JP4578682B2 - 微生物をカウントおよび特徴決定するためのカード - Google Patents

微生物をカウントおよび特徴決定するためのカード Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生物学的サンプルにおける、微生物または、核酸または抗体のような他のあらゆる生物学的物質をカウントおよび特徴決定することを可能にするための分析カードに関する。また、本発明は、かかるカードを満たす方法、並びに、かかるカードの使用にも関する。
用語“生物学的サンプル”とは、物理学的処理、例えばホモジナイゼーションまたは溶媒における溶解によって得られる液体サンプル、あるいは、生物学的処理、例えば食品、水、または血液からなる固体または液体産物の酵素分解から得られる液体サンプルを意味する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
ペトリ皿における従来のカウント方法を除いて、自動化されていない方法が、微生物を定量する従来技術に見られる。これらの方法は、主に、最も確からしい数(MPN(Most probable number))を決定することに基づく。
米国特許US-A-5700655は、液体サンプルにおける生物物質の定量のための装置を記載する。この装置は、熱成形によって得られたプラスチックシートからなり、このシート自体は、同じサイズの分析空洞と無菌性を維持するカバーからなる。この方法は、先ず、シートの中心に分析されるサンプルを添加し、次いで、反応混合物をこの装置に供給する。かくして調製されたこの装置は、同一の方法で空洞の全てを満たすように振り動かされ、過剰な反応混合物が除かれる。最後に、このシートを一以上のウェル中の微生物の存在を現すのに十分な時間インキュベートする。
【0003】
しかしながら、従来のペトリ皿のようなこの装置は、サンプルを一回希釈させるだけに過ぎない。前記サンプルに含まれる微生物の濃度を確実に決定するために、サンプルが数回希釈される必要があることが分かっているので、少なくとも一度この操作を繰り返す必要がある。
さらに、この装置は、別の大きな欠点を有する。その欠点とは、過剰の反応混合物を除去する必要性にある。この操作は、シートを傾かせることによって行われ、一部の空洞はその内容物の一部を失うこともある。空洞の液体の量は、それゆえ、同一といえるものではなく、結果的に、微生物の量の決定に誤りが生じる。
【0004】
さらに、過剰の反応混合物を除去することは、再処理される必要のある潜在的に汚染された排出物を生じる。同様に、過剰分の除去が装置の外側を汚染し、実験者とその者に接触する他の全ての表面を生物学的に汚染する原因になる。
さらに、空洞が集中的に配置されているので、読み出しも集中的に行われ、誤りの源となり、特に、陽性の空洞がしばしばシート上にわたって分布する。
最後に、上記装置は、ペトリ皿の基本的な欠点を備えている。すなわち、サンプルが、ある空洞から別の空洞に漏れまたは通過することを妨げるために、ゲル化機能が付与される場合、媒体がゲル化する間、慎重かつ水平に取り扱われなければならない。
【0005】
米国特許US-A-5518892は、液体媒体における微生物の定量のための別の装置を開示する。これは、その一方の側に開口部を備えた、ある材料からなる、熱成形によって得られたバッグを備える。この方法は、加熱することによって、バッグの下面に不浸透性の仕切りまたは空洞を形成することからなり、種々の量のサンプルを分離可能にする。ウェルが形成されたら、反応混合物は、装置に供給された反応混合物に分析されるサンプルを添加することによって調製される。この反応混合物は、この目的のために設けられた開口部を介してバッグに注がれる。全ての空洞が適切に満たされたことを確認し、熱で密封した後、バッグを一以上の空洞の微生物の存在を現すのに十分な時間インキュベートさせる。この空洞は、同じ大きさまたは三つの連続した異なる大きさとすることができる。かくして、単一のバッグを用いて、いくつかの希釈に従ったシーディングを行うことが可能である。
【0006】
しかしながら、このシステムは、ある欠点を有する。先ず、自動化された、非常に正確な産業上の注入成形システムとは異なって、この装置は、完全に同一の容量のウェルを得ることを可能にする最適成形能力を保証することができない。なぜなら、熱成形によって成形される基本的に単純なプラスチックシートが用いられるからである。これは、成形が、種々の量の連続したウェルを有するように製造される場合、特にこれらが少量である場合に、特に重要である。第二に、反応混合物は、手で導入され、それゆえ、ウェルへの分散が不規則に生じる。かくして、ウェルの大きさが完全に同一であったとしても、各ウェルに導入される反応混合物の量が同じであることに確実性はない。それゆえ、結果が誤る可能性がある。第三に、ウェルは、180℃以上の温度で熱密封によって隔離される。これは、ウェルに含まれるサンプル画分を不可逆的に損傷(分析される生物学的物質を破壊および/または前記物質を含む液体の全部または一部を蒸発)する危険性を有する。これは、ウェルが小さく、かつ、それが含む液体の量が少なくなるほど、敏感になる。この操作は、それゆえ、カウントおよび特徴決定の結果を誤る。
米国特許 US-A-4077845 は、各空洞がサイホンを介して溝に連結された分析カードを提案する。これは、必須ではないが、空洞間の液体の流れを妨げつつ、微生物が空洞に導入されることを可能にする。
独国出願 DE-U-29500587 は、血液サンプルを分類するための分析カードを記載する。このカードは、二つのプラスチックシートを組み合わせることによって得られ、これらの間に、溝のシステム、注入口、輸送ウェル、および種々の抗体を含む複数の分析空洞を規定している。空洞は、貫通空洞または通り抜けできない溝を備えることができるが、組み合わせられた二つのシートの前面および/または後面を被覆する一方または両方の透明フィルムが、微生物のカウントを可能にしない。
実際、上記の二つの文献では、本発明と同一の技術的課題を解決する試みはない。なぜなら、これらの文献の目的は、最初の生物学的サンプル中に存在する微生物の増殖を可能にすることであり、これらの微生物をカウントすることではな いからである。それゆえ、この問題は、質的なものであって、量的なものではない。
さらに、ウェル間のサンプルの分離は刊行物 US-A-4077845 に言及されているが、ウェル間の分離は必ずしも必要ではないことが記載されている。それゆえ、生物学的サンプル中に存在する微生物をカウントするためには適用できない。
米国特許 US-A-4018652 は、実施態様の一つにおいて、微生物の増殖を観察可能にする二つの異なる量のウェルを含む分析カードを提案する。統計的に、最初のサンプルに存在する微生物の数を調べることが可能である。このカードは、別の実施態様によれば、それぞれ小中大の量の三つのウェルを提案することによって、この統計学的測定の範囲をさらに増大可能にする。
欧州特許出願 EP-A-0745856 公報は、ほぼ同じタイプの分析カードを記載するが、唯一の主な差異は、前記空洞間の交差汚染の危険性を低減する目的で、空洞間の十分に長い溝が存在することである。
米国特許 US-A-4318994 も、上記二つの刊行物に類似している。基本的な差異は、空洞に入る溝の特定の形状にあり、これが、吸引効果により液体の流れを妨げることを可能にする。
本発明と異なって、これらの刊行物は、生物学的液体を輸送し、また、空洞を相互に分離する不活性流体を貯蔵する手段を形成するウェルを用いない。かくして、米国特許 US-A-4018652 では、記載されたカセットが、カセットのウェルおよび溝のシステム全体に液体サンプルを導入することによって満たされる。それゆえ、サンプルが導入されると、カードの全てのウェル間に、ウェルの大きさによらず、液体が連続して存在する。液体がカセットに存在すると、微生物は、なんの問題もなく、ウェルからウェルに移動することができ、また、溝の中で増殖することができる。
本発明では、各ウェルは、液体サンプルを輸送するが、それを貯蔵しない。なぜなら、貯蔵が、空洞に存在する液体画分を分離するための不活性流体に関連するものだからである。それゆえ、微生物はウェルからウェルに移動できない。それゆえ、ウェル間での汚染の危険性が無く、微生物の最初の濃度の統計学的計算を誤る危険性がない。
