JP4578153B2 - アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、ボールネジ・ボールナット機構やベルト機構等によってスライダを移動させるように構成されたアクチュエータに係り、特に、高い防塵性能、防滴性能を提供することができるように工夫したものに関する。
この種のアクチュエータを開示するものとして、特許文献1、特許文献2、特許文献3等がある。これら特許文献1、特許文献2、特許文献3には、アクチュエータの構成が開示されていると共に、ある種の防塵シール機構の構成が開示されている。
特開平9−201002号公報 特開2000−230618号公報 特開2000−346165号公報
上記特許文献1に記載されている発明によるアクチュエータにおける防塵シール機構は概略次のようなものである。すなわち、ハウジングの左右上端には一対のサイドカバが設置されていて、これら一対のサイドカバの間にはトップカバが設置されている。そして、これら一対のサイドカバとトップカバとの間にはシール部が設けられている。上記シール部は一対のシール部材を対向・配置させたものであり、それによって、主に上方から侵入しようとする塵に対して防塵効果を発揮させようとするものである。
次に、上記特許文献2に記載されている発明によるアクチュエータにおける防塵シール機構は概略次のような構成になっている。すなわち、ハウジングの上面側には外装カバが設置されていて、この外装カバの左右両側にはシール部材が設置されている。そして、この場合も、既に説明した特許文献1記載の発明の場合と同様に、主に上方から侵入しようとする塵に対して防塵効果を発揮させようとするものである。
次に、上記特許文献3に記載されている発明によるアクチュエータにおける防塵シール機構は概略次のような構成になっている。この場合も既に説明した特許文献2記載の発明の場合と同様であり、ハウジングの上面側には外装カバが設置されていて、この外装カバの左右両側にはシール部材が設置されている。そして、この場合も、既に説明した特許文献1記載の発明の場合と同様に、主に上方から侵入しようとする塵に対して防塵効果を発揮させようとするものである。
上記従来の構成によると次のような問題があった。
まず、特許文献1、特許文献2、特許文献3の何れの発明においても、ある種の防塵機構に関しては開示されているが、その防塵効果に関しては何れも不十分であった。これは次のような理由による。
まず、その基本的な構成として、各種のカバ相互間の隙間が上方或いはそれに近い方向に向かって設けられていることが挙げられる。つまり、隙間自体がそのような方向に指向して設けられているのであるから、当然のことながら塵等が浸入し易い構成になっているものと考えられる。
次に、一対のシール部材を対向・配置させてなるシール部が基本的には一段だけ設けられている構成になっており、よって、該シール部を通過してしまった塵等は簡単に内部に侵入してしまうことになる。
その他様々な要因が考えられる。
又、液滴の侵入を防止する防滴に関しては何等考慮されておらず、例えば、液体の飛沫が飛び散る食品加工の現場等において、何等支障なく使用できるようなものではなかった。特に、上記したように、各種のカバ相互間の隙間が上方或いはそれに近い方向に向かって設けられていて、そこにシール部が設けられている構成では、十分な防滴効果を期待することはできないものである。
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは防塵効果はもとより高い防滴効果をも期待でき、例えば、液体の飛沫が飛び散るような食品加工の現場等においても、何等支障なく使用することが可能なアクチュエータを提供することにある。
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1によるアクチュエータは、略U字状に形成され開口部を備えたハウジングと、上記ハウジング内に設けられた駆動手段と、上記ハウジングに対して移動可能に設けられ上記駆動手段によって駆動されるスライダと、上記ハウジングの開口部を上面側から閉塞するように設置された上面カバと、上記上面カバの左右両側に設けられ上記ハウジングの開口部を左右側面方向から閉塞する一対の上側サイドカバと、上記ハウジングの左右両側に設けられその先端部が上記一対の上側サイドカバの先端部と重合して左右にラビリンス形状を構成する一対の下側サイドカバと、上記一対の上側サイドカバと一対の下側サイドカバとによる左右のラビリンス形状部に設置されそれぞれ上記一対の上側サイドカバの内側に配置されたシール部材と上記一対の下側サイドカバの外側に配置されたシール部材を対向・配置させた構成をなす一対のシール機構と、上記スライダに取り付けられ上記スライダの移動に伴って上記シール部材を掻き分ける舳先部を備えたシール掻分部と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項2によるアクチュエータは、請求項1記載のアクチュエータにおいて、上記シール部材は複数段にわたって対向・配置されていることを特徴とするものである。
