JP4582514B2 - 化学系、生物系および産業上の毒物の中和用強化製剤 - Google Patents

化学系、生物系および産業上の毒物の中和用強化製剤 Download PDF

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Description

本発明は、化学系、生物系および産業上の毒物の中和用製剤に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許出願No.09/109,235、発明の名称「化学系および生物系兵器薬剤の軽減および汚染除去用水性発泡剤」、出願日1998年6月30日、現在、取り下げ、の一部継続出願であり、かつ米国仮特許出願No.60/146,432、出願日1999年7月29日、の利益を請求した米国特許出願No.09/607,586、発明の名称「化学系および生物系毒物の中和用製剤」、出願日2000年6月29日、米国特許No.6,566,574、の一部継続出願である。それらの明細書を本明細書に参照として編入する。
本発明は、米国特許No.09/607,586、発明の名称「化学系および生物系毒物の中和用製剤」の一部継続出願である米国特許出願No.09/952,940、特許公開No.2003/060517、発明の名称「化学系および生物系毒物を中和する濃厚製剤および方法」、出願日2001年9月14日、の一部継続出願でもあり、それらの明細書を本明細書に参照として編入する。
本発明は、米国特許No.09/607,586、発明の名称「化学系および生物系毒物の中和用製剤」の一部継続出願である米国特許出願No.09/952,940、発明の名称「化学系および生物系毒物を中和する濃厚製剤および方法」、出願日2001年9月14日、の一部継続出願でもあり、それらの明細書を本明細書に参照として編入する。
本出願は、米国仮特許出願No.60/326,508、発明の名称「DF-200−CBW薬剤および生体病原体の汚染除去および軽減用強化製剤」、出願日2001年10月1日、および米国仮特許出願No.60/334,271、発明の名称「DF-200の迅速調合形態」、出願日2001年11月30日、および米国仮特許出願No.60/387,104、発明の名称「汚染除去製剤」、出願日2002年6月7日、の各出願の利益を請求するものであり、それらの明細書を本明細書に参照として編入する。
(政府の権利)
米国政府は、米国エネルギー省が授与する契約No.DE-AC04-94AL8500Dに従って、本発明に係る権利を保有する。
大量破壊兵器が関与すると思われるテロリストの脅威が米国や海外で増大しつつある。大量破壊兵器に関連する化学系および生物系薬剤の使用および使用の脅威が国防、並びに、州および地方の法の施行の両方に対する最も重大な懸念事項である。
テロリストが脅威を与えることが分かっているある種の化学兵器(「CW」)には、共通の特徴があるため、対応策を開発する手がかりを得ることができる。化学薬剤のサリンとタブン(G剤)は、化学的に変質させると、その毒性を失わせることのできるリン含有化合物の好例である。H剤の一例であるマスタードおよびV剤の一例であるVXも、化学的に変質させることによって無害にすることができる。さらに、いくつかの既知生物兵器には、ボツリヌス菌毒素、炭疽菌および他の胞子形成細菌、ペスト菌や各種ウイルスなどの栄養型細菌も、化学的に失活させることができる。
CWまたは生物兵器(BW)の攻撃は、多数の人に影響を与えることを目的に、当該兵器薬剤の局所配置あるいは広範囲散布を行うことができる。CWおよびBW(CBW)薬剤は様々な形態に調合できるため、被爆者は、バルク、エアゾールおよび蒸気を含めた様々な物理的状態で薬剤に被曝すると思われる。
国内のテロリストの攻撃に際して、民間施設を回復させるには、有効、迅速で安全な(非毒性および非腐蝕性)汚染除去技術が必要である。理想的には、この技術は、開放的、半閉鎖的および閉鎖的施設、並びに、鋭敏な設備の汚染除去など、様々なシナリオに適用できるものでなければならない。汚染除去製剤を利用できる施設のタイプの例には、スタジアム(開放)、地下鉄の駅(半閉鎖)および飛行場やオフィスビル(閉鎖)がある。発泡型は、垂直面への製剤の接触時間を延長するのに有用である。
化学物質の汚染除去は、主として、化学兵器薬剤、特に神経剤(G剤、V剤など)、や水疱形成剤(マスタードガスまたは単にマスタードなど)が中心であった。化学薬剤の解毒に関与する反応は、置換反応と酸化反応に分けることができる。生物薬剤の汚染除去は、主として、あらゆる微生物のうちで殺傷が最も困難と見なされている細菌胞子(例、炭疽菌)が中心である。更なる背景は、米国特許出願No.09/607,586および09/952,940で論じられている。
マラチオン、シアン化水素、シアン化ナトリウム、イソシアン酸ブチル、二硫化炭素およびフォスゲンガスなどの毒性の産業化学物質の迅速、安全で有効な中和に対する要求もある。
米国特許出願No.09/607,586は、総じて、化学および生物兵器(CBW)薬剤を迅速に中和する水系汚染除去技術(DF-100)に関する。その製剤は:
・化学薬剤、生物薬剤の両方の中和に有効で;
・環境にやさしく(即ち、非毒性、非腐蝕性);
・多数の予想材料表面に働き;
・様々な担体(例、泡、液体スプレー、霧状)に配合する結果、多様な作業目的を満 足することができる。
本技術の使用への主たる関心は、民間の最初の応答者(例、CBW薬剤を使った攻撃現場に最初に到着する消防士、警察官、危険物取扱者)に由来したが、続いて、施設回復のための使用に第2の関心がよせられた。DF-100に存する技術的問題のために、民間の最初の応答者によるこの製剤の使用は最適ではない。それらの技術的問題とは次の通りである:(1)DF-100のpHを調整することによって、特異な化学および生物薬剤をそれぞれを最適に汚染除去しなければならない。言い換えれば、それぞれ特異な薬剤を中和するために、様々なる製剤が必要になる。製剤のpHを調整するのは実験室では比較的簡単だが、現場では困難であり、当該技術の一次使用者(即ち、民間の最初の応答者)には総じて不適切である。(2)化学薬剤の一つであるマスタードの反応速度は、他の化学薬剤の反応速度に比較して遅い。
これらの技術的問題によって、DF-100の有効性は実際の使用時に制限される。米国特許出願No.09/952,940に開示される改良製剤DF-100は、各特異薬剤に対するpH調整の要求に対応している(即ち、上述の第1の技術的問題)。しかし、DF-100は、単一のpHにおける性能を当該製剤は改良しているが、この問題を完全に解決しているわけではなく、第2の技術的問題(即ち、マスタードの比較的遅めの反応速度)にさえ対応していない。さらに、あるタイプのDF-100/100Aは、短鎖アルコール(例、イソブタノール、イソプロパノール)を使用することができるが、これは、製剤を濃厚型で包装した場合に、引火性の問題を引き起こす可能性がある。また、あるタイプのDF-100/100Aは、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)を使用することができるが、これは、一部の化学剤センサーや探知器(特に、一部の軍事施設で使用されている古いセンサー)で誤報を引き起こす可能性がある。
比較のために、以下にDF-100の好ましい製剤の一例を示す:
DF-100
2.6%Variquat80MC(陽イオン界面活性剤)
3.3%Adogen477(陽イオンヒドロトロープ)
0.8%1-ドデカノール(脂肪アルコール)
0.5%イソブタノール(短鎖アルコール)
1.6%イソプロパノール(短鎖アルコール)
0.1%Jaguar8000(陽イオンポリマー)
1.6%ジエチレングリコールモノブチルエーテル(溶媒)
4%重炭酸ナトリウム(緩衝剤およびパーオキサイド活性剤)
4%過酸化水素(液体酸化剤)
75%水
この製剤は、pH値を8に調整することによりマスタードおよび炭疽菌胞子の至適汚染除去が可能であり;またpH値を10.5に調整することによってVXの至適汚染除去が可能である。化学薬剤の汚染除去は、一般に、pH8〜10の間なら、どこでも有効である。さらに比較のために、DF-100Aの好ましい製剤の一例を以下に示す:
DF-100A
5.3%Variquat80MC(陽イオン界面活性剤)
2.8%Adogen477(陽イオンヒドロトロープ)
0.65%1-ドデカノール(脂肪アルコール)
0.6%イソブタノール(短鎖アルコール)
0.1%Jaguar8000(陽イオンポリマー)
1.35%ジエチレングリコールモノブチルエーテル(溶媒)
4%重炭酸カリウム(緩衝剤およびパーオキサイド活性剤)
4%過酸化水素(酸化剤)
81%水
この製剤は、pH値を8に調整することによりマスタードおよび炭疽菌胞子の至適汚染除去が可能であり;pH値を10に調整することによりVXの至適汚染除去が可能である。化学剤の汚染除去は、一般に、pH8〜10の間なら、どこでも有効である。また、全薬剤の至適以下の汚染除去としてpH9.2に調整できる。
上記のDF-100およびDF-100Aの両例において、過酸化水素と重炭酸塩が反応して、反応性の高い負荷電の求核種である強酸化剤のヒドロパーオキシ炭酸塩(HCO4 -)、を生じる。過酸化水素の使用によって、他の負荷電求核物質、例えばヒドロキシルイオン(OH-)およびヒドロパーオキサイドイオン(OOH-)が形成される:。これら製剤中の他成分の機能は、米国特許出願No.09/607,586および09/952,940で広く論じられている。
本発明は、漂白活性剤を含む強化汚染除去製剤(一般名DF-200)を提供する。これは、反応速度を迅速化し、性能を改善し、pH調整を必要としない。漂白活性剤は、陰イオン性洗濯用洗剤に多く使用されるが、本発明では、それらを陽イオン界面活性剤と共に使用でき、その場合、当該活性剤の良好な水溶解性は速やかな反応時間の達成に有用である。本発明での使用に望ましい漂白活性剤は、水溶性、非毒性、非引火性、低コストであるのが好ましい。
五酢酸グルコースは、O-アセチルパーオキサイド活性剤で、陽イオン界面活性剤および無機パーオキサイドを含む滅菌組成品の活性剤として使用されてきた(日本公開特許公報No.62-155203、発明の名称「牛舎用滅菌組成品」(1987)参照)。五酢酸グルコースは、室温で固体であり(即ち、融点110℃)、水に不溶である。パーオキサイド含有水溶液中では、当該化合物は、パーオキサイドと反応しながら、水に非常にゆっくりと溶解する。五酢酸グルコース濃度約2%では、溶解に数時間かかる。このために、この使用は迅速な展開構成用には望ましいとはいえない。
本発明は、少なくとも1の毒物の中和に使用する製剤であって、当該製剤は以下を含有
する。すなわち、:少なくとも2の可溶化剤であって、少なくとも1の可溶化剤は陽イオン界面活性剤であり、少なくとも1の可溶化剤は陽イオンヒドロトロープである可溶化剤;少なくとも1の反応性化合物であって、この少なくとも1の反応性化合物は過酸化水素、過酸化尿素、ヒドロパーオキシ炭酸塩、過酢酸、過ホウ酸ナトリウム、パーオキシピロリン酸ナトリウム、パーオキシケイ酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウムから成る群から選択され反応性化合物;およびO-アセチル、N-アセチルおよびニトリル基漂白活性剤から成る群から選択される少なくとも1の漂白活性剤。この場合、この少なくとも2の可溶化剤、この少なくとも1の反応性化合物およびこの少なくとも1の漂白活性剤は、水と混合され、その少なくとも1の毒物に曝露されると、その少なくとも1の毒物を中和する。好ましい実施態様では、陽イオン界面活性剤には、4級アンモニウム塩、最も好ましくは、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、臭化テトラブチルアンモニウムまたはWITCO VARIQUAT 80MC(登録商標)またはそれらの組み合わせが挙げられる。当該製剤は、さらに、水溶性ポリマー、好ましくはポリビニルアルコール、グアガム、(陽イオンまたは非イオン)塩化ポリジアリルジメチルアンモニウム、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレンオキサイド)、グリセロール、ポリエチレングリコール8000(PEG8000)またはJAGUAR 8000(登録商標)(グアガム2-ヒドロキシプロピルエーテル)またはそれらの組み合わせを含有してよい。当該製剤は、さらに、1分子当たり炭素原子8〜20個から成る脂肪アルコール、溶媒(好ましくは、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテルまたはジエチレングリコールモノブチルエーテルまたはそれらの組み合わせ)および/または炭酸塩(好ましくは重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、重炭酸水素アンモニウム、重炭酸リチウム、炭酸アンモニウムまたは炭酸カリウムまたはそれらの組み合わせ)も含有してよい。漂白活性剤は、好ましくは水溶性で、最も好ましくは塩化アセチルコリン、モノアセチン(グリセロールモノアセテート)、ジアセチン(グリセロールジアセテート)、4-シアノ安息香酸、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモメチルエーテルアセテート、酢酸メチル、グルタル酸ジメチル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グリセロールジアセテート(ジアセチン)、グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテートまたはプロピレングリコールジアセテートまたはそれらの組み合わせである。別法として、当該漂白活性剤は、水に不溶性であってもよく、好ましくはテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、n-ノナノイルオキシベンゼンスルフォネート(NOBS)またはN-アセチルグルコサミンまたはそれらの組み合わせであることができる。当該製剤は、水と混合すると、約9.6〜約9.8のpH値であるのが好ましい。本発明のある実施態様は、基本的に1〜10%塩化ベンザルコニウム、1〜8%プロピレングリコールジアセテート、1〜16% 過酸化水素および2〜8% 重炭酸カリウムから成る。
本発明は、少なくとも1の毒物の中和に使用する製剤であって、当該製剤は以下を含有
