JP4572559B2 - 印刷装置 - Google Patents
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Description
特許文献1記載の印刷装置は、バッファメモリにたまっている画信号の量に応じて、複数段階の印刷速度に関する設定値を選択し、印刷媒体に印刷を行うことが記載されている。
このため、特許文献1記載の印刷装置では、印刷が終了する直前に印刷データの受信速度と印刷速度のバランスがとれている最適な印刷状態となることがある。しかし、1回の印刷動作の開始時点の印刷速度は、設定された所定値から始まるため、常に最適な印刷速度で印刷開始することができず、印刷動作が効率の悪いものとなっていた。
先ず、本実施形態に係るラベルプリンタの概略構成について、図1乃至図3を参照しつつ、詳細に説明する。図1は、本実施形態にかかるラベルプリンタ1の外観斜視図である。図2は、ラベルプリンタ1の上カバーを取り外した状態の外観斜視図である。図3は、ラベルプリンタ1を側面視した際の垂直断面図である。
本体筺体2前面には、トレー6の前側に電源ボタン7が配置され、電源ボタン7の下方には、ロールシート3を幅方向に横断し、左右移動可能に設けられたカッターユニット8を左右に移動させるカッターレバー9が設けられている。そして、本体筺体2背面における一方の側端部には、ラベルプリンタ1の印字動作に要する電力を供給する電源コード10が接続されると共に、他方の側端部には、パーソナルコンピュータ26と接続するUSB(Universal Serial Bus)等から構成されるコネクタ部11が設けられている。
本体筺体2内部には、ロールシートホルダ3aを収納するロールシートホルダ収納部4が形成されている。ロールシートホルダ収納部4には、ロールシート3の搬送方向に対する垂直方向の側端縁部の一方に、上方に開口され、保持部材12の取付部12aと嵌合する正面視略縦長コの字状の位置決め溝部16を有するホルダ支持部材15が立設されている。
ロールシートホルダ3aが、保持部材12、ガイド部材13及び軸部材14により構成されているので、ロールシートホルダ3の保持部材12の取付部12aをホルダ支持部材15の位置決め溝部16に挿入し、ガイド部材13の延出部13a下端面を載置部20上に当接することで、ロールシートホルダ3をロールシートホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられる。
まず、レバー21を上方に回動させた状態で、ロールシート3が装着されたロールシートホルダ3aを、保持部材12の取付部12aをホルダ支持部材15の位置決め溝部16に嵌め込み、ガイド部材13の延出部13a下面を載置部20に当接させることによって、ロールシートホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられる。続いて、ロールシート3の一方の側端縁部をガイド部材13の内側面に当接させつつ、該ロールシート3を引きだし、このロールシート3の他方の側端縁部を挿入口18の側端縁部に当接させつつ挿入口18に挿入する。その後、ロールシートホルダ収納部4の上側を覆うように後側上端縁部に開閉自在に取り付けられた上カバー5を閉じることにより、図1の状態となるのである。
尚、この印字は、搬送中のロールシート3の該サーマルヘッド23に圧接された面で行われるが、この印字面は下方を向いている。そして、印字面が下方に向いた状態のままで、搬送中のロールシート3は、上カバー5と本体筐体2の間からトレー6上に排出され、また、トレー6上に排出されたロールシート3は、カットレバー9を右側方向に移動操作することによって、カッターユニット8によりその幅方向に切断され、プリントラベルが作出される。
本実施形態に係るラベルプリンタ1は、パーソナルコンピュータ26に代表される外部機器と接続され、外部機器から送信される印刷データに基づいて、ラベルの印刷を行い、所望のラベルをユーザに提供するものである。本実施形態における外部機器としては、パーソナルコンピュータ26を用いているが、外部機器をパーソナルコンピュータ26に限定するものではなく、個人用携帯情報端末(所謂、PDA)等の他の外部機器を用いたとしても何等の支障はない。
そして、モータ駆動回路31には、ステッピングモータ24が、サーマルヘッド制御回路32には、サーマルヘッド23が夫々接続されている。
まず、ラベルプリンタ1の基本制御プログラムに関して図5を用いて説明する。図5は、ラベルプリンタ1の基本制御プログラムのフローチャートである。
S1における初期化処理終了後、S2においては、ラベルプリンタ1に接続される外部機器等のハード構成が以前と変わったか否かについて判断がなされる。本実施形態では、S2において、ラベルプリンタ1に接続されるパーソナルコンピュータ26におけるCPUファミリやCPUクロックの変更、及びラベルプリンタ1とパーソナルコンピュータ26との間の接続インターフェースの種類や接続状況の変更の有無について判断される。ハード構成が以前と変わった場合(S2:YES)には、S3に移行し、印刷最高速度設定を行う。ハード構成が以前と変わっていない場合(S2:NO)には、S5に移行する。
S2において、ハード構成が以前と変わったと判断された場合(S2:YES)には、S12にて、設定パラメータの受信が行われる。本実施形態における設定パラメータは、前述したように、ラベルプリンタ1に接続されるパーソナルコンピュータ26におけるCPUファミリ、CPUクロックの変更、及びラベルプリンタ1とパーソナルコンピュータ26との間の接続インターフェースの種類、接続状況の4種類の情報である(図11参照)。ラベルプリンタ1とパーソナルコンピュータ26との間の接続インターフェースの種類、接続状況に関しては、ラベルプリンタ1が認識可能であるので、S12においては、CPUファミリ、CPUクロックに関する情報をパーソナルコンピュータ26より受信する。前述の4種類のハード構成に関する情報を取得した後、S13に移行する。
ここで、ハード情報指標値の算出について説明する。S12で取得した4項目のハード構成に関する情報は、ROM28に格納されているハード情報指標値テーブル36を参照して、数値化される。図11を参照しつつ具体例を挙げると、本実施形態に係るラベルプリンタ1が、USBフルスピードで、CPUファミリA 750MHzのパーソナルコンピュータ26に直接接続されている場合には、ハード情報指標値テーブル36を参照して、CPUファミリ指標値=1.0、CPUクロック指標値=0.6、インターフェース指標値=1.0、接続状態指標値=1.0と数値化される。
ここで、ハード情報指標値は、図11に示すように、前述4項目の指標値の積として算出されるので、前述の具体例では、(ハード情報指標値)=1.0×0.6×1.0×1.0=0.6と算出される。この結果、初期最高印刷速度は、(初期最高印刷速度)=100×0.6=60(mm/s)と算出される。本実施形態においては、印刷最高速度は、10mm/s〜100mm/sの間を10mm/s間隔の10レベルに設定されている(図12(a)参照)。前述の初期印刷最高速度の算出例では、60mm/sとなり、算出した値がそのまま設定値とすることができたが、初期印刷最高速度が、28.2mm/sと算出された場合には、1の位以下を切捨て、20mm/sとして初期印刷最高速度を設定する。
このようにして算出された初期最高印刷速度は、SRAM29に格納され、印刷開始直後の印刷速度として用いられる。算出された初期最高印刷速度をSRAM29に格納した後、初期最高速度設定の処理を終了し、S4に移行する。
速度変化回数カウンタ39は、前述したように、1回の印刷動作中に発生した印刷速度の減速変化の回数を計数するものである。後に詳細に説明するが、図9のS28において、印刷動作が1回終了するごとに、当該印刷動作中に発生した印刷速度の減速回数をカウンタ履歴記憶領域39aに格納し、現在設定されている最高印刷速度における印刷速度の減速回数の履歴とする。印刷速度変化回数の履歴をクリア(S4)した後、S5に移行する。S5では、ラベルプリンタ1の動作にかかるコマンドを受信するまで、ラベルプリンタ1の処理を待機する。
ここで印刷最高速度設定コマンドについて説明する。印刷最高速度設定コマンドは、S3において、パーソナルコンピュータ26のハード構成等の諸条件により設定される初期最高印刷速度を設定するコマンドである。ユーザは、パーソナルコンピュータ26を操作し、印刷最高速度設定コマンドをラベルプリンタ1に送信することにより、所望の印刷最高速度に設定変更することができる。S7における印刷最高速度設定の処理終了後、S5に戻り、コマンド入力がなされるまで待機する。
S10では、印刷最高速度更新がなされる。この印刷最高速度更新は、S3又はS7において設定された初期印刷最高速度を、ユーザの使用態様により最適な印刷最高速度の更新する処理である。印刷最高速度更新(S10)に関しても、後に図面を参照しつつ、詳細に説明するので、ここでの詳しい説明は省略する。印刷最高速度更新(S10)終了後、S5に戻り、コマンドが入力されるまで、処理を待機する。
本実施形態に係るラベルプリンタ1の印刷処理では、先ず、S14において、速度変化回数カウンタ39を初期化がなされる。速度変化回数カウンタ39は、SRAM29に形成されており、S16における印刷速度変化に基づいて、印刷速度変化回数を計数するものである。速度変化回数カウンタ39は、前述のように、1回の印刷動作中に発生した印刷速度の変化回数を計数するものであるため、印刷動作を行うごとに初期化するものである。速度変化回数カウンタ39の初期化(S14)終了後、S15に移行し、プリントバッファ40内の印刷データの印刷を開始する(S15)。
S16で、印刷速度変化に関する処理に入ると、S21において、プリントバッファ40内の印刷データ残量を用い、ROM28に形成された印刷速度変更テーブル34に基いて、印刷速度の加速又は減速が決定される。本実施形態においては、印刷速度の加速又は減速に関する判断基準は、プリントバッファ40の全容量に対して、プリントバッファ40内に存在する印刷データ残量が30%以上であるか否かが判断基準となっている。具体的には、本実施形態に係るラベルプリンタ1では、印刷データの残量がプリントバッファ40の全容量の30%以上ある場合には、印刷速度を加速し、30%未満しかない場合には、印刷速度を減速すると決定されるのである。印刷速度の加速、減速の決定(S21)後、S22に移行する。
本実施形態においては、プリントバッファ40の全容量に対して、印刷データの残量が30%未満となる場合に、印刷速度を減速する。パーソナルコンピュータ26から送信される印刷データの供給量より、印刷によってプリントバッファ40より消去される印刷データ量が大きくなると、プリントバッファ40内の印刷データ残量が減少し、印刷データが空になる。このため、印刷速度を減速し、プリンタバッファ40内の印刷データ残量を増やし、連続的に印刷動作を行うのである。しかし、パーソナルコンピュータ26のハード構成や接続状況等の条件により、印刷データがプリンタバッファ40内になくなり、印刷動作が停止する場合がある。このような状態で、S23に至った場合(S23:YES)には、印刷速度変化に関する処理を終了する。
S27では、S25におけるラベルプリンタ1の印刷速度の減速に基づいて、印刷速度変化カウンタに1を加算する。本実施形態においては、印刷速度の減速に関して、印刷速度変化として計数する。印刷速度変化カウンタに1を加算した後、印刷速度変化に関する処理を終了する。
一方、プリントバッファ40内に印刷データが存在しない場合(S17:NO)には、S18に移行し、印刷終了であるか否かの判断がなされる。印刷終了である場合(S18:YES)には、S9における印刷処理を終了する。
印刷終了ではない場合(S18:NO)には、プリントバッファ40内に所定量の印刷データが格納されるまで、印刷を一時停止する(S19)。プリントバッファ40内に印刷データが所定量格納されると、印刷を再開する旨の指令を発信し(S20)、S16に戻り、印刷速度変化処理を行う。
S9において、1回の印刷動作が終了した後、S28に移行し、速度変化回数カウンタ39にて計数したラベルプリンタ1における印刷速度の減速回数を、カウンタ履歴記憶領域39aに追加格納する。速度変化回数カウンタ39の計数結果をカウンタ履歴記憶領域39aに追加した後、S29に移行する。
S29で印刷最高速度更新判定に入ると、S36にて、印刷最高速度を上げるか下げるかの印刷最高速度更新判定を行う。印刷最高速度更新判定は、速度変化回数カウンタ39、カウンタ履歴記憶領域39aに格納されたデータ及び、後に詳細に説明するが、印刷時におけるプリンタバッファ40内の印刷データ残量より得られる余裕度に基づいて、より効率的に印刷動作を行うために、現在の印刷最高速度を更新する必要性を判定する処理である。
印刷最高速度の更新判定は、ROM28に形成されている印刷最高速度更新テーブル35により判定される。図12(c)は、印刷最高速度を減速更新する際に用いる印刷最高速度更新テーブル35を示した図である。
先ず、印刷最高速度を下げる減速更新について、図12(c)を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態においては、印刷最高速度は、1回の印刷動作における印刷速度の減速変化の発生回数と、印刷動作時における印刷速度の減速変化を発生回数ごとに分け、印刷速度の減速変化が同一回数発生した印刷動作の連続発生回数と、累積発生回数に基づいて、印刷最高速度を減速設定に更新する。具体的には、現在の印刷速度70mm/sで1回の印刷動作中に印刷速度が3回減速した場合に、印刷速度の減速が3回発生した印刷動作が2回連続して発生、若しくは、現在の印刷速度(70mm/s)条件において、印刷速度の減速が3回発生した印刷動作が累積4回発生のどちらか一方の条件が満たされた場合に、ラベルプリンタ1の印刷最高速度は、1レベル遅い印刷最高速度に、即ち、70mm/sから60mm/sに減速設定される。これにより、ユーザが自ら操作して、印刷速度の調整を行わずとも、高品質な印刷結果と効率的に得ることができる。
本実施形態における印刷最高速度の加速設定では、余裕度という指標を用いて加速設定の必要性を判定する。この余裕度は、プリントバッファ40の全容量と、1回の印刷動作におけるプリントバッファ40内に存在する印刷データ残量の最小値との比率である。印刷データ残量が最も小さくなった時点は、パーソナルコンピュータ26からの印刷データの通信速度が、ラベルプリンタ1の印刷速度に比べて遅く、ラベルプリンタ1の印刷動作の停止に最も近くなったときである。
1回の印刷動作中に、ラベルプリンタ1の印刷動作の停止に最も近い状態において、印刷データ残量に余裕があるということは、更に、印刷速度を速くした場合にも、プリントバッファ40中に印刷データが存在しなくなり、印刷動作の停止が発生することはないこととなる。
本実施形態では、前述のように定義された余裕度という指標を用いて、印刷最高速度の加速更新判定を行う。ここで、この余裕度を用いた印刷最高速度の加速更新判定について説明する。余裕度は、図12(b)に示すように、1回の印刷動作中におけるプリントバッファ40中の印刷データ残量の最小値のプリントバッファ40全容量に対する比率である。このため、1回の印刷動作より得られる余裕度は1つである。そして、図12(d)に示すように、連続回数、累積回数を判断条件とし、そのどちらか一方の条件が満たされた場合には、印刷最高速度を加速更新するのである。具体的には、現在の印刷速度70mm/sの印刷動作において、余裕度60%で印刷が終了した。この印刷動作が連続3回発生した場合、若しくは、連続発生しなくとも、累積5回発生した場合には、印刷最高速度を1レベル速い印刷最高速度に更新する。この場合においては、70mm/sから80mm/sに印刷最高速度の設定更新を行う。
更に、印刷最高速度更新テーブル35では、印刷速度変化の発生を連続回数及び累積回数としても判断しているので、ユーザの作成する印刷データと、印刷装置及び外部機器等との諸条件に対応することができ、最適な印刷最高速度を選択設定することが可能となる。
また、本実施形態に係る印刷装置は、印刷装置に接続される外部機器の構成及び外部機器と接続状況に応じて、印刷最高速度を設定するので、外部機器を変更した場合においても、最初の印刷動作から最適な印刷最高速度で印刷することが可能となる。
3 ロールシート
22 プラテンローラ
23 サーマルヘッド
24 ステッピングモータ
26 パーソナルコンピュータ
27 CPU
28 ROM
29 SRAM
34 印刷速度変更テーブル
35 印刷最高速度更新テーブル
36 ハード情報指標値テーブル
39 速度変化回数カウンタ
40 プリンタバッファ
Claims (5)
- 外部機器と接続する接続手段と、
外部機器から送信される印刷データを一時的に格納するプリントバッファと、
前記プリントバッファ内の印刷データ残量を検知するデータ残量検知手段と、
前記データ残量検知手段の検知結果に基づいて、印刷速度を加減する印刷速度調整手段と、
印刷媒体に印刷データの印刷を行う印刷手段とを備える印刷装置において、
前記印刷速度調整手段による印刷速度加減の履歴と前記プリントバッファ内のデータ残量を示す値の履歴とに基づいて、印刷開始直後の印刷速度として用いられると共に印刷速度調整手段による印刷速度加速の上限である印刷最高速度を最適な設定に変更する印刷最高速度変更手段を有することを特徴とする印刷装置。 - 前記請求項1記載の印刷装置において、
1回の印刷中に発生した前記印刷速度調整手段による印刷速度の減速の発生回数を計数する計数手段と、
前記計数手段による計数結果を記憶する計数記憶手段を有し、
前記印刷最高速度変更手段は、前記計数記憶手段に記憶された計数結果が所定の条件を満たした場合に、前記印刷最高速度を減少させる設定変更を行うことを特徴とする印刷装置。 - 前記請求項1又は請求項2記載の印刷装置において、
前記印刷最高速度変更手段は、前記データ残量を示す値の履歴が所定の条件を満たした場合に、前記印刷最高速度を増加させる設定変更を行うことを特徴とする印刷装置。 - 前記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の印刷装置において、
前記外部機器の構成と、前記外部機器との接続状況を含む外部環境条件に基づいて、印刷最高速度を設定する最高印刷速度設定手段を有することを特徴とする印刷装置。 - 前記請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の印刷装置において、 印刷装置を取り巻く環境が変化した場合に、前記計数記憶手段に記憶された内容を初期化するリセット手段を有することを特徴とする印刷装置。
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