JP4575014B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波診断装置に関する。
従来、体腔内超音波診断装置として、内視鏡の先端部に配置した1つの圧電振動子を機械的に回転させながら超音波ビームの送受信を行って回転走査することにより、超音波診断画像を描出する機械走査方式の体腔内超音波内視鏡が提案されている。
また、内視鏡の先端部に複数の圧電振動子をアレイ状に配置し、電子的に超音波を送信する圧電振動子を切り替えることによってラジアル走査、コンベックス走査、リニア走査、あるいはセクタ走査を行い、超音波診断画像を描出する電子走査方式の体腔内超音波内視鏡が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、内視鏡の鉗子孔にシース内に配置された細径超音波振動子を挿通させ、このシースを内視鏡の先端部で突出させ、生体表面に接触させながら機械的回転走査を行う超音波診断画像を描出する細径プローブ超音波内視鏡が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
なお、これらの体腔内超音波診断装置は、生体組織表面との良好な音響的接続を行わせるため、音響結合液を満たしたバルーンを経て超音波を送受して用いられる。
このうち、前者の機械走査方式及び電子走査方式の体腔内超音波内視鏡は、総胆管、膵胆管等の細い管腔には適用することができないが、食道、胃、十二指腸、大腸など太い管腔に適用することができる。
また、単一の振動子を機械的に回転走査させる機械走査式の体腔内超音波内視鏡では送受信感度が高く、グレーティングローブを原理的に発生させないことにより、良好なBモード診断画像が得られる。
一方、電子走査式の体腔内超音波内視鏡は、フレームレートを高くすることができ、ドップラー血流診断が可能である。また、発信する超音波ビームを多様に制御できるで、可変焦点、送受信分離などにより良好な画像構築が可能である。そして、A/D変換を施し、多様なアルゴリズムで画質改善が容易となる。
また、後者の細径プローブ超音波内視鏡は、総胆管、膵胆管等の細い管腔にも適用することができる。
また、体外用ではあるが、高深達度診断を目的とした走査方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この走査方法について、図20を用いてその概略を説明する。
図20に示す走査方法は、深部の画像劣化を防止するためのものであり、超音波の受信口径は一定としたまま、受信ビーム収束点を受信時刻と共に、Δy1、Δy2、…と深部に移動させ、受信用振動子群R1、R2、…の配列方向中心位置を送信用超音波振動子群T1から順次遠ざけることによって、受信ビーム偏向角をほぼ一定のθに保つようにしたものである。このような受信ビーム収束点と受信用振動子群R1、R2、…の配列方向中心位置の制御は、送受信切り替え用電子スイッチと、送信対応チャンネルとは異なるアレイ内領域受信対応チャンネルの受信遅延回路によって行われる。
この図20に示す走査方法によれば、受信ビームの偏向角をほぼ一定に保つことができるので、受信ビーム偏向角をあまり大きくならないように設定することによって、受信ビームにおけるサイドローブの発生を抑制し、超音波診断の深部における画像劣化を回避することができる。
特開平5−277103号公報 (第1図) 特開2003−33353号公報 (第2図) 特開平6−125908号公報 (第1図)
しかしながら、上記従来の超音波診断装置では、以下の問題がある。すなわち、上記従来の超音波診断装置は、振動子エレメントが内視鏡先端に配設されるので、振動子エレメントの最大寸法が内視鏡の蛇腹の径である10mmφ程度より少し小さい程度であり、電子セクタ走査用超音波振動子でない場合や、また細径プローブ超音波内視鏡に用いる超音波振動子は、その最大寸法が、鉗子孔の径である3.9mmφより小さくする必要がある。このため、送信超音波出力は制限され、高い深達度を得ることが極めて困難となる。また、アレイ型超音波振動子も振動子エレメントの数によるが、振動子エレメント1本当たりの寸法は極めて微細となる。したがって、送信する超音波の出力が制限され、高い深達度を得ることが難しくなってくる。
また、2m以上の同軸ケーブルを使用するので、ケーブルの静電容量成分を変位電流が流れることによる電流ロス、同軸ケーブルの電磁シールド非完全性によるrf飛来ノイズの重畳という体腔内用ならではの本質的なS/N低下要因がある。さらに、電子走査式体腔内超音波内視鏡では、同軸ケーブルを束ねて使用するので、同軸ケーブル間のクロストークというS/N低下要因がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、長い同軸ケーブルに起因するS/N低下や、超音波を送受信する開口が小さいことによる空間分解能の低下が改善された超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明にかかる超音波診断装置は、N個(N≧2)の振動子エレメントからなる超音波トランスデューサと、m個(m≦N)の前記振動子エレメントに電圧を印加して超音波を発信させるパルサ手段と、n個(n≦N)の前記振動子エレメントで受信した超音波受信信号を用いて信号処理する受信信号処理手段と、超音波診断像を表示する表示装置とを備え、前記受信信号処理手段は、前記n個の振動子エレメントのうち、1つの振動子エレメントで受信した前記超音波受信信号をべき乗してその絶対値を演算する、べき乗検波手段と、前記べき乗検波手段で処理された前記超音波受信信号を正規化する正規化処理手段と、前記正規化処理手段で処理された異なる2つ以上の前記超音波受信信号間で相関処理を行う相関処理手段とを有することを特徴とする。
この発明によれば、n個の振動子エレメントで受信した超音波受信信号の周波数を逓倍することによって、超音波ビームのビーム幅を小さくすることができる。これにより、横方向分解能を向上させることができる。
また、異なる2つ以上の圧電振動子で受信した一対の受信信号に対して相関処理を行うことで、同軸ケーブルに飛来した超音波ノイズを除去することができる。これによりS/N比のノイズレベルを小さくし、S/N比を改善することができる。したがって、より体腔内の深部の診断を行うことができる。
また、相関処理を行うことで、処理後の受信信号の周波数が2倍になる。これにより、超音波ビームのビーム幅が小さくなり、横方向分解能を向上させることができる。
さらに、べき乗検波手段を用いて超音波受信信号をべき乗してその絶対値を演算することで、例えばべき乗検波手段が超音波受信信号を2乗した場合、演算後の受信信号の周波数が2倍になる。これにより、超音波ビームのビーム幅が小さくなり、横方向分解能を向上させることができる。さらに、超音波ビームのパルス幅が短くなり、深さ方向分解能を向上させることができる。
本発明にかかる超音波診断装置は、前記受信信号処理手段が、前記超音波受信信号から高調波成分を抽出する高調波抽出手段と、前記超音波受信信号の周波数を逓倍する周波数逓倍手段との少なくともいずれかを有することが好ましい。
高調波抽出手段を用いて超音波受信信号から高調波成分を抽出する場合は、以下の効果を奏する。すなわち、振動子エレメントから照射された超音波受信信号には、生体組織などを通過することによって生体組織などの非線形性により高調波成分が含まれている。この高調波成分は、基本波成分に比べて近距離音場における音圧変動が少なく、超音波ビームのビーム幅やサイドローブレベルが小さい。したがって、超音波受信信号から高調波成分を抽出することによって、横方向分解能やコントラスト分解能を向上させることができる。
また、周波数逓倍手段を用いて超音波受信信号の周波数を逓倍する場合は、例えば周波数を2逓倍した場合、演算後の受信信号の周波数が2倍になる。したがって、超音波ビームのビーム幅が小さくなり、横方向の分解能が向上する。
本発明にかかる超音波診断装置は、前記高調波抽出手段と、前記周波数逓倍手段との両方を有してもよい。
また、本発明にかかる超音波診断装置は、前記信号処理手段が、前記相関処理手段によって生じる高周波を除去するフィルタ手段を備えていることが好ましい。
この発明によれば、相関処理手段によって2つの超音波受信信号間で相関処理を行った際に発生する高周波成分を除去することができ、よりノイズ成分の少ない超音波診断像を得ることができる。
また、本発明にかかる超音波診断装置は、前記信号処理手段が、前記n個の振動子エレメントで受信した超音波受信信号を加算処理する加算処理手段を有し、該加算処理手段が、超音波受信信号に重み付けして加算処理することが好ましい。
この発明によれば、n個の振動子エレメントで受信した超音波受信信号に対して、例えば、ガウス分布重み付けや、コサイン分布重み付けなどを行うことにより、グレーティングローブを低減することができる。
また、本発明にかかる超音波診断装置は、前記超音波トランスデューサが、2個の前記振動子エレメントで構成された細径超音波トランスデューサであることが好ましい。
この発明によれば、S/N比が改善された細径超音波トランスデューサとすることができる。
また、本発明にかかる超音波診断装置は、前記超音波トランスデューサが、リング状振動子と、その内径部に配置した円板状振動子とからなり、前記パルサ手段により、前記リング状振動子に電圧を印加して超音波を発信させると共に、該リング状圧電振動子及び前記円板状振動子で受信することが好ましい。
この発明によれば、リング状振動子から送信した超音波を、このリング状振動子と円板状振動子で受信する。
また、本発明にかかる超音波診断装置は、前記リング状振動子と前記円板状振動子との共振周波数の比が、1:k(k≧2)であることが好ましい。
この発明によれば、円板状振動子は、リング状振動子から送信した超音波のうち、第2高調波、第3高調波あるいは第4高調波成分を選択的に受信する。これにより、容易に高調波成分を抽出することができ、深さ方向の分解能向上させることができる。ここで、第5高調波以上の高調波を受信してもよいが、受信感度が小さすぎ、実質的効果がほとんどない。
また、本発明にかかる超音波診断装置は、前記相関処理手段が、互いに隣接する2つの前記振動子エレメントの超音波受信信号を相関処理することを前提としている。
この発明によれば、互いに隣接する2つの振動子エレメント間で相関処理を行うことにより、2つの超音波受信信号間の位相差を小さくし、横方向分解能の低下を抑制することができる。
また、本発明にかかる超音波診断装置は、前記超音波トランスデューサが、前記N個の振動子エレメントをアレイ状に配列していることが好ましい。
この発明によれば、アレイ状に配列したN個の振動子エレメントのうち、m個の振動子エレメントから超音波を発信し、n個の振動子エレメントで超音波受信信号を受信する。
また、本発明にかかる超音波診断装置は、前記超音波トランスデューサの機械的品質係数Qmが、30以上300以下であることが好ましい。
この発明によれば、機械的品質係数Qmが30以上であることによって、超音波信号を発信させたときにパルス信号の振幅が増加することが可能となる。また、300以下であることによって、不要振動が混入する割合を抑制することができる。すなわち、診断超音波信号に不要振動ノイズが重畳することを抑制する。
また、本発明にかかる超音波診断装置は、前記パルサ手段が、前記m個の振動子エレメントに対して台形波形あるいはダブル矩形波を駆動信号として印加することが好ましい。
この発明によれば、超音波を発信する振動子エレメントに対して印加する駆動信号が台形波形であることで、パルス信号の残響時間の増加によって深さ方向分解能が悪化することを抑制できる。
また、本発明にかかる超音波診断装置は、前記表示手段にドプラー診断像を表示させるドプラー診断手段を有していることが好ましい。
この発明によれば、超音波診断像にドプラー診断像を合わせて表示することにより、より診断性能を向上させることができる。
また、本発明にかかる超音波診断装置は、前記表示手段に高調波のドプラー診断像を表示させる高調波信号のドプラー診断手段を有していることが好ましい。
この発明によれば、高調波信号を用いることによって、横方向分解能やコントラスト分解能を向上させたドプラー診断像を得ることができる。
また、本発明にかかる超音波診断装置は、前記受信信号処理手段が、前記n個の振動子エレメントで受信した超音波受信信号をアナログ/デジタル変換するA/D変換器を有することが好ましい。
この発明によれば、A/D変換器によって超音波受信信号をデジタル信号に変換することで、より劣化の少ない信号処理を行うことができる。
また、本発明にかかる超音波診断装置は、前記受信信号処理手段が、前記A/D変換器で変換された超音波受信信号を信号処理可能であることが好ましい。
この発明によれば、受信信号処理手段が、A/D変換器によって変換されたデジタル信号に対して信号処理を行う。
また、本発明にかかる超音波診断装置は、前記受信信号処理手段で処理された超音波受信信号を受信複素データに変換する直交検波手段と、前記受信複素データを格納する複素データ格納手段と、該複素データ格納手段により前記n個の振動子エレメントと焦点との位置関係により決まるおよその位置の複素データを読み出す複素データ読み出し手段と、該複素データ読み出し手段により得られた前記複素データに対して前記n個の振動子エレメントと焦点との位置関係により決まる正確な遅延時間に対応して前記受信複素データの位相補正処理を行う位相補正処理手段とを備えていることが好ましい。
この発明によれば、各振動子エレメントで受信した超音波受信信号の超音波伝播時間のバラツキ、すなわち、位相のバラツキを整合させ、サイドローブなどの不要応答成分をさらに抑制することができる。
また、本発明にかかる超音波診断装置は、体腔内の超音波診断に用いられる体腔内超音波診断装置であることが好ましい。
本発明の超音波診断装置によれば、n個の振動子エレメントで受信した超音波受信信号の周波数を逓倍することによって、超音波ビームのビーム幅が小さくなる。これにより、横方向分解能を向上させることができる。
また、異なる2つの圧電振動子で受信した一対の受信信号の間で相関処理を行うことで、同軸ケーブルに飛来した高周波ノイズを除去する。これによりS/N比のノイズレベルを小さくし、S/N比を向上させることができる。
次に、本発明の第1の実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
本実施形態にかかる超音波診断装置は、例えば、内視鏡の鉗子孔に挿通可能な細径超音波プローブを用いた体腔内超音波診断装置である。
この体腔内超音波診断装置は、図1に示すように、一対の圧電振動子(振動子エレメント)11、12を有する細径超音波プローブ(超音波トランスデューサ)13と、一方の圧電振動子11に超音波送信用駆動電圧を印加するパルサ14と、一対の圧電振動子11、12で受信した超音波信号を処理する受信信号処理手段15と、受信信号処理手段15からの出力を増幅する対数増幅器21と、受信信号を包絡線検波する包絡線検波器22と、包絡線検波器22で検波した受信信号をアナログ/デジタル変換するA/D変換器23と、受信信号を画像信号に変換する画像変換器24と、超音波診断像を表示するモニタ25とを備えている。
なお、圧電振動子11は、パルサ14により周波数fの超音波を発信するように構成されている。そして、一対の圧電振動子11、12は、周波数f及び周波数fの整数倍の超音波信号を受信する。
一対の圧電振動子11、12は、図示しないシースの中に音響結合液と共に配設されており、細径超音波プローブ13の挿入軸Sを中心軸としてその周りを機械的に回転し、超音波を矢印S1方向に回転しながら送受して超音波診断画像を得るような構成となっている。そして、一対の圧電振動子11、12は、それぞれ同軸ケーブル31、32を介して3つに分岐し、後述する処理手段35のRF信号処理部37、2乗検波部38及び第2高調波抽出部39にそれぞれ接続されている。
受信信号処理手段15は、受信した超音波信号を処理する処理手段35と、最終的に単一の受信信号に変換する加算処理手段36とを備えている。
処理手段35は、RF信号処理部37と2乗検波部38と第2高調波抽出部39とで構成されている。
RF信号処理部37は、一対の圧電振動子11、12の超音波受信信号をそれぞれ最大値が1となるように正規化処理する一対の正規化処理手段41と、2つの超音波受信信号を相関処理する相関処理手段42と、相関処理した信号に対して高周波成分を除去するローバスフィルタ(以下、LPFと省略する)43とで構成されている。
2乗検波部38は、一対の圧電振動子11、12の超音波受信信号をそれぞれ2乗検波する一対の2乗検波手段(べき乗検波手段)45と、2乗検波した超音波受信信号をそれぞれ正規化処理する一対の正規化処理手段46と、2つの超音波受信信号を相関処理する相関処理手段47と、LPF48とで構成されている。