する。すなわち、:少なくとも2の可溶化剤であって、少なくとも1の可溶化剤は陽イオン界面活性剤であり、少なくとも1の可溶化剤は陽イオンヒドロトロープである可溶化剤;少なくとも1の反応性化合物であって、この少なくとも1の反応性化合物は過酸化水素、過酸化尿素、ヒドロパーオキシ炭酸塩、過酢酸、過ホウ酸ナトリウム、パーオキシピロリン酸ナトリウム、パーオキシケイ酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウムから成る群から選択され反応性化合物;およびO-アセチル、N-アセチルおよびニトリル基漂白活性剤から成る群から選択される少なくとも1の漂白活性剤。この場合、この少なくとも2の可溶化剤、この少なくとも1の反応性化合物およびこの少なくとも1の漂白活性剤は、水と混合され、その少なくとも1の毒物に曝露されると、その少なくとも1の毒物を中和する。好ましい実施態様では、陽イオン界面活性剤には、4級アンモニウム塩、最も好ましくは、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、臭化テトラブチルアンモニウムまたはWITCO VARIQUAT 80MC(登録商標)またはそれらの組み合わせが挙げられる。当該製剤は、さらに、水溶性ポリマー、好ましくはポリビニルアルコール、グアガム、(陽イオンまたは非イオン)塩化ポリジアリルジメチルアンモニウム、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレンオキサイド)、グリセロール、ポリエチレングリコール8000(PEG8000)またはJAGUAR 8000(登録商標)(グアガム2-ヒドロキシプロピルエーテル)またはそれらの組み合わせを含有してよい。当該製剤は、さらに、1分子当たり炭素原子8〜20個から成る脂肪アルコール、溶媒(好ましくは、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテルまたはジエチレングリコールモノブチルエーテルまたはそれらの組み合わせ)および/または炭酸塩(好ましくは重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、重炭酸水素アンモニウム、重炭酸リチウム、炭酸アンモニウムまたは炭酸カリウムまたはそれらの組み合わせ)も含有してよい。漂白活性剤は、好ましくは水溶性で、最も好ましくは塩化アセチルコリン、モノアセチン(グリセロールモノアセテート)、ジアセチン(グリセロールジアセテート)、4-シアノ安息香酸、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸メチル、グルタル酸ジメチル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グリセロールジアセテート(ジアセチン)、グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテートまたはプロピレングリコールジアセテートまたはそれらの組み合わせである。別法として、当該漂白活性剤は、水に不溶性であってもよく、好ましくはテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、n-ノナノイルオキシベンゼンスルフォネート(NOBS)またはN-アセチルグルコサミンまたはそれらの組み合わせであることができる。当該製剤は、水と混合すると、約9.6〜約9.8のpH値であるのが好ましい。本発明のある実施態様は、基本的に1〜10%塩化ベンザルコニウム、1〜8%プロピレングリコシデしでいとールジアセテート、1〜16% 過酸化水素および2〜8% 重炭酸カリウムから成る。
本発明は、さらに、少なくとも1の毒物の中和に使用する製剤であって、前記製剤は以
下を含有する。すなわち、少なくとも1の陽イオン界面活性剤;少なくとも1の反応性化合物であって、この少なくとも1の反応性化合物が過酸化水素、過酸化尿素、ヒドロパーオキシ炭酸塩、過酢酸、過ホウ酸ナトリウム、パーオキシピロリン酸ナトリウム、パーオキシケイ酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウムから成る群から選択される反応性化合物;O-アセチル、N-アセチルおよびニトリル基漂白活性剤から成る群から選択され少なくとも1の水溶性漂白活性剤。この場合、この少なくとも1の界面活性剤、この少なくとも1の反応性化合物、この少なくとも1の水溶性漂白活性剤は、水と混合され、その少なくとも1の毒物に曝露されると、その少なくとも1の毒物を中和する。好ましい実施態様では、少なくとも1の水溶性漂白活性剤は、塩化アセチルコリン、モノアセチン(グリセロールモノアセテート)、ジアセチン(グリセロールジアセテート)、4-シアノ安息香酸、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸メチル、グルタル酸ジメチル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グリセロールジアセテート(ジアセチン)、グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテートまたはプロピレングリコールジアセテートまたはそれらの組み合わせである。陽イオン界面活性剤は、好ましくは、さらに、4級アンモニウム塩、最も好ましくは塩化ベンザルコニウムを含む。製剤は、好ましくは、さらに少なくとも1の炭酸塩、最も好ましくは重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、重炭酸水素アンモニウム、重炭酸リチウム、炭酸アンモニウムまたは炭酸カリウムまたはそれらの組み合わせを含む。当該製剤は、水と混合するとpH値が約9.6〜9.8である。ある実施態様は、実質的に少なくとも1の陽イオン界面活性剤、少なくとも1の反応性化合物、少なくとも1の水溶性漂白活性剤から成る。
本発明は、なおもさらに、少なくとも1の毒物の中和に使用する製剤であって、当該製剤は以下を含有する。陽イオンヒドロトロープと1分子当たり炭素原子8〜20個の脂肪アルコールから成る群から選択される少なくとも1の可溶化剤;少なくとも1の反応性化合物であって、この少なくとも1の反応性化合物が過酸化水素、過酸化尿素、ヒドロパーオキシ炭酸塩、過酢酸、過ホウ酸ナトリウム、パーオキシピロリン酸ナトリウム、パーオキシケイ酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウムから成る群から選択される反応性化合物;およびO-アセチル、N-アセチルおよびニトリル基漂白活性剤から成る群から選択される少なくとも1の漂白活性剤。この場合、この少なくとも1の可溶化剤、この少なくとも1の反応性化合物およびこの少なくとも1の漂白活性剤は、水と混合され、その少なくとも1の毒物に曝露されると、その少なくとも1の毒物を中和する。
本発明は、キットとして包装された上記製剤のいずれかに関する。第一の実施態様では、キットは以下を含有する。すなわち、少なくとも2の可溶化剤を含む予備混合成分;少
なくとも1の漂白活性剤を含む第一成分;および少なくとも1の反応性化合物を含む第2成分。第一の実施態様は、さらに、水および塩基を含むことでもよく、予備混合成分は、さらに、水溶性ポリマーを含んでよく、少なくとも1の漂白活性剤は、好ましくはプロピレングリコールジアセテート、グリセロールジアセテートおよび/またはTAEDであり、予備混合成分は、さらに、1分子当たり炭素原子8〜20個の脂肪アルコールを含んでよく、少なくとも1の反応性化合物が過酸化尿素であり、その第2成分が過炭酸ナトリウムをさらに含む少なくとも1の反応性化合物であってよく、また予備混合成分は、さらに、短鎖アルコールを含んでよい。第二の実施態様では以下を含有する。すなわち、少なくとも2の可溶化剤と水を含む第1予備混合成分;および少なくとも1の漂白活性剤とその少なくとも1の反応性化合物を含む第2予備混合成分。その場合、少なくとも1の漂白活性剤は固体状態である。第二の実施態様では、第1予備混合成分はさらに酸を含み、その少なくとも1の漂白活性剤は好ましくは塩化アセチルコリンを含み、その少なくとも1の反応性化合物は過酸化尿素を含み、その少なくとも1の漂白活性剤はTAEDを含み、そしてその少なくとも1の漂白活性剤をカプセル化することにより、その少なくとも1の反応性化合物との早期反応を防止する。第三の実施態様には以下が含有される。すなわち、少なくとも2の可溶化剤と少なくとも1の漂白活性剤を含む予備混合成分;および少なくとも1の反応性化合物を含む成分。この第3の実施態様では、予備混合成分には更に水と酸が含まれてよく、またその少なくとも1の反応性化合物を含む成分には過炭酸ナトリウムおよび更に酸が含まれてよく、またこの少なくとも1の反応性化合物に過酸化尿素が含まれる場合には、この少なくとも1の反応性化合物を含む成分には炭酸カリウムおよび重炭酸カリウムが含まれてよい。
本発明の目的、長所および新規特徴、並びに、さらなる応用可能性の範囲は、その一部は添付図面と合わせて以下の詳細な説明で記述されるが、一部は以下の記述を試験してみれば当業者には明白であり、あるいは本発明の実施により了解される筈である。本発明の目的および長所は、添付する特許請求の範囲で特に指摘する手段および組み合わせによって実現され達成される筈である。
本発明は、化学毒物および生物毒物の一方または両方の副作用を中和する包括的製剤の必要性に対応する。その場合、毒物とは、生命過程に対する化学的または生物学的作用によって、処置せずに放置すれば、人または動物に対し死、一時的不能、あるいは永続的な害を引き起こす可能性のある化学系または生物系の化合物、構成物質、種、もしくは、薬剤であると定義される。これには前記の化学物質または生物薬剤全部が含まれ、発生源またはその生産方法に関係なく、また、それらが生成されているのが施設であるのか、あるいは、軍需施設であるのか、あるいは、その他の場所であるのかに関係ない。中和は、毒物が人または動物に急性副作用をもはや引き起こさない程度までの当該毒物の軽減、解毒、汚染除去、さもなければ、破壊と定義される。本発明の製剤および既述の変更品は、中和することができ、それ自体は、動物に感染症、重大な健康被害を引き起こさず、まして死を招くことはない。
本発明が対象とする化学系および生物系化合物の重要なサブセットは、化学兵器(CW)および生物兵器(BW)薬剤のそれである。しかし、本発明は、人を含む動物に潜在的な健康被害を引き起こす恐れのある毒物も対象としており、そのような健康被害には、例えば感染、急性および慢性の健康作用および致死がある。そのような毒物は、農業施設、畜産場、牧場または食品加工または包装施設でも確認できる。さらに、本発明は、それ自体は無毒、非腐食性であり、様々な手段によって、様々な段階で送達することができるような製剤の必要性にも対応する。米国特許出願No.09/607,586および09/952,940で特定の実施態様が検討されている。本発明は、先行技術にも従来の実施態様にも優る実質的な差異がある別の実施態様を提示しており、それを以下に説明する。
本明細書で「製剤」の用語は、中和目的で表面または身体に塗布するための活性化生産物または溶液(例、水溶液)であって、気体(例、空気)を添加して発泡させる場合もあるし、そうしない場合もあると定義する。特に述べない限り、ここに挙げる濃度、構成物質、または成分は、全活性化溶液の重量%との比較である。本明細書で「水」の用語は、:純水、水道水、脱イオン水、脱塩水、軟水、または、主としてH2Oから成る他の全ての液体を広範囲に含むものと定義する。
高い胞子殺傷率を達成できるDF-200製剤構成物質の最小セットの一例は、4種類の成分、即ち:
(1)陽イオン界面活性剤(例、Variquat80MC)、陽イオンヒドロトロープ(例、Adogen477)および脂肪アルコール(例、1-ドデコナール)から成る群から選択する可溶化剤;
(2)O-アセチル、N-アセチルおよびニトリル基パーオキサイド活性剤(例、プロピレングリコールジアセテート)から成る群から選択する漂白活性剤;
(3)反応性化合物(例、過酸化水素、過酢酸);および
(4)水を含有し、
可溶化剤は効果的に毒物を攻撃感受性にする働きがあり、反応性化合物は毒物を攻撃し中和する働きをし、漂白活性剤はその過程を増強する。
適切な陽イオン界面活性剤の例には、4級アンモニウム塩と重合体4級塩がある。適切な4級アンモニウム塩の例は、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、臭化テトラブチルアンモニウムがある。好ましい陽イオン界面活性剤は、WITCO VARIQUAT 80MC(登録商標)で、これは、塩化ベンジル(C12~C16)アルキルジメチルアンモニウムの混合物である。DF-200で使用する4級アンモニウム塩の濃度は、約10%程度が好ましい。それは、4級アンモニウム塩は、濃度が高いほど、人や環境への毒性が有意に高まるからである。
適切な陽イオンヒドロトロープの例は、臭化テトラペンチルアンモニウム、臭化トリアセチルメチルアンモニウムおよび臭化テトラブチルアンモニウムである。好ましい陽イオンヒドロトロープは、WITCO ADGEN477(登録商標)で、これは、二塩化ペンタメチルタロウアルキルトリメチレンジアンモニウムである。
適切な脂肪アルコールの例には、1分子あたり炭素原子数8〜20個のアルコール、例えば1-ドデカノール、ピュアドデカノール、ヘキサデカノールおよび1-テトラデカノールがある。
適切な漂白活性剤の例は、後で述べる。
適切な反応性化合物の例には、パーオキサイド化合物;過酸化水素、 過酸化尿素、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム過水和物、パーオキシピロリン酸ナトリウム、パーオキシシリケートハイドロジェンナトリウム、ピロリン酸塩のパーオキサイド付加物、クエン酸塩、尿素、およびケイ酸ナトリウム、活性化パーオキサイド化合物(例、過酸化水素+重炭酸塩)、過酢酸、オキシメート(例、ブタン-2,3-ジエン、モノオキシメートイオンおよびベンゾヒドロキサメート)、;アルコキシド(例、メトキシドお
よびエトキシド)、アリールオキサイド(例、アリール置換ベンゼンスルフォネート)、ア
ルデヒド(例、グルタールアルデヒド)、パーオキシモノサルフェート、フェントン試薬(
鉄とパーオキサイドの混合物)、および次塩素酸ナトリウムがある。DF-200製剤において
これらの反応性化合物を使用すると、各種の負荷電求核イオンを生じることができる。例えば過酸化水素を使用した場合にはヒドロキシルイオン(OH-)およびヒドロパーオキサイ
ドイオン(OOH-)が産生し、および/または過酸化水素を炭酸塩と併用した場合にはヒドロ
パーオキシカーボネートイオン(HCO4―)が産生する。ヒドロパーオキシカーボネートイオン(HCO4―)は、ヒドロキシルイオン(OH-)やヒドロパーオキサイドイオン(OOH-)よりもはるかに強力な酸化剤であり、生物毒物との反応に特に有効である。DF-200製剤に過酸化水素を使用する場合、その濃度は、約10%未満であるのが好ましい。理由は、高濃度ほど、特に30〜50%の過酸化水素濃度範囲では、有意に腐食性が発揮されるからである。
非常に高い胞子殺傷率を達成するには、上述のDF-200製剤の構成物質最小セットに炭酸塩(例、重炭酸ナトリウムまたは重炭酸カリウム)を添加するのが好ましい。DF-200に反応性化合物としてパーオキサイド化合物(例、過酸化水素)を使用する場合、添加された炭酸塩は、例えば過酸化水素と結合し、著しく反応性の高いヒドロキシパーオキシカーボネート種(HCO4 -)を形成する。炭酸塩の添加は、製剤を緩衝化し、pHを最適にすることもできる。
従って、非常に高い胞子殺傷率を達成できるDF-200製剤の構成物質最小セットは5種類の成分を含む:
(1)陽イオン界面活性剤(例、Variquat80MC)、陽イオンヒドロトロープ(例、Adogen477)および脂肪アルコール(例、1-ドデコナール)から成る群から選択する可溶化剤;
(2)O-アセチル、N-アセチルおよびニトリル基パーオキサイド活性剤(例、プロピレングリコールジアセテート)から成る群から選択する漂白活性剤;
(3)反応性成分(例、過酸化水素、過酢酸など);および
(4)炭酸塩(例、重炭酸ナトリウム);および
(5)水
適切な炭酸塩の例には、炭酸塩を重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、重炭酸水素アンモニウム、重炭酸リチウム、炭酸アンモニウムおよび炭酸カリウムがある。
図1は、バチルスグロビジ胞子(開始濃度、胞子107個/ml)に対する汚染除去試験結果を示す。胞子を、DF-200製剤の各種成分が異なる4種類のサブ組み合わせに1時間曝露した(当該製剤のpHは9.8であった)。生存した細菌を培養して、胞子殺傷度を決定した。図3に示すように、次の2種類の異なる組み合わせによって、有意な胞子殺傷が達成された。すなわち、:(1)2%Variquat(陽イオン界面活性剤)、2%プロピレングリコールジアセテート(漂白活性剤)および2%過酸化水素(酸化剤)の水溶液、(2) 2%Variquat(陽イオン界面活性剤)、5 %重炭酸カリウム(緩衝剤およびパーオキサイド活性剤)および2%過酸化水素(酸化剤)の水溶液。しかし、非常に高い胞子殺傷率は、(3) 2%Variquat(陽イオン界面活性剤)、2%プロピレングリコールジアセテート(漂白活性剤)、5 %重炭酸カリウム(緩衝剤およびパーオキサイド活性剤)および2%過酸化水素(酸化剤)の水溶液から成る第3の組み合わせを使用することによって達成された。
次に、DF-200製剤の各種代替実施態様と構成を示す。

