JP2002328002A - 導体検出装置 - Google Patents

導体検出装置

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JP2002328002A JP2001135150A JP2001135150A JP2002328002A JP 2002328002 A JP2002328002 A JP 2002328002A JP 2001135150 A JP2001135150 A JP 2001135150A JP 2001135150 A JP2001135150 A JP 2001135150A JP 2002328002 A JP2002328002 A JP 2002328002A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成にて応答性の良い良好な検出特性
を得ると共に、検出対象の拡大並びに検出信頼性の向上
を実現し、寿命に対する信頼性の向上やメンテナンスの
簡単化も同時に実現すること。 【解決手段】 トロイダルコイル22を収納した中空リ
ング状のセンサケース23は、外周縁部の隅部がその全
体に渡って開口した形状の導電金属製の環状ケース23
Aと、上記開口部分を閉鎖する絶縁材料製の環状枠部2
3Bとを一体化して成る。センサケース23の下面側に
は、電極25が絶縁材料製のスペーサ24を介した状態
で設けられる。センサケース23により包囲された空間
部Wに対し工具28が進入したときには、電極25と工
具28の先端部との間の結合容量Cが増大し、その結合
容量C及び工具28を通じてトロイダルコイル22を貫
通する電流が流れ、この電流が信号処理回路27により
検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、検出領域に導体が
存在するか否かを検出するための導体検出装置に関す
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】例えば、数値制御機能
及び自動工具交換機能を備えたマシニングセンタなどの
自動工作機械を実際に使用するに当たっては、作業者の
工数低減及びタクトタイムの短縮による生産性の向上
や、不良品発生数の低減による歩留まりの向上が大きな
関心事であり、中でも、ドリルやバイトなどの工具の折
損をオンラインで確実に検出することは、生産性や歩留
まりの向上を図る上で重要な課題となっている。特に、
工作機械を無人運転する場合には、工具の折損をオンラ
インで検出することが必須の要件となってくる。このよ
うな要求に対処し得る工具の折損検出方法としては、従
来より以下〜に示すような手段が考えられている。
【0003】 工具先端とワークとの電気的接触を検
出する手段、 工具先端とワークとの機械的接触により開閉される
電気的接点を内蔵したセンサを用いる手段、 工具先端部を磁気的に検出するセンサを用いる手
段、 工具先端部そのものを機械的に検出するセンサを用
いる手段。
【0004】これらの手段のうちの例を図18及び図
19に示す。これら図18及び図19において、マシニ
ングセンタ1のワークテーブル(定盤)2上に載置され
るセンサ3は、上下に導電金属製の接点板4a、4bが
設けられた絶縁材料製のケース4内に、当該接点板4
a、4b間に直列接続された状態の発光ダイオード5、
電池6、抵抗7を配置したもので、発光ダイオード5
は、その点灯状態を外部から目視可能に配置されてい
る。このセンサ3は、マシニングセンタ1に装着された
工具8の長さをプリセットするために使用されるもの
で、その工具8の先端が接点板4aに接触した状態で、
図18及び図19中に矢印で示すように、電池6からの
電流が抵抗7、発光ダイオード5、接点板4b、ワーク
テーブル2、マシニングセンタ1、工具8、接点板4a
を通じて流れるようになり、これに応じた発光ダイオー
ド5の点灯を作業者が確認するものである。このような
センサ3において、上記のように流れる電流を上位コン
トローラに伝えるように構成すると共に、センサ3の高
さ寸法を、マシニングセンタ1に装着された正常な長さ
の工具8が予め決められた停止位置まで下降されたとき
に当該工具8の先端が接点板4aの上面に接触するよう
に設定しておけば、上位コントローラ側で工具8の先端
部の折損をオンライン検出できる。
【0005】しかしながら、このような構成では、マシ
ニングセンタ1の主軸用のベアリングにセラミックが使
用されていた場合に、前記電流経路が遮断された状態に
なるため、工具8の折損をオンライン検出することが実
現不可能になる。また、上記ベアリングが金属製であっ
たとしても、ベアリングや工具先端部に、錆、油膜、酸
化膜といった電気的抵抗として作用する物質が付着した
状態では、前記電流経路に流れる電流が不安定になっ
て、その検出信頼性が低下するという問題点も出てく
る。しかも、検出動作時に工具8が回転したままである
と、センサケース4上面の接点板4aが徐々に削られて
しまうため、検出動作時には工具8の回転を止める必要
があるが、このように検出動作時に工具8の回転を一々
停止させることは、タクトタイムの短縮を図る上で重大
な制約になるものであり、このような制約も実用上の欠
点になってくる。従って、このようなセンサ8は、マシ
ニングセンタ1の自動運転時における工具8の折損検出
という用途に適さない。
【0006】前記のような手段の他の例としては、特
公平2−60963号公報に記載された「工作機械の接
触検出装置」がある。このものには、工具と工作物(ワ
