JP4580804B2 - 電力伝達装置のコア体 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁誘導によって電力を伝達する電力伝達装置のコア体に関する。
特許文献1には、電磁誘導によって電力を伝達する電力伝達装置として、電源伝送用ロータリジョイントが開示される。この電源伝送用ロータリジョイントは、回転軸を含む回転体に固定される回転側コアユニットと、回転体に対して静止する静止体に固定される静止側コアユニットとを備える。
両コアユニットは、コア部および電磁コイルをそれぞれ有する。両コアユニットのコア部は、コア体を構成する。両コアユニットのコア部は、これらのコア部間に環状空室を形成するように対向配置される。この環状空室内には、両コアユニットの電磁コイルが対向するように収納される。両コアユニットの電磁コイルは、互いに電磁誘導によって電力を伝達可能である。両コアユニットのコア部は、磁束の集約効果を高め、電力の伝達効率を高める。
特開2002−25837号公報
前記電源伝送用ロータリジョイントでは、コア体として、磁性材料の粉末を焼結したフェライトコアが用いられる。
フェライトコアは、靭性が低く、換言すれば機械的にもろく、成形工程および加工工程において欠けおよび割れが発生しやすい。したがってフェライトコアは、回転軸を外囲するように設けられる場合、回転軸の外径が大きくなると、成形および加工が困難になるという問題がある。
またフェライトコアは、透磁率は高いけれども、飽和磁束密度が低いので、磁束の飽和を防ぐために、伝達されるべき電力を、高周波電力に変換する必要がある。したがって電力の変換に起因する高周波ノイズが発生するという問題がある。
本発明の目的は、軸部材の外径に拘わらず、好適に用いることができ、伝達されるべき電力の高周波電力への変換に起因する高周波ノイズの発生を防ぐことができる電力伝達装置のコア体を提供することである。
本発明は、軸部材を外囲して円環状にそれぞれ設けられ、互いに電磁誘導によって電力を伝達可能な第1および第2電磁コイルと、軸部材を外囲して円環状に設けられ、第1および第2電磁コイルを流れる電流によって発生する磁束の通過経路を形成するコア体とを含む電力伝達装置のコア体であって、
円筒状の周壁部と周壁部の軸線方向両端部から半径方向外方へ突出する外向きフランジ部とを有し、第1電磁コイルが嵌まり込む第1コア部と、
第1コア部に半径方向外方から対向して設けられ、円筒状の周壁部と周壁部の軸線方向両端部から半径方向内方へ突出する内向きフランジ部とを有し、第2電磁コイルが嵌まり込む第2コア部とを含み、
第1および第2コア部は、略C字状のコア片が、側面同士を突き合わせて周方向に並べられて構成され、
コア片の側面は、周方向に垂直であり、
コア片は、厚み方向に曲げられて略C字状に形成される電磁鋼板が積層されて構成されることを特徴とするコア体である。
本発明に従えば、第1および第2電磁コイルは、互いに電磁誘導によって電力を伝達する。第1および第2電磁コイルには電流が流れ、この電流によって磁束が発生する。この磁束の通過経路が、コア体によって形成される。これによって磁束の漏れが防がれ、電力の伝達効率が向上される。
第1および第2電磁コイルは、軸部材を外囲して円環状にそれぞれ設けられる。コア体は、軸部材を外囲して円環状に設けられ、第1および第2電磁コイルを流れる電流によって発生する磁束の通過経路を形成する。
コア体は、第1および第2コア部を含む。第1コア部は、周壁部と外向きフランジ部とを有する。第2コア部は、周壁部と内向きフランジ部とを有する。第2コア部は、第1コア部に半径方向外方から対向して設けられる。第1コア部には、第1電磁コイルが嵌まり込み、第2コア部には、第2電磁コイルが嵌まり込む。
したがって第1および第2コア部によって、第1および第2電磁コイルを共通に覆うことができ、しかも第1コア部と第2コア部との間のエアギャップを可及的に小さくすることができる。これによって漏れ磁束を可及的に抑えることができる。
このような第1および第2コア部は、略C字状のコア片が周方向に並べられて構成される。したがって小形のコア片を用いて、内径の大きな第1および第2コア部を実現することができる。
コア片は、厚み方向に曲げられて略C字状に形成される電磁鋼板が積層されて構成される。このようなコア片が、側面同士を突き合わせて周方向に並べられ、これによって第1および第2コア部が構成される。しかもコア片の側面は、周方向に垂直である。したがって第1および第2電磁コイルを流れる電流によって発生する磁束の通過経路を、電磁鋼板に沿って形成することができる。これによって漏れ磁束を抑えることができ、またコア片に渦電流が流れるという不具合を防ぐことができる。
コア体は、電磁鋼板から成るので、磁性材料の粉末を焼結したフェライトコアに比べて靭性が高く、欠けおよび割れなどの破損が防がれる。このようなコア体は、軸部材の外径に拘わらず、好適に用いることができる。
またコア体は、電磁鋼板から成るので、フェライトコアに比べて飽和磁束密度が高い。このようなコア体では、磁束の飽和を防ぐために、伝達されるべき電力を、フェライトコアの場合のように高周波電力に変換する必要がない。したがって電力の変換に起因する高周波ノイズの発生を防ぐことができる。
また本発明は、前記コア片は、電磁鋼板が筒状に巻回されて形成される巻鉄心が、軸線と交差する平面で切断されるとともに、軸線に平行な平面で切断されて形成されることを特徴とする。
本発明に従えば、電磁鋼板が筒状に巻回されて形成される巻鉄心が、軸線と交差する平面で切断されるとともに、軸線に平行な平面で切断され、これによって略C字状のコア片が形成される。この略C字状のコア片が周方向に並べられて第1および第2コア部が形成されるので、第1および第2電磁コイルを流れる電流によって発生する磁束の通過経路を、電磁鋼板の巻回方向に沿って形成することができ、これによって漏れ磁束を抑えることができる。またコア片に渦電流が流れるという不具合を防ぐことができる。
本発明によれば、第1コア部には、第1電磁コイルが嵌まり込み、第2コア部には、第2電磁コイルが嵌まり込むので、第1および第2コア部によって、第1および第2電磁コイルを共通に覆うことができ、しかも第1コア部と第2コア部との間のエアギャップを可及的に小さくすることができる。これによって第1および第2電磁コイルを流れる電流によって発生する漏れ磁束を可及的に抑えることができる。
このような第1および第2コア部は、略C字状のコア片が周方向に並べられ、これによって構成される。したがって小形のコア片を用いて、内径の大きな第1および第2コア部を実現することができる。
コア片は、厚み方向に曲げられて略C字状に形成される電磁鋼板が積層されて構成される。このようなコア片が、側面同士を突き合わせて周方向に並べられ、これによって第1および第2コア部が構成される。しかもコア片の側面は、周方向に垂直である。したがって第1および第2電磁コイルを流れる電流によって発生する磁束の通過経路を、電磁鋼板に沿って形成することができる。これによって漏れ磁束を抑えることができ、またコア片に渦電流が流れるという不具合を防ぐことができる。
コア体は、電磁鋼板から成るので、磁性材料の粉末を焼結したフェライトコアに比べて靭性が高く、欠けおよび割れなどの破損が防がれる。このようなコア体は、軸部材の外径に拘わらず、好適に用いることができる。
またコア体は、電磁鋼板から成るので、フェライトコアに比べて飽和磁束密度が高い。このようなコア体では、磁束の飽和を防ぐために、伝達されるべき電力を、フェライトコアの場合のように高周波電力に変換する必要がない。したがって電力の変換に起因する高周波ノイズの発生を防ぐことができる。
また本発明によれば、巻鉄心が、軸線と交差する平面で切断されるとともに、軸線に平行な平面で切断されて、略C字状のコア片が形成される。この略C字状のコア片が周方向に並べられて第1および第2コア部が形成されるので、第1および第2電磁コイルを流れる電流によって発生する磁束の通過経路を、電磁鋼板の巻回方向に沿って形成することができ、これによって漏れ磁束を抑えることができる。またコア片に渦電流が流れるという不具合を防ぐことができる。
図1は、本発明の実施の一形態であるコア体1を備える電力伝達装置2を、一部を切欠いて示す断面図である。電力伝達装置2は、たとえば多関節ロボットの手首部分として用いられる。電力伝達装置2には、先端工具が装着される。先端工具には、電力伝達装置2を介して電力が供給される。
電力伝達装置2は、軸部材3を有する第1構成体4と、第1構成体4に対して軸部材3の軸線L1まわりに角変位可能に設けられる第2構成体5とを含む。以下「軸部材3の軸線」を単に「軸線」と記載する場合がある。軸部材3は、円筒状であり、外径がたとえば120mm程度である。第1構成体4は、第1電磁コイル6と第1コア部7とを有する。第2構成体5は、第2電磁コイル8と第2コア部9とを有する。
第1および第2電磁コイル6,8は、軸部材3を外囲して円環状にそれぞれ設けられる。第2電磁コイル8の内径は、第1電磁コイル6の外径よりも大きい。第1および第2電磁コイル6,8は、軸部材3と同軸である。第1および第2電磁コイル6,8は、軸線方向Aに関する位置が同一である。換言すれば、第2電磁コイル8は、第1電磁コイル6に半径方向外方から対向して設けられる。第1および第2電磁コイル6,8は、互いに電磁誘導によって電力を伝達可能である。
図2は、コア体1を示す斜視図である。コア体1は、第1構成体4の第1コア部7と第2構成体5の第2コア部9とによって構成される。コア体1は、電磁鋼板から成る。コア体1は、軸部材3を外囲して円環状に設けられる。コア体1は、第1および第2電磁コイル6,8を流れる電流によって発生する磁束の通過経路を形成する。
第1および第2コア部7,9は、軸部材3を外囲して円環状にそれぞれ設けられる。第2コア部9の内径は、第1コア部7の外径よりも大きい。第1および第2コア部7,9は、軸部材3と同軸である。第1および第2コア部7,9は、軸線方向Aに関する位置が同一である。換言すれば、第2コア部9は、第1コア部7に半径方向外方から対向して設けられる。
図3は、第1コア部7を示す斜視図である。第1コア部7は、円筒状の周壁部11と、周壁部11の軸線方向A両端部11a,11bから半径方向外方へ突出する一対の外向きフランジ部12a,12bとを有する。周壁部11と一対の外向きフランジ部12a,12bとによって、半径方向内方へ退避する凹所13が形成される。この凹所13に、第1電磁コイル6が嵌まり込む。一対の外向きフランジ部12a,12bの各外周面14a,14bは、軸部材3と同軸の円筒面に沿うように加工される。
周壁部11には、第1電磁コイル6の電線の取出孔15が形成される。取出孔15は、周壁部11の軸線方向A一端部11a付近を、半径方向に貫通する。この取出孔15を介して、第1電磁コイル6の電線が、第1コア部7の半径方向内方側に取出される。
取出孔は、一対の外向きフランジ部12a,12bのいずれか一方に形成されてもよい。この場合、取出孔は、一対の外向きフランジ部12a,12bのいずれか一方を軸線方向Aに貫通する。この取出孔を介して、第1電磁コイル6の電線が、第1コア部7の軸線方向A一方側および他方側のいずれか一方に取出される。
また一対の外向きフランジ部12a,12bのいずれか一方には、前記取出孔に代えて、取出溝が形成されてもよい。この場合、取出溝は、一対の外向きフランジ部12a,12bの各外周面14a,14bのいずれか一方に、軸線方向Aに沿って形成される。この取出溝を介して、第1電磁コイル6の電線が、第1コア部7の軸線方向A一方側および他方側のいずれか一方に取出される。
図4は、第1コア部7のコア片16を示す斜視図である。第1コア部7は、略C字状のコア片16が軸線L1まわりの周方向Bに並べられて構成される。本実施の形態では、第1コア部7は、18個のコア片16が周方向Bに並べられて構成される。コア片16は、基部17と一対の突出部18a,18bとを有する。
基部17は、板状である。基部17は、厚み方向C1一方から見たとき、四角形であり、たとえば長方形あるいは正方形である。換言すれば、厚み方向C1一方から見たとき、基部17の縁辺は、互いに平行な対辺を2組、有し、一方の組の対辺が延びる方向である第1対辺方向C2と他方の組の対辺が延びる方向である第2対辺方向C3とは、互いに垂直である。第1および第2対辺方向C2,C3は、厚み方向C1に垂直である。
一対の突出部18a,18bのうち、一方は、基部17の第1対辺方向C2一端部17aから厚み方向C1一方へ突出し、他方は、基部17の第1対辺方向C2他端部17bから厚み方向C1一方へ突出する。
本実施の形態では、基部17は、厚み方向C1一方から見たとき、長方形である。一対の突出部18a,18bのうち、一方は、基部17の第1対辺方向C2一端部17aである長手方向一端部から厚み方向C1一方へ突出し、他方は、基部17の第1対辺方向C2他端部17bである長手方向他端部から厚み方向C1一方へ突出する。
図5は、第1コア部7のコア片16を示す平面図である。図5には、第1対辺方向C2一方から見たコア片16を示す。コア片16は、第1対辺方向C2一方から見たときの形状と、第1対辺方向C2他方から見たときの形状とが同一であるので、第1対辺方向C2他方から見たときの形状についての説明は省略する。コア片16は、軸部材3に応じて形成される。
第1対辺方向C2一方から見たとき、コア片16は、略台形状である。台形において、互いに平行な対辺のうち、短い方を短辺19aといい、長い方を長辺19bという。また前記対辺に対して傾斜する2辺を、一対の斜辺20a,20bという。第1対辺方向C2一方から見たとき、コア片16の縁辺は、短辺19aと、一対の斜辺20a,20bと、円弧19cとによって構成される。
一対の斜辺20a,20bは、厚み方向C1一方に進むにつれて、第2対辺方向C3の距離が大きくなる。一方の斜辺20aと厚み方向C1とが成す角度θ11と、他方の斜辺20bと厚み方向C1とが成す角度θ12とは、同一である。これらの各角度θ11,θ12は、第1コア部7を構成するコア片16の個数に応じて選ばれ、本実施の形態では10°に選ばれる。
円弧19cは、長辺19bに内接する円弧である。一方の斜辺20aと円弧19cとの交点P11における円弧19cの接線111と、一方の斜辺20aとが成す角度θ13は、90°である。また他方の斜辺20bと円弧19cとの交点P12における円弧19cの接線112と、他方の斜辺20bとが成す角度θ14は、90°である。
このようなコア片16は、互いの斜辺20a,20bが突き合された状態で周方向Bに並べられる。このとき、第1対辺方向C2は軸線方向Aと同一であり、第2対辺方向C3は周方向Bと同一である。各コア片16の基部17によって、第1コア部7の周壁部11が構成される。各コア片16の一対の突出部18a,18bによって、第1コア部7の一対の外向きフランジ部12a,12bが構成される。
図6は、第2コア部9を示す斜視図である。第2コア部9は、円筒状の周壁部21と、周壁部21の軸線方向A両端部21a,21bから半径方向内方へ突出する一対の内向きフランジ部22a,22bとを有する。周壁部21と一対の内向きフランジ部22a,22bとによって、半径方向外方へ退避する凹所23が形成される。この凹所23に、第2電磁コイル8が嵌まり込む。一対の内向きフランジ部22a,22bの各内周面24a,24bは、軸部材3と同軸の円筒面に沿うように加工される。
周壁部21には、第2電磁コイル8の電線の取出孔25が形成される。取出孔25は、周壁部21の軸線方向A他端部21b付近を、半径方向に貫通する。この取出孔25を介して、第2電磁コイル8の電線が、第2コア部9の半径方向外方側に取出される。
取出孔は、一対の内向きフランジ部22a,22bのいずれか一方に形成されてもよい。この場合、取出孔は、一対の内向きフランジ部22a,22bのいずれか一方を軸線方向Aに貫通する。この取出孔を介して、第2電磁コイル8の電線が、第2コア部9の軸線方向A一方側および他方側のいずれか一方に取出される。
また一対の内向きフランジ部22a,22bのいずれか一方には、前記取出孔に代えて、取出溝が形成されてもよい。この場合、取出溝は、一対の内向きフランジ部22a,22bの各内周面24a,24bに、軸線方向Aに沿って形成される。この取出溝を介して、第2電磁コイル8の電線が、第2コア部9の軸線方向A一方側および他方側のいずれか一方に取出される。
図7は、第2コア部9のコア片26を示す斜視図である。第2コア部9は、略C字状のコア片26が軸線L1まわりの周方向Bに並べられて構成される。本実施の形態では、第2コア部9は、18個のコア片26が周方向Bに並べられて構成される。コア片26は、基部27と一対の突出部28a,28bとを有する。
基部27は、板状である。基部27は、厚み方向D1一方から見たとき、四角形であり、たとえば長方形あるいは正方形である。換言すれば、厚み方向D1一方から見たとき、基部27の縁辺は、互いに平行な対辺を2組、有し、一方の組の対辺が延びる方向である第1対辺方向D2と他方の組の対辺が延びる方向である第2対辺方向D3とは、互いに垂直である。第1および第2対辺方向D2,D3は、厚み方向D1に垂直である。
一対の突出部28a,28bのうち、一方は、基部27の第1対辺方向D2一端部27aから厚み方向D1一方へ突出し、他方は、基部27の第1対辺方向D2他端部27bから厚み方向D1一方へ突出する。
本実施の形態では、基部27は、厚み方向D1一方から見たとき、長方形である。一対の突出部28a,28bのうち、一方は、基部27の第1対辺方向D2一端部27aである長手方向一端部から厚み方向D1一方へ突出し、他方は、基部27の第1対辺方向D2他端部27bである長手方向他端部から厚み方向D1一方へ突出する。
図8は、第2コア部9のコア片26を示す平面図である。図8には、第1対辺方向D2一方から見たコア片26を示す。コア片26は、第1対辺方向D2一方から見たときの形状と、第1対辺方向D2他方から見たときの形状とが同一であるので、第1対辺方向D2他方から見たときの形状についての説明は省略する。コア片26は、軸部材3に応じて形成される。
第1対辺方向D2一方から見たとき、コア片26は、略台形状である。台形において、互いに平行な対辺のうち、短い方を短辺29aといい、長い方を長辺29bという。また前記対辺に対して傾斜する2辺を、一対の斜辺30a,30bという。第1対辺方向D2一方から見たとき、コア片26の縁辺は、円弧29cと、一対の斜辺30a,30bと、長辺29bとによって構成される。
一対の斜辺30a,30bは、厚み方向D1一方に進むにつれて、第2対辺方向D3の距離が小さくなる。一方の斜辺30aと厚み方向D1とが成す角度θ21と、他方の斜辺30bと厚み方向D1とが成す角度θ22とは、同一である。これらの各角度θ21,θ22は、第2コア部9を構成するコア片26の個数に応じて選ばれ、本実施の形態では10°に選ばれる。
円弧29cは、一方の斜辺30aと短辺29aとの交点P21および他方の斜辺30bと短辺29aとの交点P22を通る円弧である。一方の斜辺30aと短辺29aとの交点P21における円弧29cの接線121と、一方の斜辺30aとが成す角度θ23は、90°である。また他方の斜辺30bと短辺29aとの交点P22における円弧29cの接線122と、他方の斜辺30bとが成す角度θ24は、90°である。
このようなコア片26は、互いの斜辺30a,30bが突き合された状態で周方向Bに並べられる。このとき、第1対辺方向D2は軸線方向Aと同一であり、第2対辺方向D3は周方向Bと同一である。各コア片26の基部27によって、第2コア部9の周壁部21が構成される。各コア片26の一対の突出部28a,28bによって、第2コア部9の一対の内向きフランジ部22a,22bが構成される。
第1コア部7のコア片16において、一方の斜辺20aと円弧19cとの交点P11および他方の斜辺20bと円弧19cとの交点P12間の距離を、第1交点間距離W101とする。また第2コア部9のコア片26において、一方の斜辺30aと短辺29aとの交点P21および他方の斜辺30bと短辺29aとの交点P22間の距離を、第2交点間距離W102とする。このとき、第2交点間距離W102は、第1交点間距離W101よりも大きい。
図9は、コア体1を、軸線L1を含む平面で切断して見た断面図である。第1コア部7の外向きフランジ部12a,12bと第2コア部9の内向きフランジ部22a,22bとは、軸線方向Aに関する位置が同一である。第1コア部7と第2コア部9とによって、円環状の空間31が形成される。この空間31に、第1および第2電磁コイル6,8が収容される。第1電磁コイル6は、前記空間31のうち第1コア部7の凹所13に収容される。第2電磁コイル8は、前記空間31のうち第2コア部9の凹所23に収容される。
第1コア部7の外向きフランジ部12a,12bと第2コア部9の内向きフランジ部22a,22bとの間には、間隙W1が形成される。この間隙W1が小さいほど、漏れ磁束を抑えることができる。本実施の形態では、第1コア部7の外向きフランジ部12a,12bと第2コア部9の内向きフランジ部22a,22bとの間の間隙W1は、0.1〜0.2mm程度である。第1コア部7の外向きフランジ部12a,12bの軸線方向Aの幅W2aと第2コア部9の内向きフランジ部22a,22bの軸線方向Aの幅W2bとは、同一である。
図10は、巻鉄心36を示す斜視図である。巻鉄心36は、電磁鋼板が筒状に巻回されて形成される。巻鉄心36は、電磁鋼板として、たとえば表面を電気的に絶縁したケイ素鋼板が、筒状に巻回されて形成される。
巻鉄心36は、電磁鋼板がたとえば四角筒状に巻回されて形成される。巻鉄心36の軸直角断面は、長方形状あるいは正方形状である。巻鉄心36は、板状の第1〜第4板状部分36a〜36dによって構成される。第1および第2板状部分36a,36bは、互いに平行な状態で対向する。第3および第4板状部分36c,36dは、互いに平行な状態で対向する。
本実施の形態では、巻鉄心36の軸直角断面は長方形状である。第1および第2板状部分36a,36b間の間隔W11は、第3および第4板状部分36c,36d間の間隔W12よりも大きい。このような巻鉄心36が切断されて、第1コア部7のコア片16および第2コア部9のコア片26が形成される。
図11は、第1および第2コア部7,9の製造方法の一例を説明するために、巻鉄心36の一部を示す平面図である。図11には、第1板状部分36aに垂直な方向から見た巻鉄心36を示す。第1および第2コア部7,9は、巻鉄心36が、巻鉄心36の軸線L2と交差する平面で切断されるとともに、巻鉄心36の軸線L2に平行な平面で切断されて形成される。
第1および第2コア部7,9の製造方法の一例では、まず巻鉄心36を、巻鉄心36の軸線L2と交差する平面である一対の軸交差切断面37a,37bで切断するとともに、巻鉄心36の軸線L2に平行な平面である軸平行切断面38で切断する。一対の軸交差切断面37a,37bおよび軸平行切断面38は、第1板状部分36aに垂直である。
軸平行切断面38は、第3および第4板状部分36c,36d間に配置される。本実施の形態では、軸平行切断面38は、第3および第4板状部分36c,36d間の中央に配置される。換言すれば、軸平行切断面38は、巻鉄心36の軸線L2を含む。
一対の軸交差切断面37a,37bは、第3板状部分36cから第4板状部分36dに向かう方向Eに進むにつれて互いに近づくように、巻鉄心36の軸線L2に対してそれぞれ傾斜する。一方の軸交差切断面37aと巻鉄心36の軸線L2とが成す角度θ31と、他方の軸交差切断面37bと巻鉄心36の軸線L2とが成す角度θ32とは、同一である。これらの各角度θ31,θ32は、第1コア部7を構成するコア片16の個数に応じて選ばれ、本実施の形態では80°に選ばれる。
