JP4575877B2 - 掘削機 - Google Patents

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Description

本発明は、狭隘な施工現場に設置が可能であり、対象地盤を選ばず、掘削可能深度が大きなリバースサーキュレーション掘削機に関する。
鉄道駅舎にホームを増設したり、駅ビルを増改築する場合の基礎工や土留工は、鉄道の運行の障害とならないよう、また、電源を供給する架線に工事機械が接触しないようにしなければならないため、通常の施工機械に比較して地上部分の小さな掘削機が要求される。
そのような目的で開発された狭隘で、空頭の小さな施工現場に適用可能な杭穴形成用掘削機として、特許第2645976号公報に示されるものがある。これは、短尺リーダマストを起伏自在にし、左右にシリンダーによる昇降脚を設けた駆動装置に筒状回転軸の下方を下側に突出させて上下に貫通させて立上げ、この駆動装置をリーダマストのリーダに昇降自在に係合させ、スクリューオーガ軸等の掘削軸に形成した把持ドラムを前記筒状回転軸内周に係止可能としたものである。この掘削機は、回転軸内に上方より鋼管やオーガを吊り込み、回転軸の下部の把持ドラムに掘削軸を把持させて掘削をおこない、1ピッチ分下降すると回転軸とのロックを解き、回転軸を昇降脚によって押し上げ、尺取り虫式に掘削をおこなうものである。
しかしながら、この掘削機は、もり変え作業が煩雑であって時間がかかり、工期が長くなるという問題を抱えている。
また、リバースサーキュレーション方式で、掘削歯を内臓電動モータで駆動し、サクションポンプによって掘削土砂を排土する方式が提案されている。
特許2645976号公報
穴掘り用のリバースサーキュレーション掘削機は、掘削対象の地層が砂礫層の場合、礫が掘削ビットとリバースロッドの入口の間に詰まってリバースロッドを閉塞させることがあり、礫の除去のために掘削作業を停止し、掘削機を地上に上げて詰まった礫を除去しなければならず、これまた、施工効率を低下させるものであった。
また、サクションポンプによるリバースサーキュレーションの場合、揚程が50mを超えることができず、大深度の穴の掘削が困難であり、また、リバースロッドを継ぎ足す毎にサクションポンプによって真空を得るための始動時間が必要であり、この時間が水面からサクションポンプまでの距離が大きくなるにつれて長くなり、施工効率の低下を招いていた。
本発明は、狭隘な現場に設置できるのはもちろんのこと、掘削土砂の揚程を向上させ、適用土質を砂礫にまで拡大し、礫がリバースロッドに詰まらないようにして施工効率を向上させるものである。
リバースサーキュレーション掘削機のリバースロッドの先端内面に破砕用突起及び、回転掘削刃と共にリバースロッド内を回転する破砕歯を設けてリバースロッド入口で礫を破砕してリバースロッドでの礫の詰まりを防止し、砂礫質の掘削を可能としたものである。
更に、リバースサーキュレーションを油圧駆動のサンドポンプによっておこなうことにより、揚程を向上させ、砂礫質土壌地盤の掘削を効率的におこなえるようにしたものである。
油圧モータ等の駆動装置がビットの上部に設けてあり、また、油圧ユニットを地上部に設置し、掘削機本体をコンパクトにすることによって施工が容易におこなえるようにした。
本発明によれば、駅舎や鉄道線路内の低空頭の現場に基礎穴を形成する場合、地上部の設備がコンパクトであり、低い櫓を設置し、掘削土砂の処分についてもあまり大きな面積を必要としないので、列車の運行を邪魔することなく迅速に施工することが可能である。
リバースロッドの先端に礫破砕装置を設けたので、礫の詰まりが防止され、施工効率を向上させることができる。したがって、工期を短縮させ、工費を軽減することができる。
油圧モータ等の駆動装置をビットの上部に設けてあり、駆動源とビットを近接させることによって動力が効率的に掘削に使用されるようにした。また、油圧ユニットを地上部に設置し、掘削機本体をコンパクトにすることによって狭隘な現場での施工が容易におこなえるようにした。
実施例1
