JP4576417B2 - ねじ部材 - Google Patents
ねじ部材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4576417B2 JP4576417B2 JP2007308193A JP2007308193A JP4576417B2 JP 4576417 B2 JP4576417 B2 JP 4576417B2 JP 2007308193 A JP2007308193 A JP 2007308193A JP 2007308193 A JP2007308193 A JP 2007308193A JP 4576417 B2 JP4576417 B2 JP 4576417B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thread
- less
- screw
- screw member
- screw portion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Connection Of Plates (AREA)
Description
上記の課題を解決するために、本発明は、電動工具で回転駆動してねじ込むように使用されても、十分な強度を保ち、実用性の高いねじ部材を提供することを目的とする。
鉄製の壁面に下孔16を形成し、作業者に支えられて使用される電動工具を装着する工具掛け部19を有し、前記下孔16にタップを立てるように挿入されるものであって、
前記下孔16に挿入され、前記下孔16にねじ山17によって切られたねじ溝とねじ山17を密着させて一体化させるタッピングねじ部14を有し、
このタッピングねじ部14は、鉄に、0.20%以上0.24%以下のカーボンを含む炭素鋼であって、前記タッピングねじ部14の、前記ねじ溝と密着させた部分の全長Lが5mm以上10mm以下、前記タッピングねじ部14の、前記ねじ山17を含まない外径Dが7mm以上11mm以下、前記ねじ山17の高さHは0.6mm以上1.0mm以下、前記ねじ山17の最大幅Wは0.2mm以上0.4mm以下、前記ねじ山17は断面が二等辺三角形で頂角αが20度以上45度以下、隣り合う前記ねじ山17の間隔P(ピッチ)は、1mm以上2mm以下で、表面を焼き入れし、前記タッピングねじ部14の表面から0.4mmまでの範囲のピッカース硬さが500HV以上で、前記タッピングねじ部14の表面から1.00mm以上中心部までの範囲のピッカース硬さが300HV以下で、前記ねじ山17を設けた部分の、前記ねじ山17を含まない外径Dと、前記ねじ山17の高さHと、前記ねじ山17の断面と、前記隣り合うねじ山17の間隔Pはいずれも一定であって、前記タッピングねじ部14の断面は円形であることを特徴とするねじ部材。
[実施例の構成]
〈構成1〉
鉄製の壁面に下孔を形成しその下孔にタップを立てるように挿入されるタッピングねじ部を有し、このタッピングねじ部は、鉄に、カーボンを0.18%〜0.26%含む炭素鋼であって、全長が5mm以上15mm以下、ねじ山を含まない外径が5mm以上15mm以下、ねじ山の高さは0.6mm以上1.0mm以下、ねじ山の最大幅は0.2mm以上0.4mm以下、ねじ山は断面がほぼ三角形で頂角が20度以上45度以下、隣り合うねじ山の間隔(ピッチ)は、1mm以上2mm以下で、表面を焼き入れし、ねじ山を含まないタッピングねじ部の表面から0.4mmまでの範囲に、中心部の硬さの2倍以上の硬化層を設けたことを特徴とするねじ部材。
構成1に記載のねじ部材において、上記炭素鋼は、鉄に、カーボンを0.20%〜0.24%含むことを特徴とするねじ部材。
構成1または2に記載のねじ部材において、上記タッピングねじ部の全長は、5mm以上10mm以下であることを特徴とするねじ部材。
構成1乃至3のいずれかに記載のねじ部材において、上記タッピングねじ部のねじ山を含まない外径が7mm以上11mm以下であることを特徴とするねじ部材。
構成1乃至4のいずれかに記載のねじ部材において、タッピングねじ部の表面から0.4mmまでの範囲のピッカース硬さが500HV以上で、タッピングねじ部の表面から1.00mm以上中心部までの範囲のピッカース硬さが300HV以下であることを特徴とするねじ部材。
図1(a)のねじ部材10は、特許文献1で紹介された構造のものである。その右側にはタッピングねじ部14を備え、左側には連結用ねじ部18を備え、中央には工具掛け部19を備えている。タッピングねじ部14の外周にはねじ山17が設けられている。このねじ部材10は、図1(b)に示すように、土留め12に沿って立てられたH鋼13にねじ込み固定される。
このねじ部材10は、工具掛け部19とタッピングねじ部14の間にテーパ接合部24を設けている。このねじ部材10をH鋼13にねじ込むと、テーパ接合部24により、工具掛け部19とH鋼13の間に若干の隙間が生じる。ここで、H鋼13の向きが、図示しないコンクリート型枠と正対しておらず、若干傾いているとする。このときは、連結用ねじ部18を叩いて連結用ねじ部18の向きを正しい方向に向ける。このとき、工具掛け部19とH鋼13の間に隙間があると、図4に示すように曲げやすくなる。
既に説明したように、ねじ山17の高さH、最大幅W、間隔(ピッチP)を上記の所定の寸法範囲に設定する。このねじ山17が、H鋼13の下孔16(図2)の内壁のねじ切りをする。H鋼13の下孔16にはねじ山17に対応するねじ溝が切られる。ねじ山17と下孔16のねじ溝とが密着しているとき、タッピングねじ部14に矢印Fの方向の引き抜き力が加わると、ねじ山17とH鋼13のねじ溝とには、それぞれ図の短矢印に示すような反力が加わる。
ねじ部材10は強度を保つために、図7(a)に示すように、表面焼き入れをして、外径が10mmのもので深さ0.1mm付近まで硬化層28を形成する。十分簡単に曲げ加工することができるように、必要最小限の深さについて焼き入れをする。これで、下孔にねじ込まれるときにねじ部がねじを切るための強度は十分に保持できる。その結果、図の(b)に示すように、ねじ山17を含むねじ部材10の表面が強化され、芯部30は柔軟性を保持する。例えば、表皮の硬化層28部分はピッカース硬さが650HV、芯部30部分は250HV程度になる。