一対の軸交差切断面37a,37bの間には、第1コア部7のコア片16の前駆体である第1コア片前駆体41と、第2コア部9のコア片26の前駆体である第2コア片前駆体42とが形成される。第1コア片前駆体41は、軸平行切断面38に関して第4板状部分36d寄りの部分である。第2コア片前駆体42は、軸平行切断面38に関して第3板状部分36c寄りの部分である。
次に、複数、本実施の形態では18個の第1コア片前駆体41を、側面同士を突き合わせて周方向に並べて、円環状に配置して、第1コア部7の前駆体を構成する。この第1コア部7の前駆体の外周面を、この外周面に内接する円筒面に加工する。このようにして、第1コア部7が製造される。
また複数、本実施の形態では18個の第2コア片前駆体42を、側面同士を突き合わせて周方向に並べて、円環状に配置して、第2コア部9の前駆体を構成する。この第2コア部9の前駆体の内周面を、この内周面に外接する円筒面に加工する。このようにして、第2コア部9が製造される。
図12は、第1および第2コア部7,9の製造方法の他の例を説明するために、巻鉄心の36の一部を示す平面図である。図12には、第1板状部分36aに垂直な方向から見た巻鉄心36を示す。第1および第2コア部7,9は、前述の一例と同様、巻鉄心36が、巻鉄心36の軸線L2と交差する平面で切断されるとともに、巻鉄心36の軸線L2に平行な平面で切断されて形成される。
第1および第2コア部7,9の製造方法の他の例では、まず巻鉄心36を、巻鉄心36の軸線L2に平行な平面である軸平行切断面71で切断する。軸平行切断面71は、第1板状部分36aに垂直である。軸平行切断面71は、第3および第4板状部分36c,36d間に配置される。本実施の形態では、軸平行切断面71は、第3および第4板状部分36c,36d間の中央に配置される。換言すれば、軸平行切断面71は、巻鉄心36の軸線L2を含む。
次に、軸平行切断面71に関して第4板状部分36d寄りの部分72を、巻鉄心36の軸線L2と交差する平面である一対の第1軸交差切断面73a,73bで切断する。一対の第1軸交差切断面73a,73bの間には、第1コア部7のコア片16の前駆体である第1コア片前駆体74が形成される。
一対の第1軸交差切断面73a,73bは、第1板状部分36aに垂直であり、かつ巻鉄心36の軸線L2に交差する。一対の第1軸交差切断面73a,73bは、第3板状部分36cから第4板状部分36dに向かう方向Eに進むにつれて互いに近づくように、巻鉄心36の軸線L2に対してそれぞれ傾斜する。
一方の第1軸交差切断面73aと巻鉄心36の軸線L2とが成す角度θ41と、他方の第1軸交差切断面73bと巻鉄心36の軸線L2とが成す角度θ42とは、同一である。これらの各角度θ41,θ42は、第1コア部7を構成するコア片16の個数に応じて選ばれ、本実施の形態では80°に選ばれる。
また軸平行切断面71に関して第3板状部分36c寄りの部分75を、巻鉄心36の軸線L2と交差する平面である一対の第2軸交差切断面76a,76bで切断する。一対の第2軸交差切断面76a,76bの間には、第2コア部9のコア片26の前駆体である第2コア片前駆体77が形成される。
一対の第2軸交差切断面76a,76bは、第1板状部分36aに垂直であり、かつ巻鉄心36の軸線L2に交差する。一対の第2軸交差切断面76a,76bは、第3板状部分36cから第4板状部分36dに向かう方向Eに進むにつれて互いに近づくように、巻鉄心36の軸線L2に対してそれぞれ傾斜する。
一方の第2軸交差切断面76aと巻鉄心36の軸線L2とが成す角度θ51と、他方の第2軸交差切断面76bと巻鉄心36の軸線L2とが成す角度θ52とは、同一である。これらの各角度θ51,θ52は、第2コア部9を構成するコア片26の個数に応じて選ばれ、本実施の形態では80°に選ばれる。
軸平行切断面71と一方の第1軸交差切断面73aとが交差する直線および軸平行切断面71と他方の第1軸交差切断面73bとが交差する直線間の距離を、第1直線間距離W31とする。また軸平行切断面71と一方の第2軸交差切断面76aとが交差する直線および軸平行切断面71と他方の第2軸交差切断面76bとが交差する直線間の距離を、第2直線間距離W32とする。このとき、第2直線間距離W32は、第1直線間距離W31よりも小さい。
次に、複数、本実施の形態では18個の第1コア片前駆体74を、側面同士を突き合わせて周方向に並べて、円環状に配置して、第1コア部7の前駆体を構成する。この第1コア部7の前駆体の外周面を、この外周面に内接する円筒面に加工する。このようにして、第1コア部7が製造される。
また複数、本実施の形態では18個の第2コア片前駆体77を、側面同士を突き合わせて周方向に並べて、円環状に配置して、第2コア部9の前駆体を構成する。この第2コア部9の前駆体の内周面を、この内周面に外接する円筒面に加工する。このようにして、第2コア部9が製造される。
図13は、図12に示す第1および第2コア片前駆体74,77を、巻鉄心36の第1板状部分36aに平行な平面に投影した投影図である。図12に示す第1および第2コア片前駆体74,77を、巻鉄心36の第1板状部分36aに平行な平面に投影したとき、前記平行な平面において、第1および第2コア片前駆体74,77は、それぞれ台形である。
第1コア片前駆体74による台形の縁辺は、互いに平行な対辺81,82と、対辺81,82に対して傾斜する一対の斜辺83,84とによって構成される。対辺81,82のうち、短い方を短辺81といい、長い方を長辺82という。
第2コア片前駆体77による台形の縁辺は、互いに平行な対辺91,92と、対辺91,92に対して傾斜する一対の斜辺93,94とによって構成される。対辺91,92のうち、短い方を短辺91といい、長い方を長辺92という。
