JP4578423B2 - 締結装置及び該締結装置を用いた締結方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ネジを用いた締結装置及び締結方法に関し、特に、正確な締め付け力の管理を要する用途に用いる締結装置及び締結方法に関する。
ボルトナットを始めとするネジを用いた締結部材は、最も基本的な機械要素として、あらゆる技術分野で広く用いられている。その中でも、高い組み立て精度を要する装置においては、締結部材による締め付け力の正確な管理が重要な課題となる。
この正確な締め付け力の管理を必要とする用途の1つとして、例えば、半導体製造分野で用いられるスリットコータのダイヘッドの組み立てが挙げられる。ダイヘッドの組み立てにおいては、ダイヘッドのノズルの非常に狭いスリット幅を均一に保つ必要があるので、ボルトによる締め付け力の精度を保つため、通常、トルクレンチを用いてボルトの軸力の管理を行なっている。
つまり、ボルトを回転させるトルクがボルトの軸力に変換されるので、このボルトを回転させるトルクを管理することによって、被締結材料の締め付け力を管理するという考え方である。ここで、ネジを締めたときに生じるボルトの軸力は、ボルトの引張変形と被締結材料の圧縮変形により蓄積され、ネジの山と山との間の摩擦力、及びボルトヘッドの座面と被締結材料との間の摩擦力によって保持される。ただし、通常のボルトのネジ込みでは、ネジの山と山との間の摩擦力が大きな影響を及ぼす。通常の締め付けの場合、ボルトと被締結材料の変形により軸力を得るため、ボルトの非常に小さな回転のばらつき(例えば、5度以下)でも非常に大きな軸力のばらつきが生じる。また、ボルトと被締結材料の変形により蓄えられる軸力は、温度変化による、熱膨張/収縮の影響で容易に変化する。
また、ネジ込むためにボルトを回転させるトルクは、軸力によって生じる雄ネジと雌ネジの山と山の間の摩擦力からなる。このネジの山と山の間の摩擦係数は、潤滑の状態、乾燥の度合い、ネジ面の表面粗さ等によって大きく変化する。従って、ネジの山と山の間の摩擦係数の変化によって、同じ回転トルクでボルトを締めても、軸力は大きく変化することになる。従って、最初の締め付け時と、一度緩めて再度締め付けた時では、軸力は変化することになる。
従って、トルクレンチを用いたダイヘッドの組み立てにおいては、ボルトを締め付ける順番で、軸力が変化するので、最終的に同じ軸力で締めるために、何度も締め付けを繰り返す必要がある。また、特にステンレスネジの場合、過剰な締め付けが生じる恐れが高く、この場合、焼付けや大きな弾性変形を起こすことがあるため、注意が必要である。
このような正確なボルトの軸力の管理が必要となる用途に対応するため、例えば、皿ばねを用いて締め付け力を管理する装置が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
特開2000−78706号
特許文献1には、ボルトナットで皿ばねを押圧して、磁気浮上式鉄道用の地上コイル体を軌道に取り付ける発明が記載されている。この発明では、押圧された皿ばねにより軸力が生じるので、ボルトナット間の摩擦係数の影響を受けず、作業時の周囲温度の影響も抑制することができるので、軸力管理を容易に行なうことができる。
また、この発明では、ボルトナットを締め込んだときに、押圧された皿ばねの高さが常に一定値hとなるような構造を有している。従って、もし、皿ばねの製作精度が非常に高く、皿ばねの初期高さh(荷重を受けずに変形していない状態の高さ)が、常に正確な一定値を有するのであれば、皿ばねの高さがhとなるように押圧したとき、押圧された皿ばねによって常に一定の軸力を発生することになる。
しかし、実際の皿ばねの製作精度はさほど高くなく、特に、複数の皿ばねを組み合わせた場合には、高さ寸法の累積誤差は更に大きなものになる。従って、特許文献1に示すように、皿ばねの高さが常に一定値hとなるように押圧した場合には、取り付けた皿ばねによって発生する軸力が異なる恐れがあり、例えば、スリットコータのダイヘッドのような、高い組み立て精度を要する用途に用いることは困難である。また、一度、締め付けた後、開放した場合、皿ばねの高さ寸法は変化するので、複数回、締め付け、開放を繰り返すような場合には、更に軸力の変化が生じる。
従って、本発明の目的は、上述の問題を解決して、軸力管理が容易に正確に行なえ、特に、寸法制度の高くない弾性体を用いても常に正確な軸力を発生することができ、更に、環境の変化の影響を受けにくい締結装置及びその締結装置を用いた締結方法を提供することにある。
上述の課題を解決するため、本発明の締結装置の1つの実施態様は、雄ネジを有する軸部と、ヘッド部とを備えたボルト部材と、前記軸部に環装され、被締結材料に力を伝達可能な荷重伝達部材と、前記ヘッド部と前記荷重伝達部材との間に配設され、前記ヘッド部と前記荷重伝達部材とに、前記ボルト材の軸方向の力(軸力)を伝達可能な弾性体と、所定の摩擦力により前記ボルト部材と前記荷重伝達部材との相対的な動きを拘束して、前記弾性体が前記ヘッド部と前記荷重伝達部材とに前記軸力を伝達可能な状態であって、かつ前記弾性体に前記軸力が生じていない初期状態を保持することができる拘束手段と、を備え、前記荷重伝達部材に対して、前記ボルト部材を前記初期状態から所定角度だけ回転させて、前記所定角度に対応したネジ込み量だけ前記弾性体を圧縮することにより、前記所定角度に対応した締め付け力で前記被締結材料を締結することを特徴とする。
本実施態様では、ボルト部材のヘッド部と、ボルト部材の軸部に環装された荷重伝達部材との間に弾性体が配設された構造を有し、ボルト部材の雄ネジを被締結材料側の雌ネジにネジ込んで被締結材料を締結する。このとき、ヘッド部と加重伝達部材との間に配設された弾性体は、ボルト部材の(荷重伝達部材に対する)初期状態からの回転角に対応したネジ込み量だけ圧縮され、この圧縮により発生した軸力が、荷重伝達部材を介して被締結材に伝達され、この軸力を締め付け力として被締結材料の締結が行なわれる。
