JP4570424B2 - 化粧シート又は化粧板の表面に形成された凹部の着色方法 - Google Patents

化粧シート又は化粧板の表面に形成された凹部の着色方法 Download PDF

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Description

本発明は、化粧シート又は化粧板の表面に形成された凹部の着色方法に関する。
従来、化粧板表面に形成された溝(凹部)の着色方法としては、例えば、溝の形状に合致した端部を有する円盤の端部に着色剤を塗布し、溝に沿って円盤を回転させて溝を着色する方法、着色剤噴射ノズルの先端を溝に沿って移動させて溝を着色する方法、溝を被覆するように着色剤含有転写フィルムを配置し、転写フィルムの上から溝の形状に合致した端部を有する押し当て材を押圧後、転写フィルムを剥がして溝を着色する方法、等が知られている。
具体的には、特許文献1(公開実用新案公報)には、ワークの一辺から他辺に通じる凹溝内に塗装をおこなう溝塗装装置であって、ワークの凹溝内に塗料を塗布する塗布ノズルと、ワークの一辺側の端面に当接するとともに凹溝の一端に連通する凹部を形成した受ストッパーと、ワークの他辺側の端面に当接するとともに凹溝の他端に連通する凹部を形成してワークを受ストッパー側に押圧する押圧プッシャーと、受ストッパー及び押圧プッシャーにおける凹部の底部に連通して凹部内に流入した余分の塗料を吸引排出する吸引排出手段を備えて成ることを特徴とする溝塗装装置が開示されている。
また、特許文献2には、溝を有する化粧板の溝の開口に、フィルムの表面に塗料からなる転写層を有する転写フィルムを表面を溝方向に向けて載せ、この転写フィルムの裏面から溝の面をほぼ均一に押圧できる形状の型面を押し当てて転写層を溝の面に付着させた後、フィルムを剥がして溝の面に転写層を転写させることを特徴とする溝塗装方法が開示されている。
しかしながら、これら従来の着色方法では、溝の配置が直線状でない場合には効率的に溝を着色することができず生産性が悪い。また、特に一定方向に進行する長尺状の化粧板表面の溝を連続的に着色する場合には、進行方向に沿った直線状の縦溝以外の溝、例えば、進行方向に平行ではない直線状の横溝、複雑な形状の溝等には連続して着色することは困難である。しかも、これら従来の着色方法は、化粧板表面の比較的大きな溝を着色対象としたものであり、化粧シート表面にエンボス加工等により形成された細かな凹部の着色手段としては適していない。
従って、化粧シート又は化粧板の表面に形成された凹部の形状、大きさ、配置等に関わらず適用でき、効率的に凹部を着色できる方法の開発が望まれている。
実開平6−3469号公報 特開平6−233966号公報
本発明は、化粧シート又は化粧板の表面に形成された凹部の形状、大きさ、配置等に関わらず適用でき、効率的に凹部を着色できる方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、着色剤含有ロール及び着色剤掻き取りロールを組み合わせて用いた特定の着色方法が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シート又は化粧板表面に形成された凹部の着色方法に係る。
1. 下記工程を順に有する、化粧シート表面に形成された凹部の着色方法:
(1)一定方向に進行する化粧シートの表面に、化粧シートを進行方向に押出す向きに回転する着色剤含有スポンジロールを接触させることにより、化粧シート表面を着色する工程、
(2)化粧シートを進行方向に押出す向きとは逆向きに回転する、少なくとも2つの着色剤掻き取りロールを順に化粧シート表面に接触させることにより、凹部以外に付着した着色剤を掻き取り、かつ、
着色剤を溶解する溶剤が前記着色剤掻き取りロールに供給される工程であって、
前記着色剤掻き取りロールがEPTゴムロール又はウレタンゴムロールであって、かつ、前記着色剤掻き取りロールのJIS K−6301法によるゴム硬度が60〜80度である、工程。
2. 下記工程を順に有する、化粧板表面に形成された凹部の着色方法:
(1)一定方向に進行する化粧板の表面に、化粧板を進行方向に押出す向きに回転する着色剤含有スポンジロールを接触させることにより、化粧板表面を着色する工程、
(2)化粧板を進行方向に押出す向きとは逆向きに回転する、少なくとも2つの着色剤掻き取りロールを順に化粧板表面に接触させることにより、凹部以外に付着した着色剤を掻き取り、かつ、
着色剤を溶解する溶剤が前記着色剤掻き取りロールに供給される工程であって、
前記着色剤掻き取りロールがEPTゴムロール又はウレタンゴムロールであって、かつ、前記着色剤掻き取りロールのJIS K−6301法によるゴム硬度が60〜80度である、工程。
3. 着色剤が、ケト基含有アクリル樹脂とヒドラジド基含有ウレタン樹脂とを混合して得られるアクリルウレタン系樹脂を含む水性着色剤である上記項1又は2に記載の着色方法。
