JP2003239963A - 直動案内ユニット - Google Patents

直動案内ユニット

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JP2003239963A JP2002040977A JP2002040977A JP2003239963A JP 2003239963 A JP2003239963 A JP 2003239963A JP 2002040977 A JP2002040977 A JP 2002040977A JP 2002040977 A JP2002040977 A JP 2002040977A JP 2003239963 A JP2003239963 A JP 2003239963A
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16C29/06Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この直動案内ユニットは,軌道レールのベッ
ドへの取り付けを高精度に行い,軌道レールに対するス
ライダの摺動抵抗を低減する。 【解決手段】 軌道レール11の側部13の外側には,
幅Hが側部13の底面23から軌道レール11の重心G
の位置を越える位置まで延びる凸面部3が形成されてい
る。凸面部3の表面は,ベッド2に設けられた取付け基
準面26に整合する面に加工された取付け基準面25に
構成されている。スライダ12には,摺動方向の側面と
軌道レール11の側部13の長手方向の内側面16との
間をシールする上面シール7が設けられており,側部1
3の内側面16には上面シール7のリップ部27が接す
る摺接溝5が長手方向に延びて形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,例えば,半導体
製造装置等の各種組立装置,NC加工機,測定,試験装
置等の摺動部に適用される軌道レールに対して長手方向
に沿って移動するスライダを備えた直動案内ユニットに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年,メカトロ技術の発展が目覚まし
く,当該技術を支える基礎的且つ汎用的な装置として直
動案内ユニットがある。直動案内ユニットは,半導体製
造装置等の各種組立装置,NC加工機,測定,試験装置
等の各技術分野の装置に組み込まれて多用されている
が,技術の発展と共にその用途は拡大しており,高精
度,低摩擦化,高速摺動化,組立容易性,汎用化等の各
種の要求が高まっている。
【0003】従来,直動案内ユニットとして,例えば,
本出願人に係る特開2001−12465号公報に開示
されたものが知られている。該直動案内ユニットは,軌
道レールとスライダの側面とに取付け基準面を形成した
ものであり,軌道レールとスライダとをそれぞれベッド
又はテーブルに基準面で位置決めされた状態で取り付け
ることにより,テーブルのベッドに対する位置ずれや姿
勢の変化を防止したものである。軌道レールは,軌道レ
ール取付け基準側面と軌道レール取付け基準底面を,そ
れぞれベッドの軌道レール取付け側面と軌道レール取付
け上面に対して,突き合わせて位置決めされた状態で取
付けボルトにより取り付けられる。また,スライダは,
スライダヘッド部において,スライダ取付け基準側面と
スライダ取付け基準頂面をテーブルのスライダ取付け側
面とスライダ取付け下面に対して,突き合わせて位置決
めされた状態で取付けボルトにより取り付けられる。
【0004】また,本出願人に係る特開平11−302
34号公報に開示されたスライド装置は,U字状の軌道
レールにボールねじを装備したものであり,スライダに
は軌道溝の上面と軌道レールとの隙間は上面シールによ
ってシールされている。
【0005】また,直動案内ユニットにおいて,図10
に示されるような軌道レール40が知られている。軌道
レール40は,互いに平行に長手方向に延びる一対の側
部43と両側部43と一体構造の底部44を有し,機器
類のベース,機台等のベッドに底面42が載置されて取
り付けられるものである。一対の側部43の上面49
は,互いに同程度まで上方に延びている。軌道レール4
0の側部43間には案内路62が形成され,案内路62
にはスライダが軌道レール40の長手方向に沿って摺動