ここで、ボルト部材は、市販のボルトを用いることもできるし、専用に製造することもできる。ボルト部材の材質としては、一般炭素鋼、工具鋼、ステンレス鋼、合金鋼、アルミニウムを始めとするあらゆる金属を用いることができ、大きな強度を有さない場合には樹脂を用いることもできる。また、ボルト部材の軸部に設けられた雄ネジは、軸部全体に設けることもできるし、軸部の一部の領域に設けることもできる。また、ボルト部材のヘッド部の形状は、六角ボルト、六角穴付ボルトを始めとするあらゆるボルトヘッドの形状を用いることが可能であるし、用途に応じてその他のあらゆる形状を用いることができる。
ヘッド部は、軸部が接続された下面と、その反対側の上面と、下面と上面とを連結する側面とからなり、一般的に、軸部が接続された下面で、弾性体からの軸力を受けるようになっている。この場合、弾性体の一端とヘッド部の下面が直接接触する構造でもよいし、弾性体とヘッド部の下面との間に、プレート、座金を始めとする何らかの物品が存在する構造でもよい。
荷重伝達部材は、弾性体から軸力を受ける面と、被締結材料に軸力を伝達する面を有する。弾性体から軸力を受ける面については、弾性体の一端とこの面とが直接接触した構造でよいし、弾性体とこの面との間に、プレート、座金を始めとする何らかの物品が存在する構造でもよい。また、被締結材料に軸力を伝達する面は、被締結材料の本体と直接接触する場合も考えられるし、被締結材料の本体との間にプレート、座金を始めとする何らかの物品が存在する場合も考えられる。
荷重伝達部材の形状は、上述のように弾性体から軸力を受ける面と、被締結材料へ軸力を伝達する面を有する平板状の形状も考えられるし、後述するようなカバー部を始めとするその他の部分を更に含んだ任意の形状を有することができる。荷重伝達部材の材料としては、一般炭素鋼、ステンレス鋼、合金鋼、アルミニウムを始めとするあらゆる金属を用いることができ、大きな強度を有さない場合には樹脂を用いることもできる。
弾性体としては、例えば、皿ばね、コイルばね、板ばねを始めとするばね類や、空気ばねを始めとする流体を用いた流体ばね、ゴム材量を始めとする弾性材料を用いることが考えられる。弾性体の配置に関して、ヘッド部と荷重伝達部材との間に配設されて、両者に軸力を伝達できるようになっていればよく、弾性体が軸部に環装されている場合も、環装されていない場合も含まれる。
弾性体として、各種ばねを用いる場合には、その材料として、一般炭素鋼、ばね鋼、ステンレス鋼、合金鋼、アルミニウムを始めとするあらゆる金属を用いることができる。
拘束手段によって付与される摩擦力に関しては、例えば、荷重伝達部材を回転させた場合でも、ボルト部材が荷重伝達部材に拘束された状態で一体的に回転して、ボルト部材の雄ネジを被締結材料側の雌ネジにネジ込むことができる程度の摩擦力を有することが望ましい。つまり、ネジ山間の摩擦による抵抗トルクで、ボルト部材と荷重伝達部材との拘束が解けることがないような大きさの摩擦力が望ましい。なおかつ、最終的な締め付け段階において、荷重伝達部材が停止した状態で、レンチ等を用いてボルト部材を回転させれば、ボルト部材と荷重伝達部材との間の拘束が解けて、ボルト部材を回転させることができる程度の摩擦力が望ましい。
このような範囲の摩擦力を付与する拘束手段としては、例えば、ゴムのような弾性材料をボルト部材と荷重伝達部材とに押し付けることも考えられるし、更に、調整ネジ等を備えて付与する摩擦力を調整可能にすることも考えられる。
本実施態様では、拘束手段により付与される所定の摩擦力によって、弾性体がヘッド部と荷重伝達部材とに軸力を伝達可能な状態であって、かつ弾性体に軸力が生じていない初期状態を保持することができるので、作業者は、初期状態を保持したまま締結装置のネジ込み作業を行なうことができる。更に、レンチ等を用いて、この摩擦力に打ち勝つ回転トルクを与えることによって、ボルト部材と荷重伝達部材との間の相対的角度を、初期状態から所定角度まで回転させることができ、この角度に応じたネジ込み量分だけ弾性体を圧縮させて、所望の締め付け力で被締結材料を締め付けることができる。従って、ネジ山の摩擦係数の変動で軸力が大きく変動するトルクレンチを用いた従来の締結作業に比べて、ボルトの軸力管理を容易に正確に行なうことができる。
また、ボルト単体の伸びに比べて弾性体の変形は大きいので、必要な軸力を得るためのボルト部材の回転角を大きく取ることができ、従来に比べて、非常に正確な軸力管理が可能となる。また、同様に、温度変化による熱膨張/収縮の影響を受けて生じる軸力の変化も、従来に比べて大幅に抑制することができる。
更に、弾性体を用いた従来の締結方法では、軸力が発生していない初期状態における弾性体の寸法にばらつきがある場合には、正確な軸力が得られず、個々の弾性体によって、軸力が異なる問題が生じるが、本実施態様に示す締結装置においては、弾性体の初期状態の寸法にかかわらず、初期状態から所定角度だけボルト部材を回転させることによって、常に正確な軸力を得ることができる。
本発明の締結装置のその他の実施態様は、前記荷重伝達部材が前記被締結材料に当接するまで、前記初期状態を保持したまま前記雄ネジを前記被締結材料側の雌ネジにネジ込み、前記荷重伝達部材が前記被締結材料と当接した後、更に、前記ボルト部材だけを前記所定角度だけ回転させて前記被締結材料側の雌ネジにネジ込むことにより、前記所定角度に対応した締め付け力で被締結材料を締結することを特徴とする。
ここで、「荷重伝達部材が被締結材料に当接する」には、荷重伝達部材が被締結材料の本体に直接接触する場合も含まれるし、荷重伝達部材と被締結材料の本体との間にプレート、座金を始めとする何らかの物品が存在した場合も含まれる。
上述のように、拘束手段により付与される所定の摩擦力によって、初期状態を保持したまま締結装置の雄ネジを、被締結材料側の雌ネジにネジ込んで取り付け作業を行なうことができる。そして、荷重伝達部材が被締結材料と当接した後では、荷重伝達部材は被締結材料との間の摩擦力で回転が停止し、レンチ等を用いて、拘束手段により付与された摩擦力に打ち勝つ回転トルクを与えることによって、ボルト部材をだけを更に回転させることができる。
