JP4574893B2 - 導体検出装置 - Google Patents
導体検出装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4574893B2 JP4574893B2 JP2001135150A JP2001135150A JP4574893B2 JP 4574893 B2 JP4574893 B2 JP 4574893B2 JP 2001135150 A JP2001135150 A JP 2001135150A JP 2001135150 A JP2001135150 A JP 2001135150A JP 4574893 B2 JP4574893 B2 JP 4574893B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tool
- sensor
- detection
- toroidal coil
- case
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
- Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、検出領域に導体が存在するか否かを検出するための導体検出装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、数値制御機能及び自動工具交換機能を備えたマシニングセンタなどの自動工作機械を実際に使用するに当たっては、作業者の工数低減及びタクトタイムの短縮による生産性の向上や、不良品発生数の低減による歩留まりの向上が大きな関心事であり、中でも、ドリルやバイトなどの工具の折損をオンラインで確実に検出することは、生産性や歩留まりの向上を図る上で重要な課題となっている。特に、工作機械を無人運転する場合には、工具の折損をオンラインで検出することが必須の要件となってくる。このような要求に対処し得る工具の折損検出方法としては、従来より以下▲1▼〜▲4▼に示すような手段が考えられている。
【0003】
▲1▼ 工具先端とワークとの電気的接触を検出する手段、
▲2▼ 工具先端とワークとの機械的接触により開閉される電気的接点を内蔵したセンサを用いる手段、
▲3▼ 工具先端部を磁気的に検出するセンサを用いる手段、
▲4▼ 工具先端部そのものを機械的に検出するセンサを用いる手段。
【0004】
これらの手段のうち▲1▼の例を図18及び図19に示す。これら図18及び図19において、マシニングセンタ1のワークテーブル(定盤)2上に載置されるセンサ3は、上下に導電金属製の接点板4a、4bが設けられた絶縁材料製のケース4内に、当該接点板4a、4b間に直列接続された状態の発光ダイオード5、電池6、抵抗7を配置したもので、発光ダイオード5は、その点灯状態を外部から目視可能に配置されている。このセンサ3は、マシニングセンタ1に装着された工具8の長さをプリセットするために使用されるもので、その工具8の先端が接点板4aに接触した状態で、図18及び図19中に矢印で示すように、電池6からの電流が抵抗7、発光ダイオード5、接点板4b、ワークテーブル2、マシニングセンタ1、工具8、接点板4aを通じて流れるようになり、これに応じた発光ダイオード5の点灯を作業者が確認するものである。このようなセンサ3において、上記のように流れる電流を上位コントローラに伝えるように構成すると共に、センサ3の高さ寸法を、マシニングセンタ1に装着された正常な長さの工具8が予め決められた停止位置まで下降されたときに当該工具8の先端が接点板4aの上面に接触するように設定しておけば、上位コントローラ側で工具8の先端部の折損をオンライン検出できる。
【0005】
しかしながら、このような構成では、マシニングセンタ1の主軸用のベアリングにセラミックが使用されていた場合に、前記電流経路が遮断された状態になるため、工具8の折損をオンライン検出することが実現不可能になる。また、上記ベアリングが金属製であったとしても、ベアリングや工具先端部に、錆、油膜、酸化膜といった電気的抵抗として作用する物質が付着した状態では、前記電流経路に流れる電流が不安定になって、その検出信頼性が低下するという問題点も出てくる。しかも、検出動作時に工具8が回転したままであると、センサケース4上面の接点板4aが徐々に削られてしまうため、検出動作時には工具8の回転を止める必要があるが、このように検出動作時に工具8の回転を一々停止させることは、タクトタイムの短縮を図る上で重大な制約になるものであり、このような制約も実用上の欠点になってくる。従って、このようなセンサ8は、マシニングセンタ1の自動運転時における工具8の折損検出という用途に適さない。
【0006】
前記▲1▼のような手段の他の例としては、特公平2−60963号公報に記載された「工作機械の接触検出装置」がある。このものには、工具と工作物(ワーク)とが相互に接触したことを検出するために、工具、工作物及び当該工作物の支持体(ベッド、テーブルなど)によって形成される電流経路の一部を取り囲むように2個のトロイダルコイルを設け、一方を交流電圧が印加される励磁コイルとし、他方を上記励磁コイルによる誘導電流を検出する検出コイルとして利用する構成が開示されている。
【0007】
このような構成によれば、工具を回転させたままの状態でその折損検出を行える点がタクトタイムの短縮を図る上で合理的であるが、主軸用のベアリングにセラミックが使用されている場合に適用できず、また、前述したような電流経路の不安定要素が存在することは変わりがないので、その電流経路に流れる誘導電流が不安定になって、その検出信頼性が低下するという問題点は解消できない。特に、このものでは、工具先端が工作物に接触したにも関わらず、それを検出できなかった場合には工具をさらに前進させることになるため、フェイルセーフ機能を得ることが本質的に困難であって、工具及び工作物の双方を破損させるという重大な結果を招く可能性があった。また、工作物が樹脂の場合には工具の折損検出が全く不可能になるという問題もある。
【0008】
一方、前記▲2▼のような手段の例としては、特許第2967210号公報に記載された「タッチセンサ」がある。このものは、高精度の再現性を持つ可動接点を、先端にコンタクトを有する測定軸の変位に応じて動作させる構成としたものであり、前述した▲1▼の手段の例のように、電流経路の不安定要素に起因して検出信頼性が低下する事態を招くことがないというメリットがある。しかしながら、上記タッチセンサは、機械的な可動接点を持つ構成であるため、その接点部の開閉回数が限度値を越えると接点溶着などの不具合を招く可能性が高くなるという事情があり、寿命に対する信頼性が低くなるという欠点がある。また、可動接点に金属の切り粉などが付着して動作不良を招く可能性も否定できない。さらに、工具の折損検出を行うためには、その回転を止めねばならないので、タクトタイムの短縮を図る上で不利になる。しかも、可動接点をオン状態にするためには、工具側から測定軸を通じて比較的大きな力を作用させねばならないので、直径が0.3mm以下程度の折れやすい小径ドリル(マイクロドリル)の折損検出には不向きになるなど、検出可能対象が限定されるという欠点もある。
【0009】
前記▲3▼のような手段の例としては、所謂電磁近接センサの原理を使ったリング状構造の金属通過検出センサがある。このセンサは、密に巻いたループコイルの電気的特性が、その内周領域に工具先端が近接するのに伴い変化する現象を検出する構成のものであり、図20に示すような回路構成とされる。この図20において、ループコイル11の両端には、共振用コンデンサ12aを備えた発振回路12が接続される。この発振回路12は、一定の周波数で発振するようになっており、その発振出力は、検波・増幅回路13、直流成分をカットするための微分回路14を介して比較回路15に与えられる。この場合、ループコイル11内に工具先端部が進入すると、そのループコイル11のコンダクタンスが増加するため、発振回路12の発振条件(特にはQ)が変化して振幅が低下(若しくは発振停止)する。このような振幅の変化を、検波・増幅回路13で抽出すると共に、その微小変化分を微分回路14により検出し、その検出値が比較回路15にて所定のしきい値レベル以下になったか否かを判断し、しきい値レベル以下となったときに出力回路16からスイッチング出力を発生する。
【0010】
上記のような金属通過検出センサに用いられるループコイル11にあっては、一般的に、検出対象の工具の形状が小さい場合には、その出力信号の変化量は非常に微少になる。この一方で、発振回路12の発振出力の振幅は、センサ用ケーブル長の影響や、回路自身の温度ドリフトの影響を受け、また、検波・増幅回路13に通常使用されているダイオードの順方向電圧降下の温度特性の影響により検波後の電圧レベルにも変動を来たすという事情があり、直流動作における不確定且つ不安定な要素を含むことが避けられない。このため、工具先端部がループコイル11内に進入したときの微小な出力信号の変化よりも、上記のような不確定且つ不安定な要素に起因した振幅変動の方が大きくなる場合があり、検出信頼性が著しく低下することになる。このような事情に対処するために、微分回路14が設けられている。
【0011】
しかしながら、このような金属通過検出センサでは、以下のような問題点が発生する。即ち、
(a)原理的に、ループコイル11内に工具先端部が進入するときにその出力信号の変化特性がシャープにならないため、工具先端部の位置を明確に検出できない。
(b)ループコイル11を収納したセンサケース(図示せず)の内周面に付着した金属切り粉の影響を受けやすく、動作が不安定になる。
(c)検出対象工具の材質が同じであっても、その工具の進入速度に応じて微分出力値が異なるため、工具の検出位置(検出タイミング)がばらつく場合があり、検出信頼性が低下する。
(d)検出対象工具の材質(特には磁性の有無)によってその検知位置が大きく異なってくる。
(e)検出対象工具の大きさによって感度が大きく異なるため、感度調整が必要になる。
(f)周囲の金属製構造物の影響を受けやすく、複数のセンサを設ける場合には相互干渉が発生して検出特性が悪化する恐れがある。
(g)ループコイル11を収納したセンサケース(図示せず)は非磁性材料 (一般的にはアルミニウム)で構成しなければならないが、特に、センサケースの内周面は、感度向上のために樹脂のみで構成する必要があるので、その機械的強度やシール性、耐食性などに問題が発生する場合がある。例えば、シール性が阻害されて内部に水が浸入したときには、ループコイル11のレヤショートが発生して感度が著しく変化してしまう。
【0012】
従って、この金属通過検出センサは、工具の折損検出には不向きであり、特に小径の工具の折損検出には適さない。つまり、一般的に、工具は小径であるほど工具長が短く、検出位置特性が厳密に求められるためである。例えば、図21(a)に示すようなマイクロドリル(寸法の一例を示した:単位はmm)にあっては、小径の刃の部分が折損して図21(b)に示す状態となったときには、全体の体積変化がきわめて小さいため、その折損検出が非常に困難になる。要するに、この種の金属通過検出センサは、比較的緩やかな検出位置特性を持つため、例えばネジのような金属部品の通過検出といった用途に使われるものであり、工具の折損を検出する用途に使う場合には、比較的大きい形状の工具の位置を大雑把に検出するという使い方にならざるを得ない。
【0013】
前記▲4▼のような手段の例としては、空気を吐出するノズル部を設け、その空気の流れが工具の近接により変化したときの圧力変動を検出するセンサが実用化されているが、このものでは、検出出力の応答性が遅いこと(通常1〜2秒程度)や、システムが大掛かりになるという欠点がある。また、適正な検出出力を得るための調整が微妙で、空気圧源の特性変化(汚れやポンプ部分の経年変化など)に影響されやすいため、そのメンテナンスのために空圧システムについての専門知識が必要なるという問題点がある。
【0014】
以上のように、前記▲1▼〜▲4▼の手段を採用した工具の折損検出装置では、何れも一長一短があるものであり、この点が未解決の課題となっていた。
【0015】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成にて応答性の良い良好な検出特性を得ることができると共に、検出対象の拡大並びに検出信頼性の向上を実現でき、さらには、寿命に対する信頼性の向上やメンテナンスの簡単化なども同時に実現できる導体検出装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載した手段を採用できる。この手段によれば、導体検出動作を行う場合には、例えば、トロイダルコイルの全周を包囲した中空のリング形状に形成されたシールドケースの導電金属部分と、そのシールドケースにより包囲された空間部に臨む位置に当該シールドケースとの間に絶縁層を介した状態(直流的に絶縁された状態)で設けられた電極との間に交流電圧を印加する。この状態で、シールドケースにより包囲された空間部に検出対象物である導体が近接していない場合には、電極から絶縁層を経由してシールドケースに交流電流が流れるが、そのシールドケースには、トロイダルコイルの軸心を通る断面形状領域に1箇所以上の非導通部分が形成されているから、トロイダルコイルを貫通する電流は全く流れない。従って、導体が近接していない場合には、トロイダルコイルの両端に電圧が現れることがなく、検出動作は行われない。