又、請求項3によるアクチュエータは、請求項2記載のアクチュエータにおいて、上記シール掻分部の舳先部は上記複数段にわたって設置された複数のシール部材に対する接触位置がずれるようにテーパ状に形成されていることを特徴とするものである。
以上述べたように本願発明によるアクチュエータによると、略U字状に形成され開口部を備えたハウジングと、上記ハウジング内に設けられた駆動手段と、上記ハウジングに対して移動可能に設けられ上記駆動手段によって駆動されるスライダと、上記ハウジングの開口部を閉塞するように設置された駆動手段カバと、上記ハウジングと上記駆動手段カバとの間に設置され一対のシール部材を対向・配置させたシール部から構成された防塵・防滴シール手段と、上記スライダに取り付けられ上記スライダの移動に伴って上記一対のシール部材を掻き分ける舳先部を備えたシール掻分部と、を具備した構成になっているので、スライダの移動に伴い上記シール掻分部によってシール部を掻き分ける際、最小限の隙間の形成でこれを掻き分けることができ、シール部による高い防塵・防滴効果を維持することができる。
又、上記防塵・防滴手段を上記シール部を複数段にわたって設けた構成とすることが考えられ、その場合は、防塵・防滴効果がより高いものとなる。
又、上記シール掻分部の舳先部を上記複数段にわたって設置された複数のシール部に対する接触位置がずれるようにテ―パ状に形成した場合には、シール掻分部のシール部に対する接触位置がずれることになるので、接触部に僅かに形成される隙間を介しての塵や液滴の侵入を効果的に防止することができる。
以下、図1乃至図12を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。まず、図1及び図2に示すように、軽金属製或いは軽合金製(この実施の形態の場合にはアルミニウム製)のハウジング1があり、このハウジング1は、図5乃至図10に示すように、その横断面形状が略「U字」状をなしている。すなわち、ハウジング1は、底壁3と、この底壁3の左右両側において上方に立設された一対の側壁5、7とから構成されている。又、上記底壁3は中空状に形成されていて、中空部9、11が設けられた構成になっている。これら中空部9、11は長手方向に延長して形成されている。又、図1乃至図4に示すように、上記ハウジング1の両端には端栓13、15が取り付けられている。
上記ハウジング1内には、図3及び図4に示すように、駆動モータとしてのサーボモータ21が内装されている。又、図4に示すように、上記サーボモータ21の出力軸23には、カップリング機構25を介してボールネジ27が連結されている。上記ボールネジ27は、図4中右端において、軸受部材29、31によって回転可能に支持されており、又、図4中左端において、軸受部材32、34によって回転可能に支持されている。
上記ボールネジ27にはボールナット33がその回転を規制された状態で螺合している。そして、このボールナット33には、図8にも示すように、スライダ機構35が取付・固定されている。上記スライダ機構35は、内側スライダ部材37と、外側スライダ部材39と、これら内側スライダ部材37と外側スライダ部材39を一体化させているシール掻分部41とから構成されている。
上記内側スライダ部材37とハウジング1の一対の側壁5、7との間には、例えば、図7に示すように、ボール循環機構51が設けられている。このボール循環機構51の構成に関して図7を参照しながら説明する。
図7中左側に示すボール循環機構51であるが、まず、側壁5側には凹部53が形成されていて、この凹部53には鋼製のレール部材55が嵌め込まれている。このレール部材55には横断面形状が略半円形をなす溝57が形成されている。
一方、内側スライダ部材37にも、凹部59が形成されていて、この凹部59には鋼製のレール部材61が嵌め込まれている。このレール部材61には横断面形状が略半円形をなす溝63が形成されている。そして、この溝63と既に述べた溝57が対向・配置されていて、ボール65が循環するボール循環路を構成している。
上記内側スライダ部材37には、横断面形状が円形をなす別のボール循環路67が形成されている。溝63と溝57が対向・配置されることにより構成されるボール循環路と上記ボール循環路67とによって完全なボール循環路が構成されているものである。又、内側スライダ部材37の両端には、図6及び図8に示すように、リターンキャップ69、69が取り付けられている。そして、スライダ機構35が移動する場合には、複数個のボール65が上記ボール循環路内を循環することになり、それによって、スライダ機構35の円滑の直動を可能にしている。
又、図7中右側に示されているボール循環機構51も同様の構成になっている。図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