するように組み込まれるものである。軌道レール40の
外側面45には凸面部41が設けられ,また,軌道レー
ル40の内側面47には軌道溝46が形成されている。
軌道レール40では,凸面部41の外側面48の幅HP
は,軌道レール40の底面42から重心GPの位置まで
は延びておらず,底面42から重心GPまでの重心高さ
HGPより低い即ち小さく構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年,直動案内ユニッ
トについては,高精度化であって安価なものが求められ
ているのが現状である。直動案内ユニットでは,一対の
側部と底部から成るU字状の軌道レールについて,例え
ば,前掲特開2001−12465号公報に開示された
直動案内ユニットのように,軌道レールの両側の側部に
形成されている凸面部の幅が小さかったので,加工する
上で,不安定なことから加工が面倒であり高精度に加工
しずらいものであった。
【0007】例えば,上記の直動案内ユニットにおける
軌道レールは,図10に示すようなものである。即ち,
軌道レール40は,上記のように,凸面部41の外側面
48の幅HPが底面42から重心GPまでの重心高さH
GPより低く構成されているので,例えば,凸面部41
の外側面48をベッドに対する取付け基準面に構成した
とすると,凸面部41の外側面48を,治具50の載置
面51に載置した場合には,外側面48の幅HPが狭い
即ち小さいため,側部43の上面49側が載置面51に
倒れかかって角度θの傾斜状態になる。即ち,上記のよ
うな軌道レール40について,凸面部41の外側面48
を治具50の載置面51に密着させて倒れない即ち傾斜
状態を無くすようにするには,軌道レール40を治具5
0の載置面51に垂直に支えるため,その都度,他の治
具を必要としていた。言い換えれば,軌道レール40
は,上記のように凸面部41の外側面48が狭いため,
軌道レール40の底面42と凸面部41の外側面48と
の角度を垂直(90°)に加工することが困難になり,
凸面部41の外側面48をベッドに設けた取付け基準面
に対する取付け基準面に構成することに困難があった。
【0008】また,前掲特開平11−30234号公報
に開示されたスライド装置は,一対の側部と底部から成
るU字状の軌道レールから成り,スライダに組み込まれ
ている上面シールのリップが摺接する軌道レールの内側
面が粗面な状態の加工であるので,スライダが滑らかに
摺動することがむずかしく,シール性能が不安定になっ
ていた。
【0009】そこで,直動案内ユニットに関して,全体
的構造をコンパクトに構成し,テーブルとベッドをそれ
ぞれスライダと軌道レールに対して取付け位置及び姿勢
を予め決められた状態で迅速に且つ高精度に取り付ける
と共に,軌道レールに対するスライダの摺動について低
摩擦でスムースに移動できることにより,長期に渡って
使用されても,スライダと軌道レールとが,例えば,テ
ーブルとベッドに対して予め定められた位置と姿勢が確
保されるものが望まれている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
の課題を解決することであり,直動案内ユニットにおけ
る軌道レールを機器類のベース,機台等のベッドに対し
て容易に且つ高精度に位置決めし,また,軌道レールに
対するスライダを低摩擦即ち低摺動抵抗でスムースに摺
動させることであり,軌道レールをベッドに位置決めし
て取り付けるため,軌道レールの側部の両外側に設けら
れた凸面部を幅広く形成して凸面部の表面を取付け基準
面に形成し,また,軌道レールの側部の両内側面にスラ
イダに装備されている上面シールが摺接するための摺接
溝を形成し,低摺動抵抗に構成した直動案内ユニットを
提供することである。
【0011】この発明は,互いに平行に長手方向に延び
る一対の側部を有し且つベッドに取り付けられる軌道レ
ール,及び前記軌道レールの前記側部間に形成された案
内路を前記軌道レールの長手方向に沿って摺動するスラ
イダから成る直動案内ユニットにおいて,前記軌道レー
ルの前記側部の外側には,幅が前記側部の底面から前記
軌道レールの重心の位置を越える位置まで延びる凸面部
が形成されており,前記凸面部の表面は前記ベッドに設
けられた取付け基準面に整合する面に加工された取付け
基準面に構成されていることを特徴とする直動案内ユニ
