JP4578739B2 - モノグリセリドの製造法 - Google Patents

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧品等の乳化剤や保湿剤、工業用乳化剤及び食品添加物として広く利用されているモノグリセリドを高純度で簡便に効率よく工業的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
高純度なモノグリセリドを得る方法として、油脂とグリセリンをアルカリ存在下反応させ、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドの混合物を得た後、分子蒸留にて、モノグリセリドのみを得る方法が知られている。しかし、この方法は、モノグリセリド以外の生成物の回収と再反応を行うため、設備の負担が大きく、また、沸点差により分取するため、中鎖脂肪酸(C8〜C14)あるいは、混合脂肪酸組成のモノグリセリドを得ることが困難である。また、蒸留時の加熱のため、不飽和脂肪酸組成を有するモノグリセリドを異性化することなく得ることが困難であるという問題がある。
【0003】
一方、モノグリセリドケタール又はアセタール(以下単にアセタールという)を脱アセタール化してモノグリセリドを得る方法も知られている。この方法に用いられるモノグリセリドアセタールの合成法としては、グリセリンとケトン又はアルデヒドを反応させたグリセリンアセタールと脂肪酸を反応させて得る方法があるが、この脂肪酸とのエステル化を、酸又は塩基触媒を用いて行った場合、通常のエステル化条件では保護基であるアセタールがエステル化で生成した水により容易に加水分解してしまい、生成物は目的物以外にグリセリン由来の水酸基をエステル化された複雑な混合物となる。また、酸又は塩基触媒の代わりに酵素を用い、減圧下反応を行うことでモノグリセリドアセタールを得る方法も知られているが(特開平11−187891号)、酵素に対応した設備が必要になり、また、長鎖脂肪酸では、酵素に適した温度での反応は難しい。
【0004】
更に脂肪酸の代わりに、脂肪酸エステルを用い、触媒としてアルカリを用いてグリセリンアセタールとエステル交換反応を行う方法も知られているが、この方法では、着色し易く、また、副生物が生成するため、それらの除去、あるいは蒸留精製等が必要であるという問題がある。
【0005】
また、高純度のモノグリセリドアセタールの簡便で高品質な製造法として、脂肪酸とケトン又はアルデヒドとグリセリン類とを、触媒の存在下で一括して仕込み、アセタール化、エステル化、エステル交換を同時に進行させる方法も知られている(特開平11−370095号)。しかし、この方法ではエステル化及びアセタール化で生成する水を脱水する必要があり、そのための脱水溶媒又は捕水剤の使用が必要となる。また、反応速度は脱水律速であり合成に長時間を要する。
【0006】
本発明の課題は、モノグリセリドを高純度で簡便に効率よく製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、グリセリド(以下原料グリセリドという)とグリセリンのアセタール化物を触媒存在下でエステル交換反応を行い、モノグリセリドアセタールを含有する混合物を得、この混合物からグリセリンのアセタール化物を留去し、水性溶媒でグリセリンを抽出除去した後、加水分解により脱アセタール化を行う、モノグリセリドの製造法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる原料グリセリドとしては、一般式(1)で表される化合物(以下グリセリド(1)という)が挙げられる。
【0009】
【化5】
Figure 0004578739
【0010】
[式中、Aは水素原子、又は炭素数2〜50の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖のアシル基あるいは環状鎖を含むアシル基を示し、3つのAは互いに同一でも異なっても良い。ただし、Aは同時に全てが水素原子にはならない。]
グリセリド(1)としては、グリセリンと、炭素数2〜50、好ましくは炭素数2〜25の、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖カルボン酸、あるいは環状鎖を含むカルボン酸から合成される、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド及びそれらの混合物、あるいは天然の油脂等が挙げられ、油脂が好ましい。油脂としては、牛脂、豚脂、いわし油、硬化いわし油、まぐろ油、さめ肝油等の動物由来の油脂、又はアマニ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、コーン油、落花生油、綿実油、ゴマ油、ナタネ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、硬化パーム油、硬化パーム核油、硬化ヤシ油等の植物由来の油脂等が挙げられる。また、このグリセリド中にグリセリンを混合しても構わない。
