JP4584480B2 - ステアリングダンパの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車等の車両に搭載されて前輪の急速な揺動運動、特に首振り振動を効果的に減衰させるステアリングダンパの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にモトクロス用自動二輪車にはハンドルに近接して左右一対のフロントフォークの上部にロータリーダンパからなるステアリングダンパを設け、前輪が急激に接地した時に発生する急速な揺動運動、特に首振り振動によるふらつきを低減して乗心地の向上と安全性を図っているのが普通である。
【0003】
この種のステアリングダンパの取付構造として、例えば図6に示すものが開発されている。
【0004】
即ち、オートバイ等の自動二輪車の左右フロントフォーク1の上部にアッパーブラケット2を結合し、このアッパーブラケット2は図示しないステアリングシャフトを介して車体側フレーム9に結合したヘッドパイプ3に回動自在に連結されている。更にアッパーブラケット2の上側にはハンドル4とロータリーダンパからなるステアリングダンパ5が結合されている。この場合ステアリングダンパ5の回転軸6はステアリングシャフトの軸芯と同軸上に配置されている。回転軸6の下端はラジアルアーム7に直交して結合され、ラジアルアーム7の自由端は下方に延びるブラケット8を介して車体フレーム9に結合されている。
【0005】
これによりフロントフォーク1が揺動運動した時ステアリングシャフトの軸芯に沿ってステアリングダンパ5の回転軸6が回転し、この揺動運動を減衰すると共にハンドル4の操舵時においてもステアリングシャフトの軸芯に沿って回転する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のステアリングダンパ5はその回転軸6がステアリングシャフトに正確に同軸上に配置されていればその減衰作動を良好に行うことができる。しかし、ステアリングダンパ5の回転軸6とステアリングシャフトとの二軸の軸芯がずれて回転軌跡が一致しないとハンドル4の操舵時にステアリングダンパ5に作動不良が生じ、これが破損するおそれがある。
【0007】
そこで、ステアリングダンパ5の回転軸6をステアリングシャフトと同芯上に配置すれば良いが、そのようにすることは非常に困難である。二軸を同芯上に配置させるには精密な加工精度,組付精度が要求され、コストアップにもなる。
【0008】
そこで、この問題を解決するため、例えばラジアルアーム7の自由端に長孔を形成し、この長孔を介して車体側ブラケット8を結合させ、ステアリングシャフトと回転軸6との軸芯のずれを吸収することによりステアリングダンパ5の作動不良を解消する方法が採用されている。しかしながら、この場合には長期に亘って使用していると、ラジアルアーム7とブラケット8との間の結合部が摩耗し,損傷し、耐久性が低下するという不具合が発生する。
【0009】
そこで、本発明の目的は、ステアリングダンパの回転軸とステアリングシャフトとの間の精密な加工精度,組付精度が要求されず、ステアリングダンパと車体との間にガタを発生させず、常にステアリングダンパに所望の減衰効果が得られるようにしたステアリングダンパの取付構造を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の手段は、ステアリングダンパの回転軸をステアリングシャフトの軸芯に対応して配置し、回転軸の端部にラジアルアームを直交して結合し、ラジアルアームの自由端を車体側に結合している二輪車用ステアリングダンパの取付構造において、ラジアルアームの自由端に回転軸受けを回転自在に設け、回転軸受けには取付孔を偏心して設け、この取付孔に車体側から延びるシャフトを貫通して結合させたことを特徴とするものである。
【0011】
この場合、回転軸受けが球面すべり軸受けからなるのが好ましい。
【0012】
同じく、回転軸受けが偏心カラーからなるものであっても良い。
【0013】
同じく、左右一対のフロントフォークの上部にアッパーブラケットを設け、アッパーブラケットにハンドルとステアリングシャフトを結合し、アッパーブラケットの上側に設けたステアリングダンパの回転軸をステアリングシャフトの軸芯に対応して配置しているのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図5にもとづいて説明する。
【0015】
図1乃至図4は本発明の一実施の形態を示す。
【0016】
自動二輪車用ステアリングダンパの基本的な取付構造は実質的に図6に示す従来技術と同じである。本発明は図6の従来技術に比べてラジアルアームの自由端と車体フレームとの間の取付構造を改良したものである。
【0017】
従来と同じく、ヘッドパイプ3内に軸受25を介してステアリングシャフト23が回転自在に配設されている。そして、本発明のステアリングダンパの取付構造は、ステアリングダンパ10の回転軸11をステアリングシャフト23の軸芯上に対して配置しながらステアリングダンパ10をアッパーブラケット2の上面に固定している。回転軸11の端部にラジアルアーム12の基端を直交しながらスプライン13等を介して結合している。更にラジアルアーム12の自由端に回転軸受けたるすべり軸受け13を回転自在に設け、このすべり軸受け13には取付孔14を偏心して設け、この取付孔14に車体側フレーム15から延びるシャフト24を貫通してナット16で結合したものである。
【0018】
ステアリングダンパ10は公知のように、ケーシング17と、ケーシング17にボルト18を介して結合したカバー19と、カバー19を貫通してケーシング17に延びる回転軸11と、回転軸11に連設されると共にケーシング17内のシール26間に回転自在に配設されたベーン20と、ケーシング17内にベーン20で区画された二つの油室と、二つの油室を連通する油路と、油路の途中に設けた減衰力発生機構とを備えている。
【0019】
ステアリングダンパ10はケーシング17とカバー19に形成した孔21に挿入したボルトを介してフロントフォーク上方のアッパブラケット2に結合される。この場合、回転軸11の軸芯はステアリングシャフト23の軸芯と対応して同芯に配置されるのが好ましいが、加工精度,組付精度の関係から若干偏心していても良い。
【0020】
ステアリングダンパ10は公知のように、ハンドル4(図6)の操作時にはこれをスムースに抵抗なく回動させるのを許容するが、前輪よりフロントフォーク1を介して揺動入力が入力された時はこれを減衰してハンドル4や車体側に揺動振動、いわゆるふらつきが伝播されるのを防止する。
【0021】
ラジアルアーム12の自由端には円形のボス12aが設けられており、このボス12a内には円形ブッシュ22が嵌合しており、このブッシュ22内に球面軸受けからなるすべり軸受け13が回転自在に嵌合している。
【0022】
すべり軸受け13は外周が凸状の球面を備え、内部に偏心した取付孔14を介してシャフト24が挿入されている。この為、ラジアルアーム12が回転し、すべり軸受け13の中心軌跡が変化しても、すべり軸受け13が回転し、この軌跡の変化を吸収できる。
【0023】
即ち、ハンドルの回転中心であるステアリングシャフト23の回転中心とステアリングダンパ10の回転軸11の回転中心が偏心しており、しかもラジアルアーム12と車体側シャフト15との間にガタによる遊びが無い場合、ハンドルの回転操舵時には回転軸11が同期して回転できず、回転軸11に無理な負荷がかかる。しかるに、本発明ではすべり軸受け13の取付孔14が偏心して形成されているから、図4に示すように、組付時にハンドルの回転中心であるステアリングシャフト23の回転中心3aとステアリングダンパ10の回転軸11の回転中心11aが若干偏心していても、ハンドルの操舵に伴なった回転軸11とラジアルアーム12が回転した時すべり軸受け13が回転し、その結果、取付孔14の中心が軌跡Aに沿って変化し、同時に回転軸11の回転中心11aと取付孔14の中心との距離rを変化できる。従って、回転軸11に無理な荷重をかけることなくこれをハンドルに連動して回転できる。
【0024】
図5は本発明の他の実施の形態を示し、これはすべり軸受け13aを偏心した取付孔14aを備えた筒状の偏心カラーで構成したものである。その他の構成,作用効果は上記の実施の形態と同じである。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果がある。
【0026】
(1) 各請求項の発明によれば、ラジアルアームの自由端に偏心した取付孔を備えた回転軸受けを設け、この回転軸受けに車体側のシャフトを結合させたので、ステアリングダンパの回転軸をステアリングシャフトの回転中心と偏心して組付けても、ハンドルの操舵時にステアリングダンパの回転軸もスムースに回転できる。その結果、ステアリングダンパに無理な負荷が作用せず、ステアリングダンパの作動不良や破損の発生を防止できる。
【0027】
(2) 同じく、ステアリングダンパの回転軸をステアリングシャフトと偏心して組付できるから、正確に両者を同軸上に配置する場合に比べて加工精度,組付精度がラフで良く加工性,組付性,経済性にすぐれている。
(3) 同じく、ラジアルアームと車体側シャフトとの間の結合は回転軸受けを介して行なわれているので両者の間にガタの発生が無く、両者の間の結合部の耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステアリングダンパの取付構造の底面図である。
【図2】図1の中央縦断面図である。
【図3】回転軸受け部分の横断面図である。
【図4】ラジアルアームの回転時の軌跡を示す作動図である。
【図5】他の実施の形態に係る偏心カラーの横断正面図である。
【図6】従来のステアリングダンパーの取付構造の略示斜視図である。
【符号の説明】
1 フロントフォーク
2 アッパーブラケット
4 ハンドル
10 ステアリングダンパ
11 回転軸
12 ラジアルアーム
13,13a 回転軸受けとしてのすべり軸受け
14,14a 取付孔
23 ステアリングシャフト
24 シャフト
Claims (4)
- ステアリングダンパの回転軸をステアリングシャフトの軸芯に対応して配置し、回転軸の端部にラジアルアームを直交して結合し、ラジアルアームの自由端を車体側に結合している二輪車用ステアリングダンパの取付構造において、ラジアルアームの自由端に回転軸受けを回転自在に設け、回転軸受けには取付孔を偏心して設け、この取付孔に車体側から延びるシャフトを貫通して結合させたことを特徴とするステアリングダンパの取付構造。
- 回転軸受けが球面すべり軸受けからなる請求項1のステアリングダンパの取付構造。
- 回転軸受けが偏心カラーからなる請求項1のステアリングダンパの取付構造。
- 左右一対のフロントフォークの上部にアッパーブラケットを設け、アッパーブラケットにハンドルとステアリングシャフトを結合し、アッパーブラケットの上側に設けたステアリングダンパの回転軸をステアリングシャフトの軸芯に対応して配置している請求項1,2又は3のステアリングダンパの取付構造。
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2001
- 2001-03-27 JP JP2001089693A patent/JP4584480B2/ja not_active Expired - Fee Related
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