JP4582125B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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この発明は、電力変換装置に関する。
インバータの代表的な回路構成としては、整流回路と平滑回路を介して商用交流を直流に変換し、電圧形変換器により所望の交流を出力する間接形交流電力変換回路が一般に用いられている。一方、交流電圧から直接交流出力を得る方式としては、マトリックスコンバータを代表とする直接形電力変換装置が知られており、商用周波数による電圧脈動を平滑する大型のコンデンサやリアクトルが不要となることから、変換装置の小型化が期待でき、次世代の電力変換装置として近年注目されつつある。
従来の直接形電力変換装置としては、三相交流電圧を直流電圧に変換するPWM整流器と、上記PWM整流器により変換された直流電圧を所定の三相交流出力電圧に変換するPWMインバータとを備えたものがある(例えば、特開2004−266972号公報(特許文献1)参照)。
この直接形電力変換装置は、入力電流指令に基づいて台形波指令信号を生成し、台形波指令信号とキャリヤ信号とを比較して、PWM整流器のスイッチング回路をオンオフするPWM変調信号を生成している。また、上記キャリヤ信号を変形した三角波と出力電圧指令とを比較して、PWMインバータのスイッチング回路をオンオフするPWM変調信号を生成している。
しかしながら、上記直接形電力変換装置では、入力電流指令に基づいて演算により台形波指令信号を生成するので、制御部の演算負荷が増加するという問題がある。
また、上記直接形電力変換装置では、PWMインバータ側のキャリヤ波形を変形させる必要があるため、変調波形生成が複雑であり、制御回路が複雑になるという問題がある。また、PWM整流器とPWMインバータに対して、キャリヤ信号を供給するキャリヤ生成回路を別々に用いた場合も、制御部の回路が複雑になるという問題がある。
特開2004−266972号公報
そこで、この発明の課題は、簡単な構成で制御部の演算負荷を低減できる電力変換装置を提供することにある。
また、この発明のもう1つの課題は、制御部の回路を簡略化できる電力変換装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、第1の発明の電力変換装置では、
空間ベクトル変調方式によりPWM変調信号を生成するPWM変調信号生成部と、
上記PWM変調信号生成部からの上記PWM変調信号に基づいて、三相交流入力電圧を直流電圧に変換するか、または、直流電圧を三相交流出力電圧に変換する変換部と
を備え、
上記PWM変調信号生成部は、
上記変換部において、上記三相交流入力電圧または上記三相交流出力電圧の各相に接続された対となる上アーム側のスイッチング素子と下アーム側のスイッチング素子の一方がオンして他方がオフするようにして、上記上アーム側のスイッチング素子のうちの1つがオンして他の2つがオフする第1のスイッチング状態と、上記上アーム側のスイッチング素子のうちの2つがオンして他の1つがオフする第2のスイッチング状態と、上記上アーム側のスイッチング素子の3つがオンまたはオフする第3のスイッチング状態とを組み合わせて、π/3毎に異なる6つの電圧ベクトルV ,V ,V ,V ,V ,V を選択する上記空間ベクトル変調方式に基づいてキャリヤ周期をT0、上記三相交流入力電圧または上記三相交流出力電圧に同期した基準信号の位相角をφとするとき、上記位相角φが0≦φ≦π/3において選択される上記電圧ベクトルV の出力時間τ 4 と上記電圧ベクトルV の出力時間τ 6 が、
Figure 0004582125
(ただし、0≦φ≦π/3)
で表され
上記位相角φが0からπ/3毎に、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V を順に選択して、
上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とし、
上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とし、
上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とし、
上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とし、
上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とすることにより、上記PWM変調信号を生成することを特徴とする。
上記構成の電力変換装置によれば、上記指令信号生成部が、空間ベクトル変調方式に基づいて出力すべき電圧ベクトルを用い、キャリヤ周期をT0、三相交流入力電圧または三相交流出力電圧に同期した基準信号の位相角をφとするとき、
Figure 0004582125
(ただし、0≦φ≦π/3)
で表される出力時間τ46の電圧ベクトルに基づいて、PWM変調信号を生成することによって、複雑な演算により指令信号を形成する必要がなく、簡単な構成で制御部の演算負荷を低減できる。
また、第2の発明の電力変換装置では、
三相交流入力電圧を直流電圧に変換するコンバータ部と、上記コンバータ部により変換された上記直流電圧を所定の三相交流出力電圧に変換するインバータ部とを備え、上記コンバータ部と上記インバータ部とを接続する直流リンク部に平滑用のフィルタを有しない電力変換装置であって、
空間ベクトル変調方式により上記三相交流入力電圧に同期した基準信号の位相角に基づいてコンバータ部用PWM変調信号を生成するコンバータ部用PWM変調信号生成部と、
上記所定の三相交流出力電圧を出力するためのインバータ部用PWM変調信号を生成するインバータ部用PWM変調信号生成部と、
上記コンバータ部用PWM変調信号生成部からの上記コンバータ部用PWM変調信号に基づいて、上記インバータ部用PWM変調信号生成部により生成された上記インバータ部用PWM変調信号を補正するPWM変調信号補正部と
を備え、
上記コンバータ部は、上記コンバータ部用PWM変調信号生成部からの上記コンバータ部用PWM変調信号に基づいて、上記三相交流入力電圧を上記直流電圧に変換し、
