JP4572891B2 - 半導体発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体発光装置、特に光指向性及び正面輝度の向上が図られた半導体発光装置に関する。
配線導体が形成された絶縁性基板の一方の主面に、半導体発光素子と、この半導体発光素子を包囲するリフレクタ(光反射板)とを固着し、半導体素子及びリフレクタを光透過性樹脂から成る樹脂封止体内に埋設させた半導体発光装置は、例えば、下記特許文献1より公知である。
公知の半導体発光装置は、図36に示すように、一方の主面(101)にアイランド配線導体(ダイパッド)(120)とターミナル配線導体(ボンディングパッド)(130)とを個別に形成した絶縁性の基板(100)と、アイランド配線導体(120)上に固着された半導体発光素子(発光ダイオードチップ)(140)と、半導体発光素子(140)の上面に形成された電極とターミナル配線導体(130)とを接続するリード細線(150)と、基板(100)の一方の主面(101)のアイランド配線導体(120)及びターミナル配線導体(130)の一部、半導体発光素子(140)及びリード細線(150)を被覆する光透過性の樹脂封止体(160)とから構成される。
基板(100)の一方の主面(101)に形成されたアイランド配線導体(120)及びターミナル配線導体(130)は、基板(100)の端面(103,104)に沿って下方に延び、アイランド配線導体(120)及びターミナル配線導体(130)の先端側は、基板(100)の他方の主面(102)まで延伸して接続用電極を構成する。半導体発光素子(140)の上面から放出された光は樹脂封止体(160)を通じて外部に放出される。図示の発光ダイオード装置は、基板(100)の底面を回路基板等の上に表面実装することができる。
発光ダイオード装置は、半導体発光素子(140)を包囲するリフレクタ(110)が絶縁性の基板(100)の一方の主面(101)に形成される。長方形の断面形状を有する基板(100)は、樹脂をガラス布に含浸させて成り、両主面が平坦な板材である。アイランド配線導体(120)及びターミナル配線導体(130)は、印刷技術によって母材の銅にニッケルと金を順次メッキして形成される。アイランド配線導体(120)は、基板(100)の一方の主面(上面)(101)に形成されたアイランド(121)と、基板(100)の一方の主面(101)の一端から一方の側面(103)を通って基板(100)の他方の主面(下面)(102)の一端まで形成されたアイランド電極部(122)と、基板(100)の一方の主面(101)に形成され且つアイランド(121)とアイランド電極部(122)とを接続する幅狭のアイランド配線部(123)とから構成される。
ターミナル配線導体(130)は、基板(100)の一方の主面(101)に形成されたターミナル(131)と、基板(100)の一方の主面(101)の他端から他方の側面(104)を通って基板(100)の他方の主面(下面)(102)の他端まで形成されたターミナル電極部(132)と、基板(100)の一方の主面(101)に形成され且つターミナル(131)とターミナル電極部(132)とを接続するターミナル配線部(133)とから構成される。ターミナル(131)が中心軸(108)からずれて配置され且つリング部(111)が環状に形成されるため、基板(100)の長手方向の長さを比較的小さくして、発光ダイオード装置を小型に製造することができる。
半導体発光素子(140)はガリウム砒素(GaAs)、ガリウム燐(GaP)、ガリウムアルミニウム砒素(GaAlAs)、アルミニウムガリウムインジウム燐(AlGaInP)等のガリウム系化合物半導体素子である。半導体発光素子(140)の底面に形成された図示しない底部電極は、導電性接着剤によってアイランド(121)の略中央に固着される。また、半導体発光素子(140)の上面に形成された図示しない上部電極は、ワイヤボンディング方法によって形成されたリード細線(150)によってターミナル(131)に接続される。リード細線(150)は、リフレクタ(110)の上方を跨って形成される。
リフレクタ(110)は、リング部(111)と、リング部(111)の外周面の両端に設けられたフランジ部(112)とを有し、白色粉末を配合した液晶ポリマーやABS樹脂等により構成される。リング部(111)の内周面に設けられた上方に向かって拡径する円錐面、球面、放物面若しくはこれらに近似する面又はこれらの組合せから成る面の反射面(113)の下縁部は、アイランド(121)の内側に配置される。反射面(113)の内側に配置された半導体発光素子(140)はリング部(111)によって包囲される。リング部(111)の高さは、半導体発光素子(140)の高さよりも大きい。また、リング部(111)はアイランド(121)の外周側とアイランド配線部(123)及びターミナル(131)の一部に重なる直径を有する。リフレクタ(110)のフランジ部(112)はリング部(111)の両端から側面(105,106)まで基板(100)の短手方向に延伸する。
樹脂封止体(160)は、基板(100)の一対の側面(103,104)に対して一定角度傾斜し且つ電極部(124,134)より内側に配置された一対の傾斜面(161,162)と、基板(100)の一対の側面(105,106)と略同一平面を形成する一対の直立面(163,164)と、一対の直立面(163,164)の間で直立面(163,164)に対して略直角な平面に形成された上面(165)とを有する。図36に示すように、樹脂封止体(160)は、アイランド(121)、ターミナル(131)、アイランド配線部(123)とターミナル配線部(133)の内側部分、リフレクタ(110)、半導体発光素子(140)及びリード細線(150)を被覆するが、一対の電極部(124,134)及び配線導体(123)とターミナル配線部(133)の外側部分は樹脂封止体(160)から露出する。リフレクタ(110)の一対のフランジ部(112)の外端面(114)は、基板(100)の一対の側面(105,106)の延長線上にある樹脂封止体(160)の直立面(163,164)から露出する。
特開平11−340517号公報
近年、信号機及び自動車用テールランプ等の発光源にこの種の半導体発光装置を使用する試みがあるが、前記用途に使用する半導体発光装置は、点灯及び消灯を遠方より目視確認するため、一段と向上した光出力レベルで点灯しなければならない。この目的に対して、例えば350mA以上の比較的大きな電流を半導体発光素子の厚み方向に流して、大きな発光を生ずる高光出力半導体発光素子が既に開発されているが、この種の高光出力半導体発光素子には種々の問題が発生した。
即ち、350mAを超える大電流を半導体発光素子に流すと、動作時の発熱量が増大し、半導体発光素子での表面温度は150℃を超えることがあり、半導体発光素子を被覆する樹脂封止体は、半導体発光素子からの放熱によって強く加熱される。
上述のように、半導体発光素子の発光をパッケージの外部に放出するために、半導体発光素子を被覆する樹脂封止体は光透過性の樹脂から形成される。この種の光透過性樹脂は、電力用トランジスタ等のパッケージに使用される樹脂封止体に比較して、コンパウンドの含有量が少ない等の理由から、熱により劣化しやすい。このため、光透過性樹脂から成る樹脂封止体に半導体発光素子からの熱が連続的に加わると、リード端子に対する樹脂封止体の密着性が低下し又は樹脂封止体の耐環境性能が損なわれる。このため、樹脂封止体とリード端子との間に隙間等が発生し、樹脂封止体の外部から異物が隙間を通り半導体発光素子に侵入して、デバイスの信頼性が低下する。更に、リード端子と樹脂封止体との密着性低下が著しい場合には、リード端子が樹脂封止体から抜け落ちて、リード端子と半導体発光素子との電気的接続がオープン状態になることもある。
また、従来では、図36に示すように、リフレクタ(110)のリング部(111)を上方に乗り越えてリード細線(150)により半導体発光素子(140)とターミナル(131)とを接続したが、リフレクタ(110)で反射する光の指向性や半導体発光素子(140)の光軸方向の輝度(正面輝度)を向上するため、リフレクタ(110)の内径を小さくすると共に、基板(100)からのリフレクタ(110)の高さを増加させると、一端を半導体発光素子(140)に接続したリード細線(150)をリフレクタ(110)の上方に高く引き回してターミナル(131)にリード細線(150)の他端を接続しなければならない。このため、リード細線(150)が変形し、垂下し又は傾斜して電気的短絡事故又は断線事故の原因となる危険がある。また、基板(100)からの高さを増加させたリフレクタ(110)では、樹脂を良好にリフレクタ(110)内に充填できなかった。
そこで、本発明は、半導体発光素子に接続されるリード細線の変形を防止できる半導体発光装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、リフレクタの支持板からの高さを増加して光指向性及び正面輝度の向上が図られる半導体発光装置を提供することを目的とする。