本実施態様では、通常のボルトをネジ込むのと同様に、レンチ等を用いてボルト部材を回転させることによって、容易に所望の軸力で被締結材料を締結することができる。
本発明の締結装置のその他の実施態様は、前記荷重伝達部材が、更に、前記弾性体と前記ヘッド部とを覆うカバー部を備えることを特徴とする。
ここで、「カバー部がヘッド部を覆う」態様には、カバー部によってヘッド部の全てを覆う態様も含まれるし、一部だけを覆う態様も含まれる。一部だけを覆う態様には、例えば、ヘッド部の上面は開放状態にしておき、ボルト部材を回転させるレンチ等を差し込めるようにしておく場合も考えられる。
本実施態様では、荷重伝達部材がカバー部を備えて、弾性体とボルト部材のヘッド部とを覆うことができるので、例えば、弾性体等から発生する汚れ、ダスト、油脂類等が外部に漏れるのを防止することができる。従って、例えば、クリーンルーム内部のような、厳しい汚染管理を要する環境の中でも適用することができる。また、カバー部によって、外部から弾性体等が見えないので、非常にすっきりした外観の意匠性に優れた締結装置を提供することができる。
本発明の締結装置のその他の実施態様は、前記ヘッド部と前記カバー部との間の隙間を塞ぐためのシール材を更に備え、前記シール材が前記拘束手段の機能を果たすことを特徴とする。
本実施態様では、シール材によって高いシール性を得ることができ、同時にシール材の弾性を用いて、適切な摩擦力をボルト部材と荷重伝達部材の付与することができるので、製造コストを低減でき、かつコンパクトな締結装置を提供することができる。
本発明の締結装置のその他の実施態様は、前記弾性体が、前記軸部に環装された皿ばねから構成されることを特徴とする。
本実施態様では、弾性体として皿ばねを用いることによって、小型なサイズでありながら、大きな軸力を発生させることができる。
本発明の締結装置のその他の実施態様は、前記ボルト部材と前記荷重伝達部材との間の相対的な回転角を視認するため、前記ボルト部材と前記荷重伝達部材とに表示手段が設けられたことを特徴とする。
ここで、回転角を視認するための表示手段としては、例えば、ボルト部材や荷重伝達部材にマーキングを施すことが考えられ、このマーキングとしては、ペイントでマーキングすることも考えられるし、刻印や切削及び研削等の機械加工によりマーキングすることも考えられるし、マーキングの記載されたテープやシートを貼リ付けることも考えられる。
本実施態様では、表示手段によって、作業者は、ボルト部材の回転角を正確に把握することができるので、正確な軸力の管理を容易に行なうことができる。
本発明の締結装置のその他の実施態様は、前記表示手段が、前記ボルト部材または前記荷重伝達部材の少なくとも一方に設けられた回転角を示す目盛りを備えることを特徴とする。
回転角を示す目盛りは、上記のマーキングと同様に、ペイントで設けることや、刻印または切削及び研削等の機械加工により刻印や機械加工により設けることが考えられ、また、目盛りの記載されたテープやシートを貼リ付けることも考えられる。
本実施態様では、必要な締め付け力の範囲に合わせた角度目盛りを備えることによって、複数の軸力設定がなされた締結作業であっても、作業者は、ボルト部材の回転角を、各々の軸力に応じた回転角に容易に合わせることができ、各々の正確な軸力を容易に管理することができる。
本発明の締結方法の1つの実施態様は、雄ネジを有する軸部と、ヘッド部とを備えたボルト部材と、前記軸部に環装され、被締結材料に接触して力を伝達可能な荷重伝達部材と、前記ヘッド部と前記荷重伝達部材との間に配設され、前記ヘッド部と前記荷重伝達部材とに、前記ボルト材の軸方向の力(軸力)を伝達可能な弾性体と、所定の摩擦力により前記ボルト部材と前記荷重伝達部材との相対的な動きを拘束できる拘束手段と、前記ボルト部材と前記荷重伝達部材との間の相対的な回転角を視認するため、前記ボルト部材と前記荷重伝達部材とに設けられた表示手段と、を備えた締結装置を用いて被締結材料を締結する方法であって、前記ボルト部材と前記荷重伝達部材とに設けられた前記表示手段を対応する位置にセットする工程1と、前記軸力が生じていない前記弾性体が前記ヘッド部と前記荷重伝達部材とに前記軸力を伝達可能な初期状態において、前記拘束手段により前記ボルト部材と前記荷重伝達部材とを拘束する工程2と、前記荷重伝達部材が前記被締結材料に当接するまで、前記初期状態を保持したまま前記雄ネジを前記被締結材料側の雌ネジにネジ込む工程3と、前記荷重伝達部材が前記被締結材料と当接した後、更に、前記ボルト部材だけを前記所定角度だけ回転させて、前記所定角度に対応したネジ込み量だけ前記弾性体を圧縮することにより、前記所定角度に対応した締め付け力で被締結材料を締結する工程4と、を含むことを特徴とする。
本実施態様によれば、既に上述で述べたとおり、被締結材料の締結作業において、正確な軸力管理を非常に容易に行なうことができる。
以上のように、本発明の締結装置及びその締結装置を用いた締結方法では、ボルト部材を初期状態から所定の回転角だけ回転させて、弾性体にこの回転角に応じた軸力を発生させることによって、従来に比べてより正確なボルト部材の軸力管理を容易に行なうことができる。
また、ボルト軸に比べて変形量の大きい弾性体を用いることにより、より正確な軸力管理を実現し、また、温度変化による熱膨張/収縮の影響を受けて生じる軸力の変化を、従来に比べて大幅に抑制することができる。
更に、本発明の締結装置及びその締結装置を用いた締結方法では、仮に、弾性体の初期状態の寸法がばらついていたとしても、ボルト部材の初期状態からの回転角を管理することによって、常に正確な軸力管理を行なうことができる。
本発明の締結装置及びその締結装置を用いた締結方法の実施形態について、以下に図面を用いながら詳細に説明する。
(本発明の締結装置の実施形態の説明)
まず、図1を用いて、本発明の締結装置の1つの実施形態について説明する。図1(a)は、本実施形態の締結装置の外形を示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)の矢印Aから見た断面図である。