上記インバータ部は、上記PWM変調信号補正部により補正された上記インバータ部用PWM変調信号に基づいて、上記コンバータ部により変換された上記直流電圧を上記所定の三相交流出力電圧に変換し、
上記コンバータ部用PWM変調信号生成部は、
上記コンバータ部において、上記三相交流入力電圧の各相に接続された対となる上アーム側のスイッチング素子と下アーム側のスイッチング素子の一方がオンして他方がオフするようにして、上記上アーム側のスイッチング素子のうちの1つがオンして他の2つがオフする第1のスイッチング状態と、上記上アーム側のスイッチング素子のうちの2つがオンして他の1つがオフする第2のスイッチング状態と、上記上アーム側のスイッチング素子の3つがオンまたはオフする第3のスイッチング状態とを組み合わせて、π/3毎に異なる6つの電圧ベクトルV ,V ,V ,V ,V ,V を選択する上記空間ベクトル変調方式に基づいて、キャリヤ周期をT0、上記基準信号の位相角をφとするとき、上記位相角φが0≦φ≦π/3において選択される上記電圧ベクトルV の出力時間τ 4 と上記電圧ベクトルV の出力時間τ 6 が、
Figure 0004582125
(ただし、0≦φ≦π/3)
で表され
上記位相角φが0からπ/3毎に、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V を順に選択して、
上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とし、
上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とし、
上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とし、
上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とし、
上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とすることにより、上記コンバータ部用PWM変調信号を生成することを特徴とする。


上記構成の電力変換装置によれば、上記コンバータ部により変換された上記直流電圧の脈流状の電圧(電流)波形に対して、三相交流出力電圧(電流)に歪を生じないように、指令信号補正部により補正されたインバータ部用指令信号に基づいて、上記コンバータ部により変換された上記直流電圧を所定の三相交流出力電圧に変換する。このとき、上記コンバータ部用指令信号生成部が、空間ベクトル変調方式に基づく上記直流電圧を出力すべき電圧ベクトルを用い、キャリヤ周期をT0、三相交流入力電圧に同期した基準信号の位相角をφとするとき、
Figure 0004582125
(ただし、0≦φ≦π/3)
で表される出力時間τ46の電圧ベクトルに基づいて、コンバータ部用PWM変調信号を生成することによって、複雑な演算により指令信号を形成する必要がなく、簡単な構成で制御部の演算負荷を低減できる。
以上より明らかなように、この発明の電力変換装置によれば、空間ベクトル変調方式に基づく直流電圧を出力すべき電圧ベクトルを用い、キャリヤ周期をT0、三相交流入力電圧または三相交流出力電圧に同期した基準信号の位相角をφとするとき、
Figure 0004582125
(ただし、0≦φ≦π/3)
で表される出力時間τ46の電圧ベクトルに基づいて、コンバータ部用PWM変調信号を生成することによって、簡単な構成で制御部の演算負荷を低減することができる。
この発明の電力変換装置を図示の実施の形態を説明する前に、この発明の電力変換装置の特徴について説明する。
まず、直流/交流変換する電力変換装置において、一定の直流電圧に対して正弦波状の線間電圧が得られる相電圧波形の生成法と同様に、脈流状の電圧波形に対しても、正弦波出力が得られる相電圧信号波の導出について説明する。
技術文献1(リザイアング・ウェイ(Lixiang.Wei)、トーマス・エー・リポ(Thomas.A. Lipo)著、「簡単な転流方式を用いた新しいマトリックスコンバータ・トポロジー(A Novel Matrix Converter Topology with Simple Commutation)」、アイトリプルイー(IEEE IAS2001)、vol.3,pp.1749-1754.2001)に示された直流リンク付き直接変換回路では、電流形変換器であるため、線電流の通流比を台形波状に制御している。この明細書では、電圧形ベースで検討するものとし、電流形と電圧形の双対性(線電流:線間電圧、相電流:相電圧に対応)を考慮して、線間電圧を台形波状に制御するものとする。
この技術文献1は、直流リンク部に平滑や整流回路を持たない直流リンク付き直接変換回路の変調方式に関するものである。この技術文献1の直流リンク付き直接変換回路は、図3に示すように、三相ブリッジ回路を構成する6つのスイッチング回路Sap,Sbp,Scp,San,Sbn,Scnからなるコンバータ部と、三相ブリッジ回路を構成する6つのスイッチング回路Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnからなるインバータ部とを備えている。上記コンバータ部は、三相交流電源Vsa,Vsb,Vscからの三相交流入力電圧Va,Vb,Vcを直流に変換する。また、上記インバータ部は、コンバータ部により変換された直流電圧Vdcを三相交流出力電圧Vsu,Vsv,Vswに変換する。
図4(a)〜(d)は上記技術文献1の直流リンク付き直接変換回路の制御原理に基づく各部の波形を示したものである。図4(a)に示すように、相電圧は、[二相:正、一相:負]と[二相:負、一相:正]の2つの状態の何れかに相当することから、60度毎の6つの領域に分割することができる。ここでは、c相を基準とする領域1、領域2について述べる。ここで、領域1において、最小相であるc相をスイッチング回路Scnにより導通させ、最大または中間相であるa相,b相をスイッチング回路Sap,Sbpを用いて以下の通流比dac,dbcでスイッチングさせる。同様に領域2においては、最大相であるc相をスイッチング回路Scpにより導通させ、中間または最小相であるa相,b相をスイッチング回路San,Sbnを用いて以下の通流比dac,dbcでスイッチングさせる。
Figure 0004582125
