JP4583272B2 - バッチ式オーブン - Google Patents
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Description
食品製造工場で用いられる上記の蒸気調理装置では、例えば特許文献1に示す通り、生産ラインとして、コンベアで、食品を順次、装置内を通過させて加熱調理を行うものである。
このため、逐次送られて来る食品を過熱するため、大量の過熱蒸気を発生させる必要があり、過熱蒸気発生装置として大型のボイラを設置する必要がある。
このバッチ式オーブンにおいても、基本的には、特許文献2に見られる家庭用の過熱水蒸気による調理器(オーブンやレンジ)と同様、水をヒーターにて加熱して水蒸気を発生させ、発生した水蒸気を更にヒーターにて加熱して過熱水蒸気を発生させるものである。
一方、上記のバッチ式オーブンにあっては、店舗内に設置して使用するものであるため、大型のボイラを備えるわけにも行かず、上記の過熱蒸気の温度低下は、より影響が大きいものとなった。
即ち、上記の過熱蒸気発生部2は、水蒸気を加熱して過熱水蒸気を発生させる過熱装置4と、この過熱装置4を収容する過熱室3と、この過熱室3内へ水蒸気を供給する蒸気供給部5とを備える。当該過熱室3は、上記調理室1と隣接するものであり、上記調理室1は、上記過熱室3と連絡する複数の蒸気導入部6…6と、導入した過熱水蒸気を排出する蒸気排出部7とを備える。上記の過熱室3は、上記各蒸気導入部6…6と対応して、上記の過熱装置4が配置されたものである。上記の蒸気導入部6…6は、調理室1側に向けて先窄まりとなったノズルであり、当該ノズル内又は当該ノズルの過熱室側開口部に、上記過熱装置4が配置されたものであり、
過熱装置4は、蒸気導入部6の過熱室側開口幅と、過熱装置4と蒸気導入部6の過熱室側開口部との間の最短距離とが同じ大きさか、或いは、蒸気導入部6の過熱室側開口幅よりも、過熱装置4と蒸気導入部6の過熱室側開口部との間の最短距離のほうが、小さくなるように、配置されたことを特徴とする。
尚、食品とは、直ちに食することが可能なものの他、完成品とされる前の食品材料も含む。
即ち、蒸気導入部の過熱室側開口幅は、過熱装置と蒸気導入部の過熱室側開口部との間の最短距離の2倍よりも大きいことを特徴とする。
即ち、上記蒸気供給部5は、水源に接続された蒸気発生用の槽50と、当該槽50内に配設された加熱装置51…51とを備える。当該槽50内は、間仕切り52…52にて複数に区画され、個々の区画の夫々に上記加熱装置51…51が配設されている。上記の調理室1及び当該調理室1に隣接する過熱室3は、複数備えられている。上記槽50の区画の夫々が、上記各過熱室3…3に接続されたものである。
即ち、過熱室から調理室へ連絡する蒸気導入部において、水蒸気を過熱水蒸気とするものであるため、温度低下の余地がなく、直ちに、過熱水蒸気を調理室にて利用することができる。
このように、バッチ式オーブンにおいて、食品へ放射する直前に水蒸気を加熱して過熱水蒸気とすることにより、従来の問題を解決して、特に、パン、ハンバーガー、或いはケーキなどの菓子、更には、肉や魚、ハンバーグやコロッケ、魚肉練り製品について、加熱ムラや蒸気のムダを抑えて、適切な過熱調理を行うことができる。
特に、蒸気導入部の内部或いは蒸気導入部の過熱室側開口部に配置された過熱装置にて、水蒸気を過熱水蒸気とし、ノズルとして形成された当該蒸気導入部から調理室内に向けて、当該発生した過熱水蒸気を直ちに噴射するものであるため、発生させた過熱水蒸気をより迅速に且つ効率よく、調理室の食品に与えることができる。
蒸気導入部の過熱室側開口幅と、過熱装置と蒸気導入部の過熱室側開口部との間の最短距離とが同じ大きさか、或いは、蒸気導入部の過熱室側開口幅よりも、過熱装置と蒸気導入部の過熱室側開口部との間の最短距離のほうが、小さくなるように、過熱装置を配置することによって、過熱装置を蒸気導入部へ対応させることができ、蒸気導入部を通って、過熱室から調理室へ移動しようとする水蒸気を確実に過熱装置へ当てることができ、均一な蒸気の過熱が行える。また、このように調理室へ入り込む直前の水蒸気を過熱水蒸気とすることによって、温度低下(熱量損失)の問題も、抑制することができる。
このため、例えば、ベーカリーショップなどの店舗において、一つの加熱調理室にて、パンを加熱調理し、他の調理室にて、他のメニューの過熱調理を行うことができる。また、上記層の区画の夫々に加熱装置が設けられているので、可動している調理室と隣接する(対応する)過熱室への水蒸気を発生させる区画の加熱装置のみ作動させればよく、無駄な水蒸気を発生させない。
特に、一つの槽を区画することによって、個々の加熱装置が過熱する水の量が小さくなるので、その分、早く水蒸気を発生させることができる。また、槽は一つで済むため、全体として装置を小型するのに有利である。
各図において、説明の便宜上、Uは上方を、Sは下方を、Fは前方を、Bは後方を、Lは左方を、Rは右方を、夫々示している。
このバッチ式オーブンは、図1へ示す通り、調理室1と、過熱蒸気発生部2と、蒸気移動手段8とを備える。
以下、各部の構成について、順に説明する。
過熱蒸気発生部2は、上記調理室1での加熱調理に供する過熱水蒸気を発生させる。この過熱蒸気発生部2は、水蒸気を加熱して過熱水蒸気を発生させる過熱装置4と、この過熱装置4を収容する過熱室3と、この過熱室3内へ水蒸気を供給する蒸気供給部5とを備える。
上記の過熱室3は、外部と隔されて、気密に形成された部屋であり、上記調理室1と隣接する。
蒸気供給部5は、水源Wに接続された蒸気発生用の槽50と、当該槽50内に配設された加熱装置51…51とを備える。この実施の形態において、水源Wは、水を商用したタンクであるが、水道或いは水槽を、水源として実施することができる。
当該槽50内は、間仕切り52…52にて複数に区画され、個々の区画の夫々に上記加熱装置51…51が配設されている。加熱装置51…51には、周知の発熱手段、例えばバーナーやヒーターといった発熱手段を採用して実施することができる。この実施の形態では、金属管を発熱体として当該金属管内で、バーナーを燃焼させて発熱するものを採用する。バーナーを用いた場合排気を他へ排出する必要がある(図示しないが、この排気の排出の手段については、当該金属管に、他へ排気を導く排気管を接続することによって実施することができる)。
この実施の形態において、上記の調理室1及び当該調理室1に隣接する過熱室3(後述のオーブン本体10)は、複数備えられている(図1において、他の調理室1及び過熱室3即ち後述のオーブン本体10は、1つのみ示し、他は省略している)。上記槽50の区画の夫々が、蒸気の通路となる配管53…53にて、上記各過熱室3…3に接続されている。
図示しないが、水源から槽50へは、水量を調整する弁を設け、当該弁の開放して、稼動している区画に逐次水源から水を供給し、加熱装置が可動していない区画については、弁を閉じるものとして実施することができる。
このように複数のオーブン本体10…10に水蒸気を供給するものであっても、槽50は1つで済むため、場所をとらず、店舗内へ設置することができる。
オーブン本体10は、扉(図示せず。)を備え、当該扉を開閉することによって、複数の食品m…mを、一挙に調理室1内へ収容することができ、また、加熱調理が済んだ当該食品m…mを纏めて取り出すことができる。
上記の隔壁11には、上記過熱室3と連絡する複数の蒸気導入部6…6が設けられている。
上記の蒸気導入部6…6の夫々は、図1及び図2へ示す通り、調理室側に向けて先窄まりとなったノズル部であり、当該ノズル内又は当該ノズルの過熱室側開口部に、上記過熱装置4が配置されている。上記の槽50にて発生し配管53にて過熱室3に送られてきた水蒸気は、この蒸気導入部6…6を通じて調理室1へ噴出されるものであり、このとき、過熱装置4によって過熱水蒸気とされる。
この実施の形態では、過熱装置4…4は、蒸気導入部6…6の夫々に用意されており、過熱室3内において蒸気導入部6…6に対応して過熱装置4…4が配置されている。具体的には、蒸気導入部6…6の夫々は、図1及び図2の奥行き方向(手前から奥)に向けて伸びる長尺の口であり、当該蒸気導入部6…6の長手方向に沿って、過熱装置4…4の夫々が配列されている。
過熱装置4は、円筒状に形成されている。電熱線を用いたヒータ或いはバーナーを用いた発熱管など周知の発熱手段を採用して実施することができる。バーナーを採用する場合、前述の過熱装置51…51と同様、バーナーの燃焼による排気を排出する通路を別途形成する必要がある。