ーク)とが相互に接触したことを検出するために、工
具、工作物及び当該工作物の支持体(ベッド、テーブル
など)によって形成される電流経路の一部を取り囲むよ
うに2個のトロイダルコイルを設け、一方を交流電圧が
印加される励磁コイルとし、他方を上記励磁コイルによ
る誘導電流を検出する検出コイルとして利用する構成が
開示されている。
【0007】このような構成によれば、工具を回転させ
たままの状態でその折損検出を行える点がタクトタイム
の短縮を図る上で合理的であるが、主軸用のベアリング
にセラミックが使用されている場合に適用できず、ま
た、前述したような電流経路の不安定要素が存在するこ
とは変わりがないので、その電流経路に流れる誘導電流
が不安定になって、その検出信頼性が低下するという問
題点は解消できない。特に、このものでは、工具先端が
工作物に接触したにも関わらず、それを検出できなかっ
た場合には工具をさらに前進させることになるため、フ
ェイルセーフ機能を得ることが本質的に困難であって、
工具及び工作物の双方を破損させるという重大な結果を
招く可能性があった。また、工作物が樹脂の場合には工
具の折損検出が全く不可能になるという問題もある。
【0008】一方、前記のような手段の例としては、
特許第2967210号公報に記載された「タッチセン
サ」がある。このものは、高精度の再現性を持つ可動接
点を、先端にコンタクトを有する測定軸の変位に応じて
動作させる構成としたものであり、前述したの手段の
例のように、電流経路の不安定要素に起因して検出信頼
性が低下する事態を招くことがないというメリットがあ
る。しかしながら、上記タッチセンサは、機械的な可動
接点を持つ構成であるため、その接点部の開閉回数が限
度値を越えると接点溶着などの不具合を招く可能性が高
くなるという事情があり、寿命に対する信頼性が低くな
るという欠点がある。また、可動接点に金属の切り粉な
どが付着して動作不良を招く可能性も否定できない。さ
らに、工具の折損検出を行うためには、その回転を止め
ねばならないので、タクトタイムの短縮を図る上で不利
になる。しかも、可動接点をオン状態にするためには、
工具側から測定軸を通じて比較的大きな力を作用させね
ばならないので、直径が0.3mm以下程度の折れやすい
小径ドリル(マイクロドリル)の折損検出には不向きに
なるなど、検出可能対象が限定されるという欠点もあ
る。
【0009】前記のような手段の例としては、所謂電
磁近接センサの原理を使ったリング状構造の金属通過検
出センサがある。このセンサは、密に巻いたループコイ
ルの電気的特性が、その内周領域に工具先端が近接する
のに伴い変化する現象を検出する構成のものであり、図
20に示すような回路構成とされる。この図20におい
て、ループコイル11の両端には、共振用コンデンサ1
2aを備えた発振回路12が接続される。この発振回路
12は、一定の周波数で発振するようになっており、そ
の発振出力は、検波・増幅回路13、直流成分をカット
するための微分回路14を介して比較回路15に与えら
れる。この場合、ループコイル11内に工具先端部が進
入すると、そのループコイル11のコンダクタンスが増
加するため、発振回路12の発振条件(特にはQ)が変
化して振幅が低下(若しくは発振停止)する。このよう
な振幅の変化を、検波・増幅回路13で抽出すると共
に、その微小変化分を微分回路14により検出し、その
検出値が比較回路15にて所定のしきい値レベル以下に
なったか否かを判断し、しきい値レベル以下となったと
きに出力回路16からスイッチング出力を発生する。
【0010】上記のような金属通過検出センサに用いら
れるループコイル11にあっては、一般的に、検出対象
の工具の形状が小さい場合には、その出力信号の変化量
は非常に微少になる。この一方で、発振回路12の発振
出力の振幅は、センサ用ケーブル長の影響や、回路自身
の温度ドリフトの影響を受け、また、検波・増幅回路1
3に通常使用されているダイオードの順方向電圧降下の
温度特性の影響により検波後の電圧レベルにも変動を来
たすという事情があり、直流動作における不確定且つ不
安定な要素を含むことが避けられない。このため、工具
先端部がループコイル11内に進入したときの微小な出
力信号の変化よりも、上記のような不確定且つ不安定な
要素に起因した振幅変動の方が大きくなる場合があり、
検出信頼性が著しく低下することになる。このような事
情に対処するために、微分回路14が設けられている。
【0011】しかしながら、このような金属通過検出セ
ンサでは、以下のような問題点が発生する。即ち、 (a)原理的に、ループコイル11内に工具先端部が進
入するときにその出力信号の変化特性がシャープになら
ないため、工具先端部の位置を明確に検出できない。 (b)ループコイル11を収納したセンサケース(図示
せず)の内周面に付着した金属切り粉の影響を受けやす
く、動作が不安定になる。 (c)検出対象工具の材質が同じであっても、その工具
の進入速度に応じて微分出力値が異なるため、工具の検
出位置(検出タイミング)がばらつく場合があり、検出
信頼性が低下する。 (d)検出対象工具の材質(特には磁性の有無)によっ
てその検知位置が大きく異なってくる。 (e)検出対象工具の大きさによって感度が大きく異な
るため、感度調整が必要になる。 (f)周囲の金属製構造物の影響を受けやすく、複数の
センサを設ける場合には相互干渉が発生して検出特性が
悪化する恐れがある。 (g)ループコイル11を収納したセンサケース(図示
せず)は非磁性材料(一般的にはアルミニウム)で構成