本発明による半導体発光装置は、支持板(1)と、支持板(1)に固着され且つ上方に向かって拡径する内部空洞(3a)を有する光反射性のリフレクタ(3)と、リフレクタ(3)の内部空洞(3a)内で支持板(1)上に固着された半導体発光素子(2)とを備えている。リフレクタ(3)は、配線導体(5)に接続された鍔部(3d)を有し、半導体発光素子(2)と配線導体(5)との間が鍔部(3d)を介して電気的に接続される。リフレクタ(3)に形成した鍔部(3d)を介して半導体発光素子(2)と配線導体(5)とを電気的に接続するので、配線が容易になり、配線距離を短縮し、半導体発光装置の信頼性を向上することができる。また、鍔部(3d)が樹脂封止体(6)内にモールド成形されるので、リフレクタ(3)を樹脂封止体(6)内に確実に埋設することができる。更に、反射面(3c)の径が小さく且つ支持板(1)からの高さが増大したリフレクタ(3)により、光指向性及び正面輝度が向上した半導体発光装置が得られる。
前記の通り、本発明では、配線距離を短縮して、信頼性の高い半導体発光装置が得られると共に、内側面の径が小さく且つ支持板からの高さが増大したリフレクタにより、半導体発光装置の光指向性及び正面輝度を向上することができる。
次に、高光出力型の発光ダイオード(LED)に適用した本発明による半導体発光装置の実施の形態を図1〜図35について説明する。
図1に示す半導体発光装置は、凹部(1a)が形成された金属製の支持板(1)と、支持板(1)に対し電気的に非接続状態にて支持板(1)の凹部(1a)内に固着され且つ上方に向かって拡径する内部空洞(3a)を有する光反射性のリフレクタ(3)と、支持板(1)に対し電気的に接続された一方の電極(下面電極)を有し且つリフレクタ(3)の内部空洞(3a)内で支持板(1)の凹部(1a)上に固着された発光ダイオード(2)と、支持板(1)に電気的に接続された第1の配線導体(4)と、発光ダイオード(2)の他方の電極(上面電極)に電気的に接続された第2の配線導体(5)と、発光ダイオード(2)とリフレクタ(3)とを電気的に接続するリード細線(8)と、リフレクタ(3)の外周部、支持板(1)の上面(1c)及び側面(1d)並びに第1の配線導体(4)及び第2の配線導体(5)の端部を封止する耐熱性の樹脂封止体(6)と、リフレクタ(3)の内部空洞(3a)を覆って樹脂封止体(6)の上面(6a)を被覆するレンズ部(7)とを備える。
支持板(1)は、熱伝導率190kcal/mh℃以上の銅若しくはアルミニウム又はこれらの合金等の金属により形成され、リフレクタ(3)は、支持板(1)を構成する金属と同一の導電性金属により形成できる。リフレクタ(3)は凹部(1a)内で位置決めされ、例えば熱硬化性エポキシ樹脂等の絶縁性接着剤により支持板(1)に接着され、リフレクタ(3)の内部空洞(3a)内には、支持板(1)の上面(1c)が露出する。リフレクタ(3)の内部空洞(3a)の最小内径は、発光ダイオード(2)の幅(辺長)よりも大きく、リフレクタ(3)の内部空洞(3a)内に露出する支持板(1)の主面に発光ダイオード(2)を固着したとき、リフレクタ(3)により発光ダイオード(2)を包囲できる。
樹脂封止体(6)は、シリカ等のコンパウンド(充填材)の含有率が相対的に大きく、高軟化点を有し不透明又は半透明の樹脂により形成される。一方、コンパウンドの含有率が相対的に小さい光透過性又は透明の樹脂から成るレンズ部(7)は、樹脂封止体(6)に比較して軟化点が低いが、発光ダイオード(2)から離間して配置され、直接熱的な影響を受け難いので、樹脂封止体(6)とは異なる耐熱性の低い樹脂で形成できる。しかしながら、外部に放出する光がリフレクタ(3)により十分に指向性を持てばレンズ部(7)を省略してもよい。
図1に示す半導体発光装置を製造する際に、銅若しくはアルミニウム又はこれらの合金から形成される帯状金属によりプレス成形される図2に示すリードフレーム組立体(10)等の組立体を準備する。リードフレーム組立体(10)は、一定の間隔で形成される開口部(10a)と、開口部(10a)内に幅方向内側に突出する複数の配線導体(4,5)と、開口部(10a)内に長さ方向内側に突出する複数の支持リード(10b)及び一対の支持リード(10b)に接続された取付板(10c)とを備えている。図3に示すように、開口部(10a)には凹部(1a)が形成された支持板(1)が配置され、図1に示すように、支持板(1)から突出するピン(1b)を取付板(10c)に形成された貫通孔(10d)に挿入して、ピン(1b)の端部を加締めることにより支持板(1)をリードフレーム組立体(10)に取り付けることができる。
次に、図3に示すように、絶縁性接着剤(11)を介して支持板(1)の凹部(1a)内にリフレクタ(3)を接着する。それと同時に銀ペースト等の導電性ペースト(ろう材)(17)を介して配線導体(5)の端部にリフレクタ(3)の鍔部(3d)を固着する。リフレクタ(3)は、図3〜図5に示すように、中央部に円錐状の内部空洞(3a)を有し且つ全体的に矩形に形成された本体(3b)と、本体(3b)の一縁から外側に突出する鍔部(3d)とを有する。続いて、図6に示すように、リフレクタ(3)の上部にPET樹脂から成るカバー(12)を貼着してリフレクタ(3)の内部空洞(3a)を密閉し、図7に示すように、リードフレーム組立体(10)を成形型(20)内に取り付ける。