図1(b)に示すように、本実施形態の締結装置1は、荷重伝達部材3がボルト部材2の軸部2aに環装され、荷重伝達部材3の中に軸部2aに環装された弾性体4(皿ばね4aの集合体)が配置されて、弾性体4を押圧することによって弾性体4に生じたボルト部材2の軸方向の力(軸力)を、ボルト部材2と荷重伝達部材3とに伝達する構造になっている。
本実施形態のボルト部材2は、雄ネジ2cを有する円筒状の軸部2aと、円筒状のヘッド部2bとが一体的に成型された六角穴付ボルトであって、ヘッド部2bには、六角レンチを挿入するための凹み部2dが設けられている。また、荷重伝達部材3は、開口3cが設けられた円板状の底部3aと、皿ばね4とボルト部材2のヘッド部2bとを覆う円筒状のカバー部3bとが一体的に成型された構成になっている。底部3aの開口3cに、ボルト部材2の胴部2aを挿入することにより、荷重伝達部材3は軸部2aに環装された状態となる。また、カバー部3bは、弾性体4と、ヘッド部2bの底面2b1及び側面2b3とは覆うが、ヘッド部2bの上面2b2は開放されており、開放された上面2b2に設けられた凹み部2dに、六角レンチをセットすることができるようになっている。
本実施形態では、弾性体4は、5枚づつ重ねられた皿ばね4aのセット2組が対向する形で、ボルト部材2の軸部2aに環装されて、ボルト部材2のヘッド部2bと荷重伝達部材3の底部3aとの間に配設され、弾性体4の一端はヘッド部2bの下面2b1と接触し、他端は底部3aの内面3a1に接触して、軸力(弾性力)を両部材に伝達するようになっている。なお、弾性体4により発生する軸力に関する詳細な検討は後述する。弾性体4と両部材が直接接触する場合だけでなく、弾性体と両部材との間に座金、プレート等が存在する場合であっても、同等の弾性力を両部材に伝達できるようになっている場合は、接触していることと同等の状態とみなすことができる。また、底部3aの外面が被締結材料と接触して、弾性体4から受けた軸力を被締結材料に伝達する。
次に、荷重伝達部材3のカバー部3bの上方には、ゴム製のOリング5が配置され、Oリング5の内径側がボルト部材2のヘッド部2bの側面2b3と接触し、Oリング5の外径側が荷重伝達部材3のカバー部3bの内壁3b1と接触して、ヘッド部2bとカバー部3bとの間の隙間を覆っている。つまり、本締結装置1を被締結材料に取り付けたときには、皿ばね4aは荷重伝達部材3の内部に密封された形になるので、皿ばね4aからの汚れ、ダスト、油脂類等が本締結装置1の外部に漏れる恐れがなく、例えば、クリーンルーム内のような汚染管理の厳しい用途にも適用できる。
また、各部材の寸法はOリング5が所定量収縮するように設定されており、このOリング5によって、隙間を覆うと同時に、ヘッド部2bとカバー部3bとの間に摩擦力を与えて、両者を拘束している。つまり、このOリング5は、ボルト部材2と荷重伝達部材3の間の隙間を覆うカバーの機能と、ボルト部材2と荷重伝達部材3の間を拘束する拘束手段の機能との両方の機能を有している。
図1(b)に示すように、荷重伝達部材3のカバー部3bの内壁3b1の上方のOリング5が挿入される領域は、寸法精度を出すため機械加工され、内壁3b1の下方よりも若干内径が大きくなっている。また、この内壁3b1のOリング5が挿入される領域には、Oリング5を収容するための凹み等は設けられておらず、Oリング5は回転して軸方向に移動することができるので、ボルト部材2を軸方向に移動させ易い構造になっている。従って、人の指の力で、容易に、ボルト部材2を荷重伝達部材3に対して軸方向に移動させることができる。
一方、ヘッド部2bの側面2b3とカバー部3bの内壁3b1との間には、全周においてOリング5が圧入されているので、ボルト部材2の回転方向の拘束力については、軸方向よりも大きな拘束力を有する。従って、ボルト部材2の雄ネジ2aを被締結材料側の雌ネジにネジ込んで、被締結材料を締結する場合においては、仮に、ボルト部材2でなく、外側の荷重伝達部材3を掴んで回転させたとしても、通常のネジ勘合の抵抗トルクであれば、ボルト部材2は荷重伝達部材3に拘束された状態のまま一体的に回転して、ボルト部材2を回転させたときと同様にネジ込みを行なうことができる。
ただし、Oリング5による回転方向の拘束トルクは、ゴムの弾性力に基づく摩擦トルクなので、レンチ等を用いた回転トルクに比べれば小さなものである。後述するように、荷重伝達部材3の底部3aの外面3a2と被締結材料の面部とが接触した後、六角レンチを用いてボルト部材2を更に回転させた場合には、底部3aの外面3a2と被締結材料の面部との間の摩擦力によって荷重伝達部材3の回転は停止し、ボルト部材2だけを回転させることができる。
また、本実施形態では、図1(a)に示すように、ボルト部材2と荷重伝達部材3との間の相対的な回転角を視認するため、各々の部材に表示手段6が設けられている。具体的には、ボルト部材2のヘッド部2bの上面2b2にマーキング6aが付けられ、荷重伝達部材3のカバー部3bの上部にマーキング6bが付けられている。これらのマーキング6a、6bを用いて、ボルト部材2と荷重伝達部材3との間の角度を容易に視認、測定することができる。なお、マーキングについては、例えば、ペイントによりマーキングすることもできるし、刻印や切削及び研削等の機械加工によりマーキングすることもでき、両者を併用することもできる。また、予めマーキングが記載されたテープを貼り付けることも考えられ、その他のあらゆるマーキング手段を用いることができる。
各部材の材質については、ボルト部材2は、一般炭素鋼、工具鋼、ステンレス鋼、合金鋼、アルミニウムを始めとするあらゆる金属を用いるこでき、大きな強度を有さない場合には樹脂を用いることもできる。荷重伝達部材3では、一般炭素鋼、ステンレス鋼、合金鋼、アルミニウムを始めとするあらゆる金属を用いるこでき、大きな強度を有さない場合には樹脂を用いることもできる。また、荷重伝達部材3の構造としては、機械加工、押出加工、鋳造等による一体成型品でもよいし、底部3aとカバー部3bとを溶接やネジ止め等によって接続した組み立て品を用いることもできる。ボルト部材2に関しても、同様に、一体成型品でもよいし、組み立て品を用いてもよい。