【0011】
また、グリセリンのアセタール化物としては、一般式(2)で表される化合物(以下化合物(2)という)が挙げられる。
【0012】
【化6】
Figure 0004578739
【0013】
[式中、R1、R2は同一又は異なって、水素原子、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜22のアルキル基もしくはアルケニル基、あるいはアルキル基で置換されていてもよい総炭素数6〜30のアリール基を示し、R1とR2が結合して環を形成していても良い。]
化合物(2)において、R1とR2は上記の意味を示すが、R1とR2の合計炭素数は2〜9が好ましい。R1とR2の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトンから誘導される基、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアルデヒドから誘導される基が挙げられる。
【0014】
本発明においては、まず原料グリセリドに対し、グリセリンのアセタール化物を、好ましくは2〜20倍モル、更に好ましくは4〜12倍モル加え、触媒を、原料グリセリドに対して、好ましくは0.001〜50重量%、更に好ましくは0.2〜1重量%加え、減圧又は常圧下、好ましくは10〜200℃、更に好ましくは20〜100℃の反応温度でエステル交換反応を行う。このとき系内の水分は少ない方が好ましく、更に好ましくは0.2重量%以下である。
【0015】
このエステル交換反応に用いられる触媒は、特に限定されるものではなく、通常のエステル交換に用いられる酸触媒又は塩基触媒が用いられ、酸触媒としては、塩酸、硫酸等の無機酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸、又は酸性白土、シリカアルミナ、パーフロロイオン交換ポリマー(ナフィオン(デュポン社製))等の固体酸が挙げられる。塩基触媒としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カルシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水素化物、又は固体塩基もしくはナトリウムメチラート、カリウムメチラート、グリセリンアセタールのナトリウムアルコラート等のアルコラート類が挙げられる。
【0016】
本発明においては、上記のようなエステル交換反応を行うと、モノグリセリドアセタールを含有する混合物が得られる。例えばグリセリド(1)と化合物(2)とのエステル交換反応を行うと、一般式(3)〜(6)で表される化合物の少なくとも1種と未反応原料の混合物が得られる。
【0017】
【化7】
Figure 0004578739
【0018】
[式中、A’は炭素数2〜50の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖のアシル基あるいは環状鎖を含むアシル基を示し、R1及びR2は前記の意味を示す。]
エステル交換反応終了後、触媒を中和あるいは吸着除去し、又は固体触媒の場合には濾過等により除去した後、グリセリンのアセタール化物を減圧又は常圧下にて留去し、グリセリンを除去する必要がある場合は、水性溶媒により、反応副生物であるグリセリンと中和で生成した塩を取り除くことで、モノグリセリドアセタールを主成分とする混合物が得られる。次にこの混合物を加水分解により脱アセタール化を行うことで、モノグリセリドを得る。
【0019】
ここで用いる中和剤は、特に限定されるものではないが、触媒に塩基を用いた場合は、硫酸等の無機酸や、乳酸等を用いることができる。特に乳酸を用いた場合は、中和により系内に不溶物が生成せず、均一な中和が可能である。
【0020】
本発明で用いられる水性溶媒は、水を含有している溶媒であれば良く、水単独、又は水とエタノール等の低級アルコールとの混合物が好ましく、水が更に好ましい。
【0021】
反応副生物であるグリセリン若しくは中和で生成した塩の除去は、上記水性溶媒を用いた抽出にて行うものである。但し、グリセリン量が少なく、除去する必要がない場合は、この処理を行わなくてもよい。
【0022】
また、加水分解による脱アセタール化の方法は、特に限定されるものではないが、酸触媒を用い、30〜100℃の温度で加水分解する方法が好ましく、特に水蒸気を系内に導入し、生成するケトン又はアルデヒドと水蒸気を系外に除去しながら行うのが好ましい。酸触媒としては、上記のエステル交換反応に用いられる酸触媒が挙げられる。反応終了後、触媒の中和又は濾過を行うことで、高純度のモノグリセリドが得られる。
【0023】
【発明の効果】
本発明により、化粧品の乳化剤や保湿剤及び食品添加物として広く利用されているモノグリセリドを短時間で簡便に効率よく合成することが可能となる。特に、分子蒸留を行う製造法では得られにくい中鎖脂肪酸(C8〜C14)のモノグリセリドや、高沸点のモノグリセリドや、油脂組成の混合アルキル組成を持つモノグリセリドを容易に得ることができる。また、分子蒸留を行う製造法やその他一般的なモノグリセリドの合成法と異なり、反応に高温を必要としないため、多不飽和脂肪酸からなるグリセリドを原料とした場合には、異性化を抑制して対応するモノグリセリドが得られ、さらに、原料油脂のアルキル組成を反映したモノグリセリドを容易に得ることができる。
【0024】
【実施例】
例中の%は特記しない限り重量基準である。
【0025】
実施例1:硬化パーム核油組成モノグリセリドの合成
500mL4ツ口フラスコに、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール198.2g(1.5モル)と28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液0.15gと、硬化パーム核油117.7g(0.25モル)を加え、1時間撹拌してエステル交換反応を行った後、50%硫酸にて中和した。次に1.33kPa、80〜100℃で減圧蒸留を行い、水と2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールを留去した後、水洗を行い、α−モノグリセリドアセタール166.0gを得た。ガスクロ純度90%。
【0026】
得られたα−モノグリセリドアセタール151.0gに酸性白土(ガレオンアースNV、水澤化学(株)製)4.3gを仕込み、70℃、13.3kPaにおいて、1時間あたりα−モノグリセリドアセタールに対して2〜3%の水蒸気を反応系内に導入し、生成するアセトンと過剰な水蒸気を系外に除去しながら、脱アセタール化反応を9時間行った後、酸吸着剤(KW600S、協和化学(株)製)を2.87g加えた後、6.65kPa、70℃で0.5時間脱水を行い、濾過し、硬化パーム核油組成モノグリセリド111.23gを得た。ガスクロ純度89%。トータル合成時間15時間。
【0027】
実施例2:ラウリン酸モノグリセリドの合成
500mL4ツ口フラスコにラウリン酸200.3g(1モル)とグリセリン46.1g(0.5モル)とカルボラフィン1.78gを加え、250℃、4時間攪拌後、室温まで冷却し、カルボラフィンを濾過後、ラウリン酸/グリセリン=2/1のエステル化物を232.6g得た。
【0028】
1L4ツ口フラスコに、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール461.4g(3.5モル)と水酸化ナトリウム0.70g(0.018モル)を仕込み、80℃まで昇温後、減圧脱水し、アルコラート化を行った後、50℃まで冷却したものに、上記エステル化物200.0g(0.44モル)を加え、1時間30分撹拌してエステル交換反応を行った後、50%硫酸にて中和した。次に1.33kPa、80〜100℃で減圧蒸留を行い、水と2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールを留去した後、水洗を行い、α−モノグリセリドアセタール264.6gを得た。ガスクロ純度92%。
【0029】
得られたα−モノグリセリドアセタール220gに酸性白土(ガレオンアースNV、水澤化学(株)製)13.2gを仕込み、70℃、13.3kPaにおいて、1時間あたりα−モノグリセリドアセタールに対して10%の水蒸気を反応系内に導入し、生成するアセトンと過剰な水蒸気を系外に除去しながら、脱アセタール化反応を6時間行った後、酸吸着剤(KW600S、協和化学(株)製)を6.6g加えた後、6.65kPa、70℃で0.5時間脱水を行い、濾過し、ラウリン酸モノグリセリド264.6gを得た。ガスクロ純度91%。トータル合成時間17時間。
【0030】
実施例3:硬化パーム核油組成モノグリセリドの合成
