JP4577169B2 - 照明光学系および光学装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、光軸方向に垂直な面内のみならず光軸方向にも略均一な照明領域を得ることができる照明光学系および光学装置を提供することにある。
前記距離L0と、前記ストロークSと、前記距離Lと、前記コンデンサレンズを通過した後の照明光の開口数NACと、前記照明領域の光軸方向に垂直な断面の大きさφ1と、前記フライアイインテグレータの射出端面に内接する円の直径φ2と、前記レンズエレメントの口径比F#とは、次の条件式(2)を満足する
L = L0+S/2 …(3)
また、前記フライアイインテグレータと前記コンデンサレンズとの間に、前記フライアイインテグレータの射出端面の光源像をリレーする光学系を備えることが好ましい。
また、前記レンズエレメントの断面は六角形であることが好ましい。
本発明の光学装置は、上記の照明光学系と、対象物を支持するステージと、前記照明光によって照明されたときに前記対象物の像を形成する結像光学系とを備えたものである。
(第1実施形態)
第1実施形態の照明光学系10は、図1(a)に示す通り、光源11側から照明領域16に向かって順に、コレクタレンズ12と、フライアイインテグレータ13と、開口絞り14と、コンデンサレンズ15とが配置されたものである(透過型)。
ここで、第1実施形態の照明光学系10を例えば測定顕微鏡などに組み込む場合、要求される照明領域16の光軸方向のストロークSは200mm、光軸方向に垂直な断面の大きさ(照野)φ1は18mm、照明NAは0.06とすることが好ましい。
また、フライアイインテグレータ13の入射端面3Aの大きさφ3は、コレクタレンズ12からの略平行な光束の径φ0以下であることが望ましい(φ3≦φ0)。ここで、光束の径φ0は、コレクタレンズ12の焦点距離fと光束の取り込みNA0とを用い、コレクタレンズ12が正弦条件を満足すると仮定して、次の式(4)で表される。
例えば、コレクタレンズ12の焦点距離fを28mm、光束の取り込みNA0を0.75とする場合、コレクタレンズ12の後側焦点面における光束の径φ0は42mmとなる。このため、フライアイインテグレータ13の入射端面3Aの大きさφ3は42mm以下(例えば42mm)となる。
また、フライアイインテグレータ13の射出端面3C(図1(a))は、光源11と共役である。このため、射出端面3Cには、各レンズエレメント3Bごとに光源像が形成される。さらに、射出端面3Cには、コンデンサレンズ15の前側焦点面が重なるように配置され、その近傍に開口絞り14が配置される。
φ2≒φ3×(√3/2) …(5)
フライアイインテグレータ13の射出端面3Cからの光束は、開口絞り14とコンデンサレンズ15とを介して照明領域16に導かれる。このとき、フライアイインテグレータ13の入射端面3Aと共役な面(つまり上記の焦点面17)には、フライアイインテグレータ13の複数のレンズエレメント3Bの入射端面の像が、コンデンサレンズ15によって重畳的に投影される。
φ14=2f15×NAC …(6)
例えば、コンデンサレンズ15の焦点距離f15を300mmとし、要求される照明NAを0.06とする場合、開口絞り14の直径φ14は36mmとすればよい。
L0 ≦ L ≦ L0+S …(7)
このため、コンデンサレンズ15を通過した後の照明光が集中する焦点面17を、照明領域16の光軸方向のストロークSの範囲内に設定することができ、照明領域16を全体的に効率よく照明することが可能となる。
L = L0+S/2 …(8)
このため、照明領域16のうち、最もコンデンサレンズ15の射出端面5Aに近い面6A(ストローク最小値)での周辺部の光量低下と、射出端面5aから最も遠い面6B(ストローク最大値)での周辺部の光量低下とは、同程度になる。このように構成することで、照明領域16のストロークSを焦点面17の前後に均等に振り分けて確保でき、最も効率的に照明領域16を照明することが可能となる。
