JP4574105B2 - 情報処理装置、通信システム、および、そのプログラム - Google Patents

情報処理装置、通信システム、および、そのプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置、それを用いた通信システム、および、情報処理装置のプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図9に示すように、デバイス111aを制御するプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)112aに接続された表示器112b同士を、ローカルエリアネットワーク(LAN)113によって相互に接続した制御システム101が用いられている(後述の特許文献1参照)。
【0003】
さらに、当該制御システム101では、デバイス111aの状態が予め定められた配信条件を満たしているか否かを表示器112bが監視し、配信条件を満たすと、当該表示器112bが、自発的に、配信先として予め定められた機器へデータを配信する。これにより、上記LAN113に接続された制御用ホストコンピュータ114が、配信条件が成立しているか否かを監視して、データを吸い上げる場合に比べて、制御用ホストコンピュータ114およびLAN113の負担を軽減できる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−117611号(公開日2001年4月27日)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、配信にエラーが発生したか否かを制御用ホストコンピュータが把握する際、配信されたデータを配信先の機器に問い合わせ、当該データに基づいて、配信にエラーが発生したか否かを判断していたため、配信にエラーが発生したときに、制御用ホストコンピュータが誤動作する虞れがあるという問題を生じる。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、データ配信の成否を確実に判定可能で、しかも、判定するために必要な情報の設定が容易な情報処理装置、通信システム、そのためのプログラムを実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る情報処理装置は、上記課題を解決するために、データの複数の配信元がそれぞれ配信条件を満たすと、複数の配信先のうちの指定された配信先にデータを配信する通信システムに対し、上記各配信元の配信条件を設定する配信条件設定手段を備えた情報処理装置において、上記各配信条件に関連付けて、上記各配信元によるデータ配信結果の格納場所を設定する配信結果格納場所設定手段と、上記両設定手段による設定を示す配信情報を上記各配信元の機器へ送信して、上記配信条件が成立したときのデータの配信と、上記配信先からの応答に基づいた配信結果の上記格納場所への格納とを指示する送信手段とを備えていることを特徴としている。
【0008】
上記構成において、配信条件設定手段および配信結果格納場所設定手段は、データの配信元の配信条件、および、当該配信元によるデータ配信結果の格納場所を設定し、送信手段は、これらを示す配信情報を配信元の機器に送信する。一方、配信元の機器は、配信情報が示す配信条件が成立すると、データを配信すると共に、配信情報が示す格納場所に、配信結果を格納する。
【0009】
上記構成では、データが配信された場合、その配信結果が、配信元の機器によって、格納場所に格納される。したがって、情報処理装置は、当該格納場所を参照することで、配信結果を確実に判断できる。この結果、配信が失敗しているにも拘わらず、配信が成功したと誤判断して処理を進めるという不具合を回避できる。また、複数の配信条件が成立し、かつ、その中のいずれかが配信に失敗した場合でも、それぞれの配信結果の格納場所を参照することで、それぞれの成否を確認できる。
【0010】
さらに、上記構成では、配信条件と、その配信結果の格納場所とは、情報処理装置によって設定される。したがって、それぞれを別々の装置で設定する場合に比べて、配信条件および格納場所を設定する際の手間を削減できる。
【0011】
これらの結果、データ配信の成否を確実に判定可能で、しかも、判定するために必要な情報の設定が容易な情報処理装置を実現できる。また、情報処理装置は、配信結果を参照することによって、配信結果に応じた処理が可能になり、情報処理装置を含むシステムの信頼性を向上できる。
【0012】
さらに、配信されたデータの内容を配信先の機器へ問い合わせることによって、情報処理装置が配信結果を確認する場合と異なり、上記格納場所を参照するだけで、配信結果を確認できるので、情報処理装置の負担も軽減できる。
【0013】
また、請求項2の発明に係る情報処理装置は、請求項1記載の発明の構成に加えて、上記各配信元の機器と上記配信先の機器との間の通信路を監視して、配信されたデータを当該配信先の機器が受信したことを検出する受信検出手段と、当該受信検出手段による検出結果を、当該情報処理装置に設けられ、上記配信先の機器の受信を処理のトリガとするアプリケーション処理部へ通知することを特徴としている。
【0014】
上記構成では、配信されたデータを配信先の機器が受信したことは、情報処理装置の受信検出手段が、配信元の機器と配信先の機器との間の通信路を監視することによって検出され、情報処理装置のアプリケーション処理部に通知される。したがって、配信元の機器が配信先の機器へデータを配信したことを示す通知データが、配信すべきデータとは別に、配信元の機器から情報処理装置に送信されていないにも拘わらず、アプリケーション処理部は、配信先の機器によるデータの受信を認識できる。
【0015】
この結果、配信すべきデータと通知データとの双方を配信元の機器が情報処理装置に送信する場合に発生する不具合、すなわち、配信すべきデータのみが受信され、配信先の機器へのデータ配信を情報処理装置が検出できなかったり、通知データのみが受信されて、配信先の機器が配信データを受け取っていないにも拘わらず、配信データの格納領域に格納されたデータを処理したりという不具合を回避できる。したがって、情報処理装置を含むシステムの信頼性を向上できる。