しなければならないが、特に、センサケースの内周面
は、感度向上のために樹脂のみで構成する必要があるの
で、その機械的強度やシール性、耐食性などに問題が発
生する場合がある。例えば、シール性が阻害されて内部
に水が浸入したときには、ループコイル11のレヤショ
ートが発生して感度が著しく変化してしまう。
【0012】従って、この金属通過検出センサは、工具
の折損検出には不向きであり、特に小径の工具の折損検
出には適さない。つまり、一般的に、工具は小径である
ほど工具長が短く、検出位置特性が厳密に求められるた
めである。例えば、図21(a)に示すようなマイクロ
ドリル(寸法の一例を示した:単位はmm)にあっては、
小径の刃の部分が折損して図21(b)に示す状態とな
ったときには、全体の体積変化がきわめて小さいため、
その折損検出が非常に困難になる。要するに、この種の
金属通過検出センサは、比較的緩やかな検出位置特性を
持つため、例えばネジのような金属部品の通過検出とい
った用途に使われるものであり、工具の折損を検出する
用途に使う場合には、比較的大きい形状の工具の位置を
大雑把に検出するという使い方にならざるを得ない。
【0013】前記のような手段の例としては、空気を
吐出するノズル部を設け、その空気の流れが工具の近接
により変化したときの圧力変動を検出するセンサが実用
化されているが、このものでは、検出出力の応答性が遅
いこと(通常1〜2秒程度)や、システムが大掛かりに
なるという欠点がある。また、適正な検出出力を得るた
めの調整が微妙で、空気圧源の特性変化(汚れやポンプ
部分の経年変化など)に影響されやすいため、そのメン
テナンスのために空圧システムについての専門知識が必
要なるという問題点がある。
【0014】以上のように、前記〜の手段を採用し
た工具の折損検出装置では、何れも一長一短があるもの
であり、この点が未解決の課題となっていた。
【0015】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、簡単な構成にて応答性の良い良好な
検出特性を得ることができると共に、検出対象の拡大並
びに検出信頼性の向上を実現でき、さらには、寿命に対
する信頼性の向上やメンテナンスの簡単化なども同時に
実現できる導体検出装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載した手段を採用できる。この手段によ
れば、導体検出動作を行う場合には、例えば、トロイダ
ルコイルの全周を包囲した中空のリング形状に形成され
たシールドケースの導電金属部分と、そのシールドケー
スにより包囲された空間部に臨む位置に当該シールドケ
ースとの間に絶縁層を介した状態(直流的に絶縁された
状態)で設けられた電極との間に交流電圧を印加する。
この状態で、シールドケースの中空部分に検出対象物で
ある導体が近接していない場合には、電極から絶縁層を
経由してシールドケースに交流電流が流れるが、そのシ
ールドケースには、トロイダルコイルの軸心を通る断面
形状領域に1箇所以上の非導通部分が形成されているか
ら、トロイダルコイルを貫通する電流は全く流れない。
従って、導体が近接していない場合には、トロイダルコ
イルの両端に電圧が現れることがなく、検出動作は行わ
れない。
【0017】この状態から、シールドケースにより包囲
された空間部に対し導体が進入して、その先端が電極に
近付くと、電極と導体の先端部との間の結合容量が増加
する。すると、その結合容量及び導体を通じてトロイダ
ルコイルを貫通する電流が流れるため、当該トロイダル
コイルの両端には、電磁誘導作用により印加交流電圧と
同じ周波数の交流電圧が誘起されるようになり、以て導
体の検出動作が行われる。
【0018】請求項2記載の手段によれば、上述のよう
にシールドケースの導電金属部分と電極との間に交流電
圧を印加する電源装置が設けられていると共に、トロイ
ダルコイルの両端に誘起される交流電圧を検出する検出
回路が設けられているから、その検出回路からの出力に
基づいて導体の有無を容易に判断できる。
【0019】請求項3記載の手段によれば、トロイダル
コイルは交流電源から印加される交流電圧により励磁状
態とされる。この励磁状態で、シールドケースと同電位
とされた導体が、当該シールドケースにより包囲された
空間部に進入して、その先端が電極に近付くと、電極と
導体の先端部との間の結合容量が増加する。すると、電
極から、その結合容量、導体、シールドケース及び絶縁
層を介して電極へ戻る閉回路が形成されて、その閉回路
に電磁誘導作用による電流が流れる。従って、このよう
に流れる電流を検出回路で検出することにより、導体の
有無を容易に判断できる。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の第1実施例を図1ないし図10を参照しながら説明
する。図3には本発明による導体検出装置の原理的構成
図が示されている。この図3は、工作機械のワークテー
ブル上に載置されるセンサユニット21を半割り状態で
示しており、環状コアに対しコイルを複数ターン巻回し
て成るトロイダルコイル22は、これを物理的に保護す
ると共に静電シールドの役目を果たすセンサケース23
(本発明でいうシールドケースに相当)内に収納されて
いる。尚、トロイダルコイルのコイルターン数は1ター
ン以上あれば良い。上記センサケース23は、トロイダ
ルコイル22の全周を包囲した中空のリング形状に形成
されており、外周縁部の隅部がその全体に渡って開口し