図1及び図2に示すように、掘削機1は、ロッド11の先端に取り付けて地中に吊り下げて掘削するものであり、ロッド11の先端にはリバースサーキュレーションに使用する固定パイプ12が固定され、固定パイプ12両側に油圧モータ2、2が設置されている。油圧モータ2の回転力は、ギアボックス20内のギアを介して固定パイプ12に回転可能に取り付けられたビット3に伝達されるものであり、ビットの上部に駆動装置が設けてあり、コンパクトにまとめてある。
ビット3は、掘削すべき地質に応じてそのタイプが選択されるものであり、本実施例は、三方向に延びるウィングビットである。ビット3の回転によって掘削された土砂は、掘削泥水と共に固定パイプ12の先端入口から吸い込まれ、油圧モータ40によって駆動される水中サンドポンプ4によって図の矢印に示されるように地上に送り出される。
油圧モータ2、ギアボックス20及び水中サンドポンプ4は、ハウジング内に収容されている。
固定パイプ12の先端には、図3に示すように礫等を破砕する破砕装置5が設けてある。破砕装置5は、固定パイプ12の内面に適宜の間隔で固定された固定歯51と、ビット3の基部から固定パイプ12内側に延び、ビット3の回転に伴って固定パイプ12の内周を旋回する破砕歯52からなり、固定歯51と破砕歯52によって固定パイプ12に吸い込まれる礫等は細かく破砕されるので、従来のように詰まることなく円滑に地上にまで送り出される。
ビット3の他の形状としては、図4(1)に示す砂礫層の掘削に好適な固定パイプ12を軸に回転すると共に各軸が自由回転する3軸のビット、または、図4(2)示す砂礫層や硬質地層の掘削に適した各軸が油圧モータで駆動される3軸ビットなどがある。図4(1)のビットの切削モーションは内トロコイド曲線であり、各ビットは公転運動による内外周の抵抗差によって自転する。図4(2)のビットの切削モーションは、エピトロコイド曲線であり、各ビットは独自に自転しながら公転する。
地上側には、図5に示すように、掘削機に油圧を供給する油圧ユニット6、掘削機1を保持して上下動させると共に、回転反力をとるリーダ7が設置してある。リーダ7は、高さが3m程度の比較的背の低いものであり、空頭が低い施工現場においても使用することができる。
掘削土砂は、サンドポンプ4でリバースロッド13、ベント管14、及びホース15を通って地上に送り出され、掘削土砂はマッドスクリーン8で水と土砂・礫に分離されて処分される。分離された水は循環タンクに9に戻され、調整されてサクションポンプ90によって掘削穴に戻されて循環する。
図6及び図7は、駅のホームまたは線路の間において基礎穴などを施工する場合の施工例を示すものである。
図6の例は、ホームの下の地盤面を掘削してピットを形成して掘削機1を設置し、施工中にホームに設置される障害物をできるだけ小さくして利用者の邪魔にならないようにしたものである。
図7の例は、線路の間にピットを形成し、ピット内にケーシングをスタンドパイプとしてピット底面に設置し、スタンドパイプ内に掘削機1を設置して掘削するものであり、列車の通過の障害とならないようにして施工効率を上げるものである。リーダは、傾倒可能なタイプを用いることによって搬入の際に架線等に接触しないようにする。
本発明の掘削機の正面図。 本発明の掘削機をリーダにセットした状態の正面図。 破砕装置の詳細断面図。 ビットの種類の説明図。 本発明の掘削機を使用した施工システムの概念図。 駅舎における掘削の具体例を示す概念図。 線路間を掘削する具体例の概念図。
符号の説明
1 掘削機
12 固定パイプ
2 油圧モータ
3 ビット
4 水中サンドポンプ
5 破砕装置
51 固定歯
52 破砕歯

Claims (3)

  1. リバースサーキュレーション掘削機において、先端部に破砕装置が設けてあり、この破砕装置は、リバースサーキュレーション用の固定パイプの先端内面に適宜の間隔で固定された固定歯と、固定パイプを軸に回転するビットの基部から固定パイプ内側に延び、ビットの回転に伴って固定パイプ内を旋回する破砕歯からなるものであるリバースサーキュレーション掘削機。
  2. 請求項1において、リバースサーキュレーションを水中サンドポンプによっておこなうものであるリバースサーキュレーション掘削機。
  3. 請求項1において、ビットの上部に駆動装置が設けてあるリバースサーキュレーション掘削機。
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