また、第2高調波抽出部39は、一対の圧電振動子11、12の超音波信号から第2高調波成分をそれぞれ抽出する一対のバンドパスフィルタである第2高調波抽出手段(高調波抽出手段)51と、第2高調波成分を抽出した超音波受信信号をそれぞれ正規化処理する一対の正規化処理手段52と、2つの超音波受信信号を相関処理する相関処理手段53と、LPF54とで構成されている。
加算処理手段36は、2乗検波部38によって処理した受信信号と、第2高調波抽出部39によって処理した受信信号と、RF信号処理部37によって処理した受信信号とを加算処理するような構成となっている。
ここで、矢印A1、B1、D1、E1、G1及びH1は一対の圧電振動子11、12による超音波受信信号を、矢印A2及びB2は正規化処理手段41で正規化処理された正規化信号を、矢印C1は相関処理手段42で相関処理された正規化相関信号を、矢印C2はLPF43よって高周波成分を除去した正規化相関信号を示している。また、矢印D2及びE2は2乗検波手段45による2乗検波信号を、矢印D3及びE3は正規化処理手段46による正規化2乗検波信号を、矢印F1は相関処理手段47による正規化2乗検波相関信号を、矢印F2はLPF48によって高周波成分を除去した正規化2乗検波相関信号を示している。また、矢印G2及びH2は第2高調波抽出手段51による第2高調波信号を、矢印G3及びH3は正規化処理手段52による正規化第2高調波信号を、矢印I1は相関処理手段53による正規化第2高調波相関信号を、矢印I2はLPF54によって高周波成分を除去した正規化第2高調波相関信号を示している。また、矢印N1及びN2は同軸ケーブル31、32に重畳した高周波ノイズであるrf飛来ノイズを示している。
まず、RF信号処理部37について詳細に説明する。
図2に示すように、一対の圧電振動子11、12で受信したそれぞれの受信信号には、同軸ケーブル31、32においてrf飛来ノイズN1、N2が重畳されてそれぞれ超音波受信信号A1、B1となる。そして、正規化処理手段41によって最大値が1となった正規化信号A2、B2が得られる。
正規化信号A2、B2は、一対の圧電振動子11、12が近接して配置されているので、ほとんど同一波形信号である。それに対して、受信信号に重畳したrf飛来ノイズは、図3(a)及び(b)に示すように、わずかではあるが位相が異なっているので、正規化処理信号A2、B2の関係は、圧電振動子11、12の受信信号の波形が同じで同位相であり、rf飛来ノイズ成分がわずかにでも互いに異なる位相で重畳している。
ここで、相関をとるということは、両信号の積を取ることに相当する。これにより、互いに異なる位相で重畳しているrf飛来ノイズ成分は、相関をとることにより0となる。また、互いに同位相である受信信号の部分には、下記に示すように、周波数fの信号を周波数2fの信号に変換する。
Figure 0004575014
ここで、単一の圧電振動子からのビームパターンについて図4を用いて説明する。
図4(a)に示すように、回転方向の幅2a、挿入軸方向の長さ2b、所定の共振周波数に相当する厚さを有する圧電振動子61は、圧電振動子61の両面に形成された一対の電極62、63に同軸ケーブル64が接続されている。
この圧電振動子61が有する超音波ビームの指向性Deは、下記の式のようになる。
Figure 0004575014
ここで、kは波数、α、βはそれぞれ図4(b)に示すように、点Pに対するX軸(幅方向)、Y軸(挿入軸方向)への仰角である。ここで波数kは、fを周波数、vを超音波伝播媒質中の音速とすると、下記の式のようになる。
Figure 0004575014
また、幅方向のみの指向性Deは、下記に示すようなSinc関数となる。
Figure 0004575014
ここで、回転方向の幅2aを2.4mmとし、周波数を5MHz、10MHz、15MHzとした時の幅方向のみの指向性Deaを図4(c)に示す。なお、この図において、各周波数における指向性の値は、最大値で規格化した振幅を示している。
図4(c)に示すように、波数kが大きくなるにしたがって、すなわち、周波数fが高くなるにしたがって、超音波ビームの指向性が鋭くなっていることがわかる。
以上のことから、相関処理手段42によって、超音波ビームのビーム幅が狭まり、横方向分解能を向上させることに寄与する。
ここで、正規化処理手段41によって最大値を1とする正規化処理が行われた正規化信号A2及びB2の絶対値の波形は、図5(a)に示すようになり、その包絡線は、図5(b)に示すようになる。また、相関処理手段42による出力である正規化相関信号C1の包絡線は、図5(c)に示すようになる。
ここで、図5(b)に示す包絡線のピーク値よりも20dB低い値におけるパルス幅である、−20dBパルス幅W1よりも、図5(c)に示す相関処理手段42の出力である正規化相関信号C1の包絡線の−20dBパルス幅W2のほうが、パルス幅が狭くなっていることがわかる。
相関処理手段42によって発生した高周波成分は、LPF48により除去されて、高周波成分が除去された正規化相関信号C2が得られる。
なお、相関処理手段42において相関処理をする前に、正規化処理手段41によって正規化しておくことによって、ノイズ成分はより効率よく抑圧される。
次に、図6を用いて2乗検波部38について詳細に説明する。
図6(a)に示すように、2乗検波手段45は、一対の圧電振動子11、12で受信した超音波受信信号D1、E1に対して2乗検波を行う。
2乗検波手段45は、上述した式4と同様に、超音波受信信号D1、E1の周波数を2倍した2乗検波信号D2、E2に変換する。
すなわち、2乗検波手段45によって、超音波ビームのビーム幅が狭まり、横方向分解能を向上させることに寄与する。
パルサ14からの駆動信号を圧電振動子11に印加し、一対の圧電振動子11、12で受信したそれぞれの超音波受信信号D1、E1は、2乗検波手段45により2乗検波信号D2及びE2となる。そして、これら2乗検波信号D2及びE2は、正規化処理手段46によって正規化されることで正規化2乗検波信号D3及びE3となる。さらに、正規化2乗検波信号D3及びE3を相関処理手段42で互いの相関をとることにより正規化2乗検波相関信号F1が得られる。この相関処理手段42によって発生する高周波成分は、LPF48で除去され、高分解能でかつ高S/Nの正規化2乗検波相関信号F2となる。
相関処理手段47は、2乗検波手段45によって周波数が2倍になった正規化2乗検波信号D3及びE3の相関をとるので、LPF48で高周波成分が除去された正規化2乗検波相関信号F2の周波数が超音波受信信号D1及びE1の周波数の4倍となる。すなわち、2乗検波部38によって、超音波ビームのビーム幅がさらに狭まり、横方向分解能をより向上させることに寄与する。
次に、図7を用いて第2高調波抽出部39について説明する。
図7(a)に示すように、第2高調波抽出手段51は、一対の圧電振動子11、12で受信した超音波受信信号G1及びH1から第2高調波成分を抽出する。
圧電振動子11から照射された超音波信号は、生体組織や造影剤に超音波信号が照射することによって、生体組織や造影剤の非線形性により高調波信号が誘起される。そのため、圧電振動子11、12で受信した超音波信号には、この誘起された高調波が含まれる。
ここで、超音波伝播距離と中心軸音場との関係を周波数fの基本波、周波数2fの基本波及び周波数2fの高調波で最大音圧を一致させたものを図7(b)に示す。また、周波数fの基本波、周波数2fの基本波及び周波数2fの高調波におけるビーム幅を図7(c)に示す。
図7(b)に示すように、中心軸上での音圧最大値になる位置より圧電振動子の表面に近い領域において、周波数2fの高調波の音圧変動は、周波数fの基本波や周波数2fの基本波に比べはるかに小さいことがわかる。また、中心軸上での音圧が最大となる位置より遠方の領域において、音圧の減衰は、周波数2fの基本波がもっとも大きく、最も小さいのが周波数fの基本波となっている。しかし、周波数2fの高調波と周波数fの基本波との減衰の場合の減衰に近い。
また、図7(c)に示すように、超音波ビーム幅は、周波数fの基本波がもっとも大きく、ついで周波数2fの高調波、そして周波数2fの基本波が最も小さく、周波数2fの高調波のビーム幅は周波数fの基本波の約1/√2倍である。さらに、サイドローブに関しては基本波である限り、周波数fの基本波でも周波数2fの基本波でも同レベルであるのに対し、周波数2fの高調波のサイドローブレベルは基本波のサイドローブレベルと比較してはるかに小さいことがわかる。すなわち、第2高調波成分抽出手段51によって、サイドローブレベルが抑制されてコントラスト分解能を向上させることに寄与する。
パルサ14からの駆動信号を圧電振動子11に印加し、圧電振動子11、12で受信した超音波を圧電変換した超音波信号G1及びH1は、生体を伝播することによって発生する高調波成分を有している。超音波信号G1及びH1は、第2高調波抽出手段51により上述したように第2高調波成分が抽出された高調波信号G2及びH2となる。そして、正規化処理手段52によりこれら高調波信号G2及びH2が正規化されることにより、正規化高調波信号G3及びH3が得られる。さらに相関処理手段53及びLPF54により、高分解能でかつ高S/Nの正規化高調波相関信号I2となる。
加算処理手段36は、正規化相関信号C2、正規化2乗検波相関信号F2及び正規化高調波相関信号I2を加算して単一の加算処理信号に変換するように構成されている。
包絡線検波器22は、対数増幅器21で増幅したこの加算処理信号を包絡線検波するように構成されている。
画像変換器24は、A/D変換器23でデジタル信号に変換した加算処理信号を超音波画像信号に変換し、モニタ25に超音波診断像を表示させるように構成されている。
次に、一対の圧電振動子11、12の中心間距離に対する受信信号指向性について図8を用いて説明する。
図8(a)に示すように、一対の圧電振動子11、12には、それぞれ同軸ケーブル31、32が接続され、超音波受信信号J1、J2が伝送される。なお、超音波の送信は、一方の圧電振動子であっても、双方の圧電振動子11、12を用いて行ってもよい。
ここで、一対の圧電振動子11、12の受信信号をそれぞれJ1、J2とすると、一対の圧電振動子11、12における受信信号指向性は、J1とJ2とを加算した信号、すなわち、J1+J2となる。一対の圧電振動子11、12の中心間距離dに対する受信信号指向性を図8(b)に示す。これは、上述した式(4)に離間による指向性関数である下記の式を積算した結果を示している。
Figure 0004575014
図8(b)に示すように、離間距離dが大きくなるにしたがって、サイドローブのレベルが大きくなると共に、サイドローブがメインローブに近接することがわかる。また、メインローブのビーム幅が小さくなっている。
この一対の圧電振動子11、12を細径超音波プローブに用いる場合、圧電振動子11、12は細いシース位置に配置されているので、dを大きくすることができず、大きくてもd=1.2×2aであり、したがって、基本波の場合において最近接サイドローブレベルが、−13dB〜−10dBの間、最近接サイドローブの発生角度が0.15Rad(8.6°)〜0.13Rad(7.5°)の間になる。
また、一対の圧電振動子11、12で受信した超音波受信信号間に位相差φがあると、指向性Rresは、下記の式に示すようになる。この位相差θに対する指向性Rresを図8(c)に示す。
Figure 0004575014
図8(c)に示すように、位相差φが大きくなるにしたがって、ピークが分割するようになり、横方向の分解能が低下していることがわかる。
これは、図8(a)において、一対の圧電振動子11、12から点Pまでのそれぞれの距離rとrとの差が大きいと、各圧電振動子11、12で受信する超音波信号の位相差が大きくなり横方向分解能が悪くなる。このことは両受信信号J1、J2に位相の遅延差を与え、点Pを観察しようとすると、点Pと中心線Tとの角度θが大きくなるにつれて、メインビームの分割が激しくなり、本来1点のものが分裂した2点になって見えるようになることを意味している。
実際には同じ点に対し、一対の圧電振動子11、12の離間距離dが大きくなるほど位相差が大きくなる。したがって一対の圧電振動子11、12を用いて1点を観察する時、一対の圧電振動子11、12の間隔はなるべく小さくすることが必要であることがわかる。
このように構成された体腔内超音波診断装置によれば、相関処理手段42によって2つの受信信号の間で相関処理を行うことで、同軸ケーブルに飛来したrf飛来ノイズを除去する。これによりS/N比のノイズレベルを小さくし、S/N比を向上させることができる。
これにより、体内深部を診断するために感度を上げても、対数増幅器21などによって診断に十分有用な超音波診断が可能になる。
また、相関処理を行うことで、受信した信号の周波数が2倍になる。これにより、超音波ビームのビーム幅が小さくなり、横方向分解能が改善する。そして、相関処理手段42、47、53で発生した高周波成分をそれぞれLPF43、48、54で除去することにより、ノイズ成分を抑制することができる。
また、2乗検波手段45により、受信した信号の周波数を2倍にすることで、超音波ビームのビーム幅を小さくし、横方向分解能の改善に寄与するだけでなく、パルス幅を短くし、これによって深さ方向分解能を改善することも可能となる。
また、第2高調波抽出手段51により、受信した信号から第2高調波成分を抽出することで、超音波ビームのビーム幅を小さくし、横方向分解能の改善に寄与するだけでなく、パルス幅を短くし、これによって深さ方向分解能を改善することも可能となる。さらに、サイドローブレベルを抑制するので、コントラスト分解能を改善することも可能となる。
なお、本実施形態において、2乗検波手段45は、受信信号を2乗する演算を行うものであったが、これに限らず、超音波受信信号を3以上の数でべき乗し、その絶対値を取る演算を行うものであってもよい。このようにすることで、超音波ビームのビーム幅がさらに小さくなり、横方向分解能及び深さ方向分解能を向上できる。
また、第2高調波抽出手段51は、受信信号から第2高調波成分を抽出するものであったが、これに限らず、第3高調波以上の高調波成分を抽出するものであってもよい。このようにすることで、超音波ビームのビーム幅がさらに小さくなり、サイドローブレベルを抑制することができ、よりコントラスト分解能を向上させることができる。
また、加算処理手段36は、2乗検波手段45、第2高調波抽出手段51及び相関処理手段42からの出力をそれぞれ加算していたが、2乗検波手段45、第2高調波抽出手段51及び相関処理手段42の各出力の間で重み付けを行って加算してもよい。
このようにすることで、例えば、コントラスト分解能を優先して超音波観察を行うときは、相関処理手段42及び2乗検波手段45による出力よりも第2高調波抽出手段51による出力の方に重み付けを大きくするによって、コントラスト分解能が優先された診断を行うことができる。
なお、この重み付けの係数は、コンピュータなどの制御装置(図示略)から所望の重み付けとなるように設定可能となっている。
また、図9に示すように、受信信号処理手段15が、受信信号の周波数をそれぞれ2逓倍する一対の周波数2逓倍手段(周波数逓倍手段)71を備えた周波数2逓倍部72を有していてもよい。
この周波数2逓倍部72は、一対の圧電振動子11、12の超音波信号に対してそれぞれ周波数を2逓倍する一対の周波数2逓倍手段71と、周波数2逓倍した超音波受信信号をそれぞれ正規化処理する一対の正規化処理手段73と、2つの超音波受信信号を相関処理する相関処理手段74と、LPF75とを備えている。
ここで、周波数2逓倍手段71は、入力された信号をAD変換によってデジタル信号とし、信号レベルを変化させないで周波数を2倍する2倍変換を行い、さらにフーリエ変換によって、時間軸パルス信号に戻すものである。
また、矢印K1及びL1は一対の圧電振動子11、12による超音波受信信号を、矢印K2及びL2は周波数2逓倍手段71による周波数2逓倍信号を、矢印K3及びL3は正規化処理手段73による正規化周波数2逓倍信号を、矢印M1は相関処理手段74による正規化周波数2逓倍相関信号を、矢印M2はLPF75によって高周波成分を除去した正規化2逓倍相関信号を示している。
このように、周波数2逓倍手段71を用いることで、受信した信号の周波数を2倍にし、パルス幅を縮小できる。
なお、周波数を2逓倍するものに限らず、3逓倍以上にするものであってもよい。このようにすることで、よりパルス幅を縮小することができる。
次に、本発明にかかる第2の実施形態について、図10を用いて説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態において説明した構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、上記第1の実施形態における体腔内超音波診断装置は、細径超音波プローブに適用したものであって、超音波トランスデューサが矩形板である一対の圧電振動子11、12を横に並列配置した構造であったが、第2の実施形態における体腔内超音波診断装置は、超音波トランスデューサ100がリング状振動子101及びリング状振動子101の内径部に配列された円板状振動子102とを有している点である。
図10に示すように、体腔内超音波診断装置は、リング状振動子101と、円板状振動子102と、リング状振動子101に超音波送信用駆動電圧を印加するパルサ14と、リング状振動子101及び円板状振動子102で受信した超音波信号を処理する受信信号処理手段103と、対数増幅器21と、包絡線検波器22と、A/D変換器23と、画像変換器24と、モニタ25とを備えている。
リング状振動子101は、パルサ14からの超音波送信用駆動電圧により基本波超音波を発信するように構成されている。そして、同軸ケーブル31を介して受信信号処理手段103に接続されている。
円板状振動子102は、リング状振動子101のほぼ半分の厚さを有しており、これにより第2高調波を受信するような構成となっている。そして、同軸ケーブル32を介して受信信号処理手段103に接続されている。
なお、このリング状振動子101及び円板状振動子102は、それぞれの機械的品質係数Qmがそれぞれ30以上300以下となっている。
受信信号処理手段103は、リング状振動子101の超音波受信信号を2乗検波する2乗検波手段111と、円板状振動子102の超音波受信信号から第2高調波を抽出する第2高調波抽出手段112と、それぞれの超音波受信信号を正規化処理する一対の正規化処理手段113と、2つの超音波受信信号を相関処理する相関処理手段114と、LPF115とを備えている。
パルサ14は、リング状振動子101に対して、台形波形を送信するような駆動信号を印加する。この台形波形では、リング状振動子101の電圧上昇時に対する圧電応答信号と電圧効果に対する圧電応答信号とが重なるときに、数波を残して相殺しあうように台形の幅を設定することにより、最大振幅を変えずにパルス幅のみ抑圧できるような構成となっている。
このように構成された体腔内超音波診断装置によれば、上述した第1の実施形態と同様に、リング状振動子101及び円板状振動子102で受信した超音波信号を相関処理手段114において相関処理を施すことにより、同軸ケーブルに飛来したノイズ成分を除去することができる。これにより、S/N比のノイズレベルを小さくしてS/N比を向上させることができる。したがって、体内深部を診断するために感度を上げても、十分有用な超音波診断が可能になる。
また、リング状振動子101及び円板状振動子102の機械的品質係数Qmが、それぞれ30以上300以下となっているので、超音波受信信号に不要振動ノイズが重畳することを抑制できる。
また、パルサ14が、リング状振動子101から台形波形を送信するような駆動信号を印加するため、リング状振動子101の電圧上昇時に対する圧電応答信号と電圧降下時に対する圧電応答信号とが重なるときに、数波を残して相殺し合うように台形の幅を設定することで、パルス信号の残響時間の増加によって深さ方向分解能が劣化することを抑制できる。
なお、本実施形態において、図11に示すように、処理手段116は、リング状振動子101が、第2高調波抽出手段117を経て正規化処理手段113に接続されていてもよい。このようにしても、上述と同様に、超音波ビームのビーム幅を小さくし、横方向分解能を改善すると共に、パルス幅を短くして深さ方向分解能を改善することができる。
また、パルサ14がリング状振動子101から台形波形を送信するような構成となっていたが、台形波形に限らず、ダブル矩形波であってもよい。このとき、リング状振動子101の最初の矩形波での圧電応答が重なるときに数波を残して相殺しあうように2つの矩形パルスの間隔を設定しておくことによって、最大振幅を変えずにパルス幅のみを抑圧できる。
また、リング状振動子101と円板状振動子102との共振周波数の比が1:2であったが、1:3や1:4であってもよい。このようにすることで、円板状振動子102が、リング状振動子101から発振した超音波の第3高調波または第4高調波を受信するので、より深さ方向の分解能が向上する。ここで、円板状振動子102が第3高調波を受信するとき、リング状振動子101は、受信した信号を3乗してその絶対値を演算する3乗検波手段あるいは第3高調波成分を抽出する第3高調波抽出手段に接続され、円板状振動子102が第4高調波を受信するとき、受信した信号を4乗する4乗検波手段あるいは第4高調波成分を抽出する第4高調波抽出手段に接続される。
ただし、リング状振動子101と円板状振動子102との共振周波数の比が、1:5以上、すなわち、円板状振動子102の共振周波数がリング状振動子101の共振周波数の5倍以上であると、第5高調波以上の高調波は、超音波信号の基本波に対して50dB以上小さいため、高いS/N比を保ったまま増幅することが困難となる。
次に、本発明にかかる第3の実施形態における体腔内超音波診断装置について、図12から図14を用いて説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態において説明した構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
第3の実施形態と第1の実施形態とに異なる点は、第1の実施形態における体腔内超音波診断装置が超音波プローブであったのに対し、第3の実施形態における体腔内超音波診断装置が電子走査型のアレイ型振動子を用いた体腔内超音波スコープとなっている点である。
体腔内超音波診断装置は、図12に示すように、N個の圧電振動子201で構成された超音波トランスデューサ202と、圧電振動子201に超音波送信用駆動電圧を印加するパルサ手段211と、N個の圧電振動子201のうちn個の圧電振動子で受信した超音波信号を処理する受信信号処理手段212と、n個の圧電振動子201で受信した超音波受信信号からドップラーシフト量を分析するドップラーシフト量分析部(ドプラー診断手段)213と、対数増幅器21と、包絡線検波器22と、A/D変換器25と、画像変換器24と、モニタ25とを備えている。
N個の圧電振動子201は、図13に示すように、挿入軸の軸回りに円周上に配列されており、バルーン214内に音響結合液214aと共に封入され、気泡が入らないように固定具214bで固定されている。そして、N本の同軸ケーブルで構成された同軸ケーブル束215を介して圧電振動子201の超音波の送信と受信とを切り替える電子スイッチ回路216に接続されている。
パルサ手段211は、N個の圧電振動子201のうち互いに隣接するm個の圧電振動子に対して超音波送信用駆動電圧を印加するような構成となっている。このパルサ手段211は、波形発生器221と、発信する超音波信号の波形を所定の形状にするm個の送信用遅延回路222を介してm個の圧電振動子201を駆動させるm個の駆動回路223とを備えている。
m個の駆動回路223は、電子スイッチ回路216を介して送信用のm個の圧電振動子に接続されている。
電子スイッチ回路216は、N個の圧電振動子201から超音波の送信を行うm個の圧電振動子11を選択するように構成されており、選択されたm個の圧電振動子201からリニア走査しながらマルチビーム収束するか、セクタ走査するか、あるいはその両方を行うように構成されている。
受信信号処理手段212は、電子スイッチ回路216によって選択された互いに隣接するn個の圧電振動子201からの超音波受信信号の遅延を調整するn個の受信用遅延回路231と、互いに隣接する2つずつの圧電振動子201からの超音波受信信号を処理する処理手段232と、超音波受信信号を一時的に記録するメモリ233と、メモリ233に記録された超音波受信信号を単一の信号に変換する加算処理手段234とを備えている。
処理手段232は、電子スイッチ回路241と、n個の前置相関器242とを備えている。
電子スイッチ回路241は、受信用の圧電振動子であるn個の圧電振動子201の超音波受信信号のうち、隣り合う2つの圧電振動子201からの超音波受信信号を1組として前置相関器242に入力するように構成されている。
前置相関器242は、図14に示すように、電子スイッチ回路241による受信用遅延回路231の超音波受信信号から第2高調波を抽出する第2高調波抽出手段251と、正規化手段252と、相関処理手段253とによって構成されている。この前置相関器242によって、横方向分解能が向上されると共にノイズが除去された信号をメモリ233に出力する。