皿ばね4aには、一般炭素鋼、工具鋼、ステンス鋼、合金鋼を始めとするあらゆる金属材料を用いることができ、市販品を用いることも、専用に製造した特注品を用いることもできる。Oリング5は、二トリルゴムを始めとするあらゆるゴム材料を用いることができる。例えば、溶剤雰囲気中で用いられる場合には、フッ素系ゴムを用いることができ、高温不雰囲気中で用いられる場合には、耐熱ゴムを用いることもできる。
以上のように、本実施形態の締結装置は、市販部品や製造が容易な部材で構成されるので、製造が容易で製造コストを低く抑えることができる。また、皿ばね等が締結装置の内部に密封されるので、皿ばね等からの汚れ等を締結装置の内部に封入できるので、クリーンルームのような汚染管理の厳しい環境での適用に適し、また、皿ばね等が外側から見えない意匠的にも優れている。
(本発明の締結装置を用いた締結方法の実施形態の説明)
次に、図2を用いて、図1に示す締結装置1によって被締結材料を締結する締結方法の1つの実施形態の説明を行なう。図2(a)は、締結装置1を被締結材料10に取り付ける前の状態を示し、図2(b)は、ボルト部材2と荷重伝達部材3とを拘束した状態で締結装置1を回転させてネジ込むところを示し、図2(c)は、ボルト部材2だけを回転させてネジ込むところを示す。なお、図2(a)の左図は、締結装置1の外形を示す斜視図であり、右図は、左図の矢印Aから見た側面断面図である。また、図2(b)、(c)も、図1(a)右図と同様な位置から見た側面断面図である。
まず、図2(a)に示すように、ボルト部材2と荷重伝達部材3とに設けられた表示手段6を対応する位置にセットする。具体的には、ボルト部材2と荷重伝達部材3とを相対的に回転させて、ボルト部材2のヘッド部2bに設けられたマーキング6aと、荷重伝達部材6bのカバー部6bに設けられたマーキング6bの位置を一致させる。この場合、ボルト部材2の胴部2aと、荷重伝達部材3のカバー部3bとを指で掴むことにより、ボルト部材2と荷重伝達部材3とを相対的に回転させることができる。
次に、上記でセットしたマーキング6a、6bの位置を保持したまま、ボルト部材2のヘッド部2bの上面2b2を指で軽く押して、ヘッド部2bの下面2b1と弾性体4の上端とが接触し、弾性体4の下端と荷重伝達部材3の底部3aの内面3a1とが接触するまで、ボルト部材2を荷重伝達部材3の中に押し込む。上述のように、Oリング5によるボルト部材2の軸方向の拘束力は小さいので、比較的小さな力でボルト部材2を荷重伝達部材3の中に押し込むことができ、この押し込み力によって弾性体4が変形して実質的に軸力が生じる恐れはない。
以上のようにして、ボルト部材2と荷重伝達部材3とに設けられた表示手段6を対応する位置にセットして、弾性体4を、軸力が生じていない状態でヘッド部2bの下面2b1と荷重伝達部材3の底部3aの内面3a1とに接触させた(つまり、軸力を伝達可能な)初期状態で、ボルト部材2と荷重伝達部材3とをOリング5により拘束した状態を図2(a)に示す。
次に、図2(b)に示すように、締結装置1を上記の状態に保ったまま、ボルト部材2の軸部2aを、上側の被締結材料10aのボルト穴11へ挿入する。そして、六角レンチ20をボルト部材2のヘッド部2bに設けられた凹み部2dへセットして、締結装置1全体を回転させて、ボルト部材2の雄ネジ2cを、下側の被締結材料10bのネジ穴12へネジ込んでいく。この場合、Oリング5による拘束力により、ボルト部材2と荷重伝達部材3とが拘束された状態で一体的に回転する。つまり、一致させたマーキング6aとマーキング6bとの位置をそのまま保持してネジ込みを行なう。
なお、六角レンチ20を用いてボルト部材2を回転させてネジ込む方法だけでなく、外側の荷重伝達部材3を回転させてネジ込むこともできる。この場合、通常のネジ勘合であればねジの摩擦抵抗よる抵抗トルクよりも、Oリング5による拘束トルクの方が大きいので、ボルト部材2と荷重伝達部材3とが拘束された状態で一体的に回転する。
更にネジ込みを継続していくと、次に、図2(c)に示すように、荷重伝達部材3の底部3aの外面3a2が、被締結材料10aの上面10a1と接触する状態に至る。この状態で、六角レンチ20を用いてボルト部2を更に回転させると、底部3aの外面3a1と被締結材料10aの上面10a1との間の摩擦力によって、荷重伝達部材3の回転は停止する。もし、荷重伝達部材3を更に回転させようとすると、荷重伝達部材3の底部3aの外面3a2と被締結材料10aの上面10a1との間の面圧が高まって摩擦力も増大するので回転が阻止される。つまり、所謂セルフロックの状態となる。通常の金属面どうしの摩擦係数を考慮すれば、被締結材料10aが荷重伝達部材3に接触した後も回転する可能性は低いと考えられる。また、底部3aの外面3a2に凹凸等を付けたりコーティングを施したりして、摩擦係数を上昇させることも考えられる。なお、仮に、被締結材料10aが荷重伝達部材3に接触した後も回転したとしても、ボルト部材2と荷重伝達部材3とに設けられた表示手段6によって、両部材の初期状態からの相対的な回転角が正確に把握できるので問題は生じない。
以上のように、荷重伝達部材3の回転が停止した状態で、更に、ボルト部材2だけを回転させて、ボルト部材2の雄ネジ2cを被締結材料10bのネジ穴12へ継続してネジ込んでいく。つまり、マーキング6aとマーキング6bが一致した初期状態から、ボルト部材2が荷重伝達部材3に対して相対的に回転して、ヘッド部2bの下面2b1と荷重伝達部材3の底部3aの内面3a1との間の距離が、相対的な回転角に対応した長さX(具体的には、X=ネジピッチ×回転角/360度)だけ短くなっていく。これによって、皿ばね4aからなる弾性体4には、変形量Xに応じた軸力Fが発生する。もし、皿ばね4aがリニアな特性を有する場合には、変形量Xに比例した軸力F(具体的には、F=kX、k:ばね定数)が発生する。つまり、弾性体4には、ボルト部材2の荷重伝達部材3に対する回転角に比例した軸力が発生する。また、リニアな特性を有さない皿ばねを用いる場合であっても、圧縮量に再現性を持たせれば、変形量Xに対応した軸力Fを再現することができる。