ットに関する。
【0012】前記軌道レールの前記側部に形成された前
記凸面部は,前記軌道レールの長手方向に延びている。
【0013】前記軌道レールの前記側部に設けられた前
記凸面部は,一方又は両方の前記側部に形成されてい
る。
【0014】前記軌道レールは,一対の前記側部と前記
側部の下部で一体構造に構成された底部とによって断面
U字形状に形成されている。
【0015】前記凸面部の前記幅は,前記軌道レールの
前記重心の位置を越える位置は前記重心の位置より1m
m以上である。
【0016】前記凸面部の前記幅は,前記軌道レールの
前記側部の高さの半分程度までである。
【0017】また,この発明は,互いに平行に長手方向
に延びる一対の側部を有し且つベッドに取り付けられる
軌道レール,及び前記軌道レールの前記側部間に形成さ
れた案内路を前記軌道レールの長手方向に沿って摺動す
るスライダから成る直動案内ユニットにおいて,前記ス
ライダには前記スライダの摺動方向の側面と前記軌道レ
ールの前記側部の長手方向の内側面との間の隙間をシー
ルする上面シールが設けられており,前記側部の前記内
側面には前記上面シールのリップ部が接する摺接溝が長
手方向に延びて形成されていることを特徴とする直動案
内ユニットに関する。
【0018】前記側部の前記摺接溝に対する前記上面シ
ールの前記リップ部の摺接は,前記摺接溝と前記リップ
部の先端とは零又はほとんど零状態の隙間である。
【0019】前記側部の前記内側面に形成された前記摺
接溝は,その長手方向に延びる両側部が前記側部の前記
内側面に対して所定の角度で傾斜した傾斜面と,前記傾
斜面をそれぞれ結び且つ前記上面シールの前記リップ部
が摺接する平らな平滑面とから凹溝に形成されている。
【0020】前記スライダは,前記軌道レールの前記側
部の前記内側面に形成された軌道溝に対向する軌道溝が
形成されたケーシング,前記ケーシングの両端面に取り
付けられたエンドキャップ,前記エンドキャップの端面
にそれぞれ取り付けられたエンドシール,及び前記ケー
シングに形成された前記軌道溝と前記軌道レールの前記
側部に形成された前記軌道溝との間に形成される負荷軌
道路を転走する転動体からなるものである。
【0021】前記上面シールは,前記エンドキャップと
前記ケーシングに接して配置された芯金と前記芯金に固
定された前記リップ部を備えた弾性体とから構成されて
いる。
【0022】前記上面シールの前記弾性体に形成された
前記リップ部は,前記弾性体の上面が凹部になって前記
軌道レールの前記摺接溝に向かって細くなる形状に形成
されている。
【0023】前記上面シールは,前記ケーシングと前記
エンドキャップとの側面に接して長手方向に延びる側面
部と,前記側面部の両端にそれぞれ設けられ且つ前記エ
ンドキャップの端面に配置されて前記エンドシールとの
間で挟持される屈曲端部とから構成されている。
【0024】前記上面シールを構成する前記芯金の前記
屈曲端部は,前記芯金の前記側面部とほぼ同幅の上部と
該上部から下方へ延びる下部とから構成され,前記エン
ドキャップの端面に形成された取付け面に配置されてい
る。
【0025】前記軌道レールの前記側部の前記内側面に
形成された前記軌道溝と前記摺接溝とは,互いに平行に
延びるように同時加工されている。
【0026】前記軌道レールの前記底部には前記軌道レ
ールを前記ベッドへ取り付けるための取付ボルトが挿通
される取付け孔が形成され,前記スライダの上面にはテ
ーブルを取り付けるための取付けねじ穴が形成されてい
る。
【0027】この直動案内ユニットは,上記のように構
成されているので,軌道レールをベッドに対して高精度
で,容易且つ迅速に位置決めして取り付けることがで
き,軌道レールの凸面部の表面を取付け基準面に容易
に,迅速に,安価に加工することができ,また,軌道レ
ールに対するスライダを低摺動抵抗でスムースに相対摺
動させることができる。即ち,この直動案内ユニット
は,ベッドに対して軌道レールを取付け基準面で予め定
められた位置と姿勢で設定することにより,スライダに
取り付けたテーブルを軌道レールに沿って摺動させて
も,ベッドに対して軌道レールを高精度に取り付けてい
るので,スライダに取り付けたテーブル等の機器を精度
良い姿勢に保つことができ,直動案内ユニットを組み込
んだ半導体製造装置,検査装置,測定器,加工機,組立
