近年のメモリ・デバイスは、例えば、100MHzを超える動作速度を達成しており、DLL等の技術を利用して外部入力クロック信号と内部出力クロック信号との位相を合わせることにより、内部のクロック配線による遅れの影響を除いてアクセス時間の遅れやバラツキを抑える方法が用いられている。
このようなDLL技術では、内部出力クロック信号線の負荷による伝搬遅延を見積もるために、ダミーの回路を設けるようになっている。
図1は関連技術としての半導体集積回路の一例を示すブロック図である。図1において、参照符号1はクロック入力パッド、21は入力回路、22はダミー入力回路、そして、3はDLL回路を示している。さらに、参照符号41はクロック配線(リアル配線)、42はダミー配線、51は出力回路(出力バッファ)、52はダミー出力回路(出力バッファ)、6はデータ出力パッド、そして、7はダミー負荷容量を示している。
図1に示されるように、DLL回路3は、分周回路30、位相比較回路(ディジタル位相比較器)31、遅延制御回路32、遅延回路33、および、ダミー遅延回路34を備えて構成されている。分周回路30には、入力回路21を介して外部クロックCLK(信号S1)が供給され、該外部クロックCLKを分周した信号を出力するようになっている。すなわち、分周回路30は、第1の出力信号(信号S2)をダミー遅延回路34へ出力すると共に、第2の出力信号(信号S3)を位相比較回路31の第1の入力へ出力するようになっている。位相比較回路31の第2の入力には、分周回路30の第1の出力信号(信号S2)が、ダミー遅延回路34,ダミー配線42,ダミー出力回路52並びにダミー入力回路22を介して供給(信号S0)され、該位相比較回路31は、これらの信号S3および信号S0の位相比較を行って遅延制御回路32を制御するようになっている。なお、遅延回路33の出力信号は、DLL回路3の出力信号としてクロック配線(リアル配線)41を介して出力回路(対象回路)51に供給されることになる。
ここで、ダミー入力回路22を介して位相比較回路31に供給される信号S0は、通常動作時には、ダミー配線42,ダミー出力回路52およびダミー入力回路22等により、例えば、丁度1クロック分の時間だけ外部クロックCLKを遅延した信号となっており、この1クロック分だけ遅延した信号S0(φout)が入力回路21および分周回路30を介して供給される信号S3(φext)と位相比較されることになる。そして、遅延制御回路32は、位相比較回路31からの出力(位相比較結果)に応じて、遅延回路33およびダミー遅延回路34に対して同じ遅延量を与えるように、各遅延回路33,34を制御するようになっている。従って、出力回路51におけるクロック信号は、入力回路21,遅延回路33,リアル配線41および出力回路51による遅延が、見かけ上、存在しないようなタイミングで供給されることになる。
ところで、クロックの周期が入力回路21と出力回路51とそれらの間の配線(クロック配線41)等の遅延よりも短くなると、1つ前の外部クロックからDLL回路3を用いて内部出力クロックを生成することができなくなる。そこで、クロックの周期が配線遅延等よりも短くなる場合には、1つ前の外部クロックではなく、2つ前の外部クロックから内部出力クロックを生成するようになっており、外部クロックCLKの2周期だけ遅延したタイミングで位相比較回路31の位相比較処理を行うようになっている。
すなわち、後述する分周回路30により、位相比較回路31で位相を比較する時に、「DLL回路3から出力されたクロック」の立ち上りエッジと「DLL回路3に入力された外部クロックの2周期だけ遅延した外部クロック」の立ち上りエッジで同期をとる(ロックする)ようになっている。このように、分周回路30を設けることにより、例えば、信号S1およびS0の位相が180度ずれている場合でも、位相比較回路31に入力する信号S3およびS0には共に高レベル“H”となる期間が存在するため、位相比較回路31による位相比較を行うことができることになる。
図2は図1の半導体集積回路における関連技術としての位相比較回路(位相比較部)の一構成例を説明するための図であり、図3は図2の位相比較回路の動作を説明するためのタイミング図である。
図1の半導体集積回路における位相比較回路31は、図2に示す位相比較部と、後述する図4に示す増幅回路部との2つの回路部分で構成されている。図2において、参照符号φoutおよびφextは、この位相比較回路で比較する出力信号と外部クロック信号を示し、信号(比較基準信号)φextを基準として信号(比較対象信号)φoutの位相が判定され、また、φa〜φeは増幅回路部に接続される出力信号を示している。
図2に示されるように、位相比較回路31の位相比較部は、2個のNANDゲートで構成されたフリップフロップ回路421並びに422、その状態をラッチするラッチ回路425並びに426、ラッチ回路の活性化信号を生成する活性化信号生成回路424、および、比較基準信号φextの位相許容値を得る1遅延分の遅延回路423を備えて構成されている。
図3(a)は比較対象信号φoutが比較基準信号φextよりも位相が進んでいる場合、すなわち、信号φoutが信号φextより先に低レベル“L”から高レベル“H”になる場合を示している。信号φoutと信号φextが共に低レベル“L”の時には、フリップフロップ回路421および422のノード6a−2、6a−3、6a−4、6a−5は全て高レベル“H”になっている。信号φoutが低レベル“L”から高レベル“H”に変化すると、ノード6a−2および6a−4は共に高レベル“H”から低レベル“L”に変化する。その後、信号φextが低レベル“L”から高レベル“H”になり、また、1遅延分遅れてノード6a−1が低レベル“L”から高レベル“H”になるが、フリップフロップの両端の電位はすでに確定しているので、何ら変化は生じない。結局、ノード6a−2は低レベル“L”、ノード6a−3は高レベル“H”、ノード6a−4は低レベル“L”、そして、ノード6a−5は高レベル“H”を維持する。
一方、信号φextが低レベル“L”から高レベル“H”に変化したのに応じて、回路424の出力信号φaは低レベル“L”から高レベル“H”に変化し、ノード6a−6には、一時的に高レベル“H”レベルになるパルスが印加される。このノード6a−6はラッチ回路425および426のNANDゲートの入力となっているので、該NANDゲートが一時的に活性化されて、フリップフロップ回路421および422の両端の電位状態をラッチ回路425および426に取り込むことになる。最終的には、出力信号φbが高レベル“H”、出力信号φcが低レベル“L”、出力信号φdが高レベル“H”、そして、出力信号φeが低レベル“L”になる。
次に、図3(b)は比較対象信号φoutと比較基準信号φextの位相がほぼ同じで、信号φoutが信号φextとほぼ同時に低レベル“L”から高レベル“H”になる場合を示している。信号φoutの立ち上がり時点とノード6a−1の立ち上がり時点との時間差内に、信号φoutが低レベル“L”から高レベル“H”に変化した時、まず、信号φextが低レベル“L”から高レベル“H”になることによってフリップフロップ421のノード6a−3が低レベル“L”から高レベル“H”に変化する。フリップフロップ422では、ノード6a−1が低レベル“L”のままなので、逆に、ノード6a−4が高レベル“H”から低レベル“L”に変化する。その後、ノード6a−1が高レベル“H”から低レベル“L”に変化するが、フリップフロップ422の状態はすでに決まっているので、何ら変化は生じない。その後、ノード6a−6が一時的に高レベル“H”になるので、ラッチ回路にはこの状態が記憶され、結局、出力信号φbが低レベル“L”、出力信号φcが高レベル“H”、出力信号φdが高レベル“H”、そして、出力信号φeが低レベル“L”になる。
