JP2001027235A - スライド装置のシール構造 - Google Patents

スライド装置のシール構造

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JP2001027235A
JP2001027235A JP19958299A JP19958299A JP2001027235A JP 2001027235 A JP2001027235 A JP 2001027235A JP 19958299 A JP19958299 A JP 19958299A JP 19958299 A JP19958299 A JP 19958299A JP 2001027235 A JP2001027235 A JP 2001027235A
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slider
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    • F16C29/00Bearings for parts moving only linearly
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C29/00Bearings for parts moving only linearly
    • F16C29/04Ball or roller bearings
    • F16C29/06Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load
    • F16C29/0633Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load with a bearing body defining a U-shaped carriage, i.e. surrounding a guide rail or track on three sides

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  • Transmission Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、スライダの取付けフランジが通
過するスリットを覆う下シールの弾力性を上シールの弾
力性よりも強めることにより、重力の影響が現れないよ
うにしてシール性を向上したスライド装置のシール構造
を提供する。 【解決手段】 軌道レール12を載置したベッド2の一
対の側部11の上面21と、ベッド2に両端で取り付け
られた上部カバー16の両側縁部22との間に配設され
ている伸縮性シール体40の下シール42の弾力性は、
上シール41の弾力性よりも、帯板厚さt2 を厚くし、
帯板幅w2 を狭くすることにより強くされている。スラ
イダ3の取付けフランジ14の通過によって押し下げら
れた下シール42が取付けフランジ14の通過後に示す
復元性は、その高い弾力性によって確保され、重力の作
用で下シール42の復元が遅れることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、半導体
・液晶関連装置、測定器、組立機、工作機械、産業用ロ
ボット、試験装置又は搬送機等の直線摺動部に適用され
るスライド装置において、スライダの摺動部に塵埃等の
異物が侵入するのを防止すると共にスライド装置内部で
発生した塵埃が外部に放散されるのを防止するスライド
装置のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、メカトロ技術の発展が目覚まし
く、当該技術を支える基礎的且つ汎用的な装置としてス
ライド装置がある。スライド装置は、現在では、工作機
械、半導体製造装置、搬送装置、検査装置、測定器、加
工機、組立機、産業用ロボット等の各技術分野の装置に
組み込まれて多用されているが、技術の発展と共にその
用途は拡大している。そして、スライド装置自体に対し
ても高精度、高速摺動化、組立容易性、汎用化等の要求
が益々高まっている。特に、半導体・液晶関連のスライ
ド装置では、クリーンルームで使用されるため、スライ
ド装置自身の発塵性を低く抑えることが求められてい
る。
【0003】スライド装置は、一般に、軌道溝を備えた
軌道レール(又はベッド)、該軌道レール上を摺動自在
なスライダ(又はテーブル)、及びスライダを軌道レー
ルの軌道溝に沿って位置決め自在に駆動する駆動機構を
備えている。駆動機構は、例えば、スライダに設けられ
たねじ部に螺合するボールねじと、ねじ軸を両端におい
て軸支する支持プレート、及びいずれか一方の支持プレ
ートに取り付けられ且つ前記ねじ軸を回転するACサー
ボモータから成る。スライダは駆動機構を制御すること
により軌道レール上を案内されて走行し、スライダの軌
道レールに対する位置は駆動機構の電気・電子的な制御
によって高精度に制御される。
【0004】従来のスライド装置として、図5及び図6
に示したものがある。図5は上部カバーを軌道レールに
取り付けた状態のスライド装置の一例を示す斜視図、図
6は図5に示したスライド装置を、上部カバー及びベッ
ドの一部を破断して示した斜視図である。図5及び図6
に示すスライド装置50は、基本的に、上面側が開口し
た断面U字状で長尺なベッド2、ベッド2に配設された