【0017】
この状態から、シールドケースにより包囲された空間部に対し導体が進入して、その先端が電極に近付くと、電極と導体の先端部との間の結合容量が増加する。すると、その結合容量及び導体を通じてトロイダルコイルを貫通する電流が流れるため、当該トロイダルコイルの両端には、電磁誘導作用により印加交流電圧と同じ周波数の交流電圧が誘起されるようになり、以て導体の検出動作が行われる。
【0018】
請求項2記載の手段によれば、上述のようにシールドケースの導電金属部分と電極との間に交流電圧を印加する電源装置が設けられていると共に、トロイダルコイルの両端に誘起される交流電圧を検出する検出回路が設けられているから、その検出回路からの出力に基づいて導体の有無を容易に判断できる。
【0019】
請求項3記載の手段によれば、トロイダルコイルは交流電源から印加される交流電圧により励磁状態とされる。この励磁状態で、シールドケースと同電位とされた導体が、当該シールドケースにより包囲された空間部に進入して、その先端が電極に近付くと、電極と導体の先端部との間の結合容量が増加する。すると、電極から、その結合容量、導体、シールドケース及び絶縁層を介して電極へ戻る閉回路が形成されて、その閉回路に電磁誘導作用による電流が流れる。従って、このように流れる電流を検出回路で検出することにより、導体の有無を容易に判断できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1実施例を図1ないし図10を参照しながら説明する。
図3には本発明による導体検出装置の原理的構成図が示されている。この図3は、工作機械のワークテーブル上に載置されるセンサユニット21を半割り状態で示しており、環状コアに対しコイルを複数ターン巻回して成るトロイダルコイル22は、これを物理的に保護すると共に静電シールドの役目を果たすセンサケース23(本発明でいうシールドケースに相当)内に収納されている。尚、トロイダルコイルのコイルターン数は1ターン以上あれば良い。上記センサケース23は、トロイダルコイル22の全周を包囲した中空のリング形状に形成されており、外周縁部の隅部がその全体に渡って開口した形状の導電金属製の環状ケース23Aと、この環状ケース23Aにおける上記開口部分にこれを閉鎖するように設けられた絶縁材料製の環状枠部23Bとを一体化した構成となっている。つまり、センサケース23は、トロイダルコイル22の軸心を通る断面形状領域に非導通部分(環状枠部23B部分)が形成された導電金属製の環状ケース23Aを主体とした構造とされている。
【0021】
上記センサケース23の下面側には、当該センサケース23と同軸状のリング形状に形成された絶縁材料製のスペーサ24(本発明でいう絶縁層に相当)が固定される。このスペーサ24には、その外周縁部の全体に渡って開口した溝部24aが同心状に形成されており、その溝部24a内にリング形状の電極25が収納されている。これにより、上記電極25は、その内周縁部を前記センサケース23により包囲された空間部Wに臨ませた状態で、当該センサケース23と直流的に絶縁された状態で設けられている。
尚、この実施例では、スペーサ24をリング形状としたが、単純な円板形状とした構成、つまり、センサケース23により包囲された空間部Wの下方を当該スペーサ24により閉鎖した構成としても良いものであり、このような構成の採否は検出対象の種類に応じて適宜に選択することができる。
【0022】
図4には、図3のように構成された導体検出装置の原理的構成及び動作原理図が示されている。この図4において、センサケース23はグラウンド端子に接続され、電極25は発振回路26(電源装置に相当)からの高周波交流電圧が印加されるように接続され、さらにトロイダルコイル22の両端はアンプやフィルタ回路などを含む信号処理回路27(検出回路に相当)に接続される。このような構成において、センサケース23により包囲された空間部W(センサケース23の中空部分)に対し工具28の近接が全くない場合を考える。この状態では、電極25からスペーサ24を経由してセンサケース23の環状ケース23Aに交流電流が流れるが、その環状ケース23Aには非導通部分である環状枠部23Bが存在するため、上記交流電流は、図4中に矢印Aで示すようにグラウンド端子へ流れ込むようになる。このため、トロイダルコイル22を貫通する電流は全く流れない。従って、工具28の近接がない場合には、トロイダルコイル22の両端に電圧が現れず、信号処理回路27からの出力電圧はゼロである。尚、工具28が取り付けられたマシニングセンタ29は、実質的にグラウンドされた状態にある。
【0023】
この状態から、センサケース23により包囲された空間部Wに対し工具28が進入して、その先端が電極25に近付くと、電極25と工具28の先端部との間の結合容量Cが増加する。すると、図4に矢印Bで示すように、その結合容量C及び工具28を通じてトロイダルコイル22を貫通する電流が流れるため、当該トロイダルコイル22の両端には、電磁誘導作用により発振回路26と同じ周波数の交流電圧が誘起されるようになり、その交流電圧が信号処理回路27により増幅されて出力される。従って、信号処理回路27の出力に基づいて工具28の近接を検出することができる。尚、図6及び図7には、上記のような動作原理を簡明に理解できるようにした模式図及び等価的な電気的構成図を示した。これら図6及び図7から、工具28がない場合には、二次側回路となるトロイダルコイル22に誘導電流が流れないため、信号処理回路27からの出力電圧はゼロになることが分かる。
【0024】
この場合、工具28が空間部W内に進入していくに当たって、その進入度合いが浅い状態時には、導電金属製の環状ケース23Aの内周壁がシールドの役目を果たすため、工具28にはほとんど電流が流れない。この状態から、工具28の先端部が電極25と同一平面付近よりもさらに深く進入し出すと、電極25と工具28の先端部との間にシールド作用を果たす物体がなくなるため、両者間の結合容量Cが急激に増えるようになり、これに応じて工具28に流れ込む電流が急増するようになる。
【0025】
このような電流の急増現象が起きるということは、原理的に、工具28先端部の検出特性をシャープにできることを意味し、しかも、工具28先端部の検出位置を電極25と同一平面付近のポイントに明確に特定できるという検出特性が得られることを意味する。また、工具28が近接していない状態で信号処理回路27からの出力電圧をゼロにできるということは、その信号処理回路27の感度を上げても工具28の近接がなければ出力電圧がゼロのままであることを意味する。従って、この性質は、工具28先端部の検出特性をシャープにする上できわめて有益になり、しかも、信号処理回路27に多少のドリフトがあった場合でも本質的に安定した検出動作を行い得るようになるなど、ループコイルを用いて、コンダクタンスの微少な変化を検出する従来のセンサ(図20参照)とは根本的に違うメリットが得られる。
【0026】
つまり、本実施例の構成によれば、工具28の先端部の位置を明確に検出できるようになる。従って、上記ポイントの位置(電極25の位置)を、マシニングセンタ29に装着された正常な長さの工具28が予め決められた停止位置まで下降されたときに当該工具28の先端部が当該ポイントより少し下の位置に設定しておけば、その停止位置での信号処理回路27の出力を上位コントローラ側でチェックすることにより工具28の先端部の折損を確実且つ容易に検出できることになる。しかも、信号処理回路27の感度を上げることが可能であると共に、工具28の有無を非接触検出する構成であるから、直径が0.3mm以下程度の折れやすい小径ドリル(マイクロドリル)の折損検出も、その折損を招くことなく確実に行い得る。
【0027】
また、電極25と工具28の先端部との間の結合容量Cは、工具28の回転に関係しないから、工具28の折損検出を行う際に、従来構成のように工具28の回転を止める必要がなくなる。従って、本実施例の構成によれば、タクトタイムの短縮を図る上できわめて有益になり、マシニングセンタ29のような工作機械における工具の折損検出を行う用途に適したものとなる。
【0028】
さらに、トロイダルコイル22に貫通電流が流れるか否かは、工具28の位置によって絶対的に決まるものであって、工具28の先端部の検出を、その進入速度とは直接関係なく行い得るようになるから、工具28の先端部を検出する位置(検出タイミング)がばらつく恐れがなくなり、結果的に、本実施例の構成によれば、検出信頼性の向上を実現できるようになる。
【0029】
また、本実施例の構成によれば、トロイダルコイル22に貫通電流が流れるのは、工具28の先端部が、センサケース23により包囲された空間部W内に所定深さに進入したときだけであるから、周囲に金属製構造物が接近した状態でもその影響を受けることがなくなり、複数のセンサユニット21を互いに近付けた場合でも相互干渉に起因した検出特性の悪化を来たす恐れがなくなる。
【0030】
ところで、上記のようなセンサユニット21においては、電極25と検出対象物(工具28)との間の結合容量Cは非常に小さい値(数pF以下)になるので、その結合容量Cを通じた電流経路のインピーダンスを低くするために、発振回路26による励磁信号の周波数を比較的高い値(100kHz〜数MHz程度)に設定することになる。この周波数の選定には、トロイダルコイル22用のコアの特性、信号処理回路27内のアンプを構成するICの特性、信号取出用ケーブルの特性などを考慮することになる。また、励磁信号の周波数を十分に高めることにより、トロイダルコイル22のコイルターン数を少なくしても(1〜10ターン程度)、結合容量Cを通じた電流経路のインピーダンスを実用上十分な状態とすることが可能になる。そして、このようにコイルターン数を少なくした場合には、トロイダルコイル22を粗巻きすることができ、従って厚い絶縁被覆を備えたコイル導線を利用しても全体が大型化する恐れがなくなる。この結果、万一、内部に水が浸入した場合でも、これに起因したレヤーショートを未然に防止できるなど、寿命に対する信頼性を高め得るようになる。また、励磁信号の周波数を高めた場合には、信号処理回路27側の応答速度が速くなるという利点が出てくる。
【0031】
以上の説明から、本実施例によるセンサユニット21の検出対象は、導電体であれば良いことが分かる。この場合、工具28と電極25との間の容量結合のインピーダンスを比較的高く(数100〜数100kΩ程度)できるのに対して、工具28の材質が変わった場合における当該工具28側での抵抗値変化量はごくわずか(1Ω程度)であるから、その抵抗値変化による影響がほとんどなく、従って、工具28が他の材質のものに交換された場合でも常に良好な検出特性を得ることができる。勿論、工具28の磁気特性の影響を受けることもない。
【0032】
さて、図8には、センサユニット21の内周面に金属製切り粉のような異物Fが付着したときの影響を説明するための図が模式的に示されている。このように導電性の異物Fが付着した場合、電極25からスペーサ24を経由した交流電流が異物Fを通じて流れるが、その電流は環状ケース23Aの内周側を経由してグラウンド端子に流れ込むようになるから、結果的に、異物F及び環状ケース23Aを流れる各電流が相殺されることになって、トロイダルコイル22を貫通する電流は全く流れない。従って、金属製切り粉のような異物Fが付着した場合でも、工具28の先端部を誤検知することがなくなり、従来構成のような動作が不安定になる恐れがなくなる。また、センサユニット21の内周面に水などが付着した場合も同様である。但し、異物Fにより電極25と環状スペーサ23Aの内周側が短絡された状態となったときには、電極25の電圧振幅が低下して感度の低下を招くので、その電極25は、空間に露出させることなく絶縁体で表面を覆うことが望ましい。
【0033】
図9及び図10には、マシニングセンタ29における主軸用ベアリング部分で導通不良があるときの影響を説明するための図が模式的に示されている。図9において、マシンニングセンタ29のベアリング29aにセラミックが使用されている場合、或いはベアリング29aの金属ボールの表面に油膜が付着して導通が絶たれた場合には、その状態での電気的構成を等価的に示すと図10のようになる。即ち、工具28が取り付けられた加工ヘッド29bは、マシニングセンタ29の本体と直流的な導通はないが、ベアリング29a部分での浮遊容量結合やセラミックそのものが誘電体となってコンデンサを形成することになる。ベアリング29aにセラミックが使用されている場合、そのセラミックの比誘電率は5〜10程度であるから、空気によるコンデンサ形成状態よりも容量が5〜10倍程度高くなる。そして、上記のように形成されるコンデンサの結合容量の総計CBは、電極25と工具28との間の結合容量CA に対して非常に大きくなるので、それら結合容量CA 及びCB を通じた電流経路のインピーダンスは、ほとんど結合容量CA で決まることになる。従って、結果的には、結合容量CBの影響をほとんど無視できるので、ベアリング29aにセラミックが使用されている場合においても通常時とほとんど変わりないことが分かる。また、ベアリング29aの金属ボールの表面に油膜が付着して導通が阻害された場合には、金属ボール同士が非常に近接した状態、つまりごく薄い油膜を介してコンデンサが形成される状態になるから、上記結合容量CB がさらに増大することになり、影響は一段と小さくなる。
【0034】
一方、図2には、図3に原理的構成を示したセンサユニット21の実際の構成例が示されている。この図2において、センサケース23は、トロイダルコイル22を収納するための環状凹部30aを有した導電金属製のケース本体30と、このケース本体30の外周縁部の上面に嵌め込まれた環状絶縁枠31と、上記環状凹部30aをOリング32a、32bを介して閉鎖する環状の導電金属製上部カバー33と、ケース本体30の下面に固定される環状の導電金属製下部カバー34とにより構成されている。この場合、上部カバー33は、内周側がケース本体30の内周壁部上に載置され且つ外周側が環状絶縁枠31上に載置された状態にてネジ止め手段或いは圧入手段などにより固定されるものである。尚、上記ケース本体30及び上部カバー33によって図3に示した環状ケース23Aが構成され、上記環状絶縁枠31が図3に示した環状枠部23Bに相当するものである。
【0035】
また、下部カバー34もネジ止め手段或いは圧入手段などにより固定されるものであり、その下部カバー34とケース本体30との間に、スペーサ24及び電極25を収納するための凹部(符号なし)が形成される。尚、スペーサ24及び電極25は予め一体成形(インサート成形)しておくことができる。また、スペーサ24と上記凹部の底壁部(ケース本体30の内周面)との間には、Oリング35a、35bが介挿される。ケース本体30の外側壁には、クランプ金具36、ゴムブッシュ37及びブッシュナット38を介してシールド線から成るセンサケーブル39が連結される。そして、このセンサケーブル39は、そのシールド導体(外部導体)がケース本体30(環状ケース23A)に接続され、互いにシールドされた3本の芯線のうちの1本が電極25に接続され、他の2本がトロイダルコア22の両端に接続される。
【0036】
このような構成とされたセンサユニット21にあっては、水などの進入を阻止する必要がある部分に、防水に対する信頼性が高いOリング32a、32b、35a、35bを使用できるから、無理のない構成で頑丈且つシール性が高い構造とすることができる。また、センサユニット21は、単純な形状の部品を組み合わせた構成で済むから、その使用部品を適宜に選択することにより、耐熱性、耐振動性、防水性などを大幅に高めることが可能になる。
【0037】
ここで、センサユニット21を構成する部品について考察すると、まず、電極25は単に電圧を印加するだけのものであるから、アルミニウム、銅、黄銅、鉄、ステンレスなどの導電性金属であれば良く、耐環境性、コスト、機械的強度などを考慮して適宜に選択することになる。また、センサケース23のケース本体30、上部カバー33、下部カバー34も全く同じ材質で問題ない。スペーサ24や環状絶縁体31のための絶縁材料も各種の樹脂が使用可能であるが、工作機械のクーラントに対する耐性などを考慮する必要がある。トロイダルコイル22のためのコアの材料としては、高周波特性、耐環境性、コストパフォーマンスに優れ、しかも最も入手しやすいフェライトを使用できる。但し、フェライトコアは衝撃により割れやすいという問題があるため、実際には、トロイダルコア22を収納した環状凹部30a内に衝撃緩和用の樹脂をポッティングするという対策を施すことが望ましい。この他のコア材料としては、アモルファス合金或いはパーマロイといった高周波特性や耐蝕性に優れた金属磁性体などを使用することができる。
【0038】
尚、本実施例では、電極25、ケース本体30などを円環形状とすることによりセンサユニット21を全体として円環形状となるように構成したが、必ずしもこのような円環形状とする必要なく、矩形のリング形状など、多様な形状を採用できるものである。
【0039】
図1には、センサユニット21のための前記発振回路26及び信号処理回路27を含む回路ユニット40の構成例が示されている。この図1において、回路ユニット40の一対の入力端子P1、P2には、トロイダルコイル22の両端がセンサケーブル39を介して接続され、また、回路ユニット40の出力端子Qには、電極25がセンサケーブル39を介して接続される。尚、センサケーブル39のシールド導体は、回路ユニット40における回路グラウンド端子(内部アース端子)に接続されている。
【0040】
回路ユニット40において、発振回路26によって生成された高周波励磁信号は、バッファ41を介した後に出力端子Qから出力される。この場合、回路ユニット40の内部アース端子は、周辺機器のアース端子に交流的に接地されており、従って、回路グラウンドから見た励磁信号電圧は、機器接地レベルから見た電極25の電圧に等しくなる。また、トロイダルコイル22から入力端子P1、P2を通じて入力されたセンサ検出信号は、信号処理回路27に与えられる。この信号処理回路27においては、増幅回路41及びバンドパスフィルタ42によって必要な信号のみが増幅された後に、整流回路43及びローパスフィルタ44によって直流化される。このようにローパスフィルタ44から直流化された状態で出力される信号電圧Vsが、工具28のセンサユニット21に対する進入状態を表す信号となる。
【0041】
上記信号電圧Vsは、コンパレータ45及び46において基準電圧V1及びV2(V1≠V2)とそれぞれ比較され、各比較出力をホトカプラ47及び48により取り出すことによりスイッチング出力を得る構成となっている。そして、上位コントローラでは、このスイッチング出力を読み取ることにより工具28の有無(折損)を検出する。
尚、回路ユニット40の電源は、外部の交流電源49からの出力により所定レベルの±直流電圧に生成する二電源用のAC/DCコンバータ50により得る構成となっている。
【0042】
ここで、上記のような回路ユニット40とセンサユニット21とを接続するセンサケーブル39には、大きなレベルの高周波励磁信号と微小レベルのセンサ検出信号とが混在するので、互いの信号線(センサケーブル39の芯線)は厳重にシールドしてクロストークの発生を抑える必要がある。また、センサ検出信号を直流化するためのローパスフィルタ44のカットオフ周波数は、高周波励磁信号の1/100程度以下であれば、実用上十分に低いリップルの直流信号を得ることができる。つまり、励磁信号の周波数が200kHzであれば、カットオフ周波数は2kHz以下にすれば良い。この場合、回路ユニット40におけるセンサ検出信号に対する応答時間は、このローパスフィルタ44の特性でほとんど決まるので、その応答時間を10m秒以下にすることはきわめて容易になる。また、センサ検出信号をローパスフィルタ44で直流化した後に、そのレベル判定を行うことになるから、マシニングセンタ29に使用されているモータなどの存在に起因したサージ電圧が平均化されることになり、この種のノイズに対し本質的に耐久性がある構成となる。このような耐ノイズ特性は、モータを多用する工作機械においてきわめて有益な特性となる。
【0043】
ここで、図1の回路ユニット40では、二つのコンパレータ45、46を使用すると共に、それらの比較対象基準電圧V1及びV2のレベルを異ならせた状態として感度を変える構成としているが、これは検出対象(工具28)の外径により検出位置が若干量だけ異なってくるという現象を補正することを目的としたものである。従って、特に必要がなければコンパレータを一つだけ設ける構成としても良く、また、このようにコンパレータを一つだけ設ける場合に、基準電圧を複数段階に切り替えることにより感度を複数段階に調整できる構成とすることも可能である。
【0044】
尚、ここまでの実施例説明では、図4で示した動作原理に基づいた各部の構成について説明したが、これとは異なる動作原理を示す図5のように、トロイダルコイル22の両端に発振回路26からの高周波交流電圧を印加する構成も可能である。このようにトロイダルコイル22を励磁した場合、工具28が取り付けられたマシニングセンタ29側は接地電位レベルになっているため、トロイダルコイル22を貫通した状態の工具28に対し、電極25との間の結合容量Cを介して電磁誘導作用による電流が流れる。従って、このように流れる電流を信号処理回路27で検出することにより、工具28のセンサユニット21に対する進入状態を検出できるようになる。
【0045】
(第2の実施の形態)
図11には本発明の第2実施例による導体検出装置の原理的構成及び動作原理図が示されており、以下これについて第1実施例と異なる部分のみ説明する。 この第2実施例では、センサケース23の内周側に、円筒状の絶縁材料製スペーサ51内に埋め込まれた状態の円筒状電極52を設けた構成としている。この場合、工具28が近接していない状態では、電極52からセンサケース23へ電流が流れるだけであるが、一旦トロイダルコイル22を貫通した電流も全て逆方向に戻るため、それらの電流が互いに相殺されるようになる。このため、トロイダルコイル22から信号電圧が出力されることはない。この状態から工具28の先端部がセンサケース23により包囲された空間部Wに進入したときには、工具28及び電極52間の結合容量Cが急激に増大する。
【0046】
従って、このような構成の本実施例によれば、前記第1実施例と同様の特長を維持しつつ、工具28の先端部の検出位置を容易に認識可能なセンサケース23の端面付近に設定できるというメリットがあり、実用性を高め得るようになる。
特に、小径ドリルのような工具は全長が短いことがあるので、このようなメリットはきわめて有用になる。また、前記第1実施例の構成では、トロイダルコイル22のコアの厚みが工具28の先端部の検出位置を左右することになるので、その厚さ寸法を余り大きくできないとう事情があったが、この第2実施例の構成によれば、コアの厚さ寸法に関係なく検出位置をセンサケース23の端面付近に設定できるから、設計上の自由度が向上するようになる。
【0047】
尚、円筒状の電極52に代えて、図12に示すように、センサケース23の端面(工具28の進入側端面)付近に位置した円板状の電極53を設ける構成としたり、図13に示すように、縦断面形状がL字状の円筒状電極54を設ける構成としても同様の作用・効果を奏するものであり、要するに、電極形状は、検出位置特性や作りやすさなどを考慮して種々設定できるものである。
【0048】
(その他の実施の形態)
図14に示す第3実施例のように、センサユニット21の下方に、当該センサユニット21により包囲された空間部Wに向けてエアを吹き出すためのアダプタ55を設ける構成としても良い。この構成によれば、センサユニット21の内周面及び後部28に付着した切り粉や水などを吹き飛ばすことができるから、工作機械を長時間無人運転する場合などにおいて非常に便利になる。
【0049】
尚、工作機械を長時間無人運転する場合には、図14に示した第3実施例の構成でも対応できない可能性がある。このような場合には、図15に示す第4実施例のように、先端にセンサケース23の内径より小さいスポンジ或いはフェルト状の材料より成る清掃部材56aを取り付けた清掃用工具56を用意し、この清掃用工具56を工作機械の自動工具交換機能により加工ヘッドに装着してセンサケース23の内周を掃除する構成としても良い。
【0050】
図16に示す第5実施例のように、工作機械の多軸ヘッド57に対応して複数のセンサユニット21を設ける使用法も可能である。本実施例のセンサユニット21は、前述したように互いに近付けた状態で複数設けた場合でも相互干渉に起因した検出特性の悪化を来たす恐れがなく、且つ周囲に金属製構造物が接近した状態でもその影響を受けることがないから、このような使用法であっても全く支障がない。因みに、インダクタンスの変化を見る形式のセンサではお互い干渉し合うと共に、周囲構造物の影響を受けるから実現困難である。
【0051】
センサユニット21の検出対象は、導電体であれば良いから、例えば図17に示す第6実施例のように、タンク58内の導電性液体59(水でも可)のレベル検知も可能となる。但し、センサユニット21が取り付けられる液位検知用の分岐管58aは、電気的な絶縁性が十分に高い材質でなければならない。同様に、水性インクが充填されたサインペンの通過検出や、非導電性のパイプ(例えば樹脂パイプ、木製パイプなど)の内部を流れる導電性液体(水、或いは水溶液、醤油、ソース、ジュース、酒などの食品)の有無などの検出も可能になる。
【0052】
その他、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、以下のような変形や拡大が可能である。
センサユニット21は、比較的軽量にできるので、必ずしもワークテーブル上に載置する必要はなく、工作機械の加工ヘッド周辺に装着してタクトタイムの短縮を図ることも可能である。但し、センサユニット21を固定・移動するための機構が必要になる。
1個の環状枠部23B(環状絶縁枠31)を設けることにより、トロイダルコイ22ルの軸心を通る断面形状領域に1箇所の非導通部分を形成する構成としたが、このような非導通部分は複数箇所存在しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すセンサユニット縦断面図及び回路ユニットの構成図
【図2】センサユニットの実際の構成例を示す縦断面図
【図3】センサユニットの原理的構成を示すために半割り状態で示す斜視図
【図4】原理的構成及び動作原理図
【図5】図4とは異なる例を示す原理的構成及び動作原理図
【図6】動作原理を簡明化した模式図
【図7】動作原理を示す等価的な電気的構成図
【図8】作用説明用の図4相当図その1
【図9】作用説明用の図4相当図その2
【図10】作用説明用の図7相当図
【図11】本発明の第2実施例を示す原理的構成及び動作原理図
【図12】変形例を示す原理的構成図
【図13】異なる変形例を示す原理的構成図
【図14】本発明の第3実施例を示す要部の概略的縦断面図
【図15】本発明の第4実施例を示す要部の側面図
【図16】本発明の第5実施例を示す要部の概略的斜視図
【図17】本発明の第6実施例を示す要部の概略的縦断面図
【図18】第1の従来例を示す全体の側面図
【図19】同従来例の要部を模式的に示す縦断側面図
【図20】第2の従来例を示す回路構成図
【図21】同従来例での検出対象の一例を示す側面図
【符号の説明】
21はセンサユニット、22はトロイダルコイル、23はセンサケース(シールドケース)、24はスペーサ(絶縁層)、25は電極、26は発振回路(電源装置)、27は信号処理回路(検出回路)、28は工具、29はマシニングセンタ、30はケース本体、31は環状絶縁体、52、53、54は電極を示す。
Claims (3)
- 1ターン以上巻回されたトロイダルコイルと、
このトロイダルコイルの全周を包囲した中空のリング形状に形成され、当該トロイダルコイルの軸心を通る断面形状領域に、1箇所以上の非導通部分が、当該断面形状領域において前記トロイダルコイルを貫通する電流経路を遮断する位置に形成された導電金属を主体としたシールドケースと、
このシールドケースにより包囲された空間部に臨む位置に、当該シールドケースの少なくとも一部が前記空間部に望む位置に面した状態で、当該シールドケースとの間に絶縁層を介した状態で設けられた電極とを備えたことを特徴とする導体検出装置。 - 前記シールドケースの導電金属部分と前記電極との間に交流電圧を印加する電源装置と、
前記トロイダルコイルの両端に誘起される電圧を検出する検出回路とを備えたことを特徴とする請求項1記載の導体検出装置。 - 前記トロイダルコイルの両端に交流電圧を印加する電源装置と、
前記電極に流れる電流を検出する検出回路とを備えたことを特徴とする請求項1記載の導体検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001135150A JP4574893B2 (ja) | 2001-05-02 | 2001-05-02 | 導体検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001135150A JP4574893B2 (ja) | 2001-05-02 | 2001-05-02 | 導体検出装置 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002328002A JP2002328002A (ja) | 2002-11-15 |
JP2002328002A5 JP2002328002A5 (ja) | 2008-04-03 |
JP4574893B2 true JP4574893B2 (ja) | 2010-11-04 |
Family
ID=18982670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001135150A Expired - Lifetime JP4574893B2 (ja) | 2001-05-02 | 2001-05-02 | 導体検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4574893B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007150733A (ja) * | 2005-11-28 | 2007-06-14 | Visteon Japan Ltd | タッチセンサスイッチ装置 |
WO2017078110A1 (ja) * | 2015-11-04 | 2017-05-11 | 株式会社アミテック | 変位検出装置 |
JP2021130139A (ja) * | 2020-02-18 | 2021-09-09 | 大船企業日本株式会社 | スピンドル下降距離情報検出機構及びスピンドル下降距離情報検出機構を組み込んだ基板加工装置 |
Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5183989U (ja) * | 1974-12-27 | 1976-07-06 | ||
JPS5429176A (en) * | 1977-08-08 | 1979-03-05 | Hitachi Ltd | Device for detecting breakage in tool |
JPS61131808A (ja) * | 1984-11-27 | 1986-06-19 | Toshiba Corp | ドリル折損検出装置 |
JPH06150183A (ja) * | 1992-11-05 | 1994-05-31 | Yokogawa Electric Corp | 信号伝送装置 |
JPH07100735A (ja) * | 1993-09-30 | 1995-04-18 | Omron Corp | ドリル用センサ及びそれを用いたドリル状態監視装置 |
JPH07333248A (ja) * | 1994-06-06 | 1995-12-22 | Multi Keisokki Kk | 接触式電流計 |
JPH0821881A (ja) * | 1994-07-06 | 1996-01-23 | Meisei Electric Co Ltd | 長尺埋設物の探知方法 |
JPH08321237A (ja) * | 1995-05-24 | 1996-12-03 | Omron Corp | 近接スイッチ |
JP2000205807A (ja) * | 1999-01-08 | 2000-07-28 | S G:Kk | 長尺状導電性移動体の通過検出装置 |
JP2001035327A (ja) * | 1999-07-22 | 2001-02-09 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 静電容量型近接センサ |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS646767A (en) * | 1987-03-05 | 1989-01-11 | Fuji Electric Co Ltd | Current detector |
-
2001
- 2001-05-02 JP JP2001135150A patent/JP4574893B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5183989U (ja) * | 1974-12-27 | 1976-07-06 | ||
JPS5429176A (en) * | 1977-08-08 | 1979-03-05 | Hitachi Ltd | Device for detecting breakage in tool |
JPS61131808A (ja) * | 1984-11-27 | 1986-06-19 | Toshiba Corp | ドリル折損検出装置 |
JPH06150183A (ja) * | 1992-11-05 | 1994-05-31 | Yokogawa Electric Corp | 信号伝送装置 |
JPH07100735A (ja) * | 1993-09-30 | 1995-04-18 | Omron Corp | ドリル用センサ及びそれを用いたドリル状態監視装置 |
JPH07333248A (ja) * | 1994-06-06 | 1995-12-22 | Multi Keisokki Kk | 接触式電流計 |
JPH0821881A (ja) * | 1994-07-06 | 1996-01-23 | Meisei Electric Co Ltd | 長尺埋設物の探知方法 |
JPH08321237A (ja) * | 1995-05-24 | 1996-12-03 | Omron Corp | 近接スイッチ |
JP2000205807A (ja) * | 1999-01-08 | 2000-07-28 | S G:Kk | 長尺状導電性移動体の通過検出装置 |
JP2001035327A (ja) * | 1999-07-22 | 2001-02-09 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 静電容量型近接センサ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002328002A (ja) | 2002-11-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN110036303B (zh) | 漏电检测装置 | |
US5489888A (en) | Sensor system for contactless distance measuring | |
US6777930B2 (en) | Sequentially non-destructive thickness measurement | |
CN107957529B (zh) | 用于测试高压电容式套管组合件的电流连接的方法和装置 | |
EP3249363B1 (en) | Inductive transducer shielding method | |
JP2010216863A (ja) | 近接センサ | |
CN108572304B (zh) | 用于检测x射线设备中的高电压闪络的方法和x射线设备 | |
JPH0756442B2 (ja) | 容量性距離測定用センサ装置 | |
EP3228975A1 (en) | Eddy current sensor | |
JP2021130139A (ja) | スピンドル下降距離情報検出機構及びスピンドル下降距離情報検出機構を組み込んだ基板加工装置 | |
JP4574893B2 (ja) | 導体検出装置 | |
EP0595366B1 (en) | Linear displacement transducer particularly useful for hydraulic and pneumatic cylinders | |
US20150042343A1 (en) | Object finder | |
JP2021119362A (ja) | 渦電流式変位計 | |
US11446758B2 (en) | Insulation part and laser machining head with insulation part detecting sensor | |
JP4025864B2 (ja) | 工作機械用接触検出方法およびその装置 | |
US4703235A (en) | Brushless DC motor | |
EP1946872A2 (en) | Electric discharge machining apparatus | |
JP2017122672A (ja) | 渦電流センサおよびそれを備えたツールホルダ装着状態検出装置並びに方法 | |
JP4397508B2 (ja) | ノズルの静電容量検出方法及びノズルの静電容量検出センサ及びレーザ加工機のノズル | |
CN109000550B (zh) | 线圈磁场屏蔽式接近传感器 | |
JP2001356179A (ja) | 導体検出装置 | |
JPH0334256B2 (ja) | ||
JP2003025083A (ja) | レーザ加工装置およびその動作制御方法 | |
JPH07171743A (ja) | 加工品加工用ノズル |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080220 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080220 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100608 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100707 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100803 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100819 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4574893 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |