JP4581256B2 - 構造物の軸組 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、主に集合住宅として構築される構造物の軸組に関し、特に建設中の設計変更はもとより建設後においても、法改正に伴う規制緩和などの社会情勢の変化、入居者の家族構成の変化や好みなどに応じて用途や間取りを自由に変更できて執務性と居住性の向上を図れることを目的に開発されたものである。
【0002】
【従来の技術】
RC構造や鉄骨構造などで構築される高層集合住宅の構造方式としては、これまで、例えば図5(a)に図示するように柱20と梁21を桁行き方向およびスパン方向ともに各階通して規則正しく配置する「ラーメン構造」、図5(b)に図示するように桁行き方向は柱20と梁21を配置してラーメン構造とし、スパン方向には耐震壁22を配置する「ラーメン耐震壁構造」、さらに図5(c)に図示するように桁行き方向およびスパン方向ともに壁のみを配置し、特にスパン方向の壁を耐震壁22とし、桁行き方向およびスパン方向の柱と梁を省略した「壁式ラーメン構造」が一般に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般に高層建物の建設に際しては、企画、設計、施工ともに長期にわたって行われ、またRC構造などのこれまでの構造形式では、用途や平面プラン(間取り)によって柱や各住戸を区画するための戸境壁(耐震壁)の位置が早期に決定されてしまうため、竣工時には市場の希望にそぐわない住戸が供給される場合が多々あった。
【0004】
また、これからの集合住宅などの建物は、これまでのようにその使命を終えたら全て取り壊し、その後に新たに建て替えるいった社会的にきわめて不経済なものは求められず、100年住宅やSI住宅などといったきわめて長期にわたって使用可能な建物の供給が求められている。
【0005】
したがって、今後の建築計画においては、永年の経過とともに規制緩和、社会情勢の変化、さらには家族構成の変化や好みなどに応じて用途や間取りを大幅に変更する必要も当然考えられ、戸境壁で区画された各住戸ごとの間取りや模様替えといった程度のリフォームではなく、戸境壁の配置を変更するような大規模なリフォームも必要になると考えられている。
【0006】
この発明は、このような今後の建築事情を勘案してなされたもので、建設中の設計変更はもとより、建設後の用途や間取りの変更も自由に行えるようにした構造物の軸組を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の構造物の軸組は、スパン方向の両端部とその内側にそれぞれ対称に配置され、かつ桁行き方向にそれぞれ一定間隔おきに配置された側柱と内柱を有する構造物の軸組において、スパン方向に隣接する側柱と内柱間および内柱間にスパン方向の梁がスパン方向に連続して配置され、桁行き方向に隣接する側柱間に桁行き方向の梁が桁行き方向に連続して配置され、かつスパン方向に隣接する側柱と内柱は、スパン方向に隣接する内柱間の間隔より狭い間隔に配置されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2記載の構造物の軸組は、請求項1記載の構造物の軸組において、側柱は桁行き方向に長辺を有する矩形断面形に、内柱はスパン方向に長辺を有する矩形断面形にそれぞれ構成されていることを特徴とするものである。
請求項3記載の構造物の軸組は、請求項1または2記載の構造物の軸組において、桁行き方向に隣接する側柱間に逆さ梁が配置されていることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1〜図4はこの発明の一例を示し、図において、外周に軸組の側柱1が桁行き方向に所定間隔おきに配置され、各側柱1の内側に内柱2がそれぞれ配置されている。
【0010】
また、側柱1,1間には桁行き方向およびスパン方向の両方向に梁3と梁4がそれぞれ架け渡され、内柱2,2間および内柱2と側柱1間にはスパン方向にのみ梁4が架け渡され、さらに各側柱1の柱脚部に免震装置5がそれぞ配置されている。なお、この場合のスパン方向の側柱1,1間、スパン方向の内柱2,2間および内柱2と側柱1間に架け渡されている梁4は、必ずしも同じ梁でなくてもよい。
【0011】
側柱1,1間の柱間隔(スパン)L1 と内柱2,2間の柱間隔L2 はともに、RC構造やSRC構造などの構造方式により、軸組の用途や設計荷重などを参酌し、各構造方式固有の設計基準に基づいて決定されているが、スパン方向の内柱2,2間の柱間隔L2 は平面計画をフリープラン化する上で可能な限り長いのが望ましい。また、側柱1と内柱2間の柱間隔L3 は、少なくともバルコニーや外廊下として利用できる空間を確保できるような長さに設定されていることが必要がある。