さらに、図3(c)は比較対象信号φoutが比較基準信号φextよりも位相が遅れており、信号φoutが信号φextより後に低レベル“L”から高レベル“H”になる場合を示している。この場合は、信号φextによって2個のフリップフロップ回路421と422に変化が生じて、6a−3と6a−5が高レベル“H”から低レベル“L”に変化する。そして、最終的には、出力信号φbが低レベル“L”、出力信号φcが高レベル“H”、出力信号φdが低レベル“L”、出力信号φeが高レベル“H”になる。
このように、信号(比較基準信号)φextの立ち上がり時間を基準として、信号(比較対象信号)φoutの立ち上がり時間がそれ以前に高レベル“H”になったか、ほぼ同時であったか、或いは、遅れて高レベル“H”になったかを検出することが可能になる。これらの検出結果を出力信号φb、φc、φd、および、φeの値としてラッチしておき、その値に基づいて遅延制御回路をカウントアップするか、カウントダウンするかを決めることになる。
図4は図1の半導体集積回路における位相比較回路(増幅回路部)の一構成例を説明するための図であり、図5は図4の位相比較回路におけるJKフリップフロップの動作を説明するためのタイミング図である。
図4に示されるように、位相比較回路31の増幅回路部は、JKフリップフロップ427と、NANDゲートおよびインバータで構成される増幅部428との2つの部分を備えて構成されている。JKフリップフロップ427には信号φaが入力され、信号φaが低レベル“L”であるか高レベル“H”であるかに応じてノード7a−9および7a−11の電位が交互に低レベル“L”と高レベル“H”を繰り返す仕組みになている。増幅部428は、JKフリップフロップ427の出力信号と、信号φbおよびφdの信号を受けて増幅して出力する。
まず、JKフリップフロップ427の動作を図5のタイミングチャートを参照して説明する。時間T1で、信号φaが高レベル“H”から低レベル“L”に変化すると、ノード7a−1および7a−10が低レベル“L”から高レベル“H”に変化する。一方、ノード7a−1の変化に応じて、ノード7a−5,7a−6および7a−7が変化するが、信号φaが低レベル“L”であるために、ノード7a−8は変化しない。結局、出力(ノード)7a−9は変化せず、出力7a−11のみが低レベル“L”から高レベル“H”になる。次に、時間T2になって、φaが低レベル“L”から高レベル“H”に変化すると、時間T1での動きと逆にノード7a−8は高レベル“H”から低レベル“L”に、7a−10は7a−7が変化しないので変化せず、出力7a−9は低レベル“L”から高レベル“H”に変化し、出力7a−11は変化しない。このように、JKフリップフロップ回路427は、信号φaの動きに応じて出力7a−9および7a−11が交互に高レベル“H”と低レベル“L”を繰り返す動きをする。
図6は図4の位相比較回路における増幅回路部の動作を説明するためのタイミング図(カウントアップ時)であり、図7は図4の位相比較回路における増幅回路部の動作を説明するためのタイミング図(カウント維持時)であり、そして、図8は図4の位相比較回路における増幅回路部の動作を説明するためのタイミング図(カウントダウン時)である。次に、増幅部428の動作を、図6〜図8を参照して説明する。
図6は、比較基準信号φextの立ち上がりに対して、比較対象信号φoutが先に低レベル“L”から高レベル“H”になる場合を示している。この場合の位相比較部からの入力信号は、信号φbが高レベル“H”、信号φcが低レベル“L”、信号φdが高レベル“H”、そして、信号φeが低レベル“L”である。結局、ノード7a−12が高レベル“H”になり、ノード7a−13が低レベル“L”に固定され、セット信号φSOおよびφSEはJKフリップフロップの状態に応じて変化するが、リセット信号φROおよびφREは7a−13が低レベル“L”のために変化しない。
図7は、比較対象信号φoutが比較基準信号φextとほぼ同時に低レベル“L”から高レベル“H”になる場合を示している。この場合の位相比較部からの入力信号は、信号φbが低レベル“L”、信号φcが高レベル“H”、信号φdが高レベル“H”、そして、信号φeが低レベル“L”である。結局、ノード7a−12および7a−13が低レベル“L”に固定され、リセット信号φSOおよびφSEはJKフリップフロップの出力が増幅部に影響することはなく、信号φSO,φSE,φROおよびφREは低レベル“L”に固定されたままになる。
図8は、比較対象信号φoutが比較基準信号φextの立ち上がりに対して遅れて低レベル“L”から高レベル“H”になる場合を示している。この場合の位相比較部からの入力信号は、信号φbが低レベル“L”、信号φcが高レベル“H”、信号φdが低レベル“L”、そして、信号φeが高レベル“H”である。結局、ノード7a−12が低レベル“L”に固定され、ノード7a−13が高レベル“H”に固定され、リセット信号φROおよびφREはJKフリップフロップの状態に応じて変化するが、セット信号φSOおよびφSEはノード7a−13が低レベル“L”のために変化しない。
図9は図1の半導体集積回路における分周回路の一例を示す回路図であり、図10は図9の分周回路の各ノードの信号波形を示す図である。ここで、図9に示す分周回路30は、図10の波形図から明らかなように、入力信号S1(外部クロックCLK)を8分周して、外部クロックCLKの2クロックサイクル分の期間が高レベル“H”(または、低レベル“L”)で、6サイクル分の期間が低レベル“L”(または、高レベル“H”)となる信号S2(信号S3)を生成するものである。
図10に示されるように、分周回路30は、複数のナンドゲートおよびインバータより成る3段のカウンタ301〜303として構成され、該分周回路30に対して信号S1(入力回路21の出力信号)を供給して、図10に示すような第1および第2の出力信号S2およびS3を生成するようになっている。なお、図10において、参照符号Aは1つ目のカウンタ301の出力信号、Bは2つ目のカウンタ302の出力信号であり、各信号波形は、図10に示す通りである。また、分周回路30は、複数のナンドゲートおよびインバータより成る3段のカウンタで構成するものに限定されず、様々な論理ゲートの組み合わせとして構成することができるのはいうまでもない。
図11は図9の分周回路を使用した半導体集積回路の動作を説明するためのタイミング図である。
図11に示されるように、分周回路30は、入力回路21の出力である信号S1を受けて、2周期の間(図11中の期間aa)だけ高レベル“H”で、6周期の間(図11中の期間bb)だけ低レベル“L”となる8分周(aa+bb)した信号S2(第1の出力信号)と、その逆相の信号S3(第2の出力信号)を出力する。ここで、第1の出力信号S2はダミー遅延回路34に供給され、第2の出力信号S3は位相比較回路31の一方の入力に供給される。なお、信号S0は、分周回路30の第1の出力信号S2がダミー遅延回路34,ダミー配線4,ダミー出力回路52およびダミー入力回路22により遅延され、位相比較回路31の他方の入力に供給された信号である。
位相比較回路(ディジタル位相比較器)31は、分周回路30の第2の出力信号S3の立ち上がりタイミングと信号S0の立ち上がりタイミングとの位相を比較し、該比較結果に応じて遅延制御回路(シフトレジスタ)32が遅延回路33およびダミー遅延回路34に対して同じ遅延量を与えるように制御する。すなわち、DLL回路3は、入力回路21からの信号S1(外部クロックCLKと同じ周期)に対して、遅延回路33による遅延量が与えられたクロック信号(内部出力クロック信号)を出力するようになっている。これにより、DLL回路3で2クロックサイクル前の外部クロックから位相同期した内部出力クロックを生成することができ、DLL回路3を高速動作可能なSDRAMに対応させることができる。