. 着色剤掻き取りロールがウレタンゴムロールである上記項1〜のいずれかに記載の着色方法。
5. 前記溶剤が水である請求項1〜4のいずれかに記載の着色方法。
. 着色剤掻き取りロール表面に、1)着色剤を溶解可能な溶剤、2)着色剤を溶解可能な溶剤を含浸したスポンジ、3)着色剤を溶解した溶液を吸収可能な吸収体、4)着色剤掻き取りブラシ、5)着色剤を掻き取り可能なドクターブレード、及び6)着色剤を掻き取り可能なドクターロールからなる群から選択された少なくとも1種を接触させる、上記項1〜のいずれかに記載の着色方法。

以下、本発明の着色方法について詳細に説明する。
本発明の着色方法は、化粧シート又は化粧板の表面に形成された凹部を着色することを目的とする。
ここで、化粧シートとは、基材シート(例えば、ポリオレフィン系樹脂シート)上に1層以上の化粧層(例えば、絵柄模様層/接着剤層/樹脂層/保護層等)が形成されてなるものを言う。また、化粧板とは、前記した化粧シートの基材シート側に板状基材(例えば、金属系、木質系、プラスチック系の基材)がさらに積層されたものを言う。これら化粧シート及び化粧板の具体例については後記する。
化粧シート表面に形成された凹部としては、例えば、化粧シートの最表面層(基材シートから見て最も離れた層)にエンボス加工を施して形成された凹部(例えば、木目模様、石目模様、幾何学模様等)が該当する。また、化粧板の表面に形成された凹部としては、例えば、化粧シートの最表面層から化粧板の板状基材にまで達する縦溝、横溝等の溝が該当する。
本発明の着色方法は、前記した化粧シート及び化粧板のいずれにも適用できる。例えば、本発明の着色方法を化粧シートに適用して、その表面に形成された凹部(エンボス部分)を着色する態様、化粧板に適用して、その表面に形成された凹部(溝部)を着色する態様、また化粧板に適用して、化粧シート表面に形成された凹部(エンボス部分)を着色する態様などが挙げられる。
本発明の着色方法は、下記2つの工程を順に有している。
(1)一定方向に進行する化粧シート(又は化粧板、以下本工程において同じ)の表面に、化粧シートを進行方向に押出す向きに回転する着色剤含有スポンジロールを接触させることにより、化粧シート化粧板表面を着色する工程、
(2)化粧シート(又は化粧板、以下本工程において同じ)を進行方向に押出す向きとは逆向きに回転する、少なくとも2つの着色剤掻き取りロールを順に化粧シート表面に接触させることにより、溝以外に付着した着色剤を掻き取る工程。
以下、本発明の着色方法を、各工程に分けて説明する。
化粧シート又は化粧板表面の着色工程
本発明の着色方法では、一定方向に進行する化粧シート(又は化粧板、以下本工程において同じ)表面に、化粧シートを進行方向に押出す向きに回転する着色剤含有スポンジロールを接触させることにより、化粧シート表面を着色する。
化粧シートを一定方向に進行させる方法は特に限定されないが、通常は化粧シートの下部にシートを支持するように配置されたロール(以下「進行用ロール」と称する)の回転によりシートを一定方向に進行させればよい。
進行用ロールの材質は特に限定されず、例えば、金属、ゴム等が挙げられる。金属としては、例えば、スチール、銅、アルミ等が挙げられる。ゴムとしては、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPT)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、二トリルゴム、ブタジエンゴム、シリコンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム等が挙げられる。ゴム硬度は特に限定的ではないが、通常10〜100度、好ましくは60〜90度程度である。なお、本明細書におけるゴム硬度は、JIS K−6301法により測定した値である。
進行用ロールの大きさは特に限定されず、進行速度、設備規模等に応じて適宜設定できるが、ロール半径は通常5〜20cm、好ましくは10〜15cm程度である。なお、本発明の着色方法に用いる他のロール(着色ロール、掻き取りロール)についても、径は特に限定されず、進行用ロールと同程度の径のものを使用すればよい。
化粧シートを進行させる速度は特に限定されないが、通常10〜80m/sec、好ましくは40〜70m/sec程度である。
着色対象となる凹部の形状、大きさ、深さ等は製品特性に応じて異なるが、エンボス加工による凹部の深さとしては、20〜100μm、好ましくは30〜60μm程度であり、化粧板に形成された溝(縦溝、横溝等)の深さとしては、0.2〜2mm、好ましくは0.3〜1mm程度である。
