - 超音波診断装置および超音波プローブ - Google Patents

超音波診断装置および超音波プローブ Download PDF

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本発明は、超音波ビームにより生体を走査してそのエコーによりリアルタイムに生体内の画像を得る超音波診断装置と、この超音波診断装置に接続して用いられる超音波プローブに関する。特に本発明は、超音波エコーを増幅するプリアンプに可変ゲイン型のものを用いる超音波診断装置に関する。
この種の装置においては超音波ビームを被観測体に照射し、反射された超音波エコーを受信して種々の処理が行われる。超音波エコーは微弱であるので、超音波プローブに前置増幅器(プリアンプ)を設けて受信信号を増幅することが多い。超音波の減衰の度合いはその周波数、および観測点の深さに従って増加するため、被観測体の深い部位からの超音波エコーほど信号レベルが小さい。このためプリアンプを可変ゲイン型とし、浅い部位ではゲインを小さくし、深い部位ではゲインを上げることにより、深さによらずほぼ一定レベルの信号を得るようにすることが通常行われている(例えば、特許文献1を参照)。
観測深度は個々のパルス送信周期(PRF)における、超音波パルスの送信からの時間に対応する。つまり浅い部位は超音波パルスの送信直後に対応し、時間の経過と共に深い部位からのエコーが返ってくる。よってプリアンプゲインは、各PRFごとに、時間の経過につれ小から大へと可変される。ゲインが時間により変化するため、この制御をTGC(Time Gain Control)と称することがある。
一般的にTGC機能を持つプリアンプには、差動増幅器を形成するトランジスタの動作電流IEを変えることによりゲインを変化させる、可変トランスコンダクタンス(gm)タイプが用いられることが多い。このタイプにおいてはトランジスタのエミッタ電流IEを増加するとgmが大きくなり、ゲインが大きくなる。IEを減少するとgmが小さくなり、ゲインを下げることができる。
ところで近年の超音波診断装置においては、超音波ビームを生体に向けパルス状に照射する通常の動作モードに加え、超音波ビームを生体に向け連続的に照射する、いわゆる連続波ドプラモード(以下SCWモードと称する)を備えるものがある。この種の装置においてもエコーレベルに応じてプリアンプゲインを変化させ、受信信号を飽和させずに増幅することが重要である。
特開平6−281728号公報
しかしながら通常モードにおけるエコー信号と比較して、SCWモードにおいては検知すべきドプラ信号のレベルが桁違いに小さい。またドプラ信号は大レベルのクラッタ信号に重畳されており、飽和を避けてドプラ信号成分が通過できるようにするためにはプリアンプのゲインをかなり下げる必要がある。場合によっては、SCWモードではプリアンプのゲインを最大値の例えば1/100程度に下げることもある。ところが可変トランスコンダクタンス型のプリアンプにおいては、負荷抵抗RLを通常値のままでgmを小さくしてゲインを下げると、トランジスタの動作電流IEが小さくなり過ぎる。その結果ノイズが増大し、微弱なドプラ信号がノイズに埋もれて検出できなくなるという不具合がある。
さらに、入力信号のレベルが過度に大きくなると、トランジスタの非線形特性による3次相互変調歪を生じる。これはドプラスペクトラムのミラーイメージを発生させ、画像品質を低下させて診断に支障を来たすために、何らかの対処が望まれている。
本発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、微小レベルのドプラ信号を容易に検出できるようにすると共に、高品位の超音波画像を得ることの可能な超音波診断装置および超音波プローブを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の一態様によれば、複数のエレメントを有する超音波プローブと、前記複数のエレメントを介して被観測体に超音波ビームを放射し当該被観測体からの超音波エコーを受信する送受信部と、前記複数のエレメントのそれぞれに接続され各エレメントにより受信される超音波エコー信号を増幅する前置増幅部とを具備し、この前置増幅部は、それぞれ負荷抵抗に接続され互いに差動増幅器を形成し、トランスコンダクタンスの変化に応じた増幅率で前記超音波エコー信号を増幅する一対のトランジスタと、前記超音波エコーの振幅に応じて前記負荷抵抗の値を切り替える切替手段とを備えることを特徴とする超音波診断装置が提供される。