【0016】
一方、請求項3の発明に係る通信システムは、複数の配信元の機器と、複数の配信先の機器と、請求項1記載の情報処理装置とを有する通信システムであって、上記課題を解決するために、上記配信先の機器は、上記配信元の機器からデータ配信された場合、配信結果を返信する応答手段を備え、上記配信元の機器は、当該応答手段からの応答に基づいて、上記配信結果の格納場所に配信結果を格納することを特徴としている。
【0017】
当該構成では、配信元の機器は、配信先の機器の応答手段からの応答に基づいて、配信結果を判定するので、配信されたデータの内容を配信先の機器へ問い合わせることによって、配信元の機器が配信結果を確認する場合よりも、配信元の機器の負担を軽減できる。特に、配信元の機器が、制御システムにおいて、デバイスを制御する制御ユニットである場合のように、配信元の機器が数多く存在する場合には、通信システム全体に必要なハードウェア資源を大幅に軽減できる。
【0018】
ところで、上記情報処理装置は、ハードウェアで実現してもよいし、プログラムをコンピュータに実行させて実現してもよい。具体的には、請求項4の発明に係るプログラムは、請求項1記載の各手段としてコンピュータを動作させるプログラムである。
【0019】
上記プログラムが上記コンピュータで実行されると、当該コンピュータは、請求項1記載の各手段として動作する。したがって、請求項1と同様、データ配信の成否を確実に判定可能で、しかも、判定するために必要な情報の設定が容易な情報処理装置を実現できる。また、情報処理装置は、配信結果を参照することによって、配信結果に応じた処理が可能になり、情報処理装置を含むシステムの信頼性を向上できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図1ないし図8に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、本実施形態に係る制御システム1は、例えば、図1に示すように、ターゲットシステム11のデバイス11aを制御する制御ユニット12と、それぞれの制御ユニット12によって制御されるデバイス11a同士を連携して動作させるために、各制御ユニット12を相互に接続するローカルエリアネットワーク(LAN)13と、上記LAN13に接続され、多くの場合、制御ユニット12よりも離れた場所から、制御システム1全体を管理する制御用ホストコンピュータ14とを備えている。
【0021】
以下では、データ配信時の動作、および、データ配信のための情報が設定される時の動作について説明する前に、制御システム1全体の構成および動作の概略を説明する。すなわち、上記制御ユニット12は、デバイス11aの制御装置としてのプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)12aと、処理指示語(タグ)を組み合わせて決定される画面データに基づいて、オペレータによる操作受け付け、および、画面表示を制御可能なプログラマブル表示器12bとを備えている。
【0022】
上記各制御ユニット12のプログラマブル表示器12b同士は、上記LAN13(例えば、イーサネット(登録商標)など)を介して接続されており、各プログラマブル表示器12bは、自らに接続されているPLC12aの機種に固有の専用プロトコルと、LAN13での共通プロトコルとを変換して、LAN13に接続された機器(他のプログラマブル表示器13など)と、PLC12aとの通信を中継する。これにより、LAN13に接続された各機器は、各プログラマブル表示器12bに接続されているPLC12aの機種に拘らず、LAN13を介して共通のプロトコルで通信できる。
【0023】
本実施形態では、共通のプロトコルとして、TCP/IPを採用している。また、共通プロトコルと専用プロトコルとの間のプロトコル変換には、同じ指示に同じコードが割り当てられるように予め定められた共通のコマンドと当該共通のコマンドに対応するPLC12a固有のコマンドとの間のコマンド変換や、データやアドレスの表現方法の変換なども含まれている。
【0024】
この結果、複数の制御ユニット12によってそれぞれ制御されるデバイス11a同士が連携して動作できるにも拘わらず、制御ユニット12間を接続するためにPLC12a同士を接続する構成に比べて、異なる機種のPLC12aが制御システム1に容易に混在されている。
【0025】
また、本実施形態では、制御システム1に必須の構成であり、しかも、HMIとして動作するため、動作時間の大半は演算能力に余力を残しているプログラマブル表示器12bが、プロトコル変換を含め、通信の大半を処理する。したがって、PLC12a同士が通信する場合に比べて、制御システム1全体で必要なハードウェア資源を削減できる。
【0026】
なお、上記各プログラマブル表示器12bは、シリアルケーブルなどを介して、それぞれに対応するPLC12aと接続されている。また、図1では、説明の便宜上、LAN13にプログラマブル表示器12bが2台接続され、各プログラマブル表示器12bには、PLC12aおよびデバイス11aがそれぞれ1台ずつ接続されると共に、各PLC12aにデバイス11aが1台接続されている場合を例示しているが、当然ながら、それぞれの接続台数は任意に設定できる。
【0027】
また、デバイスは、デバイスアドレスにより特定可能で、しかも、状態を取得したり、制御(変更)できるものであれば、例えば、デバイス11a自体であってもよいし、例えば、PLC12aやプログラマブル表示器12bの記憶装置など、制御システム1に設けられた記憶装置の一領域を示していてもよい。
【0028】
上記プログラマブル表示器12bは、後述する画面データに基づいて、デバイスの状態を画面表示する際の動作や、画面への操作に応じてデバイスの状態を制御する際の動作を特定するものであって、PLC12aと通信するPLC・IF部21と、上記LAN13に接続するためのLAN・IF部22と、例えば、液晶表示装置などからなるディスプレイ23と、ディスプレイ23の画面上に配されたタッチパネル24と、上記各部材21〜24を制御するデータ処理部25とを備えている。
【0029】
上記画面データは、画面上の領域と、当該領域への表示や入力に対応するデバイスとの対応関係を示すタグを組み合わせて構成されている。本実施形態では、データ処理部25が複数の単位画面を切り換え表示可能であり、上記タグは、当該タグが有効となる単位画面を示すファイル番号と、単位画面上で実行すべき動作内容を特定する事象名と、各事象毎に参照される参照情報とを含んでいる。
【0030】
例えば、上記タグが所定の画面領域(表示座標範囲)へ所定のデバイスの状態に応じた部品図形を表示する表示タグの場合、上記参照情報には、表示座標範囲と、デバイスを特定可能な変数(後述)と、例えば、部品図形がスイッチの場合、ONを示す図形のファイルおよびOFFを示す図形のファイルなど、表示時に参照するファイル番号とが含まれる。さらに、タグが入力タグの場合、参照情報として、有効入力座標範囲と、入力結果が書き込まれるデバイスの変数とが含まれる。
【0031】
また、上記データ処理部25は、各変数に関する情報として、変数の名称(変数名)と、変数に対応するデバイス11aまたは内部メモリを特定するための情報(例えば、アドレスなど)と、変数の内容との組み合わせを記憶している。なお、本実施形態では、変数に対応するデバイス11aの機種に拘わらず、変数の内容を格納する際の表現方法(例えば、ワード長や符号の有無、あるいは、BCD/2進表記など)が予め定められた表現方法に統一されており、変数が実在のデバイス11aに対応する場合、データ処理部25は、実際の機種での表現方法も記憶している。この場合、データ処理部25は、PLC・IF部21を介してデバイス11aの状態を取得あるいは制御する際、表現方法を形式変換して、格納時の表現方法を統一する。
【0032】
一方、上記データ処理部25は、所定の時間間隔で、予め格納された画面データから、ベース画面のファイル番号が、現在表示中のベース画面である表示タグを抽出する。さらに、データ処理部25は、上記変数に関する情報を参照して、タグに対応する変数の内容を読み出し、内容に応じた部品図形をディスプレイ23に表示する。ここで、PLC・IF部21に接続されたPLC11により制御されるデバイス11aに、上記変数が対応している場合、データ処理部25は、PLC・IF部21によるPLC11との通信によって、デバイス11aの状態を取得し、上記変数の内容を当該状態に応じて更新する。これにより、ディスプレイ23には、デバイス11aの状態が表示される。
【0033】
なお、変数が他のプログラマブル表示器12bに接続されたPLC12aによって制御されるデバイス11aの場合、データ処理部25は、LAN・IF部22、LAN13および他のプログラマブル表示器12bを介して当該PLC12aと通信するなどして、デバイス11aの状態を取得し、それに応じて変数の内容を更新する。
【0034】
また、タッチパネル24への押し操作など、オペレータの入力操作を受け付けると、データ処理部25は、上記画面データから、現在表示中のベース画面に対応し、当該入力操作にマッチする入力タグを検索すると共に、入力結果に応じて、タグに対応する変数の内容を更新する。さらに、データ処理部25は、デバイス11aの状態を取得する場合と略同様に、自らに接続されたPLC12aや、他のプログラマブル表示器12bと通信するなどして、上記変数の内容に応じて、デバイス11aの状態を制御させる。ここで、入力操作の後も、データ処理部25は、デバイス11aの状態を画面表示するので、操作結果が画面表示に反映される。
【0035】
加えて、データ処理部25は、例えば、他のプログラマブル表示器12bや制御用ホストコンピュータ14など、LAN13に接続された機器から、自らに接続されたPLC12aのデバイス11aへの制御指示を受け取った場合や、これとは逆に、上記機器へ報告すべきデバイス11aの状態を、自らのPLC12aから受け取った場合には、上述したプロトコル変換によって、PLC11との通信、および、LAN13での通信の間を中継できる。
【0036】
さらに、本実施形態に係るプログラマブル表示器12bは、配信処理部31を備えており、当該配信処理部31は、デバイス11aの状態を監視し、あるデバイス11aの状態、あるいは、複数のデバイス11aの状態の組み合わせが、予め定められた条件(配信条件)を満たすと、自発的に、予め定められた配信先へ、予め定められたデータを配信できる。
【0037】
上記構成では、制御用ホストコンピュータ14よりもデバイス11aに近い制御ユニット12に設けられた配信処理部31が、配信条件の成否を監視しており、配信条件の成立時にデータを配信する。したがって、制御用ホストコンピュータ14が配信条件の成否を確認する場合に比べて、LAN13を伝送されるデータ量、および、制御用ホストコンピュータ14の負荷を抑制できる。
【0038】
ここで、上記配信条件は、制御用ホストコンピュータ14によって設定され、配信条件の監視に先立って、制御ユニット12(より詳細には、プログラマブル表示器12b)に送信される。
【0039】
具体的には、本実施形態に係る制御用ホストコンピュータ14は、LAN13を介して、制御ユニット12と通信するためのLAN・IF部41と、各制御ユニット12の配信に関する情報を設定する配信設定部42とを備えている。
【0040】
当該配信設定部42には、条件を設定する配信条件設定部(配信条件設定手段)51と、各配信条件に関連して、条件成立時の配信元を設定する配信元設定部52と、各配信条件に関連して、条件成立時の配信先を設定する配信先設定部53と、各設定部51〜53による設定を、配信元となる制御ユニット12に送信する設定部(送信手段)54とが設けられている。
【0041】
より詳細には、上記配信条件設定部51は、図2に示す設定画面をディスプレイ(図示せず)に表示するなどして、制御用ホストコンピュータ14のユーザに、配信条件の設定を促すことができる。本実施形態に係る配信条件設定部51は、配信のタイミングを決定する条件として、電源投入、時刻指定、周期指定、書き換えトリガ、ON期間、OFF期間、立ち上がりトリガおよび立ち下がりトリガを設定可能であり、上記設定画面では、それぞれの選択を受け付けるためのボタンB1〜B8が表示されている。
【0042】