機等の装置において,ワークの加工,部品の組立てや搬
送等を行う際に,ワーク等の部品や機器の位置及び姿勢
を高精度に維持することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
による直動案内ユニットの実施例を説明する。この発明
を説明するに際して用いた上下関係,側部,底部等の位
置関係に関する概念は,直動案内ユニットを典型的な姿
勢で設置した場合における位置関係であり,実際の使用
状態を何ら制限するものではないことは勿論である。
【0029】この発明による直動案内ユニット1は,半
導体製造装置等の各種組立装置,NC加工機,測定,試
験装置等の摺動部(図示せず)に適用されるものであ
り,軌道レール11に対して長手方向に沿って相対移動
するスライダ12を備えたものである。直動案内ユニッ
ト1は,機器類のベース,機台等のベッド2に対して位
置決めして固定された長尺な軌道レール11と,軌道レ
ール11に対してその長手方向に沿って摺動するスライ
ダ12から構成されている。軌道レール11は,互いに
平行に長手方向に延びる一対の側部13と,側部13の
下部で互いに一体構造に構成する底部14とから全体的
に断面U字形状に形成されている。スライダ12は,軌
道レール11の側部13間に形成された案内路6を構成
する凹部15に配設されて相対摺動するように構成され
ている。
【0030】直動案内ユニット1では,軌道レール11
の底部14には軌道レール11を機器類のベース,機台
等のベッド2へ取り付けるための取付ボルト(図示せ
ず)が挿通される取付け孔19が形成され,また,スラ
イダ12の上面36にはテーブル等の機器(図示せず)
を取り付けるための取付けねじ穴34が形成されてい
る。従って,スライダ12が軌道レール11に対して摺
動移動することにより,テーブル等の機器はベッド2に
対して相対移動することができる。図1では,軌道レー
ル11に対して1つのスライダ12のみを示している
が,二つ以上のスライダ12を軌道レール11に配設し
てもよいことは勿論である。また,軌道レール11の高
さは一般的には極力低く形成されており,それによって
直動案内ユニット1はコンパクトに形成されている。
【0031】スライダ12は,主として,軌道レール1
1の側部13の内側面16に形成された軌道溝17に対
向する軌道溝24が形成されたケーシング20,ケーシ
ング20の両端面57に取り付けられたエンドキャップ
21,エンドキャップ21の端面58にそれぞれ取り付
けられたエンドシール22,及びケーシング20に形成
された軌道溝24と軌道レール11の側部13に形成さ
れた軌道溝17との間に形成される負荷軌道路55を転
走するボールでなる転動体30から構成されている。エ
ンドキャップ21とエンドシール22とは,取付けねじ
33によってケーシング20に取り付けられる。ケーシ
ング20には,取付けねじ33が螺着される複数のねじ
穴が形成されている。転動体30が負荷軌道路55を転
走することにより,スライダ12は軌道レール11に対
してスムーズに摺動できるように構成されている。
【0032】ケーシング20は,略直方体の形状を有し
ており,軌道レール11の幅範囲内に納まっている。ケ
ーシング20の高さは,軌道レール11と同様に極力低
く形成されている。ケーシング20は,軌道レール11
の側部13の上面18より上方に突出するスライダヘッ
ド部を備えているが,その突出量はケーシング20に取
り付けるテーブル等の機器にもよるが,低く押さえられ
ている。従って,スライダ12は,軌道レール11と共
に直動案内ユニット1をコンパクトに構成しており,ス
ライダ12を軌道レール11に対して駆動するボールね
じや駆動モータ等の駆動機構等,周辺機器の設計自由度
が拡がり,直動案内ユニット1が適用される機械,装置
の小形に対応できるように構成されている。
【0033】転動体30は,無限循環して転走するよう
に直動案内ユニット1に組み込まれており,転動体30
が無限転走する無限循環路は,対向する軌道溝17と軌
道溝24とから成る負荷軌道路55,転動体30を循環
させるためのケーシング20に形成された無負荷軌道路
としてのリターン孔,及び負荷軌道路55とリターン孔
とに連通するエンドキャップ21に形成された無負荷軌
道路としての方向転換路から構成される。スライダ12
には,無限循環路に潤滑剤を供給するためのグリースニ