着色に使用するスポンジロールは、着色剤を含有(含浸)できる多孔性素材からなるものであれば特に限定されず、例えば、セルロース、ウレタン、ポリエチレン、ゴム等からなる多孔性ロールが挙げられる。スポンジロールの硬度は特に限定されず、通常1〜90度の範囲内から広く選択できるが、特に水溶性着色剤(23℃で測定した岩田カップ法による粘度評価が20〜40秒のもの)を用いる場合には、化粧シート表面の凹凸(特に端部面取り部)に密着性よく追従させるため、硬度は10〜40度程度が好ましい。スポンジロールを化粧シート表面に押し付ける程度は、着色対象の凹部を十分に着色できる程度であれば特に限定されず、製品特性に応じて適宜調整すればよい。
着色剤の種類は特に限定されず、化粧シートの分野で用いられる公知の着色剤が挙げられる。例えば、公知の染料又は顔料を結着剤樹脂とともに溶剤又は分散剤中に溶解又は分散させて得られる着色インキ、コーティング剤等である。
顔料又は染料としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を混合して使用できる。また、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等をさらに含んでもよい。
結着剤樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用してもよい。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールエーテル等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。これらの溶剤等は単独又は2種以上を混合して使用できる。
本発明の着色方法では、特にアクリルウレタン系樹脂を含む水性着色剤が好ましい。アクリルウレタン系樹脂としては特に限定されず、公知のもの又は市販品を使用できる。例えば、アクリルポリオールとイソシアネート化合物との反応生成物、官能基を有するアクリル樹脂と官能基を有するウレタン樹脂とを架橋させることにより複合化したもの等が挙げられる。
公知のアクリルウレタン系樹脂の中でも、特にケト基含有アクリル樹脂とヒドラジド基含有ウレタン樹脂とを混合して得られたものが好ましい。かかる混合により、上記アクリル樹脂と上記ウレタン樹脂とがケト基及びヒドラジド基により架橋し、アクリル樹脂及びウレタン樹脂が複合化される。そして、複合化された樹脂の水性エマルション(ウレタン/アクリル複合エマルション)では、かかる樹脂の粒子が、粒子内部にアクリル樹脂成分、粒子外部にウレタン樹脂成分が存在する複合粒子として分散する。この複合エマルションは、市販品を使用することもできる。例えば、製品名「ボンコートCG−5030」(大日本インキ化学工業製)、製品名「W−SF」(昭和インク工業所製)等を好適に用いることができる。かかるアクリルウレタン系樹脂を用いる場合には、塗布した着色剤が優れた耐水性、耐薬品性、耐擦傷性等を発揮するとともに、合成樹脂層との高い密着性が得られる。
上記ウレタン/アクリル複合エマルション中のアクリル樹脂成分とウレタン樹脂成分との割合は限定的ではないが、両者の合計100重量%中ウレタン樹脂成分が20〜40重量%とすることが好ましい。かかる範囲に設定することによって、合成樹脂層との接着性をより高めることができる。
上記水性着色剤中におけるアクリルウレタン系樹脂の含有量は、樹脂の種類等に応じて適宜設定することができるが、一般的には5〜60重量%程度、特に20〜40重量%とすることが望ましい。
上記水性着色剤では、アクリルウレタン樹脂に対して硬化剤を使用することにより架橋度を高めることもできる。例えば、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤、メラミン系硬化剤、アジリジン系硬化剤等が挙げられる。この中でも、特に低温架橋性能、耐候性、耐水性等をより高めることができるこという見地より、イソシアネート系硬化剤を用いることが好ましい。硬化剤の含有量は、使用する硬化剤の種類等にもよるが、通常はアクリルウレタン系樹脂100重量部に対して20〜70重量部程度とすれば良い。
また、上記水性着色剤には、シリコンを含有させることが望ましい。シリコンの添加によって、より優れた消泡効果、撥水効果、レベリング性(プラスチックに対するヌレ性)等を得ることができる。シリコンの添加量は、水性着色剤中0.5〜5重量%程度である。
上記水性着色剤の固形分含有量は、通常は5〜80重量%の範囲から、着色剤成分、着色態様等に応じて適宜設定すればよい。
本発明の着色方法では、上記した着色剤の粘度はいずれも限定的ではないが、温度23℃における岩田カップ法による粘度評価が12〜60秒、好ましくは20〜40秒程度のものが好ましい。
着色剤含有スポンジロールは、化粧シートを進行方向に押出す向きに回転させる。回転速度は化粧シート表面に接触させた際に凹部を十分に着色可能な速度であれば特に限定されず、着色剤の種類、粘度等に応じて適宜設定できる。
着色剤の掻き取り工程
着色剤の掻き取り工程では、化粧シート(又は化粧板、以下本工程において同じ)を進行方向に押出す向きとは逆向きに回転する、少なくとも2つの着色剤掻き取りロールを順に化粧シート表面に接触させることにより、凹部以外に付着した着色剤を掻き取る。
着色剤掻き取りロールの材質は、化粧シート表面に塗布された着色剤であって、凹部以外の部分に付着した着色剤を効率的に掻き取ることができるものであれば特に限定されない。例えば、金属ロール、ゴムロール等が使用できる。
上記の中でも、ゴムロールが好ましい。ゴムロールであれば、ゴムの種類、硬度等を調整することによって、着色剤掻き取り精度を微調整することが可能であり、凹部の大きさ、深さ等に応じて適宜最適な掻き取り精度のロールを選択できるからである。ゴムとしては、例えば、ウレタンゴム、EPT、フッ素ゴム、二トリルゴム、ブタジエンゴム、シリコンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム等が挙げられる。特にウレタンゴムは耐久性が高く、水性着色剤と組み合わせて好適に使用できる。ゴムの硬度は、被着色部の凹部の形状、深さ等に応じて最適なものを決定すればよい。
着色剤掻き取りロールの設置数は、2以上であれば特に限定されないが、設置数が多いほど掻き取り精度が高まる。通常は2〜3個であり、3〜4個がより好ましい。
着色剤掻き取りロールは、化粧シートを進行方向に押出す向きとは逆向きに回転させる。回転速度は凹部以外の表面に付着した着色剤を十分に掻き取ることができる速度であれば特に限定されず、着色剤の種類、粘度等に応じて適宜設定できる。
着色剤掻き取りロール表面には、化粧シートの凹部以外に付着した着色剤が掻き取りにより付着する。このように掻き取りロール表面に付着した着色剤は、化粧シート表面への再転写を防止するため、掻き取りロール表面から迅速に除去することが好ましい。着色剤を除去するための掻き取りロールの洗浄方法としては、例えば、次のようなものがある。
(1)着色剤掻き取りロールに、着色剤を溶解できる溶剤を供給し、該溶剤に着色剤を溶解させて除去することによりロールを洗浄する方法。この方法では、溶剤は掻き取りロールに必要量を滴下して供給してもよく、また溶剤を含浸させたスポンジを接触させて供給してもよい。溶剤を供給する場合には、掻き取りロール表面の摩擦熱の発生を抑制する効果も得られる。しかも、掻き取りロールに溶剤が馴染んでいれば、化粧シート表面(凹部を除く)の塗料を該溶剤に溶解しつつ掻き取れるため、掻き取り作業自体を容易化できる。そして、着色剤を溶解した溶液は、溶液を吸収可能な吸収体(スポンジ、布等)を接触させることにより吸収・除去できる。
(2)着色剤掻き取りロールに、着色剤掻き取りブラシを接触させて着色剤を掻き取ることによりロールを洗浄する方法。この方法では、着色剤掻き取りブラシは、ロールに付着した着色剤を迅速に除去可能なものであれば特に限定されず、樹脂製又は金属製ブラシが適用できる。この場合に、ブラシによる掻き取り効率を高めるため、前記した着色剤溶解溶剤の供給を組み合わせてもよい。
(3)着色剤掻き取りロールに、着色剤を掻き取ることができる態様で、ドクターブレード又はドクターロールを接触させて着色剤を掻き取ることによりロールを洗浄する方法。この方法でも、ドクターブレード又はドクターロールは、着色剤掻き取りロールに付着した着色剤を迅速に除去可能なものであれば特に限定されず、金属製又はゴム製ブレード又はロールが適用できる。この場合も、ブレード又はロールによる掻き取り効率を高めるため、前記した着色剤溶解溶剤の供給を組み合わせてもよい。さらに、掻き取り効率を高めたい場合には、ブレード又はドクターロールの設置数を複数に増やしてもよい。
以上より、着色剤掻き取りロール表面には、1)着色剤を溶解可能な溶剤、2)着色剤を溶解可能な溶剤を含浸したスポンジ、3)着色剤を溶解した溶液を吸収可能な吸収体、4)着色剤掻き取りブラシ、5)着色剤を掻き取り可能なドクターブレード、及び6)着色剤を掻き取り可能なドクターロール、からなる群から選択された少なくとも1種を接触させることが好ましい。
溶剤の種類は特に限定されず、着色剤の種類(特に着色剤に含まれる溶剤の種類)に応じて適宜選択できる。例えば、水性アクリルウレタン系着色剤の場合には、溶剤として水を供給すればよい。
このような掻き取り工程を経て、化粧シート表面の凹部以外に付着した着色剤が除去されて凹部のみが効率的に着色される。
なお、上記した着色剤含有スポンジロール及び着色剤掻き取りロールは、いずれも化粧シートを挟んで進行用ロールと対向するように配置することが好ましい。
化粧シート及び化粧板の具体例
本発明の着色方法が適用できる化粧シートは、表面に被着色部の凹部が形成されたものであれば特に限定されない。シートの層構成としては、例えば、図1に示すように、裏面プライマー層/基材シート/絵柄模様層/透明性接着剤層/透明性樹脂層/及び透明性表面保護層からなる構成が挙げられる。
本発明の着色方法が適用できる化粧板としても、表面に被着色部の凹部が形成されたものであれば特に限定されない。化粧板としては、例えば、図2に示すように、板状基材に接着剤層を介して化粧シートを積層してなるものが挙げられる。