加算処理手段234で単一の信号に変換された超音波受信信号は、上述と同様に、対数増幅器21で増幅され、包絡線検波器22、A/D変換器23及び画像変換器24を経てモニタ25に表示される。
ドップラーシフト量分析部213は、リファレンス信号を発信する局部発振器261と、局部発信器261からのリファレンス信号を直交変換するCos変換器262と、加算処理手段234から超音波受信信号とCos変換器262によって直交変換されたリファレンス信号とをミキシングするミキサ264と、ミキシングした超音波受信信号の高周波成分を除去するLPF265と、超音波受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器266と、A/D変換器266の出力からドップラーシフト量を分析するスペクトル分析器267とを備えている。
ミキサ263は、超音波受信信号とリファレンス信号とをミキシングすることで、超音波受信信号とリファレンス信号との差信号と和信号とを出力するような構成となっている。また、ミキサ264は、超音波受信信号と直交変換されたリファレンス信号との差信号と和信号とを出力する構成となっている。そして、LPF265は、ミキサ263及び264の出力から高周波成分であるそれぞれの和信号を除去することで差信号を出力する構成となっている。
スペクトル分析器267は、2つの差信号の間で直交検波を行い、周波数特性に変換することによりドップラーシフト量を算出するような構成となっている。この、スペクトル分析器267の出力は、画像変換器24に接続されており、モニタ25上にドップラー画像が重ね合わせて表示される。
図7(b)に示したように、基本波は、中心からの近距離において音圧変動が発生しており、バルーン214の半径が基本波の音圧レベルが最大になる基本波音場の焦点よりも遠方にあると、この音圧変動領域がバルーン214の近傍にあることになり、多重反射によるアーティファクトが発生する。これに対して、高調波は、音圧レベルの最大値が基本波に比べて小さいものの音圧の変動が少なく、また減衰も基本波並みである。
このように構成された体腔内超音波診断装置によれば、上述した第1の実施形態と同様の作用、効果を有するが、超音波受信信号の高調波成分を用いることにより、バルーン214による多重反射が発生することを抑制できる。
なお、本実施形態において、前置相関器242は、図15(a)に示すように、受信用遅延回路231の超音波受信信号を2乗検波する2乗検波手段271と、正規化手段272と、相関処理手段273とで構成されていてもよい。また、図15(b)に示すように、超音波受信信号を3乗してその絶対値を演算する3乗検波手段275と、正規化手段276と、相関処理手段277とで構成されていてもよい。また、図15(c)に示すように、超音波受信信号の周波数を2逓倍する周波数2逓倍器281と、正規化処理手段282と、相関処理手段283とで構成されていてもよい。また、図15(d)に示すように、第3高調波抽出手段285と正規化処理手段286と相関処理手段287とで構成されていてもよい。
いずれの場合においても、上述した第1の実施形態に説明したものと同様の効果を得ることができる。
また、加算処理手段234には、上述した第1の実施形態と同様に、n個の超音波受信信号に重み付けする機能を用いることが可能で、例えば、グレーティングを低減させるためのガウス分布重み付けや、コサイン分布重み付けなどがある。
次に、本発明にかかる第4の実施形態における体腔内超音波診断装置について、図16を用いて説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態において説明した構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
第4の実施形態と第3の実施形態との異なる点は、第4の実施形態における体腔内超音波診断装置では、ドップラーシフト量分析部301が高調波ドップラー信号を用いてドップラーシフト量を分析する点である。
すなわち、図16に示すように、第4の実施形態における体腔内超音波診断装置は、高調波ドップラー信号を生成するため、加算処理手段234の出力側には高調波成分を抽出するBPF302が接続されている。
また、ドップラーシフト量分析部301が、圧電振動子201で受信する超音波受信信号の高調波信号の近傍の発振周波数を有するリファレンス信号を発信する局部発振器311を備えている。また、ドップラーシフト量分析部301は、局部発振器311からのリファレンス信号を直交変換するCos変換器312と、BPF302から分岐した超音波受信信号とリファレンス信号とをミキシングするミキサ313と、BPF302から分岐した超音波受信信号とCos変換器312によって直交変換されたリファレンス信号とをミキシングするミキサ314と、ミキシングした超音波受信信号の高周波成分を除去するLPF315と、超音波受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器316と、A/D変換器316の出力からドップラーシフト量を分析するスペクトル分析器317とを備えている。
このように構成された体腔内超音波診断装置によれば、上述した第3の実施形態における体腔内超音波診断装置と同様の作用・効果を有するが、局部発振器311の発振周波数が高調波信号の周波数の近傍の周波数に設定されているので、ハーモニックドップラーを実現することができる。
なお、本実施形態においても、上述した第3の実施形態と同様に、前置相関器242が図15に示すような構成であってもよい。
また、本実施形態において、圧電振動子201で受信した超音波受信信号を適宜A/D変換を行うことによりデジタル信号にて処理してもよい。このようにすることで、ただし、局部発振器311が発振するリファレンス信号がアナログ信号であり、ミキサ313、314ではアナログ信号でミキシングするため、BPF302の出力がデジタル信号であった場合には、BPF302とミキサ313、314との間にD/A変換器を設けてデジタル信号をアナログ信号に変換する。
次に、本発明にかかる第5の実施形態における体腔内超音波診断装置について、図17を用いて説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態において説明した構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
第5の実施形態と第3の実施形態との異なる点は、第5の実施形態における体腔内超音波診断装置では、N個の圧電振動子201からの超音波伝播時間の各圧電振動子間のバラツキ、すなわち、位相のバラツキを整合させる位相整合部351が設けられている点である。
すなわち、図17に示すように、第5の実施形態における体腔内超音波診断装置は、N個の圧電振動子201のうちn個の圧電振動子で受信した超音波信号を処理する受信信号処理手段352と、受信信号処理手段352の出力端に接続され、n個の圧電振動子201で受信した超音波受信信号の位相のバラツキを整合させる位相整合部351とを備えている。
位相整合部351は、全超音波ビームに共通の基準信号を送信するタイミングコントロール器361と、タイミングコントロール器361の参照信号から後述する前置相関器392の出力を直交検波するn個の直交検波手段362と、直交検波手段362からの実信号成分及び虚信号成分それぞれの波面データを記録する2つの波面メモリ(複素データ格納手段)363、364と、波面ローカスルックアップテーブル(複素データ読み出し手段、以下、波面ローカルLUTと省略する)365と、実成分位相補正メモリ367及び虚成分位相補性メモリ368と、実成分位相補正メモリ(複素データ読み出し手段)367及び虚成分位相補性メモリ(複素データ読み出し手段)368に記録されている位相補正情報から波面メモリ363、364に記録されている波面データの位相を補正する位相補正回路(位相補正処理手段)369とを備えている。
タイミングコントロール器361は、位相のバラツキを整合させるために全超音波ビームに対して共通する参照信号となる基準信号を、波形発生器221及びn個の直交検波手段362に送信するように構成されている。
直交検波手段362は、前置相関器392から分岐した超音波受信信号とタイミングコントロール器361からの基準信号とをミキシングする乗算器381と、前置相関器392から分岐した超音波受信信号とcos変換器382によって直交変換された基準信号とをミキシングする乗算器383と、ミキシングした超音波受信信号の高調波成分を除去する一対のLPF384とを備えている。