ップル35が,一方のエンドシール22の外面から突出
した状態でスライダ12に取り付けられており,外部か
らの潤滑油が各無限循環路内に供給される。
【0034】直動案内ユニット1では,スライダ12に
は,上面シール7が組み込まれている。上面シール7
は,図1及び図2に示されるように,スライダ12であ
るケーシング20の軌道溝24と軌道レール11の軌道
溝17で形成される負荷軌道路55に上方からの塵埃や
異物等が侵入するのを防止する機能を有しており,スラ
イダ12の摺動方向の側面59と軌道レール11の側部
13の長手方向の内側面16との間に配設されるように
スライダ12に組み込まれている。
【0035】エンドキャップ21は,ケーシング20の
長手方向の両端面57に取り付けられ,転動体30を負
荷軌道路55とリターン孔との間で方向転換させるため
方向転換路(図示せず)が形成されている。エンドキャ
ップ21には,グリースニップル35が接続される取付
け孔38と取付けねじ33が挿通する挿通孔39とが形
成されている。エンドシール22は,グリースニップル
35が挿通される挿通孔,ケーシング20に螺入される
取付けねじ33が挿通するためのねじ挿通孔が,所定の
位置に形成されている。エンドシール22は,負荷軌道
路31の長手方向の両端部を覆うように軌道溝17に整
合するようなリップ部を備えている。
【0036】直動案内ユニット1は,上記構成におい
て,特に,軌道レール11の側部13の外側には,幅H
が側部13の底面23から軌道レール11の重心Gの位
置を越える位置まで延びる凸面部3が幅広に形成されて
おり,凸面部3の表面即ち外面25が図2又は図3に示
すようにベッド2に設けられた基準部材37の取付け基
準面26に整合する面に加工された取付け基準面25に
構成されていることを特徴とするものである。軌道レー
ル11の側部13に形成された凸面部3は,軌道レール
11の長手方向に延びている。また,軌道レール1に設
けられた凸面部3は,通常,軌道レール11の側部13
の両側の外側に形成されているが,側部13の外側だけ
に設けた場合もある。
【0037】図9に示すように,軌道レール11を加工
及び測定する場合に,軌道レール11を基準ベースを構
成する治具50の載置面51上に設置することになる
が,この時に,凸面部3の幅Hが軌道レール11の重心
Gの位置よりも越えて凸面部3の幅Hが広く即ち大きく
形成されているので,倒れを生じることなく,治具50
の載置面51即ち基準ベース上に設置することができ
る。従って,直動案内ユニット1における軌道レール1
1は,安定して加工及び測定することができるので,精
度が安定し,高精度で製作し易い構造を有している。軌
道レール11の加工は,例えば,凸面部3に取付け基準
面25を形成する研削加工,軌道レール11の焼き入れ
後の曲がり歪み矯正加工等である。
【0038】軌道レール11の側部13に設けた凸面部
3の幅Hは,許容差等を考慮すれば,軌道レール11の
重心Gの位置を越える位置が重心Gの位置より1mm以
上であることが好ましい。また,凸面部3の幅Hは,大
き過ぎると,凸面部3の外面の取付け基準面25と基準
部材37の取付け基準面26との接触面積が大きくな
り,精度を出すことが難しくなるほど悪影響が生じてく
るので,軌道レール11の総高さTHの半分程度までが
好ましい。軌道レール11の側部13の総高さTHが,
例えば,30mmであり,軌道レール11の重心Gの位
置が軌道レール11の底面23から10.9mmの位置
である場合には,凸面部3の幅Hは15mmに形成する
ことができる。
【0039】また,直動案内ユニット1は,特に,軌道
レール11の両側部13の内側面16には,上面シール
7のリップ部27の先端54が接するの摺接溝5を形成
されていることを特徴とするものである。摺接溝5は,
側部13の長手方向に延びて形成されている。側部13
の内側面16に形成された摺接溝5は,図4に示すよう
に,その長手方向に延びる両側部が側部13の内側面1
6に対して所定の角度θ1 で傾斜した傾斜面61と,傾
斜面61をそれぞれ結び且つ上面シール7のリップ部2
7の先端54が摺接する平らな平滑面60とから凹溝に
形成されている。軌道レール11の側部13に形成され
た摺接溝5は,図4に示すように,長手方向に治って凹
溝に形成されているので,上面シール7のリップ部27