軌道レール12に移動可能に嵌挿されたスライダ3、ス
ライダ3に螺合してスライダ3を軌道レール12の長手
方向に駆動するねじ駆動機構4から構成されている。ベ
ッド2は、底部10とその両側から起立する一対の側部
11とによって横断面U字状に構成されている。
【0005】ねじ駆動機構4は、軌道レール12の長手
方向に延びるねじ軸5、ねじ軸5がボール(図示せず)
を介して螺合する螺旋溝を有するスライダ3に取り付け
られたナット体6、ねじ軸5を回転駆動する駆動モータ
としてのACサーボモータ7から構成されている。ねじ
軸5は、ベッド2に配設されたモータ側ねじ軸支持体8
とエンド側ねじ軸支持体(図示せず)とに回転自在に支
持されている。モータ側ねじ軸支持体8に取り付けられ
ているACサーボモータ7は、カップリング9を介して
ねじ軸5を回転駆動する。
【0006】ベッド2は底部10に軌道レール12を備
えており、スライダ3は軌道レール12を跨ぐスライダ
部13を備えている。軌道レール12とスライダ部13
とには、一対の対向する軌道溝(図示せず)が長手方向
に平行に延びて形成されており、スライダ部13は、複
数のボール(図示せず)が無限軌道を転動しつつ循環す
る直動転がり案内機構を介して軌道レール12に対して
摺動自在であり、ボールを介して滑らかで正確な直線走
行を行う。スライダ3は、前述のナット体6、前述のス
ライダ部13、及びナット体6を嵌挿してスライダ部1
3に取り付けられた取付けフランジ14から構成されて
いる。取付けフランジ14は、テーブル等の搭載物(図
示せず)を取り付けるため側方に且つ先端が上方に延び
ている。取付けフランジ14の先端上面には、搭載物を
取付けボルト等の固着手段によって固定するためのねじ
穴15が形成されている。
【0007】モータ側ねじ軸支持体8とエンド側ねじ軸
支持体には、上部カバー16がベッド2の凹状内部を覆
うように上方から取付けねじによって取り付けられてい
る。また、ベッド2の両端には、それぞれ、上部カバー
16と接合する状態でエンドカバー17が取り付けられ
ている。上部カバー15とエンドカバー17とは、スラ
イド装置50の駆動部分として軌道レール12内に収容
されるスライダ3やボールねじ機構4を覆い、上方及び
端方からの塵埃や異物が侵入するのを防止し、スライド
装置50の内部を保護している。
【0008】搭載物(搬送物)を支持する取付けフラン
ジ14は、上部カバー16との干渉を回避するため、ベ
ッド2の各側部11の上面21の上方を横方向から更に
上方へと略L字状に延びている。スライダ3が軌道レー
ル2に対して移動することにより、搭載物はベッド2に
対して移動することができる。
【0009】軌道レール2の一対の側部11には、セン
サレール(図示せず)が取付けられている。ベッド2に
は、原点等の位置を特定する必要がある任意の位置に原
点前センサ19と、スライダ3のストロークの限界を設
定するリミットセンサ20、20とが配設されている。
センサレール、原点前センサ19及びリミットセンサ2
0、20がスライダ3のフランジ14を検出した検出信
号は、図示しないリード線を経てセンサ用コネクタから
コントローラに入力される。なお、コントローラは、こ
れらのセンサが検出したスライダ3の位置情報に基づい
て、ACサーボモータ7の駆動を制御する。
【0010】上記のように、スライド装置50は、上部
カバー16とエンドカバー17とで周囲を覆っている
が、スライダ3の各取付けフランジ14が通過できるよ
うに、軌道レール2の各側部11の上面21と上部カバ
ー16との間には、スリット23が形成されている。本
出願人は、スリット23のシールのため、自己弾力性を
有する伸縮性シール体をスリット23に配設し、スライ
ダ3が伸縮性シール体を伸縮変形させつつ走行すること
を可能にしたスライド装置のシール構造を提案している
(特願平10−146494号)。
【0011】スライダによってワークを移動させるた
め、一対のガイドレールにそれぞれ設けられたブロック
を、トップカバーとサイドカバーとの間に画成されたス
リットを挿通して上方に突出した状態でガイドレールに
沿って摺動自在とし、スリットをシールするため、各ス
リットを形成する対向する一対の側壁にそれぞれ取り付
けられゴム等の弾性材料で撓曲自在に形成された一対の
シール部材でスリットを閉塞し、ブロックの存在する領
域では一対のシール部材をブロックの側壁面に当接して
開成させ、ブロックの存在しない領域では一対のシール
部材を互いに屋根状に密接させることにより、ブロック
の走行を許容しながら、外部から塵埃、水、クーラン
ト、切削液等がスリットを通じて内部に侵入するのを防
止したアクチュエータが提案されている(特開平9−2
01002号公報)。このアクチュエータによれば、ス
ライド装置のモータ、ボールねじ、軸受等に使用されて
発散するグリース又は内部で発生した塵埃がスリットを
通じてクリーンルーム等の清潔性を保つ必要がある外部
に流出するのを防止している。この、アクチュエータに
おいて、スライダの変位方向の端部は超高分子ポリエチ
レンのような合成樹脂で成る楔状部に形成されており、
スライダの摺動時、楔状の端部が低摩擦力でシール部材
を撓曲させる。また、シール部材の縁部は、各スリット
を形成する対向する一対の側壁に形成された溝部に挿入
されて抜出し不能に取り付けられている。
【0012】更に、フレームに装着されたトップカバー
によって遮蔽される空間を除く移動部材が移動するスリ