図のように、中程度の硬さのH鋼では、引き抜き力を加えると、H鋼の下孔内でねじ山に挟まれた部分が塑性変形するため、ねじ山矢印Jに示すような曲げ応力が加わる。焼き入れによる硬化層は脆いため、図のようにねじ山の根元で破断が生じる。ねじ部材全体を焼き入れして強化すればこの問題は解決するが、それでは、上記の曲げ調整ができなくなる。また、無理に曲げようとすると割れが生じる。そこで、焼き入れにより強化する硬化層の厚さを最適化した。即ち、ねじ山を含まないタッピングねじ部の表面から0.4mmまでの範囲に、中心部の硬さの2倍以上の硬化層を設けた。
この実施例では、ねじ部材の外径を10mmとした。タッピングねじ部の表面から1.00mm以上、好ましくは0.6mm以上、中心部までの範囲のピッカース硬さが300HV以下とし、横断面から見て80〜90%の部分の強度を調整し曲げ特性を保持させている。一方、タッピングねじ部の表面から0.4mmまでの範囲のピッカース硬さが500HV以上になるように表面焼き入れ加工をした。これにより、中程度の硬さのH鋼に対して使用して、4t程度の引き抜き力を加えても、ねじ山が変形したり破損せず、耐え得ることがわかった。図のグラフの縦軸はピッカース硬さ(HV)、横軸は、ねじ部材の表面から中心方向の距離(mm)である。実線が実施例、破線は比較例である。比較例は、3.5tでねじ山が壊れてねじ部材が抜け落ちた。
それぞれ、寸法等の制約条件が実線で示されている。太線の部分は、鋼材のばらつきを考慮したときの安全圏の範囲である。この範囲で、引き抜き力が4tに耐えるものを実現できた。以上の説明のとおり、鉄製の壁面に下孔を形成しその下孔にタップを立てるように挿入されるタッピングねじ部を有するねじ部材を、所定の寸法範囲に設計することにより、電動工具によるねじ込み時の摩擦熱に影響を受けないものを得ることができた。また、表面焼き入れによる硬化層の厚さを調整することにより、取り付け後の曲げを許容しつつ、4tといった高い引き抜き力にも耐えるねじ部材を実現できた。
12 土留め
13 H鋼
14 タッピングねじ部
15 連結金具
16 下孔
17 ねじ山
18 連結用ねじ部
19 工具掛け部
20 パッキング
21 防水シート
24 テーパ接合部
28 硬化層
30 芯部
Claims (1)
- 鉄製の壁面に下孔16を形成し、作業者に支えられて使用される電動工具を装着する工具掛け部19を有し、前記下孔16にタップを立てるように挿入されるものであって、
前記下孔16に挿入され、前記下孔16にねじ山17によって切られたねじ溝とねじ山17を密着させて一体化させるタッピングねじ部14を有し、
このタッピングねじ部14は、鉄に、0.20%以上0.24%以下のカーボンを含む炭素鋼であって、
前記タッピングねじ部14の、前記ねじ溝と密着させた部分の全長Lが5mm以上10mm以下、
前記タッピングねじ部14の、前記ねじ山17を含まない外径Dが7mm以上11mm以下、
前記ねじ山17の高さHは0.6mm以上1.0mm以下、
前記ねじ山17の最大幅Wは0.2mm以上0.4mm以下、
前記ねじ山17は断面が二等辺三角形で頂角αが20度以上45度以下、
隣り合う前記ねじ山17の間隔P(ピッチ)は、1mm以上2mm以下で、
表面を焼き入れし、前記タッピングねじ部14の表面から0.4mmまでの範囲のピッカース硬さが500HV以上で、前記タッピングねじ部14の表面から1.00mm以上中心部までの範囲のピッカース硬さが300HV以下で、
前記ねじ山17を設けた部分の、前記ねじ山17を含まない外径Dと、前記ねじ山17の高さHと、前記ねじ山17の断面と、前記隣り合うねじ山17の間隔Pはいずれも一定であって、
前記タッピングねじ部14の断面は円形であることを特徴とするねじ部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007308193A JP4576417B2 (ja) | 2007-11-29 | 2007-11-29 | ねじ部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007308193A JP4576417B2 (ja) | 2007-11-29 | 2007-11-29 | ねじ部材 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010185941A Division JP5089740B2 (ja) | 2010-08-23 | 2010-08-23 | ねじ部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009133351A JP2009133351A (ja) | 2009-06-18 |
JP4576417B2 true JP4576417B2 (ja) | 2010-11-10 |
Family
ID=40865437
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007308193A Expired - Fee Related JP4576417B2 (ja) | 2007-11-29 | 2007-11-29 | ねじ部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4576417B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021120533A (ja) * | 2020-01-30 | 2021-08-19 | 鋭一 菅野 | 土留め壁の防水構造部材と防水工法と調整パイプ |