た形状の導電金属製の環状ケース23Aと、この環状ケ
ース23Aにおける上記開口部分にこれを閉鎖するよう
に設けられた絶縁材料製の環状枠部23Bとを一体化し
た構成となっている。つまり、センサケース23は、ト
ロイダルコイル22の軸心を通る断面形状領域に非導通
部分(環状枠部23B部分)が形成された導電金属製の
環状ケース23Aを主体とした構造とされている。
【0021】上記センサケース23の下面側には、当該
センサケース23と同軸状のリング形状に形成された絶
縁材料製のスペーサ24(本発明でいう絶縁層に相当)
が固定される。このスペーサ24には、その外周縁部の
全体に渡って開口した溝部24aが同心状に形成されて
おり、その溝部24a内にリング形状の電極25が収納
されている。これにより、上記電極25は、その内周縁
部を前記センサケース23により包囲された空間部Wに
臨ませた状態で、当該センサケース23と直流的に絶縁
された状態で設けられている。尚、この実施例では、ス
ペーサ24をリング形状としたが、単純な円板形状とし
た構成、つまり、センサケース23により包囲された空
間部Wの下方を当該スペーサ24により閉鎖した構成と
しても良いものであり、このような構成の採否は検出対
象の種類に応じて適宜に選択することができる。
【0022】図4には、図3のように構成された導体検
出装置の原理的構成及び動作原理図が示されている。こ
の図4において、センサケース23はグラウンド端子に
接続され、電極25は発振回路26(電源装置に相当)
からの高周波交流電圧が印加されるように接続され、さ
らにトロイダルコイル22の両端はアンプやフィルタ回
路などを含む信号処理回路27(検出回路に相当)に接
続される。このような構成において、センサケース23
により包囲された空間部W(センサケース23の中空部
分)に対し工具28の近接が全くない場合を考える。こ
の状態では、電極25からスペーサ24を経由してセン
サケース23の環状ケース23Aに交流電流が流れる
が、その環状ケース23Aには非導通部分である環状枠
部23Bが存在するため、上記交流電流は、図4中に矢
印Aで示すようにグラウンド端子へ流れ込ようになる。
このため、トロイダルコイル22を貫通する電流は全く
流れない。従って、工具28の近接がない場合には、ト
ロイダルコイル22の両端に電圧が現れず、信号処理回
路27からの出力電圧はゼロである。尚、工具28が取
り付けられたマシニングセンタ29は、実質的にグラウ
ンドされた状態にある。
【0023】この状態から、センサケース23により包
囲された空間部Wに対し工具28が進入して、その先端
が電極25に近付くと、電極25と工具28の先端部と
の間の結合容量Cが増加する。すると、図4に矢印Bで
示すように、その結合容量C及び工具28を通じてトロ
イダルコイル22を貫通する電流が流れるため、当該ト
ロイダルコイル22の両端には、電磁誘導作用により発
振回路26と同じ周波数の交流電圧が誘起されるように
なり、その交流電圧が信号処理回路27により増幅され
て出力される。従って、信号処理回路27の出力に基づ
いて工具28の近接を検出することができる。尚、図6
及び図7には、上記のような動作原理を簡明に理解でき
るようにした模式図及び等価的な電気的構成図を示し
た。これら図6及び図7から、工具28がない場合に
は、二次側回路となるトロイダルコイル22に誘導電流
が流れないため、信号処理回路27からの出力電圧はゼ
ロになることが分かる。
【0024】この場合、工具28が空間部W内に進入し
ていくに当たって、その進入度合いが浅い状態時には、
導電金属製の環状ケース23Aの内周壁がシールドの役
目を果たすため、工具28にはほとんど電流が流れな
い。この状態から、工具28の先端部が電極25と同一
平面付近よりもさらに深く進入し出すと、電極25と工
具28の先端部との間にシールド作用を果たす物体がな
くなくため、両者間の結合容量Cが急激に増えるように
なり、これに応じて工具28に流れ込む電流が急増する
ようになる。
【0025】このような電流の急増現象が起きるという
ことは、原理的に、工具28先端部の検出特性をシャー
プにできることを意味し、しかも、工具28先端部の検
出位置を電極25と同一平面付近のポイントに明確に特
定できるという検出特性が得られることを意味する。ま
た、工具28が近接していない状態で信号処理回路27
からの出力電圧をゼロにできるということは、その信号
処理回路27の感度を上げても工具28の近接がなけれ
ば出力電圧がゼロのままであることを意味する。従っ
て、この性質は、工具28先端部の検出特性をシャープ
にする上できわめて有益になり、しかも、信号処理回路
27に多少のドリフトがあった場合でも本質的に安定し
た検出動作を行い得るようになるなど、ループコイルを
用いて、コンダクタンスの微少な変化を検出する従来の
センサ(図20参照)とは根本的に違うメリットが得ら
れる。
【0026】つまり、本実施例の構成によれば、工具2
8の先端部の位置を明確に検出できるようになる。従っ
て、上記ポイントの位置(電極25の位置)を、マシニ
ングセンタ29に装着された正常な長さの工具28が予
め決められた停止位置まで下降されたときに当該工具2
8の先端部が当該ポイントより少し下の位置に設定して
おけば、その停止位置での信号処理回路27の出力を上
位コントローラ側でチェックすることにより工具28の
先端部の折損を確実且つ容易に検出できることになる。
しかも、信号処理回路27の感度を上げることが可能で
あると共に、工具28の有無を非接触検出する構成であ
るから、直径が0.3mm以下程度の折れやすい小径ドリ
ル(マイクロドリル)の折損検出も、その折損を招くこ
となく確実に行い得る。
【0027】また、電極25と工具28の先端部との間
の結合容量Cは、工具28の回転に関係しないから、工
具28の折損検出を行う際に、従来構成のように工具2
8の回転を止める必要がなくなる。従って、本実施例の
構成によれば、タクトタイムの短縮を図る上できわめて
有益になり、マシニングセンタ29のような工作機械に
おける工具の折損検出を行う用途に適したものとなる。
【0028】さらに、トロイダルコイル22に貫通電流
が流れるか否かは、工具28の位置によって絶対的に決
まるものであって、工具28の先端部の検出を、その進
入速度とは直接関係なく行い得るようになるから、工具
28の先端部を検出する位置(検出タイミング)がばら
つく恐れがなくなり、結果的に、本実施例の構成によれ
ば、検出信頼性の向上を実現できるようになる。
【0029】また、本実施例の構成によれば、トロイダ
ルコイル22に貫通電流が流れるのは、工具28の先端
部が、センサケース23により包囲された空間部W内に
所定深さに進入したときだけであるから、周囲に金属製
構造物が接近した状態でもその影響を受けることがなく
なり、複数のセンサユニット21を互いに近付けた場合
でも相互干渉に起因した検出特性の悪化を来たす恐れが
なくなる。
【0030】ところで、上記のようなセンサユニット2
1においては、電極25と検出対象物(工具28)との
間の結合容量Cは非常に小さい値(数pF以下)になる
ので、その結合容量Cを通じた電流経路のインピーダン
スを低くするために、発振回路26による励磁信号の周
波数を比較的高い値(100kHz〜数MHz程度)に
設定することになる。この周波数の選定には、トロイダ
ルコイル22用のコアの特性、信号処理回路27内のア
ンプを構成するICの特性、信号取出用ケーブルの特性
などを考慮することになる。また、励磁信号の周波数を
十分に高めることにより、トロイダルコイル22のコイ
ルターン数を少なくしても(1〜10ターン程度)、結
合容量Cを通じた電流経路のインピーダンスを実用上十
分な状態とすることが可能になる。そして、このように
コイルターン数を少なくした場合には、トロイダルコイ
ル22を粗巻きすることができ、従って厚い絶縁被覆を
備えたコイル導線を利用しても全体が大型化する恐れが
なくなる。この結果、万一、内部に水が浸入した場合で
も、これに起因したレヤーショートを未然に防止できる
など、寿命に対する信頼性を高め得るようになる。ま
た、励磁信号の周波数を高めた場合には、信号処理回路
27側の応答速度が速くなるという利点が出てくる。
【0031】以上の説明から、本実施例によるセンサユ
ニット21の検出対象は、導電体であれば良いことが分
かる。この場合、工具28と電極25との間の容量結合
のインピーダンスを比較的高く(数100〜数100k
Ω程度)できるのに対して、工具28の材質が変わった
場合における当該工具28側での抵抗値変化量はごくわ
ずか(1Ω程度)であるから、その抵抗値変化による影
響がほとんどなく、従って、工具28が他の材質のもの
に交換された場合でも常に良好な検出特性を得ることが
できる。勿論、工具28の磁気特性の影響を受けること
もない。
【0032】さて、図8には、センサユニット21の内
周面に金属製切り粉のような異物Fが付着したときの影
響を説明するための図が模式的に示されている。このよ
うに導電性の異物Fが付着した場合、電極25からスペ
ーサ24を経由した交流電流が異物Fを通じて流れる
が、その電流は環状ケース23Aの内周側を経由してグ
ラウンド端子に流れ込むようになるから、結果的に、異
物F及び環状ケース23Aを流れる各電流が相殺される
ことになって、トロイダルコイル22を貫通する電流は
全く流れない。従って、金属製切り粉のような異物Fが
付着した場合でも、工具28の先端部を誤検知すること
がなくなり、従来構成のような動作が不安定になる恐れ
がなくなる。また、センサユニット21の内周面に水な
どが付着した場合も同様である。但し、異物Fにより電
極25と環状スペーサ23Aの内周側が短絡された状態
となったときには、電極25の電圧振幅が低下して感度
の低下を招くので、その電極25は、空間に露出させる
ことなく絶縁体で表面を覆うことが望ましい。
【0033】図9及び図10には、マシニングセンタ2
9における主軸用ベアリング部分で導通不良があるとき
の影響を説明するための図が模式的に示されている。図
9において、マシンニングセンタ29のベアリング29
aにセラミックが使用されている場合、或いはベアリン
グ29aの金属ボールの表面に油膜が付着して導通が絶
たれた場合には、その状態での電気的構成を等価的に示
すと図10のようになる。即ち、工具28が取り付けら
れた加工ヘッド29bは、マシニングセンタ29の本体
と直流的な導通はないが、ベアリング29a部分での浮
遊容量結合やセラミックそのものが誘電体となってコン
デンサを形成することになる。ベアリング29aにセラ
ミックが使用されている場合、そのセラミックの比誘電
率は5〜10程度であるから、空気によるコンデンサ形
成状態よりも容量が5〜10倍程度高くなる。そして、
上記のように形成されるコンデンサの結合容量の総計C
Bは、電極25と工具28との間の結合容量CA に対
して非常に大きくなるので、それら結合容量CA 及び
CB を通じた電流経路のインピーダンスは、ほとんど
結合容量CA で決まることになる。従って、結果的に
は、結合容量CBの影響をほとんど無視できるので、ベ
アリング29aにセラミックが使用されている場合にお
いても通常時とほとんど変わりないことが分かる。ま
た、ベアリング29aの金属ボールの表面に油膜が付着
して導通が阻害された場合には、金属ボール同士が非常
に近接した状態、つまりごく薄い油膜を介してコンデン
サが形成される状態になるから、上記結合容量CB が
さらに増大することになり、影響は一段と小さくなる。
【0034】一方、図2には、図3に原理的構成を示し
たセンサユニット21の実際の構成例が示されている。
この図2において、センサケース23は、トロイダルコ
イル22を収納するための環状凹部30aを有した導電
金属製のケース本体30と、このケース本体30の外周
縁部の上面に嵌め込まれた環状絶縁枠31と、上記環状
凹部30aをOリング32a、32bを介して閉鎖する
環状の導電金属製上部カバー33と、ケース本体30の
下面に固定される環状の導電金属製下部カバー34とに
より構成されている。この場合、上部カバー33は、内
周側がケース本体30の内周壁部上に載置され且つ外周
側が環状絶縁枠31上に載置された状態にてネジ止め手
段或いは圧入手段などにより固定されるものである。
尚、上記ケース本体30及び上部カバー33によって図
3に示した環状ケース23Aが構成され、上記環状絶縁
枠31が図3に示した環状枠部23Bに相当するもので
ある。
【0035】また、下部カバー34もネジ止め手段或い
は圧入手段などにより固定されるものであり、その下部
カバー34とケース本体30との間に、スペーサ24及
び電極25を収納するための凹部(符号なし)が形成さ
れる。尚、スペーサ24及び電極25は予め一体成形
(インサート成形)しておくことができる。また、スペ
ーサ24と上記凹部の底壁部(ケース本体30の内周
面)との間には、Oリング35a、35bが介挿され
る。ケース本体30の外側壁には、クランプ金具36、
ゴムブッシュ37及びブッシュナット38を介してシー
ルド線から成るセンサケーブル39が連結される。そし
て、このセンサケーブル39は、そのシールド導体(外
部導体)がケース本体30(環状ケース23A)に接続
され、互いにシールドされた3本の芯線のうちの1本が
電極25に接続され、他の2本がトロイダルコア22の
両端に接続される。
【0036】このような構成とされたセンサユニット2
1にあっては、水などの進入を阻止する必要がある部分
に、防水に対する信頼性が高いOリング32a、32
b、35a、35bを使用できるから、無理のない構成
で頑丈且つシール性が高い構造とすることができる。ま
た、センサユニット21は、単純な形状の部品を組み合
わせた構成で済むから、その使用部品を適宜に選択する
ことにより、耐熱性、耐振動性、防水性などを大幅に高
めることが可能になる。
【0037】ここで、センサユニット21を構成する部
品について考察すると、まず、電極25は単に電圧を印
加するだけのものであるから、アルミニウム、銅、黄
銅、鉄、ステンレスなどの導電性金属であれば良く、耐
環境性、コスト、機械的強度などを考慮して適宜に選択
することになる。また、センサケース23のケース本体
30、上部カバー33、下部カバー34も全く同じ材質
で問題ない。スペーサ24や環状絶縁体31のための絶
縁材料も各種の樹脂が使用可能であるが、工作機械のク
ーラントに対する耐性などを考慮する必要がある。トロ
イダルコイル22のためのコアの材料としては、高周波
特性、耐環境性、コストパフォーマンスに優れ、しかも
最も入手しやすいフェライトを使用できる。但し、フェ
ライトコアは衝撃により割れやすいという問題があるた
め、実際には、トロイダルコア22を収納した環状凹部
26a内に衝撃緩和用の樹脂をポッティングするという
対策を施すことが望ましい。この他のコア材料として
は、アモルファス合金或いはパーマロイといった高周波
特性や耐蝕性に優れた金属磁性体などを使用することが
できる。
【0038】尚、本実施例では、電極25、ケース本体
30などを円環形状とすることによりセンサユニット2
1を全体として円環形状となるように構成したが、必ず
しもこのような円環形状とする必要なく、矩形のリング
形状など、多様な形状を採用できるものである。
【0039】図1には、センサユニット21のための前
記発振回路26及び信号処理回路27を含む回路ユニッ
ト40の構成例が示されている。この図1において、回
路ユニット40の一対の入力端子P1、P2には、トロ
イダルコイル22の両端がセンサケーブル39を介して
接続され、また、回路ユニット40の出力端子Qには、
電極25がセンサケーブル39を介して接続される。
尚、センサケーブル39のシールド導体は、回路ユニッ
ト40における回路グラウンド端子(内部アース端子)
に接続されている。
【0040】回路ユニット40において、発振回路26
によって生成された高周波励磁信号は、バッファ41を
介した後に出力端子Qから出力される。この場合、回路
ユニット40の内部アース端子は、周辺機器のアース端
子に交流的に接地されており、従って、回路グラウンド
から見た励磁信号電圧は、機器接地レベルから見た電極
25の電圧に等しくなる。また、トロイダルコイル22
から入力端子P1、P2を通じて入力されたセンサ検出
信号は、信号処理回路27に与えられる。この信号処理
回路27においては、増幅回路41及びバンドパスフィ
ルタ42によって必要な信号のみが増幅された後に、整
流回路43及びローパスフィルタ44によって直流化さ
れる。このようにローパスフィルタ44から直流化され
た状態で出力される信号電圧Vsが、工具28のセンサ
ユニット21に対する進入状態を表す信号となる。
【0041】上記信号電圧Vsは、コンパレータ45及
び46において基準電圧V1及びV2(V1≠V2)と
それぞれ比較され、各比較出力をホトカプラ47及び4
8により取り出すことによりスイッチング出力を得る構
成となっている。そして、上位コントローラでは、この
スイッチング出力を読み取ることにより工具28の有無
(折損)を検出する。尚、回路ユニット40の電源は、
外部の交流電源49からの出力により所定レベルの±直
流電圧に生成する二電源用のAC/DCコンバータ50
により得る構成となっている。
【0042】ここで、上記のような回路ユニット40と
センサユニット21とを接続するセンサケーブル39に
は、大きなレベルの高周波励磁信号と微小レベルのセン
サ検出信号とが混在するので、互いの信号線(センサケ
ーブル39の芯線)は厳重にシールドしてクロストーク
の発生を抑える必要がある。また、センサ検出信号を直
流化するためのローパスフィルタ44のカットオフ周波
数は、高周波励磁信号の1/100程度以下であれば、
実用上十分に低いリップルの直流信号を得ることができ
る。つまり、励磁信号の周波数が200kHzであれ
ば、カットオフ周波数は2kHz以下にすれば良い。こ
の場合、回路ユニット40におけるセンサ検出信号に対
する応答時間は、このローパスフィルタ44の特性でほ
とんど決まるので、その応答時間を10m秒以下にする
ことはきわめて容易になる。また、センサ検出信号をロ
ーパスフィルタ44で直流化した後に、そのレベル判定
を行うことになるから、マシニングセンタ29に使用さ
れているモータなどの存在に起因したサージ電圧が平均
化されることになり、この種のノイズに対し本質的に耐
久性がある構成となる。このような耐ノイズ特性は、モ
ータを多用する工作機械においてきわめて有益な特性と
なる。
【0043】ここで、図1の回路ユニット40では、二
つのコンパレータ45、46を使用すると共に、それら
の比較対象基準電圧V1及びV2のレベルを異ならせた
状態として感度を変える構成としているが、これは検出
対象(工具28)の外径により検出位置が若干量だけ異
なってくるという現象を補正することを目的としたもの
である。従って、特に必要がなければコンパレータを一
つだけ設ける構成としても良く、また、このようにコン
パレータを一つだけ設ける場合に、基準電圧を複数段階
に切り替えることにより感度を複数段階に調整できる構
成とすることも可能である。
【0044】尚、ここまでの実施例説明では、図4で示
した動作原理に基づいた各部の構成について説明した
が、これとは異なる動作原理を示す図5のように、トロ
イダルコイル22の両端に発振回路26からの高周波交
流電圧を印加する構成も可能である。このようにトロイ
ダルコイル22を励磁した場合、工具28が取り付けら
れたマシニングセンタ29側は接地電位レベルになって
いるため、トロイダルコイル22を貫通した状態の工具
28に対し、電極25との間の結合容量Cを介して電磁
誘導作用による電流が流れる。従って、このように流れ
る電流を信号処理回路27で検出することにより、工具
28のセンサユニット21に対する進入状態を検出でき
るようになる。
【0045】(第2の実施の形態)図11には本発明の
第2実施例による導体検出装置の原理的構成及び動作原
理図が示されており、以下これについて第1実施例と異
なる部分のみ説明する。この第2実施例では、センサケ
ース23の内周側に、円筒状の絶縁材料製スペーサ51
内に埋め込まれた状態の円筒状電極52を設けた構成と
している。この場合、工具28が近接していない状態で
は、電極52からセンサケース23へ電流が流れるだけ
であるが、一旦トロイダルコイル22を貫通した電流も
全て逆方向に戻るため、それらの電流が互いに相殺され
るようになる。このため、トロイダルコイル22から信
号電圧が出力されることはない。この状態から工具28
の先端部がセンサケース23により包囲された空間部W
に進入したときには、工具28及び電極52間の結合容
量Cが急激に増大する。
【0046】従って、このような構成の本実施例によれ
ば、前記第1実施例と同様の特長を維持しつつ、工具2
8の先端部の検出位置を容易に認識可能なセンサケース
23の端面付近に設定できるというメリットがあり、実
用性を高め得るようになる。特に、小径ドリルのような
工具は全長が短いことがあるので、このようなメリット
はきわめて有用になる。また、前記第1実施例の構成で
は、トロイダルコイル22のコアの厚みが工具28の先
端部の検出位置を左右することになるので、その厚さ寸
法を余り大きくできないとう事情があったが、この第2
実施例の構成によれば、コアの厚さ寸法に関係なく検出
位置をセンサケース23の端面付近に設定できるから、
設計上の自由度が向上するようになる。
【0047】尚、円筒状の電極52に代えて、図12に
示すように、センサケース23の端面(工具28の進入
側端面)付近に位置した円板状の電極53を設ける構成
としたり、図13に示すように、縦断面形状がL事情の
円筒状電極54を設ける構成としても同様の作用・効果
を奏するものであり、要するに、電極形状は、検出位置
特性や作りやすさなどを考慮して種々設定できるもので
ある。
【0048】(その他の実施の形態)図14に示す第3
実施例のように、センサユニット21の下方に、当該セ
ンサユニット21により包囲された空間部Wに向けてエ
アを吹き出すためのアダプタ55を設ける構成としても
良い。この構成によれば、センサユニット21の内周面
及び後部28に付着した切り粉や水などを吹き飛ばすこ
とができるから、工作機械を長時間無人運転する場合な
どにおいて非常に便利になる。
【0049】尚、工作機械を長時間無人運転する場合に
は、図14に示した第3実施例の構成でも対応できない
可能性がある。このような場合には、図15に示す第4
実施例のように、先端にセンサケース23の内径より小
さいスポンジ或いはフェルト状の材料より成る清掃部材
56aを取り付けた清掃用工具56を用意し、この清掃
用工具56を工作機械の自動工具交換機能により加工ヘ
ッドに装着してセンサケース23の内周を掃除する構成
としても良い。
【0050】図16に示す第5実施例のように、工作機
械の多軸ヘッド57に対応して複数のセンサユニット2
1を設ける使用法も可能である。本実施例のセンサユニ
ット21は、前述したように互いに近付けた状態で複数
設けた場合でも相互干渉に起因した検出特性の悪化を来
たす恐れがなく、且つ周囲に金属製構造物が接近した状
態でもその影響を受けることがないから、このような使
用法であっても全く支障がない。因みに、インダクタン
スの変化を見る形式のセンサではお互い干渉し合うと共
に、周囲構造物の影響を受けるから実現困難である。
【0051】センサユニット21の検出対象は、導電体
であれば良いから、例えば図17に示す第6実施例のよ
うに、タンク58内の導電性液体59(水でも可)のレ
ベル検知も可能となる。但し、センサユニット21が取
り付けられる液位検知用の分岐管58aは、電気的な絶
縁性が十分に高い材質でなければならない。同様に、水
性インクが充填されたサインペンの通過検出や、非導電
性のパイプ(例えば樹脂パイプ、木製パイプなど)の内
部を流れる導電性液体(水、或いは水溶液、醤油、ソー
ス、ジュース、酒などの食品)の有無などの検出も可能
になる。
【0052】その他、本発明は上記した各実施例に限定
されるものではなく、以下のような変形や拡大が可能で
ある。センサユニット21は、比較的軽量にできるの
で、必ずしもワークテーブル上に載置する必要はなく、
工作機械の加工ヘッド周辺に装着してタクトタイムの短
縮を図ることも可能である。但し、センサユニット21
を固定・移動するための機構が必要になる。1個の環状
枠部23B(環状絶縁枠31)を設けることにより、ト
ロイダルコイ22ルの軸心を通る断面形状領域に1箇所
の非導通部分を形成する構成としたが、このような非導
通部分は複数箇所存在しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すセンサユニット縦断
面図及び回路ユニットの構成図
【図2】センサユニットの実際の構成例を示す縦断面図
【図3】センサユニットの原理的構成を示すために半割
り状態で示す斜視図
【図4】原理的構成及び動作原理図
【図5】図4とは異なる例を示す原理的構成及び動作原
理図
【図6】動作原理を簡明化した模式図
【図7】動作原理を示す等価的な電気的構成図
【図8】作用説明用の図4相当図その1
【図9】作用説明用の図4相当図その2
【図10】作用説明用の図7相当図
【図11】本発明の第2実施例を示す原理的構成及び動
作原理図
【図12】変形例を示す原理的構成図
【図13】異なる変形例を示す原理的構成図
【図14】本発明の第3実施例を示す要部の概略的縦断
面図
【図15】本発明の第4実施例を示す要部の側面図
【図16】本発明の第5実施例を示す要部の概略的斜視
【図17】本発明の第6実施例を示す要部の概略的縦断
面図
【図18】第1の従来例を示す全体の側面図
【図19】同従来例の要部を模式的に示す縦断側面図
【図20】第2の従来例を示す回路構成図
【図21】同従来例での検出対象の一例を示す側面図
【符号の説明】
21はセンサユニット、22はトロイダルコイル、23
はセンサケース(シールドケース)、24はスペーサ
(絶縁層)、25は電極、26は発振回路(電源装
置)、27は信号処理回路(検出回路)、28は工具、
29はマシニングセンタ、30はケース本体、31は環
状絶縁体、52、53、54は電極を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1ターン以上巻回されたトロイダルコイ
    ルと、 このトロイダルコイルの全周を包囲した中空のリング形
    状に形成され、当該トロイダルコイルの軸心を通る断面
    形状領域に1箇所以上の非導通部分が形成された導電金
    属を主体としたシールドケースと、 このシールドケースにより包囲された空間部に臨む位置
    に当該シールドケースとの間に絶縁層を介した状態で設
    けられた電極とを備えたことを特徴とする導体検出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記シールドケースの導電金属部分と前
    記電極との間に交流電圧を印加する電源装置と、 前記トロイダルコイルの両端に誘起される電圧を検出す
    る検出回路とを備えたことを特徴とする請求項1記載の
    導体検出装置。
  3. 【請求項3】 前記トロイダルコイルの両端に交流電圧
    を印加する電源装置と、 前記電極に流れる電流を検出する検出回路とを備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の導体検出装置。
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