ットを閉塞するシール部材と、シール部材を保持する保
持溝が形成された保持部を備え、保持部とフレームとを
一体的に或いはそれぞれ別体で形成したアクチュエータ
(特開平10−47308号公報)が提案されている。
このアクチュエータにおいて、保持部は、鉄又はアルミ
ニウム等の金属材料を用い、引き抜き加工又は研削加工
のいずれかによってフレームと一体に形成される。ある
いは、保持部をアルミニウム製材料とし、フレームを鉄
製材料とし、それぞれ引き抜き加工又は研削加工によっ
て別体で形成されている。シール部材は、例えば、超高
分子量ポリエチレン、含浸油を浸透させた超高分子量ポ
リエチレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、又は、ポリウレタンゴム等の弾性体から形成され
る。鉄製材料としてはSKD材とし、鉄製材料又はアル
ミニウム製材料に対してはバレル仕上げ、ショットピー
ニング等の仕上げをして、後加工を簡単にすることがで
きる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、軌道レ
ールやベッドの両側壁、上部カバーやエンドカバー等の
各種カバーでスライド装置内部の密封性を高めた防塵構
造を構成する場合、スライダの取付けフランジが通過す
るスリットが上方に向かって開放しており、スリットを
伸縮性のシール部材で覆っても、取付けフランジがシー
ル部材を撓ませながら走行する際に、シール部材に降り
積もった異物や塵埃等が僅かに生じる隙間を通じてスラ
イド装置の内部に侵入したり、クリーンルーム等での使
用に際しては、スライド装置自身の発塵がスリットから
漏れる懸念がある。スライダの取付けフランジが通過す
るスリットを側方に向かって開放させると、上方から降
る塵埃等がシール部材に付着することがなくなり上記の
ような問題は生じ難くなるが、シール部材が上下に分割
されるため、それぞれのシール部材に働く重力の影響に
よって、特に下側のシール部材のシール性能が低下し易
いという問題が生じる。即ち、上シール部材の先端部分
は重力により下側へ速く対応できるが、下シール部材の
先端部分は重力により上側への対応が遅くなる。取付け
フランジの通過後、上シール部材と下シール部材とが自
己弾性によって衝合するまで両シール部材間に生じる可
能性がある隙間を通じて異物や塵埃等が侵入する機会が
生じる。また、取付けフランジの通過に際して各シール
部材との摺接による抵抗が大きくなり、スライダ駆動に
要するエネルギ消費が増加すると共にスライダの位置決
め精度も悪化するという問題がある。
【0014】そこで、軌道レールと上部カバーとの間に
形成される横向きに開口するスリットを搭載物の取付け
用の取付けフランジが通過する構造を有し、通常はスリ
ットを塞いでいるが、通過する取付けフランジによって
変形され取付けフランジの通過を許容する通路を順次形
成する上下一対のシール部材から成る伸縮性シール体を
設けたスライド装置において、取付けフランジの通過後
の下側のシール部材の応答性を改善することで、取付け
フランジの通過を許容しつつ、粉塵や異物がスリットを
通じてスライド装置内部に侵入したり、スライド装置の
内部で生じた発塵が外部に放散することのより一層の防
止を図る点で解決すべき課題がある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
課題を解決することであり、スライダの搭載物取付け用
の取付けフランジが通過するスリットを伸縮性シール体
で塞ぐことによって、取付けフランジが伸縮性シール体
を変形させつつ通過することを可能にすると共に、外部
の粉塵や異物がスリットを通じてスライド装置内部に侵
入することを防止し、或いはスライド装置内で発生した
塵埃が外部に放散するのを防止するスライド装置におい
て、伸縮性シール部材が上下に分割される場合にも、そ
れぞれのシール部材に働く重力がシール性能に影響を及
ぼさないようにして、伸縮性シール部材がスリットを確
実に閉塞してスリットを通じての塵埃等の侵入・放散を
防止するスライド装置のシール構造を提供することであ
る。
【0016】この発明は、上記目的を達成するため、次
のように構成されている。即ち、この発明は、ベッドに
取り付けられる軌道レール、搭載物取付け用の取付けフ
ランジを備え前記軌道レール上を摺動自在なスライダ、
前記ベッド又は前記軌道レールに取り付けられ前記スラ
イダの走行路を覆う単一又は複数のカバー、前記スライ
ダの摺動に伴って前記取付けフランジが通過するのを許
容するため前記ベッド又は前記軌道レールと前記カバー
との間又は隣接する前記カバー間に前記軌道レールの長
手方向に延び且つ横方向に開口した状態に形成されたス
リット、及び前記取付けフランジの周りにおいて前記ス
リットをシールするため前記取付けフランジが通過する
領域では前記取付けフランジに密接した状態に分離さ
れ、前記取付けフランジが通過する前後の領域では自己
弾力性により互いに衝合する上シール及び下シールから
構成された伸縮性シール体を具備し、前記上シールと前
記下シールに作用する重力の影響を相殺するため、前記
下シールの弾性力は前記上シールの弾性力よりも強く設
定されていることから成るスライド装置のシール構造に
関する。
【0017】この発明によれば、ベッド又は軌道レール
に取り付けられた単一又は複数のカバーがスライダの走