波面メモリ363、364は、n個の直交検波手段362からの実信号成分及び虚信号成分で構成される複素の波面データをそれぞれ記録するように構成されている。
波面ローカスLUT365は、内部に記録されているアドレス情報により、画像化しようとする点を焦点とするような位置関係の波面ローカスに沿って波面メモリ363、364に記録されている波面データを位相補正回路369に出力するように構成されている。
位相補正回路369は、実成分位相補正メモリ367及び虚成分位相補正メモリ368に記録されている実成分及び虚成分の位相補正情報を参照して同位相となるように各圧電振動子の焦点との音響的距離によって決定される遅延時間を考慮したい相補性を行い、補正された各々の複素データの2乗和を取ることで合成処理をするように構成されている。この合成処理は、圧電振動子201による超音波走査領域内の表示したい領域である断層領域をカバーするように2次元領域に渡って行う。
受信信号処理手段352は、n個の受信用遅延回路231と、互いに隣接する2つずつの圧電振動子201からの超音波受信信号を処理する処理手段390とを備えている。
処理手段390は、電子スイッチ241と、電子スイッチ241の出力端に接続され、n個の圧電振動子201で受信した超音波受信信号をA/D変換するn個のA/D変換器391と、このn個のA/D変換器391の出力から隣り合う2つの圧電振動子201からの超音波受信信号を1組として入力される前置相関器392とを備えている。
前置相関器392は、上述した第3の実施形態における前置相関器242と同様の構成である。しかし、第3の実施形態における前置相関器242ではアナログ信号に対して相関処理を行っているのに対して、第5の実施形態における前置相関器392では、デジタル信号に対して相関処理を行う構成となっている。
この前置相関器392によって相関処理された超音波受信信号は、直交検波手段362に出力される。
このように構成された体腔内超音波診断装置によれば、圧電振動子201で得たエコー信号のうち、隣接した複数の圧電振動子からの受信信号を相互的に相関をとり、その相関出力を直交検波手段362により直交検波することで実成分信号と虚成分信号とに変換し、波面データに対して各圧電振動子201の焦点位置に対する空間的な配置などで決定される遅延時間に対応した位相整合処理である、位相回転処理を伴うビーム合成処理を行うことによって、合成時のビーム特性でサイドローブに代表される不要なビーム成分をより抑制した超音波断層画像(Bモード像)を得ることができる。
次に、第6の実施形態について、図18を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態において説明した構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
第6の実施形態と第3の実施形態との異なる点は、第3の実施形態における体腔内超音波診断装置では受信信号処理手段212が隣り合う2つの圧電振動子201による超音波受信信号に対して相関処理を行っているのに対して、第6の実施形態における体腔内超音波診断装置は、隣り合う3つの圧電振動子からの超音波受信信号に対応した受信信号処理手段401を備えている点である。
すなわち、図18(a)に示すように、第6の実施形態における体腔内超音波診断装置は、N個の圧電振動子201のうちn個の圧電振動子で受信した超音波信号のうち、隣り合う3つの圧電振動子からの超音波受信信号を処理する受信信号処理手段401を備えている。
受信信号処理手段401は、n個の受信用遅延回路231と、処理手段410と、メモリ233と、メモリ233に記録された超音波受信信号を単一の信号に変換する加算処理手段234とを備えている。
処理手段410は、電子スイッチ回路412と、n個の前置相関器413とを備えている。
電子スイッチ回路412は、受信用の圧電振動子であるn個の圧電振動子で受信した超音波信号のうち、隣り合う3つの圧電振動子からの超音波受信信号を1組として前置相関器413に入力するように構成されている。
前置相関器413は、図18(b)に示すように、入力された3つの圧電振動子からの超音波受信信号それぞれに対して信号処理を行う、RF手段414と、2乗検波手段415と、第2高調波抽出手段416と、これらを通過した超音波受信信号を加算処理する加算処理手段417を備えている。
この、RF手段414は、入力された超音波受信信号をそのまま通過させる機能を有している。
これらRF手段414、2乗検波手段415及び第2高調波抽出手段416を通過した3つの超音波受信信号は、それぞれA/D変換器418、対数増幅器419、包絡線検波器420及び正規化処理手段421を経て、加算処理手段417で加算処理されるように構成されている。
このように構成された体腔内超音波診断装置によれば、上述と同様に、S/N比が良好で、空間分解能に優れた超音波診断像を得ることができる。
なお、本実施形態においては前置相関器413が各チャンネルの超音波受信信号同士で相関処理を行っていないが、隣り合う3つの超音波受信信号に対して相関処理を逐次行うように構成された前置相関器451を用いてもよい。
この前置相関器451は、図19に示すように、RF手段414と、2乗検波手段415と、第2高調波抽出手段416と、2乗検波手段415を通過した超音波受信信号及び第2高調波抽出手段416を通過した超音波受信信号の相関処理を行う相関処理手段452と、RF手段414を通過した超音波受信信号及び相関処理手段452を通過した超音波受信信号の相関処理を行う相関処理手段453とを備えている。
相関処理手段453の前段には、相関処理手段452と相関処理手段453との間でクロストーク現象が生じないようにバッファ454、455がそれぞれ設けられている。
このように構成された前置相関器451を用いても、上述と同様に、S/N比が良好で、空間分解能に優れた超音波診断像を得ることができる。
また、本実施形態において、圧電振動子が円周上に配置された電子走査型の体腔内超音波診断装置を用いたが、これに限らず、機械的ラジアル走査型の体腔内超音波診断装置に適用してもよい。
また、加算処理手段234には、上述した第3の実施形態と同様に、n個の超音波受信信号に重み付けする機能を用いることが可能である。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態において、体腔内超音波診断装置に適用したが、体外用の超音波診断装置に適用してもよい。
また、第3から第6の実施形態において、N個の圧電振動子201は、円周上に配置されたが、これに限らず、アレイ状に配置されてもよい。また、第4の実施形態におけるドップラーシフト量分析部213は、スペクトル分析器267が互いに直交する2つのリファレンス信号を用いてドップラーシフト量を分析したが、どちらか一方のリファレンス信号のみを用いてドップラーシフト量を分析してもよい。
本発明の第1の実施形態における体腔内超音波診断装置を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態における相関処理部を説明するための機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態における超音波受信信号及び正規化相関処理信号を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態における圧電振動子の指向性を説明するためのもので、(a)は機能ブロック図、(b)は圧電振動子の斜視図、(c)は超音波の周波数に対する圧電振動子の指向性を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態における圧電振動子の超音波パルスの時間に対する強度を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態における2乗検波部を説明するための機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態における第2高調波抽出部を説明するためのもので、(a)は機能ブロック図、(b)は各基本波及び高調波の深度に対する音圧レベルを示すグラフ、(c)は各基本波及び高調波の指向性を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態における一対の圧電振動子間の距離に対する指向性の、(a)は説明図、(b)は間隔に対する指向性を示すグラフ、(c)は位相差に対する指向性を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態における周波数逓倍部を説明するための機能ブロック図である。 本発明の第2の実施形態における体腔内超音波診断装置を示すもので、(a)は超音波トランスデューサの平面図、(b)は機能ブロック図である。 本発明の第2の実施形態の他の形態の機能ブロック図である。 本発明の第3の実施形態における体腔内超音波診断装置を示す機能ブロック図である。 本発明の第3の実施形態における超音波トランスデューサを示す概略図である。 本発明の第3の実施形態における前置相関器を示す機能ブロック図である。 本発明の第3の実施形態における前置相関器の他の形態を示す機能ブロック図である。 本発明の第4の実施形態における体腔内超音波診断装置を示す機能ブロック図である。 本発明の第5の実施形態における体腔内超音波診断装置を示す機能ブロック図である。 本発明の第6の実施形態における、(a)は体腔内超音波診断装置を示す機能ブロック図、(b)は前置相関器を示す機能ブロック図である。 本発明の第6の実施形態における前置相関器の他の形態を示す機能ブロック図である。 従来のアレイ型超音波振動子の走査方法を示す概略図である。
符号の説明
11、12、201 圧電振動子(振動子エレメント)
13、100、202 超音波トランスデューサ
14、211 パルサ手段
15、103、116、212、352、401 受信信号処理手段
23、25、266、316、391、418 A/D変換器
25 モニタ(表示手段)
36、234 加算処理手段
42、47、53、74、114、253、273、277、283、287、452、453 相関処理手段
43、48、54、75、115、384 ローパスフィルタ(フィルタ手段)
45、111、271、415 2乗検波手段(べき乗検波手段)
51、112、251、416 第2高調波抽出手段(高調波抽出手段)
71、281 周波数逓倍手段
101 リング状振動子
102 円板状振動子
213、301 ドプラーシフト量分析部(ドプラー診断手段)
275 3乗検波手段(べき乗検波手段)
285 第3高調波抽出手段(高調波抽出手段)
362 直交検波手段
363、364 波面メモリ(複素データ格納手段)
365 波面ローカスルックアップテーブル(複素データ読み出し手段)
367 実成分位相補正メモリ(複素データ読み出し手段)
368 虚成分位相補性メモリ(複素データ読み出し手段)
369 位相補正回路(位相補正処理手段)

Claims (18)

  1. N個(N≧2)の振動子エレメントからなる超音波トランスデューサと、m個(m≦N)の前記振動子エレメントに電圧を印加して超音波を発信させるパルサ手段と、n個(n≦N)の前記振動子エレメントで受信した超音波受信信号を用いて信号処理する受信信号処理手段と、超音波診断像を表示する表示装置とを備え、
    前記受信信号処理手段は、
    前記n個の振動子エレメントのうち、1つの振動子エレメントで受信した前記超音波受信信号をべき乗してその絶対値を演算する、べき乗検波手段と、
    前記べき乗検波手段で処理された前記超音波受信信号を正規化する正規化処理手段と、
    前記正規化処理手段で処理された異なる2つ以上の前記超音波受信信号間で相関処理を行う相関処理手段と、を有することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記受信信号処理手段が、前記超音波受信信号から高調波成分を抽出する高調波抽出手段と、前記超音波受信信号の周波数を逓倍する周波数逓倍手段との少なくともいずれかを有することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記受信信号処理手段が、前記超音波受信信号から高調波成分を抽出する高調波抽出手段と、前記超音波受信信号の周波数を逓倍する周波数逓倍手段とをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  4. 前記信号処理手段が、前記相関処理手段によって生じる高周波を除去するフィルタ手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  5. 前記信号処理手段が、前記n個の振動子エレメントで受信した超音波受信信号を加算処理する加算処理手段を有し、
    該加算処理手段が、超音波受信信号に重み付けして加算処理することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  6. 前記超音波トランスデューサが、2個の前記振動子エレメントで構成された細径超音波トランスデューサであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  7. 前記超音波トランスデューサが、リング状振動子と、その内径部に配置した円板状振動子とからなり、
    前記パルサ手段により、前記リング状振動子に電圧を印加して超音波を発信させると共に、該リング状圧電振動子及び前記円板状振動子で受信することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  8. 前記リング状振動子と前記円板状振動子との共振周波数の比が、1:k(k≧2)であることを特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
  9. 前記相関処理手段が、互いに隣接する2つの前記振動子エレメントの超音波受信信号を相関処理することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  10. 前記超音波トランスデューサが、前記N個の振動子エレメントをアレイ状に配列していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  11. 前記超音波トランスデューサの機械的品質係数Qmが、30以上300以下であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  12. 前記パルサ手段が、前記m個の振動子エレメントに対して台形波形あるいはダブル矩形波を駆動信号として印加することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  13. 前記表示手段にドプラー診断像を表示させるドプラー診断手段を有していることを特徴とする請求項10に記載の超音波診断装置。
  14. 前記表示手段に高調波のドプラー診断像を表示させる高調波信号のドプラー診断手段を有していることを特徴とする請求項10に記載の超音波診断装置。
  15. 前記受信信号処理手段が、前記n個の振動子エレメントで受信した超音波受信信号をアナログ/デジタル変換するA/D変換器を有することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  16. 前記受信信号処理手段が、前記A/D変換器で変換された超音波受信信号を信号処理可能であることを特徴とする請求項15に記載の超音波診断装置。
  17. 前記受信信号処理手段で処理された超音波受信信号を受信複素データに変換する直交検波手段と、前記受信複素データを格納する複素データ格納手段と、該複素データ格納手段により前記n個の振動子エレメントと焦点との位置関係により決まるおよその位置の複素データを読み出す複素データ読み出し手段と、該複素データ読み出し手段により得られた前記複素データに対して前記n個の振動子エレメントと焦点との位置関係により決まる正確な遅延時間に対応して前記受信複素データの位相補正処理を行う位相補正処理手段とを備えていることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  18. 体腔内の超音波診断に用いられる体腔内超音波診断装置であることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
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