「電源投入」は、プログラマブル表示器12bの電源投入時に配信を行う条件であり、「時刻指定」は、指定された時刻に配信を行う条件である。また、「周期指定」は、予め定められた周期毎に配信を行う条件であり、「書き換えトリガ」は、予め定められた特定のデバイス11aの出力データが書き換えられたとき、すなわち出力データが変化したときに配信を行う条件である。「ON期間」と「OFF期間」とは、上記デバイス11aのON期間とOFF期間とのそれぞれにおいて配信を続けて行うための条件であり、「立ち上がりトリガ」と「立ち下がりトリガ」とは、出力データ(指定デバイス出力)の立ち上がりと立ち下がりとのそれぞれの検出時に配信を行うための条件である。
【0043】
さらに、本実施形態に係る配信条件設定部51は、上記の各条件のうち、デバイスの出力に基づく条件を選択したときに指定すべきデバイス11aの入力を受け付けることができる。図2の例では、配信条件設定部51は、当該デバイス11aのシンボル名を選択するためのリストボックスL1によって、デバイス11aの入力を受け付けている。
【0044】
また、上記配信条件設定部51は、例えば、図2に示すテキストボックスT1とチェックボックスC1とテキストボックスT2とチェックボックスC2とを表示して、それぞれへの入力を促すなどして、配信条件をチェックする周期(ms単位)と、配信を行う期間と、配信後に上記デバイス11aの出力をリセットするか否かとの設定を受け付けることができる。なお、チェック周期は、「電源投入」、「時刻設定」および「周期指定」の配信条件にのみ有効であり、期間限定は、「周期指定」の配信条件にのみ有効である。
【0045】
また、配信後に上記デバイス11aの出力をリセットする設定については、「立ち上がりトリガ」または「立ち下がりトリガ」の配信条件にのみ有効であり、「立ち上がりトリガ」で、かつ、当該設定(この場合、立ち上がりトリガ、すなわち、トリガ後、ON状態になっているので、OFFに戻す設定と解釈される)を要に設定したとき、後述の配信完了デバイスの設定が無効になる。また、「立ち上がりトリガ」で、かつ、リセットする設定を否に設定したときは、後述の「配信条件リセット後の配信完了デバイスの自動リセット」の設定が可能になり、後述の格納場所設定部55は、当該設定の要否を受け付けることができる。一方、「立ち下がりトリガ」で、かつ、上記リセットする設定(立ち下がりトリガなので、ONに戻す設定と解釈される)を要に設定したときは、後述の配信完了デバイスの設定が無効になり、「立ち下がりトリガ」で、しかも、リセットする設定を否に設定したときは、後述の「配信条件リセット後の配信完了デバイスの自動リセット」の設定が可能になる。なお、後述の格納場所設定部55は、以下の組み合わせ、すなわち、立ち上がりまたは立ち下がりトリガと、配信後のリセット否(不要)との組み合わせ以外に設定されている場合、例えば、「配信条件リセット後の配信完了デバイスの自動リセット」の設定を入力するためのチェックボックスC41(後述)を選択不可にするなどして、他の配信条件のときに当該設定の入力受け付けを拒否している。
【0046】
一方、上記配信元設定部52は、配信条件成立時にデータを配信する際の配信元となる領域の設定を受け付けることができる。本実施形態に係る配信元設定部52は、例えば、上記配信元となる領域の先頭に配されたデバイス11aと、領域の広さとの組み合わせによって、上記配信元となる領域の設定を受け付けており、配信元設定部52によって、図2に示す配信局と記載された領域A11には、当該デバイス11aのシンボル名を選択するリストボックスL11と、個数を入力するためのテキストボックスT11とが表示されている。
【0047】
また、上記配信先設定部53は、配信条件成立時にデータを配信する際の配信先となる領域の設定を受け付けることができる。本実施形態に係る配信先設定部53は、配信先の領域の広さは、配信元となる領域に合わせて自動的に設定しており、配信先となる領域の先頭のデバイス11aの入力によって、当該領域を設定している。図2の例では、受信局と記載された領域A21に、上記デバイス11aの選択を促すリストボックスL21が表示されており、デバイス11aの選択によって、配信先となる領域が設定される。なお、上記各設定部51〜53による設定は、図1に示す設定部54によって、配信元となる制御ユニット12に送信される。
【0048】
このように、本実施形態では、制御システム1内の各制御ユニット12の配信に関する情報を、制御用ホストコンピュータ14の配信設定部42によって設定できるので、各制御ユニット12毎で配信に関する情報を設定する場合に比べて、これらの情報を設定する際の手間を削減できる。また、これらの情報が制御用ホストコンピュータ14で一元管理されるので、これらの情報を管理する手間も削減できる。
【0049】
さらに、本実施形態では、制御用ホストコンピュータ14のアプリケーション処理部43が上記配信処理部31の配信結果を確実に把握して、配信結果に応じた処理を実施できると共に、そのための設定を少ない手間で設定できるように、以下の部材を備えている。
【0050】
すなわち、制御用ホストコンピュータ14の配信設定部42には、上記各配信条件に関連して、配信結果の格納場所を設定する格納場所設定部(配信結果格納場所設定手段)55が設けられており、上記設定部54は、格納場所設定部55による設定も、配信元となる制御ユニット12に送信できる。
【0051】
さらに、制御システム1において、配信先となり得る装置(例えば、プログラマブル表示器12b)は、配信元となる装置(例えば、プログラマブル表示器12b)によるデータ配信後、配信結果を配信元に返信する応答処理部(応答手段)32を備えている。また、本実施形態では、制御用ホストコンピュータ14も配信先に設定できるので、制御用ホストコンピュータ14にも、応答処理部(応答手段)44が設けられている。
【0052】
一方、上記配信処理部31は、配信条件が成立して、データを配信した後、配信先となる装置からの配信結果の応答に基づいて、配信結果を判定し、上記格納場所設定部55によって設定された格納場所に、配信結果を格納できる。なお、配信結果は、データ配信の成否のみを示す情報であってもよいし、配信に失敗したときのエラーコード、または、配信に成功したときのコードであってもよい。さらに、本実施形態に係る格納場所設定部55は、配信結果として、エラーが発生した配信先のアドレスの格納場所も設定でき、上記配信処理部31は、配信に失敗したとき、当該格納場所に、自らのアドレスを格納できる。
【0053】
より詳細には、上記格納場所設定部55は、例えば、図3に示す画面を表示するなどして、配信完了時に、配信結果を格納する格納場所の入力を受け付けることができる。本実施形態では、配信結果として、データ配信の成否、エラーコード、および、アドレスを格納可能であり、格納場所設定部55は、例えば、それぞれの格納場所となるデバイスの選択を促すリストボックスL31〜L33を表示するなどして、それぞれの格納場所となるデバイスの設定を受け付けることができる。
【0054】
本実施形態では、上記データ配信の成否を格納するデバイスは、ビットデバイスとして実現されており、配信の結果が正常であれば、0、異常であれば、1が設定される。また、本実施形態に係るエラーコードの格納デバイスは、16または32ビットのバイナリ型のデバイスとして実現されており、配信結果に応じたエラーコードが格納される。さらに、本実施形態では、アドレスとして、IP(Internet Protocol )アドレスが用いられており、アドレスを格納するデバイスは、32ビットのバイナリ型として実現されている。
【0055】
また、本実施形態に係る格納場所設定部55は、例えば、配信完了デバイスの選択を促すリストボックスL41を表示するなどして、配信完了デバイスの設定を受け付けることができる。さらに、本実施形態に係る格納場所設定部55は、例えば、配信条件リセット後、自動リセットするか否かの選択を促すチェックボックスC41を表示するなどして、配信条件リセット後、自動リセットするか否かの設定を受け付けることができる。
【0056】
また、本実施形態に係る配信設定部42は、図4に示すように、配信条件毎に、配信タイムアウト時間を設定する画面を表示するなどして、配信条件毎に、配信タイムアウト時間の設定を受け付けることができる。したがって、各配信条件間で、配信タイムアウト時間が一律の場合と異なり、配信条件に応じた配信タイムアウト時間を設定できる。
【0057】
なお、図2〜図4に示す画面間は、タブの選択操作によって、相互に切り換えて表示される。また、この例では、配信元および配信先の入力を受け付けるとともに、入力結果を表示するための領域A11・A21は、格納場所の入力を受け付ける際や、配信タイムアウト時間を設定する際にも表示されている。
【0058】
ここで、上記各部材21〜32、41〜55は、CPUなどの演算手段が、ROMやRAMなどの記憶手段に格納されたプログラムを実行し、タッチパネルやボタンあるいは液晶表示装置などの入出力手段、あるいは、インターフェース回路などの通信回路を制御することによって実現される機能ブロックである。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体(例えば、CD−ROMなど)を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態に係るプログラマブル表示器12bおよび制御用ホストコンピュータ14を実現できる。なお、例えば、シリアルケーブルやLAN13、インターネット、あるいは、他の通信路を介してプログラムをダウンロードするためのプログラムが、上記コンピュータに予めインストールされていれば、当該通信路を介して、上記コンピュータへ上記プログラムを配付することもできる。
【0059】
上記構成において、データ配信に関連する動作を、図5に基づいて説明すると、以下の通りである。すなわち、配信元によるデータ配信に先立ち、図5に示すステップ1〜ステップ5(以下では、S1〜S5のように略称する)では、制御用ホストコンピュータ14によって、データ配信のための設定が行われる。
【0060】
具体的には、S1〜S3において、制御用ホストコンピュータ14の各設定部51〜53は、図2に示す画面を表示して、配信条件、並びに、配信条件成立時にデータを配信する際の配信先になる領域および配信元になる領域の設定を受け付ける。また、S4において、制御用ホストコンピュータ14の格納場所設定部55は、図3に示す画面を表示して、格納場所の設定を受け付ける。さらに、上記S1〜S4において、それぞれの設定が受け付けられると、S5において、制御用ホストコンピュータ14の設定部54は、各配信条件について、配信元となる制御ユニット12(プログラマブル表示器12b)の配信処理部31へ、当該配信条件に関連して設定された情報(配信情報)を送信する。
【0061】
なお、上記S1〜S4の処理を事項する順番は、上記S5において、配信情報を送信するまでに実行されていれば、任意の順番に設定できる。また、設定の途中で順番を変更してもよいし、設定を再度やり直してもよい。
【0062】
上記配信情報が配信元となる各プログラマブル表示器12bに送信されると、これらのプログラマブル表示器12bの配信処理部31は、S11において、配信条件の成否をチェックする。配信条件が成立すると(上記S11において、YES の場合)、配信処理部31は、S12において、配信情報で指定された配信元の領域のデータを、配信情報で指定された配信先の領域へ配信する。
【0063】
一方、配信先の領域を管理する機器(例えば、プログラマブル表示器12bや制御用ホストコンピュータ14)の応答処理部32(44)は、配信元の機器(この場合は、プログラマブル表示器12b)から、配信を受けると、配信結果として、例えば、配信の成否、および、エラーコードを返信する。さらに、配信元のプログラマブル表示器12bは、配信結果の返信を受け取ると、当該配信結果を配信情報で指定された格納場所に格納する(S13)。
【0064】
なお、配信に失敗した場合に、予め定められた回数リトライするように設定されている場合、配信元の応答処理部32は、配信に失敗した旨の応答を受けると、当該回数になるまで、再送を繰り返し、上記格納場所には、最終的な配信結果が格納される。また、ある配信条件に対して、配信先が複数設定されている場合、上記応答処理部32は、全てへの配信が成功した場合にのみ、成功と判断し、いずれかへの配信に失敗した場合は、失敗と判断する。なお、エラーコードは、各配信先毎に格納してもよいが、本実施形態では、エラーコードを格納する領域縮小を優先して、最後に報告されたエラーコードを格納している。