行路を覆っており、ベッド又は軌道レールとカバーとの
間又は隣接するカバー間には、搭載物取付け用の取付け
フランジを備えたスライダの摺動に伴って取付けフラン
ジが通過するのを許容するため、軌道レールの長手方向
に延び且つ横方向に開口した状態にスリットが形成され
ている。取付けフランジの周りにおいてスリットをシー
ルするため、上シール及び下シールから構成された伸縮
性シール体が設けられている。スライダが軌道レール上
を摺動するとき、上シールと下シールとは、取付けフラ
ンジが通過する領域では取付けフランジによって上下に
切り開かれて分離され、取付けフランジが通過するため
の通路を形成する。上シール及び下シールは、通過する
取付けフランジによってスリットの開口縁部に向かって
伸縮変形され、取付けフランジの表面に密接した状態に
なる。上シール及び下シールは、取付けフランジの通過
領域以外の領域では自己弾力性により伸長して互いに衝
合し、スリットを塞いでいる。
【0018】伸縮性シール体が常に自己弾力性によって
取付けフランジの周りを塞ぐように変形するので、前記
スリットは、常に伸縮性シール体によって塞がれる状態
となり、外部からスライド装置内への塵埃等の侵入が防
止され、内部で発生した塵埃も外部へ放散されることが
ない。伸縮性シール体に作用する重力の影響を相殺する
ため、下シールの弾性力は上シールの弾性力よりも強く
設定されているので、重力が自己の弾性力に加勢される
上シールに対して下シールは重力に打ち勝つ充分な自己
弾性力を備えることになり、取付けフランジの通過前後
において下シールは上シールと同様な伸縮変形をし、ス
ライド装置内部の気密性が向上する。
【0019】前記上シール及び前記下シールは、それぞ
れ一方の側端部が前記スリットの開口縁部に取り付けら
れ且つ他方の側端部が前記自己弾力性により互いに衝合
する帯板状のシール部材から構成されている。この場
合、前記上シール及び前記下シールは、前記他方の側端
部が前記一方の側端部から前記スリットの外方に向かっ
て傾斜して配設される。下シールの弾性力を上シールの
弾性力よりも強く設定するため、前記下シールの帯板厚
さを前記上シールの帯板厚さよりも厚くされる。また、
前記下シールの帯板幅を、前記上シールの帯板幅よりも
狭くされる。下シールの帯板厚さを厚くし且つ帯板幅を
幅狭くすることにより、下シールは腰の強いもの、即
ち、弾性体としてのへたりに対する抵抗が強くなる。
【0020】前記取付けフランジは、前記取付けフラン
ジの通過に伴って前記上シール及び下シールを徐々に伸
縮変形させるため、前記上シール及び下シールと接触す
る接触面の両端部に傾斜面を備えている。この斜面構造
によれば、取付けフランジの通過に伴って、先ず、接触
面の端部の傾斜面が伸縮性シール体を徐々に圧縮変形さ
せ、通過後には端部の傾斜面が伸縮性シール体を徐々に
伸長変形させる。更に、前記上シールと前記下シールと
の前記衝合する位置は前記スリットの幅中央位置より下
側に偏位しており、前記取付けフランジの前記両端部に
形成される前記傾斜面のうち、前記上シールと密接する
上傾斜面は前記下シールと密接する下傾斜面よりも緩傾
斜で且つ長い斜面であり、前記上傾斜面と前記下傾斜面
とは前記衝合する位置で交差している。上下で斜面の傾
斜を異ならせることにより、取付けフランジの通過時に
おける上シールと下シールとの変形量を少なくすると共
に、下シールの伸縮変形の応答性と上シールの伸縮変形
の応答性とを揃えることが可能になる。また、上傾斜面
が下傾斜面より長いことにより、リフト量の大きい上シ
ールの変形速度を、ダウン量の少ない下シールの変形速
度に対応させることが可能になる。
【0021】前記スライダは、前記ベッド又は前記軌道
レールに回転自在に軸支されたねじ軸及び前記スライダ
に配設され且つ前記ねじ軸とボールを介して螺合するナ
ット体から成るボールねじ機構によって駆動されて、前
記軌道レール上を摺動する。また、前記スライダは、前
記軌道レールと前記スライダとに互いに対向して形成さ
れた軌道路を含む無限循環路を複数のボールが転走する
直動案内ユニットを介して、前記軌道レール上を摺動可
能である。スライダを駆動するボールねじ機構及びスラ
イダを軌道レールに対して案内する直動案内ユニット
は、それぞれスライダの移動をスムーズにする。
【0022】前記ベッドは前記軌道レールが載置された
底部及び前記底部の両側から前記スライダの側面に沿っ
て上方に延びる一対の側部から構成され、前記カバーは
一対の前記側部との間に前記スリットを形成した状態で
前記軌道レールと前記スライダの上部を覆う単一の上部
カバーである。また、前記伸縮性シール体は、少なくと
も表面がポリエステルで成形されている。伸縮性シール
体の少なくとも表面をポリエステル樹脂やポリエステル
繊維のようなポリエステルで成形することにより、スラ
イダとの摺動で摩耗粉が発生しにくくなっている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明によるスライド装置のシール構造の実施例を説明す
る。図1はこの発明によるスライド装置のシール構造の
一実施例を示す図であって、図2の線A−Aについての
断面図であり、図2は図1に示すスライド装置の上部カ
バーを一部破断して示す平面図、図3は図1に示すスラ
イド装置の側面図、図4は図3の一部を拡大して示す図
である。図1〜図4において、スライド装置それ自体は
図5及び図6に示した従来のスライド装置に用いられて