3L4ツ口フラスコに、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール1268.7g(9.6モル)と水酸化カリウム2.69g(0.048モル)を仕込み、80℃まで昇温後、減圧脱水し、アルコラート化を行った後、50℃まで冷却したものに、硬化パーム核油829.5g(1.2モル)を加え、1時間撹拌してエステル交換反応を行った後、50%硫酸にて中和した。次に1.33kPa、80〜100℃で減圧蒸留を行い、水と2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールを留去した後、水洗を行い、α−モノグリセリドアセタール1118.7gを得た。ガスクロ純度90%以上。
【0031】
得られたα−モノグリセリドアセタール600gに酸性白土(ガレオンアースNV、水澤化学(株)製)18gを仕込み、70℃、13.3kPaにおいて、1時間あたりα−モノグリセリドアセタールに対して6〜8%の水蒸気を反応系内に導入し、生成するアセトンと過剰な水蒸気を系外に除去しながら、脱アセタール化反応を5時間行った後、酸吸着剤(KW600S、協和化学(株)製)を6g加えた後、6.65kPa、70℃で0.5時間脱水を行い、濾過し、硬化パーム核油組成モノグリセリド423.6gを得た。ガスクロ純度90%以上。トータル合成時間12時間。
【0032】
実施例4:パーム核油組成モノグリセリドの合成
500mL4ツ口フラスコに、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール198.2g(1.5モル)と水酸化ナトリウム0.3g(0.0075モル)を仕込み、80℃まで昇温後、減圧脱水し、アルコラート化を行った後、50℃まで冷却したものに、パーム核油173g(0.25モル)を加え、1時間30分撹拌してエステル交換反応を行った後、50%硫酸にて中和した。
次に1.33kPa、80〜100℃で減圧蒸留を行い、水と2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールを留去した後、水洗を行い、α−モノグリセリドアセタール233.0gを得た。ガスクロ純度91%。
【0033】
得られたα−モノグリセリドアセタール220gに酸性白土(ガレオンアースNV、水澤化学(株)製)13.2gを仕込み、70℃、13.3kPaにおいて、1時間あたりα−モノグリセリドアセタールに対して10%の水蒸気を反応系内に導入し、生成するアセトンと過剰な水蒸気を系外に除去しながら、脱アセタール化反応を6時間行った後、酸吸着剤(KW600S、協和化学(株)製)を6.6g加えた後、6.65kPa、70℃で0.5時間脱水を行い、濾過し、パーム核油組成モノグリセリド150.2gを得た。ガスクロ純度88%。トータル合成時間13時間。
【0034】
実施例5:大豆油組成モノグリセリドの合成
500mL4ツ口フラスコに、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール264.3g(2.0モル)と水酸化ナトリウム0.4g(0.01モル)を仕込み、80℃まで昇温後、減圧脱水し、アルコラート化を行った後、50℃まで冷却したものに、大豆油219.0g(0.25モル)を加え、1時間30分撹拌してエステル交換反応を行った後、50%硫酸にて中和した。次に1.33kPa、80〜100℃で減圧蒸留を行い、水と2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールを留去した後、水洗を行い、α−モノグリセリドアセタール308.9gを得た。ガスクロ純度90%以上。
【0035】
得られたα−モノグリセリドアセタール220gに酸性白土(ガレオンアースNV、水澤化学(株)製)13.2gを仕込み、70℃、13.3kPaにおいて、1時間あたりα−モノグリセリドアセタールに対して10%の水蒸気を反応系内に導入し、生成するアセトンと過剰な水蒸気を系外に除去しながら、脱アセタール化反応を6時間行った後、酸吸着剤(KW600S、協和化学(株)製)を6.6g加えた後、6.65kPa、70℃で0.5時間脱水を行い、濾過し、大豆油組成モノグリセリド171.7gを得た。ガスクロ純度90%以上。トータル合成時間13時間。
【0036】
実施例6:アマニ油組成モノグリセリドの合成
1L4ツ口フラスコに、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール422.9g(3.2モル)と水酸化ナトリウム0.66g(0.016モル)を仕込み、80℃まで昇温後、減圧脱水し、アルコラート化を行った後、50℃まで冷却したものに、アマニ油358.6g(0.4モル)を加え、1時間30分撹拌してエステル交換反応を行った後、50%硫酸にて中和した。次に1.33kPa、80〜100℃で減圧蒸留を行い、水と2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールを留去した後、水洗を行い、モノグリセリドアセタール464.5gを得た。ガスクロ純度90%以上。
【0037】
得られたモノグリセリドアセタール220gに酸性白土(ガレオンアースNV、水澤化学(株)製)13.2gを仕込み、70℃、13.3kPaにおいて、1時間あたりモノグリセリドアセタールに対して10%の水蒸気を反応系内に導入し、生成するアセトンと過剰な水蒸気を系外に除去しながら、脱アセタール化反応を6時間行った後、酸吸着剤(KW600S、協和化学(株)製)を6.6g加えた後、6.65kPa、70℃で0.5時間脱水を行い、濾過し、アマニ油組成モノグリセリド176.0gを得た。ガスクロ純度90.2%(カラム=GL1010−77488(CHROMPACK製)、脂肪酸組成:C183(cis)=51.81%、(trans)=2.25%)。トータル合成時間13時間。
【0038】
実施例7:魚油組成モノグリセリドの合成
1L4ツ口フラスコに、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール422.9g(3.2モル)と水酸化ナトリウム0.64g(0.016モル)を仕込み、80℃まで昇温後、減圧脱水し、アルコラート化を行った後、50℃まで冷却したものに、精製魚油355.3g(0.4モル)を加え、1時間30分撹拌してエステル交換反応を行った後、50%硫酸にて中和した。次に1.33kPa、80〜100℃で減圧蒸留を行い、水と2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールを留去した後、水洗を行い、モノグリセリドアセタール451.4gを得た。ガスクロ純度90%以上。
【0039】
得られたモノグリセリドアセタール220gに酸性白土(ガレオンアースNV、水澤化学(株)製)13.2gを仕込み、70℃、13.3kPaにおいて、1時間あたりモノグリセリドアセタールに対して10%の水蒸気を反応系内に導入し、生成するアセトンと過剰な水蒸気を系外に除去しながら、脱アセタール化反応を6時間行った後、酸吸着剤(KW600S、協和化学(株)製)を6.6g加えた後、6.65kPa、70℃で0.5時間脱水を行い、濾過し、魚油組成モノグリセリド170.7gを得た。ガスクロ純度85%(カラム=GL1010−77488(CHROMPACK製)、脂肪酸組成:C226(cis)=9.58%、(trans)=0.00%)。トータル合成時間13時間。
【0040】
実施例8:パーム核油組成モノグリセリドの合成
500mL4ツ口フラスコに、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール198.2g(1.5モル)と水酸化ナトリウム0.3g(0.0075モル)を仕込み、80℃まで昇温後、減圧脱水し、アルコラート化を行った後、50℃まで冷却したものに、パーム核油173g(0.25モル)を加え、1時間30分撹拌してエステル交換反応を行った後、乳酸にて中和した。次に1.33kPa、80〜100℃で減圧蒸留を行い、水と2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールを留去した後、水洗を行い、α−モノグリセリドアセタール233.0gを得た。ガスクロ純度91%。
【0041】
得られたα−モノグリセリドアセタール220gに酸性白土(ガレオンアースNV、水澤化学(株)製)13.2gを仕込み、70℃、13.3kPaにおいて、1時間あたりα−モノグリセリドアセタールに対して10%の水蒸気を反応系内に導入し、生成するアセトンと過剰な水蒸気を系外に除去しながら、脱アセタール化反応を6時間行った後、酸吸着剤(KW600S、協和化学(株)製)を6.6g加えた後、6.65kPa、70℃で0.5時間脱水を行い、濾過し、パーム核油組成モノグリセリド150.2gを得た。ガスクロ純度88%。トータル合成時間13時間。
【0042】
実施例9:テロマー酸組成モノグリセリドの合成
1L4ツ口フラスコに、グリセリン92.1g(1.0モル)とテロマー酸489.2g(1.0モル)を仕込み、250℃、常圧にて脱水を行い、6時間エステル化を行い、エステル化度1.06のグリセリド510gを得た(酸価0.89、水酸基価143.4、鹸化価78.0)。次に1Lの4ツ口フラスコに、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール563.07g(4.26モル)と水酸化ナトリウム0.89g(0.02モル)を仕込み、100℃まで昇温後、減圧脱水し、アルコラート化を行った後、60℃まで冷却したものに、上記グリセリド300g(0.53モル)を加え、1時間撹拌してエステル交換反応を行った後、乳酸にて中和した。次に1.33kPa、80〜120℃で減圧蒸留を行い、水と2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールを留去した後、水洗を行い、α−モノグリセリドアセタール350gを得た。