さらに、欧州特許出願 EP-A-0745856 公報は、気泡の存在が後の分析を不可能にすることを記載している。かかる記載は、当業者に、この種の分析カードに空気または他の不活性流体を導入することを促すものではない。しかしながら、本発明では、上述したように、気体状流体、例えば空気の存在が、種々のウェルを分離するために必要である。それゆえ、かかる構成とすることは自明ではない。
本発明によれば、提案された分析カードは、上記欠点の全てを克服するのに役立つ。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このカードは、ウェルがいかなる大きさであっても、あるウェルから別のウェルに比例的であっても、全てのウェルを満たすことを可能にし、そして、それを満たす場合にとられる配置に注意を必要としない。“あるウェルから別のウェルに比例的”とは、同じ寸法を有する二つのウェルの間に比例関係が存在し、その比率が約1対1であるか、あるいは、異なる寸法のウェルでは、その比率は1対1とは異なることを意味すると解する。さらに、液体が閉じ込められたままなので、外側と試料の汚染の危険性が無く、その一方で、前記カードの各ウェル間に仕切りが設けられているので、カードの種々のウェル間にも汚染の危険性がない。
【0008】
この目的のために、本発明は、好ましい第一の態様によれば、
−分析される生物学的液体をカードに注入するための領域、
−前記注入領域から来る生物学的液体の主要フィード溝、
−主要溝の延長に存在する少なくとも二つの第二溝、および
−それぞれの第二溝に対応する少なくとも一つのウェル
からなるボディを備えた分析カードであって、各ウェルが、各分析空洞の末端溝を介して、少なくとも二つの末端分析空洞に前記生物学的液体の所定量を輸送する手段を構成すること、並びに、分析される全体量が全ての分析空洞の全体量未満であることを特徴とする分析カードに関する。
【0009】
本発明の第二の好ましい実施態様によれば、
−分析される生物学的液体をカードに注入するための領域、
−前記注入領域から来る生物学的液体の少なくとも二つのフィード溝、および
−それぞれのフィード溝に対応する少なくとも一つのウェル
からなるボディを備えた分析カードであって、各ウェルが、各分析空洞の末端溝を介して、少なくとも二つの末端分析空洞に前記生物学的液体の所定量を輸送する手段を構成すること、並びに、分析される量が全ての分析空洞の全体量未満であることを特徴とする分析カードに関する。
上記二つの実施態様によれば、生物学的液体の末端分析空洞への輸送は平行して行われる。
【0010】
本発明の第三の好ましい実施態様によれば、
−分析される生物学的液体をカードに注入するための領域、
−前記注入領域から来る生物学的液体の主要フィード溝、
−主要溝の延長に存在する少なくとも二つの第二溝、および
−それぞれの第二溝に対応する少なくとも一つの空洞
からなるボディを備えた分析カードであって、各空洞が、前記生物学的液体の所定量を受ける手段を構成すること、並びに、分析される、カードに導入される量が全ての分析空洞の全体量より大きいことを特徴とする分析カードに関する。
先の実施態様によれば、分析空洞への生物学的液体の輸送は、連続して起こり、その後にパージされる。第一の実施態様によれば、生物学的液体を輸送する主要な手段として作用するウェルが、主要溝と第二溝との間に存在する。
【0011】
二つの実施態様の一方によれば、第二溝の量は全て同一である。
これら三つの実施態様の一つの好ましいバージョンでは、末端分析空洞は、少なくとも二つの異なる量とされる。
好ましくは、末端分析空洞は三つの異なる量とされる。
異なる量の二つの空洞間に存在する比率は、1/5〜1/20、1/50〜1/200、または1/500〜1/2000の間、特に1/10、1/100または1/1000とされる。
同じ量の空洞は、手動および/または自動的な光学読み出しを容易にするために、幾何学的、例えば、一直線状または同心円状に並べられる。
【0012】
また、本発明は、最初の二つの実施態様に示されているように、分析カードを満たす方法にも関し、
−所定量の分析される生物学的サンプルにこのカードの注入領域を連結する、
−前記カードの内部および/または近傍に真空を形成する、
−一方で、分析空洞に生物学的液体を移し、他方で、生物学的液体に由来し、前記分析空洞に存在する、サンプルの種々の画分を不活性流体を用いて単離するように真空を破壊し、かつ、
−得られた結果を分析して、最初の生物学的サンプルに存在する微生物または核酸、抗体のような他の生物学的物質の量を調べる
ことからなることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、第三の実施態様に示されるような分析カードを満たす方法にも関し、
−所定量の分析される生物学的サンプルにこのカードの注入領域または出口を連結する、
−前記カードの内部および/または近傍に真空または加圧を形成して、生物学的液体を空洞に移す、
−真空または加圧を停止する、
−生物学的液体に由来し、前記分析空洞に存在する、サンプルの種々の画分を不活性流体を用いて単離するように主要溝をパージする、かつ
−得られた結果を分析して、最初の生物学的サンプルに存在する微生物または核酸、抗体のような他の生物学的成分の量を調べる
ことからなることを特徴とする。
【0014】
最初の二つのカードの実施態様によれば、真空が破壊されると、隔離流体が第二溝またはフィード溝、あるいは分析空洞の、生物学的液体と接触する。
好ましくは、分析される生物学的液体の量は、全ての分析空洞の全体量未満である。
第三の実施態様のカードによれば、分析される生物学的液体の量は、分析空洞の全て、流体回路(fluid circuit)の全て、およびオーバーフローの全体量よりも多いか等しい。
好ましくは、分析される生物学的液体の量は、全ての分析空洞および全ての流体回路の全体量よりも多いか等しい。
最初の二つの実施態様のカードによれば、全ての分析空洞の全体量に対する分析される生物学的サンプルの量の比率は、例えば、1/10〜9/10、特に4/10〜6/10、好ましくは5/10である。
最後に、本発明は、最も確からしい数の技術を用いた微生物をカウントするための、上記分析カードの使用に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
添付の図面は例示であって、本発明の範囲を制限する性格を有するものではない。これらは、上記発明のいくつかの特別な実施態様を構成する。
本発明は、本質的に、添付図面に記載された分析カード1、21または101に関する。
三つの特定の実施態様が記載されている。すなわち、図1、3、4、5、および10の分析カード1の第一の実施態様、図2の分析カード21の第二の実施態様、並びに、図11ないし16の分析カード101の第三の実施態様である。
【0016】
図1および3を参照すると、分析カード1は、本質的に、分析カード1のボディ2によって形成された単一のモノブロック部材からなる。このボディ2は、分析される生物学的サンプル4を注入するための領域3を備える。
この注入領域3は、ボディ2のいずれの面にあっても良く、図1または3の前面、あるいは後面、あるいは側壁にあっても良い。これは、例えば、注入領域13が側面にある、図5および6の場合である。図5において、カード1はチューブ32に含まれたサンプル4で満たされていないが、前記サンプルに柔軟なパイプ33を介して連結されている。かくして形成された組立物は真空チャンバーに配置される準備が整った状態にある。
図6は、図5のA-A断面を示す。主要フィード溝5は、シケインを形成してカード1のボディ2の中心に向けられ、次いで、一方の側面に向けて前記カード1内を延びて注入領域3を構成する。カード1のボディ2とパイプ33との間に存在するリンクは、ボディ2に配置された環状の溝14と、この溝14に適合するパイプ33のショルダー15によって与えられる。
【0017】
当然、このために、ボディ2は、実質的に平行六面体形を有する。それゆえ、このボディ2は、モノブロックであり、内部に、ある数の溝と空洞9、10または11を有する。これらの空洞は、図7のような貫通ホール(through-hole)であっても、図8のような非貫通ホール(blind hole)であってもよい。
これらの溝および非貫通ホールは、前記ボディ2の表面に接着される透明な付着性フィルム35を適用することにより外側から隔離される。
溝に関して、まず、注入領域3の下流にある、主要フィード溝5が存在することに注意すべきである。この溝5の下流にはウェル12が存在し、これは分析される生物学的液体4を輸送するための主な手段として作用する。実際、主要溝5は、注入領域3とウェル12の間に存在する。同様に、このウェル12を一連のウェル7にリンクさせる第二溝6があり、各ウェル7が溝6に対応している。これらのウェル7は輸送手段として作用する。これらの各ウェル7には、所定の数の末端溝8が設けられ、各溝8はウェル7を末端分析空洞9、10または11に連結している。
【0018】
これらの図には三種類の末端分析空洞が存在する。すなわち、大きな末端分析空洞9、中位の大きさの末端分析空洞10、最後に、小さい末端分析空洞11である。
それゆえ、分析カード1のボディ2に設けられた空洞は、一方で主要溝5、第二溝6および末端溝8によって形成された溝であり、他方、注入領域3、ウェル12、ウェル7および一連の分析空洞9、10および11によって形成される非貫通ホールである。
異なる大きさの分析空洞9、10および11は、希釈を実施する必要に応じて分配することを可能にする。かくして、この分析空洞9、10または11に存在する液体の量に依存して、多数または少数の微生物が存在する。添加される培養培地に依存して、一部の微生物を増殖させることができ、各空洞9、10または11に存在するか否かに依存して、光学密度を変更可能にするか、蛍光または色(発色効果)が見えるようにするかあるいは見えなくする。これは、微生物の存在または不在を検出可能にし、それらをカウント可能にもする。例を以下に記載する。
【0019】
【実施例】
特定の実施態様に従ると、このカード1の寸法は以下の通りである:
−カード1の長さは135mm;
−カード1の幅は85.5mm;
−カード1の厚みは4mm;
−5、6および8の全ての溝の幅は0.5mm;
−主要溝5の深さは0.5mm;
−末端溝6の深さは、ウェル12を通る仮想軸から各溝6の距離に従って変化する;この深さは、
・外側溝6の場合には0.5mm、
・中心および外側溝6の場合には0.58mm、
・中心溝6の場合には0.68mm、
・中心および内側溝6の場合には0.79mm、
・内側溝6の場合には0.87mm;
−末端溝8の深さは0.5mm;
−主要輸送手段12の直径および深さは、それぞれ3mmおよび1mm;
−輸送手段7の直径および深さは、それぞれ2mmおよび1mm;
−注入領域3の位置は、前記カード1の基底部から47.5mm、前記カード1内に5mmに設けられ、この領域3は、この図1では示されていないが、カード1のエッジに溝を介して連結されても良いことに注意すべきであり、その直径は2mmである;
−空洞9の深さは500圧カードの場合には3.56mmであり、250圧カードの場合には2.34mmであり、これらの空洞9の長さおよび幅は一定であって、それぞれ15mmおよび4.5mmである;
−空洞10の深さは500圧カードの場合には2mmであり、250圧カードの場合には1.27mmであり、これらの空洞10の長さおよび幅は一定であって、それぞれ6.5mmおよび2mmである;かつ、
−空洞11の深さは500圧カードの場合には0.88mmであり、250圧カードの場合には0.53mmであり、これらの空洞11の長さおよび幅は一定であって、それぞれ4mmおよび0.8mmである。
【0020】
“500圧カード”とは、500mbar、すなわち絶対真空に対して500mbarの絶対圧の真空に処された分析カード1を意味する。“250圧カード”の場合には、分析カード1は750mbar、すなわち絶対真空に対して250mbarの絶対圧の真空に処される。これは、以下に定義するカード21についても同様である。
【0021】
全ての溝5、6および8は、球形ミリングカッターによって形成され、空洞9、10および11およびウェル3、7および12は、柱状ミリングカッターによって形成される。これは、別のカード21および101についても同様である。
図2に記載されている第二の実施態様によれば、分析カード21のモノブロックボディ22の中心に設けられた注入領域23を備えた星形で示されていることから、分析カード21はより単純である。実際、この注入領域23は、図1のウェル12に対応する。この領域23から、所定の数のフィード溝25が別れ、これらのフィード溝は、図2には示されていないが、分析される生物学的液体4を、分析カード21の周辺部に分配するからである。
各フィード溝25は、注入領域23を輸送手段として作用するウェル27に連結する。このウェル27の後に、いくつかの末端溝28が存在し、各末端溝28は、ウェル27を直接的に末端分析空洞29、30または31に連結し、図1の実施態様と同様に、30とラベルされた中位の大きさを挟んで、29とラベルされた大きいものから31とラベルされた小さいものまで、三つの異なる大きさを備えている。
【0022】
特別な実施態様によれば、このカード21の寸法は以下の通りである:
−カード21の側面は135mm;
−カード1の厚みは4mm;
−25および28の全ての溝の幅および深さは同一で0.5mm;
−注入領域23は、直径2mmの貫通ホールとすることができるホールである;
−輸送手段27の直径および深さはそれぞれ1.5mmおよび1mm;
−空洞29の深さは500圧カードの場合には2.85mmであり、250圧カードの場合には1.88mmであり、これらの空洞29の直径は10mmである;
−空洞30の深さは500圧カードの場合には1.88mmであり、250圧カードの場合には1.20mmであり、これらの空洞30の直径は4mmである;
かつ、
−空洞31の深さは500圧カードの場合には0.85mmであり、250圧カードの場合には0.49mmであり、これらの空洞31の長さおよび幅は、それぞれ4mmおよび0.8mmである。
【0023】
この図2では、分析空洞29、30および31は環状の弓形に存在し、自動システムによる読み出しを容易にする。かくして、カード21は、空洞29、30または31が、図示されていないが、読み出しヘッドに交替で向き合うように回転される。
対照的に、図1および3では、種々の分析空洞9、10および11が整列していることから、読み出しは直線的である。さらに、大きな空洞9、中位の空洞10および小さい空洞11の間には、上に重なる仕切りがある。これは、自動読み取りシステムに対する適性を維持したまま、視覚的読み出しを容易にする。
図7および8によれば、空洞9、10および11は、異なる形状であっても良い。かくして、図7によれば、空洞は貫通空洞であり、すなわち各空洞の仕切りには、二つの透明な付着フィルム35の存在が必要である。また、カード1を挟む単一のフィルム35を有することもできる。この構造は、特に、光学密度の自動読み出しに適している。図8の場合では、空洞は、非貫通ホールからなる。単一のフィルム35のみが前記空洞において空間を仕切るために用いられる。
【0024】
透明な付着フィルム35は、切断または収縮した後に、空洞9から11(図1)および29から31(図2)の内容物に使用者が直接アクセス可能にすることから、有益に使用できる。
図1および3の実施態様を簡素化するために、分析される生物学的サンプル4をウェル12に直接注入することができ、かくして、注入領域3と主要フィード溝5を有する必要性が無くなる。
以下、図1を参照するが、以下に説明されることは、図2に示される別の実施態様にも関連する。
各分析空洞9、10または11に導入される量が、同一または異なる量の各空洞9、10または11に同一または比例的になるように、種々の第二溝6の全てが同一の量を備える。かくして、図1に明確に記載されているように、分析カード1の中心に位置する第二溝6は、端にあるものよりも短い。それゆえ、全ての溝6の間で量が一定になるようにその広さまたは深さを変化させるのが適切である。同様に、末端溝8の長さは、同一量の各分析空洞9、10または11について同一である。
【0025】
実際、小さい空洞11と大きい空洞9、および中位の空洞10との間には、比例関係が存在する。かくして、異なる量の二つの空洞の間に存在する比率は、図示した図面では、空洞10と9そして空洞11と10の間では1ないし10、空洞11と9との間では1ないし100である。この比例関係は、末端溝8にも適用され、これらの末端溝8は、大きな空洞9、中位の空洞10または最後に小さい空洞11のいずれに供給するかに基づいて、異なる寸法を有する。
分析カード1および21の構造に関して、全ての溝、すなわち主要溝5、フィード溝25、第二溝6または末端溝8または28は、一つの分析空洞に存在する所定量のサンプルと別の分析空洞に存在する所定量のサンプルとの混入を避けるために互いに交わらない。このために、これらの種々の溝の交差点は、輸送手段としてのみではなく、サンプル4の導入後の混入を妨げる緩衝ボリューム(buffer volume)としても作用する、ウェルを常に介して成される。これらのウェルにおいて、分析される液体4の輸送は、全ての下流溝において平行に行われる。
【0026】
分析カード1または21を満たす方法は、
−一定量の分析される生物学的サンプル4に、カード1または21の注入領域3または23を連結する;
−前記カード1または21の内部および/または近傍に真空を形成する、
−一方で、分析空洞9、10および/または11、あるいは29、30および/または31に生物学的液体を移し、他方で、生物学的サンプル4に由来し、前記分析空洞9、10および/または11、あるいは29、30および/または31に存在するサンプルの種々の画分を空気が仕切るように真空を徐々に破壊することからなる。
結果的に、真空が破壊されれば、図1および3の末端溝8または図2および4の末端溝28において、あるいは分析空洞9、10および11(図1)、あるいは29、30および31(図2)において、空気が生物学的サンプル4の画分と接触するようになる。これは、細菌間の物理的仕切りを形成する。もちろん、これは、生物学的サンプル4の量が、分析空洞の全体量、そして任意に、末端溝8または28の量と一定の比率になる場合にのみ達成される。
【0027】
空気の代わりに、この仕切り機能を付与するあらゆる流体、気体または液体を用いることができる。サンプルに含まれる生物学的化合物に関して前記流体が実質的に不活性であること、並びに前記サンプルと不混和性であることが確実となるように注意しなければならない。流体が例えば油のような液体である場合には、生物学的サンプルよりも低い密度を有する必要がある。
この場合、カード1は、図5に示されているように、実質的に垂直な位置に維持しなければならない。仕切り液は、図示されていないが、各空洞に含まれた生物学的サンプルの上に位置する。
しかしながら、空洞9、10および11、あるいは29、30および31を物理的に仕切るまたは分けるためのその他の技術を使用することができる。かくして、微生物を増殖させる培養の途中で生物学的サンプル4にペプチン(peptine)のようなゲル化剤を添加することができる。この場合、そして、ゲル化剤が作用した場合、カード1を実質的に垂直な位置に維持する必要はない。
【0028】
最後に、前記空洞9、10および11、あるいは29、30および31が、末端溝8を遮断することによって仕切られても良い。例えば、仕切り流体のような接着剤を用いることができ、また、末端溝が物理的加圧によって遮断されても良い。
本発明に係る方法を用いて満たす特定の有利な方法では、分析される生物学的サンプル4の量は分析空洞9、10および11(図1)、あるいは29、30および31(図2)の全ての全体量よりも少ない。分析空洞9、10および11の全ての全体量に対する生物学的液体4の量の比率は、好ましくは1ないし2である。
さらに、空洞9、10および11、あるいは29、30および31を満たすことは、所定の充填時間で、同時に行われ、各サイズの空洞、小、中、大の全体量に対する、各小、中、大の大きさの空洞に存在する液体の量の比率は、カード1または21の空洞9、10および11、あるいは29、30および31の全てについて一定である。
【0029】
第三の実施態様は、図11ないし16に明確に記載されている。最初の二つの実施態様とは、構造と機能において区別される。かくして、この実施態様の特定の構造は、分析される液体4の輸送を可能にし、これは最初の二つの実施態様のケースのように平行的でなく、連続的に行われる。
図11は、この構造に結びついた機能を明確に理解可能にするものである。この分析カード101は、先のカード1および21と類似して、側部に注入領域103が設けられたボディ102を含む。ある特定の実施態様によれば、この領域103は、主要フィード溝105の延長にあり、オーバーフロー104として作用するリザーバーに達する前にカード101全体を通り、このオーバーフロー104自体は、出口127を介して外部と連結されている。分析空洞109、110および111の全てが主要溝105から分岐していることに注意すべきである。これらの分岐はそれぞれ、前記空洞109、110および111において115とラベルされており、これは、それらが主要溝105の構成要素であっても適用される。カード101の構造および構成要素は、空洞109、110および111の充填が行われるようにその移動において液体4に影響し、分離によって前記空洞109、110および111に分注量を存在させる。かかる構造および操作は、すでに本出願人の研究の主題を形成しており、これは1999年3月9日に出願された仏国特許出願98/03033に出願されている。
【0030】
このカード101は、10の大きな末端分析空洞109、10の中位の末端分析空洞110および10の小さい末端分析空洞111を含む。空間的理由から、同一の大きさの空洞109、110または111の各グループは二列に分配され、それによって前記カード101の視覚的読み出しを容易にしている。大きな空洞109と中位の空洞110はほとんど同じ構造を備え、サンプル4を向けるために、出口127において適用された真空または入り口103において(主要溝105において)適用された加圧のいずれかと関連すると共に、重力(空洞109および110において)を必須に使用するが、小さい空洞111は異なる構造を備え、前記サンプルで満たすために毛細管効果を必須に用いる。出口127で適用された真空または入り口103で適用された加圧は、約5〜20mbar、好ましくは10mbarとされる。
【0031】
図11を参照すると、中位の空洞110、および大きな空洞109は、主要溝105と第二溝106、および107との間に交差を備える。各第二溝106および107は、問題の空洞109または110の上および横の位置において終点になる。前記空洞109または110の上および中心端は、主要フィード溝105に連結させる。溝105は、上方分岐113を介して次の空洞109、110または111に向けられている。この主要溝105の上流/上方分岐113リンクには、二つのウェル112と114がある。主要溝105は、各空洞109と110をバイパスするための分岐115において、サンプル4の流れを減速するウェル112を有する。好ましい方向は、重力による、第二溝106または107の向きである。上方分岐113も、サンプル4の流れを妨げるウェル114を有する。好ましい方向は、吸引による、主要溝105を介した他の空洞への液体4の流れである。
【0032】
以下、図13を参照すると、小さい空洞111は主要溝105と第二溝108との間に、交差点を有する。各第二溝108は、問題の空洞111の上および中心の位置において終結する。前記空洞111の下方かつ中心の端は、主要フィード溝105に連結され、これは下方の分岐117により次の空洞111または出口127へと向けられる。この主要溝105の上流/下方分岐117リンクには二つのウェル116と118がある。ウェル116は溝105の上流に存在し、ウェル118は分岐117の上流に存在する。主要溝105は、各空洞111において、サンプル4の流れを減速するウェル116を備える。好ましい方向は、毛細管効果により、第二溝108の向きである。下方分岐117も、サンプル4の流れを妨げるウェル118を有する。好ましい方向は、吸引による、主要溝105を介した他の空洞への液体4の流れである。
【0033】
主要溝105は、
−主要溝105/第二溝106リンクと主要溝105/上方分岐113リンクとの間の空洞109;
−主要溝105/第二溝107リンクと主要溝105/上方分岐113リンクとの間の空洞110;
−主要溝105/第二溝108リンクと主要溝105/下方分岐117リンクとの間の空洞111;
において、115とラベルされている。
また図11は、種々の遅延ウェル121、122、123、124、125および126の存在を示す。空洞109、または109と110、または109、110および111の全てまたは一部が満たされることが望まれる場合に、これらの遅延ウェル121、122、123、124、125および126は、液体4の移動の可能性のある制御を分析可能にする。図11には示されていないが、カード101の内部汚染の危険性を顕著に低減すべく、第一の空洞109の前と最後の空洞111の後に、主要溝105に適合した、さらに二つのバルブを有することができる。バルブの一方は、遅延ウェル121に設けられ、他方は、オーバーフロー104の前に設けられる。かかるバルブは、本件特許出願人により、それぞれ1998年9月8日および1999年6月14日付で出願された仏国特許出願98/11383および99/07689に記載されている。
【0034】
図12および13は、カード101に含まれた流体(液体4と空気)の移動をより詳細に示す。
図12によれば、液体4はF1の向きで主要溝105を介して到達し、好ましくはF2の向きで、第二溝106を介して空洞110に流入する。液体4が上方分岐113における下方開口と接触するまで空洞110が満たされる。この点において、空気のみが主要溝105へF3の向きに放出される。次いで、液体4は、他の空洞110または111にF5の向きで流出するようにバイパス分岐115の方向をF4の向きに向ける。バイパス分岐115は、このポイントで圧力降下を生じるウェル112を有し、それによって液体に容易な通路、すなわち第二溝107を選択させ、このポイントで流れを減速させる。また上方分岐113も、このポイントで圧力降下を生じ、前記流体4の流れを妨げるウェル114を有し、液体に容易な通路、すなわちバイパス分岐115を選択させる。
【0035】
図13によれば、液体4はF1の向きで主要溝105を介して到達し、好ましくはF2の向きで、第二溝108を介して空洞111に流入する。それゆえ、空洞111が完全に満たされ、次いで液体4がF6の向きに下方分岐117に流れ始める。言うまでもなく、圧力降下がこのポイントにおいて非常に大きいことから、液体4は、他の空洞111またはオーバーフロー104に向けて、そしてその後の出口127に向けて、F5の向きで流出するようにバイパス分岐115の方向をF4の方向に向ける。この分岐117において、前記液体4が主要溝105に戻ることを妨げるウェル118が存在する場合には圧力降下はより大きくなる。このポイントにおいて、空気も主要溝105にF6の向きで排出される。バイパス分岐115は、このポイントで圧力降下を生じるウェル116を有し、それによって、液体4に容易な通路、第二溝108を選択させる。
【0036】
カード101内に移された液体4の全体量は、空洞109、110および111の全ての全体量よりも多く、前記空洞109、110および111の全て、溝および分岐の全て、並びにオーバーフロー104の量の全体量の合計以下である。一部の実施態様では、前記オーバーフロー104に存在し、重力の下でこのポイントで流出する液体4のレベルは、オーバーフロー104の出口127の挿入ポイント以下である。この目的は、前記空洞109、110および111の間に仕切りを生じるために、液体4が全ての空洞109、110および111を満たした後で、空気を主要フィード溝105の液体4と置換することである。
【0037】
好ましくは、カード101内に移された液体4の全体量は、前記空洞109、110および111の全ての全体量の合計以下である。結果的に、実施される必要のある分析に関して不活性な流体または空気を用いて、空洞109、110および111の全てが満たされた後に、主要溝105からあらゆる液体4をパージすることが可能である。このパージは、全ての空洞の内容物を互いから仕切る。
上述したように、大きい空洞109と中位の空洞110は、重力の下で液体4が流れることによって操作されるが、小さい空洞111は毛細管効果によって操作される。さらに、カード101の内部および外部寸法に関して記載された大きさがこれらの現象を明らかにする。
【0038】
図14、15および16では、大きな空洞109と中位の空洞110への輸送をさらに容易にするために、これらの空洞109と110は、第二溝106または107に対応する、前記空洞109または110の流入口からの距離に依存した特異的な形状をした水切り手段119を備えていることに注意すべきである。かくして、水切り手段119は、この手段119と空洞109または110の側壁との間にエッジを備えた、この流入口にできるだけ近い肩の形状を有するが、この角は徐々に消滅して曲線に変わり、カード101のボディ102の底部120と接合する。
【0039】
カード101の寸法は、非限定的な例で与えられている。かくして、カード101は108mmの幅、118mmの長さおよび4mmの厚みを有する。他の寸法は以下の通り:
−主要溝105、それゆえ分岐115は、U形断面を備え、その開口はフィルム35によって閉じられ、このU字の幅および深さは0.5mmである;
−上方分岐113と下方分岐117は、U形断面を備え、その開口はフィルム35によって閉じられ、このU字の幅および深さは0.2mmである;
−大きな空洞109の深さ、長さおよび幅は、それぞれ、3.1mm、20mmおよび5.5mmである;
−中位の空洞110の深さ、長さおよび幅は、それぞれ、1.8mm、6mmおよび3.5mmである;
−小さな空洞111の深さ、長さおよび幅は、それぞれ、1mm、3mmおよび1mmである;
−オーバーフロー104の深さ、長さおよび幅は、それぞれ、3.6mm、25mmおよび24mmである;
−空洞109におけるウェル112の直径は2mmであり、各ウェルは直径2mmの球状のミリングカッターによって形成された深さが1mmの球形キャップである;
−空洞110におけるウェル112の直径は1.5mmであり、空洞109と110におけるウェル114の直径および空洞111におけるウェル116と118の直径と同じであり、各ウェルは直径1.5mmの球状のミリングカッターによって形成された深さが0.75mmの球形キャップである;
−出口溝127は、U形断面を備え、その開口はフィルム35で閉じられ、U字の幅と深さはそれぞれ1mmと0.5mmである;かつ、
−遅延ウェル122、123、124、125および126は、全て3mmの直径を備え、各ウェルは直径3mmの球状のミリングカッターによって形成された深さが1.5mmの球形キャップである。
【0040】
生物学的サンプル4に含まれる微生物がカウントされる方法は、食品分野において用いることができる。以下に記載された例において、この方法は以下の通りである。
先ず、液体サンプル4を調製することからなる。かくして、約10gの食品に対して、90mlのペプトン水が、フィルターを備えたストマチャー(Stomacher)バッグに添加される。ストマチャーバッグ中のサンプルを1〜2分間ホモジナイズする。かくして、10-1の第一希釈物が得られる。さらなる希釈は、49mlの培養培地を含むフラスコにストマチャーバッグ中の1mlの液体を移すことによって調製され、この混合物をホモジナイズする。それゆえ、希釈は2x103、すなわち1/500である。
【0041】
大きな空洞9の量が200μl、中位の空洞10の量が20μl、かつ小さい空洞11の量が2μlであることが分かるので、各サイズとも20の空洞9、10または11があれば、空洞9、10または11の全体量は4440μlである。これらの例は例示として与えられていることに注意すべきである。例えば、ある大きさの空洞から別のものにかけて変化する、多数の空洞9、10および11を有することができる。
1ないし2という全ての空洞の全体量に対する生物学的液体4の量の予め確立された比率に従うために、2220μlが前記フラスコからチューブ32に移される。柔軟なパイプ33がカード1に存在して共に消耗品を形成するか、あるいは使用前に前記カードに連結される。チューブ32は、支持体に垂直に配置され、チューブ32の内容物が柔軟なパイプ33を介してカード1の注入領域3に連結される。かくして形成され、図5に記載された組立物全体が、分析空洞9、10または11に前記チューブ32中のサンプル4が完全に移される準備のために真空に配置される。次いで、真空が徐々に、すなわち、少なくとも10秒で、破壊される。
【0042】
かくして、図9は、適切な真空を与えるために用いた減圧が、部分的な真空であっても、ほぼ850ミリバールでなければならず、かつ、1分で達成されることを明確に示す。同様に、通常の圧力への復帰は、徐々に一分で行われる。次いで、装置全体が真空チャンバーから除かれる。分析カード1は、パイプ33において切断および開封することによって密封され、このポイントにおいて、前記カード1の側面で急に流れ、次いでチューブ32が取り除かれる。カードは垂直な位置に放置される。これは絶対に必要というものではない。この位置において、種々のカード1が30℃で約24時間インキュベートされる。
かくして、100、10および1μlの生物学的サンプルが各空洞9、10および11に分配された。
最後に、蛍光または色素マーカーを使用した場合には、その光学密度またはその着色に関して変更された分析空洞9、10および/または11の総数をカウントすることによってカード1を読みとることができる。いずれの状況においても、これは、現れることが望まれる微生物のタイプの顕色に対応する。外観に変化の現れた、大きな分析空洞9、中位の分析空洞10および小さい分析空洞11の総数に従って、最初のサンプルに含まれる微生物の正確な量を調べるために、後述する表1を参照することができる。
【0043】
サンプルにおける細菌の最も確からしい数(MPN)は、R.J.Parnow (1972); Cf.PARNOW RJ, 1972-Computer program estimates bacterial densities by means of the most probable numbers, Food Technology 7, 56-62に説明されている、統計学的な方法を用いて算出される。しかしながら、この方法は、陽性チューブの三つの数に関して現存する組合せの全てを与え、ありそうもない、または統計学的に誤った組合せがある。例えば、100μlのサンプルを含む空洞(第一希釈)における陽性チューブがないこと、および1μのサンプルを含む空洞(第三希釈)においてそれが20もあることは信じ難い。
かくして、みかけ確率は、陽性の組合せに関連する。これを行うために、J.C.De Man (1975)の方法が用いられる;Cf. DE MAN J.,1975-The probability of most probable numbers, European Journal of Applied Microbiology, 1, 67-68、次いで、この著者に従って、陽性の種々の組合せが定義される:
・カテゴリー1は、最高確率組合せの全てを含み、その確率の合計は95%である;
・カテゴリー2は、組合せの全てを含み、その確率の合計は次の4%を示す;
・カテゴリー3は、全ての組合せを含み、その確率の合計は残りの1%を示す。
以下の表1では、カテゴリー1の組合せのみが、それらと関連するMPNと共に記載されている。この表は希釈を考慮に入れていないので、表1に見られるMPNは、最初のサンプルの汚染レベルを得るために全希釈係数をかける必要がある。
【0044】
表1:最も確からしい数(MPN)技術によりサンプルにおける最初の濃度を調べるための陽性空洞の種々の組合せの表
【表1】
Figure 0004578682
Figure 0004578682
Figure 0004578682
微生物の分布が、特にそれらがあまり多数でなければ、以下の例と同じように均一とならない可能性が高い。
図3に関して、分析空洞9の全てにおいて微生物の増殖があることがわかる。一方、小さい分析空洞11には、増殖が見られない。中位の空洞10の場合には、20の内の11の空洞のみが何らかの増殖を示す。表1を参照すれば、20/11/0の組合せは、70CFU/gという、産物のグラム当たりのコロニー形成単位(CFU/g)を与える。最初の希釈が1/500なので、微生物の最初の濃度が70x500、すなわち35000CFU/gであったことが推定できる。
【0045】
図4では、18の分析空洞が微生物の増殖を示している。同様に、3つの分析空洞10と、一つの分析空洞11が増殖を示している。このことから、先の例と同様に、最初の濃度は22x500、すなわち11000CFU/gであったことが推定できる。
図10では、20のうちの6つの分析空洞9が微生物の増殖を示している。一方、空洞11は全く変更されていないが、分析空洞10の二つだけが増殖を示している。このことから、500倍に希釈されたこのサンプルにつき、最初の濃度が2100CFU/gであったことが推定される。
この表を参照することによって、500倍に希釈されたサンプルにつき、単一の分析カード1または21を用いて225〜1.5x106CFU/gの最初の微生物濃度を調べることが可能であることが分かる。一方、従来の技術は、一般に、この結果における範囲を得るためには4つの消耗品を用いる。また、正確な濃度は分からないが、これらの値よりも小さいまたは大きい濃度を決定することもできる。次いで、正確な最終結果を知るために、先の結果に合わせて調節されたさらなる希釈をすることができる。
【0046】
当然、カードの調査範囲を増大するために、4または5、あるいはそれ以上の異なる大きさの空洞を含む異なる分析カードを有することができる。
もちろん、核酸(DNAまたはRNA)、抗体または抗原のような他の生物学的分子または物質をカウントすることができる。これらは、ラベルされている抗生物学的物質抗体によって現されてもよい。
チューブ32に、サンプル4より低密度の不混和性液体を添加することもできる。これは、前記サンプル4の後に吸い込まれ、各空洞に分配された種々の量を隔離する。また、一方が生物学的サンプル、他方が隔離液を含有する二つのチューブ32を有し、第一のチューブ32と第二のチューブ33に交互にパイプ33を浸すこともできる。最後に、カード1に二つのパイプ33を有することもできる。空洞9、10および11の全体量が4440μlであり、サンプル4の量が2220μlなの出、隔離液の量は2220μlであってもよい。密封されたらカード1に空気が存在することが望まれるのであればより少なく、また、カードがサンプル4と隔離液で完全に満たされることが望まれるのであればより多くすることができる。後者の場合には、この技術は、嫌気性微生物の増殖に有利である。
【0047】
カード1に移されるサンプル4の量が正確に測定されるように、自動化を利用しない三つの選択がある。
第一の選択は、チューブ32を正確な量のサンプル4で満たすことに関する。柔軟なパイプ33が自由端34を前記サンプル4の最下レベルに有するから、サンプル4の全てが移される。
第二の選択は、チューブ32の内部において、前記サンプル4に浸された自由端34の位置によってあらかじめ決められる所定量のサンプル4でカード1を満たすことに関する。吸い込まれたサンプル4は、前記端34の上に存在する液体カラム4に対応し、この上のカラムの液体のみが移される。
【0048】
最後に、第三の選択は、非常に大量のサンプルでチューブ32を満たすことに関する。真空を破壊することによって、輸送は、操作する者が、サンプル4から柔軟なパイプ33の端34を直接または間接的に取り除くまで行われ、サンプル4から空洞9、10および11へのフラクションの輸送が続けられる。
それゆえ、サンプル4を輸送する際に、前記サンプル4と同一水準でサンプリングが行われることが容易に理解できる。それゆえ、柔軟なパイプ33の自由端34が隔離流体にあるまで低減する、サンプル4のレベルである。それゆえ、第二に、カード1に輸送されるこの流体である。サンプル4よりも低いその密度により、そして、図5に示されているような、カード1の位置により、前記流体は、空洞9、10および11に輸送された種々の少量のサンプル4の物理的かつ生物学的なバリアとして作用する。
【0049】
また、ゲル化剤を媒体中に用いることもできる。この技術は、空気のような気体状流体を用いた、種々の空洞9、10および11(図1)または29、30および31(図2)間の仕切りを容易にすることができる。
空洞9、10および11に輸送された量が、同じ大きさの空洞間、および異なる大きさの空洞間でほぼ同じであることをチェックするために、テストが行われた。
かくして、小さい空洞11を用いて、三回のテストが20のウェルに対して行われた。このテストは875ミリバールの真空を用いて、2220μlの脱塩水を用いて行われた。結果は、以下の表2に記載されている。
【0050】
表2:小さい空洞における生物学的サンプルの分配のテスト
【表2】
Figure 0004578682
中位の空洞10を用いて同様に、三回のテストが20のウェルに対して行われた。このテストは875ミリバールの真空を用いて、2220μlの脱塩水を用いて行われた。結果は、以下の表3に記載されている。
【0051】
表3:中位の空洞における生物学的サンプルの分配のテスト
【表3】
Figure 0004578682
先の二つの場合と同様に、大きい空洞9を用いて、三回のテストが20のウェルに対して行われた。このテストは先の条件と同じ条件下、すなわち875ミリバールの真空を用いて、2220μlの脱塩水を用いて行われた。結果は、以下の表4に記載されている。
【0052】
表4:大きい空洞における生物学的サンプルの分配のテスト
【表4】
Figure 0004578682
三回のテストの平均がほぼ一定であったことから各ウェルまたは同じ大きさの空洞9、10または11に存在する量が比較的一定であること、並びに、標準偏差と変動係数が小さいことに注意すべきである。
実際、標準偏差は、いかなる量でも一定であり、このため、変動係数の減少があり、これはサンプルに含まれる液体の量の増加に比例する。実際、これらの結果は、最初のサンプルを輸送した後に各ウェルまたは空洞9、10または11に存在する液体の測定における正確さの問題による。
言うまでもなく、これらの結果は、特に有利であり、最初の生物学的サンプル4に存在する核酸、抗体または微生物のようなあらゆる生物学的物質の濃度を測定する方法の使用を可能にする。
【0053】
分析カード1は、生物学的液体における微生物をカウントするための医学分野においても使用できる。
以下の例は、尿の微生物をカウントするために尿を分析する状況で用いられるプロトコルを記載する。採取された尿は、5mlの培養培地を含むチューブに10μlの投与量をサンプリング容器から輸送(ホモジナイゼーション後)することによって希釈される。
ホモジナイゼーション後、2x10-3、すなわち1/500希釈が得られる。次いで、2220μlのこの希釈物をチューブ32に移す。次いで、カード1を満たし、インキュベートし、最後に上記の例と同様に読みとる。しかしながら、インキュベーション温度はより高く、37℃に近い。
尿の汚染が225CFU/mlから1.5x106CFU/mlの間である場合には、このプロトコールを用いて、尿の微生物をカウントすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 生物学的サンプルにおける微生物をカウントおよび特徴決定することを可能にする、本発明に係るカードの第一の実施態様の平面図を示す。
【図2】 生物学的サンプルにおける微生物をカウントおよび特徴決定することを可能にする、本発明に係るカードの第二の実施態様の平面図を示す。
【図3】 図1と同一であるが、部分的な図を示す。このカードは、ある微生物集団をカウントおよび特徴決定するために用いられた。
【図4】 図1と同一であるが、部分的な図を示す。このカードは、別の微生物集団をカウントおよび特徴決定するために用いられた。
【図5】 生物学的サンプルを含む容器にチューブを介して連結されている、図1および図3に示された分析カードの遠近法による図を示す。
【図6】 図5のA-Aの断面図を示す。
【図7】 図5のB-Bの断面図を示す。
【図8】 図7と同じ断面図を示すが、分析カードが空洞において異なる別の実施態様からなる。
【図9】 カード、サンプル、チューブおよびパイプによって形成された組立物を前記サンプルを前記カードの空洞に輸送することを可能にする位置に配置した、真空ベル(vacuum bell)内における、圧力の変化を示す曲線を示す。
【図10】 図1と同一であるが、部分的な図を示す。このカードは、別の微生物を含有するサンプルをカウントおよび特徴決定するために用いられた。
【図11】 生物学的サンプルにおける微生物をカウントおよび特徴決定することを可能にする、本発明に係るカードの第三の実施態様の平面図を示す。
【図12】 中位の大きさの分析空洞の詳細な図を示す。
【図13】 小さい分析空洞の詳細な図を示す。
【図14】 図11のC-Cの断面図を示す。
【図15】 図11のD-Dの断面図を示す。
【図16】 図11のE-Eの断面図を示す。
【符号の説明】
1 分析カード
2 分析カード1のボディ
3 カード1の注入領域
4 分析される生物学的液体またはサンプル
5 主要フィード溝
6 第二溝
7 輸送手段または各溝6に対応するウェル
8 末端溝
9 溝8に対応する大きな末端分析空洞
10 溝8に対応する中位の末端分析空洞
11 溝8に対応する小さい末端分析空洞
12 主要輸送ウェルまたは手段
13 側面注入領域
14 ボディ2における環状の溝
15 溝14に適したパイプ33のショルダー
21 分析カード
22 分析カード21のボディ
23 カード21の注入領域
25 フィード溝
27 輸送手段または各溝25に対応するウェル
28 末端溝
29 溝28に対応する大きな末端分析空洞
30 溝28に対応する中位の末端分析空洞
31 溝28に対応する小さい末端分析空洞
32 サンプル4を含有するチューブ
33 チューブ32に領域3を連結するパイプ
34 パイプ33の自由端
35 透明な付着フィルム
101 分析カード
102 分析カード101のボディ
103 カード101の注入領域
104 オーバーフロー
105 主要フィード溝
106 空洞109の第二溝
107 空洞110の第二溝
108 空洞111の第二溝
109 溝106に対応する大きな末端分析空洞
110 溝107に対応する中位の末端分析空洞
111 溝108に対応する小さい末端分析空洞
112 空洞109または110において主要溝105におけるサンプル4の流れを遅延させるためのウェル
113 空洞109または110の上方分岐
114 サンプル4の分岐113への流れを妨げるウェル
115 空洞109、110または111をバイパスする分岐
116 空洞111における主要溝105へのサンプル4の流れを遅延させるウェル
117 空洞111の下方分岐
118 分岐117へのサンプル4の流れを妨げるウェル
119 サンプル4を水切りする手段
120 空洞109、110または111においてカード101のボディ102の底部
121 注入領域103と主要溝105の間のバルブ
122 空洞109の二つのレベルの間のバルブ
123 空洞109と空洞110の間のバルブ
124 空洞110の二つのレベルの間のバルブ
125 空洞110と空洞111との間のバルブ
126 空洞111の二つのレベルの間のバルブ
127 オーバーフロー104の出口
F1 主要溝5を介したサンプル4の第二溝106、107または108への流入
F2 第二溝106、107または108を介したサンプル4の空洞109、110または111への流入
F3 空洞109または110の上方分岐113を介した空気の輸送
F4 空洞109、110または111における主要溝5を介したサンプル4の輸送
F5 空洞109、110または111における主要溝5を介したサンプル4の流出
F6 空洞111の下方分岐117を介した空気および/またはサンプル4の輸送

Claims (22)

  1. −分析される生物学的液体(4)をカード(1)に注入するための領域(3)、
    −前記注入領域(3)から来る生物学的液体(4)の主要フィード溝(5)、および
    −主要溝(5)の延長に存在する少なくとも二つの第二溝(6)
    からなるボディ(2)を備えた分析カード(1)であって、さらに
    −各第二溝(6)に対応する少なくとも一つのウェル(7)
    [各ウェル(7)は、一方で、各分析空洞(9、10または11)の末端溝(8)を介して、少なくとも二つの末端分析空洞(9、10または11)に前記生物学的液体(4)の所定量を輸送する手段を構成し、かつ、他方で、分析空洞(9、10および11)を互いから分離する所定量の不活性流体を貯蔵する手段を構成する
    を備えることを特徴とする分析カードであって、
    前記領域(3)を介してカード(1)内に真空を形成することにより、前記分析空洞(9、10及び11)中に生物学的液体(4)を輸送することが可能であることを特徴とするカード
  2. −分析される生物学的液体(4)をカード(21)に注入するための領域(23)、および
    −前記注入領域(23)から来る生物学的液体の少なくとも二つのフィード溝(25)
    からなるボディ(22)を備えた分析カード(21)であって、さらに