そして、サーボモータ21を適宜の方向に回転させることによりボールネジ27が同方向に回転する。このボールネジ27の回転によって、その回転を規制されているボールナット33が何れかの方向に直進移動する。このボールナット27の移動によって、そこに取付・固定されているスライダ機構35が同方向に移動するものである。それによって、例えば、スライダ機構35の外側スライダ部材39に取り付けられた任意の機器が適宜の方向に所望量だけ移動することになる。
上記スライダ機構35及びその周囲の構成をさらに詳しく説明する。まず、図5乃至図10に示すように、ハウジング1の上端であって左右両側には一対の下側サイドカバ81、81が取り付けられている。これら下側サイドカバ81、81は複数本の固定ねじ82によってハウジング1の側壁5、7に固定されている。又、これら一対の下側サイドカバ81、81に対して上記内側スライダ部材37を挟んで上方には一対の上側サイドカバ83、83が設置されている。これら上側サイドカバ83、83は、図5及び図10に示すように、複数本の固定ねじ84によって端栓13、15に固定されている。これら一対の上側サイドカバ83、83の間には上面カバ85が設置されている。上記上面カバ85は複数本の固定ねじ86によって上記上側サイドカバ83、83に固定されている。
尚、上記下側サイドカバ81、81、上側サイドカバ83、83、上面カバ85は、長手方向に沿って全領域にわたって設置されている。
上記上面カバ85の形状をみてみると、左右方向中央部から左右両側端に向けて下り勾配に形成されている。それによって、上面カバ85上における液滴の滞留を防止するようにしている。
又、上記下側サイドカバ81、81と上側サイドカバ83、83との関係をみると、下側サイドカバ81の鉛直部と上側サイドカバ83の鉛直部とが重合・配置されていて、いわゆる「ラビリンス」な構造となっている。
上記下側サイドカバ81、81と上側サイドカバ83、83との間の重合部には、シール機構91、91が設置されている。以下、このシール機構91の構成について説明する。図11は図7のXI部を拡大して示す図であり、下側サイドカバ81の外側には、シール部材93が上下二段にわたって取り付けられている。同様に、上側サイドカバ83の内側にも、シール部材93が上下二段にわたって取り付けられている。上段に対向・配置された一対のシール部材93、93によって上段シール部を構成しており、同様に、下段に対向・配置された一対のシール部材93、93によって下段シール部を構成している。
上記シール部材93の取付構造をみてみると、例えば、下側サイドカバ81の上段側に取り付けられているシール部材93をみてみると、そこには斜め下向きに傾斜した状態で溝95が形成されている。この溝95内にシール部材93の基部97を差し込むようにして取り付けられているものである。そして、シール部材93自体が斜め下向きに傾斜した状態で取り付けられている。残りの3箇所においても同様の取付構造になっている。又、上記溝95は長手方向に延長・形成されていて、そこにシール部材93を一端側から差し込むようにして取り付けるものである。
尚、図11は図7における左側のシール機構91の構成を示すものであるが、右側のシール機構91も同様の構成になっている。よって、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
次に、シール掻分部41側の構成を説明する。上記シール掻分部41は、図11に拡大して示すように、外側スライダ部材39に連結される外側連結部位101と、内側スライダ部材37側に連結される内側連結部位103と、これら外側連結部位101と内側連結部位103との間に配置されたシール掻分部位105とから構成されている。図7に示すように、上記内側連結部位103は複数本の固定ねじ104によって内側スライダ部材37に取り付けられている。又、上記外側連結部位101は複数本の固定ねじ102によって外側スライダ部材39に取り付けられている。上記シール掻分部位105は、図11及び図12に示すように、両端が舳先形状に形成されていて、舳先部106、106となっている。より具体的に説明すると、図11に示すように、平面的にみると先端に向かって左右両側からテ―パ状に先細りになるように形成されている。又、図12に示すように、上下方向でみてみると、上方から下方に向かってその突出量が徐々に減少していくようなテ―パ形状になっている。その傾斜角度はα°である。
上記のような舳先部106、106を形成したのは次のような理由からである。まず、舳先部106を形成することにより、スライダ機構35の移動時に、対向・配置された一対のシール部材93、93が徐々に掻き分けられることになり、それによって、シール部材93、93が掻き分けられることにより形成される隙間の大きさを極力小さなものとし、それによって、塵や液滴の侵入の可能性を最少にするものである。又、図12に示すように、スライダ機構35の移動時には、舳先部106の上部によって上段シール部が掻き分けられる掻分部位と舳先部106の下部によって下段シール部が掻き分けられる掻分部位とが鉛直方向に揃って折らずずれた位置にある。これは次のような理由による。通常、上記掻分部位(図12中符号a、bで示す掻分先端部位) においては僅かな隙間が形成されることになり、そこからの塵や液滴の侵入が懸念される。そこで、上記のように、上段シール部と下段シール部の掻分部位の位置をずらすことにより、塵や液滴の侵入を確実に防止するようにしたものである。
又、図2に示すように、既に説明した外側スライダ部材39の左右両側であって移動方向両端には防護カバ111、111が取り付けられている。これら防護カバ111、111は、シール掻分部位105の舳先部106によるシール掻分部位を介しての塵や液滴の侵入をさらに効果的に防止するためのものであり、上側サイドカバ83とシール掻分部41との間の隙間、シール掻分部と下側サイドカバ81との間の隙間を防護し、それによって、上記舳先部106による掻分部位に僅かな隙間が形成されても、そこからの塵や液滴の侵入を防止せんとするものである。
尚、図1乃至図4中符号113、115はケーブルを示す。
又、図1に示すように、既に説明した上面カバ85、シール機構91、91は、サーボモータ21側とスライダ機構35が移動する可動部側とでは夫々独立して設けられている。図1中サーボモータ21側の上面カバ85と可動部側の上面カバとの境界線が示されている。
以上の構成を基にその作用を説明する。
まず、アクチュエータとしての一般的作用から説明する。まず、サーボモータ21を適宜の方向に回転させることによりボールネジ27が同方向に回転する。このボールネジ27の回転によって、その回転を規制されているボールナット33が何れかの方向に直進移動する。このボールナット27の移動によって、そこに取付・固定されているスライダ機構35が同方向に移動する。それによって、例えば、スライダ機構35の外側スライダ部材39に取り付けられた任意の機器が適宜の方向に所望量だけ移動することになる。
次に、シール機構91、91における作用を説明する。まず、塵や液滴の内部への侵入は左右両側において二段にわたって設置されている上段シール部と下段シール部によって確実に防止されるようになっている。つまり、上段シール部を構成する一対のシール部材93、93によって隙間は閉塞されているからであり、同様に、下段シール部を構成する一対のシール部材93、93によって隙間は完全に閉塞されているからである。
又、スライダ機構35が移動する場合には、シール掻分部位105の先端舳先部106、106が二段にわたって設置されたシール部を掻き分けながら移動することになり、シール部材93、93の間の不必要な開放が抑制される構成になっているので、塵や液体の飛沫等の内部への侵入は防止されるようになっている。
又、上記舳先部106はテ―パ形状になっていて、上部によって上段シール部を掻き分け、下部によって下段シール部を掻き分ける。その際、上段シール部の掻分部位と下段シール部の掻分部位の位置が鉛直方向に揃っておらずスライダ機構35の移動方向に沿ってずれている。よって、上記掻部位に僅かな隙間が形成されても、そこからの塵や液体の飛沫等の内部への侵入は防止されるものである。
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、本実施の形態によるアクチュエータの構成をみると、基本的に、外部からの塵や液滴の侵入を効果的に防止できる構成になっている。すなわち、長手方向の全領域において、上面カバ85が設置されていると共に、上側サイドカバ83、83が設置されており、又、長手方向両端には端栓13、15が設置されている。よって、アクチュエータを水平状態で使用する場合には、これら上面カバ85と上側サイドカバ83、83、端栓13、15によって、外部からの塵や液滴の侵入を効果的に防止できるものである。少なくとも 上方、左右側方、前後側方からの塵や液滴の侵入を効果的に防止できるものである。
又、上側サイドカバ83と下側サイドカバ81との関係をみてみると、垂直部が重合するいわゆる「ラビリンス形状」を構成するようになっており、それによっても、外部からの塵や液滴の侵入を効果的に防止できるものである。
又、下側からの塵や液滴の侵入に対しては、シール機構91、91によってこれを確実に防止することができる。又、上記シール機構91においては、一対のシール部材93、93が対向・配置されていて、それが上下二段にわたって設置された二重構造になっているので、それによって、高いシール効果を期待できるものである。
又、上記対向・配置された一対のシール部材93、93をみてみると、斜め下向きに傾斜した状態で設置されている。よって、万一、シール部材93、93の間から塵や液滴が侵入しても下方に落下或いは流れ出すことになり、それによっても、シール効果を高めることができる。
又、各シール部材93を取付・固定している溝95の構成をみると、斜め下方に向かって傾斜した状態で開口している。よって、万一、溝95内に液滴が侵入しても、開口から効果的に流れ落ちることになる。
次に、シール掻分部位105の構成をみてみると、まず、その先端が舳先形状に構成されている。よって、スライダ機構35の移動時においては、シール機構91を構成するシール部材93、93の間を少しずつ掻き分けながら移動することになり、シール部材93、93間の開放を最小限にすることができる。それによって、シール機構91によるシール効果を高く維持することができる。
又、図12に示すように、スライダ機構35の移動時には、シール掻分部位105の先端の舳先部106の上部によって上段のシール部材93、93が掻き分けられることになり、その下部によって下段のシール部材93、93が掻き分けられることになる。つまり、二段にわたって設置されたシール部の掻き分け部位が鉛直方向に並ぶことはなくスライダ機構35の移動方向に沿ってずれることになり、それによっても、シール機構91によるシール効果を高く維持することができる。
又、防護カバ111、111によっても塵や液滴の侵入を防止することができる。すなわち、これら防護カバ111、111によって、上側サイドカバ83とシール掻分部41との間の隙間、シール掻分部と下側サイドカバ81との間の隙間を防護し、それによって、上記舳先部106による掻分部位に僅かな隙間が形成されても、そこからの塵や液滴の侵入を防止することができるものである。
又、この実施の形態の場合には、上面カバ85が上側サイドカバ83、83に対して着脱可能な構成になっており、よって、上面カバ85を取り付ける前に、内部構造、特に、シール機構91とシール掻分部41の状態等を確認・点検できるものである。
又、上面カバ85の形状をみると、その上面は、図5乃至図10に示すように、中央部から左右両側に向かって下り勾配になっている。よって、液滴等が溜まることを防止することができる。
次に、図1、図3、図13を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。この第2の実施の形態の場合には、前記第1の実施の形態の場合の構成において、さらに、アクチュエータ内部を加圧するための加圧機構121を設けたものである。その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
以下、この加圧機構121の構成を説明する。まず、ハウジング1の底壁3には中空部9、11の位置に貫通孔123、125が形成されている。又、上記中空部9、11の上側の底壁3には圧力空気噴出口127が形成されている。
又、上記貫通孔123、125には圧力空気供給配管129が接続されていて、この圧力空気供給配管129には図示しないコンプレッサが、バルブ131を介して接続されている。
尚、図13では圧力空気供給配管129を模式的に示しているが、実際には、 図1、図3に示すように、端栓15側に接続することが考えられる。勿論、それ以外の部位に接続するようにしても良い。
上記構成によると、コンプレッサより供給される圧力空気は、圧力空気供給配管129、貫通孔123、125を介して中空部9、11内に供給される。中空部9、11内に供給された圧縮空気は複数個の噴出口127を介して、アクチュエータの内部に噴出され、さらに、外部に向かって噴出される。このような圧力空気の噴出によって、塵や液滴の外部からの侵入を防止するものである。
よって、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができると共に、圧力空気の噴出によって、さらにその効果を高めることができる。
次に、図14を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。この第3の実施の形態の場合には、前記第1の実施の形態の場合における構成において、上面カバ85に複数個の点検用開閉扉141を開閉自在に設けたものである。その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
よって、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができると共に、点検用開閉扉141を適宜開閉することにより内部の点検を行うことができる。
次に、図15を参照して本発明の第4の実施の形態を説明する。この場合には、前記第1の実施の形態における上面カバを透明素材から構成した上面カバ151としたものである。その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
よって、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができると共に、透明な上面カバ151を介して内部の点検を行うことができる。
尚、本発明は前記第1〜第4の実施の形態に限定されるものではない。
前記各実施の形態では、可動側とサーボモータ側とにおいて、そのシール機構51の構成を別個独立させるようにしたが、一体型の構成も考えられる。
又、前記各実施の形態では、シール部材を二段にわたって設けたが、三段以上にわたって設けても良い。又、一段の構成でも本願発明の範囲である。
又、アクチュエータとしての基本的な構成は図示したものに限定されない。例えば、サーボモータではなくステッピングモータを使用したものも考えられる。又、ボールネジ・ボールナット方式ではなく、リニアモータ方式、その他様々な駆動方式が考えられる。
本発明は、例えば、ボールネジ・ボールナット機構やベルト機構等によってスライダを移動させるように構成されたアクチュエータに係り、特に、高い防塵性能、防水性能を提供することができるように工夫したものに関し、例えば、 液滴の飛散が予想される食品加工の現場で使用される各種ガイド装置に好適である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、アクチュエータの外観を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、アクチュエータの外観を示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、内部構造を示すアクチュエータの平面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、内部構造を示すアクチュエータの側面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、図4のV−V断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、図4のVI−VI断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、図4のVII−VII断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、図4のVIII−VIII断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、図4のIX−IX断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、図4のX−X断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、図7のXI部を拡大して示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、シール掻分部の構成を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態を示す図で、アクチュエータの横断面図である。 本発明の第3の実施の形態を示す図で、アクチュエータの外観を示す平面図である。 本発明の第4の実施の形態を示す図で、アクチュエータの外観を示す平面図である。
符号の説明
1 ハウジング
21 サーボモータ
27 ボールネジ
33 ボールナット
35 スライダー機構
37 内側スライダ部材
39 外側スライダ部材
41 シール掻分部
81 下側サイドカバ
83 上側サイドカバ
85 上面カバ
91 シール機構
93 シール部材
95 溝
105 シール掻分部材
106 舳先部
121 加圧機構
141 点検用開閉扉
151 透明な上面カバ






Claims (3)

  1. 略U字状に形成され開口部を備えたハウジングと、
    上記ハウジング内に設けられた駆動手段と、
    上記ハウジングに対して移動可能に設けられ上記駆動手段によって駆動されるスライダと、
    上記ハウジングの開口部を上面側から閉塞するように設置された上面カバと、
    上記上面カバの左右両側に設けられ上記ハウジングの開口部を左右側面方向から閉塞する一対の上側サイドカバと、
    上記ハウジングの左右両側に設けられその先端部が上記一対の上側サイドカバの先端部と重合して左右にラビリンス形状を構成する一対の下側サイドカバと、
    上記一対の上側サイドカバと一対の下側サイドカバとによる左右のラビリンス形状部に設置されそれぞれ上記一対の上側サイドカバの内側に配置されたシール部材と上記一対の下側サイドカバの外側に配置されたシール部材を対向・配置させた構成をなす一対のシール機構と、
    上記スライダに取り付けられ上記スライダの移動に伴って上記シール部材を掻き分ける舳先部を備えたシール掻分部と、
    を具備したことを特徴とするアクチュエータ。
  2. 請求項1記載のアクチュエータにおいて、
    上記シール部材は複数段にわたって対向・配置されていることを特徴とするアクチュエータ。
  3. 請求項2記載のアクチュエータにおいて、
    上記シール掻分部の舳先部は上記複数段にわたって設置された複数のシール部材に対する接触位置がずれるようにテーパ状に形成されていることを特徴とするアクチュエータ。
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