以上の動作を6つの領域に対して適用すると、各相の通流比は、図4(b)に示す台形波状の波形となる。なお、ここでは、コンバータ側の上アームと下アームのスイッチング状態を示すため、通流比が正の場合の上アームが導通し、通流比が負の場合の下アームが導通するものとしている。
このとき、図4(c)に示すように、DCリンク電圧は、最大相と最小相との間の線間電圧Emaxと、最小相(領域1)と最大相(領域2)との中間相で生成される線間電圧Emidの2つの電位が得られることが分かる。また、各DCリンク電圧に対して、各々通流比を乗じることにより平均電圧Vdcは、
Figure 0004582125
で表され、DCリンク電圧が脈流状の電圧波形となることが分かる。
一方、インバータ側については、脈流電圧Vdcを用いて電圧制御を行うため、変調波は脈流分を補償するように通電時間は脈流分cosθinを乗じて、
Figure 0004582125
に基づき制御される。また、インバータの負荷は誘導性であるため電流源として捉えることができ、DCリンク電流は通電時間が上式に示すように、脈流分cosθinで振幅変調されているため、
Figure 0004582125
で示されるように脈流状となる。ここで、上述のようにコンバータ側は一相が導通状態にあり、二相が各々の通流比dac,dbcでスイッチングするため、領域1において入力電流は、
Figure 0004582125
の関係となる。
以上により、図4(b)に示した台形波状通流比と脈流電流を乗じた波形となるため、入力電流は、図4(d)に示す正弦波とすることができる。
また、一定の直流電圧に対する線間電圧制御法としては、技術文献2(特公平6−081514号公報)に示す信号波が知られている(技術文献2の第3頁右欄第10行目〜第四頁左欄第25行目の記載および第1図,第2図参照)。
ここで、相電圧指令信号Vu *,Vv *,Vw *は、
Figure 0004582125
で表される。この(1)式の相電圧指令信号Vu *,Vv *,Vw *に中間相電圧の1/2を加算することで、1相をπ/6遅れ、他の2相をπ/3進みの極性が相互に異なる相電圧指令信号Vu **,Vv **,Vw **は、
Figure 0004582125
で表現される。上記技術文献2では、Vuv線間電圧の位相を基準に示しているが、ここでは、相電圧を基準とするため、相順を読み替えて表記している(WはU、UはV、VはW)。
また、脈流電圧Vlinkは、電圧形ベースであるため、線間電圧の最大値で決定されるので、
Figure 0004582125
で表される。そして、位相角0〜π/3の領域では、線間電圧Vuwが最大値となるため、
Figure 0004582125
の関係式が成り立つ。ここで、(4)式を(2)式に代入することにより、相電圧指令信号Vu **,Vv **,Vw **は、
Figure 0004582125
で表される。
振幅1の三角波キャリヤ比較ベースの指令値に書き換えると、次の(6)式のキャリヤ振幅と出力電圧の関係より、相電圧指令信号Vu **,Vv **,Vw **は(7)式で示され、さらに(8)式に書き換えることができる。
Figure 0004582125
以上の結果は、図5Aに示す線間電圧制御波形において、最大相電圧で各相指令値を割ったものと同様であり、位相角0〜π/3の領域ではr相が最大相電圧となる。図5Bは、位相角π/3毎の6つの領域に対して同様の演算を行った結果であり、120度通電の台形波変調波形(相電圧)となる。
したがって、この発明の電力変換装置において、コンバータ部またはインバータ部のPWM変調に用いる台形波状の指令信号(120度通電の台形波変調波形)の傾斜領域を、
Figure 0004582125
(ただし、位相角φは0≦φ≦π/3)
Figure 0004582125
(ただし、位相角φはπ≦φ≦4π/3)
で表される所定の式を用いて生成するか、または、上記所定の式に基づいて予め設定されたテーブルを用いて生成することによって、簡単な構成で制御部の演算負荷を低減することができる。
次に、以上により得られた台形波変調波形が技術文献1で示される線電流指令と等価であることを示す。電流形において線電流は電圧形では線間電圧に相当することから、図4(b)の線電流指令信号と図5Cの台形波変調波形(線間電圧)を比較する。
図4(b)においてb相線電流指令信号dbcは、
Figure 0004582125
で示されるが、領域1における0〜π/3の位相角で表記すると、
Figure 0004582125
に書き換えられる。
また、図5Cの線間電圧指令を図4(b)の線電流指令信号と振幅を合わせると、
Figure 0004582125
で表すことができ、(10)式と等しいものとすると、(11)式より、
Figure 0004582125
が成り立てば良い。この(12)式の右辺を、加法定理を用いて変形すると、
Figure 0004582125
が成立する。
従って、この発明により生成される線間電圧指令信号は、技術文献1に示される線電流指令と等価であるため、例えば技術文献3(竹下隆晴、他2名著、「電流形三相インバータ・コンバータの三角波比較方式PWM制御」、電学論D、Vol.116,No.1,1996)に示される電圧形、電流形の双対性(技術文献3の表1参照)に基づく論理演算を適用することにより、容易に電圧形より電流形PWMパターンの発生が可能である。
以上、相電圧指令信号の生成法について説明したが、PWM変調方式としては、三角波状のキャリヤ信号による方式の他に、電圧ベクトルを用いた空間ベクトル変調方式の電力変換装置にも適用できる。
図6Aの上側は、空間ベクトル変調方式のPWM変調における空間ベクトルを示すベクトル図と図5Aにおける電圧ベクトルを説明する図である。このベクトル図に示すように、電圧ベクトルは、8つ状態のうちの6状態(V1〜V6)は、0でないベクトルで残りの2状態(V0,V7)は0状態である。
この空間ベクトル変調方式では、位相角φが0〜π/3における電圧ベクトルの出力時間τ046とし、電圧制御率をksとするとき、電圧ベクトルの基本式は、
Figure 0004582125
で表される。この位相角0〜π/3における電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *は、
Figure 0004582125
で表される。図6Aの下側は、図5Aの線間電圧制御波形に位相角0〜π/3に対応する電圧ベクトルを示している。なお、図6Aでは電圧制御率ksを0.5としている。ここで、位相角φが0〜π/3において電圧指令信号Vs *,Vt *の中間相電圧Vs * _midは、