DF-200HF(高発泡性)
本発明は、高発泡用途の強化汚染除去製剤(「DF-200HF」)を提供するものである。DF-200HF製剤の1例には以下が含有される。

DF-200HF(高発泡性)
1〜4%(好ましくは2%) Variquat 80MC(カチオン界面活性剤)
0.5〜3%(好ましくは1%) Adogen 477(カチオンヒドロトロープ)
0.2〜0.8%(好ましくは0.4%)1−ドデカノール(脂肪族アルコール)
0.05〜0.1% Jaguar 8000(カチオン水溶性ポリマー)
0.5% ジ(プロピレングリコール)メチルエーテル(溶媒)
0.1〜10%(好ましくは1〜4%)過酸化水素(酸化剤)
0.1〜10%(好ましくは2〜8%)重炭酸塩(緩衝剤および過酸化活性剤)
1〜4% プロピレングリコールジアセテート(漂白活性剤)
67〜97% 水
該製剤は、pH値7.5〜10.5で有効である。該製剤のpH値を9.6〜9.8に調整することによって全ての標的物質を最適に汚染除去することができる。該「高発泡性」製剤には、カチオン水溶性ポリマー(例えばJaguar 8000(登録商標))が含有されており、これによって溶液のかさ粘度が増加し、より安定な発泡体が得られる。
好適な非アニオン水溶性ポリマーの例には、ポリビニルアルコール、グアーガム、(カチオン又は非イオン)ポリジアリルジメチル塩化アンモニウム、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール8000(PEG 8000)、およびJaguar 8000(登録商標)(グアーガム2−ヒドロキシプロピルエーテル)が挙げられる。カチオンポリマーは、非イオンポリマーよりも好ましく、アニオンポリマーは良好に機能しない。脂肪族アルコール1−ドデカノールの作用により、発泡体ラメラの表面粘性が増加するので、排液および泡崩壊に対しても泡の安定性が増大する。
DF-200LF(低発泡性)
本発明は、低発泡用途のための強化汚染除去製剤(「DF-200LF」)を提供するものである。DF-200LF製剤の1例には、以下が含有される。