さらに、コンデンサレンズ15を通過した後の照明光は、図2(a)に示す通り、焦点面17に開口数NACで集光した後、焦点面17を通過して、開口数NACで発散する光となる。図2(a)には照明光の光路全体にハッチングを付した。焦点面17における光束の径φ17は例えば30mmである。
F#=f3B/φ3B …(9)
傾向としては、口径比F#を小さくするほど、図2(b)に示す均一な領域(点線枠18)を広げることができる。ただし、口径比F#を小さくすると、口径比F#の二乗に反比例して、均一な領域(点線枠18)の照度が低下する。
すなわち、上記の距離L0と、ストロークSと、距離Lと、照明光の開口数NAC(照明NA)と、照明領域16の光軸方向に垂直な断面の大きさ(照野)φ1と、フライアイインテグレータ13の射出端面3Cに内接する円の直径φ2と、各レンズエレメント3Bの口径比F#とが、次の条件式(10)を満足するように、口径比F#を決定する。
また、距離L=300mmの場合、コンデンサレンズ15の焦点距離f15は300mmとすればよい。このとき、要求される照明NA=0.06を満足するためには、上記の式(6)から、開口絞り14の直径φ14を36mmとすればよい。
さらに、図4(a),(b),図5(a)の各照度分布をグラフ化すると、図5(b)のようになる。図5(b)から分かるように、ストローク最小値の面6Aからストローク最大値の面6Bまでの範囲(つまり照明領域16のストロークS=200mmの全域)で、要求される照野φ1=18mmにおいて照度が略一定となっている。
このため、第1実施形態の照明光学系10を目視観察用の光学系を備えた測定顕微鏡などに組み込む場合には、円形の照野を得るために、レンズエレメント3Bの断面を六角形または円形とすることが好ましい。六角形でも円形でも照明効率は略同じである。ただし六角形のように隙間なく接合した方が迷光を少なくできるため好ましい。
第2実施形態の照明光学系20は、図6に示す通り、第1実施形態の照明光学系10のフライアイインテグレータ13とコンデンサレンズ15との間に等倍のリレー光学系(21,22)を配置し、リレー光学系(21,22)の中に径可変の絞り23を配置し、上記の開口絞り14に代えて径可変の開口絞り24をリレー光学系(21,22)とコンデンサレンズ15との間に配置したものである。
リレー光学系(21,22)は、フライアイインテグレータ13の射出端面3Cの光源像をコンデンサレンズ15の開口絞り24にリレーする光学系であり、焦点距離の等しい2枚のレンズ21,22からなる。レンズ21,22の焦点距離は例えば100mmである。
ここでは、上記の照明光学系10(図1)を備えた測定顕微鏡30について説明する。
照明光学系10は、測定顕微鏡30のベース31の内部に配置される。ベース31の上面には、水平面内で移動可能なXYステージ32が設置される。XYステージ32の上方には、結像光学系を有する観察部33が配置される。
観察部33は、厚みのあるワークの観察や測長などを可能とするため、ベース31の上面に固定された支柱34の直線案内機構によって、光軸方向(上下方向)に所定のストローク内で移動可能となっている。
作業者は、XYステージ32上にワークを載置して観察を行い、手動操作によってXYステージ32を移動させると共に、表示部35に表示されたXYステージ32の移動量に基づいてワークの形状寸法を測定する。
第3実施形態の測定顕微鏡30では、測定光学系10を用いてワークを照明するため、光軸方向に厚みのあるワーク(例えば200mm程度の厚みのワーク)であっても、照明NAおよび照度が均一な三次元的な照明領域16の中で効率良く照明することができる。このため、ワークの形状寸法の測定を精度よく行うことができる。
ここでは、上記の照明光学系10(図1)を備えた画像測定装置40について説明する。
画像測定装置40は、測定器本体(41〜44)と制御ユニット45とで構成される。制御ユニット45はコンピュータからなる。
被測定物であるワーク(不図示)は、XYステージ42の上面に載置されて、照明光学系10からの照明光により下方から照明される。このとき、XYステージ42上のワークを透過した光束が撮像部43の結像光学系に導かれ、結像光学系によってCCDカメラの撮像面にワークの像が形成される。