いるのと同様であり、同等の機能を奏する構成要素につ
いては、図5及び図6に付された符号と同一の符号を付
して説明する。
【0024】図1〜図3に示すスライド装置1のシール
構造を参照すると、ベッド2は、底部10と底部10の
両側においてスライダ3の側面18に沿って上方に起立
した一対の側部11とから構成され、U字状の断面を有
している。ベッド2の底部10の中央には、長手方向に
延びる軌道レール12がいんろう状態に配設されてい
る。スライダ3は、軌道レール12上に跨がって配設さ
れている。単一の上部カバー16は、ベッド2の幅より
も僅かに広い幅を有しており、ベッド2に固定されたモ
ータ側及びエンド側の各ねじ軸支持体(図6でモータ側
のねじ軸支持体8のみ示す)に取り付けられて、ベッド
2上のスライダ3の走行路とスライダ3の上部を覆って
いる。ベッド2の各側部11の上面21と上部カバー1
6の両側縁部22との間は、軌道レール12の長手方向
に延び且つ横方向に開口した状態に形成されたスリット
23となっている。スリット23は、スライダ3の摺動
に伴って後述するスライダ3の取付けフランジ14の通
過を許容する。
【0025】スライダ3は、ベッド2の内側に形成され
る凹部に摺動自在に嵌合しており、図5及び図6で説明
した通り、ベッド2に回転自在に軸支されたねじ軸5及
びスライダ3に配設され且つねじ軸5とボールを介して
螺合するナット体6から成るボールねじ機構4によって
駆動される。また、スライダ3は、公知の直動案内ユニ
ットを介して軌道レール12上を摺動可能である。直動
案内ユニットによれば、スライダ3のスライダ部13
は、軌道レール12との間で互いに対向して形成された
軌道路を含む無限循環路(図示せず)を転走する複数の
ボール(図示せず)を介してガタツキなく嵌挿され、且
つ、前記軌道レール上をスムーズに走行すると共に、ス
ライダ3の軌道レール12に対する位置と速度とが高精
度に制御可能である。直動案内ユニットを構成するた
め、スライダ部13は、詳細には図示しないが軌道レー
ル12に設けられた軌道溝と対応する軌道溝を備えたケ
ーシング、両軌道溝間を転走する転動体、ケーシングの
端面に固定されたエンドキャップ、及びエンドキャップ
の端面に取り付けられたエンドシールを有している。
【0026】スライダ3は、テーブル等の搭載物を取り
付けるための取付けフランジ14を横方向に突出した状
態で備えている。即ち、取付けフランジ14は、スライ
ダ3の側面18から横方向に突出する横方向突出部24
と、その先端から上部カバー16の外側において上部カ
バー16よりも上方に延びる起立部25とを有する略L
字状のアームの形状を有している。横方向突出部24の
上面26と下面27は、図3と詳細には図4とに示すよ
うに、スライダ3の摺動方向両端部30を除く中央寄り
の大部分の領域で水平な平面に形成されている。横方向
突出部24の摺動方向両端部30,30においては、上
面26と下面27とに滑らかに繋がり且つ上面26及び
下面27から次第に接近する上傾斜面28,28、及び
下傾斜面29,29が形成されている。
【0027】スライダ3の各摺動方向両端部30におい
て、上傾斜面28,28と下傾斜面29,29とは尖端
縁31で交差しているが、この交差位置は、取付けフラ
ンジ14の上面26から距離ΔL1 を下げた高さで、且
つ取付けフランジ14の下面27から距離ΔL1 より短
い距離ΔL2 の距離だけ上方の高さ位置にある。この交
差位置Lは、上面26と下面27との中間の高さL0
即ち、取付けフランジ14の横方向突出部24の断面高
さの中心と比較して下側に距離ΔLだけ偏位している。
【0028】このスライド装置のシール構造の実施例に
おいては、ベッド2の各側部11の上面21と上部カバ
ー16の両側縁部22との間に形成されているスリット
23には、スリット23を塞ぎ且つ取付けフランジ14
の周りをシールする伸縮性シール体40が配設されてい
る。幅広い上部カバー16は、伸縮性シール体40を覆
っており、上方からの物体(固体、液体を問わず)の落
下に対して伸縮性シール体40を保護している。伸縮性
シール体40は、上部カバー16の両側縁部22に取り
付けられた上シール41と、ベッド2の各側部11に取
り付けられた下シール42とから構成されている。上部
カバー16は単にねじ軸支持体にねじ止めされているだ
けであるので、上部カバー16を取り外すことによっ
て、内部点検や給油作業を容易に行うことができる。上
シール41及び下シール42は、取付けフランジ14が
通過するときには取付けフランジ14によって切り開か
れて分離されるが、取付けフランジ14に密接し、スリ
ット23の開口縁部に向かって伸縮変形される。上シー
ル41及び下シール42は、取付けフランジ14が通過
する前後の領域では自己弾力性により互いに衝合してお
り、上シール41と下シール42との間に隙間を形成し
ていない。
【0029】伸縮性シール体40においては、図1の断
面図に示すように、上シール41は、上部カバー16の
下面に長手方向に沿って取り付けられ、その取り付けら
れた下面からスリット23の外方に向かって斜め下に延
びた帯板状のシール部材として構成されている。即ち、
上シール41の側端部43が上部カバー16の両側縁部
22に形成された膨出部33に嵌め込まれた状態に取り
付けられている。下シール42は、ベッド2の側壁11
の上面21に長手方向に沿って取り付けられ、その取り
付けられた上面21からスリット23の外方に向かって
斜め上方に延びた帯板状のシール部材として構成されて
いる。即ち、下シール42の側端部44がベッド2の側
部11の上部32に嵌め込まれた状態に取り付けられて
いる。
【0030】上シール41の他方の側端部である先端部
45と下シール42の他方の側端部である先端部46と
は、取付けフランジ14が存在する領域では、それぞれ
横方向突出部24の上面26と上傾斜面28、下面27
と下傾斜面29に密接に当接し、取付けフランジ14が
存在しない領域ではスリット23の外方において互いに
衝合している。その結果、伸縮性シール体40は、スリ
ット23内において、取付けフランジ14の通過を許容
しつつ、スライダ装置1の内部と外部との間で塵埃や異
物が侵入したり放散するのを防止している。
【0031】伸縮性シール体40に作用する重力の影響
を相殺するため、下シール42の弾力性は上シール41
の弾力性よりも強く設定されている。即ち、上シール4
1と下シール42との先端部45,46の衝合位置47
への応答時間が同時におこなわれるように、重力の作用
で復元性が劣り易い下シール42の弾力性は、重力の加
勢で復元性が促進される上シール41の弾力性よりも強
く設定されている。このような弾力性の設定を得るため
の一つの形態として、下シール42の帯板厚さt2 は、
上シール41の帯板厚さt1 よりも厚くされている。ま
た、別の形態として、下シール42の帯板幅w2 は、上
シール41の帯板幅w1 よりも狭くされている。帯板厚
さを厚くするほど、更に帯板幅を狭くするほど、下シー
ル42の可撓性が低下し、同じ変位量に対する弾力性、
即ち、復元性が高くなる。上シール41と下シール42
とに対して帯板厚さと帯板幅とについての対策を同時に
採用してもよいことは勿論である。弾力性の設定とし
て、各シールの傾斜(図1で見た各シールの傾斜)を急
にするほど、弾力性を高めることも可能である。
【0032】このような構造によって、下シール42の
重力に抗する復元応答性が向上し、シール性を向上させ
ることができる。下シール42は腰の強いシールとな
り、上シール41がぶら下がるのを下から支えることが
できる。上シール41は腰の弱いシールとなり、シール
の折り癖が少なくなると共に、重力の作用によって下方
に垂れようとして、下シール42の先端部46が上シー
ル41の先端部45と確実に衝合するので、下シール4
2との気密性を高めることができる。
【0033】上シール41及び下シール42の帯板幅を
勘案して、上シール41の先端部45と下シール42の
先端部46との衝合位置47は、スリット23の中央高
さ(幅中央位置)より下側、即ち、取付けフランジ14
の上傾斜面28と下傾斜面29とが交差する交差位置L
に合致している。上傾斜面28,28の傾斜は、下傾斜
面29,29の傾斜と比較して緩斜面に形成され、且つ
斜面長さが長く形成されている。上シール41は弾力性
が弱いが変形量、即ち、リフト量が大きいので、遅い上
シール41の変形速度に応じて上傾斜面28の斜面長さ
を長く設定してある。逆に、下シール42は弾力性が強
く変形量、即ち、リフト量が小さいので、速い下シール
42の変形速度に応じて下傾斜面29の斜面長さを短く
設定してある。取付けフランジ14の通過する際、上シ
ール41の先端部45は上シール41が重力の作用を受
けながらも早期に比較的ゆっくりと降下し、下シール4
2の先端部46は下シール42が重力の作用を受けなが
らも遅れて上側へ比較的速く対応し、上シール41と下
シール42は、交差位置Lにおける衝合位置47で同時
に衝合する。したがって、取付けフランジ14の通過
後、速く降下した上シール41の先端部45が遅く上昇
してくる下シール42の先端部46との衝合を待つこと
がない。
【0034】上下シール41,42の各先端部45,4
6の衝合高さは、取付けフランジ14の上傾斜面28と
下傾斜面29とが交差する交差位置Lと等しくなるよう
に設定されているので、テーブル動作が速い場合であっ
ても、取付けフランジ14の通過の前後において、従来
のスライド装置において上下シール41,42の追従性
が一致していないことに起因して生じていたような隙間
を発生することがなく、塵埃や異物がスライド装置内部
に侵入したり又はスライド装置外部に放散されることが
ない。しかも、取付けフランジ14の通過に際して上下
シール41,42の切り開きがスムーズであり、取付け
フランジ14の通過抵抗が小さくなり、スライダ3の駆
動力を低減できると共にスライダ3の軌道レール12に
対する位置決め精度を向上することができる。
【0035】以上のように構成されたスライド装置1の
シール構造によると、スライダ3が軌道レール12に沿
って摺動するときには、横方向突出部24に形成された
上傾斜面28及び下側に形成された下傾斜面29は、各
先端が尖端縁31となっているので、衝合している上シ
ール41又は下シール42にそれぞれ摺接して順次に上
方又は下方にスムーズに分離させながら切り開き、上下
に押圧して圧縮変形させる。上シール41及び下シール
42は、スライダ3の進行方向側で衝合位置47から横
方向突出部24の平坦な上面26又は平坦な下面27ま
で開口するようにリフトアップ又はリフトダウンし、取
付けフランジ14が通過するための通路を形成する。取
付けフランジ14が通過した反進行方向側では、上シー
ル41及び下シール42は、自己弾力性によって、横方
向突出部24の上面26又は下面27から端部30に形
成された上傾斜面28と下傾斜面29に案内されつつ、
元の衝合位置47まで伸長し復元する。上傾斜面28及
び下傾斜面29を通過した上シール41及び下シール4
2は、先端部45,46において尖端縁31の直後にお
いてスムーズに衝合して、スリット23を埋める。
【0036】上シール41及び下シール42は、取付け
フランジ14の通過前に伸長状態にあって衝合している
とき、及び取付けフランジ14の通過後に伸長状態にあ
って衝合しているときには、先端部45,46は互いに
密接に当接してシールする。また、上シール41及び下
シール42は、通過する取付けフランジ14の上下各面
26,27及び上下各傾斜面28,29に対しても圧縮
状態となり密接状態に当接している。したがって、取付
けフランジ14の通過中及び通過前後において、伸長状
態から圧縮状態へ及び圧縮状態から伸長状態に移行する
際、及び圧縮状態に移行した後も、上シール41と下シ
ール42との間及び上シール41又は下シール42と取
付けフランジ14との間に隙間は生じず、スリット23
を確実に塞いで伸縮性シール体40の防塵性を常に維持
することができる。その結果、スライド装置1の外部か
ら内部への塵埃等の異物の侵入や、スライド装置1の内
部で発生した塵埃がクリーン性が求められる外部環境へ
の放散が防止される。
【0037】スライド装置1が、特に、クリーンルーム
内で使用される場合、発塵性を小さくするために,取付
けフランジ14と摺接する伸縮性シール体40には、帯
状部材として、クリーンルーム内で使用されているウェ
ハ搬送用ベルトが利用されている。ウェハ搬送用ベルト
はポリエステルでできており、摩耗粉が出にくいもので
ある。伸縮性シール体40は、取付けフランジ14と摺
接する少なくとも表面をポリエステル樹脂、ポリエステ
ル繊維等のポリエステル製とされる。スライド装置1の
クリーン度は、一般に、クラス10以下のクリーン度が
要求されるが、本発明のスライド装置は、次のテスト結
果から、要求されるクリーン度を充分に達成しているこ
とが判明した。即ち、ストロークが270mm、加速度
が0.1sec、吸引量が25リットル/分、ボールね
じリードが20mm、クリーングリースを使用するテス
ト条件で、テーブル速度が600mm/sにおいて,ク
ラス3以下のクリーン度が、また、テーブル速度100
0mm/sにおいて,クラス5以下のクリーン度が達成
された。
【0038】上記の実施例では、スリット23がスライ
ド装置1のベッド2と単一の上部カバー16との間の横
方向に開口して形成されていたが、この発明のシール構
造は、軌道レールと上部カバーとの間に形成される横方
向に開口したスリットに対しても適用することができ
る。また、スリットの向きが横方向に開口するスライド
装置ばかりではなく、例えば上部カバーを分割して隣接
する二つの上部カバー間に、上方に開口し取付けフラン
ジが通過するスリットを形成しても良い。スリットが上
部カバーに平行な面内に形成されるスライド装置におい
ても、横転状態に使用する場合等、シール部材が上下に
位置することになり、この発明のシール構造を適用する
ことができる。また、取付けフランジ14の横方向突出
部24は、両端部30を突出部本体と一体に形成してい
たが、先端が尖って上傾斜面部28と下傾斜面部29と
が形成された別体としての先端部を予め製作しておき、
突出部本体に取り付けても良い。更に、伸縮性シール体
40は、帯板状に形成した例を示したが、軌道レール1
2の長手方向に平行な折り畳み線で折り畳まれた、襞折
り又は蛇腹様の折畳みシール部材やチューブ状のシール
部材で構成し、内部に気体又は液体を収容して製作して
もよい。
【0039】
【発明の効果】この発明によるスライド装置のシール構
造は以上のように構成されているので、次のような効果
を有する。即ち、この発明によるスライド装置のシール
構造によれば、スライダの搭載物取付け用の取付けフラ
ンジが通過するスリットを伸縮性シール体で塞ぐことに
よって、取付けフランジは伸縮性シール体を変形させつ
つ通過することができ、外部の粉塵や異物がスリットを
通じてスライド装置内部に侵入することを防止し、スラ
イド装置内で発生した塵埃が外部に放散するのを防止す
ることができる。上下に分割されている伸縮性シール体
を構成する下シールの弾力性が上シールの弾力性よりも
強められているので、重力が上シールの変形を加勢して
垂れ易くし且つ下シールの復元の応答性を遅らせるよう
に作用する場合でも、調節された弾力性で重力の影響が
相殺され、上シールと下シールとが重力の影響が現れな
いように均等に復元して、伸縮性シール部材によってス
リットを確実に閉塞し高い気密状態でシールすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるスライド装置のシール構造の一
実施例を示す図であり図2の線A−Aについての断面図
である。
【図2】図1に示すスライド装置の上部カバーを一部破
断し且つ一部を切断して示す平面図である。
【図3】図1に示すスライド装置の一部を切断して示す
側面図である。
【図4】図3に示すスライド装置の一部を拡大して示す
一部断面側面図である。
【図5】上部カバーを軌道レールに取り付けた状態の従
来のスライド装置の一例を示す斜視図である。
【図6】図5に示したスライド装置を、上部カバー及び
ベッドの一部を破断して示した斜視図である。
【符号の説明】
1 スライド装置 2 ベッド 3 スライダ 4 ボールねじ機構 5 ねじ軸 6 ナット体 10 底部 11 側部 12 軌道レール 13 スライダ部 14 取付けフランジ 16 上部カバー 18 側面 23 スリット 24 横方向突出部 25 起立部 26 上面 27 下面 28 上傾斜面 29 下傾斜面 40 伸縮性シール体 41 上シール 42 下シール 43,44 側端部(基端側) 45,46 側端部(先端側) 47 衝合位置 t1 ,t2 帯板厚さ w1 ,w2 帯板幅 L 交差位置 L0 衝合高さ ΔL 偏位

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベッドに取り付けられる軌道レール、搭
    載物取付け用の取付けフランジを備え前記軌道レール上
    を摺動自在なスライダ、前記ベッド又は前記軌道レール
    に取り付けられ前記スライダの走行路を覆う単一又は複
    数のカバー、前記スライダの摺動に伴って前記取付けフ
    ランジが通過するのを許容するため前記ベッド又は前記
    軌道レールと前記カバーとの間又は隣接する前記カバー
    間に前記軌道レールの長手方向に延び且つ横方向に開口
    した状態に形成されたスリット、及び前記取付けフラン
    ジの周りにおいて前記スリットをシールするため前記取
    付けフランジが通過する領域では前記取付けフランジに
    密接した状態に分離され、前記取付けフランジが通過す
    る前後の領域では自己弾力性により互いに衝合する上シ
    ール及び下シールから構成された伸縮性シール体を具備
    し、前記上シールと前記下シールに作用する重力の影響
    を相殺するため、前記下シールの弾性力は前記上シール
    の弾性力よりも強く設定されていることから成るスライ
    ド装置のシール構造。
  2. 【請求項2】 前記上シール及び前記下シールは、それ
    ぞれ一方の側端部が前記スリットの開口縁部に取り付け
    られ且つ他方の側端部が前記自己弾力性により互いに衝
    合する帯板状のシール部材から構成されていることから
    成る請求項1に記載のスライド装置のシール構造。
  3. 【請求項3】 前記上シール及び前記下シールは、前記
    他方の側端部が前記一方の側端部から前記スリットの外
    方に向かって傾斜して配設されていることから成る請求
    項2に記載のスライド装置のシール構造。
  4. 【請求項4】 前記下シールの帯板厚さは、前記上シー
    ルの帯板厚さよりも厚くされていることから成る請求項
    2又は3に記載のスライド装置のシール構造。
  5. 【請求項5】 前記下シールの帯板幅は、前記上シール
    の帯板幅よりも狭くされていることから成る請求項2〜
    4のいずれか1項に記載のスライド装置のシール構造。
  6. 【請求項6】 前記取付けフランジは、前記取付けフラ
    ンジの通過に伴って前記上シール及び下シールを徐々に
    伸縮変形させるため、前記上シール及び下シールと接触
    する接触面の両端部に傾斜面を備えていることから成る
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のスライド装置のシ
    ール構造。
  7. 【請求項7】 前記上シールと前記下シールとの前記衝
    合する位置は前記スリットの幅中央位置より下側に偏位
    しており、前記取付けフランジの前記両端部に形成され
    る前記傾斜面のうち、前記上シールと密接する上傾斜面
    は前記下シールと密接する下傾斜面よりも緩傾斜で且つ
    長い斜面であり、前記上傾斜面と前記下傾斜面とは前記
    衝合する位置で交差していることから成る請求項6に記
    載のスライド装置のシール構造。
  8. 【請求項8】 前記スライダは、前記ベッド又は前記軌
    道レールに回転自在に軸支されたねじ軸及び前記スライ
    ダに配設され且つ前記ねじ軸とボールを介して螺合する
    ナット体から成るボールねじ機構によって駆動されて、
    前記軌道レール上を摺動することから成る請求項1〜7
    のいずれか1項に記載のスライド装置のシール構造。
  9. 【請求項9】 前記スライダは、前記軌道レールと前記
    スライダとに互いに対向して形成された軌道路を含む無
    限循環路を複数のボールが転走する直動案内ユニットを
    介して、前記軌道レール上を摺動可能であることから成
    る請求項1〜8のいずれか1項に記載のスライド装置の
    シール構造。
  10. 【請求項10】 前記ベッドは前記軌道レールが載置さ
    れた底部及び前記底部の両側から前記スライダの側面に
    沿って上方に延びる一対の側部から構成され、前記カバ
    ーは一対の前記側部との間に前記スリットを形成した状
    態で前記軌道レールと前記スライダの上部を覆う単一の
    上部カバーであることから成る請求項1〜9のいずれか
    1項に記載のスライド装置のシール構造。
  11. 【請求項11】 前記伸縮性シール体は、少なくとも表
    面がポリエステルで成形されていることから成る請求項
    1〜10のいずれか1項に記載のスライド装置のシール
    構造。
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