DF-200LF(低発泡性)
4% Variquat 80MC(カチオン界面活性剤)
0.4% Lauramide DEA[N,N-ビス(2−ヒドロキシエチル)−ドデカンアミド](発泡効果促進剤)
1〜4% プロピレングリコールジアセテート(漂白活性剤)
0.5% ジ(プロピレングリコール)メチルエーテル(溶媒)
0.05〜0.1% Jaguar 8000ポリマー(カチオン水溶性ポリマー)
0.1〜10%(好ましくは1〜4%)過酸化水素(酸化剤)
0.1〜10%(好ましくは2〜8%)重炭酸塩(緩衝剤および過酸化活性剤)
71〜94% 水
該製剤は、一般的にpH値7.5〜10.5で有効である。該製剤のpH値を約9.6〜9.8に調整することにより全ての標的物質を最適に汚染除去することができる。
「高発泡性」の語は、製剤が高安定性で分解しにくい泡を形成可能であることを言い、一方「低発泡性」製剤では安定性がそれほど高くない泡が形成される。次の表に、DF-200HFおよびDF-200LFの向上した性能を、DF-100Aと比較して示す。表示「ND」は検出可能限界より低い濃度であることを示し、「PGD」はプロピレングリコールジアセテート(好ましい漂白活性剤)を示す。
Figure 0004582514
Figure 0004582514
Figure 0004582514
Figure 0004582514
DF-200とDF-100/100Aの製剤の違いには以下が挙げられる。
・DF-200は単一pHで全ての因子に対して活性である。該製剤はpH値約7.5〜0.5で有効であり、pH値約9.2〜9.8でより有効であり、pH値約9.6〜9.8で最も有効である。
・DF-200は、マスタードに対して比較的良好な性能を有する。
・DF-200は、細菌性胞子に対して比較的良好な性能を有する。
・DF-200は、カチオン界面活性剤および/またはカチオンヒドロトロープの両方を比較的低濃度で有するが、製剤の(既に低い)毒性および腐食性をさらに下げる。
・DF-200は、低濃度の泡の安定性成分である1−ドデカノールを有する。
・DF-200は、製剤が濃縮された形態にパッケージされた場合に可燃性の問題を引き起こす短鎖アルコール(例えばイソブタノ−ル、イソプロパノール)を使用していない。
・DF-200は、数種の化学物質センサおよび検出器(特に軍事施設で使用されている古いセンサ)に偽警報を引き起こしうるジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)を使用していない。および
・DF-200は、製剤の(既に低い)毒性および腐食性をも低減する比較的に低濃度の過酸化水素を含むことができる。
さらに、DF-200とDF-100Aの違いには、次が挙げられる。
・DF-200は、DF-100Aと比較してより高いpH(約9.6〜9.8)で最適に機能する。しかし 、これは洗濯用洗剤、シャンプー、および食器用洗剤などの一般的な家庭用製品の代表 的なpH値であることに注意すべきである。
・DF-200は、使用時まで大量の製剤から分離して保管しなければならない特有の成分(例えば、過酸化水素および漂白活性剤)を、(1つの成分、過酸化水素のみを分離して保管しなければならない)DF-100Aと比較してより多く有する。これは以下で更に詳細に述べる。
DF-200製剤(例えばDF-200HFおよびDF-200LF)が、DF-100およびDF-100A製剤より良好な性能を有する1つの理由は、漂白活性剤(例えばプロピレングリコールジアセテート)が添加されていることである。漂白活性剤は、O-またはN-結合アセチル基を持った化合物であり、強求核性ヒドロペルオキシアニオン(OOH-)と反応することができるので、過酸化種を生成し、それが過酸化水素単独よりもより効果的な酸化剤となる。
Figure 0004582514
1950年代から、多様な漂白活性剤が他の市販用製品と同様に市販の洗濯用洗剤に用いられている。最も一般的な活性剤は、主にヨーロッパとアジアで使用されているテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)および主に合衆国で使用されているn-ノナノイロキシベンゼンスルホナート(NOBS)である。NOBSは、プロクターアンドギャンブル社の専売化学薬品である。洗濯用洗剤では、過酸化水素は固形(通常、水中で反応してヒドロペルオキシアニオンを形成する過ホウ酸ナトリウムとして)で供給される。漂白活性剤を添加することによって、衣類から汚れを取り除く洗濯用洗剤の能力が大いに向上する。
TAEDおよびNOBS漂白活性剤は、極めて水に不溶性であることに注意すべきである(例えば、TAEDは25℃で可溶性がわずか1%である)。洗濯用洗剤のこの問題を解決するために、洗濯機の掻きまわし動作によって固形のTAEDまたはNOBS小片を浮遊状態に保持し、それらを洗浄剤中の過酸化水素とゆっくり反応させる。しかし、DF-200製剤での掻きまわしは、実際的には問題である。従って、水溶性漂白活性剤が好ましい。
有用な水溶性漂白活性剤は、エステル結合を含む短鎖有機組成物には、例えば、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルアセテート、ジメチルグルタレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、グリセロールジアセテート(ジアセチン)、グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、およびプロピレングリコールジアセテートが挙げられる。好ましい水溶性漂白活性剤は、プロピレングリコールジアセテート(PGD)であり、以下に示す。
Figure 0004582514
この分子は、ヒドロペルオキシアニオン(OOH-)と反応するとエステル結合を放棄して2つの過酸化分子を形成する。
プロピレングリコールジアセテートはまた有機溶剤としても機能し、それは不溶性有機分子(例えば、化学兵器薬剤および泡安定化剤/効果促進剤(1-ドデカノールおよびLauramide DEAなど))の可溶化に極めて効果的である。従って、この化合物の更なる機能は、これの使用によってDF-100およびDF-100Aで用いられているジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)溶媒は補佐され、または、いくつかのDF-200製剤で用いられているジ(プロピレングリコール)メチルエーテル溶媒が補佐されることであって、それによって、プロピレングリコールジアセテートは2重の目的(すなわち、溶媒および漂白活性剤)で作用することができる。
漂白活性剤は、一般的に水中で長時間安定ではない。これは、特に水溶液が高pH(>10)の場合に事実である。従って、長期保管のためには、プロピレングリコールジアセテート(または他の漂白活性剤)は使用時まで水溶液から分離して保管することが好ましい。これは、漂白活性剤を利用する他の製品(例えば洗濯用洗剤)と同様であって、製剤の全成分は使用時まで乾燥状態に保たれており水溶液から分離している(洗濯用洗剤の場合には漂白活性剤はカプセル化されているので、それと過酸化成分との反応は両者成分が水中で混ざるまで防止される)。
水溶性漂白活性剤の他の例は、エチレングリコールジアセテートであり、DF-200製剤中で良好に作用する。しかし、エチレングリコールジアセテートが過酸化水素と反応する場合にエチレングリコール(すなわち不凍液)を形成し、それは比較的有毒な副生成物である。一方、プロピレングリコールジアセテートは、この比較的有毒な副生成物を形成しない。
DF-200NF(非起泡性)
本発明はまた、例えば生物学的微生物の殺傷、一括処理(例えば化学薬剤非軍事化中和処理、すなわち溶液槽における)、またはスプレー塗布のような、特定の用途に用いることができる非起泡性の実施例(「DF-200NF」)である。この製剤の好ましい例は、次のようなものを含有する(量は具体例)。
DF-200NF(非起泡性)
1〜10%(好ましくは2.5%) 塩化ベンザルコニウム(カチオン界面活性剤)
1〜8% プロピレングリコールジアセテート(漂白活性剤)
1〜16% 過酸化水素(酸化剤)
2〜8% 重炭酸カリウム(緩衝剤および過酸化活性剤)
65.5〜93.5% 水
該製剤は、pH値を約9.6〜9.8に調整することによって最適性能が可能となり、全ての標的物質の汚染除去に有効である。
DF-100E
本発明はまた、プロピレングリコールジアセテート漂白活性剤を利用するDF-100Aの強化バージョンでもある。該強化製剤(「DF-100E」)の好ましい実施例には、次のものを含有する(量は具体例)。
DF-100E
5.3% Variquat 80MC
2.8% Adogen 477
0.65% 1-ドデカノール
0.5% イノブタノール
0.1% Jaguar 8000
1.35% ジエチレングリコールモノブチルエーテル
2〜8% 重炭酸塩
1〜4% 過酸化水素
1〜4% プロピレングリコールジアセテート
73〜85% 水
該製剤は、pH値を約9.6〜9.8に調整することにより全ての薬剤に対する最適性能が可能である。DF-100E(PGD2%/H2O23.00%/重炭酸塩3.75%)の化学的擬似物に対する性能を下記の表5に示す。
Figure 0004582514
炭疽菌胞子擬似物(バチルスグロビジ胞子)に対する試験により、30分間DF-100Eに曝露した後の殺傷率は99.9999%(7-log)であることが示された。
他の漂白活性剤(水溶性NOBSまたはTAEDなど)を、DF-100Eにおいてプロピレングリコールジアセテートの代わりに用いることができる。しかし、上記から分かるように、この場合には真の液状溶液ではなくてスラリー混合物が得られる。
次の表に、DF-100,DF-100A,DF-100E,DF-200HF,DF-200LF,DF-200NFおよびDF-200HFスラリーのいくつかの違いを要約する。
Figure 0004582514
キット構成
次節に、DF-200製剤の種々の実施例について、さまざまな2-パート,3-パートおよび4-パート「キット」構成の例を示す。一般的に、2-パートおよび3-パートキットには、2つ(または3つ)のコンテナ(通常は泡成分)のうちの1つに既に「あらかじめパッケージされた」大量の水がある。これにより、汚染除去溶液の迅速な配備、小規模単位(例えばバックパック)での使用が可能となり、現地で特別に水を手配する必要がない。
逆に、4-パートキットは一般的に、汚染場所あるいは近傍での現地で補充水を加える必要がある。これにより、他の3つのパートを含む「パッケージ」は大幅に軽量化が可能となり、輸送および保管が容易になる。しかし、補充の供給源が現地で必要となる(海水でもよい)。
一般に、DF-200製剤はその用途に応じて「予めパッケージされた」大量の水を有するか有さないかのいずれかの方法で構成することができる。
DF-200HF製剤は、4−パートキットとして構成することができ、現地での使用のために以下のように調整される(量は具体例)。
DF-200HF(4-パートキット)
パートA(濃厚発泡体):
20g Variquat 80MC
10g Adogen 477
4g b-ドデカノール
1g Jaguar 8000ポリマー
5g ジ(プロピレングリコール)メチルエーテル
7.5g 重炭酸カリウム
141g 水

パートB(固体成分):
50g 過炭酸ナトリウム
50g 過酸化尿素

パートC(漂白活性剤):
20g プロピレングリコールジアセテート

パートD(補充水):
800g 水
該4-パート構成の例では、大量の水は「パッケージ」(すなわち、パートA,BおよびC)に含まれないので、輸送および保管のためのパッケージ重量が最小になる。ここで、補充水(パートD)は、現地での汚染の場所あるいは近くで供給しうる。製剤のpHは、約9.6〜9.8に調整することにより最適性能にすることができる。上記の製剤により1リットルの「高」発泡性溶液が得られる。本実施例では、過炭酸ナトリウムによって、過酸化水素の一部、重炭酸塩の一部および溶液を緩衝化する塩基が供給される。残りの過酸化水素は、過酸化尿素によって供給される。本実施例において、過酸化水素濃度の合計は約3%である。該製剤の粘度は約4〜9mm2/sの間に調整することができる。
DF-200HF製剤を混合して4-パートキットを構成するために、現地で種々の異なる方法を用いることができる。例えば、
方法1:
補充水(パートD)を供給する。次にパートBをパートDに混合する。次いで、パートCおよびパートAを、パートB+Dに加える。好ましくは8時間以内に使用する。
方法2:
パートCをパートAに混合する。補充水(パートD)を供給する。次いで、パートBをパートDに混合する。使用時まで分離しておく。使用時に、パートA+CをパートB+Dに混合する。好ましくは、パートA+CをパートB+Dに最初に混合してから8時間以内に使用する。
一般的に、活性化したDF-200製剤は、混合後8時間以内に使用するのが好ましい。しかし、それらは24時間までおよびそれ以上でもなお有効である。DF-200HF(高発泡性)は長時間表面に適用することができ、次いですすぐ。しかし、DF-200LF(低発泡性)は、DF-100/100AおよびDF-200HF製剤とは異なる方法で使用することができる。DF-200LFを長時間表面に放置する代わりに、DF-200LFを表面に使用して比較的短時間(例えば15〜60分間)放置し、次いで、高圧淡水または海水噴霧ですすぐことができる。これにより、適用する物質の腐食を最小にするので、腐食が心配される航空機および他の装備の汚染除去に特に有用である。またこれにより汚染除去に要する時間も最小になり、特に軍事使用(戦地または固定地において)で有利である。
海水もまたDF-200製剤の補充水(パートD)として有効に使用することができる。下記の表に海水(溶解固体合計〜35,000ppm)を用いてDF-200HF(PGD2%/H2O23.50%/重炭酸塩4.0%)を使用した動的試験の結果を示す。