なお、分周回路30の第1の出力信号S2における期間aaを変化させることにより、何クロック前の外部クロックから、DLL回路3で内部出力クロックをつくるかを調節することができる。具体的に、信号S2の期間aaを3クロック分の長さとすることにより、DLL回路3で3クロックサイクル前の外部クロックから位相同期した内部出力クロックを生成することができる。また、分周回路30の第1の出力信号S2における期間bbを変える(aa+bb)ことによって、何周期毎に位相比較を行なうかを調節することができる。
図12は図1の半導体集積回路における遅延回路33,34の一構成例を説明するための図であり、図12(a)は1ビット分の遅延回路の構成を示し、図12(b)は該1ビット分の遅延回路の動作のタイムチャートを示し、そして、図12(c)は1ビット分の遅延回路を複数段接続した時の構成と動作説明を示すものである。
図12(a)に示されるように、1ビット分の遅延回路は2個のNANDゲート401と402、および、インバータ403を備えて構成される。この1ビット分の遅延回路の動作を図12(b)を参照して説明すると、入力φEは活性化信号(イネーブル信号)で、高レベル“H”の時に遅延回路が動作する。図12(b)では、イネーブル信号φEが高レベル“H”になって信号のアクセスが可能になった状態が示されている。なお、図12(b)において、INは1ビット分の遅延回路への入力信号を示し、また、φNは複数段接続された遅延回路のうち隣接する右側の遅延回路からの信号、OUTは1ビット分の遅延回路の出力信号、そして、4a−1および4a−2は図12(a)の回路において対応するノードの波形を示している。従って、OUTは左側に隣接する1ビット分の遅延回路における信号φNに対応する。
信号φNが低レベル“L”の時には、出力信号OUTは常に低レベル“L”になり、また、信号φNが高レベル“H”で信号φEが低レベル“L”の時には、出力信号OUTは高レベル“H”になる。信号φNが高レベル“H”で信号φEが高レベル“H”の時に、入力信号INが低レベル“L”であれば出力信号OUTは高レベル“H”になり、INが高レベル“H”であれば低レベル“L”になる。
図12(a)の回路によれば、イネーブル信号φEが高レベル“H”の状態で入力信号INが立ち上がると、その入力信号は矢印の経路に伝播するが、イネーブル信号φEが低レベル“L”の状態では、入力信号INが出力OUTに矢印の経路で伝播しないようになっている。
図12(c)は、図12(a)に示す1ビット分の遅延回路を複数段カスケード接続した例であり、実際の遅延回路に相当する。ここで、図12(c)では3段しか描いていないが、実際には多数段接続されている。また、イネーブル信号φEの信号線は、回路要素毎に、φE−1、φE−2、φE−3のように複数本あり、これらの信号は遅延制御回路(32)によって制御される。
図12(c)では、中央の1ビット分の遅延回路が活性化されており、イネーブル信号φE−2が高レベル“H”になっている。この場合、入力信号INが低レベル“L”から高レベル“H”に変化すると、左端の1ビット分の遅延回路と右端の1ビット分の遅延回路のイネーブル信号φE−1およびφE−3は低レベル“L”であるから、太線のように入力信号INはNANDゲート401−1および401−3で止められてしまう。
一方、活性化されている中央の1ビット分の遅延回路のイネーブル信号φE−2は高レベル“H”レベルであるから、入力信号INはNANDゲート401−2を通過する。右側の1ビット分の遅延回路の出力信号OUTは高レベル“H”であるから、入力信号INはNANDゲート402−2も通過して、出力信号OUTとして低レベル“L”の信号が伝達されることになる。上記のように、右側の出力信号OUT、すなわち、イネーブル信号φNが低レベル“L”の時には、出力信号OUTは常に低レベル“L”になるので、この低レベル“L”の信号が左側の1ビット分の遅延回路のNANDゲートおよびインバータに順次伝達され、最終的な出力信号として取り出される。
このように、活性化された1ビット分の遅延回路を介して、入力信号INは折り返されるように信号伝達され、最終的な出力信号になる。つまり、どの部分のイネーブル信号φEを高レベル“H”にするかにより、遅延量を制御することができる。1ビット分の遅延量は、NANDゲートとインバータの合計の信号伝搬時間で決定され、この時間がDLL回路の遅延単位時間になり、そして、全体の遅延時間は、1ビット分の遅延量に通過する段数を乗じた量になる。
図13は図1の半導体集積回路における遅延制御回路の一構成例を説明するための図である。
図13に示されるように、遅延制御回路も点線で囲った1ビット分の遅延制御回路430−2を遅延回路の段数分接続した構成になっており、各段の出力が遅延回路の各段のイネーブル信号φEになる。
具体的に、1ビット分の遅延制御回路430−2は、NANDゲート432−2と、インバータ433−2で構成されるフリップフロップの両端にそれぞれ直列に接続されたトランジスタ435−2、437−2、438−2、439−2、および、NORゲート431−2を有している。トランジスタ438−2のゲートは、前段の1ビット分の遅延制御回路のノード5a−2に、トランジスタ439−2のゲートは、後段の1ビット分の遅延制御回路のノード5a−5に接続されて、前段と後段の信号を受けるようになっている。一方、直列接続されている他方のトランジスタには、カウントアップする時のセット信号φSEおよびφSOと、カウントダウンする時のリセット信号φREおよびφROが1ビット置きの回路に接続されている。
図13に示されるように、中央の1ビット分の遅延制御回路430−2では、トランジスタ435−2のゲートにセット信号φSOが供給され、トランジスタ437−2にリセット信号φROが供給され、また、遅延制御回路430−2の前段および後段の両側の回路の各対応するトランジスタのゲートにはそれぞれセット信号φSEおよびリセット信号φREが供給されている。また、NORゲート431−2には、左側の(前段の)回路のノード5a−1と回路430−2のノード5a−4の信号が入力される構成になっている。なお、φRは遅延制御回路をリセットする信号で、電源投入後に一時的に低レベル“L”レベルになり、その後は高レベル“H”に固定される。
図14は図13の遅延制御回路の動作を説明するためのタイミング図である。
図14に示されるように、まず、リセット信号φRが一時的に低レベル“L”になり、ノード5a−1,5a−3,5a−5が高レベル“H”、また、5a−2,5a−4,5a−6が低レベル“L”にリットされる。そして、カウントアップする時には、カウントアップ信号(セット信号)φSEおよびφSOが交互に高レベル“H”と低レベル“L”を繰り返す。
セット信号φSEが低レベル“L”から高レベル“H”になると、ノード5a−1は接地されて低レベル“L”になり、また、ノード5a−2は高レベル“H”に変化する。ノード5a−2が高レベル“H”に変化したのを受けて、出力信号(イネーブル信号)φE−1は高レベル“H”から低レベル“L”に変化する。この状態はフリップフロップにラッチされるので、セット信号φSEが低レベル“L”に戻ったとしても、イネーブル信号φE−1は低レベル“L”のままである。そして、ノード5a−1が低レベル“L”に変化したことを受けて、イネーブル信号(出力信号)φE−2が低レベル“L”から高レベル“H”に変化する。ノード5a−2が高レベル“H”に変化したのでトランジスタ438─2はオン状態になり、セット信号φSOが低レベル“L”から高レベル“H”になると、ノード5a−3は接地されて低レベル“L”に、また、ノード5a−4は高レベル“H”に変化する。さらに、ノード5a−4が高レベル“H”に変化したのを受けて、イネーブル信号φE−2は高レベル“H”から低レベル“L”に変化する。この状態はフリップフロップにラッチされるので、セット信号φSOが低レベル“L”に戻ったとしても、イネーブル信号φE−2は低レベル“L”のままである。