但し、店舗用として、例えばハンバーグなどを過熱調理するのであれば、100℃の水蒸気を350〜400℃程度に過熱する能力を有するものを採用するのが好ましく、一般に電熱線を用いたヒーターよりも大きな火力(熱量)を発生するのが容易な上記のバーナーを採用するのが好ましい。
い。
尚、上記過熱装置4として、電気ヒーターを用いる場合、特に、インバータ式の電気ヒーターを採用するのが好ましい。
図2(B)へ示すように、上記の通り、過熱装置4…4を配置することにより、蒸気導入部6…6を通って、過熱室3から調理室1へ移動しようとする水蒸気を確実に過熱装置4…4へ当てることができ、均一な蒸気の過熱が行える。また、このように調理室1へ入り込む直前の水蒸気を過熱水蒸気とすることによって、温度低下(熱量損失)の問題も、抑制することができる。
また、上述の各実施の形態において、蒸気導入部6の夫々は、長尺の口とするのではなく、蒸気の奥行き方向に配列された複数の孔として実施することも可能である。
この実施の形態において、過熱室3は、調理室1の上部側にて調理室1に隣接するものとし、このため、中央部aを挟んで、上下に第1及び第2の隣接部b,cが配置されるものとした。この他、このような実施の形態に限定されるものではなく、例えば、過熱室3を、調理室1の下部又は左右にて、調理室1と隣接するものとして実施することも可能である。調理室1の左右に、過熱室3を隣接させた場合、上記中央部aの左右に、上記第1及び第2の隣接部b,cを設けて実施することができる。
2 過熱蒸気発生部
3 過熱室
4 過熱装置
5 蒸気供給部
6 蒸気導入部
7 蒸気排出部
8 蒸気移動手段
Claims (5)
- 気密に形成され且つ加熱調理する食品を収容する調理室と、過熱水蒸気を発生させる過熱蒸気発生部と、過熱蒸気発生部にて発生させた過熱水蒸気を調理部に導く蒸気移動手段とを備えたバッチ式オーブンにおいて、
上記の過熱蒸気発生部は、水蒸気を加熱して過熱水蒸気を発生させる過熱装置と、この加熱装置を収容する過熱室と、この過熱室内へ水蒸気を供給する蒸気供給部とを備え、
当該過熱室は、上記調理室と隣接するものであり、上記調理室は、上記過熱室と連絡する複数の蒸気導入部と、導入した過熱水蒸気を排出する蒸気排出部とを備え、
上記の過熱室は、上記各蒸気導入部と対応して、上記の過熱装置が配置され、
上記の蒸気導入部は、調理室側に向けて先窄まりとなったノズルであり、当該ノズル内又は当該ノズルの過熱室側開口部に、上記過熱装置が配置されたものであり、
過熱装置は、蒸気導入部の過熱室側開口幅と、過熱装置と蒸気導入部の過熱室側開口部との間の最短距離とが同じ大きさか、或いは、蒸気導入部の過熱室側開口幅よりも、過熱装置と蒸気導入部の過熱室側開口部との間の最短距離のほうが、小さくなるように、配置されたことを特徴とするバッチ式オーブン。 - 蒸気導入部の過熱室側開口幅は、過熱装置と蒸気導入部の過熱室側開口部との間の最短距離の2倍よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のバッチ式オーブン。
- 上記の蒸気移動手段は、上記の蒸気排出部側に設けられて、調理室内の雰囲気を吸引するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッチ式オーブン。
- 上記蒸気供給部は、水源に接続された蒸気発生用の槽と、当該槽内に配設された加熱装置とを備え、
当該槽内は、間仕切りにて複数に区画され、個々の区画の夫々に上記加熱装置が配設され、
上記の調理室及び当該調理室に隣接する過熱室は、複数備えられ、
上記槽の区画の夫々が、上記各過熱室に接続されたものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のバッチ式オーブン。 - 上記蒸気供給部は、他から水蒸気を過熱室へ導入するものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のバッチ式オーブン。
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