JP2000205807A - 長尺状導電性移動体の通過検出装置 - Google Patents

長尺状導電性移動体の通過検出装置

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JP2000205807A
JP2000205807A JP11003180A JP318099A JP2000205807A JP 2000205807 A JP2000205807 A JP 2000205807A JP 11003180 A JP11003180 A JP 11003180A JP 318099 A JP318099 A JP 318099A JP 2000205807 A JP2000205807 A JP 2000205807A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺状導電性移動体の通過を、その通過位
置、磁気特性、太さ、温度、電気抵抗値、周辺設備の状
況などに影響されることなく高感度で検出できるように
すること。 【解決手段】 線材圧延設備に設けられたガイド18間
に設定された検出ポイント19には、線材17の通過経
路を包囲し且つ互いに同軸状となるように第1及び第2
のトロイダルコア22a及び23aが配置される。第1
のトロイダルコア22aに巻回された第1のコイル22
bには、電源装置24から比較的高い周波数の交流電流
が供給される。このような交流電流の供給状態では、線
材17の先端部分が検出ポイント19を通過した状態
で、第2のトロイダルコア23aに巻回された第2のコ
イル23bに電流が流れるようになり、この電流が検出
回路25により検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄製の線材などの
ような導電性移動体の通過を非接触検出するための長尺
状導電性移動体の通過検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、鉄製の細物線材の製造ラインに
おいては、加熱炉で赤熱した鉄の塊(ビレット)を複数
のロール圧延スタンドで順次圧延加工しながら搬送する
ことによって、その断面積を徐々に減少させるようにし
ており、各圧延スタンド間には、加工中の線材を案内す
るためのパイプ形状のガイド(長さ寸法:数十cm〜1m
程度)を配置して、当該線材をその長さ方向へ直線的或
いは曲線的に導くようにしている。この場合、各ガイド
間には数mm〜数cm程度の隙間が開いているものであり、
その隙間を通じて線材の通過の有無を非接触検出するよ
うにしている。
【0003】このような検出を行う目的は、クロップシ
ャーなどの付帯設備と同期してシステムを効率良く動作
させると共に、線材の加工経路において詰まりなどの異
常が発生したときに、製造システムを早期に停止させて
歩留まりの向上や設備の保護或いは危険防止を図るため
である。従って、上記のような線材の通過を検出するた
めに設けられる装置にあっては、その信頼性を十分に高
める必要があり、従来では、このような線材の通過検出
装置として、線材からの輻射熱(赤外線)を検出する形
式のものが一般的に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように線材からの輻射熱を検出する構成の通過検出装置
では、その検出距離、検出対象の線材の線径及び温度に
応じて感度が変化することが避けられないため、感度調
整が面倒になったり、センサヘッドの位置決めが難しく
なってその位置合わせ作業が面倒になるという問題点が
あった。また、圧延設備には、水による冷却手段が設け
られているため、その水が線材に降り懸かった直後の状
態時などには、部分的な温度低下現象が生じて線材の温
度を検出する動作が不正確になる場合があり、これが信
頼性の低下を招くことになる。さらに、線材を案内する
ガイド自体が当該線材からの熱により温度上昇した場合
には、このガイドからの熱を誤検出する可能性が出てく
るものであり、この面からも信頼性の低下を招く恐れが
ある。
【0005】一方、このような問題点を回避可能な手段
としては、例えば磁気的手段により鉄製の線材の通過を
非接触検出する構成が考えられる。しかしながら、上記
線材は、赤熱された状態で圧延されるものであって、そ
の温度が鉄のキュリー点温度(770℃)を超えた80
0〜1000℃に達するため、そのような温度を維持し
ている期間は磁性を失った状態となり、実際には実現不
可能である。
【0006】上記問題点を回避可能な他の手段として
は、線材に磁束を鎖交させたときの渦電流発生を利用す
る手段も考えられる。しかしながら、このような手段で
は、実際には磁束を収束させることが困難になるため、
磁束発生手段を含むセンサの有効径と検出対象の線材径
(太さ)との比が大きい状態では大幅な感度の悪化を招
く。また、線材が赤熱した状態では、その電気抵抗値が
高くなって渦電流レベルが低くなるため、感度がさらに
悪化することになる。しかも、感度を上げるために発生
磁束を大きくすると、周辺部材(ガイドなど)を誤検出
する可能性が高くなり、また、センサケースに金属を使
えないため、耐熱性をクリアできなくなる恐れも出てく
る。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、長尺状導電性移動体の通過を、その
通過位置、磁気特性、太さ、温度、電気抵抗値、周辺設
備の状況などに影響されることなく高感度で検出できる
と共に、面倒な感度調整を不要にでき、しかも、設置時
の位置合わせ作業を簡単化できると共に、耐熱性を容易
にクリア可能な構造を実現できるなどの有益な効果を奏
する長尺状導電性移動体の通過検出装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載した手段を採用できる。この手段によ
れば、第1のトロイダルコアに巻回された第1のコイル