Figure 0004582514
炭疽菌胞子擬似物(バチルスグロビジ胞子)に対する試験から、補充水として海水を用いたDF-200HFに1時間曝露した後の殺傷率は99.9999%(7-log)であることが示された。
マスタードおよびVX擬似物に対するDF-200HFの表面試験を行った。該試験のために、8mgの擬似物をCARC(化学薬剤耐性コーティング)で作られた直径2インチの試験クーポンに塗布した。CARCは、軍用車両を化学薬剤の攻撃から防護するために塗布するのに普通に用いられる物質である。 1時間経過後、試験クーポンを水平に置き、1.0gのDF-200HF(PGD2%/H2O23.50%/重炭酸塩4.0%)を塗布した。60分後、試験クーポンを15分間25mlのアセトニトリルに浸し、表面から未反応の擬似物を得る。(表8に示す)結果から、試験クーポンの汚染除去はDF-100Aと比較してより有効であることが示される。
Figure 0004582514
DF-200HFスラリー(キット構成)
DF-200製剤に関して、不溶性漂白活性剤(TAED、NOBSおよびN-アセチルグルコサミンなど)は、(水溶性)プロピレングリコールジアセテートの代わりに利用することができる。しかしこの場合、水と混合したときには、製剤は真の水溶液ではなくスラリーになる。
本発明はまた、水不溶性固体漂白活性剤(例えばTAED)を利用して、反応性スラリーを生成する方法を提供する(ここでスラリーは不溶性および非溶解物質を含んだ水混合物と定義する)。「DF-200HFスラリー」と称される本実施例は、DF-200HF製剤の変更形態である。4−パートキット構成の1つの例を以下に示す(量は具体例)。
DF-200HF スラリー(4-パートキット)
パートA(濃厚発泡体):
20g Variquat 80MC
10g Adogen 477
4g 1−ドデカノール
1g Jaguar 8000ポリマー
5g ジ(プロピレングリコール)メチルエーテル
7.5g 重炭酸カリウム
161g 水

パートB(固体成分):
50g 過炭酸ナトリウム
50g 過酸化尿素

パートC(漂白活性剤):
10g TAED(好ましくはWarwick B637のようなカプセル化されたTAED)

パートD(補充水):
800g 水(使用する場所で供給される淡水または海水でよい)
上記の製剤により、1リットルの発泡体溶液が生成する。最終的な製剤のpHを約9.6〜9.8に調整することにより最適性能が可能である。次の混合手順が用いられる。パートBをパートDに混合する。次いで、パートCおよびAをパートB+Dに加える。好ましくは8時間以内に使用する。
DF-200HFスラリー(TAED1%/H2O23%/重炭酸塩4%)についての各化学薬剤擬似物に対する性能を下記の表9に示す。
Figure 0004582514
DF-200の種々の実施形態の上記例は、一般的に、専用の配備装置があり、補充水源が容易に入手可能な場所での大規模作業で使用され(例えば軍隊が空軍基地や海港などの「固定地」で汚染除去するために使用)、あるいは輸送や保管に必要な製剤の重量を最小にするために「予めパッケージされた」水の量を最小にするために使用される。
DF-200 迅速展開構成
本発明はまた、DF-200製剤の迅速展開、および/またはその展開が小規模展開装置(手持ち型単位、バックパック単位、小さな台車に載る単位など)で用いることに力点がある構成である。これらの用途においては、全ての水は製剤に「予めパッケージされて」おり、その結果、現地で特別に水が必要とならない。DF-200HFの迅速展開バージョンのための3-パートキット構成の第1の例「DF-200HF迅速展開構成#1」には次のものが含有される(量は具体例)。
DF-200HF 迅速展開#1(3-パートキット)
パートA(液体発泡体成分):
20g Variquat 80MC
10g Adogen 477
4g 1−ドデカノール
5g ポリ(エチレンオキシド)
8g ジエチレングリコールモノブチルエーテル
5g イソブタノール
45g 重炭酸カリウム
約19g 水酸化カリウム(パートAのpHは約10.2とすべきである)
933g 水

パートB(固体酸化剤成分):
97g 過酸化尿素

パートC(液体漂白活性剤):
20g プロピレングリコールジアセテート
この構成により、1リットルの発泡体溶液が生成する。最終的な製剤のpHを約9.6〜9.8に調整することにより最適性能が可能である。次のような混合手順が用いられる。パートBをパートAに混合する。過酸化尿素の溶解後、パートCをパートA+Bに加える。好ましくは8時間以内に使用する。DF-200HF迅速展開の化学薬剤擬似物に対する性能を下
記の表10に示す。
炭疽菌胞子擬似物(バチルスグロビジ胞子)に対する試験から、DF-200HF迅速展開に30分間曝露した後の殺傷率は99.9999%(7-log)であることが示された。
DF-200HFの迅速展開構成の第1の例についての好ましい混合手順の概略例を図2に示す。過酸化尿素はすばやく水に溶解する。従って、この製剤は、化学または生物兵器の薬剤が関与する事件の場面で非常に短時間で調整および配置することができるので、民間の最初の応答者(消防士、危険物取扱人、警官および生物化学兵器攻撃場所に最初に到着する他の人々)および/または軍隊による使用には理想的である。
しかし、本製剤に用いられる特定の漂白活性剤(プロピレングリコールジアセテート)は、pHが約9.9より大きな水溶液中では安定でない。従って、正しい手順で正しい成分を混合することが重要である。例えば、パートBを加える前にパートCをパートAに混合した場合、DF-200HF中の活性がいくらか損失する可能性がある。なぜなら、プロピレングリコールジアセテートが9.9より大きなpH値を有する溶液に曝露されるからである。しかし、パートCを加える前にパートBをパートAに加えた場合には、パートBをパートAに加えることによりパートA+B混合物のpHは約9.9より低い値となるので、損失の可能性はない。
上記で示したDF-200HF迅速展開製剤#1についての第1の例のパートA(発泡体溶液)で使用する溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルは、前述のDF-200HF製剤(ジ(プロピレングリコール)メチルエーテル)で使用する溶剤とは異なる。その理由は、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテルは迅速展開構成における発泡体成分(パートA)で必要となる高pH環境では安定でないからである。また、短鎖アルコール(すなわちイソブタノール)がDF-200HFの迅速展開構成#1における発泡体成分(パートA)に添加されていることに留意されたい。該低分子量アルコールにより高濃厚構成のDF-200HFは燃えやすくなるという問題が生ずるが、これは本明細書に記載の低濃縮構成においては問題とならない。また、イソブタノールの使用により、パートA中の1-ドデカノールの溶解性は促進され、該製剤の動態性(化学反応性)が向上する。さらに、該製剤は、その他の前述のDF-200製剤で用いたポリマー(すなわちJaguar 8000)とは異なるポリマー、ポリ(エチレンオキシド)を使用することが好ましい。Jaguar 8000もまた迅速展開製剤の高pH環境の液体泡部分(パートA)において安定でないので、この代替ポリマーが使用される。従って、DF-200HF迅速展開#1の好ましい製剤には次のものが含有される。
DF-200HF 迅速展開#1
1〜4%(好ましくは2%) Variquat 80MC(カチオン界面活性剤)
0.5〜3%(好ましくは1%) Adogen 477(カチオンヒドロトロープ)
0.2〜0.8%(好ましくは0.4%)1-ドデカノール(脂肪アルコール)
0.5〜8%(好ましくは0.5%) ポリ(エチレングリコール)(ポリマー)
0.6%〜1.2%(好ましくは0.8%) ジエチレングリコールモノブチルエーテル(溶媒)
0〜1%(好ましくは0.5%) イソブタノール(短鎖アルコール)
0.1〜10%(好ましくは2〜8%) 重曹(緩衝剤および過酸化活性剤)
0.1〜10%(好ましくは1〜4%) 過酸化水素(酸化剤)
0.1〜10%(好ましくは1〜4%) プロピレングリコールジアセテート(漂白活性剤)
52〜97% 水
該製剤は、pH値を約9.6〜9.8に調整することにより最適性能が可能であり、全ての標的物質の汚染除去に有効である。
DF-200HFの迅速展開バージョンについての3―パートキット構成の第2の例、「DF-200HF迅速展開#2」には、次のものが含有される(量は具体例)。
DF-200HF 迅速展開#2(3-パートキット)
パートA(液体発泡体成分):
20g Variquat 80MC
10g Adogen 477
4g 1-ドデカノール
20g ポリエチレングリコール8000ポリマー
8g ジエチレングリコールモノブチルエーテル
5g イソブタノール
50g 重炭酸カリウム
約25g 水酸化カリウム(パートAのpHは約10.2が望ましい)
933g 水

パートB(固体酸化剤成分):
97g 過酸化尿素

パートC(液体漂白活性剤):
20g プロピレングリコールジアセテート
該第2の例において、ポリエチレングリコール8000ポリマーにより、DF-200HF迅速展開#1で使用したポリ(エチレンオキシド)ポリマーが置き換えられた。
DF-200HF迅速展開バージョンについての3-パートキット構成の第3の例、「DF-200HF迅速展開#3」には、次のものが含有される(量は具体例)。
DF-200HF 迅速展開#3(3-パートキット)
パートA(液体発泡体成分):
20g Variquat 80MC
10g Adogen 477
4g 1-ドデカノール
20g ポリエチレングリコール8000ポリマー
10g ヘキシレングリコール
45g 炭酸カリウム
5g 重炭酸カリウム
700g 水

パートB(固体酸化剤成分):
83g 過酸化尿素

パートC(液体漂白活性剤):
20g グリコールジアセテート(すなわちジアセチン)
該第3の例において、ポリエチレングリコール8000ポリマーによりDF-200HF迅速展開#1で水溶性ポリマーとして使用されるポリ(エチレンオキシド)ポリマーが置き換えられる。また、ヘキシレングリコールにより、溶媒として使用されるジエチレングリコールモノブチルエーテルおよびイソブタノールが置き換えられる。最後に、グリコールジアセテート(すなわちジアセチン)により、漂白活性剤として使用されるプロピレングリコールジアセテートが置き換えられる。該第3の例におけるこれらの変更により、短鎖アルコールおよび/または高蒸気圧溶媒が減少または除去され、液体発泡体成分(パートA)の有効期限が非常に長期間(数ヶ月から数年)であることに伴う問題、特に最も揮発性の高い成分が蒸発することによる高い室内保管温度で起こりうる問題が防止される。45gの炭酸カリウムと5gの重炭酸カリウムの組み合わせを選択することによって、炭酸および重炭酸の適切な量が供給され、またpHが適切に調整されることに注意すべきである。当分野でよく知られているように、代替的に50gの重炭酸カリウムを(炭酸カリウムなしで)使用してもよく、次いで適切な量の水酸化カリウム(塩基)を添加すればpHを所望の値に上げることができる。
DF-200HFスラリー迅速展開用
本発明はまた、DF-200HFスラリー実施例の、迅速展開実施例の2−パートキット構成であり(「DF-200HFスラリー迅速展開」)、ここではTAED(又は他の固形過酸化物活性剤)を漂白活性剤として利用する。迅速展開構成の該例もまた、現地で追加の水を加える必要がない(量は具体例)。
DF-200HF-スラリー迅速展開(2-パートキット)
パートA(液体発泡体成分):
20g Variquat 80MC
10g Adogen 477
4g 1-ドデカノール
5g ポリ(エチレングリコール)
8g ジエチレングリコールモノブチルエーテル
5g イソブタノール
50g 重炭酸カリウム
28g 水酸化カリウム(パートAのpHは約10.4とすべきである)
953g 水