は僅かな隙間で摺接しても,負荷軌道路55への塵埃等
の異物が侵入し難い構造になっている。
【0040】上面シール7は,図6〜図8に示す構成を
有しており,エンドキャップ21とケーシング20に接
して配置された芯金9と,芯金9に固定されたリップ部
27を備えた弾性体8とから構成されている。上面シー
ルは,エンドキャップの外端面に芯金を支持して,芯全
に固着したリップの先端が軌道レールの上面シール摺接
溝に摺接(理想は零で接触)している。上面シール7の
弾性体8に形成されたリップ部27は,例えば,図8に
示すように,弾性体8の上面が凹部32になって軌道レ
ール11の摺接溝5に向かって細くなる形状に形成され
ている。
【0041】上面シール7は,図7に示すように,ケー
シング20とエンドキャップ21との側面に接して長手
方向に延びる側面部29と,側面部29の両端にそれぞ
れ設けられ且つエンドキャップ21の端面58に配置さ
れてエンドシール22との間で挟持される屈曲端部28
とから構成されている。また,屈曲端部28は,芯金9
の側面部29とほぼ同幅の上部52と,上部52から下
方へ延びる下部53とから構成され,エンドキャップ2
1の端面58に形成された取付け面56に配置されてい
る。
【0042】直動案内ユニット1では,側部13の摺接
溝5に対する上面シール7のリップ部27の摺接は,摺
接溝5とリップ部27の先端54(図8)とは理想的に
は零,又はほとんど零状態の隙間であることが,軌道レ
ール11に対するスライダ12の摺動抵抗を低減するこ
ととなり,好ましいものである。
【0043】また,直動案内ユニット1の軌道レール1
1を加工する場合に,軌道レール11の側部13の内側
面16に形成された軌道溝17と,摺接溝5とは,互い
に平行に延びるように同時加工,即ち,同時研削加工さ
れている。上面シール7が摺接する軌道レール11に形
成された摺接溝5が軌道レール11の軌道溝17と同時
加工されているので,上面シール7が軌道レール11の
摺接溝5に均一に摺接することになり,スライダ12の
滑らかな摺動が得られることになる。
【0044】
【発明の効果】この発明による直動案内ユニットは,上
記のように,軌道レールにおける側部に設けた凸面部の
基準面の幅が重心を超える程度にまで延びているので,
軌道レールをベッドに高精度に且つ迅速に位置設定で
き,ベッドに設けられて基準部材の取付け基準面に凸面
部の基準面を接触させるだけで,軌道レールがベッドに
歪んだり傾くこと無く,高精度に且つ迅速に位置決めし
て固定することができ,スライダの軌道レールでの摺動
移動に高精度に対応できる。また,この直動案内ユニッ
トは,軌道レールにおける側部の内側面に長手方向即ち
スライダの摺動方向に延びる凹溝を設けたので,スライ
ダに組み込まれている上面シールのリップ部が抵抗にな
ることなく,スムースに摺動でき,スライダの低摺動化
を達成できる。また,軌道レールの凸面部の幅を大き
し,側部の内側面に凹溝を設けるだけであるので,シン
プルで且つ安価に製造することができる。従って,この
直動案内ユニットを,半導体製造装置,検査装置,測定
器,加工機,組立機等に適用すれば,軌道レールのベッ
ドへの位置決めが高精度になり,スライダに取り付けた
テーブル等に設けた機器を高精度に摺動移動させると共
に,軌道レール上を低抵抗にスライダを摺動させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による直動案内ユニットの一実施例を
示す部分断面を含む斜視図である。
【図2】図1の直動案内ユニットからエンドシールを取
り外した状態をA矢視した正面図である。
【図3】図2に示した軌道レールの正面図である。
【図4】図3に示した符号B領域を拡大して摺接溝を示
す拡大正面図である。
【図5】図3に示した軌道レールの側面図である。
【図6】図1の直動案内ユニットにおけるスライダに組
み込まれる上面シールを示す正面図である。
【図7】図6に示した上面シールの平面図である。
【図8】図7の上面シールにおけるC−C断面における
断面図である。
【図9】図3の軌道レールを治具の基準ベース上に設置
した場合の状態を示す説明図である。
【図10】従来の軌道レールを治具の基準ベース上に設