    −各フィード溝(25)に対応する少なくとも一つのウェル(27)
    [各ウェル(27)は、一方で、各分析空洞(29、30または31)の末端溝(28)を介して、少なくとも二つの末端分析空洞(29、30または31)に前記生物学的液体の所定量を輸送する手段を構成し、かつ、他方で、分析空洞(29、30および31)を互いから分離する所定量の不活性流体を貯蔵する手段を構成する
    を備えることを特徴とする分析カードであって、
    前記領域(23)を介してカード(21)内に真空を形成することにより、前記分析空洞(29、30および31)中に生物学的液体(4)を輸送することが可能であることを特徴とするカード
  3. 生物学的液体(4)の末端分析空洞(9、10および11、または、29、30もしくは31)への輸送が平行して起こることを特徴とする、請求項1または2記載のカード。
  4. −分析される生物学的液体(4)をカード(101)に注入するための領域(103)、
    −前記注入領域(103)から来る生物学的液体(4)の主要フィード溝(105)、および
    −主要溝(105)の延長に存在する少なくとも二つの第二溝(106、107および/または108)、
    からなるボディ(102)を備えた分析カード(101)であって、
    当該カード(101)が、さらに
    −各第二溝(106、107または108)に対応する少なくとも一つの空洞(109、110および/または111)
    [各空洞(109、110または111)は、一方で、所定量の前記生物学的液体(4)を受け入れる手段を構成し、他方で、所定量の不活性流体を貯蔵する手段を構成する]、および
    −分析空洞(109、110および111)を互いから分離する、溝(105)に存在する液体(4)に対応するオーバーフロー容量を受け入れるためのリザーバー(104)、
    −リザーバーと連結してオーバーフロー容量を排出するための出口(127)
    を備えることを特徴とする分析カードであって、
    前記出口(127)を介してカード(101)内に真空を形成するかもしくは前記領域(103)を介してカード(101)内に加圧を適用することにより、前記分析空洞(109、110および111)中に生物学的液体(4)を輸送することが可能であることを特徴とするカード
  5. 生物学的液体(4)の分析空洞(109、110または111)への輸送が連続して起こり、その後にパージされることを特徴とする、請求項4記載のカード。
  6. 生物学的液体(4)を輸送する主要な手段として作用するウェル(12)が、主要溝(5)と第二溝(6)との間に存在することを特徴とする請求項1記載のカード。
  7. 第二溝(6)の容量またはフィード溝(25)の容量が全て同一であることを特徴とする、請求項1、2および6のいずれか一項に記載のカード。
  8. 末端分析空洞(9、10および/または11、あるいは29、30および/または31、あるいは109、110および/または111)が、少なくとも二つの異なる容量であることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のカード。
  9. 末端分析空洞(9、10および/または11、あるいは29、30および/または31、あるいは109、110および/または111)が、三つの異なる容量であることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか一項に記載のカード。
  10. 異なる容量の二つの空洞(9と10または10と11または9と11、あるいは29と30または30と31または29と31、あるいは109と110または110と111または109と111)の間に存在する比率が、1/5〜1/20、1/50〜1/200、または1/500〜1/2000であることを特徴とする、請求項8または9に記載のカード。
  11. 前記比率が、1/10、1/100または1/1000であることを特徴とする請求項10に記載のカード。
  12. 同一の容量の空洞(9、10および/または11、あるいは29、30および/または31、あるいは109、110および/または111)が、読み出しを容易にするために幾何学的に直線状または同心円状に配置されていることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか一項に記載のカード。
  13. −所定量の分析される生物学的液体(4)にカード(1または21)の注入領域(3または23)を連結する、
    −前記カード(1または21)の内部に真空を形成する、
    −一方で、分析空洞(9、10および/または11、あるいは29、30および/または31)に生物学的液体(4)を移し、他方で、生物学的液体(4)に由来し、前記分析空洞(9、10または11、あるいは29、30または31)に存在する、サンプルの種々の画分を不活性流体を用いて分離するように真空を破壊し、かつ、
    −得られた結果を分析して、初期の生物学的液体(4)に存在する微生物または核酸、抗体のような他の生物学的成分の量を調べる
    ことからなることを特徴とする、請求項1ないし3、6および7のいずれか一項に記載の分析カード(1または21)を満たす方法。
  14. −所定量の分析される生物学的液体(4)にカード(101)の注入領域(103)または出口(127)を連結する、
    −前記カード(101)の内部に真空または加圧を形成して、生物学的液体(4)を分析空洞(109、110および/または111)に移す、
    −真空または加圧を停止する、
    −生物学的液体(4)に由来し、前記分析空洞(109、110または111)のそれぞれに存在する、サンプルの種々の画分を不活性流体を用いて分離するように主要溝(105)をパージする、かつ
    −得られた結果を分析して、初期の生物学的液体(4)に存在する微生物または核酸、抗体のような他の生物学的成分の量を調べる
    ことからなることを特徴とする、請求項4または5に記載の分析カード(101)を満たす方法。
  15. 真空が破壊されたら、分離流体が第二溝(6)またはフィード溝(25)、あるいは分析空洞(9、10および/または11、あるいは29、30および/または31)の、生物学的液体(4)と接触することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  16. 分析される生物学的液体(4)の容量が、全ての分析空洞(9、10および11、あるいは29、30および31)の全体容量未満であることを特徴とする、請求項1または1に記載の方法。
  17. 分析される生物学的液体(4)の容量が、分析空洞(109、110および111)の全て、流体回路(105ないし108および112ないし118)の全て、およびオーバーフロー(104)の全体容量以上であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  18. 分析される生物学的液体(4)の容量が、全ての分析空洞(109、110および111)および全ての流体回路(105ないし108および112ないし118)の全体容量以上であることを特徴とする請求項1または1記載の方法。
  19. 全ての分析空洞(9、10および11、あるいは29、30および31)の全体容量に対する分析される生物学的液体(4)の容量の比率が、1/10〜9/10であることを特徴とする、請求項1、1および1のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記比率が、4/10〜6/10であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 前期比率が、5/10であることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. サンプルの一部中の生物学的物質の数をカウントすることにより、サンプル中の生物学的物質の総数を決定するための統計学的な技術を用いて微生物をカウントするための、請求項1ないし1のいずれか一項に記載の分析カード(1、21または101)の使用。
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