成形型(20)は、キャビティ(23)を形成する上型(21)と下型(22)とを有し、支持板(1)とリフレクタ(3)とカバー(12)とを加えた高さ(L2)は、キャビティ(23)内の上型(21)と下型(22)との間隔、即ちキャビティ(23)の高さ(H)より大きい。支持板(1)とリフレクタ(3)とを加えた高さ(L1)は、キャビティ(23)の高さ(H)よりも若干小さい。この結果、リフレクタ(3)を固着したリードフレーム組立体(10)を成形型(20)内に配置して上型(21)と下型(22)とを閉じたとき、成形型(20)の上型(21)と下型(22)とにより支持板(1)及びリフレクタ(3)を挟持し、カバー(12)を少し押し潰す状態でカバー(12)の上面がキャビティ(23)の上面に密着する。
この状態で、ランナ及びゲートを通じてキャビティ(23)内に流動化した樹脂を押圧注入するが、このとき、カバー(12)により被覆された内部空洞(3a)内に樹脂は侵入しない。また、PET樹脂を基材とするカバー(12)は、耐熱性に優れ樹脂圧入工程時の加熱により、リフレクタ(3)に融着しない。リードフレーム組立体(10)を成形型(20)から取出し、リフレクタ(3)の上面に貼着されたカバー(12)をリフレクタ(3)から除去すると、図8及び図9に示すように、リフレクタ(3)の外側に配置された支持板(1)の一方の主面(1c)、側面(1d)及び配線導体(4,5)の内端部側を被覆する樹脂封止体(6)が形成される。カバー(12)によって密閉されたリフレクタ(3)の内部空洞(3a)内には樹脂が注入されない。また、図1に示すように、リフレクタ(3)に一体に形成された鍔部(3d)を樹脂封止体(6)内にモールド成形するために、リフレクタ(3)は樹脂封止体(6)内に確実に保持される。
その後、図9に示すように、周知のダイボンダを使用して、半田又は導電性ペースト等の導電性接着剤(2a)によってリフレクタ(3)の内部空洞(3a)内に露出する支持板(1)の一方の主面(1c)に発光ダイオード(2)を固着する。本実施の形態では、樹脂封止工程(トランスファモールド工程)の後に発光ダイオード(2)を固着するが、製造工程の順序は種々変更が可能である。図示しないが、発光ダイオード(2)は、半導体基板と、半導体基板の一方の主面と他方の主面にそれぞれ形成されたアノード電極とカソード電極とを備え、カソード電極は、支持板(1)に電気的に接続される。図9に示すように、周知のワイヤボンディング方法によってリード細線(8)を介してアノード電極をリフレクタ(3)の平坦部(3e)に接続し、リフレクタ(3)の鍔部(3d)は、平面的に見て配線導体(5)の上面にまで延伸し、導電性ペースト(17)を介して配線導体(5)の端部に固着され、電気的に接続されるので、発光ダイオード(2)のアノード電極は配線導体(5)に電気的に接続される。
次に、周知のディスペンサを使用してリフレクタ(3)の内部空洞(3a)に光透過性の耐熱性シリコーン樹脂を充填し、発光ダイオード(2)とリード細線(8)はシリコーン樹脂によって被覆され保護される。レンズ部(7)を構成する光透過性樹脂に比較して、シリコーン樹脂は、耐熱性に優れるが、流動性を有するシリコーン樹脂によりレンズ部(7)を形成することはできない。次に、図1に示すように、リフレクタ(3)の上面に光透過性樹脂から成るレンズ部(7)を貼着し、図9に示すリードフレーム組立体(10)から不要な部分を除去して完成した半導体発光装置が得られる。
図1に示す半導体発光装置では、発光ダイオード(2)のアノード電極とカソード電極との間に半導体基板の厚み方向に比較的大きな電流を流して発光する。また、下記の作用効果が得られる。
[1] 発光ダイオード(2)が配置されるリフレクタ(3)の内部空洞(3a)は、中空部を形成するので、発光ダイオード(2)に直接接触する樹脂の熱劣化を回避することができる。
[2] 第1の配線導体(4)及び第2の配線導体(5)を通じて発光ダイオード(2)に大電流を流して点灯させるときに発生する熱を熱伝導率が高い金属製の支持板(1)を通じて外部に良好に放出することができる。
[3] 耐熱性の樹脂封止体(6)の使用により熱劣化を防止できる。
[4] リフレクタ(3)の内面反射により発光ダイオード(2)から生ずる光を外部に効率的に且つ指向性をもって放出できる。