Figure 0004582125
で表される。図6Bに示すように、図5Bの台形波変調波形(相電圧)に位相角0〜π/3に対応する電圧ベクトルを示している。そして、空間ベクトル変調方式の基本式のτ4/T0とτ6/T0は、
Figure 0004582125
で表される。この基本式を、図6A中の表で位相角π/3毎に読み替えて、電圧ベクトルの出力時間を決定することによって、PWM波形生成を行うことができる。
なお、図6Cに示すように、線間電圧指令信号Vst *は、
Figure 0004582125
で表される。
図7は上述の特許文献1(特開2004−266972号公報)に示される同期PWM変調方式について、技術文献1の変調法と対比して示したものである。図7において、tsはキャリヤ周期、I(rt)は電流指令、I(st)は電流指令、drtは通流比、dstは通流比、Ir,Is,Itは入力電流、IdcはDCリンク電流、V0,V4,V6は電圧指令、d0は電圧指令V0に対応する通流比、d4は電圧指令V4に対応する通流比である。また、Vu,Vv,Vwはインバータのゲート信号である。
図7では、コンバータ側のキャリヤ周期は、st、rtに通電する2つのスイッチング状態に分割され、さらに各々の通流比が異なるため、インバータ側は通電期間毎にキャリヤ振幅が異なる2つのキャリヤ信号を用いている。また、キャリヤ信号と比較される信号波は、コンバータの通流比と掛け合わせることにより、キャリヤ振幅にて補正される。このため、変調回路構成としては特許文献1に示すような複雑な構成となる(特許文献1の段落[0021]〜[0026]の記載および図4)。
これに対して、図8はこの発明の電力変換装置の三角波状のキャリヤ信号を用いたPWM変調方式を示す図である。図8において、tsはキャリヤ周期、I(rt)は電流指令、I(st)は電流指令、drtは通流比、dstは通流比、Ir,Is,Itは入力電流、IdcはDCリンク電流、V0,V4,V6は電圧指令、d0は電圧指令V0に対応する通流比、d4は電圧指令V4に対応する通流比である。また、Vu,Vv,Vwは上アームのゲート信号、/Vu',/Vv',/Vw'は下アームのゲート信号である。
図8では、コンバータ側とインバータ側のキャリヤ信号は同一の信号を用いており、従来と同様に振幅補正された2つの指令信号のうち、一方の指令信号にオフセットを持たせてキャリヤ信号と比較し、他方については指令信号の極性を反転させた上でキャリヤ信号と比較し、それにより得られたゲート信号を反転させている。また、各々の期間のゲート信号は、論理和を取ることにより、同一相のゲート信号を得ることができる。
また、図9はこの発明の電力変換装置の鋸波状のキャリヤ信号を用いたPWM変調方式を示す図である。図9において、tsはキャリヤ周期、I(rt)は電流指令、I(st)は電流指令、drtは通流比、dstは通流比、Ir,Is,Itは入力電流、IdcはDCリンク電流、V0,V4,V6は電圧指令、d0は電圧指令V0に対応する通流比、d4は電圧指令V4に対応する通流比、d6は電圧指令V6に対応する通流比である。また、Vu,Vv,Vwは上アームのゲート信号、/Vu',/Vv',/Vw'は下アームのゲート信号である。
図9に示す電力変換装置は、キャリヤ生成や変調処理が簡素化でき、ソフトウェア化により適した構成である。ただし、技術文献1に示される直流リンク付き直接変換回路では、コンバータ側を零ベクトル期間で転流させるために、V0,V7双方の零ベクトルを用いる必要があり、インバータ側は三相変調と損失面で不利となる。また、一般に知られるように、キャリヤによる電圧スペクトルの主要成分の三角波の周波数2fに対して、鋸波の周波数はfとなり、騒音面についても劣るものとなる。
このように、この発明の電力変換装置によれば、脈流状の電圧(電流)波形に対して、線間電圧(線電流)に歪を生じないキャリヤ比較ベースの相電圧指令波形(または空間ベクトル変調方式)により、指令信号を生成するときの演算負荷を軽減することができる。
また、コンバータ部とインバータ部に共通する一つのキャリヤ信号(三角波や鋸波等)で同期PWM変調を可能とすることによって、変調回路の簡素化することができる。
以下、この発明の電力変換装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1はこの発明の第1実施形態の直流リンク付き直接形電力変換装置の構成図である。この第1実施形態の直流リンク付き直接形電力変換装置は、コンバータ部とインバータ部とを接続する直流リンク部に平滑用のフィルタを有しない。
この直接形電力変換装置は、図1に示すように、スイッチSrp,Srn,Ssp,Ssn,Stp,Stnからなるコンバータ部1と、スイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnからなるインバータ部2と、上記コンバータ部1のスイッチSrp,Srn,Ssp,Ssn,Stp,Stnおよびインバータ部2のスイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnをオンオフするためのゲート信号を出力する制御部3とを備えている。上記スイッチSrp,Srn,Ssp,Ssn,Stp,StnおよびスイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnは、それぞれスイッチング素子を複数組み合わせて構成されているスイッチング回路である。
上記コンバータ部1は、三相交流電源(図示せず)からの相電圧vrをスイッチSrpの一端とスイッチSrnの一端に入力し、相電圧vsをスイッチSspの一端とスイッチSsnの一端に入力し、相電圧vtをスイッチStpの一端とスイッチStnの一端に入力している。上記スイッチSrp,Ssp,Stpの他端を第1直流リンク部L1に夫々接続する一方、スイッチSrn,Ssn,Stnの他端を第2直流リンク部L2に夫々接続している。
また、上記インバータ部2は、三相交流出力電圧の相電圧vuの出力端子にスイッチSupの一端とスイッチSunの一端を接続し、相電圧vvの出力端子にスイッチSvpの一端とスイッチSvnの一端を接続し、相電圧vwの出力端子にスイッチSwpの一端とスイッチSwnの一端を接続している。上記スイッチSup,Svp,Swpの他端を第1直流リンク部L1に夫々接続する一方、スイッチSun,Svn,Swnの他端を第2直流リンク部L2に夫々接続している。