置した場合の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 直動案内ユニット 2 ベッド 3 凸面部 5 摺接溝(凹溝) 6 案内路 7 上面シール 8 上面シールの弾性体 9 上面シールの芯金 10 側部の外側面 11 軌道レール 12 スライダ 13 側部 14 底部 15 凹部 16 側部の内側面 17 軌道溝(軌道レール) 18 側部の上面 20 ケーシング 21 エンドキャップ 22 エンドシール 23 軌道レールの底部の底面 24 軌道溝(ケーシング) 25 軌道レールの凸面部の外面の取付け基準面 26 基準部材の取付け基準面 27 弾性部のリップ部 28 芯金の屈曲端部 29 芯金の側面部 30 転動体 37 基準部材 50 治具 51 治具の載置面 52 屈曲端部の上部 53 屈曲端部の下部 54 リップ部の先端 55 負荷軌道路 56 取付け面 57 ケーシングの端面 58 エンドキャップの端面 59 スライダの側面 60 摺接面の平らな平滑面 61 摺接面の両側の傾斜面 G 本発明の軌道レールの重心 HG 本発明の軌道レールの重心高さ H 本発明の凸面部の幅 TH 本発明の軌道レールの側部の総高さ θ1 凹溝の傾斜面の角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C048 BC02 CC04 DD01 EE07 3J101 AA02 AA64 AA71 BA54 BA56 FA41 FA44 GA32 GA55 GA60 3J104 AA02 AA23 AA34 AA65 AA69 AA74 BA51 DA04 DA06 DA13 DA17 EA10

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに平行に長手方向に延びる一対の側
    部を有し且つベッドに取り付けられる軌道レール,及び
    前記軌道レールの前記側部間に形成された案内路を前記
    軌道レールの長手方向に沿って摺動するスライダから成
    る直動案内ユニットにおいて,前記軌道レールの前記側
    部の外側には,幅が前記側部の底面から前記軌道レール
    の重心の位置を越える位置まで延びる凸面部が形成され
    ており,前記凸面部の表面は前記ベッドに設けられた取
    付け基準面に整合する面に加工された取付け基準面に構
    成されていることを特徴とする直動案内ユニット。
  2. 【請求項2】 前記軌道レールの前記側部に形成された
    前記凸面部は,前記軌道レールの長手方向に延びている
    ことを特徴とする請求項1に記載の直動案内ユニット。
  3. 【請求項3】 前記軌道レールの前記側部に設けられた
    前記凸面部は,一方又は両方の前記側部に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の直動案内ユ
    ニット。
  4. 【請求項4】 前記軌道レールは,一対の前記側部と前
    記側部の下部で一体構造に構成された底部とによって断
    面U字形状に形成されていることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の直動案内ユニット。
  5. 【請求項5】 前記凸面部の前記幅は,前記軌道レール
    の前記重心の位置を越える位置は前記重心の位置より1
    mm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の直動案内ユニット。
  6. 【請求項6】 前記凸面部の前記幅は,前記軌道レール
    の前記側部の高さの半分程度までであることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれか1項に記載の直動案内ユニッ
    ト。
  7. 【請求項7】 前記スライダには前記スライダの摺動方
    向の側面と前記軌道レールの前記側部の長手方向の内側
    面との間をシールする上面シールが設けられており,前
    記側部の前記内側面には前記上面シールのリップ部が接
    する摺接溝が長手方向に延びて形成されていることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の直動案内
    ユニット。
  8. 【請求項8】 互いに平行に長手方向に延びる一対の側