パートB(固体酸化剤成分):
97g 過酸化尿素
30g TAED(好ましくはWarwick International B637のようなカプセル化形態)
該製剤により、1リットルの発泡体溶液が生成する。最終的な製剤のpHを9.6〜9.8に調整することにより最適性能が可能である。次のような手順を用いて製剤を混合できる。パートBをパートAに混合する。次いで、TAEDが過酸化水素と反応する時間として少なくとも1分間待つ。好ましくは8時間以内に使用する。TAEDはすぐに水に溶解しないが、少なくとも15〜20分間は固体小片として残存することに注意すると有用である。従って、溶けていないTAED小片が展開装置のポンプまたは他の構成部品のどれにも損傷を与えたり、詰まったりしないように、フィルターまたは網が必要となる。しかし、該製剤はパートB中のTAED小片をパートAに添加して約1分後には使用できる。
該構成でTAEDのカプセル化形態を採用することは、2つの理由で有用である。第1に、保護コーティング(ゆっくりと水に溶ける)がTAEDを保護するので、保管中に尿素過酸化水素と反応しない。第2に、該コーティングは、過酸化尿素が溶解して製剤のpHが約9.9より低い値に下がるまで、パートA中の高pH状態からTAEDを保護する。TAEDの望まし
い使用方法はプロピレングリコールアセテートと同様であって、活性剤を高pH溶液への曝露から保護する。TAEDはpHが9.9より高い溶液に曝露された場合、漂白活性剤としての効
力の大半を失う。従って、カプセル化型TAEDを使用することにより、パートBをパートAへ混合した直後の、高pH状況への曝露が最小になる。DF-200HFスラリー迅速展開用の化学薬剤擬似物に対する性能を、下記の表11に示す。
炭疽菌胞子擬似物(バチルスグロビジ胞子)に対する試験から、DF-200HFスラリー迅速展開用に30分間曝露した後の殺傷率は99.9999%(7-log)であることが示された。

DF-200HFスラリー迅速展開の現地混合手順例の概略を図3に示す。

上記はDF-200製剤についての迅速展開構成の数例にすぎない。当業者には明らかなように、他の迅速展開構成は本明細書中に示した基本的な配慮事項を利用すれば可能である。
本発明はまた、迅速展開構成の発泡性成分(パートA)の調製方法でもある。以下に、該方法の1つの例を以下に示す。
1.適量の水を混合容器に入れる。
2.混合容器中で水を攪拌する間に重炭酸塩を加える。完全に溶解するまで攪拌
する。
3.迅速で攪拌する間に、ポリ(エチレングリコール)ポリマーをゆっくりと混
合容器に加える。
4.混合容器中の発泡体溶液を攪拌する間に、Variquat 80MCを加える。完全に
混合するまで攪拌する。
5.混合容器中の発泡体溶液を攪拌する間に、Adogen 477を加える。完全に混
合するまで攪拌する。塊にならないよう注意する。最低約30分間攪拌する。
6.別の容器に、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、イソブタノール、
および1-ドデカノールを混合する。攪拌しながらこの混合物を該発泡体溶液
にゆっくりと加える。
7.混合容器中の該発泡体溶液を攪拌する間に、pHが適当な値になるまでゆっ
くりと固体KOHを加える。
他のDF-200製剤
本発明はまた、以下の他のDF-200製剤でもある。
1.溶液の凝固点を降下させるプロピレングリコールを含む他の製剤。
2.過酸化水素の固体源として過炭酸ナトリウムを利用する他の製剤。
3.腐食防止剤を含む他の製剤。
4.皮膚洗浄などの操作のために、粘性ビルダーとしてグリセロールを含む他の
製剤。
5.固体状で入手可能な漂白活性剤を含む、O-アセチル漂白活性剤を利用する他
の製剤。
6.ニトリル基を含む漂白活性剤を利用する他の製剤。
プロピレングリコールを用いたDF-200
以下は、凝固点降下剤としてプロピレングリコールを含むDF-200HFについての2−パートキット構成の第1の例であり、ここでは全ての水はパートAに「予めパッケージされて」おり、次のものを含む(量は具体例)。
プロピレングリコールを用いたDF-200HF迅速展開、
第1の例(2-パートキット)
パートA(液体発泡体成分):
20g Variquat 80MC
10g Adogen 477
20g ポリ(ジエチレングリコール)(MW8000)
8g ジエチレングリコールモノブチルエーテル
5g イソブタノール
4g 1-ドデカノール
20g プロピレングリコールジアセテート
150g プロピレングリコール(凝固点降下剤)
約6gの10%HCl溶液(パートAの最終pHを2.5とするのに十分である)
777g 水

パートB(固体添加剤):
97g 過酸化尿素
12g 重炭酸カリウム
38g 炭酸カリウム(最終的なpHを調整する緩衝剤)
この製剤により、1リットルの発泡体溶液が生成する。最終的な製剤のpHを約9.6〜9.8に調整することにより最適性能が可能である。パートBで用いる炭酸カリウムと重炭酸カリウムの比率を調整することにより該製剤の所望の最終pH(好ましくは約9.6〜約9.8)が得られることは当業者により了解される。従って、本実施例において、炭酸カリウムの機能は炭酸塩/重炭酸塩の塩基であると共に供給源でもある。該製剤を調製するために、パートBをパートAに混合する。好ましくは8時間以内に使用する。プロピレングリコールを用いたDF-200HFの第1の実施例の、化学薬剤擬似物に対する性能を表12に示す。
Figure 0004582514
炭疽菌胞子擬似物(バチルスグロビジ胞子)に対する試験から、プロピレングリコールを用いたDF-200HFに30分間曝露した後の殺傷率は99.9999%(7-log)であることが示された。
全ての水がパートAに「予めパッケージされて」いる場合、2つのパートのみで構成されているので、使用にあたっての製剤混合は非常に短時間でを行うことができる。従って、化学および生物兵器薬剤に関与する事件の場面で、非常に迅速に展開することができる。この構成は、民間の最初の応答者(消防士、危険物取扱人、警官および生物化学兵器の攻撃場所に最初に到着する他の人々)が使用するためには理想的である。しかし、これは現地で水を添加する他の構成より持ち運びに重くなる。
該構成ではまた、漂白活性剤およびプロピレングリコールジアセテートが発泡体成分パートAに組み込まれている(分離した第3の成分として保管せずに)。これは発泡体成分のpHが3未満なので可能である。プロピレングリコールジアセテートはpH3より大きい溶液中で加水分解するが、pH3未満の溶液中では加水分解的に安定である。該構成はまた、増粘剤としてポリエチレングリコールポリマー(PEG8000)を使用する。該ポリマーは多くの化粧品で用いられ、極めて水溶性および水安定性である。さらに、凝集性がないので、Jaguar 8000または高分子量ポリ(エチレンオキシド)よりも溶液への混合が容易である。
該構成は凝固点降下剤としてプロピレングリコールを含む。プロピレングリコールは環境に配慮した不凍液であると認められている。この場合、濃度は約15重量%であり、これによりパートAの凝固点が約20℃降下する。該構成はまた、約40重量%程度の高い濃厚プロピレングリコールを用いて試験を行ってもよい結果が得られた。
上記のプロピレングリコールを用いたDF-200HFの第1の例の別の手段は、尿素過酸化水素を用いる代わりに、過炭酸ナトリウムをパートB中の重炭酸の源および過酸化物の一部として用いることである。該代替物は、過炭酸ナトリウムが過酸化尿素ほど高価でないので有用である。該プロピレングリコールを用いたDF-200HFの第2の例を以下に示す(量は具体例)。
プロピレングリコールを用いたDF-200HF迅速展開、
第2の例(2-パートキット)
パートA(液体発泡体成分):
20g Variquat 80MC
10g Adogen 477
20g ポリ(エチレングリコール)(MW8000)
8g ジエチレングリコールモノブチルエーテル
5g イソブタノール
4g 1-ドデカノール
20g プロピレングリコールジアセテート
150g プロピレングリコール(凝固点降下剤)
約6gの10%HCl溶液(パートAの最終pHを2.5とするのに十分である)
777g 水

パートB(固体添加剤):
90g 過炭酸ナトリウム
15g クエン酸(最終的なpHを調整する緩衝剤)
この製剤により、1リットルの発泡体溶液が生成する。最終的な製剤のpHを約9.6〜9.8に調整することによって最適性能が可能である。次のような混合手順を用いることができる。パートBをパートAに混合する。好ましくは8時間以内に使用する。代替的に、pHを調整するためにクエン酸の代わりに重硫酸ナトリウム(一般的なプール調質化学薬品)または他の酸を使用することができる。該プロピレングリコールを用いたDF-200HFの第2の例(過炭酸ナトリウムを利用)の化学薬剤擬似物に対する性能を表13に示す。
Figure 0004582514
一般的に、過炭酸ナトリウムはパートAに加えた後、尿素過酸化水素よりもゆっくり溶解する。しかし、本構成における使用では溶解速度を高めるために、過炭酸ナトリウムを約100メッシュサイズまで粉砕することができる。粉砕した過炭酸ナトリウムを使用した場合、過炭酸ナトリウムの溶解時間は、約30分から約2分に縮小される。
腐食抑制剤を用いたDF-200
DF-200製剤に腐食抑制剤を添加して、腐食を減少させることができる。DF-200製剤での使用に好ましい腐食抑制剤は、N,N-ジメチルエタノールアミンである。しかし、トリエタノールアミン、C9、C10およびC12二価酸混合物のエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩、並びにN,N-ジベンジルアミンなどの他の腐食抑制剤を使用することができる。DF-200製剤に添加される腐食抑制剤は以下の多様な目的に機能することができる。
1.腐食防止剤
2.pH緩衝剤
3.1-ドデカノールを溶液中に保持するための溶媒、および
4.サリンまたはマスタードなどの不溶性化学薬剤を可溶化するための共溶媒
腐食抑制剤を用いたDF-200HFの3-パートキット構成の例には、次のものが含有される(量は具体例)。
腐食抑制剤を用いたDF-200HF迅速展開(3-パートキット)
パートA(液体発泡体成分):
20g Variquat 80MC
10g Adogen 477
4g 1-ドデカノール
5g ポリ(エチレングリコール)
10g N,N-ジメチルエタノールアミン(腐食抑制剤)
50g 重炭酸カリウム
約18g 水酸化カリウム(パートAの最終pHを10.2とするのに十分)
936g 水

パートB(固体酸化剤成分):
90g 過酸化尿素

パートC:(液体漂白活性剤):
20g プロピレングリコールジアセテート
この製剤により、1リットルの発泡体溶液が生成する。最終的な製剤のpHを約9.6〜9.8に調整することにより最適性能が可能である。次のような混合手順を用いることができる。パートBをパートAに混合する。次いで、過酸化尿素の溶解後、パートCをパートA+Bに加える。好ましくは8時間以内に使用する。腐食抑制剤を用いたDF-200HFの化学薬剤擬似物に対する性能を、下記の表14に示す。
炭疽菌胞子擬似物(バチルスグロビジ胞子)に対する試験から、腐食抑制剤を用いたDF-200HFに60分間曝露した後の殺傷率は99.9999%(7-log)であることが示された。腐食抑制剤の添加は、化学薬剤に対するDF-200の性能に不利益な影響を有するが、生物薬剤に対するDF-100HFの性能には測定される程の影響はない。代替的な腐食抑制剤であるトリエタノールアミン1%を使用した場合にも同様な結果が得られた。
グリセリンを用いたDF-200
DF-200製剤の他の実施例では、Jaguar 8000、ポリ(エチレンオキシド)、またはポリエチレングリコールの代わりに粘性ビルダーとしてグリセリンを使用することができる。グリセリンは化粧品における一般的な成分であり、粘性ビルダーと同様に溶剤、潤湿剤および皮膚軟化剤に使用される。従って、DF-200製剤でのグリセリンの使用は、以下の多様な目的に機能することができる。
1.粘性ビルダー
2.湿潤剤(すなわち皮膚に潤いを与える物質)
3.1−ドデカノールを溶液中に保持するための溶媒、および
4.サリンまたはマスタードなどの不溶性化学物質を可溶化するための共溶媒。
グリセリンを用いたDF-200HFの3-パートキット構成の例には、次のものが含有される(量は具体例)。