そして、ノード5a−3が低レベル“L”に変化したことを受けて、イネーブル信号φE−3が低レベル“L”から高レベル“H”に変化する。図14では、セット信号φSEおよびφSOが1パルスずつ出ているだけであるが、遅延制御回路が何段にも接続されており、セット信号φSEおよびφSOが交互に高レベル“H”と低レベル“L”を繰り返せば、出力信号(イネーブル信号)φEが高レベル“H”になる段の位置が順次右側にシフトする。従って、位相比較回路31の比較結果により遅延量を増加させる必要がある場合には、交互にセット信号φSEおよびφSOのパルスを入力すればよい。
カウントアップ信号(セット信号)φSEおよびφSOと、カウントダウン信号(リセット信号)φREおよびφROとが出力されない状態、すなわち低レベル“L”である状態が維持されれば、イネーブル信号φEは高レベル“H”になる段の位置は固定される。従って、位相比較回路31の比較結果により遅延量を維持する必要がある場合には、信号φSE、φSO、φREおよびφROのパルスを入力しないようにする。
カウントダウンする時には、リセット信号φREおよびφROのパルスを交互に入力すると、カウントアップ時と逆に出力φEが高レベル“H”になる段の位置が順次左側にシフトする。
以上説明したように、図13に示した遅延制御回路では、パルスを入力することにより、イネーブル信号φEが高レベル“H”になる段の位置を1つずつ移動させることが可能であり、これらのイネーブル信号φEで図12(c)に示した遅延回路を制御すれば遅延量を1単位ずつ制御することができる。
図17は本発明に係る入力回路の一実施例を示すブロック図であり、例えば、図1の半導体集積回路における入力回路21に対応するものである。図17において、参照符号210は入力バッファ、220はクロック検知回路、230は内部オシレータ、そして、240はパルス発生回路を示している。ここで、半導体集積回路は、例えば、DRAM(SDRAM)であり、その場合には、セルフリフレッシュ動作を行うためのオシレータを内部オシレータ230として兼用することもできる。
図17に示されるように、入力回路21は、入力バッファ210,クロック検知回路220,内部オシレータ230,パルス発生回路240,および,論理回路251〜253を備えて構成されている。ここで、論理回路251〜253は、クロック検知回路220の出力信号SS1,セルフリフレッシュモード信号SR,および,パルス発生回路240の出力信号SS3の論理を取って、入力バッファイネーブル信号IESを出力するもので、ノアゲート251,252およびナンドゲート253により構成されている。
図18は図17の入力回路における入力バッファ210の一例を示す回路図であり、図16を参照して説明した関連技術としての入力回路に相当する。ただし、図16の入力回路(21)では、トランジスタ215のゲートにセルフリフレッシュモード信号SRが供給されているのに対して、本実施例の入力回路21における入力バッファ210では、トランジスタ215のゲートに入力バッファイネーブル信号IESが供給されるようになっている。なお、入力バッファイネーブル信号IESは、ナンドゲート253の出力信号である。
図18に示されるように、入力バッファ210は、Pチャンネルトランジスタ211,212およびNチャンネルトランジスタ213,214,215で構成されている。トランジスタ213のゲートには、外部クロックCLKが供給され、トランジスタ214のゲートに印加された基準電圧Vref と差動増幅するようになっている。すなわち、クロックCLKのレベルを基準電圧Vref のレベルと比較し、その出力を三段のインバータ216〜218を介して出力するようになっている。ここで、入力バッファ210の初段が差動増幅部として構成されているのは、クロックCLKは、例えば、SSTL等の小振幅の信号であり、直接にインバータで増幅することができないからである。
入力バッファ210は、入力バッファイネーブル信号IESが高レベル“H”のときに活性化され、外部クロックCLKに対応した信号S1を遅延回路33および分周回路30(図1参照)に供給するようになっている。なお、入力バッファ210は、入力バッファイネーブル信号IESが低レベル“L”のときに非活性状態(停止状態)とされ、電流の消費が抑えられることになる。
図19は図17の入力回路におけるクロック検知回路220の一例を示す回路図である。
図18および図19の比較から明らかなように、クロック検知回路220は、基本的には、入力バッファ210と同様の構成とされ、SSTL等の小振幅の信号として供給される外部クロックCLKのレベルを基準電圧Vref のレベルと比較する差動増幅部(トランジスタ221〜225)、および、該差動増幅部の出力を反転して出力する三段のインバータ226〜228を備えて構成されている。ここで、クロック検知回路220は、入力バッファ210のように大きな駆動能力を持たせる必要がないため(大電流を流す必要がないため)、各トランジスタを小型のトランジスタで構成することができる。また、トランジスタ225のゲートには、例えば、高電位の電源電圧Vccが印加され、差動増幅部を常に活性化状態とするようになっている。
図20は図17の入力回路における内部オシレータ230の一例を示す回路図である。
図20に示されるように、内部オシレータ230は、セルフリフレッシュモード信号SRが入力されたナンドゲート231および複数(四段)のインバータ232〜235を有するリングオシレータとして構成されている。すなわち、内部オシレータ230は、セルフリフレッシュモード信号SRが高レベル“H”の時に、発振動作が開始して所定のパルス信号を出力するリングオシレータとして構成されている。
図21は図17の入力回路におけるパルス発生回路240の一例を示す回路図である。
図21に示されるように、パルス発生回路240は、ノアゲート241および複数(三段)のインバータ242〜244を備えて構成され、内部オシレータ230の出力信号SS2を受け取って、所定のパルス幅を有する信号SS3を出力するようになっている。ここで、パルス発生回路240の出力信号SS3のパルス幅は、インバータ242〜244による遅延時間に対応している。
図17に示す入力回路は、上述した図18〜図21に示す入力バッファ210,クロック検知回路220,内部オシレータ230,および,パルス発生回路240と、ノアゲート251,252およびナンドゲート253よりなる論理回路とを備えて構成されるが、この構成は、単なる一例であり、他に様々な回路を適用することができるのはいうまでもない。
図22は図17の入力回路の動作を説明するためのタイミング図である。なお、外部クロックCLKは、セルフリフレッシュモード信号SRが高レベル“H”になっている間、常に停止しているのではなく、例えば、セルフリフレッシュモード信号SRが低レベル“L”から高レベル“H”に変化してセルフリフレッシュ動作が開始した後に、所定クロック(例えば、200クロック)だけカウントした後にクロックCLKが停止し、また、セルフリフレッシュモード信号SRが高レベル“H”から低レベル“L”に変化してセルフリフレッシュ動作が終了する前に、所定クロック(例えば、200クロック)だけ早くカウントすべくクロックCLKが開始(出力)するようになっている。
図22および図17〜図21に示されるように、まず、セルフリフレッシュモード信号SRが低レベル“L”から高レベル“H”に変化すると、図20に示す内部オシレータ230が発振動作を開始して信号SS2が出力される。この内部オシレータ230の出力信号SS2は、図21に示すパルス発生回路240に入力され、このパルス発生回路240からは、インバータ242〜244の遅延時間に対応したパルス幅を有する信号SS3が出力される。このパルス発生回路240の出力信号SS3は、ノアゲート252の一方の入力に供給される。
また、外部クロックCLKは、図19に示すクロック検知回路220により検知され、このクロック検知回路220からはクロックCLKに対応して信号(クロック検知信号)SS1が出力される。このクロック検知回路220の出力信号SS1は、ノアゲート251の一方の入力に供給される。ここで、ノアゲート251の他方の入力には、ノアゲート252の出力信号供給され、また、ノアゲート252の他方の入力には、ノアゲート251の出力信号供給されている。すなわち、ノアゲート251および252はラッチ回路を構成し、信号SS1およびSS3のレベルにより保持データを変化させる。
そして、ノアゲート251の出力信号は、セルフリフレッシュモード信号SRと共にナンドゲート253の入力に供給され、セルフリフレッシュモード信号SRが高レベル“H”の間、信号SS3が低レベル“L”から高レベル“H”への立ち上がりで高レベル“H”から低レベル“L”に変化し、信号SS1の低レベル“L”から高レベル“H”への立ち上がりで低レベル“L”から高レベル“H”に変化する入力バッファイネーブル信号IESが生成される。ここで、入力バッファイネーブル信号IESを、パルス発生回路240の出力信号SS3により低レベル“L”に変化させるのは、周期的にクロック検知回路220の出力信号SS1の出力を確認するためである。
これにより、外部クロックCLKがクロック検知回路220に入ると、入力バッファイネーブル信号IESを高レベル“H”として入力バッファ210が活性化され、セルフリフレッシュモード信号SRのレベルに関係無く、外部クロックCLKから信号S1を生成して、遅延回路33および分周回路30(図1参照)に供給して、DLL回路3を動作状態とすることができるようになる。
このように、本実施例の入力回路21において、入力バッファイネーブル信号IESは、通常、高レベル“H”を保っており入力バッファ210は活性化状態にある。そして、セルフリフレッシュモード信号SRが内部オシレータ230に入力されると、外部クロックCLKの周期に関係無く、内部オシレータ230の出力SS2が一定の周期で高レベル“H”および低レベル“L”をセルフリフレッシュモード信号SRが低レベル“L”になるまで繰り返す。なお、内部オシレータ230の出力SS2は、セルフリフレッシュモード信号SRが低レベル“L”になると高レベル“H”を保持することになる。
パルス発生回路240は、内部オシレータ230の出力SS2の立ち下がり信号(高レベル“H”から低レベル“L”への変化)を受けて、高レベル“H”になり、それに伴って入力バッファイネーブル信号IESは高レベル“H”から低レベル“L”に変化し、入力バッファ210は非活性状態となる。そして、この入力バッファ210は、クロック検知回路220の出力信号(クロック検知信号)SS1が入力されない限り入力バッファイネーブル信号IESは低レベル“L”のままとなり、非活性状態が保持される。
入力バッファ210を非活性状態から活性化させるには、外部クロックCLKをクロック検知回路220に入力すればよく、これにより入力バッファイネーブル信号IESは、再び低レベル“L”から高レベル“H”に変化して入力バッファ210の動作が開始する。
このように、本実施例の入力回路は、外部クロックCLKが入力されている時は、入力バッファ210を活性化し、外部クロックCLKが入力されていない時は、常に入力バッファ210を非活性状態とするようになっている。
これにより、セルフリフレッシュ状態でも外部クロックCLKが動いていれば、DLL回路を動作させることができるので、セルフリフレッシュ状態に入る前とセルフリフレッシュ終了後で外部条件が変化していた場合、例えば、電源電圧が大きく変動したり、外部の温度変化が大きい場合等においても、DLL回路が再びロックオンするまでのダミーサイクルを不要とすることができ、無駄な時間を無くすことが可能となる。また、外部クロックCLKが動いていない時には、入力バッファ210非活性の状態とすることができるため、消費電流(消費電力)の増加を抑えることができる。なお、セルフリフレッシュ動作の最中に外部クロックCLKが止まった時は,内部オシレータ230が一定の周期で動作し、パルス発生回路240を介して信号を入力バッファ210に入力して即座に入力バッファ210を非活性化させることにより消費電流を抑えることができる。
図23は本発明に係る半導体集積回路が適用される一例としてのシンクロナスDRAMの構成を示す図であり、図24は図23のシンクロナスDRAMの動作を説明するためのタイミング図である。
本発明が適用される半導体集積回路の一例としてのシンクロナスDRAM(SDRAM)は、例えば、パイプライン方式が採用され、16M・2バンク・8ビット幅のものとして構成される。
図23に示されるように、SDRAMは、汎用DRAMのDRAMコア108a、108bの他に、クロックバッファ101、コマンドデコーダ102、アドレスバッファ/レジスタ&バンクアドレスセレクト(アドレスバッファ)103、I/Oデータバッファ/レジスタ104、制御信号ラッチ105a,105b、モードレジスタ106、コラムアドレスカウンタ107a,107bを備えている。ここで、/CS、/RAS、/CAS、/WE端子は、従来の動作とは異なり、その組み合わせで各種コマンドを入力することによって動作モードが決定されるようになっている。各種コマンドは、コマンドデコーダで解読されて、動作モードに応じて各回路を制御することになる。また、/CS、/RAS、/CAS、/WE信号は、制御信号ラッチ105aと105bにも入力されて次のコマンドが入力されるまで、その状態がラッチされる。
アドレス信号は、アドレスバッファ103で増幅されて各バンクのロードアドレスとして使用される他、コラムアドレスカウンタ107aおよび107bの初期値として使用される。
クロックバッファ101は、内部クロック生成回路121および出力タイミング制御回路122を備えている。内部クロック生成回路121は、外部クロックCLKから通常の内部クロック信号を生成するものであり、また、出力タイミング制御回路122は、前述したようなDLL回路を適用して正確な遅延制御(位相制御)を行ったクロック信号を発生するためのものである。なお、本発明に係る入力回路21は、このクロックバッファ101(内部クロック生成回路121)の一部を構成することになる。
I/Oデータバッファ/レジスタ104は、データ入力バッファ13およびデータ出力バッファ(出力回路)51を備え、DRAMコア108aおよび108bから読み出された信号は、データ出力バッファ51により所定のレベルに増幅され、出力タイミング制御回路122からのクロック信号に従ったタイミングでデータがパッドDQ0〜DQ7を介して出力される。また、入力データに関しても、パッドDQ0〜DQ7から入力されたデータは、データ入力バッファ13を介して取り込まれる。ここで、リアル配線(RL)は、この出力タイミング制御回路122から各データ出力バッファ51までの配線に対応している。
上記のSDRAMの読み取り動作を図24を参照して説明する。
まず、外部クロックCLKは、このSDRAMが使用されるシステムから供給される信号であり、このCLKの立ち上がりに同期して、各種コマンド、アドレス信号、入力データを取込み、或いは、出力データを出力するように動作する。
SDRAMからデータを読み出す場合、コマンド信号(/CS、/RAS、/CAS、/WE信号)の組み合わせからアクティブ(ACT)コマンドをコマンド端子に入力し、アドレス端子にはローアドレス信号を入力する。このコマンド、ローアドレスが入力されると、SDRAMは活性状態になり、ローアドレスに応じたワード線を選択して、ワード線上のセル情報をビット線に出力し、センスアンプで増幅する。
さらに、ローアドレスに関係した部分の動作時間(tRCD)後に、リードコマンド(Read)とコラムアドレスを入力する。コラムアドレスに従って、選択されたセンスアンプデータをデータバス線に出力し、データバスアンプで増幅し、出力バッファでさらに増幅して出力端子(DQ)にデータが出力される。これら一連の動作は汎用DRAMとまったく同じ動作であるが、SDRAMの場合、コラムアドレスに関係する回路がパイプライン動作するようになっており、リードデータは毎サイクル連続して出力されることになる。これにより、データ転送速度は外部クロックの周期になる。
SDRAMでのアクセス時間には3種類あり、いずれもクロックCLKの立ち上がり時点を基準にして定義される。図24において、tRACはローアドレスアクセス時間、tCACはコラムアドレスアクセス時間、tACはクロックアクセス時間を示している。
図25は図23のシンクロナスDRAMの要部構成を概略的に示すブロック図であり、SDRAMにおけるパイプライン動作を説明するためのもので、一例としてパイプが3段設けられている場合を示している。
SDRAMでのコラムアドレスに関係する処理回路は、処理の流れに沿って複数段に分割されており、分割された各段の回路をパイプと呼んでいる。
クロックバッファ101は、図23を参照して説明したように、内部クロック生成回路121および出力タイミング制御回路122を備え、内部クロック生成回路121の出力(通常の内部クロック信号)がパイプ−1およびパイプ−2に供給され、出力タイミング制御回路122の出力(位相制御された内部クロック信号)がパイプ−3の出力回路51(データ出力バッファ)に供給されるようになっている。ここで、本発明に係る入力回路21は、内部クロック生成回路121の一部を構成するのは前述の通りである。
各パイプは供給された内部クロック信号に従って制御され、各パイプの間には、パイプ間の信号の伝達タイミングを制御するスイッチが設けられており、これらのスイッチも、クロックバッファ101(内部クロック生成回路121)で生成された内部クロック信号により制御される。
図25に示す例では、パイプ−1において、コラムアドレスバッファ116でアドレス信号を増幅してコラムデコーダ118にアドレス信号を送り、コラムデコーダ118で選択されたアドレス番地に相当するセンスアンプ回路117の情報をデータバスに出力し、データバスの情報をデータバスアンプ119で増幅するまで行われる。また、パイプ−2にはデータバス制御回路120のみが設けられ、パイプ−3はI/Oバッファ104(出力回路51)で構成されている。なお、I/Oバッファ104におけるデータ入力バッファ13は図25では省略されている。
そして、各パイプ内の回路も、クロックサイクル時間内で動作完了するならば、パイプとパイプとの間にあるスイッチをクロック信号に同期して開閉することで、リレー式にデータを送り出す。これにより、各パイプでの処理が並行に行われることになり、出力端子にはクロック信号に同期して連続的にデータが出力されることになる。
図26は本発明に係る半導体集積回路における出力回路(データ出力バッファ回路:51)の一構成例を説明するための図である。図25および図26に示されるように、図26におけるData1およびData2は、セルアレイ115から読み出され、センスアンプ117とデータバスアンプ119とデータバス制御回路120を介して出力された記憶データに対応する信号であり、Data1およびData2は、出力データが高レベル“H”の場合には共に低レベル“L”であり、出力データが低レベル“L”の場合には共に高レベル“H”である。なお、出力データが高レベル“H”でも低レベル“L”でもないハイインピーダンス状態(ハイゼット状態)をとることも可能であり、その場合にはデータバス制御回路120において、Data1が高レベル“H”に、Data2が低レベル“L”になるように変換される。信号φoeは、出力タイミング制御回路122(図1中の遅延回路33)の出力信号(クロック信号)に対応するもので、出力回路51のイネーブル信号として機能するものである。
クロック信号φoeが高レベル“H”になると、Data1とData2の情報がデータ出力パッド6(DQ0〜DQ7)に現出するように動作する。例えば、データ出力パッド6に高レベル“H”を出力する場合を想定すると、クロック信号φoeが低レベル“L”から高レベル“H”に変化し、ノード8a−1が低レベル“L”に、ノード8a−2が高レベル“H”になって、トランスファーゲートがオンしてData1およびData2がノード8a−3および8a−6に伝達される。その結果、ノード8a−5が低レベル“L”に、ノード8a−8が高レベル“H”になると、出力用のPチャンネルトランジスタ81はオンとなり、また、Nチャンネルトランジスタ82はオフとなって、データ出力パッド6には高レベル“H”の出力が現れることになる。また、クロック信号φoeが低レベル“L”になると、トランスファーゲートはオフして、それまでの出力状態が保持される。
図27は本発明に係る入力回路の第2実施例を示すブロック図であり、図28は図27の入力回路の動作を説明するためのタイミング図である。図27において、参照符号210は入力バッファ、230は内部オシレータ、そして、253はネンドゲートを示している。
本第2実施例では、図17の第1実施例におけるクロック検知回路220による外部制御信号(外部クロック)CLKの検知を行わずに、入力バッファイネーブル信号IESを出力して入力バッファ210からの内部制御信号(内部クロック)S1の出力制御を行うようになっている。
すなわち、図27に示されるように、本第2実施例では、セルフリフレッシュモード信号SRおよび内部オシレータ230の出力がナンドゲート253に供給され、ナンドゲート253の出力である入力バッファイネーブル信号IESにより、入力バッファ210からの内部制御信号S1の出力を制御するようになっている。
図28に示されるように、本第2実施例の入力回路は、セルフリフレッシュモード信号SRが高レベル“H”となるセルフリフレッシュモードにおいて、内部オシレータ230の出力SS2が低レベル“L”のときに入力バッファイネーブル信号IESが高レベル“H”となり、入力バッファ210を活性化して内部制御信号S1を出力するようになっている。
本第2実施例では、前述したように、第1実施例におけるクロック検知回路220を必要とせず、入力バッファ210が活性化している期間を通常時の1/2(内部オシレータ230の出力SS2が低レベル“L”となっている期間だけ)にできるため、その分の消費電力を削減することが可能となる。なお、内部オシレータ230の出力SS2が低レベル“L”のときに、入力バッファ210を動作させる理由は、例えば、セルフリフレッシュの1回づつの動作は内部オシレータの出力SS2の立ち上がりから開始され、この出力SS2が低レベル“L”のときには終了しているため、チップ内で動作している回路数が最少の状態になっており、チップ内の電源も安定しているため、DLLの位相調整を行うには最適だからである。
ここで、入力回路をDRAM(SDRAM)に適用する場合には、そのDRAMのセルフリフレッシュ用のオシレータを上述した内部オシレータ230として利用することができる。なお、信号SRはセルフリフレッシュモード信号に限定されるものではなく、また、入力回路もDRAMへの適用に限定されるものではない。ただし、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)やフラッシュEEPROM(Electrically Erazable Programmable Read Only Memory)、或いは、他の内部オシレータ持たない半導体集積回路では、例えば、DLL回路のロックオン時間を低減するために入力回路用の内部オシレータ230を新たに設ける必要がある。
図29は本発明に係る入力回路の第3実施例を示すブロック図であり、図30は図29の入力回路における分周器の動作を説明するためのタイミング図である。
図29に示されるように、本第3実施例では、図27の第2実施例において、内部オシレータ230の出力SS2を分周器260で分周し、その分周した信号SS5をナンドゲート253へ供給するようになっている。そして、ナンドゲート253では、分周後の信号SS5とセルフリフレッシュモード信号SRとの論理を取って入力バッファイネーブル信号IESを出力するようになっている。
すなわち、図30に示されるように、分周器260は、入力信号(内部オシレータ230の出力)SS2を2分周して、1/2の周波数の信号SS5をナンドゲート253へ供給するようになっている。なお、図30では、分周後の信号SS5の低レベル“L”の期間は、1周期の1/4の期間となるようにされており、これによりセルフリフレッシュモード期間中で信号SS5が低レベル“L”のときに入力バッファ210が活性化される期間をさらに削減して、より一層の消費電力の低減を図るようになっている。
図31は本発明に係る入力回路の第4実施例を示すブロック図である。
例えば、DRAM(SDRAM)において、アクティブモードに対してセルフリフレッシュモードの消費電力は大幅に少なく、そのため、セルフリフレッシュモードに入った直後はデバイス(DRAM)の温度は大きく変化し、時間が経過するにつれて安定する。本第4実施例では、このようなデバイスの温度変化を考慮して、セルフリフレッシュに入った直後は位相調整の頻度を高くし、そして、時間が経過した後は消費電力削減のため位相調整の頻度を下げるようになっている。
すなわち、本第4実施例では、前述した第3実施例と同様に、内部オシレータ230の出力SS2を分周器260’で分周し、その分周後の信号SS5をナンドゲート253の一方の入力へ供給するようになっているが、分周器260’の分周率が時間の経過と共に変化するように構成され、入力バッファイネーブル信号IESが発生する頻度を時間の経過に従って低減するように構成されている。なお、入力バッファイネーブル信号IESを出力するナンドゲート253の他方の入力には、ナンドゲート272および273で構成したラッチの出力をインバータ274で反転した信号が供給され、所定の時間(所定のカウント数)以降は、一定の頻度で入力バッファイネーブル信号IESを発生するようになっている。
図31に示されるように、分周器260’は、カウンタ270、各カウンタ出力(X1,X2,X3)のレベルを反転するインバータ261〜263、各カウンタ出力(X0,X1,/X1,X2,/X2,X3,/X3)の論理を取るナンドゲート264〜267、ナンドゲート264〜266の出力の論理を取るナンドゲート268、および、ナンドゲート268の出力とインバータ274の出力との論理を取るナンドゲート269を備えている。分周回路260’(ナンドゲート269)の出力SS5およびナンドゲート267の出力(DS4)はナンドゲート253に供給され、ナンドゲート253から入力バッファイネーブル信号IESが出力されるようになっている。ここで、カウンタ270は、例えば、信号の立ち下がりエッジを捉えてカウントするダウンエッジカウンタとして構成され、また、そのリセット端子RESETには、セルフリフレッシュモード信号SRをインバータ271で反転した信号が供給されている。
すなわち、カウンタ270は、セルフリフレッシュモード信号SRが低レベル“L”でリセットされ、信号SRが高レベル“H”でカウント動作を開始するようになっている。そして、カウンタ270は、例えば、内部オシレータ230の出力SS2のダウンエッジを0からカウントし、16回(1111)数えたら再び0からカウントする。
図32は図31の入力回路の動作を説明するためのタイミング図であり、図33は図31の入力回路におけるカウンタ出力と入力バッファイネーブル信号との関係を説明するための図である。
図32および図33に示されるように、セルフリフレッシュモード信号SRが高レベル“H”になると、カウンタ270はカウント動作を開始し、時間の経過に従って、ナンドゲート253は、入力バッファイネーブル信号IESとして、内部オシレータの出力SS2を2分周したナンドゲート264の出力DS1、SS2を4分周したナンドゲート265の出力DS2、SS2を8分周したナンドゲート266の出力DS3、そして、SS2を16分周したナンドゲート267の出力DS4を順次出力する。ここで、一旦、入力バッファイネーブル信号IESとして出力DS4(SS2を16分周した信号)が出力されると、それ以降は、この出力DS4に従った入力バッファイネーブル信号IESが出力され、セルフリフレッシュモード信号SRが低レベル“L”になるまで続けられる。すなわち、入力バッファイネーブル信号IESは、DS1→DS2→DS3→DS4と発生する頻度を時間の経過に従って低減するように変化するが、ナンドゲート272および273によるラッチの動作により、一度、DS4になると、以降DS4となり、内部オシレータの出力SS2が16回発生すると入力バッファイネーブル信号IESを1回発生するようになっている。
なお、第4実施例においては、分周器260’の分周率を段階的に下げているが、例えば、高低2種類の分周率を用意しておき、或る時間が経過したならば分周率を低くする(入力バッファイネーブル信号IESの頻度を低くする)ように構成してもよい。
図34は本発明に係る入力回路の第5実施例を示すブロック図であり、図35は図34の入力回路におけるパルス幅調整部の動作を説明するためのタイミング図である。
本第5実施例は、図27に示す第2実施例において、内部オシレータ230とナンドゲート253との間にパルス幅調整部280を設けるようにしたものである。
図34に示されるように、パルス幅調整部280は、遅延部281、インバータ282,283、および、ノアゲート284を備えて構成され、図35に示されるように、内部オシレータ230の出力SS2のパルス幅(デューティ比)を制御して出力SS5をナンドゲート253へ供給するようになっている。すなわち、本第5実施例は、内部オシレータ230の出力SS2における低レベル“L”の期間に対してインバータ283の出力(ナンドゲート253の入力)SS5における低レベル“L”の期間を任意に調整し、入力バッファを活性化する期間(入力バッファイネーブル信号IESが高レベル“H”となる期間)をさらに削減して、より一層の消費電力を低減するようになっている。
図36は本発明に係る入力回路の第6実施例を示すブロック図である。本第6実施例は、前述した第2実施例において、内部制御信号(内部クロック)S1としてエッジの欠けたクロック波形が発生するのを防止するように構成したものである。
図36に示されるように、本第6実施例では、内部オシレータ230とナンドゲート253との間に同期回路290を設け、ナンドゲート253の出力である第1の入力バッファイネーブル信号IES1をインバータ322を介してナンドゲート321の一方の入力に供給すると共に、内部オシレータ230の出力(SS2)をナンドゲート321の他方の入力に供給するようになっている。そして、このナンドゲート321の出力を第2の入力バッファイネーブル信号IES2として入力バッファ210へ供給し、内部制御信号S1の出力制御を行うようになっている。さらに、入力バッファ210からの内部制御信号(S2)はクロック出力部310を介して出力(S1)されるようになっている。
同期回路290は、遅延素子(Delay)291、インバータ292、ノアゲート293〜296を備えて構成されている。ここで、ノアゲート295および296はラッチを構成している。また、ノアゲート293および294の一方の入力には、入力バッファ210の出力(S2)が供給され、また、他方の入力には遅延素子291により遅延された内部オシレータ230の出力およびその反転信号が供給されている。さらに、遅延素子291は、内部オシレータ230の出力SS2および入力バッファ210の出力S2が同期回路290のノアゲート293および294に入力されるタイミングを調節するために挿入されている。すなわち、出力SS2が出力S2よりも速いと第1の入力バッファイネーブル信号IES1が発生してしまい、その結果、内部制御信号S1にエッジの欠けたクロックが発生してしまうため、入力バッファ210に相当する分の遅延を与えるようになっている。
図37は本発明の第6実施例〜第8実施例の動作を説明するタイミング図の対応を示す図である。
図37は、図28に対応するタイミング図であり、以下の第6実施例〜第8実施例の動作を説明するタイミング図(図38、図40、図42)における表示領域が、図37中の破線部分であることを示すものである。
図38は図36の入力回路の動作を説明するためのタイミング図である。
すなわち、図38(下方部分)に示されるように、例えば、前述した第2実施例にいおては、入力バッファイネーブル信号IESが低レベル“L”から高レベル“H”へ立ち上がるタイミングによっては、内部制御信号S1が途中で切れる(エッジが欠ける)ことがある。これに対して、上述した本第6実施例によれば、図38(上方および中央部分)に示されるように、第2の入力バッファイネーブル信号IES2により、入力バッファ210の出力S2にエッジの欠けが生じた場合でも、クロック出力部310を介して出力される内部制御信号S1ではエッジの欠けが生じた部分を無くして一定のパルス幅を有する内部制御信号S1を発生することが可能となる。
図39は本発明に係る入力回路の第7実施例を示すブロック図であり、図40は図39の入力回路の動作を説明するためのタイミング図である。
図39に示されるように、本第7実施例は、図27の第2実施例に対して、クロック検知回路220を設け、内部オシレータ230の出力SS2が低レベル“L”で、且つ、クロック検知回路220が外部制御信号(外部クロック)CLKの動作を検知した場合にのみ入力バッファ210を活性化するようにしたものである。ここで、同期回路290’は、前述した図36の同期回路290における遅延素子291が省略され、第6実施例における入力バッファの出力(S2)としてクロック検知回路220の出力SS1が使用されている。本第7実施例では、外部制御信号CLKが動作していない時、入力バッファ210は活性化されないので、第2実施例に対してより一層の消費電力の低減が可能である。
さらに、本第7実施例は、同期回路290’によりクロック検知回路220の出力SS1および内部オシレータ230の出力SS2の論理合成を行うため、図40に示されるように、内部制御信号S1としてエッジの欠けたクロック波形が発生するのを防止するようになっている。
図41は本発明に係る入力回路の第8実施例を示すブロック図であり、図42は図41の入力回路の動作を説明するためのタイミング図である。
図41に示されるように、本第8実施例は、上述した第7実施例に対して、さらに、クロック検知回路220にも内部オシレータ230の出力SS2により制御される活性化信号(SS4)を供給し、出力SS2が低レベル“L”のときにクロック検知回路220を活性化するようにしたものである。すなわち、内部オシレータ230の出力SS2をナンドゲート331の一方の入力に供給し、入力バッファイネーブル信号IESをインバータ332で反転してナンドゲート331の他方の入力に供給し、そして、ナンドゲート331の出力SS4によりクロック検知回路220の活性化を制御するようになっている。
本第8実施例によれば、出力SS2が高レベル“H”のとき、クロック検知回路220も非活性化されることになるため、第7実施例に対して、より一層の低消費電力化が可能となる。また、クロック検知回路220に対する活性化信号SS4を出力SS2および入力バッファイネーブル信号IESから作っているのは、図42に示されるように、内部制御信号S1のクロック波形(特に、最後の波形)のエッジの欠けを防止するためである。
図43は本発明に係る入力回路の第9実施例を示すブロック図である。本第9実施例は、前述した図17の第1実施例をDRAM以外のデバイスに適用する場合を示すものである。
前述した第1実施例では、例えば、内部オシレータ230をDRAMのセルフリフレッシュ動作用のオシレータと兼用する場合を示したが、この場合には、オシレータはセルフリフレッシュ動作にも兼用するためパワーダウンモード(セルフリフレッシュモード)でオシレータを止めることはできない。
しかしながら、例えば、DRAM以外のSRAMやフラッシュEEPROM等のデバイスでは、メモリセルのリフレッシュ動作を行う必要ないため、オシレータ(内部オシレータ230)を止めることができる。本第9実施例は、内部オシレータ230をパワーダウン信号PDおよび入力バッファイネーブル信号IESにより制御し、パワーダウン時に入力バッファ210が活性化している時だけ内部オシレータ230を動作させるようになっている。これにより、より一層の消費電力の低減が可能となる。
図44は本発明に係る入力回路の第10実施例を示すブロック図である。図44において、参照符号330はパルスカウンタまたは分周器等を示し、また、340はJ−Kフリップフロップ(J−K F.F.)を示している。
図44に示されるように、本第10実施例では、クロック検知回路220の出力SS1をパルスカウンタまたは分周器等330に供給し、また、パルスカウンタまたは分周器等330の出力SS2をJ−Kフリップフロップ340に供給するようになっている。そして、J−Kフリップフロップ340の出力SS6およびパワーダウン信号PDが供給されたナンドゲート253の出力(入力バッファイネーブル信号IES)により入力バッファ210のイネーブル制御を行うようになっている。ここで、パルスカウンタまたは分周器等330には活性化信号(イネーブル信号)としてパワーダウン信号PDが供給されている。また、パルスカウンタまたは分周器等330は、例えば、クロック検知回路220の出力SS1を256パルスカウントして出力SS2を1パルス発生するパルスカウンタとして構成することができる。なお、パルスカウンタまたは分周器等330への入力信号としては、クロック検知回路220の出力SS1でもよいが、入力バッファ210の出力S1を使用することもできる。
図45は図44の入力回路におけるJ−Kフリップフロップの一例を示す回路図であり、図46は図45のJ−Kフリップフロップの入出力波形の一例を示すタイミング図である。
図45に示されるように、J−Kフリップフロップ340は、ナンドゲート341〜348およびインバータ3491,3492により構成されている。このJ−Kフリップフロップ340の入力信号SS2および出力信号SS6は、例えば、図46に示されるような波形となる。
以上の説明では、本発明に係る入力回路が適用される半導体集積回路をシンクロナスDRAMとして説明したが、本発明はシンクロナスDRAMおよび半導体記憶装置等に限らず、信号のロックに時間を要するDLL回路或いはPLL回路等を有する様々な半導体集積回路に適用することができる。さらに、制御信号としてクロック信号を例に取って説明したが、制御信号としてはクロック信号に限定されるものでないのはもちろんである。