このような構成であるから、可変トランスコンダクタンス型のプリアンプにおいて、差動増幅器を形成するトランジスタに接続される負荷抵抗の抵抗値が、超音波エコーの振幅に応じて切替制御される。好ましくは、超音波エコーの振幅が比較的小さい通常モードにおいては大きな負荷抵抗値に切り替え、超音波エコーの振幅が大きいSCWモードにおいては大きな負荷抵抗値に切り替えると良い。
このような手段を講じることにより、トランジスタの動作電流を減少させずに、ゲインのみを下げることが可能になる。これにより、ドプラ信号が重畳された大レベルの信号をノイズの増大を抑えつつ通過させることが可能になるので、微小レベルのドプラ信号を容易に検出できるようになる。
本発明によれば、微小レベルのドプラ信号を容易に検出できるようにすると共に、高品位の超音波画像を得ることの可能な超音波診断装置および超音波プローブを提供することができる。
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係わるリアルタイム超音波診断装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。この装置は、超音波プローブ1と、送受信回路10と、信号処理部7と、画像処理部8と、制御回路11と、操作パネル12とを具備する。超音波プローブ1は、一列のアレイ状に配列される複数の超音波振動子2を備える。送受信回路10は超音波プローブ1に接続され、超音波を被観測体に照射し、被観測体の影響を受けて反射される超音波エコーを検出する。
信号処理部7は、検出された超音波エコーから被観測体内の構造物の情報を抽出するとともに被観測体内の血流速度情報を検出する。画像処理部8は、検出された構造物および血流速度情報を画像に展開してCRTなどの表示デバイスに表示する。操作パネル12は操作情報を入力するためのユーザインタフェースであり、制御回路11は超音波プローブ1、送受信回路10、信号処理部7、画像処理部8、および操作パネル12を統括的に制御する。
送受信回路10は、超音波プローブ1の複数の振動子2に接続されるパルサー4およびプリアンプ5と、送信遅延回路3と、受信遅延加算回路6とを備える。送信遅延回路3は、振動子2ごとにタイミングの異なる駆動信号を発生する、この駆動信号はパルサー4に与えられて所定レベルの電気的パルスが発生される。これにより所定の指向性を持つ超音波送信ビームが、超音波プローブ1から被観測体0(例えば心臓)に放射される。
超音波ビームは、被観測体内の構造物の境界などの音響インピーダンスの異なる界面において反射され、超音波エコーとして振動子2に戻る。超音波エコーは振動子2ごとにそれぞれ受信され、プリアンプ群5により増幅される。この増幅信号のタイミングは受信遅延加算回路6により振動子2ごとに揃えられ、信号処理部7の検波処理により超音波エコーのエンベロープが取り出される。画像処理部8はこのエンベロープを被観測体の断面に合わせて座標変換し、画像表示に適した階調処理などを施して表示部9に表示する。このような処理により、図2に示すように被観測体内の形態情報をリアルタイムで表示することができる。図2は超音波断層像を示すもので、超音波がパルス状に放射される通常モードにおいて得られる画像である。
図2の点Pにおける血流画像を取得するためには、被観測体内の血流に対して中心周波数f0の超音波パルスを送受信する。そうすると、超音波ビームの周波数は流動する血球により血流速度に比例するドプラ偏移fdを受け、f0+fdの周波数の超音波エコーが受信される。このドプラ偏移周波数fdを検出し、その時間的な変化を表示することにより、血流速度情報を図3に示すようなPWドプラ画像として表示することができる。またドプラ偏移周波数fdを2次元にマッピングし、適切なカラー変換ののち図2の超音波画像に重ね合わせることにより、図4のカラードプラ画像を形成することができる。図4の画像には、血流速度情報を含む被観測体内の画像がリアルタイムに表示される。
図5は、超音波パルスの送信波形と受信波形とを模式的に示す図である。ドプラ偏移周波数fdを検出するには、通常、図5に示すように超音波パルスの繰り返し周波数(PRF)を4KHz程度として血流観測点がサンプリングされる。よってPRF/2を超えるfdにおいては図6に示すように折り返りが生じ、このため高流速の血流は正しく検出できない。
これに対処するには、連続波ドプラ(SCW)方式を用いるようにする。SCWモードにおいては図7に示すように、振動子群2を分割して送受信用の振動子群を別々に割り当て、フォーカス点Fに対して超音波を連続に送受信する。SCWのPRFは無限大に相当するので、サンプリングによるfdの折りかえりの発生が無い。よって図8に示すように、例えば心臓の弁の閉鎖不全による微小な隙間から噴出する、数m/secにもおよぶ高流速の異常血流を折り返りなく検出し、表示することが可能である。
