JP4569986B2 - ホログラム複製方法及びそのために用いるホログラム原版 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホログラム複製方法及びそのために用いるホログラム原版に関し、特に、2次回折光、その他の不要次数光によって生じる不要な干渉縞の記録を抑制したホログラム複製方法及びそのために用いるホログラム原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
位相ホログラム、振幅ホログラム等のホログラムは、ホログラム原版にフォトポリマー等のホログラム感材を重ね合わせて、透過型ホログラムの場合はホログラム原版側から、反射型ホログラムの場合はホログラム感材側から複製のための照明光を入射させ、透過照明光(透過型ホログラムの場合)あるいは入射照明光(反射型ホログラムの場合)とホログラム原版から回折された1次回折光とをホログラム感材中で干渉させてホログラム原版と同じ特性のホログラムが記録される。このホログラム記録方法はホログラム複製方法と呼ばれ、ホログラムカラーフィルター等の複製に用いられている(例えば、特願平5−14572号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなホログラムカラーフィルター等のホログラム複製時に、ホログラム原版で生じる不要次回折光は、直進透過光や1次回折光と干渉して不要な干渉縞を同時に記録してしまい、目的の干渉縞の記録の妨げとなってしまう。
【0004】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ホログラム複製時に不要干渉縞が同時に記録されることを抑制したホログラム複製方法及びそのために用いるホログラム原版を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のホログラム複製方法は、ホログラム原版にホログラム感材を重ね合わせてホログラムを複製する方法において、ホログラム原版の回折光出射面に0次透過光あるいは1次回折光の透過率が大きくなる透過率角度依存性を有するように構成された誘電体多層膜からなる不要次回折光反射層を設け、ホログラム原版/誘電体多層膜/屈折率整合液/ホログラム感材、の順で積層して、前記ホログラム原版側あるいはホログラム感材側からホログラム複製のための照明光を入射させることを特徴とする方法である。
【0006】
この場合に、誘電体多層膜の平均屈折率とホログラム感材の入射面の材料の屈折率と差が0.1以下であることが望ましい。
【0007】
また、本発明のホログラム原版は、ホログラム感材を重ね合わせてホログラムを複製するためのホログラム原版において、複製のためのホログラム感材を配置する側の表面に、該ホログラム原版の0次透過光あるいは1次回折光の透過率が大きくなる透過率角度依存性を有する誘電体多層膜が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明においては、誘電体多層膜がホログラム原版からの不要次回折光を選択的に反射して、相対的にその比率を低減させるので、不要次回折光によって生じる不要な干渉縞の記録を抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のホログラム複製方法及びそのために用いるホログラム原版を実施例に基づいて説明する。本発明においては、ホログラム原版の出射側(回折光出射側)に誘電体多層膜を設けることより、ホログラム原版からの不要次回折光の低減を図るものである。
【0010】
なお、以下の実施例においては、ホログラム原版として透過型ホログラムを用いているが、本発明はホログラム原版が反射型ホログラムの場合にも適用できる。その場合には、複製のための入射光(照明光)をホログラム感材側から入射させるようにする。
【0011】
図1に示すように、体積位相型ホログラム原版1の出射面に、以下の誘電体多層膜からなる不要次回折光反射層8を設ける。
【0012】
誘電体多層膜8は、ホログラム原版1側から、
MgF2 (膜厚313nm,屈折率1.38)
ZnS ( 〃 50nm, 〃 2.35)
MgF2 ( 〃313nm, 〃 1.38)
ZnS ( 〃 50nm, 〃 2.35)
MgF2 ( 〃313nm, 〃 1.38)
ZnS ( 〃 50nm, 〃 2.35)
の6層構成であり、その誘電体多層膜8のMgF2 膜とZnS膜は真空スパッタリング法により順次所定膜厚だけ積層される。なお、屈折率は露光光の波長488nmにおける屈折率であり、以下同じ。
【0013】
ここで、誘電体多層膜8は、波長488nmの入射光10が入射角45°で入射して透過した0次透過光12に対して反射防止膜として機能するように最適化されている。
【0014】
ホログラム感材2としては、ホログラム感材透明基板3上にホログラム感材層4としてフォトポリマーを塗布し、その上に水溶性樹脂のホログラム感材保護層5を設けたものを用いて、ホログラム原版1とホログラム感材2とを誘電体多層膜8がホログラム原版1のホログラム感材保護層5に面するように重ね合わせ、その間に屈折率整合液7として屈折率1.505のキシレンを介在させる。
【0015】
このような積層構造のホログラム原版1側から波長488nmの入射光10を入射角45°で複製照明光として入射させて、ホログラム原版1からの1次回折光11と0次透過光12とをホログラム感材層4中で干渉させてホログラム原版1と同じ特性のホログラムを複製する。
【0016】
図2に、誘電体多層膜8の透過率の角度依存性を示す(波長488nmのS偏光に対して)。図2から明らかなように、入射角0°と45°近傍で透過率が高く、大きい入射角の光に対しては透過率が低下する。
【0017】
また、次の表−1に、誘電体多層膜8を設ける前と後のホログラム原版1からの各次数の回折光の回折効率の変化を示す。
表−1の結果から、誘電体多層膜8を設けることにより、有効な0次透過光12と1次回折光11に対して不要な2次回折光13が略なくなっていることが分かる。
【0018】
この実施例においては、誘電体多層膜8は、ホログラム記録に必要な0次透過光12及び1次回折光11を相対的に大きく低減することなく、これに対して2次回折光11を効率的に低減できる。
【0019】
この実施例のような入射角が最適化された誘電体多層膜8を用いる場合には、2次回折光13の回折角が0次透過光12の射出角と異なる限り有効である。特に、2次回折光13の回折角が0次透過光12の射出角よりも小さい場合に特に有効である。
【0020】
以上、本発明のホログラム複製方法を実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。なお、ホログラム原版としては、前記のように、透過型ホログラムであっても反射型ホログラムであってもよい。また、そのホログラム原版のホログラムも体積型でもレリーフ型でも位相型でも振幅型でも適用できる。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のホログラム複製方法によると、誘電体多層膜がホログラム原版からの不要次回折光を選択的に反射して、相対的にその比率を低減させるので、不要次回折光によって生じる不要な干渉縞の記録を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例のホログラム複製方法を実施するための層構成を説明するための図である。
【図2】 実施例の反射防止層の透過率の角度依存性を示す図である。
【符号の説明】
1…ホログラム原版
2…ホログラム感材
3…ホログラム感材透明基板
4…ホログラム感材層
5…ホログラム感材保護層
7…屈折率整合液
8…不要次回折光反射層(誘電体多層膜)
10…入射光
11…1次回折光
12…0次透過光
13…2次回折光
Claims (3)
- ホログラム原版にホログラム感材を重ね合わせてホログラムを複製する方法において、ホログラム原版として2次回折光の回折角の絶対値が0次透過光の出射角の絶対値及び1次回折光の回折角の絶対値の間にあるものに対して、ホログラム原版の回折光出射面に0次透過光及び1次回折光の透過率が2次回折光の透過率に対して大きくなる透過率角度依存性を有するように構成された誘電体多層膜からなる不要次回折光反射層を設け、ホログラム原版/誘電体多層膜/屈折率整合液/ホログラム感材、の順で積層して、前記ホログラム原版側からホログラム複製のための照明光を入射させて、ホログラム原版からの0次透過光と1次回折光の干渉によりホログラムを複製することを特徴とするホログラム複製方法。
- 前記誘電体多層膜の平均屈折率と前記ホログラム感材の入射面の材料の屈折率と差が0.1以下であることを特徴とする請求項1記載のホログラム複製方法。
- ホログラム感材を重ね合わせてホログラムを複製するためのホログラム原版において、該ホログラム原版は2次回折光の回折角の絶対値が0次透過光の出射角の絶対値及び1次回折光の回折角の絶対値の間にあるものであり、その複製のためのホログラム感材を配置する側の表面に、該ホログラム原版の0次透過光及び1次回折光の透過率が2次回折光の透過率に対して大きくなる透過率角度依存性を有する誘電体多層膜が設けられていることを特徴とするホログラム原版。
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