CN111609014A (zh) * | 2020-06-05 | 2020-09-01 | 四川联畅铁路工程有限公司 | 一种螺纹头锚栓 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001247937A (ja) * | 1999-05-21 | 2001-09-14 | Koji Onoe | 高強度ねじ及び高強度ねじ用鋼 |
JP2002089526A (ja) * | 2000-09-18 | 2002-03-27 | Iwata Bolt Kk | タッピンねじ |
JP2002089525A (ja) * | 2000-09-11 | 2002-03-27 | Shiga Fastener:Kk | ねじ釘 |
JP2007100741A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-19 | Nitto Seiko Co Ltd | タッピンねじ |
-
2007
- 2007-11-29 JP JP2007308193A patent/JP4576417B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001247937A (ja) * | 1999-05-21 | 2001-09-14 | Koji Onoe | 高強度ねじ及び高強度ねじ用鋼 |
JP2002089525A (ja) * | 2000-09-11 | 2002-03-27 | Shiga Fastener:Kk | ねじ釘 |
JP2002089526A (ja) * | 2000-09-18 | 2002-03-27 | Iwata Bolt Kk | タッピンねじ |
JP2007100741A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-19 | Nitto Seiko Co Ltd | タッピンねじ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009133351A (ja) | 2009-06-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8920093B2 (en) | Thread-furrowing screw | |
EP2501944B1 (en) | Fastener with hardened threads | |
EP2687735B1 (en) | Masonry screws | |
US9512868B2 (en) | Anchor fastening element | |
US20120180423A1 (en) | Yielding Rod to Counter Seismic Activity | |
CN109477383A (zh) | 一种抗腐蚀可缩锚杆 | |
JP4576417B2 (ja) | ねじ部材 | |
JP2006514235A (ja) | ねじ切りスクリュー | |
CN210660154U (zh) | 一种具有膨胀螺栓加固的锁脚锚杆支护结构 | |
US20190078618A1 (en) | Bearing Structural Member, Support, Joint Assembly and Tube Section Assembly | |
JP5089740B2 (ja) | ねじ部材 | |
JP2009138341A (ja) | 金属拡張アンカー | |
CN100378294C (zh) | 用于连接锚杆与钻孔机的装置 | |
CN109024582B (zh) | 加强型锚杆组件 | |
KR100540396B1 (ko) | 자천공 소일 네일 | |
EP2317160A2 (en) | Double-thread screw for concrete | |
US5286142A (en) | Reduced moment anchor hub | |
JP5003448B2 (ja) | 既設鉄筋コンクリート構造体のせん断補強構造 | |
AU2012101211A4 (en) | Screw fastener | |
JP4508854B2 (ja) | 杭とフーチングの接合構造 | |
JP4097643B2 (ja) | 地すべり防止杭の強度増強方法 | |
JPH01154917A (ja) | アンカー工の引張り材定着方法 | |
CN112431199B (zh) | 一种提高螺纹钢筋锚杆抗拔性能的施工方法 | |
CN215054010U (zh) | 一种装配式螺杆组件 | |
KR200337862Y1 (ko) | 재긴장형 앵커의 헤드 구조 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091026 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20100212 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20100507 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100511 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100712 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100804 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100823 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4576417 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160827 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |