JP4573540B2 - 同期制御用通信装置 - Google Patents

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本発明はシャフトレス輪転印刷機や精密搬送装置など、複数の電動機の高精度が必要とされる同期制御や位置決め制御に用いられ、マスター局から電動機を駆動する複数のスレーブ局に通信に依り位相と速度の指令を送信し、スレーブ局において超高精度の位相指令と速度指令を得るための同期制御用通信装置に関するものである。
近年、複数の電動機を相互に精度良く位相と速度を同期して駆動するセクショナル・ドライブが考案され、これの適用として例えば輪転印刷機において、従来のラインシャフトを取り去ったシャフトレス輪転印刷機が用いられている。このシャフトレス輪転印刷機においては、イエロー、シアン、マゼンダ及びブラックなどの印刷部や折り部を駆動するそれぞれの電動機を相互に高精度で位相と速度の同期制御を行い、高速のカラー印刷を実現するものである。
かような同期制御を行うために、集中制御を行うマスター局より高精度の位相指令と速度指令を電動機の制御を行うスレーブ局に供給する必要があるが、これを実現する方法として、例えばマスター局に基準パルス発生器を用いることが従来考案されている(特許文献1)。
更に、特許文献2では位相と速度信号を生成する装置について、速度指令に対応した周波数となるA相とB相の2相パルス列と1回転を示すZ相パルスの基準パルス発生器について具体的に考案されており、かようなパルス信号に依る手段はいわばPG(Pulse Generator)マスター方式と言うべきものである。
図11はかかるPGマスター方式による従来例1を示すものであり、該図11において1はマスター局、2、3及び4はそれぞれNO.1スレーブ局、NO.2スレーブ局及びNO.3スレーブ局を表わしている。なお、図11は3つのスレーブ局の例を示すが、これ以上の数のスレーブ局が存在する場合でも以下に示す動作と同じである。
さて、前記マスター局1は速度指令に比例する周波数であって、正転と逆転の回転方向をも検出可能とする90度位相差のA相とB相の2相パルスを出力するとともに、位相が1回転遷移する毎にZ相パルスを出力するものである。該A相、B相及びZ相信号は図示するとおり、NO.1スレーブ局2、NO.2スレーブ局3及びNO.3スレーブ局4に送出される。そして、各スレーブ局が内蔵する200は位相検出カウンタであり、正転の場合で示せばA相、B相のパルスが入力される毎にカウントアップしZ相パルスが入力されるとゼロにリセットされることに依り、マスター局1からの位相指令を生成することとなる。
又、速度指令は前記図11に図示しない各スレーブ局がそれぞれ内蔵するマイクロコントローラなどを用いて前記位相検出カウンタ200の出力値をサンプリングし、サンプリング時間当たりの位相指令の変化より求め得るものである。
図12は前記図11に示した従来例1のマスター局1と各スレーブ局で代表するNO.1スレーブ局2の動作を示すものである。
始めに図12(a)、(b)及び(c)はそれぞれマスター局1から速度指令に応じて送出される前記A相、B相のパルス列と1回転の位相の遷移を示すZ相の出力の時間的推移を示し、該Z相は前記図12(c)で示すとおり、例えば時刻t1、t5、t6においてHiになるとしている。
図12(d)は前記図11のNO.1スレーブ局2の位相検出カウンタ200の出力の時間的推移を表すもので、前記A相とB相のパルスが入力される毎にカウントアップの動作を行い、時刻t1、t5、t6においてZ相がHiになるとゼロにクリアされ、これにより1回転毎の位相指令を生成することとなる。
図12(e)は前記図11のNO.1スレーブ局2が内蔵し図示しないマイクロコントローラが、マスター局1からのA相、B相及びZ相信号から位相指令や速度指令を検出するスキャンを模擬的に表すものである。
次に前記図12(a)から(e)において一点鎖線(f)で囲む範囲を拡大し、それぞれ‘f’を付して模擬的に図12(af)から(ef)に示す。そして、図12(af)、(bf)に依りそれぞれ示すA相とB相は仮に正転のときB相が90度進みとし、図12(cf)で示すZ相がHiとなるときに図12(df)で示す前記位相検出カウンタ200の出力がゼロにクリアされるとしている。
そして、該位相検出カウンタ200はA相とB相の立ち上がり、立ち下がりのエッジでカウントアップするとし、これに依りA相、又はB相周波数の4倍の周波数を計数することとなる。次に、該位相検出カウンタ200の出力は時刻t2においてはP2、時刻t3においてはP3になるとし、図12(ef)で示す同期制御処理周期時間Tsで時刻t2、t3と順次前記マイクロコントローラは位相指令と速度指令を検出するとしている。
そして、前記マイクロコントローラが時刻t3で検出する速度指令をV3とすれば、該速度指令V3は前記位相指令P3と時刻t2における位相指令P2との偏差(P3−P2)を前記同期制御処理周期時間Tsで除して得ることができる。ここで、時刻t2における前記位相指令P2は前記図12(af)の(i) で示す立ち下がりエッジを計数したもので、時刻t2から時間T21以前の時刻のものであり、同様に時刻t3における前記位相指令P3は前記図12(bf)の(ii)で示す立ち上がりエッジを計数したもので、時刻t3から時間T31以前の時刻のものである。
以上説明したPGマスター方式は、時刻t3にて検出する位相指令と速度指令の検出する精度は、前記位相指令P3については前記時間T31の誤差があり、速度指令は時刻t3とt2間の同期制御処理周期時間Tsが正確に得られたときであっても、前記位相指令P3とP2の偏差を用いるため時間T21とT31に依る誤差が発生することとなる。
ここで、PGマスター方式による従来の実用例を具体的に示せば、下記の(1)式に示す様に速度指令は最大1500rpm、A相とB相のそれぞれの1回転当たりのパルス数は14400pprなどが用いられる。
速度指令の最大=1500rpm
1回転当たりのパルス数=14400ppr…(1)式
このとき前記図12(d)、(df)の位相検出カウンタ200の最大値Pmax、位相検出カウンタ200に入力される信号の周波数fと周期Tはそれぞれ下記の(2)式、(3)式及び(4)式のとおりとなる。なお、該(2)式と(3)式で4逓倍するのは、前記位相検出カウンタ200がA相とB相の立ち上がりと立ち下がりエッジを計数するとしているためである。
Pmax=14400ppr×4逓倍−1=57599パルス
・・・・・(2)式
f=14400ppr×4逓倍×1500rpm÷60s=1.44MHz
・・・・・(3)式
T=1÷1.44MHz=0.694μs・・・・・(4)式
又、前記図12(ef)で示したマイクロコントローラの同期制御処理周期時間Tsを0.5msとすれば、該Tsの時間で前記位相検出カウンタ200の位相指令の変化の最大ΔPmaxは上記(3)式より下記の(5)式となる。
ΔPmax=1.44MHz×0.5ms=720パルス・・・・・(5)式
かように上記の実用例では、1回転の位相指令をゼロから57599とし、時刻t3における位相指令の誤差(位相指令の検出遅延)となる前記T31の最大値は上記(4)式で示す0.694μsであり、これを換言すれば0.694μs毎に高速で位相指令が更新されるものである。一方、t3における速度指令を求めるときに、時刻t2からt3の同期制御処理周期時間Ts当たりの位相指令の変化を求めるが、位相指令に前記(4)式による誤差(位相指令の検出遅延)が有ることに加えて、位相指令の変化は最大でも前記(5)式で示すとおり720であり、これを同期制御処理周期時間Tsで除して得られる速度指令の精度も3桁までとなる。
近年、同期制御の精度の向上を計るために、マイクロコントローラのスキャン時間を極力短くすることが必要とされており、このとき、前記(5)式の値は更に小さくなりこれに伴い速度指令の精度も劣化することとなる。
以上のとおり、従来実施されているPGマスター方式のとき、スレーブ局で検出する位相指令と速度指令について特徴を要約すれば下記のとおりとなる。
<メリット>
(1−1).位相指令の更新は0.694μs毎など非常に高速で更新される。
(1−2).スレーブ局の数が増減しても上記(1−1)の性能は同じである。
<デメリット>
(1−3).位相指令の1回転当たりの分解能は約10万以下である。
(1−4).速度指令の精度は3桁以下など位相指令の分解能に比して劣る。
以上、前記図11と図12に依り従来実施されているPGマスター方式とその特徴について示したが、他にデータ通信を用いた言わば通信マスター方式とも呼称すべき手段があり、次に図13と図14に依り該通信マスター方式について示す。
始めに図13は従来例2の全体の構成を説明する図であり、1はマスター局、2、3、4はそれぞれNO.1スレーブ局、NO.2スレーブ局及びNO.3スレーブ局であり7は汎用通信線路である。
又、25と30は前記NO.1スレーブ局2が内蔵する集積回路による通信コントローラとマイクロコントローラで、図示しないが前記NO.2スレーブ局3と前記NO.3スレーブ局4も同様に内蔵している。
そして、前記マスター局1は位相指令や速度指令などの指令データを汎用通信線路7により各スレーブ局へ順次送信し、各スレーブ局は内蔵する前記通信コントローラ25とマイクロコントローラ30で指令データを受信した後、順次、所定のデータをマスター局1へそれぞれ送信する。
ここで、通信についてはさまざまな種類があるが、本発明の属する産業用装置では,制御を目的とし製造現場においても信頼性のあるサイクリックなフィールドバスとも呼称される制御用データ通信を用いる。そして、従来、このような制御用データ通信で使用される前記汎用通信線路7の通信速度は、1Mbpsから16Mbpsの速度が多く用いられている。
次に、前記図13の構成のとき、マスター局1と各スレーブ局間で従来、実施されている通信の動作の概要について図14に示す。
図14(a)は前記汎用通信線路7上の通信フレームを説明するもので、(i) は前記マスター局1が各スレーブ局へ送信する指令フレームを示し、該指令フレーム(i) においては前記NO.1、NO.2及びNO.3スレーブ局への指令フレーム(xii) 、(xiii)及び(xiv) が連続して送信される。そして、該指令フレーム(xii) 、(xiii)及び(xiv) に依り、位相指令と速度指令を16ビットや32ビットサイズなど必要とする桁数とし、精度の良い数値データを送信することができる。
次に(ii)は前記NO.1スレーブ局2が前記マスター局1へ返信する応答フレームを、同様に(iii) 及び(iv)はそれぞれNO.2スレーブ局3とNO.3スレーブ局4が返信する応答フレームを示し、前記マスター局1へフィードバックデータやモニタデータを送信するものである。
そして、上述の指令フレーム(i) 、応答フレーム(ii)、(iii) 及び(iv)が順次送信され、前記図14(a)に示す如く前記マスター局1は送信周期時間Tmで指令フレーム(i) をサイクリックに送信する。ここで、該送信周期時間Tmは例えば従来はスレーブ局の台数が約8台において1msから20msを要しており、又、スレーブ局の数により増減するものであった。
そして、前記マスター局1が前記(1)式と同じく速度指令の最大が1500rpm、1回転当たりのパルス数(位相)が14400pprとする指令を送信する場合、前記送信周期時間Tmが1msであるとき、この時間内で進む位相は下記(6)式で示すとおり1440パルスとなり極めて大きいものである。これは換言すれば、図13の通信マスター方式では位相指令の更新分解能は早くても1ms毎となり位相で換算すれば最大1440パルス毎であり、高精度の同期制御の指令として極めて不十分なものである。
14400ppr×4逓倍×1500rpm÷60s×1ms
=1440パルス ・・・・・(6)式
又、前記図14(a)において、マスター局1からNO.1スレーブ局2への指令フレーム(xii) は時刻t1に開始し時刻t2に終了するとしており、図14(b)は前記図13のNO.1スレーブ局2が内蔵する前記マイクロコントローラ30が、前記指令フレーム(xii) の受信完了を検出するタイミングを模擬的に示し、受信完了の検出は時刻t2より受信遅延時間Tdと示す如く遅延するものである。
すなわち、前記マイクロコントローラ30は通常、割り込みにより受信完了を検出するが、命令のフェッチ動作中、メモリへデータのリード/ライト動作中や割り込み優先の競合処理などにより割り込み遅延が通常発生し得るもので、この他、受信完了割り込みサービスルーチンへの分岐処理にも時間を必要とする。
これにより前記マイクロコントローラ30が受信完了を認識する迄、受信遅延時間Tdは、例えば従来、図14(b)に示す最小受信遅延時間Tdminが数μsから最大受信遅延時間Tdmaxが十数μsに及び、しかも受信する毎にこのTdminとTdmaxの範囲で変動するものであった。
このように変動する受信遅延時間Tdが存在するので、前記マイクロコントローラ30は位相指令や速度指令の正確な受信完了時間を取得することが困難もしくは不可能であった。
次に、図14(c)はNO.1スレーブ局2が内蔵する前記マイクロコントローラ30が、位相指令と速度指令を検出して同期制御の処理を行うタイミングを模擬的に示すものであり、マイクロコントローラ30の同期制御処理周期時間Tsは従来、例えば0.5ms以下で使用されるものである。
このとき、理想的には前記図14(a)で示す通信の前記送信周期時間Tmも0.5ms以下とせしめ、図14(c)で示す前記マイクロコントローラ30の同期制御処理周期時間Tsに同期しているのが最良である。
しかし、前記図14(a)で示す通信と図14(c)で示すマイクロコントローラ30の処理は、周期が異なり相互に無関係で全く非同期で実行されるもので、これにおいてもスレーブ局が迅速に位相指令と速度指令を得ることを困難としていた。
ここで、前記通信マスター方式においてスレーブ局が1つでそれぞれ16ビットの位相指令と速度指令を送信するとき、前記PGマスター方式と同様に0.694μs毎に前記の2つの指令を更新するためには、通信速度は連続して送信するとしても下記の(7)式のとおり46MHzの通信速度が必要となる。
しかし、連続して送信することは通常あり得ず、それぞれ16ビットの位相指令と速度指令を送信する時間と休止時間を概略、等しいとすれば92MHzの通信速度が必要となる。そして、かような46MHzや92MHzの通信速度は、生産現場におけるフィールドバスにおいては実現されていないか、もしくは著しく信頼性に欠けるものである。
16ビット×2ワード÷0.694μs=46,109,510Hz
・・・・・(7)式
上記の従来実施されている通信マスター方式を使用するとき、スレーブ局で検出する位相指令と速度指令について特徴を要約すれば下記のとおりとなる。
<メリット>
(2−1).位相指令の1回転当たりの分解能は、高精度を得るために必要とする桁数を任意に設定可能である。
(2−2).同様に、速度指令の分解能も任意に設定可能である。
<デメリット>
(2−3).位相指令と速度指令を更新する前記送信周期時間Tmは、約1msから20ms毎で非常に遅く、このままでは同期制御に使用できない。
(2−4).スレーブ局の数が増減すると前記送信周期時間Tmも増減する。
(2−5).スレーブ局が受信完了するときの前記受信遅延時間Tdは数μsから十数μsにおよび、正確な受信完了時刻の取得が極めて困難である。
(2−6).通信の前記送信周期時間Tmとスレーブ局のマイクロコントローラの前記同期制御処理周期時間Tsが異なり、しかもマスター局とスレーブ局のマイクロコントローラは非同期に処理を実行するので、迅速に位相指令と速度指令を得ることが非常に困難である。
かように、従来の通信マスター方式では上記(2−3)、(2−4)、(2−5)及び(2−6)に示すデメリットにより、高精度の同期制御用通信に使用することが極めて困難、もしくは不可能であった。
特開昭60−250955号公報 特許第2938844号公報
上述した様に、従来、同期制御のマスター局として前記PGマスター方式と通信マスター方式が用いられ、それぞれの特徴を(1−1)から(1−4)と(2−1)から(2−6)に示した。
しかし、上記従来の方式は、上記したデメリットがあり、高精度な同期制御を行う上で、問題があった。
本発明は新たに考案した手段により、従来のPGマスター方式と通信マスター方式のデメリットを克服し、両者のメリットを兼ね備えた高精度の同期制御用通信装置を実現することを目的とする。
具体的には、本発明は以下の課題を解決する。
(3−1).前記(2−3)のデメリットを克服し、前記送信周期時間Tmを例えば0.5ms以下のほぼ固定値とするとともに、位相指令と速度指令を取得する時間の分解能を0.1μs以下とする。
(3−2).前記(2−4)のデメリットを克服し、スレーブ局の数が増えても、前記送信周期時間Tmをほぼ一定の時間とする。
(3−3).前記(2−5)のデメリットを克服し、スレーブ局で正確な受信完了時刻を得る。
(3−4).前記(2−6)のデメリットを克服し、通信の送信周期時間Tmとスレーブ局のマイクロコントローラの同期制御処理周期時間Tsが非同期で全く異なる周期であっても、正確な位相指令と速度指令が得られるようにする。
上記課題を本発明においては次のように解決する。
(1)マスター局と電動機を駆動する複数のスレーブ局で構成され、前記複数の電動機の回転速度と回転位相を精度良く同期せしめる同期駆動システムにおける同期制御用通信装置において、上記マスター局に同期制御用指令送信器を内蔵させる。
上記同期制御用指令送信器は、所定の送信周期で、回転速度と回転位相を制御するための指令データ列と、該指令データ列の1回毎の送信に対応する該指令データの送信周期に同期したフレーム信号を、それぞれ専用の通信線路で上記スレーブ局に繰り返し送信する。
上記スレーブ局は、上記指令データ列と、上記フレーム信号から、各スレーブ局の速度指令データと、位相指令データを得て、上記マスター局の指令に同期させて電動機を駆動する。
上記同期制御用指令送信器は、上記指令データ列を位相指令データ、速度指令データ、第1の位相変化データ、第2の位相変化データと、速度変化データを一組として、送信周期時間毎に、複数の上記スレーブ局に送信する。
上記位相指令データと速度指令データはそれぞれ、送信する時刻における位相指令値、速度指令値であり、上記速度変化データは、上記送信周期時間に対応した予め設定された送信基準時間当たりの速度変化量であり、上記第1の位相変化データは、上記速度変化により生ずる上記送信基準時間当たりの位相変化量であり、上記第2の位相変化データは上記速度指令値により生ずる送信基準時間当たりの位相変化量である。
上記送信基準時間は、後述するように送信周期時間と等しい時間であってもよいし、また、スレーブ局のタイマーが計数する基準発振器が発生するパルスの周期の2n 倍等、予め定められた時間であってもよい。
)上記(1)において、上記複数のスレーブ局は、同期制御用指令受信器とタイマーを内蔵し、上記同期制御用指令受信器は、マスター局が送信する上記指令データ列とフレーム信号を常時受信し、上記フレーム信号のレベルが遷移するとき、上記タイマーの出力をラッチすることにより、上記フレーム信号の受信時刻を得る。
)上記()において、上記スレーブ局は、マイクロコントローラとメモリを内蔵し、上記マイクロコントローラは、マスター局が送信する上記指令データ列の受信完了を検知したとき、受信確認時刻を上記タイマーから取得する。
そして、上記マイクロコントローラは、上記フレーム信号の受信時刻と受信確認時刻の偏差を受信監視時間とし、該受信監視時間が所定の最大受信監視時間以内であって、受信を完了した上記指令データ列に誤りが無いとき、受信を完了した上記位置指令データ、速度指令データ、第1の位相変化データ、第2の位相変化データと速度変化データからなる指令データ列と上記フレーム信号の受信時刻をメモリに格納する。
)上記()において、上記複数のスレーブ局が内蔵する上記マイクロコントローラは、それぞれ独立して同期制御の演算と処理を実行し、同期制御の演算と処理を実行するときに上記タイマーから同期制御処理時刻を記録して、該同期制御処理時刻と上記フレーム信号の受信時刻の偏差から補正時間を演算する。
そして、正常に受信した上記速度指令データに、上記速度変化データに補正時間を乗じて、送信基準時間で除することに依り得られる補正値を加算したものを補正速度指令データとし、正常に受信した上記位相指令データに、上記第1の位相変化データに補正時間の2乗を乗じて送信基準時間の2乗で除した補正を加算し、更に上記第2の位相変化データに補正時間を乗じて送信基準時間で除することに依り得られる補正値を加算したものを補正位相指令データとする。
)上記(1)(2)(3)(4)において、上記マスター局が内蔵する上記同期制御用指令送信器は、位相指令データ、速度指令データ、第1の位相変化データ、第2の位相変化データと速度変化データに加えて指令系列番号を加えた指令データ列を送出する。
)上記()において、上記複数のスレーブ局には予め所定の装置系列番号が設定され、上記スレーブ局は、指令系列番号を含む指令データ列を受信し、上記スレーブ局のマイクロコントローラは、マスター局が送信する上記指令データ列の受信完了を検知したとき、上記指令データ列における指令系列番号と上記装置系列番号が一致するときのみ、上記補正速度指令データと、上記補正位相指令データを演算する。
)上記(1)(2)(3)(4)において、上記マスター局が内蔵する上記同期制御用指令送信器は、1組の位相指令データ、速度指令データ、第1の位相変化データ、第2の位相変化データ及び速度変化データを1系列分の指令データ列とし、複数系列の指令データ列を連続して送出する。
また、上記スレーブ局には予め所定の装置系列番号が設定され、上記スレーブ局は、上記マスター局からの連続した複数系列の指令データ列を受信し、スレーブ局が内蔵するマイクロコントローラは、マスター局が送信する上記複数系列の指令データ列の受信完了を検知したとき、該指令データ列において上記装置系列番号による系列の指令データ列を抽出する。
)上記(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)において、上記マスター局が内蔵する同期制御用指令送信器は、前記送信基準時間を送信周期時間として、上記指令データ列を、複数の上記スレーブ局に送信する。
)上記(2)(3)(4)(5)(6)(7)において、上記マスター局が内蔵する同期制御用指令送信器は、上記スレーブ局のタイマーが計数する基準発振器が発生するパルスの周期の2n 倍を送信基準時間として、上記指令データ列を、複数の上記スレーブ局に送信する。
本発明は上記のように、シャフトレス輪転印刷機など高精度が必要とされる複数の電動機の同期制御において、中央制御装置であるマスター局から位相指令と速度指令を通信により送信し、複数の電動機を駆動するそれぞれのスレーブ局が、受信した前記位相指令と速度指令から超高精度の補正位相指令データと補正速度指令データを演算するようにしたので、同期制御の精度の向上と同期制御駆動システムのコストダウンを実現することができる。
特に、以下の効果を得ることができる。
(1)上記スレーブ局は、上記フレーム信号のレベルが遷移するとき、上記タイマーの出力をラッチすることにより、上記フレーム信号の受信時刻を得るとともに、マスター局が送信する上記指令データ列の受信完了を検知したとき、受信確認時刻を上記タイマーから取得し、上記フレーム信号の受信時刻と受信確認時刻の偏差を受信監視時間とし、該受信監視時間が所定の最大受信監視時間以内であって、受信を完了した上記指令データ列に誤りが無いとき、受信を完了した上記位置指令データ、速度指令データ、第1の位相変化データ、第2の位相変化データと速度変化データから、補正速度指令データと、補正位相指令データを求めているので、通信のスキャンとは全く独立して演算処理を実行することができる。
このため、スレーブ局はスレーブ局の台数によらず、精度が変わることなく、独立分散して補正速度指令データと、補正位相指令データを得ることができる。
(2)複数のスレーブ局に予め所定の装置系列番号を設定し、スレーブ局は、マスター局が送信する上記指令データ列の受信完了を検知したとき、上記指令データ列における指令系列番号と上記装置系列番号が一致するときのみ、上記補正速度指令データと、上記補正位相指令データを演算するようにしているので、各系列のスレーブ群は、それぞれ独立して、補正速度指令データと補正位相指令データによる同期運転が可能となる。
(3)マスター局が、1組の位相指令データ、速度指令データ、第1の位相変化データ、第2の位相変化データ及び速度変化データを1系列分の指令データ列とし、複数系列の指令データ列を連続して送出し、上記スレーブ局に予め所定の装置系列番号を設定し、上記スレーブ局が、上記複数系列の指令データ列の受信完了を検知したとき、該指令データ列において上記装置系列番号による系列の指令データ列を抽出するようにすることで、通信の休止時間を減らすことができ、高速に指令データ列を送信することができる。
(4)マスター局が、スレーブ局のタイマーが計数する基準発振器が発生するパルスの周期の2n 倍を送信基準時間とすることで、スレーブ局では、上記補正速度指令データと補正位相指令データを演算する際の、送信基準時間による除算をシフトのみで実行することができ、演算処理を高速化することができる。
以下に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1と図2は実施例1、図3、図4と図5は実施例2、図6は実施例3、図7は実施例3の適用例、図8は実施例3の他の適用例、図9は図6の高速版の実施例、図10は実施例4について説明するものである。
図1は本発明の実施例1の全体の構成を説明する図であり、図2は前記図1の実施例1の動作を説明するものである。
始めに図1において、1、2、3及び4はそれぞれ本発明によるマスター局、NO.1スレーブ局、NO.2スレーブ局及びNO.3スレーブ局を示しこれらのスレーブ局は図示していないがそれぞれ電動機を駆動するものであって、5は指令データ線路で前記マスター局1のD出力から前記各スレーブ局のD入力へ接続され、6はフレーム信号線路で前記マスター局1のF出力から前記各スレーブ局のF入力へ接続される。そして、中央制御装置である前記マスター局1は前記図1に図示しない同期制御用指令送信器を内蔵し、後述する指令データ列を前記指令データ線路5により、同じく後述するフレーム信号を前記フレーム信号線路6によりNO.1スレーブ局2、NO.2スレーブ局3及びNO.3スレーブ局4へ送信する。
次に図2により、前記指令データ列とフレーム信号について更に詳細に説明を行うもので、図2(a)と図2(b)はそれぞれ、前記マスター局1から送信される前記指令データ線路5における指令データ列と前記フレーム信号線路6におけるフレーム信号の時間的推移を示す。該図2(a)において、マスター局1は時刻t1、t2・・・・t7において前記指令データ列の送信を行い、ほぼ一定の送信周期時間Tm3、Tm4にて前記各スレーブ局へ送信を繰り返す。次に前記フレーム信号は、前記マスター局1が1回毎の前記指令データ列を送信したことをマークするもので、図2(b)に示すとおり前記指令データ列の1回毎の送信完了で前記フレーム信号はLowからHighへ遷移するとしている。
そして、前記図2(a)、(b)の一点鎖線(c)で囲む範囲を拡大し、それぞれ図2(ac)と図2(bc)に示し更に説明を行う。図2(ac)は前記指令データ列の内容を示すもので、前記マスター局1は時刻t4において前記指令データ列の送信を開始し、時刻t41において送信を終了するとし、先頭よりデリミタ(1)、位相指令データ(3)、速度指令データ(4)、位相変化データa(5a)、位相変化データb(5b)、速度変化データ(6)、フレーム検査シーケンス(7)及びデリミタ(8)の構成としている。
前記デリミタ(1)は指令データ列の送信の開始を示し、前記フレーム検査シーケンス(7)は指令データ列のデータの正誤を検査するためのものであり、前記デリミタ(8)は指令データ列の送信の終了を示すもので、これらデリミタ(1)、フレーム検査シーケンス(7)及びデリミタ(8)は通常において使用され得るものであり、本発明の特徴を構成するものではない。
そして、前記位相指令データ(3)から速度変化データ(6)が本発明の特徴を成すものであり、前記位相指令データ(3)と速度指令データ(4)は時刻t4におけるそれぞれ位相と速度の指令とし、前記速度変化データ(6)は時刻t4からt5迄の送信周期時間Tm4当たりの速度変化量とし、前記位相変化データa(5a)は前記速度変化データ(6)による送信周期時間Tm4当たりの位相変化量とし、前記位相変化データb(5b)は前記速度指令データ(4)による送信周期時間Tm4当たりの位相変化量とするものである。
なお、後述するように、上記速度変化量、位相変化データa、位相変化データbは必ずしも送信周期当たりの変化量である必要はないが、ここでは、送信周期当たりの変化量として説明する。
一方、前記マスター局1はフレーム信号について、図2(bc)に示すとおり時刻t42においてHighからLowとし、前記デリミタ(8)を送信後の時刻t44においてLowからHighに遷移せしめるものである。
かように、該フレーム信号により1回の指令データ列の送信完了をマークするものである。ここで、前記フレーム信号は時刻t44においてLowからHighに遷移するとしたが、前記デリミタ(8)の送信前の時刻t43に遷移するとしてもよい。
図3は本発明の実施例2のスレーブ局の構成を説明する図であり、図4は実施例2の受信のタイミングを説明する図、図5は実施例2による補正の詳細の動作を説明する図である。なお、図3において、2は前記図1に示した複数のスレーブ局においてNO.1スレーブ局2を例にするもので他のスレーブ局であっても同様である。
そして、該NO.1スレーブ局2は以下に順次説明する21から31の機器を内蔵している。
21と22は入力インターフェイスで、該入力インターフェイス21はD入力より受信した前記指令データ列の信号を電圧変換や絶縁を行う入力インターフェイスであり、前記入力インターフェイス22はF入力より受信した前記フレーム信号を同様に電圧変換や絶縁を行う入力インターフェイスである。次に25、30及び31はそれぞれ通信コントローラ、マイクロコントローラ及びデータメモリである。集積回路からなる通信コントローラ25は前記入力インターフェイス21を介して指令データ列をRD入力から受信し、受信を完了したデータをD0からDnー1に出力する。
マイクロコントローラ30は前記通信コントローラ25が受信を完了しているかを割り込みやポーリングにより判別し、受信を完了して指令データ列に誤りが無いとき前記通信コントローラ25より前記指令データ列をリードし、受信指令データ列としてデータメモリ31に格納する。
ここで、前記通信コントローラ25、マイクロコントローラ30及びデータメモリ31のD0からDn−1は、データの入出力ポートであり、CTRはアドレス、リード及びライトなど通常に使用されるコントロール信号の入出力ポートであり詳細の説明は割愛する。
一方、23、24、26及び27はそれぞれ基準発信器、タイマー、Dフリップフロップ及びデータラッチである。
基準発信器23は水晶発振子を内蔵し例えば40MHzなど極めて正確な一定周波数の発信器である。
タイマー24は前記基準発信器23の一定周波数出力をCK入力に入力し該周波数出力の立ち上がりで1ずつカウントアップする計数を行い、この計数値をD0からDm−1出力へ出力する。すなわち、該タイマー24のD0からDm−1出力から正確な時刻を得るものである。
Dフリップフロップ26は前記入力インターフェイス22を介してD入力に入力した前記フレーム信号を、前記基準発信器23が出力する周波数出力の立ち下がりに同期化した信号をQ出力より出力し、該Q出力は次に説明するデータラッチ27のCK入力に接続され、該データラッチ27のD0からDm−1入力をラッチし、Q0からQm−1に出力する。
前記データラッチ27は前記タイマー24の出力をD0からDm−1に入力しCK入力の立ち上がりでラッチしQ0からQm−1に出力する。すなわち、前記データラッチ27は前記マスター局1が出力するフレーム信号がLowからHighに遷移する時刻を正確にキャプチャーし、該キャプチャー時刻は前記マイクロコントローラ30により必要に応じてリードされるものである。
そして、例えば前記基準発信器23の出力する矩形波の周波数を40MHzとすれば、下記の(8)式で示すとおり時間の分解能が
1/40MHz=0.025μs ・・・・・(8)式
0.025μsとなり、これにより極めて高精度で前記フレーム信号のLowからHighに遷移するキャプチャー時刻を得ることが可能となる。
かように、前記入力インターフェイス21、22、通信コントローラ25、Dフリップフロップ26及びデータラッチ27は、前記マスター局1が出力する前記指令データ列と前記フレーム信号を受信する同期制御用指令受信器を構成するものである。
ここで、前記タイマー24は基準発信器23の出力する周波数出力の立ち上がりで計数するとしているので、前記データラッチ27が確実に前記タイマー24の出力をラッチするよう、便宜的に前記Dフリップフロップ26を設けて前記データラッチ27のCK入力が、前記基準発信器23の出力する周波数出力の立ち下がりに同期して動作するとしている。
28はDフリップフロップ、29はデータラッチであり、該Dフリップフロップ28は前記マイクロプロセッサ30からの現在時刻ラッチ指令をD入力に入力し、CK入力に入力される前記基準発信器23が出力する周波数出力の立ち下がりで前記D入力の信号を同期化しQ出力に出力する。
データラッチ29はCK入力に前記Dフリップフロップ28のQ出力を入力とし、前記タイマー24が出力する時刻をラッチし、Q0からQm−1に出力する。これにより、前記マイクロプロセッサ30は常に現在時刻を正確に得ることができるものである。ここで、前記データラッチ27、29のCTRはアドレス、リード及びライトなど通常に使用されるコントロール信号の入出力ポートであり詳細な説明は割愛する。
次に図4により、前記図3における前記指令データ列とフレーム信号の受信のタイミングについて説明する。図4(a)は前記図3の通信コントローラ25に入力される前記指令データ列の物理的な受信の時間的推移を示し、時刻t11、t21及びt31と順次、受信を終了するとしている。図4(b)は前記図3のDフリップフロップ26に入力される前記フレーム信号の時間的推移を示し、時刻t12、t22及びt32において前記フレーム信号はLowからHighに遷移し、このLowからHighに遷移するキャプチャー時刻は前記図3のデータラッチ27から得られるものである。そして、時刻t22のときを例に更に説明すれば、前記図4(a)の時刻t21にて前記指令データ列の物理的な受信が終了し、該受信終了時刻t21に近接する図4(b)の時刻t22のキャプチャー時刻が前記データラッチ27により極めて正確に保持される。
そして、図4(c)は前記マイクロコントローラ30が前記指令データ列の受信完了を検出し処理を実行するタイミングを示すもので、例えば時刻t23において前記マイクロコントローラ30は、前記図4(a)の時刻t21と前記図4(b)の時刻t22の受信の処理をするものである。
すなわち、前記通信コントローラ25が時刻t21で指令データ列の受信を完了し、前記データラッチ27が時刻t22をキャプチャーした後、前記マイクロコントローラ30は割り込みにより割り込み遅延時間後に受信の完了を検出し、受信した指令データ列に誤りが無いとき前記データラッチ29より現在時刻を受信確認時刻t23として得るものである。以上の図4の時刻t21、t22及びt23における一連の受信動作を要約すれば下記のとおりとなる。
(4−1).前記通信コントローラ25は、図4(a)の受信終了時刻t21で前記図2(ac)のデリミタ(8)を受信すると、1回の指令データ列の受信の終了を認識しこの情報を保持する。
(4−2).一方、前記図3におけるデータラッチ27は、前記図4(b)に示す時刻t22でフレーム信号がLowからHighに遷移することによりキャプチャー時刻t22をハードウェアにより精度良く保持する。
(4−3).前記マイクロコントローラ30は割り込みやポーリングにより、前記通信コントローラ25が受信の終了状態であることを検出する。
(4−4).次に、前記マイクロコントローラ30は前記通信コントローラ25が受信した指令データ列に誤りが無いかをチェックする。
(4−5).前記マイクロコントローラ30は受信したデータ列に誤りが無いとき、前記図3のデータラッチ29より現在時刻を前記図4(c)の受信確認時刻t23として得る。
(4−6).前記マイクロコントローラ30は、受信監視時間Te を下記の(9)式より求める。
受信監視時間Te=受信確認時刻t23−キャプチャー時刻t22
・・・・(9)式
(4−7).前記マイクロコントローラ30は、受信監視時間Teが予め定める最大受信監視時間Temaxより小なるとき受信の動作が正常に完了したとして、前記キャプチャー時刻と指令データ列をデータメモリ31に格納する。
ここで、前記受信終了時刻t21、又は前記キャプチャー時刻t22と前記受信確認時刻t23の時間差は、前記マイクロコントローラ30の割り込み遅延やポーリング処理の遅延により通常一定では無く数μsから10μsを越える範囲で変動するので、前記受信確認時刻t23を受信時刻とすると誤差が大きく実用に具することができない。
そこで、上記受信監視時間Teを検査し、遅延時間が前記最大受信監視時間Temaxによる許容範囲以内であれば、以下に説明するように、位相と速度の補正に、ハードウェアにより正確に取得したキャプチャー時刻t22を使用する。
以上で実施例2について前記図3と図4の説明を行ったが、図5により更に前記NO.1スレーブ2が行う位相指令と速度指令の補正について説明を行う。
始めに前記図4(b)でフレーム信号がLowからHighに遷移しキャアプチャー時刻を得るものであったが、図5(a)はこのキャプチャー時刻を得るタイミングを示すもので、例えばキャプチャー時刻t0、t2において前記マスター局1からの1回毎の指令データ列とフレーム信号の受信を完了するとしている。そして、前記図5(a)は通信のスキャンの状態をも示すもので図中に示すTmは送信周期時間である。そして、図5(b)は前記図3のマイクロコントローラ30が同期制御のために位相と速度の補正処理を行うタイミングを示すもので、例えば図中に示す同期制御処理時刻t1、t3で補正を行い、スレーブ局の前記マイクロコントローラ30は前記図5(a)の通信のスキャンと無関係で独立して処理を行う状態を示す。
図5(c)と図5(d)はそれぞれ前記図1のマスター局1が生成する速度指令と位相指令を説明し、図5(e)と図5(f)はそれぞれ同様に前記マスター局1が生成する位相変化データaと位相変化データbを説明するものである。
始めに図5(c)において、前記マスター局1が生成する速度指令は、時刻(t−1)迄は一定速で時刻(t−1)から時刻t4迄は加速し、時刻t4以降は一定速としている。そして、前記マスター局1は前記送信周期時間Tmでサイクリックに速度指令を送信し、前記図3のマイクロコントローラ30は例えば前記図5(c)のキャプチャー時刻t0で、V0なる速度指令データとΔV2なる速度変化データを受信すると共に、キャプチャー時刻t0を前記データメモリ31に格納している。
ここで、速度変化データΔV2は前記送信周期時間Tm当たりの速度変化量であり、前記マイクロコントローラ30は時刻t1に至ったとき、該同期制御処理時刻t1からキャプチャー時刻t0を減じた(t1−t0)を補正時間とし、高精度の同期制御を行うために下記の(10)式の演算により補正速度指令データv1を得るものである。
ΔV1=ΔV2×(t1−t0)/Tmより
v1=V0+ΔV1
=V0+ΔV2×(t1−t0)/Tm・・・・・(10)式
上記(10)式においては、速度指令データV0と速度変化データΔV2は前記マスター局1から与えられ、送信周期時間Tmは予め定められた定数であり、キャプチャー時刻t0は前記図3のデータラッチ27により、同期制御処理時刻t1は前記データラッチ29により精度良く求められるものなので、上記(10)式の補正速度指令データv1は前記マイクロコントローラ30により極めて精度良く高速に演算される。
次に、前記図1のマスター局1が生成する速度指令が図5(c)のとき、同じく前記マスター局1が生成する位相指令は図5(d)の如くとなり、前記図3のマイクロコントローラ30はキャプチャー時刻t0において、図5(d)で示すP0なる位相指令データと、図5(e)で示すΔP2aなる位相変化データaと、図5(f)で示すΔP2bなる位相変化データbを受信し、該位相変化データaΔP2aと位相変化データbΔP2bの和が前記図5(d)の位相変化データΔP2となる。
そして、該位相変化データaΔP2aは前記速度変化データΔV2による送信周期時間Tm当たりの位相変化量とし、前記マイクロコントローラ30は同期制御処理時刻t1に至ったとき下記の(11)式の演算を行い、補正位相変化データaΔP1aを得るものである。
すなわち、ΔV1=ΔV2×(t1−t0)/Tmと、ΔP2a=ΔV2×Tm/2、ΔV2=2×ΔP2a/Tmより以下の式を得ることができる。
ΔP1a=1/2×ΔV1×(t1−t0)
=ΔP2a×(t1−t0)2 /Tm2 ・・・・・(11)式
また、前記位相変化データbΔP2bは前記速度指令データV0による送信周期時間Tm当たりの位相変化量とし、前記マイクロコントローラ30は同期制御処理時刻t1に至ったとき下記の(12)式の演算を行い、補正位相変化データbΔP1bを得る。
ΔP1b=ΔP2b×(t1−t0)/Tm・・・・・(12)式
上記(11)式のΔP1aと(12)式のΔP1bの和が前記図5(d)の補正位相変化データΔP1であり、前記マイクロコントローラ30は同期制御処理時刻t1において、次の(13)式により、補正位相指令データp1を得るものである。
p1=P0+ΔP1
p1=P0+ΔP2a×(t1−t0)2 /Tm2
+ΔP2b×(t1−t0)/Tm ・・・・・(13)式
補正速度指令データv1を求める前記(10)式と同様に、上記(13)式においては、位相指令データP0、位相変化データaΔP2a及び位相変化データbΔP2bは前記マスター局1から精度良く与えられ、送信周期時間Tmは予め定められた定数であり、キャプチャー時刻t0と同期制御処理時刻t1は前記図3において精度良く求められるものなので、上記(13)式による補正位相指令データp1は前記マイクロコントローラ30により極めて精度良く高速に演算される。
以上のように、前記マイクロコントローラ30は同期制御処理時刻t1において、前記(10)式により補正速度指令データv1を、前記(13)式により補正位相指令データp1を演算し、高精度の同期制御を行うもので、前記図5(b)の時刻t3においても同様に補正速度指令データと前記補正位相指令データを演算し、前記NO.1スレーブ局のマイクロコントローラ30は通信のスキャンと同期する必要が無く全く独立して処理を実行する。
そして、図5(g)において、一点鎖線と実線はそれぞれNO.1スレーブ局とNO.2スレーブ局のマイクロコントローラ30が前記(10)式と(13)式の演算を処理するタイミングを示し、図5(h)ではNO.3スレーブ局のマイクロコントローラが前記(10)式と(13)式の演算を処理するタイミングを模擬的に示す。
かように、本発明による前記図3、図4及び図5によるスレーブ局は任意に独立分散により追加が容易であって、前記(10)式と(13)式により高精度に補正速度指令データと補正位相指令データを演算するものである。ここで、前記図5(g)の一点鎖線で示すNO.1スレーブ局の処理するタイミングは前記図5(b)で示すものと同じであり、NO.2及びNO.3スレーブ局がそれぞれ前記(10)式と(13)式の演算を処理するタイミングと対比を容易とするために示したものである。
図6は本発明の実施例3の動作を説明する図であり、図7は実施例3の適用例の全体構成と作用を説明する図であり、図8は図7と違えて実施例3の他の適用例を説明する図であり、図9は図6の高速版の実施例を説明する図である。
始めに図6(a)は中央制御装置である前記マスター局1が内蔵する同期制御用指令送信器が送信する実施例3の指令データ列の詳細を示し、該図6(a)において(2)は指令系列番号であり、この他(1)と(3)から(8)は前記図2(ac)で示すものと同じで説明を割愛する。
又、図6(b)は前記図6(a)の時間軸を縮小し前記指令データ列が周期的に繰り返し送信される様子を示し、図中で示す‘1’、‘2’及び‘3’は各指令データ列における前記指令系列番号(2)の具体例を示し、該指令系列番号(2)は一巡する毎に繰り返すものである。そして、図6(c)はフレーム信号の時間的推移を示し、前記図2(b)で示すものと同一であり詳細な説明は割愛する。
図7は実施例3による全体構成を示し、前記図6による作用を説明する図であり、3系列のカラー輪転印刷機の例を示す。
図7において、10、11は給紙部とインフィードロールを示し、12a、12b、12c及び12dは例えばそれぞれイエロー、シアン、マゼンダ及びブラックの印刷部を示し、13、14、15及び16はそれぞれドライヤ、クーリング、ドラッグロール及び折り部を示し、前記給紙部10から折り部16で1系列目のカラー輪転印刷機を構成する。 そして、前記給紙部10から供給される印刷紙は前記インフィードロール11を経て、例えば前記イエロー印刷部12a、シアン印刷部12b、マゼンダ印刷部12c及びブラック印刷部12dで4色のカラー印刷を行った後、印刷紙の乾燥を行うドライヤ13、乾燥後の印刷紙を冷却するクーリング14、印刷紙を導くドラッグロール15を経て折り部16に至り、該折り部16にて裁断し折り畳まれる。ここで、前記イエロー印刷部12a、シアン印刷部12b、マゼンダ印刷部12c、ブラック印刷部12d及び折り部16が後述する同期制御された電動機により駆動される。
そして、前記図7の1、5、6及び7はそれぞれマスター局、指令データ線路、フレーム信号線路及び汎用通信線路であり、該マスター局1は前記図6(a)、(b)で示す指令データ列を前記指令データ線路5により、前記図6(c)で示すフレーム信号を前記フレーム信号線路6により後述するNO.2a、NO.2bからNO.2eスレーブ局へ送出する。
7は汎用通信線路で例えばDevice−NetやOPCN−1など通常容易に入手し得るオープンなフィールドバスを使用し、高速性を必要としないデータや信号を前記マスター局1と後述するスレーブ局間で相互に授受するものである。
2a、8a及び9aはそれぞれ前記イエロー印刷部12aの同期駆動を行うNO.2aスレーブ局、電動機及びロータリーエンコーダを示し、該NO.2aスレーブ局2aは、前記図3のマイクロコントローラ30によるハードウェアシステムで構成され、前記マスター局1からの前記指令データ列と前記キャプチャー時刻により高精度な前記補正位相指令データと補正速度指令データを取得して、同期制御により前記電動機8aを駆動し、ロータリーエンコーダ9aは前記電動機8aに付属して位相と速度のフィードバックを前記NO.2aスレーブ局2aに入力する。
そして、2b、8b、9bは前記シアン印刷部12bを、2c、8c、9cは前記マゼンダ印刷部12cを、2d、8d、9dはブラック印刷部12dを、2e、8e、9eは折り部16を同期駆動するもので、イエローの前記2a、8a及び9aとそれぞれ同一の機能を有しその説明は割愛する。
次に、図7の3a、3b、3c、3d及び3eは、NO.3aスレーブ局〜NO.3eスレーブ局であり、2系列目のスレーブ群によるカラー輪転印刷機を示す。また、4a、4b、4c、4d及び4eはNO.4aスレーブ局〜NO.4eスレーブ局であり、3系列目のスレーブ群によるカラー輪転印刷機を駆動する。これらは、1系列目のスレーブ群の前記NO.2aスレーブ局2a〜NO.2eスレーブ局2eと同じ機能を有し、その説明を割愛する。
そして、カラー輪転印刷機の運転に先立ち、前記マスター局1は汎用通信線路7を介して事前に装置系列番号を前記の各スレーブ局に設定しておく。例えば、前記1系列目のスレーブ群の前記NO.2aスレーブ局2a〜NO.2eスレーブ局2eは、装置系列番号を‘1’とし、前記2系列目のスレーブ群の前記NO.3aスレーブ局3a〜NO.3eスレーブ局3eは装置系列番号を‘2’とし、前記3系列目のスレーブ群の前記NO.4aスレーブ局4a〜NO.4eスレーブ局4eは装置系列番号を‘3’と設定するものである。
そして、マスター局1は前記図6(a)、(b)で説明するとおり、指令データ列の指令系列番号(2)を例えば‘1’、‘2’及び‘3’として送信する。
前記図7の1系列目のスレーブ群のNO.2aスレーブ局2a〜NO.2eスレーブ局2eは装置系列番号が‘1’なので、該スレーブ局が内蔵する前記図3のマイクロコントローラ30は、指令系列番号(2)が‘1’の指令データ列のみを受信して受信指令データ列とし、前記キャプチャー時刻と共に前記データメモリ31に格納する。
前記2系列目のスレーブ群のNO.3aスレーブ局3a〜NO.3eスレーブ局3eと、前記3系列目のスレーブ群のNO.4aスレーブ局4a〜NO.4eスレーブ局4eも内蔵する前記マイクロコントローラ30が同様に、自身の前記装置系列番号と指令系列番号が等しい指令データ列のみを受信する。
このように、前記図7において1系列目のスレーブ群、2系列目のスレーブ群及び3系列目のスレーブ群はそれぞれ独立した前記補正位相指令データと補正速度指令データにより同期運転が可能となる。
図8は指令系列番号と装置系列番号を使用した別の応用例を示すものである。
図8において、前記マスター局1は汎用通信線路7を介して、前記1系列目のスレーブ群と2系列目のスレーブ群には同一の装置系列番号を例えば‘1’を設定し、前記3系列目のスレーブ群には別の装置系列番号を例えば‘2’を設定する。
かようにして、図8においては、1系列目と2系列目の輪転印刷機を同一の指令データ列により同期制御を行って印刷を行い、前記の1台の折り部16により折り畳み裁断して2枚重ねの印刷を行い、3系列目のスレーブ群の輪転印刷機と独立して運転操作と同期制御を行うことが可能となる。
図9は、前記図6に依る実施例を改良し、前記マスター局1から更に高速に複数の系列の指令データ列を送出する動作を説明するものである。
同図において、図9(a)、(b)及び(c)はそれぞれ前記図6(a)、(b)及び(c)に対応し、図9(a)において(1)と(3)から(8)迄は前記図6(a)で示すものと同じで説明を割愛する。ここで、前記図6(a)において前記マスター局1は1系列毎に前記位相指令データ(3)から速度変化データ(6)を送出しており、この為、前記図6(b)で示すとおり異なる系列の指令データ列間には休止期間が存在していた。 一方、図9(a)においては例えば1系列目から3系列目迄、複数の系列の指令データ列を連続して送出するもので、図9(b)に示すとおり通信の休止期間が前記図6(b)に比較して減るもので、これにより前記マスター局1は更に高速に指令データ列を送出することが可能となる。
そして、前記図7又は図8において各スレーブ群は装置系列番号が‘1’、‘2’及び‘3’と予め設定されており、前記各スレーブ群は自身に設定された装置系列番号に対応した指令データ列を前記マスター局1が送出する前記図9(a)の指令データ列より抽出するものである。
かように、本発明による前記図6、図7、図8及び図9による実施例3においては、スレーブ局の設置台数は自在に増設が可能で、複数の輪転印刷機について、高精度の指令データにより同期制御を実現することに加え、予め各スレーブ局の前記装置系列番号を所定の番号に自在に設定することにより容易にスレーブ局の編成変えを可能とし、生産する印刷物の種類を顧客のニーズに速やかに対応せしめることができる。このように、本発明は、各スレーブ局の装置系列番号は固定値ではなく目的に応じて任意に変更することを特徴とするものである。
図10は本発明の実施例4の詳細の動作を説明する図である。ここで、前記図5はスレーブ局が前記図3に示す構成における動作を示すものであるが、本実施例4はこれを更に実用的に改良するものであり、図10は前記マスター局1の送信と例えば前記NO.1スレーブ局2が行う位相指令と速度指令の補正について説明を行い、該図10の(a)、(b)から(f)は前記図5のそれぞれ(a)から(f)に対応している。
そして、実施例4の図10と前記図5の相違は、前記図5において補正基準時間はTmとしているが、図10においては補正基準時間を後述するTbとするものであるが、以下に順次説明を行う。
図10(a)は前記スレーブ局2が前記マスター局1より受信するフレーム信号のキャプチャー時刻を得るタイミングを示し、これを例えばtj−1、tj、・・・tj+2とし、図中のTmは送信周期時間である。ここで、前記マスター局1は位相指令と速度指令をスレーブ局に送信する他、各種の制御、演算や監視など種々の処理を行うもので、該送信周期時間Tmは一定ではなくバラツキがあるものである。
図10(b)は前記図3のマイクロコントローラ30が同期制御のために位相と速度の補正を行うタイミングを示し、例えば図中に示すtk−1、tk、・・・tk+2の同期制御処理時刻において補正を行うとしている。
そして、同期制御処理時刻tkからキャプチャー時刻tjを減じた(tk−tj)を時刻tkにおける補正時間Thkとするものであり、同様に時刻tk+1、tk+2における補正時間をそれぞれThk+1、Thk+2としている。スレーブ局の前記マイクロコンピュータ30は前記マスター局1と独立して処理を行うので、前記補正時間Thk、Thk+1及びThk+2は固定値ではなく変動する時間となる。
図10(c)、(d)、(e)及び(f)はそれぞれ前記マスター局1が生成する速度指令、位相指令、位相変化データa及び位相変化データbを示す。
図10(c)において前記マスター局1が生成する速度指令は、時刻ti迄は一定の速度であり時刻ti+1迄は加速し、時刻ti+1以降は一定の速度としている。そして、前記図3のマイクロコントローラ30は前記図10(c)のキャプチャー時刻tjで、Vjなる速度指令データとΔVjなる速度変化データを受信すると共に、キャプチャー時刻tjを前記データメモリ31に格納している。そして、図10(c)においてTbは予め定められた固定値である補正基準時間(送信基準時間)であり、前記速度変化データΔVjは該補正基準時間Tb当たりの速度変化量である。
マスター局1は、指令データ列をスレーブ局に送信するにあたり、位置指令データと速度指令データは送信する時刻における指令値とし、速度変化データは送信基準時間当たりの速度変化量とし、位相変化データaは上記速度変化データによる送信基準時間当たりの位相変化量とし、位相変化データbは上記速度指令データによる送信基準時間当たりの位相変化量とする。
ここで、前記補正基準時間Tbは前記送信周期時間Tm相当であって、前記図3の基準発信器23が発生するパルスの周期の2のn乗相当の時間とするものである。
説明を容易とするために具体例を示せば、前記送信周期時間Tmが0.4msから0.5msであるとき前記基準発信器23が24MHzの一定周波数を発生するものであれば、前記基準発信器23の発生するパルス数の2nにおいてnを例えば14として、前記補正基準時間Tbを下記の(14)式とする。
Tb=1/24MHz×214=0.683ms・・・・(14)式
又、他の例として前記基準発信器23が40MHzの一定周波数を発生するものであれば、前記基準発信器23の発生するパルス数の2nにおいてnを例えば15とし、前記補正基準時間Tbを下記の(15)式とする。
Tb=1/40MHz×215=0.8192ms ・・(15)式
そして、前記マイクロコントローラ30は同期制御処理時刻tkに至ったとき、前記(10)式において通信周期時間Tmを補正基準時間Tbとし、(t1−t0)は前記補正時間Thkに相当し、図10(c)の補正速度変化データΔvkと補正速度指令データvkを下記の(16)式とする。
Δvk=ΔVj×Thk/Tbより、以下の式を得る。
vk=Vj+Δvk
=Vj+ΔVj×Thk/Tb・・・・・(16)式
上記(16)式は前記図3のマイクロコントローラ30にて演算するものであるが、該マイクロコントローラ30は近年、極めて高速に演算や処理を行うものであるが依然として除算に時間を要するものであるが、前記補正基準時間Tbは前記(15)式及び(16)式の例で示すとおり2のn乗としており、該Tbによる除算は2進数においてシフトのみで実行でき極めて短時間で演算を実行するものである。
次に、前記マスター局1が生成する速度指令が前記図10(c)のとき、同じく前記マスター局1が生成する位相指令は例えば図10(d)のとおりとなる。
前記図3のマイクロコントローラ30は前記図10(d)のキャプチャー時刻tjにおいて、Pjなる位相指令データと、図10(e)で示すΔPajなる位相変化データaと、図10(f)で示すΔPbjなる位相変化データbを受信し、該位相変化データaΔPajと位相変化データbΔPbjの和が前記図10(d)の位相変化データΔPjとなる。
そして、該位相変化データaΔPajは前記速度変化データΔVjによる前記補正基準時間Tb当たりの位相変化量とし、前記マイクロコントローラ30は同期制御処理時刻tkに至ったとき、前記(11)式において通信周期時間Tmを補正基準時間Tbとし、(t1−t0)は前記補正時間Thkに相当することにより下記の(17)式の演算を行い、図10(e)の補正位相変化データaΔpakを得るものである。
ΔVk=ΔVj×Thk/Tb と
ΔPaj=ΔVj×Tb/2、ΔVj=2×ΔPaj/Tbより以下の式を得る。
Δpak=1/2×ΔVk×Thk
=ΔPaj×Thk2 /Tb2 ・・・・(17)式
次に、前記位相変化データbΔPbjは前記速度指令データVjによる補正基準時間Tb当たりの位相変化量とし、前記マイクロコントローラ30は同期制御処理時刻tkに至ったとき、前記(12)式において同様に通信周期時間Tmを補正基準時間Tbとし、(t1−t0)は前記補正時間Thkに相当することにより下記の(18)式の演算を行い、図10(f)の補正位相変化データbΔpbkを得るものである。
Δpbk=ΔPbj×Thk/Tb・・・・・(18)式
上記(17)式のΔpakと(18)式のΔpbkの和が前記図10(d)の補正位相変化データΔpkであり、前記マイクロコントローラ30は同期制御処理時刻tkにおいて、次の(19)式により、補正位相指令データpkを得るものである。
pk=Pj+Δpk
pk=Pj+ΔPaj×Thk2 /Tb2
+ΔPbj×Thk/Tb・・・・・(19)式
そして、前記(16)式における補正基準時間Tbによる除算と同様に、前記マイクロコントローラ30は上記(19)式のTb2 とTbによる除算を2進数においてシフトのみで実行し、極めて短時間で正確に演算を実行する。
かように、前記マイクロコントローラ30は前記同期制御処理時刻tkにおいて、前記(16)式の補正速度指令データvkと(19)式の補正位相指令データpkの演算を短時間に実行し、速やかに超高精度となる同期制御の速度と位相の指令を生成するものである。
以上で説明したとおり本発明によれば、スレーブ局の数が少ない場合であっても多い場合であってもスレーブ局の数によらず、マスター局が指令データ列とフレーム信号を送信する送信周期時間をほぼ一定とすることを特徴とする。