従って、上述のように、初期状態で一致させたマーキング6aとマーキング6bの間の角度が、所定の角度になるまで、ボルト部材2を回転させることによって、弾性体4に所望の軸力を発生させることができる。なお、マーキング6aとマーキング6bの間の回転角と軸力の関係については、下記に詳述する。
以上のように、作業者は、初期状態を保持したまま締結装置1のネジ込み作業を行なうことができ、更に、加重伝達部材3が被締結材料と当接して回転が停止した後、ボルト部材2のみを回転させることによって、ボルト部材2と荷重伝達部材3との間の相対的角度を、初期状態から所定角度まで回転させることができ、この角度に応じたネジ込み量分だけ弾性体4を圧縮させて、所望の締め付け力で被締結材料を締め付けることができる。従って、ネジ山の摩擦係数の変動で軸力が変動するトルクレンチを用いた締結作業に比べて、ボルトの軸力管理を容易に正確に行なうことができる。
また、ボルト単体の伸びに比べて弾性体4の変形量は大きいので、必要な軸力を得るためのボルト部材2の回転角を大きく取ることができ、従来に比べて、非常に正確な軸力管理が可能となる。また、同様に、温度変化による熱膨張/収縮の影響を受けて生じる軸力の変化も、従来に比べて大幅に抑制することができる。
更に、弾性体による軸力を用いた従来の締結方法では、軸力が発生していない初期状態での弾性体の寸法にばらつきがある場合には、正確な軸力が得られず、個々の弾性体によって、軸力が異なる問題が生じたが、本実施形態においては、弾性体4の初期状態の寸法にかかわらず、初期状態から所定角度だけボルト部材2を回転させることによって、常に正確な軸力を得ることができる。
(表示手段のその他の実施形態)
図1、2に示す実施形態では、ボルト部材2と荷重伝達部材3に、各々1本づつのマーキング6a、6bを設けているが、図3(a)に示す実施形態では、ボルト部材2に1本のマーキング6aを設け、荷重伝達部材3に目盛り6bを設けている。本実施形態を用いれば、計測機器や治具等を用いることなく、ボルト部材2を、様々な回転角に正確に合わせることができる。従って、複数の軸力設定がなされた締結作業であっても、作業者は、この角度目盛りによって、各々の軸力に応じた回転角を容易に把握することができ、各々の軸力を容易に正確に管理することができる。
また、使用する皿ばねの大きさや組み合わせが予め定まっている場合には、目盛り6bに、具体的な軸力の値(例えば、50kgf、100kgf等)を表示しておくことも考えられる。
図3(b)に示す実施形態においては、ボルト部材2と荷重伝達部材3との間の相対的な回転角を所定範囲内に限定するための回転角限定手段7が備えられている。この回転角限定手段7では、ヘッド部2bの側面2b3に取り付けられた突起部7aと、荷重伝達部材3の上部に設定角度に対応して設けられた切り欠き部7bとを有する。この突起部7aは、例えば、差込み式やネジ込み式でヘッド部3bに取り付けることが考えられる。
本実施形態では、突起部7aが、切り欠き部7bの端面8aに接する位置から端面8bに接する位置までの範囲しか、ボルト部材2は回転できない。従って、ボルト部材2の回転角を間違えて過剰な軸力を発生させるような問題を防止するこができ、例えば、経験の少ない作業者でも、問題なく締結作業を行なうことができる。
(回転角と軸力に関係の説明)
次に、図1に示す締結装置における、ボルト部材2と荷重伝達部材3との間の相対的な角度と、弾性体4によって発生する軸力との関係を説明する。なお、下記の検討においては、被締結材料の変形はきわめて小さいので、変形がないという前提で計算する。
<軸力Fの算出>
図1に示すボルト部材2を、サイズM6のステンレス鋼製ボルトと仮定すると、M6のネジの有効断面積Asは、20.1mmであって、ステンス鋼の耐力Wは、240N/mmである。ここで、ステンレス鋼製ボルトの耐力の60%の軸力Fを発生させるようにすると、
軸力F=As × W × 60% = 2894 N
となる。
<皿ばねに変形量の算出>
図1に示す皿ばね4aとして、6mmシャフト用の重荷重用皿ばねJIS B2706H12.5を用いると仮定すると、1枚の有効高さが0.3mmであって、その75%変形時の加重が693Nである。従って、75%変形近傍の皿ばね4aのばね定数kは
k= 693/(0.3×75%) = 3080 N/mm
である。なお、ここで用いた皿ばね4aは、全たわみ量/板圧=0.4となるため、ほぼリニアな特性を有しているといえる。
従って、図1に(b)に示すように、皿ばね4aを5枚重ねたセットを2組対向させて構成された弾性体4では、上記の軸力F(2894N)を発生するときの弾性体4の総変形量Sは、
S = F/(5 × k) × 2 = 0.3758 mm
である。
<ボルト部材伸びの算出>
一方、軸力Fによるボルト部材2の伸びを考える。ボルト部材2のヘッド部2aの下面2b1から雄ネジ2cまで長さをLは、被締結材料10aの厚みを30mm、皿ばね4aの10枚分に総厚みを7mmとして、
L = 30mm + 7mm = 37 mm
となる。
また、ボルト部材2の長さLの部分に軸力Fがかかったときの伸びをλは、ステンレス鋼の縦弾性係数Eを、1.90 × 10 N/mm として、
λ = F × L /(As × E ) = 0.028 mm
となる。
<回転角の算出>
以上に基づいて、軸力Fを発生する場合の、ボルト部材2の荷重伝達部材3に対する初期状態からの回転角θを算出する。ここで、ボルト部材2の雄ネジ2cのピッチp=1mmとすると、
θ = 360 × (S + λ) / p = 145 度
となる。
従って、軸力Fが回転角θに比例するとした場合の比例定数kθ
θは = 2894 / 145 = 20.0 N/度
となる。
この関係を用いて、所望の軸力Fが発生する回転角を算出することができる。また、図3(a)に示す実施形態において、この比例定数kθを反映した目盛りを設けることもできる。また、例えば、皿ばね4aを5枚重ねたセットを1組のみで構成される弾性体4の場合にいは、kθの値は上記の値の2倍となり、39.9N/度となり、72.5度の回転角で、軸力F=2894Nを発生する。
<従来のボルトのみを用いた場合の回転算出>
一方、従来のようにボルトのみを用いた場合には、ボルト2の該当長さLを30mmとすると、伸びλは、
λ = F × L /(As × E ) = 0.023 mm
となる。
従って、ボルトの回転角θは、
θ = 360 × λ / p = 8.3 度
となる。
<従来のボルトのみを用いた場合の回転トルク>
次に、従来のボルトのみを用いた締結において、トルクレンチのより締め付けトルクを管理することによって、軸力の管理を行なう場合を考える。
締め付けトルクTは、トルク係数をkt、ボルト径d=6mmとすると
締め付けトルクT= kt × F × d = 17.4 × kt Nmm
となる。しかし、トルク係数をktは、計算上0.2前後の値を用いる場合もあるが、実際の値は、ネジ面の状況、乾燥状態、潤滑状態等によって、大きく変化するものである。従って、この大きく変動する締め付けトルクを管理する方法では、正確な軸力管理は困難である。
以上のように、本発明の締結装置では、従来のボルトの伸びだけを用いて軸力を得る場合に比べて、ボルトの回転角を非常に大きく取ること(例えば、145度/8.3度=約17.5倍)ができるので、正確な軸力を非常に容易に得ることができることが実証された。また、同様に、ネジの状況による締め付けトルクの変動に影響されることなく、正確な軸力を得ることができることが実証された。
(本発明の締結装置の実施例の説明)
次に、図4を用いて、本発明の締結装置を、スリットコータのダイヘッドの組み立てに適用した場合の実施例の説明を行なう。ここで、図4(a)は、ダイヘッドの外形の概要を示す平面図であり、図4(b)、(c)は、図4(a)の矢印Bから見た側面断面図であり、図4(b)は、従来のボルトを用いて組み立てられた構造を示し、図4(c)は、本発明の締結装置を用いて組み立てられた構造を示す。図4(c)に示す締結装置1は、図1に示す実施形態の締結装置と同じ構造を有している。
まず、図4(a)、(b)を用いて、従来のボルトを用いて組み立てられたダイヘッドの構造を説明する。ダイヘッド30は、ボルト穴の設けられたヘッド本体30aと、ネジ穴の設けられたヘッド本体30bとの間にシム32を挿入し、ボルト50を用いてヘッド本体30aとヘッド本体30bとを締結することによって組み立てられる。このダイヘッドの主要な寸法は、一般的には、ダイヘッド長さLは、400mm〜2000mm以上の範囲にあり、挿入するシムの厚みで定まるスリット幅tは、20μ〜100μ以上の範囲にある。スリット幅tの値が非常に小さいので、ボルトの締め付け力が均等でない場合には、スリット幅tがばらつき、均等なコーティングを妨げる問題が生じる。
均等な締め付け力を得るには、極力ボルトピッチを狭めるべきであるが、取り付けるボルト数が増えると、締め付けるボルトの軸力の管理が困難になるため、従来のボルトを用いたダイヘッドでは、ボルトの取り付けピッチが、50mm以上になる場合もある。
ボルトの取り付けにおいては、トルクレンチを用いてボルトの締め付けトルクを管理して、ボルトの軸力を管理している。しかし、上述のように、ボルトの締め付けトルクは、ネジ面の状況、乾燥状態、潤滑状態等によって大きく変化するので、仮に全ての取り付けボルトの締め付けトルクを一定にしたとしても、各々のボルトの軸力はかなりばらつく恐れがあり、これによってスリット幅tが許容限度内に収まらず、均一なコーティングができなくなる恐れもある。従って、従来のボルトを用いた組み立てにおいては、締め付ける順番でボルトの軸力が変化するので、最終的にスリット幅tを許容限度内に収めるため、何度も締め付けを繰り返す必要がある。
また、最初の締め付け時と、一度緩めて再度締める場合では、ネジの山と山の間の摩擦係数が変わるので、同じ軸力を再現することが困難となる。更に、ボルト軸の伸びのみによって軸力を得ているので、温度変化による熱膨張/収縮の影響を大きく受ける問題も生じる。
一方、図4(c)に示すような、本発明の締結装置1を用いてダイヘッド30を組み立てる場合には、ボルト部材2を荷重伝達部材3に対して所定の角度だけ回転させることによって、正確なボルトの軸力を容易に得ることができる。従って、締結装置の数が多くても軸力管理を容易に行なうことができるので、理想的なボルトピッチで締結装置を取り付けることができる。例えば、ボルトピッチを20mmピッチにすることも可能であり、この場合、ダイヘッド長さLが2000mmを超えれば、100本を越える締結装置を取り付けることになるが、各々の締結装置の軸力を容易に管理できるので、組み立て作業の負担は従来よりも軽減できる。
また、一度緩めて再度締める場合でも、最初の締め付け時と同じ軸力を容易に再現することができる。また、弾性体の変形によって軸力を得ているので、温度変化による熱膨張/収縮を多少受けても、軸力の影響を最小限に抑えることができる。
更に、本実施形態では、皿ばね4aから構成される弾性体4が、締結装置1の内部に完全に覆われているので、皿ばね4aからの汚れ、ダスト、油脂等が外部へ漏れる恐れがなく、ダイヘッドのようなクリーンルーム内で用いる装置に適用しても、製品を汚染する問題を起こす恐れがない。以上のように、本発明の締結装置は、クリーンルーム内で使用する場合に大変適した構造を有している。また、弾性体4等が外部に露出していないので、非常にすっきりした外観を有し、意匠的にも優れている。
(本発明の締結装置のその他の実施形態の説明)
次に、図5及び図6を用いて、本発明の締結装置のその他の実施形態の説明を行なう。まず、図5に示す実施形態を説明すると、図5(a)は、締結装置の全体の外形を示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)の矢印Aから見た側面断面図である。
本実施形態では、皿ばね4aから構成される弾性体4が、荷重伝達部材3に覆われていない最も基本的な構造を有している。荷重伝達部材3は開口3cを有する平板状の形状を有しており、この開口3cを介して、ボルト部材2の軸部2aに環装されている。また、この開口3cには、軸部2と荷重伝達部材3との間にOリング5が装着されおり、拘束手段としての機能を果たしている。また、図5(a)に示すように、ボルト部材2のヘッド部2bと、荷重伝達部材3には、回転角を視認するための表示手段(マーキング)が備えられている。
以上のように、本実施形態は、汚染管理等が比較的厳しくない状況で用いる場合に適しており、製造コストを低減できるというメリットがある。
次に、図6に示す実施形態の説明を行なう。図6は、図5(b)に対応する側面断面図である。本実施形態では、弾性体4として複数のコイルばね4aが用いられており、また、それらのコイルばね4aは、軸部2aの周囲に配設された構造になっている。また、ボルト部材2のヘッド部2bは、六角穴付きボルトのヘッド形状ではなく、六角ボルトのヘッド形状を有している。また、コイルばね4aとヘッド部2bの間にはプレート3’が存在する。本実施形態では、一般的に、締め付け力は皿ばねほど大きく取れないが、一方、ボルト部材の軸方向の変動が大きい場合でも、軸力の変動を抑制することができる。
本発明の締結装置及びその締結装置を用いた締結方法は、上述の実施形態だけでなく、その他の様々な実施形態が含まれる。
本発明の締結装置の1つの実施形態を示す斜視図及び側面断面図である。 本発明の締結装置を用いた締結方法の1つの実施形態を示す斜視図及び側面断面図である。 本発明の締結装置のその他の実施態様、特にその他の表示手段を示す斜視図である。 本発明の締結装置を用いたダイヘッドの構造を示す平面図及び側面断面図である。 本発明の締結装置のその他の実施形態を示す斜視図及び側面断面図である。 本発明の締結装置のその他の実施形態を示す側面断面図である。
符号の説明
1 締結装置
2 ボルト部材
2a 軸部
2b ヘッド部
2b1 下面
2b2 上面
2b3 側面
2c 雄ネジ
2d 凹み部
3 荷重伝達部材
3a 底部
3a1 内面
3a2 外面
3b カバー部
3b1 内壁
3c 開口
3’ プレート
4 弾性体
4a 皿ばね、コイルばね
5 Oリング
6 表示手段
6a マーキング
6b マーキング
7 回転角限定手段
7a 突起部
7b 切り欠き部
8a 端部
8b 端部
10a 被締結材料
10b 被締結材料
11 ボルト穴
12 ネジ穴
20 六角レンチ
30 ダイヘッド
30a ヘッド本体
30b ヘッド本体
32 シム
50 ボルト

Claims (6)

  1. 雄ネジを有する軸部と、ヘッド部とを備えたボルト部材と、
    前記軸部に環装され、被締結材料に力を伝達可能な荷重伝達部材と、
    前記ヘッド部と前記荷重伝達部材との間に配設され、前記ヘッド部と前記荷重伝達部材とに、前記ボルト材の軸方向の力(軸力)を伝達可能な弾性体と、
    前記荷重伝達部材に備えられた、前記弾性体と前記ヘッド部とを覆うカバー部と、
    前記ヘッド部と前記カバー部との間の隙間を塞ぐためのシール材と、
    所定の摩擦力により前記ボルト部材と前記荷重伝達部材との相対的な動きを拘束して、前記弾性体が前記ヘッド部と前記荷重伝達部材とに前記軸力を伝達可能な状態であって、かつ前記弾性体に前記軸力が生じていない初期状態を保持することができる拘束手段と、
    を備え、
    前記シール材が前記拘束手段の機能を果たし、
    前記荷重伝達部材に対して、前記ボルト部材を前記初期状態から所定角度だけ回転させて、前記所定角度に対応したネジ込み量だけ前記弾性体を圧縮することにより、前記所定角度に対応した締め付け力で前記被締結材料を締結することを特徴とする締結装置。
  2. 前記荷重伝達部材が前記被締結材料に当接するまで、前記初期状態を保持したまま前記雄ネジを前記被締結材料側の雌ネジにネジ込み、
    前記荷重伝達部材が前記被締結材料と当接した後、更に、前記ボルト部材だけを前記所定角度だけ回転させて前記被締結材料側の雌ネジにネジ込むことにより、前記所定角度に対応した締め付け力で被締結材料を締結することを特徴とする請求項1に記載の締結装置。
  3. 前記弾性体が、前記軸部に環装された皿ばねから構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の締結装置。
  4. 前記ボルト部材と前記荷重伝達部材との間の相対的な回転角を視認するため、前記ボルト部材と前記荷重伝達部材とに表示手段が設けられたことを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の締結装置。
  5. 前記表示手段が、前記ボルト部材または前記荷重伝達部材の少なくとも一方に設けられた回転角を示す目盛りを備えることを特徴とする請求項に記載の締結装置。
  6. 請求項4または5に記載の締結装置を用いて被締結材料を締結する方法であって、
    前記ボルト部材と前記荷重伝達部材とに設けられた前記表示手段を対応する位置にセットする工程1と、
    前記軸力が生じていない前記弾性体が前記ヘッド部と前記荷重伝達部材とに前記軸力を伝達可能な初期状態において、前記拘束手段により前記ボルト部材と前記荷重伝達部材とを拘束する工程2と、
    前記荷重伝達部材が前記被締結材料に当接するまで、前記初期状態を保持したまま前記雄ネジを前記被締結材料側の雌ネジにネジ込む工程3と、
    前記荷重伝達部材が前記被締結材料と当接した後、更に、前記ボルト部材だけを前記所定角度だけ回転させて、前記所定角度に対応したネジ込み量だけ前記弾性体を圧縮することにより、前記所定角度に対応した締め付け力で被締結材料を締結する工程4と、
    を含むことを特徴とする締結方法。
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