前述のように第1コア部7の前駆体の外周面を、この外周面に内接する円筒面に加工すると、第1コア片前駆体74には、仮想線で示す円弧85が形成される。円弧85は、長辺82に内接する円弧である。一方の斜辺83と円弧85との交点P31における円弧85の接線は、一方の斜辺83に対して垂直である。他方の斜辺84と円弧85との交点P32における円弧85の接線は、他方の斜辺84に対して垂直である。
また前述のように第2コア部9の前駆体の内周面を、この内周面に外接する円筒面に加工すると、第2コア片前駆体77には、仮想線で示す円弧95が形成される。円弧95は、一方の斜辺93と短辺91との交点P33および他方の斜辺94と短辺91との交点P34を通る円弧である。一方の斜辺93と円弧95との交点P33における円弧95の接線は、一方の斜辺93に対して垂直である。他方の斜辺94と円弧95との交点P34における円弧95の接線は、他方の斜辺94に対して垂直である。
前記第1および第2コア部7,9の製造方法の他の例では、第2コア片前駆体77の短辺91の長さW42は、第1コア片前駆体74の長辺82の長さW41よりも小さい。しかも第2コア片前駆体77の短辺91の長さW42は、第1コア片前駆体74における一対の斜辺83,84と円弧85との交点P31,P32間を結ぶ弦の長さW43よりも大きい。
図14は、第1コア部7のコア片16および第2コア部9のコア片26を軸線L1に垂直な平面に投影した投影図である。前記第1および第2コア部7,9の製造方法の他の例では、前述のように第2コア片前駆体77の短辺91の長さW42は、第1コア片前駆体74の長辺82の長さW41よりも小さい。したがって各円弧85,95の中心が同一になるように、各コア片16,26が配置されると、各コア片16,26の間隔W51は、第2コア部9のコア片26が第1コア部7のコア片16に対して仮想線98で示す位置に配置される前記一例の場合よりもさらに小さくなる。
また前記第1および第2コア部7,9の製造方法の他の例では、前述のように第2コア片前駆体77の短辺91の長さW42は、第1コア片前駆体74における一対の斜辺83,84と円弧85との交点P31,P32間を結ぶ弦の長さW43よりも大きい。したがって各円弧85,95の中心が同一になるように、各コア片16,26が配置されたときに、各コア片16,26が接触してしまうという不具合を防ぐことができる。
図15は、第1および第2コア部7,9の製造方法のさらに他の例を説明するために、巻鉄心36の一部を示す平面図である。図16は、コア体1の前駆体43を示す斜視図である。図15には、第1板状部分36aに垂直な方向から見た巻鉄心36を示す。
第1および第2コア部7,9の製造方法のさらに他の例では、まず巻鉄心36を、巻鉄心36の軸線L2と交差する平面である一対の軸交差切断面131a,131bで切断する。一対の軸交差切断面131a,131bは、第1板状部分36aに垂直であり、かつ巻鉄心36の軸線L2に交差する。一対の軸交差切断面131a,131bは、第3板状部分36cから第4板状部分36dに向かう方向Eに進むにつれて互いに近づくように、巻鉄心36の軸線L2に対してそれぞれ傾斜する。
一方の軸交差切断面131aと巻鉄心36の軸線L2とが成す角度θ61と、他方の軸交差切断面131bと巻鉄心36の軸線L2とが成す角度θ62とは、同一である。これらの各角度θ61,θ62は、第1コア部7を構成するコア片16の個数に応じて選ばれ、本実施の形態では80°に選ばれる。
次に、一対の軸交差切断面37a,37bに挟まれる部分132を複数、本実施の形態では18個、斜辺同士を突き合わせて周方向に並べて、円環状に配置して、コア体1の前駆体43を構成する。このコア体1の前駆体43を、図16に示す円44に沿って、切断する。このようにして、第1および第2コア部7,9が製造される。
図17は、電力伝達装置2を示す断面図である。前述のように、電力伝達装置2は、軸部材3を有する第1構成体4と、第1構成体4に対して軸部材3の軸線L1まわりに角変位可能に設けられる第2構成体5とを含む。
第1構成体4は、軸部材3、第1電磁コイル6および第1コア部7に加えて、一対の保護部材51a,51bを有する。一対の保護部材51a,51bは、軸部材3を外囲して円環状に設けられる。一対の保護部材51a,51bは、軸部材3と同軸である。一方の保護部材51aは、軸線方向A一方から第1コア部7に当接し、第1コア部7に固定される。他方の保護部材51bは、軸線方向A他方から第1コア部7に当接し、第1コア部7に固定される。一対の保護部材51a,51bによって、第1コア部7と、後述の第2構成体5における一対の係止部材52a,52bとの間の摩擦が防がれ、これによって第1コア部7が保護される。第1コア部7および一対の保護部材51a,51bは、軸部材3に対して固定される。軸部材3の軸線方向A一端部3aには、円環状のフランジ部材53がボルト部材によって固定される。
第2構成体5は、第2電磁コイル8と、第2コア部9に加えて、第2コア部9を保持するホルダ54と、一対の係止部材52a,52bとを有する。ホルダ54は、円筒状の周壁部55と、周壁部55の軸線方向A一端部55aから半径方向内方へ突出する内向きフランジ部56とを有する。周壁部55は、第2コア部9を外囲する。内向きフランジ部56は、第2コア部9の軸線方向A他方から第2コア部9に当接し、第2コア部9に固定される。
一対の係止部材52a,52bは、軸部材3を外囲して円環状に設けられる。一対の係止部材52a,52bは、軸部材3と同軸である。一方の係止部材52aは、軸線方向A一方からホルダ54に当接し、ボルト部材によってホルダ54に固定される。また一方の係止部材52aは、軸線方向A一方から前記一方の保護部材51aに当接する。他方の係止部材52bは、軸線方向A他方からホルダ54に当接し、ボルト部材によってホルダ54に固定される。また他方の係止部材52bは、軸線方向A他方から前記他方の保護部材51bに当接する。
図18は、第2コア部9の分離状態を示す斜視図である。第2コア部9は、周方向に関して複数のコア部分に分離可能に設けられる。本実施の形態では、第2コア部9は、軸線L1を含む平面に関して両側の2つのコア部分9a,9bに分離可能に設けられる。ホルダ54は、周方向に関して複数のホルダ部分54a,54bに分離可能に設けられる。本実施の形態では、ホルダ54は、軸線L1を含む平面に関して両側の2つのホルダ部分54a,54bに分離可能に設けられる。各コア部分9a,9bは、各ホルダ部分54a,54bにそれぞれ固定される。
各コア部分9a,9bおよび各ホルダ部分54a,54bは、円環状に配置された状態で、一対の係止部材52a,52bおよびボルト部材によって、固定される。各ホルダ部分54a,54bおよび一対の係止部材52a,52bは、第2コア部9の各コア部9a,9bを円環状に配置した状態で保持する保持手段59となる。
図19は、電力伝達装置2の組立て方法を説明するためのフローチャートである。図20は、電力伝達装置2を分解して示す断面図である。電力伝達装置2を組立てるにあたっては、まずステップs1で、第1コア部7に第1電磁コイル6を形成するとともに、ステップs2で、第2コア部9を、分割状態にして、第2電磁コイル8を半径方向外方から覆うように設けて組立て、第2電磁コイル8を第2コア部9に嵌め込む。この後、ステップs3で、第2電磁コイル8が嵌まり込む第2コア部9に第1電磁コイル6が嵌まり込む第1コア部7を、第2コア部9が第1コア部7に半径方向外方から対向するように、嵌め込む。
詳細に述べると、第1コア部7に第1電磁コイル6を形成するにあたっては、まず軸部材3に、一対の保護部材51a,51bおよび第1コア部7を設ける。そして第1コア部7に第1電磁コイル6を形成する。このようにして第1構成体4が構成される。
第2電磁コイル8を第2コア部9に嵌め込むにあたっては、円環状の第2電磁コイル8を予め準備しておく。そして、ホルダ54の各ホルダ部分54a,54bを分解した状態で、これらの各ホルダ部分54a,54bに、第2コア部9の各コア部分9a,9bを設ける。そして第2コア部9を、分割状態にして、前記第2電磁コイル8を半径方向外方から覆うように設けて組立て、第2電磁コイル8を第2コア部9に嵌め込む。この後、各ホルダ部分54a,54bと、他方の係止部材52bとを、ボルト部材によって固定する。このようにして第2構成体5の一部60が構成される。
第2コア部9に第1コア部7を嵌め込むにあたっては、第1構成体4を、前記第2構成体5の一部60の軸線方向A一方側から、軸線方向Aに移動させ、これによって、第2電磁コイル8が嵌まり込む第2コア部9に第1電磁コイル6が嵌まり込む第1コア部7を、第2コア部9が第1コア部7に半径方向外方から対向するように、嵌め込む。
このように第2コア部9に第1コア部7を嵌め込んだ後、一方の係止部材52aを、ホルダ54にボルト部材によって固定し、さらにフランジ部材53を、軸部材3に固定する。このようにして、電力伝達装置2を組立てることができる。
以上のような本実施の形態によれば、コア体1は、電磁鋼板から成るので、磁性材料の粉末を焼結したフェライトコアに比べて靭性が高く、欠けおよび割れなどの破損が防がれる。このようなコア体1は、軸部材の外径に拘わらず、好適に用いることができる。
またコア体1は、電磁鋼板から成るので、フェライトコアに比べて飽和磁束密度が高い。このようなコア体1では、磁束の飽和を防ぐために、伝達されるべき電力を、フェライトコアの場合のように高周波電力に変換する必要がない。たとえばフェライトコアの場合は、数十kHzの電力が用いられるけれども、本実施の形態では、1kHz程度の電力が用いられる。したがって電力の変換に起因する高周波ノイズの発生を防ぐことができる。これによって、たとえば電力とともに信号を伝達する場合に、ノイズ防止対策が不要となり、製造コストを低減することができる。
また本実施の形態によれば、電磁鋼板から成る複数のコア片16,26が組立てられ、これによってコア体1が構成される。したがって一体的に成形することが困難な形状のコア体1であっても、複数のコア片16,26を組合せることによって実現することができる。
また本実施の形態によれば、第1および第2コア部7,9によって、第1および第2電磁コイル6,8を共通に覆うことができ、しかも第1コア部7と第2コア部9との間のエアギャップを可及的に小さくすることができる。これによって漏れ磁束を可及的に抑えることができる。
このような第1および第2コア部7,9は、略C字状のコア片16,26が周方向に並べられて構成される。したがって小形のコア片16,17を用いて、内径の大きな第1および第2コア部7,9を実現することができる。
また第1および第2コア部7,9は、略C字状のコア片16,26が周方向に並べられて構成されるので、第1コア部7の内周面は多角筒状であり、第2コア部9の外周面は多角筒状である。したがって第1コア部7と軸部材3との間のすべりを防止することができ、また第2コア部9とホルダ54との間のすべりを防止することができる。
また本実施の形態によれば、電磁鋼板が筒状に巻回されて形成される巻鉄心が、軸線L2と交差する平面で切断されるとともに、軸線L2に平行な平面で切断され、これによって略C字状のコア片16,26が形成される。このC字状のコア片16,26が周方向Bに並べられて第1および第2コア部7,9が形成されるので、第1および第2電磁コイル6,8を流れる電流によって発生する磁束の通過経路を、電磁鋼板の巻回方向に沿って形成することができ、これによって漏れ磁束を抑えることができる。またコア片16,26に渦電流が流れるという不具合を防ぐことができる。
第1コア部7には、第1電磁コイル6が嵌まり込み、第2コア部9には、第2電磁コイル8が嵌まり込む。したがって第1および第2コア部7,9によって、第1および第2電磁コイル6,8を共通に覆うことができ、しかも第1コア部7と第2コア部9との間のエアギャップを可及的に小さくすることができる。これによって第1および第2電磁コイル6,8を流れる電流によって発生する漏れ磁束を可及的に抑えることができる。