【0065】
また、本実施形態では、制御用ホストコンピュータ14のアプリケーション処理部43が配信されたデータに基づいて、例えば、データの集計などのデータ処理を行う(S14)。なお、上記S12ないしS14の処理は、配信条件が成立する度に繰り返される。
【0066】
上記構成では、データが配信された場合、その配信結果が、予め定められた格納場所に格納される。したがって、制御用ホストコンピュータ14のアプリケーション処理部43は、当該格納場所を参照することで、配信結果を確実に判断できる。この結果、アプリケーション処理部43が格納場所を参照して、配信結果を判断することによって、以下のような不具合、すなわち、配信が失敗しているにも拘わらず、配信が成功したと誤解して処理を進めるという不具合を回避できる。また、複数の配信条件が成立し、かつ、その中のいずれかが配信に失敗した場合でも、それぞれの配信結果の格納場所を参照することによって、それぞれの成否を確認できる。
【0067】
さらに、上記構成では、配信条件と、その配信結果の格納場所とが、制御用ホストコンピュータ14によって設定される。したがって、それぞれを別々の装置で設定する場合に比べて、配信条件および格納場所を設定する際の手間を削減できる。
【0068】
以下では、図6を参照しながら、データ配信時の動作タイミングの一例として、配信設定部42によって、配信条件が「立ち上がりトリガ」、「配信後、自動リセット」が否、かつ、「配信条件リセット後、自動リセット」が要に設定されている場合について説明する。また、配信設定部42によって、配信処理部31が立ち上がりを監視するデバイスは、配信条件デバイスαに設定され、配信完了したか否かを示す情報が書き込まれるデバイスは、配信完了デバイスβに設定される。なお、配信条件デバイスαおよび配信完了デバイスβは、図2に示すリストボックスL1、および、図3に示すリストボックスL41によって入力され、配信条件が「立ち上がりトリガ」、「配信後、自動リセット」が否、かつ、「配信条件リセット後、自動リセット」が要の設定は、例えば、図2に示すボタンB7、チェックボックスC2、および、図3に示すチェックボックスC41によって入力される。また、上記配信設定部42による設定を示す配信情報は、配信元となるプログラマブル表示器12bに配信される。
【0069】
この場合、配信元となるプログラマブル表示器12bの配信処理部31は、配信情報に基づいて、配信条件デバイスαの立ち上がりの有無を監視している。配信条件デバイスαが立ち上がると(t1の時点)、上記配信処理部31は、配信条件が成立したと判断して、配信先となるプログラマブル表示器12bに、データを送信する(t2〜t4の期間)。
【0070】
一方、配信先の機器(例えば、プログラマブル表示器12bまたは制御用ホストコンピュータ14)の応答処理部32(44)は、配信先から送信されたデータを受け取り、例えば、配信先として定められた領域にデータを書き込む(t3〜t5の期間)。なお、配信先の機器は、当該データに基づいて、予め定められたアクションを行ってもよい。さらに、配信先の機器の応答処理部32(44)は、配信元からのデータ配信が終了し、当該データの書き込みやアクション処理が終了すると、配信結果を配信元に応答する(t6の時点)。
【0071】
さらに、配信元のプログラマブル表示器12bは、配信先の機器から配信結果を受け取ると、t7の時点において、配信結果を配信結果の格納先に格納すると共に、配信完了デバイスβをセットする。
【0072】
一方、制御用ホストコンピュータ14のアプリケーション処理部43は、配信設定部42の設定に基づいて、各配信条件に関連する配信完了デバイスβを監視しており、配信が終了し、配信完了デバイスβがセットされたことを検出すると、当該配信完了デバイスβに対応する配信条件デバイスαをリセットする(t8の時点)。また、配信完了デバイスβがセットされたことによって、データ配信が終了したことを検出すると、制御用ホストコンピュータ14のアプリケーション処理部43は、配信完了デバイスβに対応する配信結果の格納場所を参照して、配信結果を取得し、配信結果に応じた処理(例えば、配信成功時に、配信されたデータを、LAN13に接続されたデータベース15に格納したり、配信失敗時に、配信エラーの履歴を取るなど)を行う。
【0073】
本実施形態では、配信結果は、配信条件毎に設定可能なので、複数の配信条件が略同時に成功して、複数のデータ配信が並行して行われた場合であっても、それぞれの配信結果の格納場所を互いに異なるように設定することで、アプリケーション処理部43は、何ら支障なく、それぞれの配信結果を認識できる。また、本実施形態では、配信の成否だけではなく、エラーコードも含まれているので、アプリケーション処理部43は、エラーコードに応じた復帰処理を行うことができる。
【0074】
加えて、各配信条件に対応する格納場所を含めた各配信条件毎の設定は、制御用ホストコンピュータ14の配信設定部42によって、配信条件の設定と共に行われるので、それぞれを別個の装置で設定する場合に比べて、設定時の手間を大幅に軽減できる。また、上記アプリケーション処理部43は、当該配信設定部42と同じく、制御用ホストコンピュータ14に設けられている。したがって、アプリケーション処理部43は、配信設定部42を参照することで、何ら支障なく、各配信条件毎の設定(配信完了デバイスβ、配信結果の格納場所など)を取得できる。
【0075】
さらに、上記配信処理部31は、配信情報において、「配信条件リセット後、自動リセット」が要に設定されている場合、配信条件デバイスαがリセットされたことを検出すると、配信完了デバイスβをリセットする(t9の時点)。上記t1〜t9の動作は、配信条件デバイスαが立ち上がる度に繰り返され、その度に、配信元から配信先にデータが配信される。
【0076】