また、上記制御部3は、三相交流入力電圧に同期するための基準信号の一例としての電源同期信号Vrに基づいて、台形波状電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *を生成する指令信号生成部およびコンバータ部用指令信号生成部の一例としての台形波状電圧指令生成部11と、上記台形波状電圧指令生成部11からの台形波状電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *とキャリヤ信号とを比較するための比較部12と、上記比較部12からの比較結果に基づいてゲート信号を出力する電流形ゲート論理変換部13と、上記台形波状電圧指令生成部11からの台形波状電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *に基づいて、通流比drt,dstを検出する中間相検出部14と、上記キャリヤ信号を生成するキャリヤ信号生成部15と、上記インバータ部2に対する出力電圧指令信号Vu *,Vv *,Vw *を生成するインバータ部用指令信号生成部の一例としての出力電圧指令信号生成部21と、上記出力電圧指令信号生成部21からの出力電圧指令信号Vu *,Vv *,Vw *と中間相検出部14からの通流比drt,dstに基づいて、
rt+dst* (V*:各相の電圧ベクトル)
を出力する演算部22と、上記出力電圧指令信号生成部21からの出力電圧指令信号Vu *,Vv *,Vw *と中間相検出部14からの通流比drtに基づいて、
rt(1−V*) (V*:各相の電圧ベクトル)
を出力する演算部23と、上記演算部22,23からの演算結果とキャリヤ信号とを比較するための比較部24と、上記比較部24からの比較結果に基づいてゲート信号を出力する論理和演算部25とを有する。
上記電流形ゲート論理変換部13からのゲート信号によりコンバータ部1のスイッチSrp,Srn,Ssp,Ssn,Stp,Stnをオンオフ制御すると共に、論理和演算部25からのゲート信号によりインバータ部2のスイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnをオンオフ制御する。
上記中間相検出部14と演算部22,23で指令信号補正部を構成している。また、上記比較部12と電流形ゲート論理変換部13でコンバータ部用PWM変調信号生成部を構成し、比較部24と論理和演算部25でインバータ部用PWM変調信号生成部を構成している。
上記台形波状電圧指令生成部11は、台形波状電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *の傾斜領域を所定のテーブルを用いて生成する。ここで、図5A〜図5Cで説明した(8)式、すなわち、
Figure 0004582125
で表される相電圧指令信号Vu ***,Vv ***,Vw ***と同様に、台形波状電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *の傾斜領域における値を予めテーブルとして設定しておく。ここで、位相角φは、三相交流入力電圧の相電圧vrに同期している。
なお、テーブルの代わりに式を用いて台形波状電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *の傾斜領域を求めてもよい。
すなわち、
Figure 0004582125
(ただし、位相角φは0≦φ≦π/3)
Figure 0004582125
(ただし、位相角φはπ≦φ≦4π/3)
の所定の式を用いて、台形波状電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *の傾斜領域を夫々求める。これにより、演算負荷を低減しつつ、歪のない三相交流出力電圧(電流)を確実に得ることができる。
上記構成の直流リンク付き直接形電力変換装置によれば、コンバータ部1により変換された直流電圧の脈流状の電圧(電流)波形に対して、三相交流出力電圧(電流)に歪を生じないように、指令信号補正部(14,22,23)により出力電圧指令信号を補正して、その補正された出力電圧指令信号に基づいて、コンバータ部1により変換された直流電圧を所定の三相交流出力電圧に変換する。このとき、台形波状電圧指令生成部11は、台形波状電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *の傾斜領域を、所定のテーブル(または所定の式)を用いて生成することによって、簡単な構成で制御部の演算負荷を低減することができる。
上記コンバータ部1とインバータ部2に共通する1つのキャリヤ信号でPWM変調を可能とすることによって、制御部の回路を簡略化することができる。
〔第2実施形態〕
図2はこの発明の第2実施形態の直接形電力変換装置の一例としてのマトリックスコンバータの構成図である。
このマトリックスコンバータは、図2に示すように、スイッチSur,Sus,Sut,Svr,Svs,Svt,Swr,Sws,Swtからなる変換部4と、上記変換部4のスイッチSur,Sus,Sut,Svr,Svs,Svt,Swr,Sws,Swtをオンオフするためのゲート信号を出力する制御部5とを備えている。この変換部4が、仮想コンバータ部と仮想インバータ部に相当し、この仮想コンバータ部と仮想インバータ部とを接続する仮想直流リンク部に平滑用のフィルタを有しない。上記スイッチSur,Sus,Sut,Svr,Svs,Svt,Swr,Sws,Swtは、それぞれスイッチング素子を複数組み合わせて構成されているスイッチング回路である。
上記変換部4は、三相交流電源6からの三相交流入力電圧のうちの相電圧vrをスイッチSur,Svr,Swr夫々の一端に入力し、三相交流入力電圧のうちの相電圧vsをSus,Svs,Sws夫々の一端に入力し、三相交流入力電圧のうちの相電圧vtをSut,Svt,Swt夫々の一端に入力している。上記スイッチSur,Sus,Sutの他端を相電圧vuの出力端子に夫々接続する一方、スイッチSvr,Svs,Svtの他端を相電圧vrの出力端子に夫々接続し、スイッチSwr,Sws,Swtの他端を相電圧vwの出力端子に夫々接続している。