グリセリンを用いたDF-200HF迅速展開(3-パートキット)
パートA(液体発泡体成分):
20g Variquat 80MC
10g Adogen 477
4g 1-ドデカノール
40g グリセリン(粘性ビルダー)
40g 重炭酸カリウム
約17g 水酸化カリウム(パートAの最終pHを10.2とするのに十分)
906g 水

パートB(固体酸化剤成分):
97g 過酸化尿素

パートC:(液体漂白活性剤):
20g プロピレングリコールジアセテート
この製剤により、1リットルの発泡体溶液が生成する。最終的な製剤のpHを約9.6〜9.8に調整することにより最適性能が可能である。次のような混合手順を用いることができる。パートBをパートAに混合する。次いで、過酸化尿素の溶解後、パートCをパート+/Bに加える。好ましくは8時間以内に使用する。グリセリンを用いたDF-200HFの化学薬剤擬似物に対する性能を、下記の表15に示す。
炭疽菌胞子擬似物(バチルスグロビジ胞子)に対する試験から、グリセリンを用いたDF-200HFに30分間曝露した後の殺傷率は99.9999%(7-log)であることが示された。
該製剤は、グリセリンが潤湿剤として働くので、ヒトへの直接塗布に使用することができる。該製剤は、例えばスプレーやシャワーとして発泡剤成分(1-ドデカノールおよびAdogen 477など)を除去することによって、および過酸化物の濃度を減少させることによって利用することができる。しかし、グリセリンの使用の欠点は、かなり高温(10℃より下の)で固体であることである。従って、制御温度状態(すなわち温暖状態)で使用するのが好ましい。
前述のDF-200構成の多くで使用した漂白活性剤、プロピレングリコールジアセテートは、現在のところ固体で入手できない。しかし他の漂白活性剤は固体で入手できる。
塩化アセチルコリンを用いたDF-200
固体O-アセチル漂白活性剤(点眼溶液にしばしば用いられる塩化アセチルコリンなど)を、(液体)プロピレングリコールジアセテートの代わりにDF-200製剤で使用することができる。該O-アセチル漂白活性剤の化学構造を下記に示す。見てのとおり、該分子は過酸化物を活性化するO-アセチル基を含み、DF-200製剤と非常に適合する第4化合物である。塩化アセチルコリンはまた水溶性でもあり、非常に吸湿性がある。
Figure 0004582514
塩化アセチルコリンを用いたDF-200HFの2−パートキット構成の例には、次のものが含有される(量は具体例)。
塩化アセチルコリンを用いたDF-200HF迅速展開(2-パートキット)
パートA(液体発泡体成分):
20g Variquat 80MC
10g Adogen 477
30g ポリ(エチレングリコール)(MW 8000)
8g ジエチレングリコールモノブチルエーテル
5g イソブタノール
4g 1−ドデカノール
150g プロピレングリコール
50g 重炭酸カリウム
約17g 水酸化カリウム(パートAの最終pHを10.2とするのに十分)
803g 水

パートB(固体添加剤):
97g 過酸化尿素
25g 塩化アセチルコリン(固体漂白活性剤)
この製剤により、1リットルの発泡体溶液が生成する。最終的な製剤のpHを約9.6〜9.8に調整することにより最適性能が可能である。該製剤を使用するためには、パートBをパートAに混合する。好ましくは8時間以内に使用する。塩化アセチルコリンを用いたDF-200HFの化学薬剤擬似物に対する性能を、下記の表16に示す。
Figure 0004582514
炭疽菌胞子擬似物(バチルスグロビジ胞子)に対する試験から、塩化アセチルコリンを用いたDF-200HFに30分間曝露した後の殺傷率は99.9999%(7-log)であることが示された。
他の2つのO-アセチル漂白活性剤、モノアセチン(グリセロールモノアセテート)およびジアセチン(グリセロールジアセテート)についても、DF-200製剤におけるそれらの有効性の試験を行った。これらの化合物のいずれも、極めて有効な漂白活性剤であることが証明された。これらの化合物は水溶性の液体である。
実験により、DF-200製剤中の過酸化物はまた、化学薬剤および生物薬剤擬似物の両方の中和について、例えば2%濃度で、4-シアノ安息香酸(水溶性)などのニトリル含有化合物によって有効に活性化されることも示された。
過酢酸を用いたDF-200
DF-200における酸化剤として過酸化水素の代わりに過酢酸を用いて試験を行った。次の製剤を用いた。
2% Variquat 80MC(カチオン界面活性剤)
2% 過酢酸(酸化剤)
5% 重炭酸カリウム(緩衝剤および活性剤)
91% 水
固体KOHでpHを9.8に調整し、マスタード、VXおよび炭疽菌胞子の擬似物に対する該製剤の試験を行った。化学薬剤擬似物に対する該製剤の性能を表17に示す。
Figure 0004582514
炭疽菌胞子擬似物(バチルスグロビジ胞子)に対する試験から、2%過酢酸を用いたDF-200HFに30分間曝露した後の殺傷率は、99.9999%(7-log)であることが示された。
さらに高濃度(3.5%)の過酢酸を用いたDF-200についての試験も、以下の製剤で行った。
2% Variquat 80MC(カチオン界面活性剤)
3.5% 過酢酸(酸化剤)
5% 重炭酸カリウム(緩衝剤および活性剤)
89.5% 水
固体KOHでpHを9.8に調整し、マスタード、VXおよび炭疽菌胞子の擬似物に対する該製剤の試験を行った。化学薬剤擬似物に対する該製剤の性能を表18に示す。
Figure 0004582514
この結果は、酸化剤代替物として過酢酸を用いることは化学薬剤擬似物に対して有効であることを示すが、酸化剤として活性化過酸化水素(すなわち、過酸化水素、重炭酸塩およびプロピレングリコールジアセテートの組合せ)を用いたDF-200製剤ほど有効ではない。しかし、2〜3.5%過酢酸を用いたDF-200製剤は、胞子殺傷には非常に有効である。それでもなお、該酸化剤の使用は過酸化水素ほど魅力的ではない。なぜなら過酢酸は現在のところ、安全で便利な固体で入手することができず、その液体の保存寿命は比較的短いからである。
また、酸化剤として過酢酸を利用したDF-200製剤において、胞子殺傷に必要な最少構成を決定するための試験を行った。これらの結果は、高い胞子殺傷率を達成するためには、わずか3つの成分、すなわち過酢酸、重炭酸塩およびカチオン界面活性剤が必要となることを示す。
DF-200HFを用いた生存薬剤試験
3種の化学薬剤(ソマン(「GD」)、VXおよびマスタード(「HD」))並びに2つの生物薬剤(炭疽菌胞子およびペスト菌)に対して生存薬剤試験を行った。化学薬剤におけるDF-200HF(3-パート構成を使用)の動的試験の結果を、表19に示す。
Figure 0004582514
GDをDF-200HFに曝露した後、メチルホスホン酸(MPA)およびピナコリルメチルホスホン酸(PMPA)が副生成物として同定された。VXをDF-200HFに曝露した後、エチルメチルホスホン酸(EMPA)およびMPAが副生成物として同定された。このことから、VXの駆除はEA2192(VX分解中にも生成される有毒副生成物)へではなくて、ホスホン酸へのより望ましい経路を辿ることが示された。最後に、HDをDF-200HFに曝露した後、HDの初期分解生成物にはスルホキシドおよびスルホン副生成物の混合物が含有されるが、60分後にはこれらの各副生成物はそれぞれほぼ完成に消失する。
炭疽菌胞子に対する試験結果を表20および21に、ペスト菌(すなわち疫病バクテリア)に対する試験結果を表22に示す(NGは「増殖なし」を示す)。これらの試験についての検出限界は、10CFU/mlであった。「減少%」欄の「誤差バー」は、この検出限界を織り込んでいることに留意されたい。
Figure 0004582514
Figure 0004582514
Figure 0004582514
DF-200HFは胞子の成長をただ抑制したのではなく実際に殺傷したことを確認するために、これら各試験で細胞増殖に使用したペトリ皿を試験後21日間保存した。21日経過後、いずれのペトリ皿にも増殖は観察されなかった。
DF-200HFを用いた有毒産業用化学薬品試験
さまざまな有毒工業用化学薬品(TIC)についてもDF-200HFに対する試験を行ってきた。これまでのTIC試験の概要およびこれらの試験結果を、表23に示す。なお、マラチオン、ブチルイソシアネート、シアン化ナトリウムおよび二硫化炭素についての結果は発泡体溶液中の未反応化学薬品を分析して得たが、一方ホスゲンについての結果は発泡体固体の上部空間の化学薬品を分析して得たことに注意されたい。これらの結果は、これらの有毒工業用化学薬品の中和に非常に効果的であることを実証するものである。
Figure 0004582514
前記の実施例で用いた反応剤および/または作業状態を本発明の包括的にまたは具体的に述べたものに置き換えて前記の実施例を繰り返しても同様の成果が得られる。
これらの好適な実施例を特別に引用して本発明を詳細に記載してきたが、他の実施例でも同様の結果を得ることができる。本発明の変更および修正は当業者にとって明らかであり、そのような全ての変更および修正は本発明の特許請求の範囲に含まれる。上記に引用した全ての参考文献、出願、特許および刊行物の開示内容は全て参照により本明細書に援用される。
添付図面は、本明細書に編入されて本明細書の一部を構成し、本発明の1以上の実施態様を図解するものであり、詳細な説明と一体となって本発明の原理の説明を支援する。図面の目的は、1以上の好ましい本発明実施態様を図解するにとどまり、本発明を限定するものと解釈してはならない。

は、バチルスグロビジ(炭疽菌擬似体)胞子殺傷に対するDF-200の効果を示すグラフである。 は、本発明の第一迅速展開用構成の好ましい混合手順を示す模式図である(「DF-200HF迅速展開用」)。 は、本発明の第二迅速展開用構成の好ましい混合手順を示す模式図である(「DF-200HFスラリー迅速展開用」)。

Claims (49)