第2コア部9は、周方向Bに関して2つのコア部分9a,9bに分割可能に設けられる。したがって第2電磁コイル8を予め準備しておき、第2コア部9を、分割状態にして、第2電磁コイル8を半径方向外方から覆うように設けて組立てることによって、第2電磁コイル8を第2コア部9に嵌め込むことができる。このようにして、組立てにおける作業性を向上させることができる。
また本実施の形態によれば、保持手段59によって、第2コア部9の各コア部分9a,9bを保持して、各コア部分9a,9bを円環状に配置した状態に維持することができる。
前述の実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において構成を変更することができる。たとえば第1コア部7の一対の外向きフランジ部12a,12bの各外周面14a,14bは、必ずしも円筒面に加工される必要はなく、多角筒面でもよい。また第2コア部9の一対の内向きフランジ部22a,22bの各内周面24a,24bは、必ずしも円筒面に加工される必要はなく、多角筒面でもよい。本発明は、第1コア部7の一対の外向きフランジ部12a,12bの各外周面14a,14bと第2コア部9の一対の内向きフランジ部22a,22bの各内周面24a,24bとが接触しなければよい。
第1コア部7を構成する略C字状のコア片16の個数は、18個に限られるものではなく、3個以上であればよい。また第2コア部9を構成するC字状のコア片26の個数は、18個に限られるものではなく、3個以上であればよい。第1コア部7を構成するコア片16の個数および第2コア部9を構成するコア片26の個数は、必ずしも同一である必要はなく、異なっていてもよい。
コア体1は、略C字状のコア片16,26ではなく、その他の形状のコア片が組立てられて構成されてもよい。たとえば、第1コア部7は、軸部材3を外囲する円筒状の第1コア片と、軸部材3を外囲する一対の円環状の第2コア片とが組立てられて、構成されてもよい。この場合、第1コア片は、第1コア部7の周壁部11となり、一対の第2コア片は、第1コア部7の一対の外向きフランジ部12a,12bとなる。第1コア片は、電磁鋼板が円筒状に巻回されて形成される。また第2コア片は、円環状の電磁鋼板が軸線方向に積層されて形成される。
第2コア部9は、必ずしも周方向に関して複数のコア部分に分離可能に設けられる必要はない。
本発明は、軸部材3を有する第1構成体4に対して、第2構成体5が軸線L1まわりに角変位可能な構成に限らず、第1構成体4に対して、第2構成体5が着脱可能な構成にも適用することができる。
本発明の実施の一形態であるコア体1を備える電力伝達装置2を、一部を切欠いて示す断面図である。 コア体1を示す斜視図である。 第1コア部7を示す斜視図である。 第1コア部7のコア片16を示す斜視図である。 第1コア部7のコア片16を示す平面図である。 第2コア部9を示す斜視図である。 第2コア部9のコア片26を示す斜視図である。 第2コア部9のコア片26を示す平面図である。 コア体1を、軸線L1を含む平面で切断して見た断面図である。 巻鉄心36を示す斜視図である。 第1および第2コア部7,9の製造方法の一例を説明するために、巻鉄心36の一部を示す平面図である。 第1および第2コア部7,9の製造方法の他の例を説明するために、巻鉄心の36の一部を示す平面図である。 図12に示す第1および第2コア片前駆体74,77を、巻鉄心36の第1板状部分36aに平行な平面に投影した投影図である。 第1コア部7のコア片16および第2コア部9のコア片26を軸線L1に垂直な平面に投影した投影図である。 第1および第2コア部7,9の製造方法のさらに他の例を説明するために、巻鉄心36の一部を示す平面図である。 コア体1の前駆体43を示す斜視図である。 電力伝達装置2を示す断面図である。 第2コア部9の分離状態を示す斜視図である。 電力伝達装置2の組立て方法を説明するためのフローチャートである。 電力伝達装置2を分解して示す断面図である。
符号の説明
1 コア体
2 電力伝達装置
3 軸部材
4 第1構成体
5 第2構成体
6 第1電磁コイル
7 第1コア部
8 第2電磁コイル
9 第2コア部
11 第1コア部7の周壁部
12a,12b 第1コア部7の一対の外向きフランジ部
16 第1コア部7のコア片
21 第2コア部7の周壁部
22a,22b 第2コア部9の一対の内向きフランジ部
26 第2コア部9のコア片
36 巻鉄心
37a,37b 一対の軸交差切断面
38 軸平行切断面
59 保持手段

Claims (2)

  1. 軸部材を外囲して円環状にそれぞれ設けられ、互いに電磁誘導によって電力を伝達可能第1および第2電磁コイルと、軸部材を外囲して円環状に設けられ、第1および第2電磁コイルを流れる電流によって発生する磁束の通過経路を形成するコア体とを含む電力伝達装置のコア体であって、
    円筒状の周壁部と周壁部の軸線方向両端部から半径方向外方へ突出する外向きフランジ部とを有し、第1電磁コイルが嵌まり込む第1コア部と、
    第1コア部に半径方向外方から対向して設けられ、円筒状の周壁部と周壁部の軸線方向両端部から半径方向内方へ突出する内向きフランジ部とを有し、第2電磁コイルが嵌まり込む第2コア部とを含み、
    第1および第2コア部は、略C字状のコア片が、側面同士を突き合わせて周方向に並べられて構成され、
    コア片の側面は、周方向に垂直であり、
    コア片は、厚み方向に曲げられて略C字状に形成される電磁鋼板が積層されて構成されることを特徴とするコア体。
  2. 前記コア片は、電磁鋼板が筒状に巻回されて形成される巻鉄心が、軸線と交差する平面で切断されるとともに、軸線に平行な平面で切断されて形成されることを特徴とする請求項1記載のコア体。
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