なお、配信条件デバイスαがリセットされた時点t8から、次にセットされる時点t1までの期間を、ある程度以上の長さ確保しないと、配信元の配信処理部31が配信条件デバイスαの立ち上がりを検出できない場合、配信処理部31が必要とする期間だけ、上記期間を確保することが望ましい。例えば、配信条件デバイスαをセットする際に、配信完了デバイスβのリセットを確認し、リセットされているときにのみ、配信条件デバイスαをセットしてもよい。この場合は、配信処理部31が配信完了デバイスβをリセットするまで、配信条件デバイスαがセットされないので、配信処理部31が自らに必要な時間に応じて、配信完了デバイスβのリセットタイミングを調整することによって、配信条件デバイスαのセットタイミングを遅延できる。したがって、配信条件デバイスαをセットする機器が配信元となる機器に合わせて、配信条件デバイスαをセットするタイミングを調整することなく、上記時間を確保できる。
【0077】
続いて、図7を参照しながら、データ配信時の動作タイミングの他の例についうて説明する。この例の各設定は、図6の場合と略同一であるが、「配信条件リセット後、自動リセット」が否に設定されている点が異なっており、制御用ホストコンピュータ14のアプリケーション処理部43が、配信完了デバイスβもリセットする。
【0078】
図6に示すt1〜t7と同様に、t11〜t17において、配信条件デバイスαの立ち上がりに応じて、データが配信され、配信結果の格納および配信完了デバイスβのセットが行われると、制御用ホストコンピュータ14のアプリケーション処理部43は、t18の時点において、配信完了デバイスβのセットの検出に応じて、配信条件デバイスαおよび配信完了デバイスβをリセットする。なお、t11〜t18の処理も配信条件デバイスαが立ち上がる毎に繰り返される。
【0079】
このように、配信完了デバイスβを、制御用ホストコンピュータ14がリセットする場合であっても、配信元の配信処理部31がリセットする場合と同様に、配信完了デバイスβがセットされ、配信結果が予め定められた格納場所に格納されるので、制御用ホストコンピュータ14のアプリケーション処理部43は、配信設定部42を参照して各配信条件毎の設定を確認できると共に、各配信条件毎に、データ配信が終了したか否か、および、配信結果を確認でき、配信結果に応じた処理を行うことができる。
【0080】
なお、上記では、立ち上がりトリガの場合を例にして説明したが、立ち下がりトリガの場合であっても、制御システム1の各部材は、同様に動作する。また、図6および図7では、セットを1、リセットを0のように記載しているが、セット/リセットは、実際の値ではなく、論理値であり、立ち下がりトリガの場合のように、セットが0、リセットが1であってもよい。
【0081】
ところで、制御用ホストコンピュータ14が配信先となる場合、あるいは、配信先ではなくても、データが配信先に配信されたことをトリガとして、アプリケーション処理部43が動作する場合、アプリケーション処理部43は、データが配信先に配信されたことを的確に判断することが望まれる。
【0082】
ここで、本実施形態に係る制御用ホストコンピュータ14において、LAN・IF部(受信検出手段)41は、データ配信のためにLAN13を配信されるパケットを監視して、データが配信元の機器から配信先の機器へ伝送されたか否かを判定し、判定結果に基づいて、予め定められた受信通知デバイスをセット/リセットしている。また、配信設定部42は、配信条件に関連して設定される配信元および配信先の組み合わせ毎に、受信通知デバイスを設定できるように構成されている。
【0083】
具体的には、本実施形態に係る配信設定部42は、図8に示すように、図2および図3で設定された送信先をリスト表示して、それぞれ毎に、受信通知デバイスの選択を促すリストボックスL51を表示するなどして、受信通知デバイスの設定を受け付けている。なお、図8の画面も、残余の画面(例えば、図2など)と同様に、配信条件毎に用意され、それぞれは、画面上のタブを操作することによって切り換えられる。
【0084】
上記構成では、LAN・IF部41は、データ配信のためにLAN13を配信されるパケットを監視して、データが配信元の機器から配信先の機器へ伝送されたか否かを判定し、判定結果に基づいて、上記配信設定部42によって設定された受信通知デバイスをセット/リセットする。なお、受信通知デバイスは、配信されたデータを配信先の機器が受信した時点でセットされるので、配信完了デバイスのセットよりも前にセットされる。
【0085】
このように、受信通知デバイスは、配信元の機器から内容が通知されるのではなく、制御用ホストコンピュータ14にて内容が設定されるので、配信元の機器は、配信すべきデータとは別に、受信通知デバイスの内容を配信する必要がない。したがって、両者を別に送信した場合の不具合、すなわち、配信すべきデータのみを配信先の機器が受信して、データが受信されているにも拘わらず、受信していないと誤判断したり、受信通知デバイスの内容のみを配信先の機器が受信して、配信すべきデータは受信されていないにも拘わらず、配信先の領域に格納されたデータを処理したりするという不具合の発生を防止でき、データ配信の有無に応じて、受信通知デバイスを確実にセット/リセットできる。
【0086】
この結果、アプリケーション処理部43は、当該受信通知デバイスを監視するとによって、データが配信先の機器に配信されたことを、より確実に判断でき、誤判断を防止できる。
【0087】
なお、制御用ホストコンピュータ14が配信先の場合は、データ配信のためにLAN13を配信されるパケットを監視する動作として、配信元からデータを受信したか否かを監視すればよいので、制御用ホストコンピュータ14に余り負担をかけることなく、データが配信先に配信されたこと、すなわち、データの配信を受け取ったことを判断できる。
【0088】
【発明の効果】
請求項1の発明に係る情報処理装置は、以上のように、データの複数の配信元がそれぞれ配信条件を満たすと、複数の配信先のうちの指定された配信先にデータを配信する通信システムに対し、上記各配信元の配信条件を設定する配信条件設定手段を備えた情報処理装置において、上記各配信条件に関連付けて、上記各配信元によるデータ配信結果の格納場所を設定する配信結果格納場所設定手段と、上記両設定手段による設定を示す配信情報を上記各配信元の機器へ送信して、上記配信条件が成立したときのデータの配信と、上記配信先からの応答に基づいた配信結果の上記格納場所への格納とを指示する送信手段とを備えている構成である。また、請求項4の発明に係るプログラムは、上記各手段としてコンピュータを動作させるためのプログラムであって、当該プログラムを実行することによって、当該プログラムは、上記情報処理装置として動作する。