さて、通常モードにおいては、中心周波数が例えば2.5MHzの超音波パルスが4KHzの周期で送信され、次の送信パルスまでの期間に超音波エコーの受信が行われる。受信エコーは微弱であるため、初段のプリアンプ5のゲインを大きくする必要がある。
これに対しSCWモードにおいては、図9(a)に示すように、中心周波数が例えば2.5MHz、振幅が10V程度の超音波が連続的に送信される。その反射エコーは図9(b)に示すように、被観測体内の血流によるきわめて微弱なドプラ周波数偏移信号に、生体組織などによる強いエコーと送信波形のクロストーク成分とが重畳された波形となる。これは、超音波が、分離された送信振動子群と受信振動子群とにより連続的に送受信されるために、振動子群が別であっても音響的な結合や電気的な寄生素子の影響などにより送信波形が受信側に漏れるためである。
このため目的とするドプラ信号を検出するためには、生体組織などによる強いエコーおよび送信波形成分を含めた大振幅の受信信号を入力し、かつ増幅する必要がある。通常モードにおけるプリアンプゲインでは、この大振幅の信号は飽和してドプラ信号成分が通過できなくなる。このためSCWモードにおいてはプリアンプのゲインを最大ゲインの1/100程度に下げる必要がある。
さらに、大レベルの信号が入力された場合はトランジスタの非線形特性により高調波歪、混変調歪が発生する。特に、図9(c)のf0−fdに示される3次相互変調歪は図10に示すように、ドプラスペクトラムにミラーイメージを発生させる。これは表示画像の品質を低下させるために何らかの対処を要する。以下に、さらに詳しく説明する。
図11は、既存の可変ゲイン型プリアンプを示す回路図である。この回路は差動増幅器を形成する一対のトランジスタQ1,Q2のコレクタに負荷抵抗R1,R2をそれぞれ接続し、各トランジスタQ1,Q2の動作電流IEを変化させることによりgmを変化させてゲインを可変とする。この回路においてトランスコンダクタンスgmと動作電流IEとの間には式(1)〜(3)に示す関係がある。なお以下の数式における変数の定義を次に示す。
kv:ゲイン、 β:電流増幅率、 Ri:入力抵抗、 RL:負荷抵抗、 Rs:信号源抵抗、 rb:ベース抵抗、 re:エミッタ抵抗、 RE:エミッタ直列抵抗、 En:電圧性ノイズ、 rbb′:ベース広がり抵抗、 In:電流性ノイズ、 IB:ベース電流
Figure 0004585269
Figure 0004585269
Figure 0004585269
上記構成において、通常モードで必要なゲインを得るために、負荷抵抗RLを大きい値のままでgmを小さくしてゲインを下げると、ノイズ特性が劣化する。すなわち動作電流(エミッタ電流)IEを減少してゲインを1/Aに低下させたとする。このとき入力信号レベルが変わらなければ、出力信号レベルも1/Aに低下する。また、装置内熱雑音などの信号源ノイズレベルが変わらなければ、出力ノイズレベルのうち信号源ノイズの寄与分は1/Aに低下するが、増幅器のノイズの寄与分は増加することになる。よって信号対ノイズ比(S/N比)が劣化して微小信号の検出が困難になる。
中域周波数帯におけるバイポーラトランジスタのノイズは、次式(4)〜(6)のように表わすことができる。
Figure 0004585269
Figure 0004585269
Figure 0004585269
式(6)に示されるように、IEを減少させてしてゲインを下げると電圧性ノイズEnが増加する。このため微弱なドプラ信号がノイズに埋もれ、検出が困難になるという不具合がある。すなわちSCWモードにおいては大レベルのクラッタ信号に重畳する微小レベルのドプラ信号を通過させる必要があるためゲインをかなり下げる必要があり、IEは非常に小さくなる。その結果ノイズが増大し、微小ドプラ信号が検出困難となる。そこで本実施形態では、以下の対処を講ずる。
図12は、第1の実施形態におけるプリアンプ5を示す回路図である。この回路においては各トランジスタQ1,Q2に接続される負荷抵抗R1,R2に、抵抗器R5,R6と、トランジスタQ3,Q4とをそれぞれ並列接続する。そして、これらを切替スイッチSW1〜SW6を介して駆動電圧Vccに選択的に接続する。切替スイッチSW1とSW2、SW5とSW6、およびSW3とSW4はそれぞれ対をなし、このうち一対のみがオンされる。負荷抵抗R1,R2の抵抗値を100kΩとすれば、抵抗器R5,R6の抵抗値を、それより小さい例えば10kΩとする。
上記構成においては切替スイッチSW1〜SW6を切り替えることにより、負荷抵抗値を切り替えることが可能になる。具体的には、通常モードにおいては負荷抵抗値RLを100KΩとし、被観測体の深部から反射される微弱な超音波エコーを十分増幅できるようなゲインを持たせる。これに対しSCWモードにおいては、負荷抵抗値RLを10KΩに切り替える。これにより大振幅の受信信号が入力されてもプリアンプが飽和することなく、その大振幅の送信波形成分に重畳する微弱な連続波ドプラ信号をもプリアンプを通過させることを可能とする。
しかも、負荷抵抗の切り替えの前後において動作電流IEを一定値に保つことができる。これによりSCWモードにおいてノイズの増大を抑えることが可能になり、従って微小レベルのドプラ信号を容易に検出できるようになる。
さらに本実施形態では、必要とされるゲインに応じて、切替スイッチSW3,SW4をオンするようにする。これによりトランジスタQ3,Q4が負荷抵抗として作用する。特に本実施形態では、トランジスタQ3にトランジスタQ1と同じ特性を持つものを使用し、トランジスタQ4にトランジスタQ2と同じ特性を持つものを使用する。すなわちトランジスタQ1〜Q4の入出力特性を互いに揃えるようにする。
図13は、トランジスタQ1〜Q4の入出力特性の一例を示す模式図である。例えばトランジスタQ1への入力波形は、ゲインが過度になるとトランジスタQ1の非直線性により歪む。ところが同じ特性を持つトランジスタQ3を負荷抵抗として印加することにより、出力波形は元に戻り、結果として線形の増幅特性を得ることができる。すなわち増幅用のトランジスタの非直線性をキャンセルすることができ、高調波の発生を抑制して3次相互変調歪の発生を低減することができる。その結果、ミラーイメージのないドプラ画像を得ることが可能になる。
このように本実施形態では、通常モードとSCWモードとを備える超音波診断装置に用いられる可変トランスコンダクタンス型のプリアンプにおいて、増幅用トランジスタに接続される負荷抵抗の値を動作モードに応じて切り替えるようにする。すなわちSCWモードにおいては通常モードに比べて負荷抵抗値を下げるようにする。これによりトランジスタの動作電流IEを一定に保ちつつゲインを可変することができるようになり、微弱な連続波ドプラ信号を容易に検出することが可能になる。さらに、増幅用トランジスタと同じ特性のトランジスタを負荷抵抗として作用させることにより、トランジスタの入出力特性の非直線性を相殺して歪を低減することができる。これにより3次相互変調歪によるミラーイメージの発生を抑圧して高品位画像を得ることが可能になる。
これらのことから、リアルタイム超音波診断装置において、通常モードではプリアンプを微弱な超音波エコーを十分な振幅にまで増幅することができるようになる。またSCWモードにおいては大振幅の送信波形に重畳したドプラ波形を雑音を悪化させることなく通過させるとともに、ミラーイメージとなる3次相互変調の発生を抑制し常に最適な状態で各モードの超音波エコーを処理し、高品位の超音波画像を得ることが可能になる。
[第2の実施形態]
図14は、本発明の第2の実施形態に関わるリアルタイム3次元超音波診断装置を示す機能ブロック図である。リアルタイム3次元超音波診断装置においては、2次元アレイプローブ13が用いられる。2次元アレイプローブ13は2次元アレイトランスデューサ14を備える。2次元アレイトランスデューサ14は、2次元配列される微小超音波振動子15を、例えば64素子×64素子=4096個備える。2次元アレイプローブ13は各々の微小超音波振動子15を遅延制御して超音波ビームを形成する。
このような遅延制御を一段階で行うと微小振動子15の数に応じた数の遅延加算回路が必要になり、図14の例では4096組の微小振動子〜遅延加算回路の対が必要になる。よって回路規模が大きくなるとともにプローブケーブルの本数も素子数と同等程度の数(4096本)必要になるので、実現性および実用性に難がある。
そこで、図15に示すように、2次元アレイトランスデューサ14を4x4=16素子程度のサブアレイ16に分割し、プローブ内でサブアレイ毎に設けたサブアレイ受信遅延加算回路17により遅延加算処理を行う。さらに装置本体側に設けられるメインビームフォーマ18において、サブアレイ毎に遅延加算処理された信号に追加遅延加算処理を行うことで、いわば複数段階にわたる処理により3次元の超音波ビームを形成するようにする。これにより遅延加算回路の規模の低減、およびプローブケーブル本数を低減する手法が、通常用いられる。図15の手法では、プローブケーブル本数は4096/16=256本に、遅延加算回路の数は、プローブ内蔵遅延加算回路において256個、本体側遅延加算回路において256個の計512個に低減される。
図14において、2次元アレイプローブ13は2次元アレイトランスデューサ14と、サブアレイ受信遅延加算回路17とを備える。サブアレイ受信遅延加算回路17は、各微小振動子15からの検出信号を例えば16素子のサブアレイ単位で取り込む。サブアレイ受信遅延加算回路17からの遅延加算信号は、プローブケーブル19を経て本体の遅延加算回路、すなわちメインビームフォーマ18に接続される。その受信信号に基づいて、画像処理ユニット21により3次元画像が形成され、その画像は陰極線管(CRT)や液晶表示部(LCD)などの表示装置22に表示される。
図16は、図14の2次元アレイトランスデューサ14を示す機能ブロック図である。図16においても、各サブアレイに含まれる各々の振動子で受信される超音波エコーは、プリアンプ群5を経てサブアレイ受信遅延加算回路17に入力される。この構成においても、超音波パルスの送受信による通常モード、および振動子群を分割して連続波超音波送受信を行うSCWモードを適用できる。従って第1の実施形態におけるリアルタイム超音波診断装置と同様に、動作モードに応じてプリアンプのゲインを切り替える必要がある。そこで本実施形態においても、増幅用トランジスタの負荷抵抗を切り替えることでSCWモードにおけるS/N比を確保できる。さらに、増幅用トランジスタと同じ特性のトランジスタを負荷抵抗として用いることで、ミラーイメージの発生を抑圧することができる。
従って第2の実施形態においても、リアルタイム超音波診断装置において、通常モードでは微弱な超音波エコーを十分な振幅にまで増幅することができ、またSCWモードにおいては大振幅の送信波形に重畳したドプラ波形を雑音を悪化させることなく通過させることができるようになる。さらにミラーイメージとなる3次相互変調の発生を抑制し、常に最適な状態で各モードの超音波エコーを処理し、高品位の超音波画像を得ることが可能になる。
なお本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。例えば図12の切替スイッチSW1〜SW6に代えて、図17に示すように、各抵抗器を短絡するシャントスイッチを用いて負荷抵抗値を切り替えるようにしても良い。この構成では各抵抗器は増幅用トランジスタに対して各々直列に接続される。負荷抵抗用のトランジスタも同様である。シャントスイッチには、例えばバイポーラトランジスタ、または、オン時抵抗値の低いFETなどを使用できる。
また本発明はリアルタイム超音波診断装置の1次元アレイおよび2次元アレイへの適用に限定されるものではなく、実現可能な他のアレイの形態においても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば種々の変更・適用が可能である。
さらに本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明に係わるリアルタイム超音波診断装置の実施の形態を示す機能ブロック図。 図1のリアルタイム超音波診断装置により取得される超音波画像の一例を示す図。 図1のリアルタイム超音波診断装置により取得されるPWドプラ画像の一例を示す図。 図1のリアルタイム超音波診断装置により取得されるカラードプラ画像の一例を示す図。 超音波パルスの送信波形と受信波形とを示す模式図。 PWドプラの観測時における折り返りを示す模式図。 SCWモードにおける振動子群の分割の様子を模式的に示す図。 SCW画像の一例を示す図。 SCWモードにおける送受信波形を説明するための図。 ミラーイメージを説明するための模式図。 既存の可変ゲイン型プリアンプを示す回路図。 第1の実施形態におけるプリアンプ5を示す回路図。 トランジスタQ1〜Q4の入出力特性の一例を示す模式図。 本発明の第2の実施形態に関わるリアルタイム3次元超音波診断装置を示す機能ブロック図。 サブアレイ化された2次元アレイトランスデューサ14を示す模式図。 図14の2次元アレイトランスデューサ14を示す機能ブロック図。 負荷抵抗値を切り替え可能なスイッチ構成の変形例を示す図。
符号の説明
Q1〜Q4…トランジスタ、R5,R6…抵抗器、0…被観測体、1…超音波プローブ、SW1〜SW6…切替スイッチ、2…超音波振動子、3…送信遅延回路、4…パルサー、5…プリアンプ、6…受信遅延加算回路、7…信号処理部、8…画像処理部、9…表示部、10…送受信回路、11…制御回路、12…操作パネル、13…次元アレイプローブ、14…次元アレイトランスデューサ、15…微小超音波振動子、16…サブアレイ、17…サブアレイ受信遅延加算回路、18…メインビームフォーマ、19…プローブケーブル、21…画像処理ユニット、22…表示装置

Claims (10)

  1. 複数のエレメントを有する超音波プローブと、
    前記複数のエレメントを介して被観測体に超音波ビームを放射し当該被観測体からの超音波エコーを受信する送受信部と、
    前記複数のエレメントのそれぞれに接続され各エレメントにより受信される超音波エコー信号を増幅する前置増幅部とを具備し、
    この前置増幅部は、
    それぞれ負荷抵抗に接続され互いに差動増幅器を形成し、トランスコンダクタンスの変化に応じた増幅率で前記超音波エコー信号を増幅する一対のトランジスタと、
    前記超音波エコーの振幅に応じて前記負荷抵抗の値を切り替える切替手段とを備えることを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記超音波ビームを前記被観測体にパルス状に照射する第1モードと、当該超音波ビームを前記被観測体に連続的に照射する第2モードとを具備し、
    前記切替手段は、前記第2モードにおける前記負荷抵抗の値を前記第1モードにおける前記負荷抵抗の値よりも小さい値に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記切替手段は、
    前記一対のトランジスタにそれぞれ並列接続される複数の抵抗素子と、
    これらの複数の抵抗素子を選択的に切り替えて前記一対のトランジスタに接続する切替スイッチとを備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  4. 前記切替手段は、
    互いに直列接続されて前記一対のトランジスタにそれぞれ接続される複数の抵抗素子と、
    これらの複数の抵抗素子にそれぞれ並列接続され当該複数の抵抗素子を選択的に短絡する複数のシャントスイッチとを備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  5. 前記一対のトランジスタにそれぞれ接続される前記負荷抵抗は、それぞれ接続されるトランジスタと同じ特性を有するトランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  6. 超音波診断装置に接続して用いられる超音波プローブにおいて、
    複数のエレメントと、
    前記複数のエレメントを介して被観測体に超音波ビームを放射し当該被観測体からの超音波エコーを受信する送受信部と、
    前記複数のエレメントのそれぞれに接続され各エレメントにより受信される超音波エコー信号を増幅する前置増幅部とを具備し、
    この前置増幅部は、
    それぞれ負荷抵抗に接続され互いに差動増幅器を形成し、トランスコンダクタンスの変化に応じた増幅率で前記超音波エコー信号を増幅する一対のトランジスタと、
    前記超音波エコーの振幅に応じて前記負荷抵抗の値を切り替える切替手段とを備えることを特徴とする超音波プローブ。
  7. 前記超音波診断装置が、前記超音波ビームを前記被観測体にパルス状に照射する第1モードと、当該超音波ビームを前記被観測体に連続的に照射する第2モードとを具備する場合に、
    前記切替手段は、前記第2モードにおける前記負荷抵抗の値を前記第1モードにおける前記負荷抵抗の値よりも小さい値に切り替えることを特徴とする請求項6に記載の超音波プローブ。
  8. 前記切替手段は、
    前記一対のトランジスタにそれぞれ並列接続される複数の抵抗素子と、
    これらの複数の抵抗素子を選択的に切り替えて前記一対のトランジスタに接続する切替スイッチとを備えることを特徴とする請求項6に記載の超音波プローブ。
  9. 前記切替手段は、
    互いに直列接続されて前記一対のトランジスタにそれぞれ接続される複数の抵抗素子と、
    これらの複数の抵抗素子にそれぞれ並列接続され当該複数の抵抗素子を選択的に短絡する複数のシャントスイッチとを備えることを特徴とする請求項6に記載の超音波プローブ。
  10. 前記一対のトランジスタにそれぞれ接続される前記負荷抵抗は、それぞれ接続されるトランジスタと同じ特性を有するトランジスタであることを特徴とする請求項6に記載の超音波プローブ。
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