[5] 支持板(1)及びリフレクタ(3)により発光ダイオード(2)を包囲する構造のため、水分等の外部からの異物の侵入を防止して、発光ダイオード(2)の劣化を抑制し、信頼性の高いパッケージ構造を実現できる。
[6] リフレクタ(3)の反射面(3c)は、発光ダイオード(2)から放出された光をレンズ部(7)側に向けて良好に反射させる。本実施の形態では、発光ダイオード(2)から放出される光をレンズ部(7)を介して高い指向性で集束させる為、円錐面の底面に対する傾斜角度は30゜以上に設定される。反射面(3c)は、円錐面、回転放物面、回転双曲面等、発光ダイオード(2)の光を上方に反射する種々の形状に形成できる。
[7] リフレクタ(3)に形成した鍔部(3d)を介して半導体発光素子(2)と第2の配線導体(5)とを電気的に接続するので、配線が容易になり、配線距離を短縮し、半導体発光装置の信頼性を向上することができる。
[8] また、鍔部(3d)が樹脂封止体(6)内にモールド成形されるので、リフレクタ(3)を樹脂封止体(6)内に確実に埋設することができる。
[9] 反射面(3c)の径が小さく且つ支持板(1)からの高さが増大したリフレクタ(3)により、光指向性及び正面輝度が向上する。
図1の半導体発光装置は、種々の変更が可能である。図6に示すように、リフレクタ(3)の上部に透明なPET樹脂から成るカバー(12)を貼着してリフレクタ(3)の内部空洞(3a)を密閉し、樹脂封止体(6)を形成した後、図10に示すように、カバー(12)をリフレクタ(3)に貼着したままリフレクタ(3)と樹脂封止体(6)の上面にレンズ部(7)を形成してもよい。また、図10に示すように、リフレクタ(3)の内面に平坦部(3e)を形成してもよい。図11に示すように、弾性樹脂から成るシート(13)を支持板(1)とリフレクタ(3)との間に配置して、支持板(1)、シート(13)及びリフレクタ(3)の高さをキャビティ(23)の高さ(H)より僅かに大きく形成してもよい。図12に示すように、キャビティ(23)の底面にシート(13)を敷いて支持板(1)と下型(22)との間にシート(13)を挟持させてもよい。この場合、樹脂封止体(6)の形成後にシート(13)を除去することができる。
図13に示すように、リフレクタ(3)に径方向に形成した貫通孔(14)に配線導体(5)を挿通して、発光ダイオード(2)と配線導体(5)とをリード細線(8)により接続してもよい。リフレクタ(3)に鍔部(3d)を形成せず、配線導体(5)と発光ダイオード(2)の電極との間をリード細線(8)によって電気的に接続してもよい。支持板(1)に凹部(1a)を形成せずに、平坦な支持板(1)の主面(1c)にリフレクタ(3)を固着することもできる。リフレクタ(3)を支持板(1)に固着する前に、予め支持板(1)の一方の主面(1c)に発光ダイオード(2)を固着してもよい。
図14に示すように、上型(21)のキャビティ(23)内に環状突起(15)を形成して、カバー(12)を使用せずにリフレクタ(3)の内部空洞(3a)を覆ってもよい。支持板(1)とリフレクタ(3)とを成形型(20)の上型(21)と下型(22)により挟持するので、リフレクタ(3)の内部空洞(3a)内への流動化した樹脂の流入を阻止することができ、モールド成形を容易に行うことができる。カバー(12)又はシート(13)を使用せずに上型(21)を直接リフレクタ(3)に接触させて内部空洞(3a)内への流動化した樹脂の流入を阻止してもよい。リフレクタ(3)の全体又は上面側を選択的に軟質性金属で構成し、支持板(1)とリフレクタ(3)とを加えた高さ(L1)をキャビティ(23)の高さ(H)より若干大きく設定してもよい。この場合、リフレクタ(3)を上型(21)で押し潰して、リフレクタ(3)の上面をキャビティ(23)に密接させて樹脂成型することができる。ゴム等の弾性部材で形成したリフレクタ(3)の内面に金属反射膜を形成して構成することもできる。
図15は、絶縁被覆層(16)を介して支持板(1)上に設けられた配線導体(5)と支持板(1)との間にバンプチップ型の発光ダイオード(2)を接続した構造を示す。図16は、平面的に見て楕円形状に形成したリフレクタ(3)の内部に、3個又は複数個の発光ダイオード(2)を支持板(1)上に固着した構造を示す。図17は、支持板(1)の片側に配線導体(4,5)を配置した構造を示す。
図18に参考として示す半導体発光装置では、リフレクタ(3)は、内部空洞(3a)から外側面(3m)まで本体(3b)を貫通して発光ダイオード(2)と配線導体(5)との間に直線状に形成された切欠部(3k)を有する。リード細線(8)は、切欠部(3k)を通り発光ダイオード(2)と配線導体(5)とに接続される。