また、上記制御部5は、三相交流入力電圧に同期するための基準信号の一例としての電源同期信号Vrに基づいて、台形波状電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *を生成する指令信号生成部およびコンバータ部用指令信号生成部の一例としての台形波状電圧指令生成部31と、上記台形波状電圧指令生成部31からの台形波状電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *とキャリヤ信号とを比較するための比較部32と、上記比較部32からの比較結果に基づいてゲート信号を出力する電流形ゲート論理変換部33と、上記台形波状電圧指令生成部31からの台形波状電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *に基づいて、通流比drt,dstを検出する中間相検出部34と、上記キャリヤ信号を生成するキャリヤ信号生成部35と、上記変換部4に対する出力電圧指令信号Vu *,Vv *,Vw *を生成するインバータ部用指令信号生成部の一例としての出力電圧指令信号生成部41と、上記出力電圧指令信号生成部41からの出力電圧指令信号Vu *,Vv *,Vw *と中間相検出部34からの通流比drt,dstに基づいて、
rt+dst* (V*:各相の電圧ベクトル)
を出力する演算部42と、上記出力電圧指令信号生成部41からの出力電圧指令信号Vu *,Vv *,Vw *と中間相検出部34からの通流比drtに基づいて、
rt(1−V*) (V*:各相の電圧ベクトル)
を出力する演算部43と、上記演算部42,43からの演算結果とキャリヤ信号とを比較するための比較部44と、上記比較部44からの比較結果に基づいてゲート信号を出力する論理和演算部45と、上記電流形ゲート論理変換部33からの信号と論理和演算部45からの信号に基づいて、ゲート信号を合成するゲート信号合成部50とを有する。
上記ゲート信号合成部50からのゲート信号により変換部4のスイッチSur,Sus,Sut,Svr,Svs,Svt,Swr,Sws,Swtをオンオフ制御する。
上記中間相検出部34と演算部42,43で指令信号補正部を構成している。また、上記比較部32と電流形ゲート論理変換部33でコンバータ部用PWM変調信号生成部を構成し、比較部44と論理和演算部45でインバータ部用PWM変調信号生成部を構成している。
上記台形波状電圧指令生成部31は、台形波状電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *の傾斜領域を所定のテーブルを用いて生成する。ここで、図5A〜図5Cで説明した(8)式、すなわち、
Figure 0004582125
で表される相電圧指令信号Vu ***,Vv ***,Vw ***と同様に、台形波状電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *の傾斜領域における値を予めテーブルとして設定しておく。ここで、位相角φは、三相交流入力電圧の相電圧vrに同期している。
なお、テーブルの代わりに式を用いて台形波状電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *の傾斜領域を求めてもよい。
すなわち、
Figure 0004582125
(ただし、位相角φは0≦φ≦π/3)
Figure 0004582125
(ただし、位相角φはπ≦φ≦4π/3)
の所定の式を用いて、台形波状電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *の傾斜領域を夫々求める。これにより、演算負荷を低減しつつ、歪のない三相交流出力電圧(電流)を確実に得ることができる。
上記構成のマトリックスコンバータによれば、仮想コンバータ部により変換された仮想直流電圧の脈流状の電圧(電流)波形に対して、三相交流出力電圧(電流)に歪を生じないように、指令信号補正部(34,42,43)により出力電圧指令信号を補正して、その補正された出力電圧指令信号に基づいて、仮想インバータ部は、仮想コンバータ部により変換された仮想直流電圧を所定の三相交流出力電圧に変換する。このとき、台形波状電圧指令生成部31は、台形波状電圧指令信号Vr *,Vs *,Vt *の傾斜領域を、所定のテーブル(または所定の式)を用いて生成することによって、簡単な構成で制御部の演算負荷を低減することができる。
上記仮想コンバータ部と仮想インバータ部に共通する1つのキャリヤ信号でPWM変調を可能とすることによって、制御部の回路を簡略化することができる。
上記第1,第2実施形態では、テーブルまたは式を用いて傾斜領域を求めた台形波状電圧指令信号をコンバータ側に適用した直接形の電力変換装置について説明したが、台形波状電圧指令信号をインバータ側に適用した電力変換装置にこの発明を適用してもよい。以下の第3,第4実施形態により、この台形波状電圧指令信号をインバータ側に適用した電力変換装置を説明する。
〔第3実施形態〕
図10はこの発明の第3実施形態の電力変換装置の構成図を示している。
この第3実施形態の電力変換装置は、図10に示すように、三相交流電源100からの三相交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ部の一例としての電圧出力電圧形変換器101と、上記電圧出力電圧形変換器101からの直流電圧を変換して所望の三相交流電圧をモータ103に出力するインバータ部102と、上記電圧出力電圧形変換器101とインバータ部102を制御する制御部110とを備えている。
上記インバータ部102は、三相交流出力電圧の相電圧vrの出力端子にトランジスタSrpのエミッタとトランジスタSrnのコレクタを接続し、相電圧vsの出力端子にトランジスタSspのエミッタとトランジスタSsnのコレクタを接続し、相電圧vtの出力端子にトランジスタStpのエミッタとトランジスタStnのコレクタを接続している。上記トランジスタSrp,Ssp,Stpのコレクタを第1直流リンク部L101に夫々接続する一方、トランジスタSrn,Ssn,Stnのエミッタを第2直流リンク部L102に夫々接続している。また、上記トランジスタSrp,Ssp,Stpのコレクタとエミッタとの間にダイオードDrp,Dsp,Dtpを夫々逆方向に接続すると共に、上記トランジスタSrn,Ssn,Stnのコレクタとエミッタとの間にダイオードDrn,Dsn,Dtnを夫々逆方向に接続している。