【0043】
得られたα−モノグリセリドアセタール220gに酸性白土(ガレオンアースNV、水澤化学(株)製)13.2gを仕込み、80℃、29.3kPaにおいて、1時間あたりモノグリセリドアセタールに対して6%の水蒸気を反応系内に導入し、生成するアセトンと過剰な水蒸気を系外に除去しながら、脱アセタール化反応を6時間行った後、酸吸着剤(KW600S、協和化学(株)製)を6.6g加えた後、1.3kPa、70℃で0.5時間脱水を行い、濾過し、テロマー酸組成モノグリセリド150.0gを得た。ガスクロ純度90.0%。トータル合成時間17時間。
【0044】
比較例1
フラスコに、グリセリン350.0g(3.80モル)とメチルエチルケトン399.59g(5.70モル)とカプリル酸328.82g(2.28モル)とヘプタン267.73gとパラトルエンスルホン酸7.23g(0.038モル)を仕込み、86〜107℃にて、反応で生成する水を除去しながら14時間反応を行った。次に48.5%水酸化カリウム溶液により中和を行った後、6.66kPa、50〜100℃にてヘプタンと過剰なメチルエチルケトンを減圧留去した後、副生するグリセリンアセタールを0.67kPaで100〜140℃にて減圧留去した。その後、残液に対し50〜60℃にて水洗を3回行い、次に、50℃、0.67kPaにて脱水を行った後、α−モノグリセリドアセタール450.3g(2.06モル)を得た。収率90.47%。ガスクロ純度92.1%。
【0045】
得られたモノグリセリドアセタール220gに酸性白土(ガレオンアースNV、水澤化学(株)製)13.2gを仕込み、70℃、13.3kPaにおいて、1時間あたりモノグリセリドアセタールに対して10%の水蒸気を反応系内に導入し、生成するアセトンと過剰な水蒸気を系外に除去しながら、脱アセタール化反応を6時間行った後、酸吸着剤(KW600S、協和化学(株)製)を6.6g加えた後、6.65kPa、70℃で0.5時間脱水を行い、濾過し、モノグリセリド146.0gを得た。ガスクロ純度89.8%。トータル合成時間32時間。

Claims (3)

  1. グリセリド(以下原料グリセリドという)とグリセリンのケタール又はアセタール(以下単にアセタールという)化物を触媒存在下でエステル交換反応を行い、モノグリセリドアセタールを含有する混合物を得、この混合物からグリセリンのアセタール化物を留去し、水性溶媒でグリセリンを抽出除去した後、加水分解により脱アセタール化を行う、モノグリセリドの製造法。
  2. 原料グリセリドが一般式(1)で表される化合物であり、グリセリンのアセタール化物が一般式(2)で表される化合物であり、モノグリセリドアセタールが一般式(3)で表される化合物であり、モノグリセリドが一般式(4)で表される化合物である請求項1記載の製造法。
    Figure 0004578739
    [式中、Aは水素原子、又は炭素数2〜50の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖のアシル基あるいは環状鎖を含むアシル基を示し、3つのAは互いに同一でも異なっても良い。ただし、Aは同時に全てが水素原子にはならない。]
    Figure 0004578739
    [式中、R1、R2は同一又は異なって、水素原子、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜22のアルキル基もしくはアルケニル基、あるいはアルキル基で置換されていてもよい総炭素数6〜30のアリール基を示し、R1とR2が結合して環を形成していても良い。]
    Figure 0004578739
    [式中、A’は炭素数2〜50の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖のアシル基あるいは環状鎖を含むアシル基を示し、R1及びR2は前記の意味を示す。]
    Figure 0004578739
    [式中、A’は前記の意味を示す。]
  3. 原料グリセリドが油脂である請求項1又は2記載の製造法。
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