に対し電源装置から交流電流を流した状態において、当
該第1のトロイダルコア及びこれと同軸状に配置された
第2のトロイダルコアにより包囲された状態の検出ポイ
ント(長さ方向に搬送される長尺状の導電性移動体の通
過ポイント)に導電性移動体が存在しないときには、上
記第2のトロイダルコアに巻回された第2のコイルには
ほとんど電流が流れない。
【0009】これに対して、第1のコイルに交流電流を
流した状態において、搬送経路で接地(アース接地は勿
論のこと、筐体接地も含む概念である)された状態の導
電性移動体の先端部分が前記検出ポイントを通過した場
合、その先端部分は浮遊容量を介して等価的に接地され
た状態(交流接地状態)を呈しているため、当該導電性
移動体に第1のコイルに流れる交流電流に応じた誘起電
流が流れるようになる。すると、第2のコイルに上記誘
起電流に応じた電流が誘起されるようになり、この誘起
電流を検出回路が検出するようになる。つまり、前記検
出ポイントを導電性移動体が通過した瞬間に、第1のコ
イルが送信コイルとして機能すると共に、第2のコイル
が受信コイルとして機能するようになって、検出回路に
よる検出電流がほぼ零から急激に増加するものであり、
このような電流変化に基いて、導電性移動体が検出ポイ
ントを通過したか否かを確実且つ高感度で検出できるよ
うになる。しかも、上記のように導電性移動体の通過に
応じて検出回路による検出電流がほぼ零から急激に増加
する関係上、面倒な感度調整を不要にできることにな
る。
【0010】この場合、導電性移動体が上記検出ポイン
ト(つまり、第1及び第2のトロイダルコアの空心領
域)のどこを通過する場合でも第2のコイルに流れる電
流が大きく変化することになるから、その導電性移動体
の通過位置の如何に拘らず高感度の検出動作を行い得る
ようになって、当該導電性移動体が振動しながら搬送さ
れるような状況にも対応できることになる。また、導電
性移動体に誘起される電流を利用して検出動作を行う構
成であるから、当該導電性移動体の磁気特性や周辺設備
の状況に影響される恐れが全くなくなると共に、その導
電性移動体の太さや電気抵抗値の影響もほとんどなくな
るという利点もある。しかも、実際に検出ポイントに設
置するに当たっては、その検出ポイントと第1及び第2
のトロイダルコアの位置とを一致させるだけで良いか
ら、その位置合わせ作業を容易に行い得るようになる。
【0011】さらに、検出ポイントにおいて導電性移動
体や第1及び第2のトロイダルコアなどに水が降り懸か
った場合でも、検出動作に影響を受けることが全くない
から、検出信頼性が向上するようになる。また、高周波
電流でも動作可能であるから、外殻ケースの磁気特性を
考慮する必要がなくなり、しかも、通過検出装置の外殻
ケースを金属により形成しても支障がないから、耐熱性
を容易にクリア可能な構造を確実に実現できるようにな
る。
【0012】この場合、請求項2記載の発明のように、
前記第1のコイルに対して、前記電源装置から高周波電
流が供給される構成とした場合には、導電性移動体の先
端部分が検出ポイントを通過した状態時、つまり、当該
先端部分が浮遊容量を介して等価的に接地された状態時
において、その接地インピーダンスが大幅に小さくな
る。この結果、第2のコイルに流れる電流のレベルが相
対的に大きくなって、検出感度が向上するようになる。
【0013】また、請求項3記載の発明のように、前記
導電性移動体が、接地された状態で配置された導電材料
製の複数のガイドにより案内されながら長さ方向に搬送
される構成とされ、そのガイド間に前記検出ポイントが
設定される構成となっていた場合には、第1のコイルに
対し交流電流を流した状態において、導電性移動体の先
端部分が、前記検出ポイントを通過した後にガイドに接
触した状態となったときに、当該導電性移動体に流れる
誘起電流のレベルが、上記先端部分が浮遊容量を介して
等価的に接地された場合に比べて大きくなるため、検出
感度が一段と向上するようになる。尚、この場合には、
検出ポイントを通過した導電性移動体の先端部分がガイ
ドに接触しなくても、当該先端部分と導電性移動体との
間を等価的に接続する浮遊容量の値が相対的に大きくな
るから、検出感度を十分に向上させ得るものである。さ
らに、検出ポイントの両側に位置するガイドを比較的近
接させた状態で設けた場合でも、それらガイドの存在が
検出動作に影響を及ぼす恐れがなくなるから、実用上の
制約が小さくなる。
【0014】前記目的を達成するために請求項4に記載
した手段を採用することもできる。この手段によれば、
導電性移動体の検出ポイントに当該導電性移動体の通過
経路を包囲した状態で配置された筒状の電極体に対し、
電源装置から所定電位レベルの交流電圧が印加される。
この電圧印加状態において、電極体内に導電性移動体が
存在しないときには、第1及び第2のトロイダルコアに
それぞれ巻回された第1及び第2のコイルに電流が流れ
ることはない。
【0015】これに対して、電極体に交流電圧が印加さ
れた状態において、搬送経路で接地(アース接地は勿論
のこと、筐体接地も含む概念である)された状態の導電
性移動体の先端部分が前記電極体内に進入すると、その
先端部分と電極体との間が浮遊容量を介して等価的に接
続された状態(交流結合状態)となり、また、上記導電
性移動体の先端部分が前記検出ポイントを通過した場
合、その先端部分は浮遊容量を介して等価的に接地され
た状態(交流接地状態)を呈しているため、当該導電性
移動体に対し、上記電極体から各接地部分(導電性移動
体の先端側の接地部分及び後端側の接地部分)に向けて
それぞれ交流電流が流れるようになる。この結果、第1
及び第2のトロイダルコアにそれぞれ巻回された第1及
び第2のコイルに上記導電性移動体に流れる交流電流に
応じた電流が誘起されるようになり、この誘起電流が検
出回路により検出されるようになる。この場合、それら
第1及び第2コイルは、和動動作するように接続されて
いるから、前記検出ポイントを導電性移動体が通過した
瞬間に、第1及び第2のコイルを通じて大きな誘起電流
が流れるようになって、検出回路による検出電流が零か
ら急激に増加するものであり、このような電流変化に基
いて、導電性移動体が検出ポイントを通過したか否かを
確実且つ高感度で検出できるようになる。しかも、上記
のように導電性移動体の通過に応じて検出回路による検
出電流が零から急激に増加する関係上、面倒な感度調整
を不要にできることになる。
【0016】この場合、導電性移動体が上記検出ポイン
ト(つまり、第1及び第2のトロイダルコアの空心領域
及び電極体内)のどこを通過する場合でも第1及び第2
のコイルに誘起される電流が大きく変化することになる
から、その導電性移動体の通過位置の如何に拘らず高感
度の検出動作を行い得るようになって、当該導電性移動
体が振動しながら搬送されるような状況にも対応できる
ことになる。また、導電性移動体に誘起される電流を利
用して検出動作を行う構成であるから、当該導電性移動
体の磁気特性や周辺設備の状況に影響される恐れが全く
なくなると共に、その導電性移動体の太さ、温度、電気
抵抗値などの影響もほとんどなくなるという利点もあ
る。しかも、実際に検出ポイントに設置するに当たって
は、その検出ポイントと第1及び第2のトロイダルコア
並びに電極体の位置とを一致させるだけで良いから、そ
の位置合わせ作業を容易に行い得るようになる。
【0017】さらに、検出ポイントにおいて導電性移動
体や第1及び第2のトロイダルコアなどに水が降り懸か
った場合でも、検出動作に影響を受けることが全くない
から、検出信頼性が向上するようになる。しかも、導電
性移動体に外部からの電流が流れるような状況下でも、
その外部電流により第1及び第2のコイルに誘起される
電流の方向が逆方向になって打ち消し合うようになるか
ら、上記のような外部電流による悪影響を抑止できるよ
うになる。また、通過検出装置の外殻ケースを金属によ
り形成しても支障がないから、耐熱性を容易にクリア可
能な構造を実現できるようになる。
【0018】この場合、請求項5記載の発明のように、
前記電極体に対して、前記電源装置から高周波電圧が印
加される構成とした場合には、導電性移動体の先端部分
が検出ポイントに到達した状態時、つまり、当該先端部
分と電極体との間が浮遊容量を介して等価的に接続され
た状態時において、その接続インピーダンスが大幅に小
さくなる。この結果、第1及び第2のコイルに流れる電
流のレベルが相対的に大きくなって、検出感度が向上す
るようになる。
【0019】請求項6記載の発明のように、前記導電性
移動体が、接地された状態で配置された導電材料製の複
数のガイドにより案内されながら長さ方向に搬送される
構成とされ、そのガイド間に前記検出ポイントが設定さ
れる構成としても良い。このような構成によれば、電極
体に交流電圧を印加した状態において、導電性移動体の
先端部分が一方のトロイダルコアを通過した後に上記電
極体内に進入して、その先端部分と電極体との間が浮遊
容量を介して等価的に接続された状態となったときに、
その電極体から導電性移動体及びガイドを通じて交流電
流が流れるのに応じて、上記トロイダルコアに巻回され
たコイルに電流が誘起されるようになり、この誘起電流
が検出回路により検出されるようになる。従って、導電
性移動体の先端部分が電極体内に進入した時点で検出動
作を行うことが可能になる。また、導電性移動体の先端
部分が、前記検出ポイントを通過した後にガイドに接触
した状態となった場合において、当該導電性移動体に対
し、上記電極体から検出ポイントの両側に位置した各ガ
イドのそれぞれに向けて交流電流が流れるようになるた
め、和動動作するように接続された第1及び第2のコイ
ルに電流が誘起されるようになり、結果的に検出感度が
向上するようになる。また、この場合には、検出ポイン
トの両側に位置するガイドを比較的近接させた状態で設
けた場合でも、それらガイドの存在が検出動作に影響を
及ぼす恐れがなくなるから、実用上の制約が小さくな
る。
【0020】前記目的を達成するために請求項7に記載
した手段を採用することもできる。この手段によれば、
トロイダルコアに巻回されたコイルに対し電源装置から
交流電流を流した状態において、当該トロイダルコアに
より包囲された状態の検出ポイントに導電性移動体が存
在しないときには、上記コイルには比較的小さな電流が
流れるだけである。
【0021】これに対して、コイルに交流電流を流した
状態において、ガイドを介して接地或いは搬送経路で接
地された状態の導電性移動体の先端部分が前記検出ポイ
ントを通過して、他のガイドに接触すると、当該導電性
移動体に上記コイルに流れる交流電流に応じた誘起電流
が流れるようになる。つまり、当該導電性移動体が、変
圧器における二次巻線と同等の機能を果たすようになっ
て、コイルに流れる交流電流が増大するようになり、こ
のようにコイルに流れる電流を検出回路が検出するよう
になる。これにより、検出回路による検出電流が急激に
増加するものであり、このような電流変化に基いて、導
電性移動体が検出ポイントを通過したか否かを確実且つ
高感度で検出できるようになる。しかも、上記のように
導電性移動体の通過に応じて検出回路による検出電流の
変化を検出する構成となっている関係上、面倒な感度調
整を不要にできることになる。
【0022】この場合、導電性移動体が上記検出ポイン
ト(つまり、トロイダルコアの空心領域)のどこを通過
する場合でもコイルに流れる電流が大きく変化すること
になるから、その導電性移動体の通過位置の如何に拘ら
ず高感度の検出動作を行い得るようになって、当該導電
性移動体が振動しながら搬送されるような状況にも対応
できることになる。また、導電性移動体に電流を流すこ
とにより検出動作を行う構成であるから、当該導電性移
動体の磁気特性や周辺設備の状況に影響される恐れが全
くなくなると共に、その導電性移動体の太さ、温度、電
気抵抗値などの影響もほとんどなくなるという利点もあ
る。しかも、実際に検出ポイントに設置するに当たって
は、その検出ポイントとトロイダルコアの位置とを一致
させるだけで良いから、その位置合わせ作業を容易に行
い得るようになり、また、装置全体を小形化できるか
ら、ガイド間に設定される検出ポイントの幅が小さい場
合でも容易に対処可能になる。その上、検出ポイントの
両側に位置するガイドがきわめて近接した状態で配置さ
れる場合でも、そのガイドの存在が検出精度に影響を与
えることがないから、実用上の制約が小さくなる。
【0023】さらに、検出ポイントにおいて導電性移動
体やトロイダルコアなどに水が降り懸かった場合でも、
検出動作に影響を受けることが全くないから、検出信頼
性が向上するようになる。また、電源装置の周波数を高
くする必要がないから、その構成を簡略にできる利点も
ある。
【0024】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明を細物線材圧延設備における線材通過検出装置に適用
した第1実施例について図1ないし図4を参照しながら
説明する。図4には、細物線材圧延ラインの一般的なレ
イアウト例が概略的に示されている。この図4におい
て、細物線材圧延ラインは、加熱炉1からデスケーラー
2を介して送り出されたビレット3を圧延するための圧
延設備4に対して、線材精整設備5を直結した構成とな
っている。尚、上記圧延設備4及び線材精整設備5は、
実際には加熱炉1に対応して複数ライン(例えば4ライ
ン程度)設けられるものであるが、図4では1ラインの
み示している。
【0025】上記加熱炉1には、例えば115mm角のビ
レット3がクレーン、台車、移載機、プッシャなど(何
れも図示せず)を介して供給される。加熱炉1にて10
00℃程度に赤熱されたビレット3は、表面に付着した
スケールをデスケーラー2にて除去した後に圧延設備4
に供給される。
【0026】圧延設備4は、例えば7スタンドの粗圧延
機列6、ロータリクロップシャー7、例えば4スタンド
の第1中間圧延機列8、例えば4スタンドの第2中間圧
延機列9、クロップシャー10、例えば10スタンドの
仕上圧延機列11をこの順に並べた構成となっている。
【0027】加熱炉1及びデスケーラー2を通じて供給
されたビレット3は、粗圧延機列6において軸回りに回
転されながら圧延された後に、棒状或いは線状となった
圧延品の欠陥端部がロータリクロップシャー7により除
去される。第1中間圧延機列8でも、圧延品を軸回りに
回転させながら圧延して線材を形成するものであり、第
2中間圧延機列9では、垂直方向及び水平方向の圧延を
交互に行うことにより、製品精度の寸法(例えば直径5
mm程度以上)を有した線材を形成する。尚、このように
第1中間圧延機列8を経て形成された線材、並びに第2
中間圧延機列9を経て形成された線材が、本発明による
検出対象である長尺状の導電性移動体となるものである
が、上記粗圧延機列6を経た後の線材或いは棒材を検出
対象とすることもできる。
【0028】この第2中間圧延機列9で形成された線材
は、その欠陥端部がクロップシャー10により除去され
た後に、仕上圧延機列11において垂直方向及び水平方
向の圧延が交互に行われ、この後に線材精整設備5に供
給される。
【0029】線材精整設備5は、水冷帯12、レイング
式巻線機13、強制空冷帯14、ループコレクタ15、
自然空冷帯16をこの順に配置した構成となっている。
水冷帯12においては、圧延設備4から供給された線材
を、水の量を調整しながら均一に冷却するものであり、
レイング式巻線機13は、水冷帯12を経た線材をルー
プ状にフォーミングしながら強制空冷帯14に供給す
る。この強制空冷帯14は、走行コンベヤ(図示せず)
の下方に例えば10スタンド程度のブロア14aを列状
に配置した直接熱処理装置として構成されており、その
走行コンベヤ上に前記レイング式巻線機13によって非
同心円状に展開されながら供給されるループ状線材を、
ブロア14aによって下方から強制空冷する。
【0030】ループコレクタ15は、強制空冷帯14に
て熱処理されたループ状線材をタブ(図示せず)に収納
することにより収束するものであり、このように収束さ
れた線材はタブから取り出された後に、フックコンベヤ
(図示せず)を備えた自然空冷帯16にて自然冷却され
た後に、所定の位置にストックされる。
【0031】しかして、上記のような細物線材圧延ライ
ンにおいては、各圧延機列の圧延スタンド間に、加工中
の線材を案内するためのパイプ形状のガイド(長さ寸
法:数十cm〜1m程度)を配置して、当該線材をその長
さ方向へ直線的或いは曲線的に導くようにしている。こ
の場合、各ガイド間には数mm〜数cm程度の隙間が開いて
いるものであり、その隙間を通じて線材の通過の有無を
非接触検出するための手段が設けられる。
【0032】図1には、上記のような検出手段の構成が
実体的に示されている。即ち、図1において、前記圧延
設備4中には、長さ方向に搬送される線材17(本発明
でいう導電性移動体に相当)を案内するためにパイプ形
状の導電金属製ガイド18が複数個が配置されるもので
ある。隣接するガイド18間の空隙部は、検出ポイント
19として利用されるものであり、この検出ポイント1
9に、本発明の対象である通過検出装置20の検出ヘッ
ド部21が配置される構成となっている。尚、上記ガイ
ド18は筐体接地された状態で配置されるものである。
【0033】上記検出ヘッド部21は、検出ポイント1
9に前記線材17の通過経路を包囲し且つ互いに同軸状
となるように配置された第1及び第2のトロイダルコア
22a及び23aと、これら第1及び第2のトロイダル
コア22a及び23aにそれぞれ巻回された第1及び第
2のコイル22b及び23bとを備えた構成となってい
る。尚、上記第1及び第2のトロイダルコア22a及び
23aは、キュリー点温度が高く且つ高周波特性が良好
な材料(例えばアモルファス磁性材料)によって形成す
ることが望ましい。
【0034】通過検出装置20は、前記検出ヘッド部2
2の他に、前記第1のコイル22bに交流電流を流す電
源装置24と、前記第2のコイル23bに流れる電流を
検出するための検出回路25とを備えた構成となってい
る。この場合、上記電源装置24は、比較的高い周波数
(例えば数十KHz〜数百KHz)の交流出力を発生す
る電圧源24aと、この電圧源24aの出力を第1のコ
イル22bの両端に印加するドライバ24bとによって
構成されている。
【0035】また、上記検出回路25は、第2のコイル
23bの両端からの電圧出力を増幅する増幅回路25a
と、その増幅回路25aによる増幅出力を整流する整流
回路25bと、この整流回路25bからの出力電圧を基
準電圧Vsと比較するコンパレータ25cとを備えた構
成となっている。
【0036】尚、前記検出ヘッド部21は、例えば図2
及び図3に示すような構造となっている。即ち、図2は
検出ヘッド部21の側面図、図3は図2中のA−A線に
沿った部分の断面図を示すものである。これら図2及び
図3において、検出ヘッド部21は、リング状をなす例
えばステンレス製のコア保持部26の両側に、同じくリ
ング状をなすステンレス製の一対の端板27を複数個の
ねじ28により固定した構成となっており、上記コア保
持部26の対向側面には、前記第1及び第2のトロイダ
ルコア22a及び23aを収納するためのリング状溝部
26a及び26bが同心状に形成されている。また、コ
ア保持部26の内周縁には、リング状突条部26cが形
成されており、この突条部26cと前記一対の端板27
との間には、例えばセラミックより成る一対の絶縁材2
9が埋め込まれている。この場合、上記リング状突条部
26cの端面は、絶縁材29の内周端面より若干量だけ
突出した形態に構成されており、これにより、セラミッ
ク製の絶縁材29が線材17と直接的に接触して破損す
る事態を抑止するようにしている。
【0037】上記のように構成された通過検出装置20
の動作内容は以下の通りである。即ち、第1のコイル2
2bに対し電源装置24から交流電流を流した状態にお
いて、第1のトロイダルコア22a及びこれと同軸状に
配置された第2のトロイダルコア23aにより包囲され
た状態の検出ポイント19、つまり長さ方向に搬送され
る線材17の通過ポイントに当該線材17が存在しない
ときには、上記第2のトロイダルコア23aに巻回され
た第2のコイル23bにはほとんど電流が流れない。
【0038】これに対して、第1のコイル22bに交流
電流を流した状態において、ガイド18を含む搬送経路
で接地(アース接地は勿論のこと、筐体接地も含む概念
である)された状態の線材17の先端部分が検出ポイン
ト19を通過した場合、その先端部分は浮遊容量C1
(図1参照)を介して等価的に接地された状態(交流接
地状態)を呈しているため、当該線材17には、第1の
コイル22bに流れる交流電流に応じた誘起電流が図1
に矢印で示すように流れる。すると、第2のコイル23
bに上記誘起電流に応じた電流が誘起されるようにな
り、この誘起電流を検出回路25が検出するようにな
る。
【0039】つまり、前記検出ポイント19を線材17
が通過した瞬間(実際には、線材の先端部分が10cm程
度通過したとき)に、第1のコイル22bが送信コイル
として機能すると共に、第2のコイル23bが受信コイ
ルとして機能するようになって、検出回路25による検
出電流がほぼ零から急激に増加するものであり、このよ
うな電流変化に基いて、線材17が検出ポイント19を
通過したか否かを確実且つ高感度で検出できるようにな
る。しかも、上記のように線材17の通過に応じて検出
回路25による検出電流がほぼ零から急激に増加する関
係上、面倒な感度調整を不要にできることになる。
【0040】この場合、電源装置24の出力周波数が高
い状態に設定されているから、線材17の先端部分が検
出ポイント19を通過した状態時、つまり、当該先端部
分が浮遊容量C1を介して等価的に接地された状態時に
おいて、その接地インピーダンスが大幅に小さくなる。
この結果、第2のコイル23bに流れる電流のレベルが
相対的に大きくなって、検出感度が向上するようにな
る。
【0041】また、第1のコイル22bに対し交流電流
を流した状態において、線材17の先端部分が検出ポイ
ント19を通過した後に、その先端部分がガイド18に
接触した状態となったときには、当該線材17に流れる
誘起電流のレベルが、上記先端部分が浮遊容量C1を介
して等価的に接地された場合に比べて大きくなるため、
検出感度が一段と向上するようになる。尚、この場合に
は、検出ポイント19を通過した線材17の先端部分が
ガイドに接触しなくても、当該先端部分と線材17との
間を等価的に接続する浮遊容量の値が相対的に大きくな
るから、検出感度を十分に向上させ得るものである。し
かも、検出ポイント19の両側のガイド18が比較的近
接した状態で設置されている場合でも、それらガイド1
8の存在が検出動作に影響を及ぼす恐れがなくなるか
ら、実用上の制約が小さくなる。
【0042】さらに、線材17が検出ポイント19(第
1及び第2のトロイダルコア22a及び23aの空心領
域内)のどこを通過する場合でも第2のコイル23bに
流れる電流が大きく変化することになるから、その線材
17の通過位置の如何に拘らず高感度の検出動作を行い
得るようになって、当該線材17が振動しながら搬送さ
れるような状況にも対応できることになる。また、線材
17に誘起される電流を利用して検出動作を行う構成で
あるから、当該線材17の磁気特性や周辺設備の状況に
影響される恐れが全くなくなると共に、その線材17の
太さ、温度、電気抵抗値などの影響もほとんどなくなる
という利点もある。しかも、検出ヘッド部21を実際に
検出ポイント19に設置するに当たっては、その検出ポ
イント19と第1及び第2のトロイダルコア22a及び
23aの位置とを一致させるだけで良いから、その位置
合わせ作業を容易に行い得るようになる。
【0043】加えて、検出ポイント19において線材1
7や第1及び第2のトロイダルコア22a及び23aな
どに水が降り懸かった場合でも、検出動作に影響を受け
ることが全くないから、検出信頼性が向上するようにな
る。また、通過検出装置20の外殻ケースを本実施例の
ようにステンレスより成るコア保持部26及び端板27
によって形成しても支障がないから、耐熱性を容易にク
リア可能になる。
【0044】(第2の実施の形態)図5には本発明の第
2実施例が示されており、以下これについて前記第1実
施例と異なる部分のみ説明する。図5において、隣接す
るガイド18間の空隙部に設定された検出ポイント19
には、本発明の対象である通過検出装置30の検出ヘッ
ド部31が配置される。上記検出ヘッド部31は、検出
ポイント19に線材17の通過経路を包囲し且つ互いに
同軸状となるように配置された第1及び第2のトロイダ
ルコア32a及び33aと、これら第1及び第2のトロ
イダルコア32a及び33aにそれぞれ巻回された第1
及び第2のコイル32b及び33bと、同じく検出ポイ
ント19に線材17の通過経路を包囲し且つ上記第1及
び第2のトロイダルコア32a及び33a間に位置する
ように配置された筒状の電極体34とを備えた構成とな
っている。この場合、上記第1及び第2のコイル32b
及び33bは、和動動作するように直列接続されてい
る。
【0045】通過検出装置30は、前記検出ヘッド部3
2の他に、前記電極体34に交流電圧を印加するための
電源装置35と、前記第1及び第2のコイル32b及び
33bに流れる電流を検出するための第1実施例と同様
の検出回路25とを備えた構成なっている。この場合、
上記電源装置35は、比較的高い周波数(例えば数十K
Hz〜数百KHz)の交流出力を発生する電圧源35a
と、この電圧源35aの出力を電極体34に印加するド
ライバ35bとによって構成されている。尚、上記電圧
源35aは、一方の出力端がカップリングコンデンサ3
5cを介して筐体接地されており、他方の出力端が上記
ドライバ35bに接続されている。
【0046】上記のように構成された通過検出装置30
の動作内容は以下の通りである。即ち、筒状の電極体3
4に対し電源装置35から所定電位レベルの交流電圧が
印加された状態において、その電極体34内に線材17
が存在しないときには、第1及び第2のトロイダルコア
32a及び33aにそれぞれ巻回された第1及び第2の
コイル32b及び33bに電流が流れることはない。
【0047】これに対して、電極体34に交流電圧が印
加された状態において、ガイド18を含む搬送経路で接
地(アース接地は勿論のこと、筐体接地も含む概念であ
る)された状態の線材17の先端部分が前記電極体34
内に進入すると、その先端部分と電極体34との間が浮
遊容量C2(図5参照)を介して等価的に接続された状
態(交流結合状態)となる。このため、図5中に矢印で
示すように、その電極体34から線材17及びガイド1
8を通じて交流電流が流れるのに応じて、上記第2のト
ロイダルコア33aに巻回された第2のコイル33bに
電流が誘起されるようになり、この誘起電流が検出回路
25により検出されるようになる。従って、線材17の
先端部分が電極体34内に進入した時点で、その検出動
作を行うことが可能になる。
【0048】この場合、電源装置35から高周波電圧が
出力される構成となっているから、線材17の先端部分
が検出ポイント19に到達した状態時、つまり、当該先
端部分と電極体34との間が浮遊容量C2を介して等価
的に接続された状態時において、その接続インピーダン
スが大幅に小さくなる。この結果、第1及び第2のコイ
ル32b及び33bに流れる電流のレベルが相対的に大
きくなって、検出感度が向上するようになる。
【0049】また、上記線材17の先端部分が検出ポイ
ント19を通過して、その先端部分がガイド18に接触
した状態となったときには、線材17に対して、電極体
34から当該線材17の両側に形成される接地部分(電
極体34の両側に位置した各ガイド18)に向けてそれ
ぞれ交流電流が流れるようになる。この結果、前記第1
及び第2のコイル32b及び33bに、線材17に流れ
る交流電流に応じたレベルの電流が誘起されるようにな
り、この誘起電流が検出回路25により検出されるよう
になる。従って、線材17の検出感度が大幅に向上する
ようになる。
【0050】この場合、上記第1及び第2コイル32b
及び33bは、和動動作するように接続されているか
ら、検出ポイント19を線材17が通過した瞬間に、第
1及び第2のコイル32b及び33bを通じて大きな誘
起電流が流れるようになって、検出回路25による検出
電流が零から急激に増加するものであり、このような電
流変化に基いて、線材17が検出ポイント19を通過し
たか否かを確実且つ高感度で検出できるようになる。し
かも、上記のように線材17の通過に応じて検出回路2
5による検出電流が零から急激に増加する関係上、面倒
な感度調整を不要にできることになる。しかも、検出ポ
イント19の両側のガイド18が比較的近接した状態で
設置されている場合でも、それらガイド18の存在が検
出動作に影響を及ぼす恐れがなくなるから、実用上の制
約が小さくなる。
【0051】さらに、線材17が上記検出ポイント19
(第1及び第2のトロイダルコア32a及び33aの空
心領域並びに電極体34内)のどこを通過する場合でも
第1及び第2のコイル32b及び33bに誘起される電
流が大きく変化することになるから、その線材17の通
過位置の如何に拘らず高感度の検出動作を行い得るよう
になって、当該線材17が振動しながら搬送されるよう
な状況にも対応できることになる。また、線材17に誘
起される電流を利用して検出動作を行う構成であるか
ら、当該線材17の磁気特性や周辺設備の状況に影響さ
れる恐れが全くなくなると共に、その線材17の電気抵
抗値の影響もほとんどなくなるという利点もある。しか
も、検出ヘッド部31を実際に検出ポイント19に設置
するに当たっては、その検出ポイント19と第1及び第
2のトロイダルコア32a及び33a並びに電極体34
の位置とを一致させるだけで良いから、その位置合わせ
作業を容易に行い得るようになる。
【0052】また、検出ポイント19において線材17
や第1及び第2のトロイダルコア32a及び33aなど
に水が降り懸かった場合でも、検出動作に影響を受ける
ことが全くないから、検出信頼性が向上するようにな
る。しかも、線材17に外部からの電流が流れるような
状況下でも、その外部電流により第1及び第2のコイル
32b及び33bに誘起される電流の方向が逆方向にな
って打ち消し合うようになるから、上記のような外部電
流による悪影響を抑止できるようになる。また、通過検
出装置30の外殻ケースをステンレスのような金属によ
り形成しても支障がないから、耐熱性を容易にクリア可
能な構造を実現できるようになる。
【0053】(第3の実施の形態)図6には本発明の第
3実施例が示されており、以下これについて前記第1実
施例と異なる部分のみ説明する。図6において、隣接す
るガイド18間の空隙部に設定された検出ポイント19
には、本発明の対象である通過検出装置36の検出ヘッ
ド部37が配置される。上記検出ヘッド部37は、検出
ポイント19に線材17の通過経路を包囲した状態で配
置されたトロイダルコア38aと、このトロイダルコア
38aに巻回されたコイル38bとを備えた構成となっ
ている。
【0054】通過検出装置36は、前記検出ヘッド部3
7の他に、前記38bに交流電流を流す電源装置39
と、前記コイル38bに流れる電流を検出するための検
出回路40とを備えた構成なっている。この場合、上記
電源装置39は、比較的低い周波数の交流電圧源39a
と、この電圧源39aの出力をコイル38bの両端に印
加するドライバ39bとによって構成されている。
【0055】また、上記検出回路40は、コイル38b
の両端からの電圧出力を増幅する増幅回路40aと、そ
の増幅回路40aによる増幅出力を整流する整流回路4
0bと、この整流回路40bからの出力電圧を基準電圧
Vsと比較するコンパレータ40cとを備えた構成とな
っている。
【0056】上記のように構成された通過検出装置36
の動作内容は以下の通りである。即ち、トロイダルコア
38aに巻回されたコイル38bに対し電源装置39か
ら交流電流を流した状態において、上記トロイダルコア
38aにより包囲された状態の検出ポイント19に線材
17が存在しないときには、上記コイル38bには比較
的小さな電流が流れるだけである。
【0057】これに対して、コイル38bに交流電流を
流した状態において、ガイド18を介して接地或いは搬
送経路で接地された状態の線材17の先端部分が前記検
出ポイント19を通過して、他のガイド18に接触する
と、当該線材17に上記コイル38bに流れる交流電流
に応じた誘起電流が流れるようになる。つまり、当該線
材17が、変圧器における二次巻線と同等の機能を果た
すようになって、コイル38bに流れる交流電流が増大
するようになり、このようにコイル38bに流れる電流
を検出回路40が検出するようになる。これにより、検
出回路40による検出電流が急激に増加するものであ
り、このような電流変化に基いて、線材17が検出ポイ
ント19を通過したか否かを確実且つ高感度で検出でき
るようになる。しかも、上記のように線材17の通過に
応じて検出回路40による検出電流の変化を検出する構
成となっている関係上、面倒な感度調整を不要にできる
ことになる。
【0058】この場合、線材17が上記検出ポイント1
9(つまり、トロイダルコア38aの空心領域)のどこ
を通過する場合でもコイル38bに流れる電流が大きく
変化することになるから、その線材17の通過位置の如
何に拘らず高感度の検出動作を行い得るようになって、
当該線材17が振動しながら搬送されるような状況にも
対応できることになる。また、線材17に電流を流すこ
とにより検出動作を行う構成であるから、当該線材17
の磁気特性や周辺設備の状況に影響される恐れが全くな
くなると共に、その線材17の太さ、温度、電気抵抗値
などの影響もほとんどなくなるという利点もある。
【0059】しかも、実際に検出ポイント19に設置す
るに当たっては、その検出ポイント19とトロイダルコ
ア38aの位置とを一致させるだけで良いから、その位
置合わせ作業を容易に行い得るようになり、また、1個
のトロイダルコア38aを設けるだけで済んで装置全体
を小形化できるから、ガイド18間に設定される検出ポ
イント19の幅が小さい場合でも容易に対処可能になる
と共に、コスト安にできる。その上、検出ポイント19
の両側に位置するガイド18がきわめて近接した状態で
配置される場合でも、そのガイド18の存在が検出精度
に影響を与えることがないから、実用上の制約が小さく
なる。
【0060】さらに、検出ポイント19において線材1
7やトロイダルコア38aなどに水が降り懸かった場合
でも、検出動作に影響を受けることが全くないから、検
出信頼性が向上するようになる。また、電源装置39の
周波数を高くする必要がないから、その構成を簡略化で
きると共に、トロイダルコア38aの材料として例えば
安価な珪素鋼板を利用できるようになり、このような面
からもコスト安にできる。
【0061】(その他の実施の形態)尚、本発明は上記
した実施例に限定されるものではなく、次のような変形
または拡張が可能である。本発明を細物線材圧延設備に
おける線材通過検出装置に適用した各実施例について説
明したが、長さ方向に搬送される長尺状の導電性移動体
の通過を検出する用途に広く適用できるものであり、ま
た、パイプ中を流れる水或いは液体の通過及び材質を検
出する用途にも適用可能になるものである。第1及び第
2実施例による構成では、検出ポイント19を必ずしも
ガイド18間に設定する必要はないものである。さら
に、ガイド18は必要に応じて設ければ良いものであ
る。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば以上の説明によって明ら
かなように、長さ方向に搬送される長尺状の導電性移動
体の通過を、コイルが巻回されたトロイダルコアを利用
して検出する構成としたので、その検出動作を、導電性
移動体の通過位置、磁気特性、太さ、温度、電気抵抗
値、周辺設備の状況などに影響されることなく高感度で
行い得るようになると共に、面倒な感度調整を不要にで
き、しかも、設置時の位置合わせ作業を簡単化できると
共に、耐熱性を容易にクリア可能な構造を実現できるな
どの有益な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成を実体的に示す図
【図2】検出ヘッド部を示す側面図
【図3】図2中のA−A線に沿った部分の断面図
【図4】細物線材圧延ラインのレイアウトを概略的に示
す図
【図5】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図6】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【符号の説明】
17は線材、18はガイド、19は検出ポイント、20
は通過検出装置、21は検出ヘッド部、22aは第1の
トロイダルコア、22bは第1のコイル、23aは第2
のトロイダルコア、23bは第2のコイル、24は電源
装置、25は検出回路、30は通過検出装置、31は検
出ヘッド部、32aは第1のトロイダルコア、32bは
第1のコイル、33aは第2のトロイダルコア、33b
は第2のコイル、34は電極体、35は電源装置、36
は通過検出装置、37は検出ヘッド部、38aはトロイ
ダルコア、38bはコイル、39は電源装置、40は検
出回路を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に搬送される長尺状の導電性移
    動体の通過を、所定の検出ポイントで検出するための通
    過検出装置において、 前記導電性移動体が搬送経路で接地された状態となるよ
    うに構成した上で、 前記検出ポイントに前記導電性移動体の通過経路を包囲
    し且つ互いに同軸状となるように配置された第1及び第
    2のトロイダルコアと、 これら第1及び第2のトロイダルコアにそれぞれ巻回さ
    れた第1及び第2のコイルと、 前記第1のコイルに交流電流を流す電源装置と、 前記第2のコイルに流れる電流を検出する検出回路とを
    備え、 前記検出回路による検出電流の変化に基いて前記導電性
    移動体が前記検出ポイントを通過したか否かを検出する
    構成としたことを特徴とする長尺状導電性移動体の通過
    検出装置。
  2. 【請求項2】 前記電源装置は、前記第1のコイルに対
    し高周波電流を供給するように構成されていることを特
    徴とする請求項1記載の長尺状導電性移動体の通過検出
    装置。
  3. 【請求項3】 前記導電性移動体は、接地された状態で
    配置された導電材料製の複数のガイドにより案内されな
    がら長さ方向に搬送される構成とされ、 前記検出ポイントは隣接するガイド間に設定されること
    を特徴とする請求項1または2記載の長尺状導電性移動
    体の通過検出装置。
  4. 【請求項4】 長さ方向に搬送される長尺状の導電性移
    動体の通過を、所定の検出ポイントで検出するための通
    過検出装置において、 前記導電性移動体が搬送経路で接地された状態となるよ
    うに構成した上で、前記検出ポイントに前記導電性移動
    体の通過経路を包囲した状態で互いに同軸状に配置され
    た第1及び第2のトロイダルコアと、 同じく前記検出ポイントに前記導電性移動体の通過経路
    を包囲し且つ前記第1及び第2のトロイダルコア間に位
    置するように配置された筒状の電極体と、 この電極体に所定電位レベルの交流電圧を印加する電源
    装置と、 前記第1及び第2のトロイダルコアにそれぞれ巻回され
    ると共に、和動動作するように直列接続された第1及び
    第2のコイルと、 これら第1及び第2のコイルに流れる電流を検出する検
    出回路とを備え、 前記検出回路による検出電流の変化に基いて前記導電性
    移動体が前記検出ポイントを通過したか否かを検出する
    構成としたことを特徴とする長尺状導電性移動体の通過
    検出装置。
  5. 【請求項5】 前記電源装置は、前記電極体に対し高周
    波電圧を印加するように構成されていることを特徴とす
    る請求項4記載の長尺状導電性移動体の通過検出装置。
  6. 【請求項6】 前記導電性移動体は、接地された状態で
    配置された導電材料製の複数のガイドにより案内されな
    がら長さ方向に搬送される構成とされ、 前記検出ポイントは隣接するガイド間に設定されること
    を特徴とする請求項4または5記載の長尺状導電性移動
    体の通過検出装置。
  7. 【請求項7】 導電材料製の複数のガイドにより案内さ
    れながら長さ方向に搬送される長尺状の導電性移動体の
    通過を、上記ガイド間に設定された検出ポイントで検出
    するための通過検出装置において、 前記ガイドを接地した状態で配置する構成とした上で、 前記検出ポイントに前記導電性移動体の通過経路を包囲
    した状態で配置されたトロイダルコアと、 このトロイダルコアに巻回されたコイルと、 このコイルに交流電流を流す電源装置と、 前記コイルに流れる電流を検出する検出回路とを備え、 前記検出回路による検出電流の変化に基いて前記導電性
    移動体が前記検出ポイントを通過したか否かを検出する
    構成としたことを特徴とする長尺状導電性移動体の通過
    検出装置。
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