【0089】
これらの構成では、データが配信された場合、その配信結果が、配信元の機器によって、格納場所に格納されるので、情報処理装置は、当該格納場所を参照することで、配信結果を確実に判断できる。さらに、上記構成では、配信条件と、その配信結果の格納場所とは、情報処理装置によって設定される。したがって、それぞれを別々の装置で設定する場合に比べて、配信条件および格納場所を設定する際の手間を削減できる。
【0090】
これらの結果、データ配信の成否を確実に判定可能で、しかも、判定するために必要な情報の設定が容易な情報処理装置を実現できるという効果を奏する。また、情報処理装置は、配信結果を参照することによって、配信結果に応じた処理が可能になり、情報処理装置を含むシステムの信頼性を向上できるという効果を併せて奏する。
【0091】
請求項2の発明に係る情報処理装置は、以上のように、請求項1記載の発明の構成に加えて、上記各配信元の機器と上記配信先の機器との間の通信路を監視して、配信されたデータを当該配信先の機器が受信したことを検出する受信検出手段と、当該受信検出手段による検出結果を、当該情報処理装置に設けられ、上記配信先の機器の受信を処理のトリガとするアプリケーション処理部へ通知する構成である。
【0092】
上記構成では、配信元の機器が配信先の機器へデータを配信したことを示す通知データが、配信すべきデータとは別に、配信元の機器から情報処理装置に送信されていないにも拘わらず、アプリケーション処理部は、配信先の機器によるデータの受信を認識できる。この結果、配信すべきデータと通知データとの双方を配信元の機器が情報処理装置に送信する場合に発生する不具合を回避でき、情報処理装置を含むシステムの信頼性を向上できるという効果を奏する。
【0093】
請求項3の発明に係る通信システムは、以上のように、複数の配信元の機器と、複数の配信先の機器と、請求項1記載の情報処理装置とを有する通信システムであって、上記課題を解決するために、上記配信先の機器は、上記配信元の機器からデータ配信された場合、配信結果を返信する応答手段を備え、上記配信元の機器は、当該応答手段からの応答に基づいて、上記配信結果の格納場所に配信結果を格納する構成である。
【0094】
当該構成では、配信元の機器は、配信先の機器の応答手段からの応答に基づいて、配信結果を判定するので、配信されたデータの内容を配信先の機器へ問い合わせることによって、配信元の機器が配信結果を確認する場合よりも、配信元の機器の負担を軽減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、制御システムの要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記制御システムの制御用ホストコンピュータで表示される画面例を示すものであり、配信条件を設定する画面を示す図面である。
【図3】上記制御用ホストコンピュータで表示される画面例を示すものであり、配信結果の格納場所を設定する画面を示す図面である。
【図4】上記制御システムの制御用ホストコンピュータで表示される画面例を示すものであり、配信タイムアウト時間を設定する画面を示す図面である。
【図5】配信時における制御システムの各部の動作を示すフローチャートである。
【図6】配信時の動作を示すものであり、配信完了デバイスを配信元の機器がリセットする場合を示すタイミングチャートである。
【図7】配信時の動作を示すものであり、配信完了デバイスを制御用ホストコンピュータがリセットする場合を示すタイミングチャートである。
【図8】上記制御システムの制御用ホストコンピュータで表示される画面例を示すものであり、受信通知デバイスを設定する画面を示す図面である。
【図9】従来例を示すものであり、制御システムの要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
12b プログラマブル表示器(機器)
14 制御用ホストコンピュータ(情報処理装置;機器)
32・44 応答処理部(応答手段)
41 ローカルエリアネットワーク・インターフェース部(受信検出手段)
43 アプリケーション処理部
51 配信条件設定部(配信条件設定手段)
54 設定部(送信手段)
55 格納場所設定部(配信結果格納場所設定手段)

Claims (4)

  1. データの複数の配信元がそれぞれ配信条件を満たすと、複数の配信先のうちの指定された配信先にデータを配信する通信システムに対し、上記各配信元の配信条件を設定する配信条件設定手段を備えた情報処理装置において、
    上記各配信条件に関連付けて、上記各配信元によるデータ配信結果の格納場所を設定する配信結果格納場所設定手段と、
    上記両設定手段による設定を示す配信情報を上記各配信元の機器へ送信して、上記配信条件が成立したときのデータの配信と、上記配信先からの応答に基づいた配信結果の上記格納場所への格納とを指示する送信手段とを備えていることを特徴とする情報処理装置。
  2. 上記各配信元の機器と上記配信先の機器との間の通信路を監視して、配信されたデータを当該配信先の機器が受信したことを検出する受信検出手段と、
    当該受信検出手段による検出結果を、当該情報処理装置に設けられ、上記配信先の機器の受信を処理のトリガとするアプリケーション処理部へ通知することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
  3. 複数の配信元の機器と、複数の配信先の機器と、請求項1記載の情報処理装置とを有する通信システムであって、
    上記配信先の機器は、上記配信元の機器からデータ配信された場合、配信結果を返信する応答手段を備え、
    上記配信元の機器は、当該応答手段からの応答に基づいて、上記配信結果の格納場所に配信結果を格納することを特徴とする通信システム。
  4. 請求項1記載の各手段として、コンピュータを動作させるプログラム。
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