【0012】
また、この場合の側柱1と内柱2、さらに梁3と4の構造方式は特に限定されるものではないが、一般にRC構造、S構造、SRC構造などによって構築されている。
【0013】
また、桁行き方向の側柱1,1間に架け渡されている梁3は、必要に応じて手すりとしても利用できるように、いわゆる逆さ梁として構築されている。また、各側柱1は桁行き方向に長辺を有する矩形断面形に構築され、内柱2はスパン方向に長辺を有する矩形断面形に構築されている。
【0014】
このような構成において、桁行き方向に作用する水平荷重に対しては、複数の側柱1と各側柱1,1間に架け渡された梁3とからなる複数スパン・多層ラーメン架構体として構築された軸組が抵抗し、スパン方向の水平荷重に対しては、スパン方向の両端にそれぞれ配置された側柱1および内柱2とこの側柱1と内柱2間および内柱2,2間に連続して架け渡された梁4とから3スパン多層ラーメン架構体として構築された軸組が抵抗する。
【0015】
特に、スパン方向の軸組においては、側柱1と内柱2とこの側柱1と内柱2間に架け渡された梁4とからなる、両端のラーメン架構体の柱スパンが内柱2,2とこの内柱2,2間に架け渡された梁4とからなる中央のラーメン架構体の柱スパンよりはるかに小さいために剛性が大きい。
【0016】
したがって、スパン方向の水平荷重に抵抗するための耐震要素として、中央の内柱2,2間に必ずしも耐震壁(戸境壁)を配置する必要はない。このため、各住戸を仕切る戸境壁などの壁を自由に配置することができフリープラン化が可能になる。
【0017】
なお、必要に応じてスパン方向両端の内柱2の内側に、さらに内柱を配置して5スパン多層ラーメン架構体の軸組とすることもできる。
一方、桁行き方向の軸組においては、複数の側柱1と各側柱1,1間に架け渡された梁3とからなる複数スパンのラーメン架構体のみで桁行き方向の水平荷重に充分に抵抗できるので、桁行き方向の内柱2,2には、あえて梁を架け渡す必要はない。
【0018】
【発明の効果】
この発明は以上説明した通りであり、軸組の外周にその内側と外側に位置して柱が二重に配置され、外側の柱間には桁行き方向およびスパン方向の両方向に梁がそれぞれ架け渡され、内側の柱間および内側と外側の柱間にはスパン方向にのみ梁が架け渡されていることで、各住戸を区画する戸境壁を自由に配置することができるため、建設中の設計変更はもとより、建設後の戸境壁の配置を変更するような大規模なリフォームも、社会情勢の変化、入居者の家族構成の変化や好みなどに応じて自由に行うことができる。
【0019】
また、桁行き方向の内柱間に梁が配置されていないので、この部分に各住戸の外壁を配置する場合、いわゆるハイサッシを設置することができ、また空調ダクトなどを配置するに際しても、梁にダクト貫通用の孔を設ける等の必要がないので、設備工事もしやすい。さらに、免震装置を配置して簡単に免震構造とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】柱および梁の配置例を示す高層集合住宅の平面図である。
【図2】柱および梁の配置例を示す高層集合住宅の一部縦断面図である。
【図3】柱および梁の配置例を示す高層集合住宅の桁行き方向の断面図である。
【図4】柱および梁の配置例を示す高層集合住宅のスパン方向の断面図である。
【図5】(a),(b),(c)は従来の構造方式の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 側柱(軸組の外周に配置された柱)
2 内柱(側柱の内側に配置された柱)
3 桁行き方向の梁
4 スパン方向の梁
5 免震装置
Claims (3)
- スパン方向の両端部とその内側にそれぞれ対称に配置され、かつ桁行き方向にそれぞれ一定間隔おきに配置された側柱と内柱を有する構造物の軸組において、スパン方向に隣接する側柱と内柱間および内柱間にスパン方向の梁がスパン方向に連続して配置され、桁行き方向に隣接する側柱間に桁行き方向の梁が桁行き方向に連続して配置され、かつスパン方向に隣接する側柱と内柱は、スパン方向に隣接する内柱間の間隔より狭い間隔に配置されていることを特徴とする構造物の軸組。
- 側柱は桁行き方向に長辺を有する矩形断面形に、内柱はスパン方向に長辺を有する矩形断面形にそれぞれ構成されていることを特徴とする請求項1記載の構造物の軸組。
- 桁行き方向に隣接する側柱間に逆さ梁が配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の構造物の軸組。
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