JP4582576B2 - 取出し性を改善した衛生用紙入りカートン - Google Patents
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Description
そこで、上記従来技術の問題点を解決するために、カレンダー処理等によりティシュペーパーを1枚ごとに圧縮して1枚毎の厚さを薄くする方法や、後記特許文献1に示される、坪量やクレープ率を調整する技術を組合せることによって、ティシュペーパーの枚数に対する箱の内側高さ寸法の比を40/400〜60/400まで薄くしたボックスティシュ(換言すると、400枚入りで箱高さ40〜60mmの製品)を得る方法が提案されてきた。
箱内からティシュペーパーを取出す時の取出し性は、箱内に折畳まれて収容されているティシュペーパーの上端と、取出口との間の空間(箱上部の余裕空間)有無と、その大きさが関係してくる。すなわち箱の内側高さが一定である場合において、収容するティシュペーパーの枚数が、例えば400枚と300枚とでは箱上部の余裕空間の大きさに違いを生ずる。当然のことではあるが、400枚の方が余裕空間は小さく、従って窮屈であり、取出す時の抵抗力は大きい。このようにティシュの収納量に応じて余裕空間の大きさが変わり、ティシュの取出し易さ(取出し性)に影響を及ぼすことがある。また、取出口の内側とティシュとの間の摩擦抵抗も大きな影響がある。すなわち、取出口内側にプラスチックフィルムが貼り付けられているものと、プラスチックフィルムが貼付されていないものとでは、ティシュを取出すときの抵抗力が異なる。さらにまた、取出口とティシュペーパー間の抵抗力低下のため滑り剤を箱内面に塗布しているか否か等(特許文献2)により、ティシュの取出し易さ(取出し性)に影響を及ぼすことが予測される。
一方、ティシュの収納量に応じてカートンの大きさを変えることは、販売者にとっては製造が煩雑になりメリットがない。
なお、ティシュペーパー入りのカートンの形状を、単なる直方体あるいは立方体ではなく、箱を製造するときに上面部を円弧状に膨らませたタイプのものが提案されている(特許文献3参照)。この上面部を円弧状に膨らませたカートンは、意匠的な効果と、手で掴んだときの感触の柔らかを期待して、直方体を構成するカートンの対向する1組の上面辺を両凸レンズ形状に面取りするとともに、上面板が円弧状をなすように盛り上がるように形成させたものである。
しかし、ティシュペーパーのカートンは通常、5箱をまとめてフィルム包装して流通販売されることが多いものである。そのため、箱の上面板が円弧状に上方に盛り上った状態に形成されていると、カートン包装時、フィルム包装しにくい。また、上面板が上方に盛り上がっていると、流通販売時に上からの力で上面板が潰れ易いといった問題も起こる。そのうえ前述したようにテッシュ束が箱詰め後にふくらんで、箱開封時にはテッシュ束の上面と取出口との間に空間が確保されないこともあるので、上面板を円弧状に膨らむように形成しても、開封直後のテッシュの取出しの抵抗を減少させるという期待した効果が得られないことがある。
なお出願人も、後記特許文献4によりカートンの直方体を構成する12の辺のうち少なくとも2辺の角を平面状に面取りした形状のものを提案している。このカートンは、外観がやさしい印象を与え、直角の稜線で幼児などを傷つけるのを防ぐと同時に取扱いやすい形状にしたものであるが、後述するように、カートン内に折り重ねて収容されているティシュペーパーの上端と、取出口との間の空間(箱上部の余裕空間)を、ユーザーが開封時に手で広げるタイプのものではなかった。
略直方体形状の箱の上下少なくとも一方の面に取出口を有し、内部に複数組みの折畳まれた衛生用紙が収納されている衛生用紙入りカートンにおいて、
箱側面と前記取出口を有する面とが交差する少なくとも1組の稜線に対し、その1組の稜線の両端を結んで前記取出口を有する面の中心に向かって略弓形に突き出るように1対の曲線状折れ線を前記取出口にかからないように設け、
かつ該曲線状折れ線とその曲線状折れ線と対向する前記1組の稜線とにより囲まれる起立部を前記取出口を有する面に設け、
該起立部の頂部から起立部が隣接する箱の長側面又は短側面の底辺に至る、箱高さ方向に延びる直線状の押込み用折れ線を設け、
前記押込み用折れ線は、起立部が隣接する箱の長側面又は短側面の高さ方向を向いた中心線上に設けられており、