一方、各スレーブ局は指令データ列により必要とする精度のビット長の指令を受信すると共に、内蔵する高精度の基準発信器により指令データ列を受信したキャプチャー時刻を例えば前記(8)式で示す0.025μsの高分解能で取得し、超高精度の補正速度指令データと補正位相指令データを短時間で算出することを特徴とする。
更に、マスター局は送信する指令データ列に指令系列番号を付加し、複数の系列のスレーブ群には予め装置系列番号を自在に設定することにより、複数のシャフトレス輪転印刷機の組み合わせ運転を自由自在に編成変えができることを特徴とし、極めて実用性の高いものである。
本発明の実施例1の全体構成を説明する図である。 本発明の実施例1の動作を説明する図である。 本発明の実施例2の構成を説明する図である。 本発明の実施例2の受信のタイミングを説明する図である。 本発明の実施例2の詳細の動作を説明する図である。 本発明の実施例3の動作を説明する図である。 本発明の実施例3の全体構成(その1)を説明する図である。 本発明の実施例3の全体構成(その2)を説明する図である。 本発明の実施例3の高速版の動作を説明する図である。 本発明の実施例4の詳細の動作を説明する図である。 従来例1の構成を説明する図である。 従来例1の動作を説明する図である。 従来例2の構成を説明する図である。 従来例2の動作を説明する図である。
符号の説明
1 マスター局
2 NO.1スレーブ局
2a NO.2aスレーブ局
2b NO.2bスレーブ局
3 NO.2スレーブ局
4 NO.3スレーブ局
5 指令データ線路
6 フレーム信号線路
7 汎用通信線路
8a 電動機
8b 電動機
9a ロータリーエンコーダ
9b ロータリーエンコーダ
10 給紙部
11 インフィードロール
12a 印刷部
12b 印刷部
13 ドライヤ
14 クーリング
15 ドラッグロール
16 折り部
21 入力インターフェイス
22 入力インターフェイス
23 基準発信器
24 タイマー
25 通信コントローラ
26 Dフリップフロップ
27 データラッチ
28 Dフリップフロップ
29 データラッチ
30 マイクロコントローラ
31 データメモリ
200 位相検出カウンタ

Te 受信監視時間
Temax 最大受信監視時間
Tm 送信周期時間
Ts 同期制御処理周期時間
Tb 補正基準時間
Td 受信遅延時間
Tdmin 最小受信遅延時間
Tdmax 最大受信遅延時間

Claims (9)

  1. マスター局と電動機を駆動する複数のスレーブ局で構成され、前記複数の電動機の回転速度と回転位相を精度良く同期せしめる同期駆動システムにおける同期制御用通信装置であって、
    上記マスター局は同期制御用指令送信器を内蔵し、
    上記同期制御用指令送信器は、回転速度と回転位相を制御するための指令データ列と、該指令データ列の1回毎の送信に対応する該指令データの送信周期に同期したフレーム信号を、それぞれ専用の通信線路で上記スレーブ局に繰り返し送信し、
    上記指令データ列は、位相指令データ、速度指令データ、第1の位相変化データ、第2の位相変化データと、速度変化データを一組として、送信周期時間毎に、複数の上記スレーブ局に送信されるものであり、
    上記位相指令データと速度指令データはそれぞれ、送信する時刻における位相指令値、速度指令値であり、
    上記速度変化データは、前記送信周期時間に相当する予め設定された送信基準時間当たりの速度変化量であり、
    上記第1の位相変化データは、上記速度変化により生ずる上記送信基準時間当たりの位相変化量であり、
    上記第2の位相変化データは上記速度指令値により生ずる送信基準時間当たりの位相変化量であり、
    上記スレーブ局は、上記指令データ列と、上記フレーム信号から、各スレーブ局の速度指令データと、位相指令データを得て、上記マスター局の指令に同期させて電動機を駆動する
    ことを特徴とする同期制御用通信装置。
  2. 上記複数のスレーブ局は、同期制御用指令受信器とタイマーを内蔵し、
    上記同期制御用指令受信器は、マスター局が送信する上記指令データ列とフレーム信号を常時受信し、
    上記フレーム信号のレベルが遷移するとき、上記タイマーの出力をラッチすることにより、上記フレーム信号の受信時刻を得る
    ことを特徴とする請求項1の同期制御用通信装置。
  3. 上記スレーブ局は、マイクロコントローラとメモリを内蔵するものであって、
    上記マイクロコントローラは、マスター局が送信する上記指令データ列の受信完了を検知したとき、受信確認時刻を上記タイマーから取得し、
    上記フレーム信号の受信時刻と受信確認時刻の偏差を受信監視時間とし、該受信監視時間が所定の最大受信監視時間以内であって、受信を完了した上記指令データ列に誤りが無いとき、
    上記マイクロコントローラは、受信を完了した上記位置指令データ、速度指令データ、第1の位相変化データ、第2の位相変化データと速度変化データからなる指令データ列と上記フレーム信号の受信時刻をメモリに格納する
    ことを特徴とする請求項のスレーブ局の同期制御用通信装置。
  4. 上記複数のスレーブ局が内蔵する上記マイクロコントローラは、それぞれ独立して同期制御の演算と処理を実行するものであって、
    上記マイクロコントローラは、同期制御の演算と処理を実行するときに上記タイマーから同期制御処理時刻を記録して、該同期制御処理時刻と上記フレーム信号の受信時刻の偏差から補正時間を演算し、
    正常に受信した上記速度指令データに、上記速度変化データに補正時間を乗じて、送信基準時間で除することに依り得られる補正値を加算したものを補正速度指令データとし、 正常に受信した上記位相指令データに、上記第1の位相変化データに補正時間の2乗を乗じて送信基準時間の2乗で除した補正を加算し、更に上記第2の位相変化データに補正時間を乗じて送信基準時間で除することに依り得られる補正値を加算したものを補正位相指令データとする
    ことを特徴とする請求項のスレーブ局の同期制御用通信装置。
  5. 上記マスター局が内蔵する上記同期制御用指令送信器は、
    位相指令データ、速度指令データ、第1の位相変化データ、第2の位相変化データと速度変化データに加えて指令系列番号を加えた指令データ列を送出する
    ことを特徴とする請求項1,2,3または請求項4の同期制御用通信装置。
  6. 上記複数のスレーブ局には予め所定の装置系列番号が設定され、上記スレーブ局は、指令系列番号を含む指令データ列を受信可能であり、
    上記スレーブ局が内蔵するマイクロコントローラは、マスター局が送信する上記指令データ列の受信完了を検知したとき、上記指令データ列における指令系列番号と上記装置系列番号が一致するときのみ、上記補正速度指令データと、上記補正位相指令データを演算する
    ことを特徴とする請求項の同期制御用通信装置。
  7. 上記マスター局が内蔵する上記同期制御用指令送信器は、
    1組の位相指令データ、速度指令データ、第1の位相変化データ、第2の位相変化データ及び速度変化データを1系列分の指令データ列とし、複数系列の指令データ列を連続して送出し、
    上記スレーブ局には予め所定の装置系列番号が設定され、上記スレーブ局は、上記マスター局からの連続した複数系列の指令データ列を受信可能であり、
    上記スレーブ局が内蔵するマイクロコントローラは、マスター局が送信する上記複数系列の指令データ列の受信完了を検知したとき、該指令データ列において上記装置系列番号による系列の指令データ列を抽出する
    ことを特徴とする請求項1,2,3または請求項4の同期制御用通信装置。
  8. 上記マスター局が内蔵する同期制御用指令送信器は、前記送信基準時間を送信周期時間として、上記指令データ列を生成し、スレーブ局に送信する
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または請求項7の同期制御用通信装置。
  9. 上記マスター局が内蔵する同期制御用指令送信器は、上記スレーブ局のタイマーが計数する基準発振器が発生するパルスの周期の2n 倍を送信基準時間として、上記指令データ列を生成し、スレーブ局に送信する
    ことを特徴とする請求項2,3,4,5,6または請求項7の同期制御用通信装置。
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