また、上記制御部110は、振幅指令ksと位相指令θに基づいて、電圧出力電圧形変換器101に脈流電圧指令信号を出力する脈流電圧指令生成部104と、位相指令θに基づいて、台形状相電圧指令信号を生成する台形状相電圧指令生成部105と、上記台形状相電圧指令生成部105からの台形状相電圧指令信号に基づいて、PWM変調信号をインバータ部102に出力するPWM変調部106とを有している。上記PWM変調部106は、キャリヤ信号生成部106aを有する。
ここで、台形状相電圧指令生成部105は、第1実施形態の図1に示す台形波状電圧指令信号生成部11や、第2実施形態の図2に示す台形波状電圧指令信号生成部31と同様に、台形波状電圧指令信号の傾斜領域を所定のテーブルを用いて生成するか、または、テーブルの代わりに式を用いて台形波状電圧指令信号の傾斜領域を求める。これにより、演算負荷を低減しつつ、歪のない三相交流出力電圧(電流)を確実に得ることができる。
図12は上記電力変換装置の指令波形を示しており、図12(a)は振幅指令の波形を示し、図12(b)は相電圧指令波形を示している。また、図10に示す電圧出力電圧形変換器101の代わりに電流形の変換器を用いた場合の線電流指令の波形を図12(c)に示している。
〔第4実施形態〕
図11はこの発明の第4実施形態の電力変換装置の構成図を示している。
この第4実施形態の電力変換装置は、図11に示すように、三相交流電源200からの三相交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ部の一例としての電流出力電流形変換器201と、上記電流出力電流形変換器201からの直流電圧を変換して所望の三相交流電圧をモータ203に出力するインバータ部202と、上記電流出力電流形変換器201とインバータ部202を制御する制御部210とを備えている。上記電流出力電流形変換器201の正極側端子に第1直流リンク部L201の一端を接続する一方、電流出力電流形変換器201の負極側端子に第2直流リンク部L202の一端を接続している。
上記インバータ部202は、第1直流リンク部L201にトランジスタSrp,Ssp,Stpのコレクタを接続し、トランジスタSrp,Ssp,StpのエミッタにダイオードDrp,Dsp,Dtpのアノードを夫々接続している。上記ダイオードDrp,Dsp,Dtpのカソードを相電圧vr,vs,vtの出力端子に夫々接続している。一方、トランジスタSrn,Ssn,Stnのエミッタを第2直流リンク部L202に夫々接続し、トランジスタSrn,Ssn,StnのコレクタにダイオードDrn,Dsn,Dtnのカソードを夫々接続している。上記ダイオードDrn,Dsn,Dtnのアノードを相電圧vr,vs,vtの出力端子に夫々接続している。
また、制御部210は、振幅指令ksと位相指令θに基づいて、電流出力電流形変換器201に脈流電流指令信号を出力する脈流電流指令生成部204と、位相指令θに基づいて、台形状相電圧指令信号を生成する台形状相電圧指令生成部205と、上記台形状相電圧指令生成部205からの台形状相電圧指令信号に基づいて、PWM変調信号を出力するPWM変調部207と、PWM変調部207からのPWM変調信号を論理変換してインバータ部202に出力する電流形論理変換部206とを有している。上記PWM変調部207は、キャリヤ信号生成部207aを有する。
ここで、台形状相電圧指令生成部205は、第1実施形態の図1に示す台形波状電圧指令信号生成部11や、第2実施形態の図2に示す台形波状電圧指令信号生成部31と同様に、台形波状電圧指令信号の傾斜領域を所定のテーブルを用いて生成するか、または、テーブルの代わりに式を用いて台形波状電圧指令信号の傾斜領域を求める。これにより、演算負荷を低減しつつ、歪のない三相交流出力電圧(電流)を確実に得ることができる。
図12は上記電力変換装置の指令波形を示しており、図12(a)は振幅指令の波形を示し、図12(b)は相電流指令の波形を示している。また、図12(c)は図11の電流形論理変換部206で変換され、インバータ部202に与えられる線電流指令値を示している。
なお、上記第1〜第4実施形態の電力変換装置において、
Figure 0004582125
で表される空間ベクトル変調方式の基本式を用いて、電圧ベクトルの出力時間を決定することによって、PWM波形生成を行うこともできる。
図1はこの発明の第1実施形態の直接形電力変換装置の構成図である。 図2はこの発明の第2実施形態の直接形電力変換装置の構成図である。 図3は直流リンク付き直接変換回路の構成図である 図4は直流リンク付き直接変換回路の制御原理を説明するための各部の波形を示す図である 図5Aは線間電圧制御波形を示す図である。 図5Bは台形波変調波形(相電圧)を示す図である。 図5Cは台形波変調波形(線間電圧)を示す図である。 図6Aは空間ベクトル変調について説明するための図である。 図6Bは空間ベクトル変調における台形波変調波形(相電圧)を示す図である。 図6Cは空間ベクトル変調における台形波変調波形(線間電圧)を示す図である。 図7は比較のための同期PWM変調方式を示す図である。 図8はこの発明の直接形電力変換装置の三角波状のキャリヤ信号を用いたPWM変調方式を示す図である。 図9はこの発明の直接形電力変換装置の鋸波状のキャリヤ信号を用いたPWM変調方式を示す図である。 図10はこの発明の第3実施形態の電力変換装置の構成図である。 図11はこの発明の第4実施形態の電力変換装置の構成図である。 図12は上記電力変換装置の指令波形を示す図である。
符号の説明
1…コンバータ部
2…インバータ部
3…制御部
4…変換部
5…制御部
11…台形波状電圧指令生成部
12…比較部
13…電流形ゲート論理変換部
14…中間相検出部
15…キャリヤ信号生成部
21…出力電圧指令信号生成部
22…演算部
23…演算部
24…比較部
25…論理和演算部
31…台形波状電圧指令生成部
32…比較部
33…電流形ゲート論理変換部
34…中間相検出部
35…キャリヤ信号生成部
41…出力電圧指令信号生成部
42…演算部
43…演算部
44…比較部
45…論理和演算部
50…ゲート信号合成部
100…三相交流電源
101…電圧出力電圧形変換器
102…インバータ部
103…モータ
104…脈流電圧指令生成部
105…台形状相電圧指令生成部
106…PWM変調部
106a…キャリヤ信号生成部
110…制御部
200…三相交流電源
201…電流出力電流形変換器
202…インバータ部
203…モータ
204…脈流電流指令生成部
205…台形状相電圧指令生成部
206…電流形論理変換部
207…PWM変調部
207a…キャリヤ信号生成部
210…制御部

Claims (2)

  1. 空間ベクトル変調方式によりPWM変調信号を生成するPWM変調信号生成部と、
    上記PWM変調信号生成部からの上記PWM変調信号に基づいて、三相交流入力電圧を直流電圧に変換するか、または、直流電圧を三相交流出力電圧に変換する変換部と
    を備え、
    上記PWM変調信号生成部は、
    上記変換部において、上記三相交流入力電圧または上記三相交流出力電圧の各相に接続された対となる上アーム側のスイッチング素子と下アーム側のスイッチング素子の一方がオンして他方がオフするようにして、上記上アーム側のスイッチング素子のうちの1つがオンして他の2つがオフする第1のスイッチング状態と、上記上アーム側のスイッチング素子のうちの2つがオンして他の1つがオフする第2のスイッチング状態と、上記上アーム側のスイッチング素子の3つがオンまたはオフする第3のスイッチング状態とを組み合わせて、π/3毎に異なる6つの電圧ベクトルV ,V ,V ,V ,V ,V を選択する上記空間ベクトル変調方式に基づいてキャリヤ周期をT0、上記三相交流入力電圧または上記三相交流出力電圧に同期した基準信号の位相角をφとするとき、上記位相角φが0≦φ≦π/3において選択される上記電圧ベクトルV の出力時間τ 4 と上記電圧ベクトルV の出力時間τ 6 が、
    Figure 0004582125
    (ただし、0≦φ≦π/3)
    で表され
    上記位相角φが0からπ/3毎に、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V を順に選択して、
    上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とし、
    上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とし、
    上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とし、
    上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とし、
    上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とすることにより、上記PWM変調信号を生成することを特徴とする電力変換装置。
  2. 三相交流入力電圧を直流電圧に変換するコンバータ部と、上記コンバータ部により変換された上記直流電圧を所定の三相交流出力電圧に変換するインバータ部とを備え、上記コンバータ部と上記インバータ部とを接続する直流リンク部に平滑用のフィルタを有しない電力変換装置であって、
    空間ベクトル変調方式により上記三相交流入力電圧に同期した基準信号の位相角に基づいてコンバータ部用PWM変調信号を生成するコンバータ部用PWM変調信号生成部と、
    上記所定の三相交流出力電圧を出力するためのインバータ部用PWM変調信号を生成するインバータ部用PWM変調信号生成部と、
    上記コンバータ部用PWM変調信号生成部からの上記コンバータ部用PWM変調信号に基づいて、上記インバータ部用PWM変調信号生成部により生成された上記インバータ部用PWM変調信号を補正するPWM変調信号補正部と
    を備え、
    上記コンバータ部は、上記コンバータ部用PWM変調信号生成部からの上記コンバータ部用PWM変調信号に基づいて、上記三相交流入力電圧を上記直流電圧に変換し、
    上記インバータ部は、上記PWM変調信号補正部により補正された上記インバータ部用PWM変調信号に基づいて、上記コンバータ部により変換された上記直流電圧を上記所定の三相交流出力電圧に変換し、
    上記コンバータ部用PWM変調信号生成部は、
    上記コンバータ部において、上記三相交流入力電圧の各相に接続された対となる上アーム側のスイッチング素子と下アーム側のスイッチング素子の一方がオンして他方がオフするようにして、上記上アーム側のスイッチング素子のうちの1つがオンして他の2つがオフする第1のスイッチング状態と、上記上アーム側のスイッチング素子のうちの2つがオンして他の1つがオフする第2のスイッチング状態と、上記上アーム側のスイッチング素子の3つがオンまたはオフする第3のスイッチング状態とを組み合わせて、π/3毎に異なる6つの電圧ベクトルV ,V ,V ,V ,V ,V を選択する上記空間ベクトル変調方式に基づいて、キャリヤ周期をT0、上記基準信号の位相角をφとするとき、上記位相角φが0≦φ≦π/3において選択される上記電圧ベクトルV の出力時間τ 4 と上記電圧ベクトルV の出力時間τ 6 が、
    Figure 0004582125
    (ただし、0≦φ≦π/3)
    で表され
    上記位相角φが0からπ/3毎に、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V 、上記電圧ベクトルV ,V を順に選択して、
    上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とし、
    上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とし、
    上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とし、
    上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とし、
    上記電圧ベクトルV ,V の出力時間を上記出力時間τ 4 6 とすることにより、上記コンバータ部用PWM変調信号を生成することを特徴とする電力変換装置。
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