  1. 少なくとも1の毒物の中和に使用する製剤であって、該製剤が:
    少なくとも2の可溶化剤であって、その少なくとも1の可溶化化合物は陽イオン界面活性剤であり、少なくとも1の可溶化化合物は陽イオンヒドロトロープである可溶化剤;
    少なくとも1の反応性化合物であって、該少なくとも1の反応性化合物は過酸化水素、過酸化尿素、ヒドロパーオキシ炭酸塩、過酢酸、過ホウ酸ナトリウム、パーオキシピロリン酸ナトリウム、パーオキシケイ酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウムから成る群から選択される反応性化合物;および
    O-アセチル、N-アセチルおよびニトリル基漂白活性剤から成る群から選択される少なくとも1の漂白活性剤;
    を含み、
    該少なくとも2の可溶化剤、該少なくとも1の反応性化合物および該少なくとも1の漂白活性剤が、水と混合され、かつ、その少なくとも1の毒物に曝露されると、その少なくとも1の毒物を中和することを特徴とする製剤。
  2. 該陽イオン界面活性剤が4級アンモニウム塩を含むことを特徴とする請求項1に記載の製剤。
  3. 該4級アンモニウム塩が、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、臭化テトラブチルアンモニウムおよび塩化ベンジル(C12−C16)アルキルジメチルアモニウムの混合物から成る群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の製剤。
  4. さらに水溶性ポリマーを含む請求項1に記載の製剤。
  5. 該水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコール、グアガム、(陽イオンまたは非イオン)塩化ポリジアリルジメチルアンモニウム、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレンオキサイド)、グリセロール、ポリエチレングリコール8000(PEG8000)およびJAGUAR 8000(登録商標)(グアガム2-ヒドロキシプロピルエーテル)、並びに、それらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の製剤。
  6. 1分子当たり炭素原子8〜20個を含む脂肪アルコールをさらに含む請求項1に記載の製剤。
  7. 溶媒をさらに含む請求項1に記載の製剤。
  8. 溶媒が、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテルおよびジエチレングリコールモノブチルエーテル、並びに、それらの組み合わせから成る群の中の1つであることを特徴とする請求項7に記載の製剤。
  9. 炭酸塩をさらに含む請求項1に記載の製剤。
  10. 炭酸塩が重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、重炭酸水素アンモニウム、重炭酸リチウム、炭酸アンモニウムおよび炭酸カリウム、並びに、それらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする請求項9に記載の製剤。
  11. 該少なくとも1の漂白活性剤が水溶性であることを特徴とする請求項1に記載の製剤。
  12. 該少なくとも1の水溶性漂白活性剤が、塩化アセチルコリン、モノアセチン(グリセロールモノアセテート)、ジアセチン(グリセロールジアセテート)、4-シアノ安息香酸、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸メチル、グルタル酸ジメチル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グリセロールジアセテート(ジアセチン)、グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテートおよびプロピレングリコールジアセテート、並びに、それらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする請求項11に記載の製剤。
  13. 該少なくとも1の漂白活性剤が水不溶性であることを特徴とする請求項1に記載の製剤。
  14. 該少なくとも1の水不溶性パーオキサイド活性剤が、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、n-ノナノイルオキシベンゼンスルフォネート(NOBS)およびN-アセチルグルコサミン、並びに、それらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする請求項13に記載の製剤。
  15. 製剤が、水と混合した場合、9.6〜9.8のpH値を持つことを特徴とする請求項1に記載の製剤。
  16. 少なくとも1の毒物の中和に使用する製剤であって、該製剤が:
    少なくとも1の陽イオン界面活性剤;
    少なくとも1の反応性化合物であって、該少なくとも1の反応性化合物が過酸化水素、過酸化尿素、ヒドロパーオキシ炭酸塩、過酢酸、過ホウ酸ナトリウム、パーオキシピロリン酸ナトリウム、パーオキシケイ酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウムから成る群から選択する反応性化合物;
    O-アセチル、N-アセチルおよびニトリル基漂白活性剤から成る群から選択される少なくとも1の漂白活性剤;および
    前記少なくとも1の反応性化合物でない少なくとも1の炭酸塩;
    を含み、
    該少なくとも1の界面活性剤、該少なくとも1の反応性化合物、該少なくとも1の漂白活性剤、および該少なくとも1の炭酸塩が、水と混合され、その少なくとも1の毒物に曝露されると、その少なくとも1の毒物を中和することを特徴とする製剤。
  17. 製剤が、水と混合すると、9.6〜9.8のpH値を持つことを特徴とする請求項16に記載の製剤。
  18. 該陽イオン界面活性剤が4級アンモニウム塩を含むことを特徴とする請求項16に記載の製剤。
  19. 該4級アンモニウム塩が塩化ベンザルコニウムであることを特徴とする請求項18に記載の製剤。
  20. 該少なくとも1の炭酸塩が重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、重炭酸水素アンモニウム、重炭酸リチウム、炭酸アンモニウムおよび炭酸カリウム、並びに、それらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする請求項16に記載の製剤。
  21. 該少なくとも1の陽イオン界面活性剤、該少なくとも1の反応性化合物、該少なくとも1の漂白活性剤および該少なくとも1の炭酸塩から成る請求項16に記載の製剤。
  22. 該少なくとも1の漂白活性剤が水溶性であることを特徴とする請求項16に記載の製剤。
  23. 該少なくとも1の水溶性漂白活性剤が、塩化アセチルコリン、モノアセチン(グリセロールモノアセテート)、ジアセチン(グリセロールジアセテート)、4-シアノ安息香酸、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸メチル、グルタル酸ジメチル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グリセロールジアセテート(ジアセチン)、グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテートおよびプロピレングリコールジアセテート、並びに、それらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする請求項22に記載の製剤。
  24. キットの構成で包装されている請求項1に記載の製剤。
  25. 該キットの構成が:
    該少なくとも2の可溶化剤を含む予備混合成分;
    該少なくとも1の漂白活性剤を含む第一成分;および
    該少なくとも1の反応性化合物を含む第2成分
    から成ることを特徴とする請求項24に記載の製剤。
  26. さらに水と塩基を含む請求項25に記載の製剤。
  27. 該予備混合成分がさらに水溶性ポリマーを含むことを特徴とする請求項25に記載の製剤。
  28. 該少なくとも1の水溶性漂白活性剤が、プロピレングリコールジアセテート、グリセロールジアセテートおよびTAED、並びに、それらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする請求項25に記載の製剤。
  29. 該予備混合成分が、さらに、1分子当たり炭素原子8〜20個の脂肪アルコールを含むことを特徴とする請求項25に記載の製剤。
  30. 該少なくとも1の反応性化合物が過酸化尿素を含み、該少なくとも1の反応性化合物を含む前記第2成分が、さらに、過炭酸ナトリウムを含むことを特徴とする請求項25に記載の製剤。
  31. 該予備混合成分が、さらに、短鎖アルコールを含むことを特徴とする請求項25に記載の製剤。
  32. 該キットの構成が:
    該少なくとも2の可溶化剤と水を含む第1予備混合成分;
    および
    該少なくとも1の漂白活性剤と該少なくとも1の反応性化合物を含む第2予備混合成分を含み、その場合、該少なくとも1の漂白活性剤が固体状態であることを特徴とする請求項25に記載の製剤。
  33. 第1予備混合成分が、さらに、酸を含むことを特徴とする請求項32に記載の製剤。
  34. 該少なくとも1の漂白活性剤が塩化アセチルコリンを含むことを特徴とする請求項32に記載の製剤。
  35. 該少なくとも1の反応性化合物が過酸化尿素を含み、該少なくとも1の漂白活性剤がTAEDを含むことを特徴とする請求項32に記載の製剤。
  36. 該少なくとも1の漂白活性剤をカプセル化し、該少なくとも1の反応性化合物との早期反応を防止することを特徴とする請求項32に記載の製剤。
  37. 該キットの構成が:
    該少なくとも2の可溶化剤と該少なくとも1の漂白活性剤を含む予備混合成分;および
    該少なくとも1の反応性化合物
    を含むことを特徴とする請求項32に記載の製剤。
  38. 該予備混合成分が、さらに、水と酸を含むことを特徴とする請求項37に記載の製剤。
  39. 該少なくとも1の反応性化合物を含む該成分が、過炭酸ナトリウムを含み、さらに、酸を含むことを特徴とする請求項37に記載の製剤。
  40. 該少なくとも1の反応性化合物が過酸化尿素を含み、該少なくとも1の反応性化合物を含む成分が、さらに、炭酸カリウムと重炭酸カリウムの混合物を含むことを特徴とする請求項37に記載の製剤。
  41. 少なくとも1の毒物の中和に使用する製剤であって、該製剤が:
    少なくとも1の陽イオン界面活性剤;
    少なくとも1の反応性化合物であって、該少なくとも1の反応性化合物が過酸化水素、過酸化尿素、ヒドロパーオキシ炭酸塩、過酢酸、パーオキシピロリン酸ナトリウム、パーオキシケイ酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウムから成る群から選択される反応性化合物;
    O-アセチル、N-アセチル、ニトリル基漂白活性剤、塩化アセチルコリン、モノアセチン(グリセロールモノアセテート)、ジアセチン(グリセロールジアセテート)、4-シアノ安息香酸、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸メチル、グルタル酸ジメチル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グリセロールジアセテート(ジアセチン)、グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテートおよびプロピレングリコールジアセテート、並びに、それらの組み合わせから成る群から選択する少なくとも1の水溶性漂白活性剤;および
    前記少なくとも1の反応性化合物でない少なくとも1の炭酸塩;
    を含み、
    該少なくとも1の界面活性剤、該少なくとも1の反応性化合物、および該少なくとも1の漂白活性剤が、水と混合され、その少なくとも1の毒物に曝露されると、その少なくとも1の毒物を中和することを特徴とする製剤。
  42. 該陽イオン界面活性剤が4級アンモニウム塩を含むことを特徴とする請求項41に記載の製剤。
  43. 該4級アンモニウム塩が塩化ベンザルコニウムであることを特徴とする請求項42に記載の製剤。
  44. さらに、少なくとも1の炭酸塩を含む請求項41に記載の製剤。
  45. 該少なくとも1の炭酸塩が重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、重炭酸水素アンモニウム、重炭酸リチウム、炭酸アンモニウムおよび炭酸カリウム、並びに、それらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする請求項44に記載の製剤。
  46. 製剤が、水と混合すると、9.6〜9.8のpH値を持つことを特徴とする請求項41に記載の製剤。
  47. 該少なくとも1の陽イオン界面活性剤、該少なくとも1の反応性化合物、該少なくとも1の水溶性漂白活性剤、および該少なくとも1の炭酸塩から成る請求項41に記載の製剤。
  48. 以下から成る請求項41に記載の製剤:
    1〜10重量% 塩化ベンザルコニウム
    1〜8重量% プロピレングリコールジアセテート
    1〜16重量% 過酸化水素および
    2〜8重量% 重炭酸カリウム
    残りを水で100重量%とする
  49. 少なくとも1の毒物の中和に使用する製剤であって、該製剤が:
    陽イオンヒドロトロープと1分子当たり炭素原子8〜20個の脂肪アルコールから成る群から選択される少なくとも1の可溶化剤;
    少なくとも1の反応性化合物であって、該少なくとも1の反応性化合物が過酸化水素、過酸化尿素、ヒドロパーオキシ炭酸塩、過酢酸、過ホウ酸ナトリウム、パーオキシピロリン酸ナトリウム、パーオキシケイ酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウムから成る群から選択される反応性化合物;および
    O-アセチル、N-アセチルおよびニトリル基漂白活性剤から成る群から選択される少なくとも1の漂白活性剤
    を含み、
    該少なくとも1の可溶化剤、該少なくとも1の反応性化合物および該少なくとも1の漂白活性剤が、水と混合され、その少なくとも1の毒物に曝露されると、その少なくとも1の毒物を中和することを特徴とする製剤。
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