図18に示す半導体発光装置を製造する際に、図1に示す半導体発光装置と同様に、図2に示すリードフレーム組立体(10)等の組立体を準備する。次に、図19に示すように、絶縁性接着剤(11)を介して支持板(1)の凹部(1a)内にリフレクタ(3)を接着する。リフレクタ(3)は、図19〜図21に示すように、中央部に円錐状の内部空洞(3a)を有し且つ全体的に矩形に形成された本体(3b)と、本体(3b)の内部空洞(3a)から外側面(3m)まで本体(3b)を貫通して発光ダイオード(2)と配線導体(5)との間に直線状に形成された切欠部(3k)とを有する。続いて、図22に示すように、周知のダイボンダを使用して、半田又は導電性ペースト等の導電性接着剤(2a)によってリフレクタ(3)の内部空洞(3a)内に露出した支持板(1)の凹部(1a)内に発光ダイオード(2)を固着する。図示しないが、発光ダイオード(2)は、半導体基板と、半導体基板の一方の主面と他方の主面にそれぞれ形成されたアノード電極とカソード電極とを備え、カソード電極は、支持板(1)に電気的に接続される。また、周知のワイヤボンディング方法によって発光ダイオード(2)の他方の電極と配線導体(5)とをリード細線(8)により接続した後、リード細線(8)を配置した切欠部(3k)内にフィラー(3f)を配置する。
フィラー(3f)は、種々の形状で形成することができるが、例えば、図23に示すように、リフレクタ(3)の内部空洞(3a)の一部を形成する傾斜面(3g)を有する三角部(3j)と、三角部(3j)の外側に形成された背部(3i)と、三角部(3j)と背部(3i)との間に形成された一対のリブ(3h)とを有する。図24に示すように、フィラー(3f)が嵌合される切欠部(3k)は、フィラー(3f)と相補的形状の断面で形成され、切欠部(3k)内にフィラー(3f)を上方から配置すると、リブ(3h)によりフィラー(3f)は上方にのみ移動できるが、横方向には移動しない。その後、フィラー(3f)はろう材又は接着剤により切欠部(3k)内に接着される。図23に示すフィラー(3f)を使用する代わりに、切欠部(3k)内に導電性ペースト(銀ペースト)等のろう材又は接着性樹脂を充填してフィラー(3f)を構成してもよい。図22、図25〜図27は、フィラー(3f)にろう材又は接着性樹脂を適用した実施例を示す。
次に、図22に示すように、リフレクタ(3)の上部にPET樹脂から成るカバー(12)を貼着してリフレクタ(3)の内部空洞(3a)を密閉し、図25に示すように、リードフレーム組立体(10)を成形型(20)内に取り付ける。図1に示す半導体発光装置と同様に図18に示す半導体発光装置は、図25に示すように、カバー(12)を少し押し潰す状態でカバー(12)の上面がキャビティ(23)の上面に密着させてリフレクタ(3)を固着したリードフレーム組立体(10)を成形型(20)内に配置する。
この状態で、ランナ及びゲートを通じてキャビティ(23)内に流動化した樹脂を押圧注入するが、このとき、切欠部(3k)にフィラー(3f)が配置され、リフレクタ(3)の上部にカバー(12)が貼着された内部空洞(3a)内に樹脂は侵入しない。リードフレーム組立体(10)を成形型(20)から取出し、リフレクタ(3)の上面に貼着されたカバー(12)をリフレクタ(3)から除去すると、図26に示すように、リフレクタ(3)の外側に配置された支持板(1)の一方の主面(1c)、側面(1d)及び配線導体(4,5)の内端部側を被覆する樹脂封止体(6)が形成される。次に、図18に示すように、リフレクタ(3)の上面に光透過性樹脂から成るレンズ部(7)を貼着し、図27に示すリードフレーム組立体(10)から不要な部分を除去して完成した半導体発光装置が得られる。樹脂封止体(6)を形成した後、フィラー(3f)を除去してもよい。図1に示すように、フィラー(3f)を備えない半導体発光装置を形成できる。
前記実施の形態では、切欠部(3k)を充填するフィラー(3f)を使用せずに、発光ダイオードを製造することも可能である。図28は、周知のトランスファーモールド法を使用して、切欠部(3k)を通じて光透過性のエポキシ樹脂をリフレクタ(3)の内部空洞(3a)に充填して、リードフレーム組立体(10)に樹脂封止体(6)を形成する例を示す。図28に示す半導体発光装置を製造する際に、成形型(20)は、図29に示すように、キャビティ(23)を形成する上型(21)と下型(22)とを有し、支持板(1)とリフレクタ(3)とを加えた高さ(L)は、キャビティ(23)内の上型(21)と下型(22)との間隔、即ちキャビティ(23)の高さ(H)より小さい。この結果、リフレクタ(3)を固着したリードフレーム組立体(10)を成形型(20)内に配置して上型(21)と下型(22)とを閉じたとき、リフレクタ(3)の上面と上型(21)との間の隙間(ギャップ)が樹脂流通路として形成される。この状態で、ランナ及びゲートを通じてキャビティ(23)内に流動化した樹脂を押圧注入すると、図30に示すように、リフレクタ(3)の上面側と切欠部(3k)を通じて内部空洞(3a)内に十分な量の樹脂が流入される。
リードフレーム組立体(10)を成形型(20)から取出すと、図31に示すように、リフレクタ(3)の外側に配置された支持板(1)の一方の主面(1c)、側面(1d)及び配線導体(4,5)の内端部側を被覆し、リフレクタ(3)の内部空洞(3a)を充填する樹脂封止体(6)が形成される。よって、樹脂封止体(6)内でのボイド又は未充填部の発生を防止して、信頼性の高い半導体発光装置を得ることができる。最後に、図28に示すように、リフレクタ(3)の上面に光透過性樹脂から成るレンズ部(7)を貼着し、リードフレーム組立体(10)から不要な部分を除去して完成した半導体発光装置が得られる。図28に示す半導体発光装置は、樹脂封止体(6)は高軟化点を有する透明の樹脂により形成される。レンズ部(7)も同種又は他種の透明の樹脂により形成される。図18及び図28に示す半導体発光装置は、図1に示す半導体発光装置と同様に、外部に放出する光がリフレクタ(3)により十分に指向性を持てばレンズ部(7)を省略してもよい。また、リフレクタ(3)は、支持板(1)を構成する金属と同一の導電性金属又は樹脂により形成することができる。
図18又は図28に示す半導体発光装置では、発光ダイオード(2)のアノード電極とカソード電極との間に半導体基板の厚み方向に電流を流して発光するため、半導体基板の厚み方向に比較的大きな電流を流すことができる。更に、下記の作用効果が得られる。
[1] リフレクタ(3)の切欠部(3k)を通じてリード細線(8)を配置すると、リード細線(8)を短くして、配線導体(5)と発光ダイオード(2)とを直線状に接続でき、リード細線(8)の変形を防止することができる。
[2] リフレクタ(3)の反射面(3c)の径を小さく且つ高さを大きくできるので、光指向性及び正面輝度を向上できる。
[3] また、リード細線(8)による配線導体(5)と発光ダイオード(2)との接続を容易に行うことができる。
[4] リード細線(8)がリフレクタ(3)の上面を介さないために断線し難く、半導体発光装置の信頼性を向上することができる。
[5] 更に、リフレクタ(3)の反射面(3c)の径を小さくして発光装置を小型化することができる。
[6] 発光ダイオード(2)が配置されるリフレクタ(3)の内部空洞(3a)は耐熱性の低い樹脂のない中空部を形成するので、発光ダイオード(2)に直接接触する樹脂の熱劣化を回避することができる。
[7] 第1の配線導体(4)及び第2の配線導体(5)を通じて発光ダイオード(2)に大電流を流して点灯させるときに発生する熱を熱伝導率が高い金属製の支持板(1)を通じて外部に良好に放出することができる。
[8] 耐熱性の樹脂封止体(6)の使用により熱劣化を防止できる。
[9] リフレクタ(3)の内面反射により発光ダイオード(2)から生ずる光を外部に効率的に且つ指向性をもって放出できる。
[10] 支持板(1)及びリフレクタ(3)により発光ダイオード(2)を包囲する構造により、水分等の外部からの異物の侵入を防止して、発光ダイオード(2)の劣化を抑制し、信頼性の高いパッケージ構造を実現できる。
[11] リフレクタ(3)の円錐面は、発光ダイオード(2)から放出された光をレンズ部(7)側に向けて良好に反射させる。本実施の形態では、発光ダイオード(2)から放出される光をレンズ部(7)を介して高い指向性で集束させるため、円錐面の底面に対する傾斜角度は30゜以上に設定される。
[12] 発光ダイオード(2)が配置されるリフレクタ(3)の内部空洞(3a)にボイドが発生せずに樹脂を良好に充填することができる。
図18又は図28に示す半導体発光装置は、種々の変更が可能である。図32は、平面的に見て楕円形状に形成したリフレクタ(3)の内部で3個又は複数個の発光ダイオード(2)を支持板(1)上に固着した構造を示す。図33〜図35は、支持板(1)の片側に配線導体(4,5)を配置した構造を示す。支持板(1)に凹部(1a)を形成せずに、平坦な支持板(1)の主面(1c)にリフレクタ(3)を固着することもできる。リフレクタ(3)を支持板(1)に固着する前に、予め支持板(1)の一方の主面(1c)に発光ダイオード(2)を固着してもよい。リフレクタ(3)を同一の銅又はアルミニウム等の金属により支持板(1)と一体に形成してもよい。また、レンズ部(7)をトランスファモールドによって樹脂封止体(6)と一体に形成してもよい。