以下、図2の化粧板を代表例として具体的に構成を説明する。化粧板は、板状基材の上に前記図1の化粧シートが積層されたものである。
(板状基材)
板状基材としては特に限定されず、例えば、無機非金属系、金属系、木質系、プラスチック系等の基材が挙げられる。
具体的には、無機非金属系では、例えば、抄造セメント、押出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(ガラス繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木片セメント、石綿セメント、硅酸カルシウム、石膏、石膏スラグ等の非陶磁器窯業系材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス材料などが挙げられる。
金属系では、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属材料(金属鋼板)が挙げられる。
木質系では、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合板、パーティクルボード、繊維板、集成材等が挙げられる。
プラスチック系では、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
化粧板の板状基材の厚みは特に限定されないが、通常3〜20mm、好ましくは6〜15mm程度である。
(接着剤層)
化粧板の板状基材と化粧シートの基材シート側とを接着する接着剤層は、公知の接着剤により形成できる。接着剤の種類は、板状基材と基材シートの種類を考慮して適宜選択すればよい。接着剤層の厚みも、製品特性に応じて適宜設定すればよい。
以下、化粧シートの構成について説明する。
(基材シート)
基材シートの材質は特に限定的ではないが、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。通常は、ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムを使用すればよい。
ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されず、化粧シートの分野で通常用いられているものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの中でも、特にポリプロピレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が好ましい。
ポリプロピレンを主成分とする単独又は共重合体も好ましく、例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及び、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられる。その他、エチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1のコモノマーを15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等も好ましい。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントに高結晶性で且つ高融点の芳香族ポリエステル、ソフトセグメントにガラス転移温度が−70℃以下の非晶性ポリエーテルを使用したブロックポリマーである。特に、アイソタクチックポリプロピレンからなるハードセグメントとアタクチックポリプロピレンからなるソフトセグメントとを重量比80:20で混合したものが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等によりフィルム状にすればよい。
基材シートの厚みは特に限定されず、製品特性に応じて設定できるが、通常40〜200μm、好ましくは60〜90μm程度である。
基材シートには、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、着色剤(下記参照)などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