    部を有し且つベッドに取り付けられる軌道レール,及び
    前記軌道レールの前記側部間に形成された案内路を前記
    軌道レールの長手方向に沿って摺動するスライダから成
    る直動案内ユニットにおいて,前記スライダには前記ス
    ライダの摺動方向の側面と前記軌道レールの前記側部の
    長手方向の内側面との間の隙間をシールする上面シール
    が設けられており,前記側部の前記内側面には前記上面
    シールのリップ部が接する摺接溝が長手方向に延びて形
    成されていることを特徴とする直動案内ユニット。
  9. 【請求項9】 前記側部の前記摺接溝に対する前記上面
    シールの前記リップ部の摺接は,前記摺接溝と前記リッ
    プ部の先端とは零又はほとんど零状態の隙間であること
    を特徴とする請求項7又は8に記載の直動案内ユニッ
    ト。
  10. 【請求項10】 前記側部の前記内側面に形成された前
    記摺接溝は,その長手方向に延びる両側部が前記側部の
    前記内側面に対して所定の角度で傾斜した傾斜面と,前
    記傾斜面をそれぞれ結び且つ前記上面シールの前記リッ
    プ部が摺接する平らな平滑面とから凹溝に形成されてい
    ることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載
    の直動案内ユニット。
  11. 【請求項11】 前記スライダは,前記軌道レールの前
    記側部の前記内側面に形成された軌道溝に対向する軌道
    溝が形成されたケーシング,前記ケーシングの両端面に
    取り付けられたエンドキャップ,前記エンドキャップの
    端面にそれぞれ取り付けられたエンドシール,及び前記
    ケーシングに形成された前記軌道溝と前記軌道レールの
    前記側部に形成された前記軌道溝との間に形成される負
    荷軌道路を転走する転動体からなることを特徴とする請
    求項1〜10のいずれか1項に記載の直動案内ユニッ
    ト。
  12. 【請求項12】 前記上面シールは,前記エンドキャッ
    プと前記ケーシングに接して配置された芯金と前記芯金
    に固定された前記リップ部を備えた弾性体とから構成さ
    れていることを特徴とする請求項11に記載の直動案内
    ユニット。
  13. 【請求項13】 前記上面シールの前記弾性体に形成さ
    れた前記リップ部は,前記弾性体の上面が凹部になって
    前記軌道レールの前記摺接溝に向かって細くなる形状に
    形成されていることを特徴とする請求項12又は13に
    記載の直動案内ユニット。
  14. 【請求項14】 前記上面シールは,前記ケーシングと
    前記エンドキャップとの側面に接して長手方向に延びる
    側面部と,前記側面部の両端にそれぞれ設けられ且つ前
    記エンドキャップの端面に配置されて前記エンドシール
    との間で挟持される屈曲端部とから構成されていること
    を特徴とする請求項12又は13に記載の直動案内ユニ
    ット。
  15. 【請求項15】 前記上面シールを構成する前記芯金の
    前記屈曲端部は,前記芯金の前記側面部とほぼ同幅の上
    部と該上部から下方へ延びる下部とから構成され,前記
    エンドキャップの端面に形成された取付け面に配置され
    ていることを特徴とする請求項14に記載の直動案内ユ
    ニット。
  16. 【請求項16】 前記軌道レールの前記側部の前記内側
    面に形成された前記軌道溝と前記摺接溝とは,互いに平
    行に延びるように同時加工されていることを特徴とする
    請求項7〜15のいずれか1項に記載の直動案内ユニッ
    ト。
  17. 【請求項17】 前記軌道レールの前記底部には前記軌
    道レールを前記ベッドへ取り付けるための取付ボルトが
    挿通される取付け孔が形成され,前記スライダの上面に
    はテーブルを取り付けるための取付けねじ穴が形成され
    ているを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記
    載の直動案内ユニット。
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