前記1組の稜線上の押込み用折れ線を箱中心に向かって押し込んだときに前記取出口を有する面に設けた起立部が箱側面上に起立して、衛生用紙の取出口を有する面をアーチ状に持ち上げて、衛生用紙との間に空間を形成するようにしたことを特徴とする取出し性を改善した衛生用紙のカートンである。
なお、従来のカートンは、その取出口に、箱内部から円滑かつ連続的にティシュを取出すことができるように、中央にスリットを入れたプラスチックフィルム(多くの場合、ポリエチレン製フィルム)が貼り付けられている。しかし、後記の実施例に示すものは、取出口を被覆するプラスチックフィルムを貼付しない所謂フィルムレスカートンである。
この帯状切取部13の両側に、箱の長辺に向かって膨らんだ曲線状折れ線20、20が形成されている。そして、この曲線状折れ線20、20と前記開封用切込線11、11により囲まれて、中央部が膨らんだ一対の第1フラップ21、21が形成されている。また前記一対の第1フラップの端部を接続して、箱の短辺に向かって膨らんだ端部折れ線22を設け、この端部折れ線22と前記波形状の端部切込線12により囲まれて第2フラップ23が形成されている。
前記上面板1に設けた1対の曲線状折れ線17、17と、箱の長側面3、4に設けた箱高さ方向に延びる1本または複数本の押込み用折れ線19は、カートンの開封時に後記のように、カートンの上面板1をアーチ状に湾曲変形させることを可能とするものである。
なお図示のように、1対の曲線状折れ線17、17は、取出口10にかからないように設けられている。また押込み用折れ線19は、箱長側面の中心線上、及びその中心線を対称軸として左右対称的に設けられている。図示の折れ線19は等間隔に3本設けられている。因みに前記折れ線19は、箱長側面の中心線上に1本だけ形成してもよいが、その中心線を対称軸として左右対称に複数本設けたほうがカートンの上面板が変形しやすい。しかし、側面に複数の折れ線を設けると、該側面の耐折強度が弱くなることもあるので、刻設数は少ないほうがよい。
図5に示されるように、変形前のカートンの高さH1が、上面板1が上方に湾曲することでカートンの高さはH2に変化し、その変化量H3はカートン内に生じた空間に略等しい。
このように第1の実施例においては、上面板1に設けられた曲線状の折れ線17は、上面板1の1組の長辺側に形成したが、図6及び図7に例示したように、第2の実施例は上面板1の1組の短辺側に形成することができる。
また、ティシュを一組ずつ取り出す際に、カートンの取出口とティシュとが触れる部分が少ないので、ティシュを取出す際の紙紛の発生が小さい。
5 糊代片 6、7 端面板 8、9 内フラップ
10 取出口 11 切込線 12 端部切込線
13 帯状切取部 17、17a 曲線状折れ線
18、18a 起立部 19、19a 押込み用折れ線
20 曲線状折れ線 21 第1フラップ部 22 端部折れ線
23 第2フラップ部 25 切込線 26 折れ線
27 底上げ部材
Claims (3)
- 略直方体形状の箱の上下少なくとも一方の面に取出口を有し、内部に複数組みの折畳まれた衛生用紙が収納されている衛生用紙入りカートンにおいて、
箱側面と前記取出口を有する面とが交差する少なくとも1組の稜線に対し、その1組の稜線の両端を結んで前記取出口を有する面の中心に向かって略弓形に突き出るように1対の曲線状折れ線を前記取出口にかからないように設け、
かつ該曲線状折れ線とその曲線状折れ線と対向する前記1組の稜線とにより囲まれる起立部を前記取出口を有する面に設け、
該起立部の頂部から起立部が隣接する箱の長側面又は短側面の底辺に至る、箱高さ方向に延びる直線状の押込み用折れ線を設け、
前記押込み用折れ線は、起立部が隣接する箱の長側面又は短側面の高さ方向を向いた中心線上に設けられており、
前記1組の稜線上の押込み用折れ線を箱中心に向かって押し込んだときに前記取出口を有する面に設けた起立部が箱側面上に起立して、衛生用紙の取出口を有する面をアーチ状に持ち上げて、衛生用紙との間に空間を形成するようにしたことを特徴とする取出し性を改善した衛生用紙のカートン。 - 前記1組の稜線は、取出口を有する面の対向する一組の長辺又は短辺の何れかである請求項1に記載の取出し性を改善した衛生用紙のカートン。
- 前記押込み用折れ線は、起立部が隣接する箱の長側面又は短側面の高さ方向を向いた中心線上に設けられている請求項1又は請求項2に記載の取出し性を改善した衛生用紙のカートン。
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