JP4578619B2 - 細径メッキ線の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数層のメッキを施したメッキ線の製造方法に係り、特に、メッキ後に伸線加工を施して細径化するメッキ線の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器におけるコネクタ接続、部品の接続等において、部品数の低減、工程の簡略化等の観点から、半田を用いずに圧着により接続を行うことが一般的になりつつある。また、機器が小型化され、圧着の際における位置決め等の容易化などのため、多数の細線を一定ピッチで並列させ、コネクタ接続部、端子盤等のように機能させることが図られつつある。そのために、接続構造体が提案されている。
【0003】
この接続構造体は、例えば、シリコンゴム等からなる絶縁体円柱に、直径数十ミクロンの金属細線、例えば、銅の線材にニッケルメッキおよび金メッキを施した細線を、当該細線の断面の半分程度が埋まるように、絶縁体円柱に巻き付けて形成される。そして、円柱を軸方向に切断して得られたものを前述した接続のために用いられる端子盤のようにして用いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この目的で用いられる細線は、線材にメッキを施した後、伸線加工により、目的の細径線とすることで製造される。
【0005】
ところで、前述したシリコンゴムからなる絶縁体円柱に、製造された細径線を巻き付けて接続構造体を製造する場合には、製造後、細径線が絶縁体円柱からはがれることがないことが望まれている。
【0006】
本発明の目的は、接続構造体を製造する際に剥がれが生じにくい細径メッキ線を製造する方法を提供することにある。
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の第1の態様によれば、線材をメッキしたメッキ線から細径メッキ線を製造する方法であって、銅および銅合金のいずれかで構成される線材に、ニッケルによる第1のメッキを施す工程と、前記第1のメッキ上に、金による第2のメッキを施してメッキ線を得る工程と、得られた前記メッキ線を、水に浸漬させた状態の孔径の異なる複数のダイスに孔径が順次小さくなる順に複数段通過させて伸線する工程と、を行うことを特徴とする細径メッキ線の製造方法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、それぞれ図面を参照して説明する。以下の実施の形態では、伸線加工装置を用いて伸線加工を行うので、まず、その装置について図面を参照して説明する。
【0009】
本実施形態では、2種類の伸線加工装置を使用する。第1は、径が太い段階での伸線加工するための装置100(図2参照)、第2は、径が細くなってからの伸線加工を行う装置200(図3参照)である。
【0010】
図1は、本発明の伸線加工を行うための装置の全体構成の概要を示す。図1に示す装置では、第1の伸線加工装置100と、伸線加工装置100にメッキ線を供給すると共に、加工後のメッキ線を巻き取るためのメッキ線搬送機構300とが配置される。メッキ線の加工は、第1の伸線加工装置100、および、第2の伸線加工装置200のそれぞれにおいて複数段階行われる。そのため、同じ伸線加工装置において、ダイス群を交換して複数段階伸線加工を行う。なお、伸線加工装置100、200をそれぞれ複数台用意し、ダイス群を交換せずに、メッキ線を順次異なる伸線加工装置に供給するようにしてもよい。
【0011】
図1に、本発明の第1の伸線加工装置を組み込んで伸線加工を行うための装置の一例を示す。なお、これは、第2の伸線加工装置を組み込んで伸線加工を行う装置の場合も同様である。ただし、第2の伸線加工装置を組み込んだ場合、メッキ線が細いので、メッキ線を供給する装置の構成を変えてもよい。
【0012】
図1に示すように、メッキ線搬送機構300は、加工すべきメッキ線501が巻回され、引き出されるための第1リール310と、第1リール310から引き出されたメッキ線501を案内するガイドプーリ群321〜325と、加工後のメッキ線502を巻き取るための第2リール340と、メッキ線を第2リール340に導くガイドプーリ群331〜333とを有する。
【0013】
ここで、図示していないが、第1リール310と第2リール340とは、繰り出しのため、および、巻き取りのため、回転駆動機構および駆動制御装置により、それぞれ回転駆動される。また、第1リール310と、第2リール340とは、同一の構造を有している。また、それらの役割を交換可能である。すなわち、第2リール340に巻き取られた加工後のメッキ線についてさらに伸線加工を行う場合には、この第2リール340を第1リール310として、メッキ線の繰り出し側に装着することができる。また、巻き付けられていたメッキ線がすべて繰り出された後の空の第1リール310は、それをメッキ線の巻き取り側に装着することで、第2リール340として用いることができる。従って、第1リールおよび第2リールの称呼は、相対的なものである。
【0014】
ガイドプーリ群321〜325のうち、プーリ322には、図示していないテンション付与機構が連結され、メッキ線501にバックテンションを付与する機能を果たしている。なお、これらのガイドプーリ群321〜325のうち、少なくとも一つについて、回転駆動機構を連結してメッキ線501を搬送する機能を持たせるようにしてもよい。
【0015】
ガイドプーリ群331〜333のうち、プーリ333には、図示していないテンション付与機構が連結され、メッキ線501にテンションを付与する機能を果たしている。なお、これらのガイドプーリ群331〜333のうち、少なくとも一つについて、回転駆動機構を連結してメッキ線501を搬送する機能を持たせるようにしてもよい。
【0016】
第1の伸線加工装置100および第2の伸線加工装置200は、共に、複数個のダイスが配列されたダイス群配列体140(240)と、このダイス群配列体140(240)に配列された複数個のダイスのそれぞれに順次メッキ線を通過させるため、メッキ線を複数回折り返すための一対の折り返しローラ120(220)、130(230)と、これらを収容するタンク110(210)とを備えている。タンク110(210)には、潤滑液111(211)が満たされる。また、図示していないが、タンク110(210)には、潤滑液111(211)を供給し、また、排出する機構が設けられている。
【0017】
潤滑液として、本発明では水を用いる。特に、本実施形態では、純水を用いる。潤滑液として水を用いる理由は、伸線加工後のメッキ線の表面に、メッキ膜の剥がれを生じさせることなく条痕を形成することができるからである。本発明者らの実験により、水、特に、純水を用いて伸線加工を行う場合には、好ましい条痕が形成されることが分かった。すなわち、前述したように、細径メッキ線を、シリコンゴム製の絶縁円柱体に巻き付けた際、条痕がシリコンゴムに食い込むことで細径メッキ線とシリコンゴムとが強固に接触すると共に、実効的な接触面積が増えて、細径メッキ線が絶縁円柱体から浮き上がりにくくなるという効果がある。また、純水を潤滑剤とした場合には、細径メッキ線の表面に界面活性剤、油等残留物が存在しない、清浄な状態が維持されるため、油等の残留物の影響による細径メッキ線とシリコンゴムとの密着不良の発生が抑えられるという効果もある。
【0018】
第1の伸線加工装置100は、図2に示すように、タンク110内に、複数個のダイスが配列されたダイス群配列体140と、このダイス群配列体140に配列された複数個のダイスのそれぞれに順次メッキ線を通過させるため、メッキ線複数回折り返すための一対の折り返しローラ120、130とが配置されている。一対の折り返しローラ120,130には、それぞれを駆動するための駆動機構121および131が連結されている。また、折り返しローラ120は、その回転軸が折り返しローラ130に対して傾けて配置されている。すなわち、加工前のメッキ線501が導入される側の間隔が広くなるように、傾けて配置されている。この理由は、折り返されるメッキ線501の位置を、通過させるべきダイスの一致に併せて一定ピッチで軸方向にずらすためである。
【0019】
ダイス群配列体140は、複数のダイス141−1〜141−15を二列に配置して構成される。本実施形態では、固定台142に、15個のダイスを配置する構成となっている。ただし、伸線工程の段階に応じて、ダイスの数を増減することができる。本実施の形態では、6個〜15個のダイスを配置している。例えば、本実施の形態では、第1の伸線加工装置100により、4回の伸線加工を行うこととして、1回目12個、2回目15個、3回目15個、4回目7個のダイスが用いられる。本実施形態では、ダイス群配列体140において、ダイス141−1、141−3、…、141−15の奇数番を第1列に、ダイス141−2、141−4、…、141−14の偶数番を第2列に配置している。そして、第2列のダイスの位置を第1列のダイスに対してずらして配置している。これにより、ダイス群配列体140を一定ピッチすれば通過するメッキ線をそれぞれ対応するダイス、すなわち、141−1、141−2、141−3、…、141−14,141−15の順に通過させる構成としている。
【0020】
ダイス群配列体140は、着脱可能にタンク110に装着されている。従って、このダイス群配列体140を交換することで、所望の径のメッキ線についての伸線加工を行うことができる。その結果、ダイス群配列体140を、より孔径の小さいダイス群を持つダイス群配列体140に交換することで、1台の装置でも、複数段の伸線加工を複数回に渡って行うことができる。
【0021】
第2の伸線加工装置200は、図3に示すように、複数個のダイスが配列されたダイス群配列体240と、このダイス群配列体240に配列された複数個のダイスのそれぞれに順次メッキ線を通過させるため、メッキ線複数回折り返すための一対の折り返しローラ220、230とを備える。一対の折り返しローラ220,230には、それぞれを駆動するための駆動機構221および231が連結されている。また、折り返しローラ220は、その回転軸が折り返しローラ230に対して傾けて配置されている。すなわち、加工前のメッキ線501が導入される側の間隔が広くなるように、傾けて配置されている。この理由は、折り返されるメッキ線501の位置を、通過させるべきダイスの一致に併せて一定ピッチで軸方向にずらすためである。
【0022】
折り返しローラ220および230は、それぞれ、メッキ線の入口側、すなわち、本装置での加工前のメッキ線501が導入される側の径が小さく、出口側、すなわち、本装置での加工後のメッキ線503が排出される側の径が大きくなるように、概略円錐状の形態を有している。これは、この段階での伸線加工では、メッキ線の長さが実質的な伸びが著しいため、メッキ線の搬送速度を上げて、その伸びを吸収し、折り返し時の弛みをなくすためである。なお、図3では、折り返しローラ220および230の周面が軸方向に連続的に変化するように示されているが、本発明で用いるローラは、これに限定されない。例えば、周面に段が形成されるように径を変化させる構造としてもよい。また、段の端に、例えば、浅い鍔を設けてもよい。このようにすることで、折り返しを行うメッキ線のずれを起こしにくくすることについて効果的である。
【0023】
ダイス群配列体240は、複数のダイス241−1〜241−15を二列に配置して構成される。本実施形態では、固定台142に、15個のダイスを配置する構成となっている。もちろん、伸線工程の段階に応じて、ダイスの数を増減することができる。本実施形態では、ダイス群配列体240においても、第1の伸線加工装置100のダイス群配列体140と同様に、ダイス241−1、241−3、…、241−15の奇数番を第1列に、ダイス241−2、241−4、…、241−14の偶数番を第2列に配置している。そして、第2列のダイスの位置を第1列のダイスに対してずらして配置している。これにより、ダイス群配列体240を一定ピッチすれば通過するメッキ線をそれぞれ対応するダイス、すなわち、241−1、241−2、241−3、…、241−14,241−15の順に通過させる構成としている。
【0024】
なお、図3では、15個のダイスが配置される状態を示している。ただし、本実施の形態では、第2の伸線加工装置では、5個のダイスを配置する。すなわち、241−1、241−2、241−3、241−4、241−5の5個のダイスがこの順で用いられる。従って、図3に示すものは、説明の便宜上の構成である。
【0025】
上述したダイス群配列体140、240でも値いられるダイスとしては、例えば、図4に示すようなものがある。すなわち、メッキ線501を引き込む側の入口142(224)と、伸線後のメッキ線502が引き出される出口144(144)と、その間にあって、メッキ線501を絞るテーパ部143(243)とが金属ブロックに設けられた構造となっている。
【0026】
本実施の形態では、この第2の伸線加工装置200は、伸線加工の最後の段階で使用する。従って、1回の伸線加工を行うこととしている。もちろん、さらに、多い回数の伸線加工を行うこともできる。また、回数を増やさずに、ダイスの数を増やして対応することも可能である。それは、メッキ線をどの程度の径にするかで決定される。
【0027】
ダイス群配列体240は、着脱可能にタンク210に装着されている。従って、このダイス群配列体240を交換することで、所望の径のメッキ線についての伸線加工を行うことができる。その結果、ダイス群配列体240を、より孔径の小さいダイス群を持つダイス群配列体240に交換することで、1台の装置でも、複数段の伸線加工を複数回に渡って行うことができる。これらの点は、ダイス群配列体140と同様である。
【0028】
次に、本実施形態による製造方法の工程の概要について、図6を参照して説明する。
【0029】
本実施の形態では、線材として、例えば、銅、黄銅、ベリリウム銅等の、銅系金属線を用い、これに、第1メッキ工程1110において、第1メッキ層、例えば、ニッケルをメッキし、さらに、第2メッキ工程1120において、第2メッキ層として、例えば、金をメッキする。その結果、図5に示すように、線材11に、ニッケルからなる第1メッキ層12と、金からなる第2メッキ層13が形成されたメッキ線501が得られる。このメッキ線501について、熱処理工程1130において、例えば、600℃程度で水素雰囲気の加熱領域中で熱処理が行われる。熱処理は、例えば、2.2秒間程度、前述の加熱領域中に存在させることで行う。なお、この熱処理は、例えば、管形状の炉中を通過させることで行うことができる。ここで、水素により熱処理を行うのは、第2メッキ層13を介して酸素がニッケルを酸化することを防ぐためである。
【0030】
次に、第1伸線工程1140において、前述した第1の伸線加工装置100を用いて、伸線加工を行う。ここでは、線径0.35mmのメッキ線について、4回伸線加工を行って、順次細径化する。細線化に際しては、図1に示すように、加工すべきメッキ線が巻き込まれた第1リール310からメッキ線501を引き出して、ガイドプーリ群320を経てダイス群配列体140の第1のダイス141−1に導く。具体的には、プーリ322でバックテンションを付与された状態で、プーリ323,324を介してプーリ325にいたり、ここで、ダイス141−1の入口の高さに合わせられ、該ダイス141−1に通される。ついで、折り返しローラ130を介して折り返され、折り返しローラ120に導かれる。ここで、折り返しローラ120の軸が傾いているため、折り返しローラ120で折り返される間に、その位置が軸方向にずれる。その結果、メッキ線502は、次のダイス141−2の位置にシフトして、このダイス141−2に導かれる。以下、同様にして、第1列のダイス、第2列のダイスの順に順次異なるダイスを通過して、最後のダイス141−15を通過して、その回の伸線加工を終わる。そして、ガイドプーリ群330を経て第2リール340に巻き取られる。ここ時、プーリ333により適当なテンションが付与される。
【0031】
次に、第1リール310と第2リール340とを外して、第2リール340を繰り出し側に装着して第1リール330とし、一方、第1リール310を巻き取り側に装着して第2リール340として用いる。また、ダイス群配列体140を次のセットに交換する。この後、前述したと同様の手順を経て伸線加工を行う。
これを必要な回数繰り返す。この間、タンク110には、純水111が満たされる。この純水は、給排水を常時行って、ダイス群が、絶えず、新しい純水で満たされるようにする。もちろん、伸線加工中に、給排水を行わないようにしてもよい。
【0032】
この後、第2伸線工程1150において、より細線化する伸線加工処理を行う。ここでは、1回の加工で、目的の細径メッキ線を得る。もちろん、複数回、伸線加工を行うようにしてもよい。また、前述した第1の伸線加工装置100のみで、目的の線径のメッキ線が得られる場合には、この第1伸線加工を省略してもよい。一方、メッキ工程の段階で、細線にメッキを施して、第2伸線工程で細径化するようにしてもよい。
【0033】
第1伸線工程と第2伸線工程とを組み合わせることで、比較的に太い線径のメッキ線から極細の細径メッキ線を無理なく得られるため、本実施形態のような組み合わせるすることが好ましい。なお、太い線にメッキすることは、表面積が広いため、細径線にメッキするよりメッキが効率的に行える。従って、本実施形態のように比較的太い線から細径線を得る工程とすることは、メッキ工程を含む製造工程全体から見ても好ましいといえる。
【0034】
次に、細径化されたメッキ線を400℃の窒素雰囲気の加熱領域中で熱処理を行う。この熱処理は、例えば、0.17秒間程度、前述の加熱領域中に存在させることで行う。なお、この熱処理は、例えば、前述した熱処理と同様に、管状の炉中を通過させることで行うことができる。窒素雰囲気中とする理由は、前述した熱処理の場合とは異なり、温度が低いこと、加工によりメッキ層が緻密になっていることを考慮したものである。もちろん、水素雰囲気中で熱処理してもよい。この熱処理により、加工歪みを解消して、メッキ線の物理的な特性を改善することができる。
【0035】
(実施例)
次に、本実施形態によるメッキ線の製造方法の実施例について説明する。
【0036】
まず、黄銅線材に、常法により、ニッケルを1.25μmメッキし、さらに、常法により、金を0.25μmメッキした。これにより、0.35mmのメッキ線を得た。ついで、得られたメッキ線を、管形状の炉中に形成された600℃の水素雰囲気の加熱領域中に、2.2秒間存在するように通過させて、加熱処理した。
【0037】
さらに、第1の伸線加工装置100により、線径0.35mmのメッキ線について、4回伸線加工を行って、順次細径化し、線径0.042mmのメッキ線とした。すなわち、第1回は12個のダイスで0.35mmから0.25mmに、第2回は15個のダイスで0.25mmから0.10mmに、第3回は15個のダイスで0.10mmから0.05mmに、第4回は7個のダイスで0.05mmから0.042mmにそれぞれ細径化した。
【0038】
次に、第2の伸線加工装置200を用いて最後の伸線加工を行う。すなわち、5個のダイスを配列したダイス群配列体240を装着した第2の伸線加工装置200を用いて、0.042mmの線径から始めて、0.030mmの線径のメッキ線を得た。
【0039】
この後、細径化されたメッキ線を400℃の窒素雰囲気の加熱領域中に、0.17秒間存在させるように通過させることで熱処理を行った。
【0040】
得られたメッキ線の表面を走査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、図7に示すように、表面に長手方向に沿う条痕701が複数本形成されていた。また、メッキの剥がれは見られなかった。従って、シリコンゴム等の絶縁体への組み込みのよいメッキ線が得られたことが確認された。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、接続構造体を製造する際に剥がれが生じにくい細径メッキ線を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に用いる伸線加工を行うための装置の一例を模式的に示す説明図。
【図2】図2は本発明において用いることができる第1の伸線加工装置の一例の概要を示す平面図。
【図3】図3は本発明において用いることができる第2の伸線加工装置の一例の概要を示す平面図。
【図4】図4は本発明において用いることができるダイスの一例を示す断面図。
【図5】図5は本発明により製造されるメッキ線の断面構造を模式的に示す断面図。
【図6】図6は本発明の実施形態における製造工程の概要を示す説明図。
【図7】図7は本発明により製造されたメッキ線の表面観察図。
【符号の説明】
11…線材、12…第1メッキ層、13…第2メッキ層、100…第1伸線加工装置、110…タンク、111…潤滑液、120、130…折り返しローラ、140…ダイス群配列体、141−1〜141−15…ダイス、200…第2伸線加工装置、210…タンク、211…潤滑液、220、230…折り返しローラ、240…ダイス群配列体、241−1〜241−15…ダイス、300…メッキ線搬送機構、310…第1リール、320…ガイドプーリ、330…ガイドプーリ、340…第2リール。
Claims (5)
- 線材をメッキしたメッキ線から細径メッキ線を製造する方法であって、
銅および銅合金のいずれかで構成される線材に、ニッケルによる第1のメッキを施す工程と、
前記第1のメッキ上に、金による第2のメッキを施してメッキ線を得る工程と、
得られた前記メッキ線を、水に浸漬させた状態の孔径の異なる複数のダイスに孔径が順次小さくなる順に複数段通過させて伸線する工程と、を行うこと
を特徴とする細径メッキ線の製造方法。 - 線材をメッキしたメッキ線から細径メッキ線を製造する方法であって、
銅および銅合金のいずれかで構成される線材に、ニッケルによる第1のメッキを施す工程と、
前記第1のメッキ上に、金による第2のメッキを施してメッキ線を得る工程と、
得られた前記メッキ線を、水のみを潤滑剤として孔径の異なる複数のダイスに孔径が順次小さくなる順に複数段通過させて伸線する工程と、を行うこと
を特徴とする細径メッキ線の製造方法。 - 請求項1または2に記載の細径メッキ線を製造する方法であって、
前記伸線する工程に用いる前記水は、純水であること
を特徴とする細径メッキ線の製造方法。 - 請求項1から3の何れか一項に記載の細径メッキ線を製造する方法であって、
前記伸線する工程中において、熱処理を行わないこと
を特徴とする細径メッキ線の製造方法。 - 請求項1から4の何れか一項に記載の細径メッキ線を製造する方法であって、
前記伸線する工程において、常に水の給排水が行われていること
を特徴とする細径メッキ線の製造方法。
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