着色剤としては特に限定されず、顔料、染料等の公知の着色剤を使用できる。例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む);アルミニウム、真鍮等の金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。基材シートの着色態様には、透明着色と不透明着色(隠蔽着色)があり、これらは任意に選択できる。例えば、被着材(化粧シートを接着する基材)の地色を着色隠蔽する場合には、不透明着色を選択すればよい。一方、被着材の地模様を目視できるようにする場合には、透明着色を選択すればよい。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。例えば、コロナ放電処理を行う場合には、基材シート表面の表面張力が30dyne以上、好ましくは40dyne以上となるようにすればよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、プライマー層(例えば、被着材の接着を容易とするための裏面プライマー層、絵柄模様層の形成を容易とするためのプライマー層)を設けてもよい。プライマー層を設けることにより、板状基材との層間密着力を高めることができる。
プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートの片面又は両面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤等が挙げられる。
(絵柄模様層)
絵柄模様層は、化粧シートに所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は特に限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄模様層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)させて得られる着色インキ、コーティング剤等を用いた印刷法などにより形成すればよい。
着色インキ、コーティング剤としては、本発明の着色方法において説明したものがそのまま使用できる。
絵柄模様層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄模様層を形成する場合には、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が挙げられる。その他、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法等を用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
絵柄模様層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は100μm以下、乾燥後の層厚は10μm以下である。
(透明性接着剤層)
透明性接着剤層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。この接着剤層は、絵柄模様層と透明性ポリエステル系樹脂層とを接着するために形成されている。
接着剤としては特に限定されず、化粧シートの分野で公知の接着剤が使用できる。
化粧シートの分野で公知の接着剤としては、例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂等の硬化性樹脂等が挙げられる。また、イソシアネートを硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂も適用し得る。
接着剤層は、例えば、接着剤を絵柄模様層の上に塗布し、透明性樹脂層を構成する樹脂を塗工後、乾燥・硬化させることにより形成できる。乾燥温度・乾燥時間等の条件は特に限定されず、接着剤の種類に応じて適宜設定すればよい。接着剤の塗布方法は特に限定されず、例えば、ロールコート、カーテンフローコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、エアーナイフコート、キスコート、ブレードコート、スムースコート、コンマコート等の方法が採用できる。
接着剤層の厚みは特に限定されないが、乾燥後の厚みが1〜20μm、好ましくは2
〜10μm程度である。
(透明性樹脂層)
透明性樹脂層の形成方法は限定的でなく、例えば、予め形成されたシート又はフィルムを隣接する層に積層する方法、透明性樹脂層を形成し得る樹脂組成物を溶融押出することにより隣接する層上に塗工する方法、隣接する層と一緒にラミネートする方法等のいずれも採用することができる。本発明では、特に溶融押出により透明性樹脂層を形成することが好ましい。とりわけ、透明性樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を溶融押出によって塗工することが望ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、前記したものが使用できる。具体的には、絵柄層上に予め接着剤層を形成し、当該接着剤層上にポリプロピレン系熱可塑性エラストマーを溶融押出して塗工することにより透明性樹脂層を好適に形成することができる。溶融押出の方法は、例えばTダイ等を用いる公知の方法に従って実施すればよい。
透明性樹脂層の厚みは特に限定されないが、通常10〜500μm、好ましくは40〜100μm程度である。
(透明性表面保護層)
透明性表面保護層は、化粧シート表面の耐摩性、耐衝撃性等を高めるために形成される。このような透明性表面保護層としては、電離放射線硬化型樹脂から形成されることが好ましい。電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層を形成することにより、化粧シートの耐摩性、耐衝撃性、耐汚染性、耐擦傷性、耐候性等を高めることができる。
電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
具体的には、前記プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量としては、通常250〜100000程度が好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。また、チオールとしては、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。ポリエンとしては、例えば、ジオール及びジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したものが挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を硬化させるために用いる電離放射線としては、電離放射線硬化型樹脂(組成物)中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常は紫外線又は電子線を用いればよいが、可視光線、X線、イオン線等を用いてもよい。
紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。紫外線の波長としては、通常190〜380nmが好ましい。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。その中でも、特に100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射できるものが好ましい。
表面保護層は、例えば、透明性ポリプロピレン系樹脂層の上に電離放射線硬化型樹脂をグラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法により塗工後、電離放射線を照射して該樹脂を硬化させることにより形成できる。
表面保護層の厚さは特に限定されず、最終製品の特性に応じて適宜設定できるが、通常1〜30μm、好ましくは5〜15μm程度である。
表面保護層のおもて面には、エンボス加工により、表面保護層から必要に応じて所定の層にまで達する凹部を形成してもよい。例えば、表面保護層のおもて面を加熱軟化させてエンボス版を加圧・賦形後、冷却する方法が好ましい。エンボス加工には、公知の枚葉式又は輪転式のエンボス機が使用できる。得られた凹部を着色する場合には、本発明の着色方法における被着色部となる。
また、表面保護層のおもて面から化粧板の板状基材に至る溝を形成してもよい。このような溝は、例えば、木目化粧板からなる床材(フローリング材)の表面に形成される。溝の形状は特に限定されず、直線状でもよく複雑な形状であってもよい。溝は、例えば、ルーター加工(切削)、丸鋸切削、レーザー加工等により形成することができる。
本発明の溝着色方法は、化粧シート又は化粧板の表面に形成された凹部の形状、大きさ、配置等に関わらず適用でき、効率的に凹部を着色できる。
以下に実施例、比較例及び参考例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
作製例1(化粧板の作製)
板状基材としてラワン合板(厚さ12mm、サイズ3尺×6尺)を用意した。
板状基材の上に、図1で示した化粧シートの基材シート側を積層して化粧板を作製した。積層には、ウレタンエマルション系接着剤を用いた。作製した化粧板を図2に示す。
化粧シートの表面保護層にはエンボス加工(深さ約30μm)が施されている。
(化粧板の溝加工)
化粧板を1尺×6尺サイズに小割後、テノーナーを用いて縦溝加工を行った。次いで、ルーターを用いて横溝加工を行った。
縦溝及び横溝の大きさ、形状等の条件は下記の通りである:
・縦溝:巾2.1mm V形状(角度110°) 深さ約700μm
・横溝:巾1.8mm V形状(角度100°) 深さ約800μm
実施例1及び2(溝塗装)
溝加工を行った化粧板を2種類用意し、それぞれ溝塗装(実施例1及び2)を行った。
どちらの実施例でも、スポンジロールとしてウレタンロール(硬度:20度)を用いた。進行ロールとしてブタジエンゴムロール(硬度:90度)を用いた。ロール径は全て直径約30cmとし、ロール回転速度は50rpmとした。着色剤としては23℃における岩田カップ法による粘度評価が25秒の水性塗料を用いた。着色剤掻き取りロールは2つとした。着色剤掻き取りロールには水を供給し、着色剤を溶解した水を吸収するスポンジも併設した。これにより、掻き取りロールに付着した着色剤を溶解・除去できるようにした。進行ロールは、それぞれスポンジロール及び着色剤掻き取りロールと対向するように設けた。
実施例1では、着色剤掻き取りロールとして、最初に化粧板に接触させるロールを金属ロール(銅にクロムメッキしたもの)とし、2番目に接触させるロールをEPTゴムロール(硬度:60度)とした。実施例2では、着色剤掻き取りロールとして、EPTゴムロール(硬度:60度)だけを用いた。
溝塗装後、化粧板の表面状態を目視により確認した。結果を下記表1に示す。
Figure 0004570424
○:良好 △:若干掻き取り残りが確認された
参考例1(水供給なし)
着色剤掻き取りロールに水を供給しない以外は、実施例2と同様にして溝塗装を行った。
溝塗装後、化粧板の表面状態及びゴムロール耐久性を目視により観察した。結果を下記表2に示す。
Figure 0004570424
○:良好
*1:塗料乾燥による掻き取りムラ及び掻き取りロール表面に付着した着色剤の化粧板表面への転写が確認された
*2:熱により若干変形した
実施例2では、ゴムロールの耐久性は良好であったことから、着色性掻き取り性だけでなく、ゴムロール耐久性を高めるためにも、水の供給は有利であることが分かる。
比較例1(着色剤掻き取りロール数が1つ)
着色剤掻き取りロールを1つとした以外は、実施例2と同様にして溝塗装を行った。
溝塗装後、化粧板の表面状態を目視により確認した。結果を下記表3に示す。
Figure 0004570424
○:良好 ×:掻き取り残りが確認された
参考例2〜7(ゴムロールの種類)
着色剤掻き取りロールの種類を下記表4に示すように変えた以外は、実施例2と同様にして溝塗装を行った。
溝塗装後、化粧板の表面状態を目視により確認した。結果を下記表4に示す。
Figure 0004570424
着色剤掻き取り性…○:良好 △:化粧シートのエンボス部掻き取り残りが確認された
溝部着色性 …○:良好 △:若干着色不足であった
ロール耐久性 …○:良好 △:若干耐久性に劣る ×:耐久性なし
表4の結果からは、作製した化粧板の溝部のみに着色を施すためにはゴムロールとして硬度60度程度のウレタンゴムロールが最適であることが分かる。
作製例1で用いた化粧シートの概念図(断面図)である。 作製例1で作製した化粧板の概念図(断面図)である。

Claims (6)

  1. 下記工程を順に有する、化粧シート表面に形成された凹部の着色方法:
    (1)一定方向に進行する化粧シートの表面に、化粧シートを進行方向に押出す向きに回転する着色剤含有スポンジロールを接触させることにより、化粧シート表面を着色する工程、
    (2)化粧シートを進行方向に押出す向きとは逆向きに回転する、少なくとも2つの着色剤掻き取りロールを順に化粧シート表面に接触させることにより、凹部以外に付着した着色剤を掻き取り、かつ、
    着色剤を溶解する溶剤が前記着色剤掻き取りロールに供給される工程であって、
    前記着色剤掻き取りロールがEPTゴムロール又はウレタンゴムロールであって、かつ、前記着色剤掻き取りロールのJIS K−6301法によるゴム硬度が60〜80度である、工程
  2. 下記工程を順に有する、化粧板表面に形成された凹部の着色方法:
    (1)一定方向に進行する化粧板の表面に、化粧板を進行方向に押出す向きに回転する着色剤含有スポンジロールを接触させることにより、化粧板表面を着色する工程、
    (2)化粧板を進行方向に押出す向きとは逆向きに回転する、少なくとも2つの着色剤掻き取りロールを順に化粧板表面に接触させることにより、凹部以外に付着した着色剤を掻き取り、かつ、
    着色剤を溶解する溶剤が前記着色剤掻き取りロールに供給される工程であって、
    前記着色剤掻き取りロールがEPTゴムロール又はウレタンゴムロールであって、かつ、前記着色剤掻き取りロールのJIS K−6301法によるゴム硬度が60〜80度である、工程
  3. 着色剤が、ケト基含有アクリル樹脂とヒドラジド基含有ウレタン樹脂とを混合して得られるアクリルウレタン系樹脂を含む水性着色剤である請求項1又は2に記載の着色方法。
  4. 着色剤掻き取りロールがウレタンゴムロールである請求項1〜のいずれかに記載の着色方法。
  5. 前記溶剤が水である請求項1〜のいずれかに記載の着色方法。
  6. 着色剤掻き取りロール表面に、1)着色剤を溶解可能な溶剤、2)着色剤を溶解可能な溶剤を含浸したスポンジ、3)着色剤を溶解した溶液を吸収可能な吸収体、4)着色剤掻き取りブラシ、5)着色剤を掻き取り可能なドクターブレード、及び6)着色剤を掻き取り可能なドクターロールからなる群から選択された少なくとも1種を接触させる、請求項1〜のいずれかに記載の着色方法。
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