XYステージ42のXY方向の移動量は、不図示の移動量検出部(例えばリニアエンコーダなど)で検出され、制御ユニット45に出力される。また、撮像部43のCCDカメラによって取り込まれたワークの画像も、制御ユニット45に出力される。
第4実施形態の照明光学系10にて、フライアイインテグレータ13(図1)のレンズエレメント3Bの口径比F#およびφ3Bは、ワークの寸法測定などに必要となる照野φ1や照明NAやストロークSから上記のようにして求めればよい。例えば、照野φ1は結像光学系の視野をカバーする大きさ、照明NAは結像光学系に用いられる対物レンズのNA、ストロークSは撮像部44の上下動範囲とすればよい。
第4実施形態の画像測定装置40では、測定光学系10を用いてワークを照明するため、光軸方向に厚みのあるワーク(例えば200mm程度の厚みのワーク)であっても、照明NAおよび照度が均一な三次元的な照明領域16の中で効率良く照明することができる。このため、ワークの形状寸法の測定を精度よく行うことができる。
なお、上記した実施形態では、図1に示す照明光学系10を、図7に示す測定顕微鏡30や図8に示す画像測定装置40などの測定装置に組み込む例を説明したが、本発明はこれに限定されない。測定装置の他、立体物を観察する投影機などにも、本発明を適用できる。さらに、図1に示す照明光学系10の他、図6に示す照明光学系20を、測定装置や投影機などの光学装置に組み込んでもよい。
13フライアイインテグレータ ; 3B レンズエレメント ;
15コンデンサレンズ ; 17 焦点面 ; 21,22 リレー光学系 ;
30 測定顕微鏡 ; 40 画像測定装置 ; 31,41 ベース ;
32,42 XYステージ ; 33 観察部 ; 43 撮像部
Claims (6)
- 光源側から照明領域に向かって順に、複数のレンズエレメントからなるフライアイインテグレータと、コンデンサレンズとが配置され、
前記コンデンサレンズの射出端面から前記照明領域までの最小の距離L0と、該照明領域の光軸方向のストロークSと、前記コンデンサレンズの射出端面から前記フライアイインテグレータの入射端面に共役な面までの距離Lとは、次の条件式(1)を満足し、
L0 ≦ L ≦ L0+S …(1)
前記距離L0と、前記ストロークSと、前記距離Lと、前記コンデンサレンズを通過した後の照明光の開口数NACと、前記照明領域の光軸方向に垂直な断面の大きさφ1と、前記フライアイインテグレータの射出端面に内接する円の直径φ2と、前記レンズエレメントの口径比F#とは、次の条件式(2)を満足する
- 請求項1に記載の照明光学系において、
前記距離L0と、前記ストロークSと、前記距離Lとは、次の式(3)を満足する
L = L0+S/2 …(3)
ことを特徴とする照明光学系。 - 請求項1または請求項2に記載の照明光学系において、
前記フライアイインテグレータと前記コンデンサレンズとの間に、前記フライアイインテグレータの射出端面の光源像をリレーする光学系を備えた
ことを特徴とする照明光学系。 - 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の照明光学系において、
前記レンズエレメントの断面は四角形である
ことを特徴とする照明光学系。 - 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の照明光学系において、
前記レンズエレメントの断面は六角形である
ことを特徴とする照明光学系。 - 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の照明光学系と、
対象物を支持して前記照明領域の中に位置決めするステージと、
前記照明光によって照明されたときに前記対象物の像を形成する結像光学系とを備えた
ことを特徴とする光学装置。
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