黒色樹脂から成る樹脂封止体(6)及びシリコーン樹脂に比較して、レンズ部(7)を形成する光透過性樹脂は熱劣化しやすい。しかしながら、本実施の形態では、発熱源である発光ダイオード(2)、発光ダイオード(2)からの熱が伝達される配線導体(4,5)及び支持板(1)から離間させて熱劣化しやすいレンズ部(7)を配置するので、発光ダイオード(2)の熱によってレンズ部(7)は劣化しない。また、レンズ部(7)の中心軸と発光ダイオード(2)の中心軸とが整合して配置されるため、発光ダイオード(2)から垂直上方に向かう光、発光ダイオード(2)から側方に放出されてリフレクタ(3)の反射面(3c)上で上方に反射された光をレンズ部(7)により良好に集光することができる。
また、図1及び図18の半導体発光装置では、光透過性樹脂に比較してコンパウンドの含有量が多く、耐熱性に優れ電力用トランジスタ等のパッケージに使用される熱硬化型のエポキシ系黒色樹脂を使用して樹脂封止体(6)を形成するので、発光ダイオード(2)からの熱が樹脂封止体(6)に連続的に加わっても、樹脂封止体(6)の密着性はさほど低下しない。このため、樹脂封止体(6)と配線導体(4,5)との間に隙間等が発生せず、樹脂封止体(6)の耐環境性能が長時間に渡って良好に得られ、信頼性の高い高光出力半導体発光素子が得られる。
本発明は、支持板と、支持板上に設けられるリフレクタとを備える半導体発光装置に良好に適用できる。
本発明による半導体発光装置の断面図 リードフレーム組立体の平面図 図1の半導体発光装置の支持板及びリフレクタを示す斜視図 図3のリフレクタの断面図 図3のリフレクタの平面図 図3のリフレクタの上面にカバーを貼着した状態を示す断面図 図6のリードフレーム組立体を成形型内に装着した状態を示す断面図 図6のリードフレーム組立体に樹脂封止体を形成した状態を示す断面図 図8のリードフレーム組立体の平面図 リフレクタの上部にカバーを有する本発明による半導体発光装置の断面図 支持板とリフレクタとの間にシートを介在させた状態を示す断面図 支持板と下型との間にシートを介在させた状態を示す断面図 リフレクタの貫通孔に配線導体を挿通して形成した本発明による半導体発光装置の断面図 上型に環状突起を有する成形型の断面図 バンプチップ型に形成した本発明による半導体発光装置の断面図 複数の発光ダイオードを有する本発明による半導体発光装置の平面図 支持板の片側に配線導体を配置した本発明による半導体発光装置の平面図 他の半導体発光装置の参考断面図 図18の半導体発光装置の支持板及びリフレクタを示す斜視図 図19のリフレクタの断面図 図19のリフレクタの平面図 図19のリフレクタの上面にカバーを貼着した状態を示す断面図 フィラーの斜視図 フィラーと相補的形状の切欠部を形成したリフレクタの平面図 図22のリードフレーム組立体を成形型内に装着した状態を示す断面図 図22のリードフレーム組立体に樹脂封止体を形成した状態を示す断面図 図26のリードフレーム組立体の平面図 別の他の半導体発光装置の参考断面図 リフレクタの上面と上型との間に隙間を有する成形型の断面図 図29の成形型に樹脂を注入した状態を示す断面図 図22のリードフレーム組立体のリフレクタの内部空洞内に樹脂を流入して樹脂封止体を形成した状態を示す断面図 複数の発光ダイオードを有する本発明による他の半導体発光装置の平面図 支持板の片側に配線導体を配置した他の半導体発光装置の平面図 図33の半導体発光装置の断面図 リフレクタの内部空洞内に樹脂を流入した図33の半導体発光装置の断面図 従来の半導体発光装置の斜視図
符号の説明
(1)・・支持板、 (2)・・発光ダイオード(半導体発光素子)、 (3)・・リフレクタ、 (3a)・・内部空洞、 (3e)・・平坦部、 (3d)・・鍔部、 (4,5)・・配線導体、 (8)・・リード細線、 (17)・・導電性ペースト(ろう材)、

Claims (3)

  1. 支持板と、該支持板に固着され且つ上方に向かって拡径する内部空洞を有する光反射性のリフレクタと、該リフレクタの内部で前記支持板上に固着された半導体発光素子とを備え、
    前記リフレクタは、配線導体に接続された鍔部を有し、前記半導体発光素子と前記配線導体との間が前記鍔部を介して電気的に接続されることを特徴とする半導体発光装置。
  2. 前記鍔部は、ろう材を介して前記配線導体に電気的に接続される請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 前記半導体発光素子と前記リフレクタに形成された平坦部との間にリード細線を接続した請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
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