JP4568778B2 - 無段変速機のプーリシャフト組立体の寸法測定装置 - Google Patents

無段変速機のプーリシャフト組立体の寸法測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、駆動プーリと従動プーリとの間に掛け渡された無終端状の動力伝達部材を介して、駆動プーリからの入力を、従動プーリから無段階の変速比で出力する無段変速機に採用されるプーリシャフト組立体に関し、このプーリシャフト組立体に負荷がかかった状態を想定した寸法測定の可能な装置に関するものである。
無段変速機を構成する部品等の寸法測定装置としては、例えば、当該ベルトをピン状に形成された2つの接触子の先端部で挟むことで、当該ベルトに存在する所定の部位(溝)の厚さを測定するものがある(例えば、特許文献1参照。)
特願2002−62129号公報
しかしながら、無段変速機の内部では、実際の使用に際し、大きな負荷が加わる。このため、実際の使用に際して部品にかかる負荷を考慮すれば、こうした負荷を想定し、当該部品の測定条件を様々に変えることが好ましいが、従来の測定装置は、こうした負荷を想定するものではなく、単に負荷のかかっていない定常状態を測定するに過ぎない。また、従来の装置では、その測定がピン状の接触子により行われることから、部位全体としての測定ができないため、局所的な測定値からの平均として推定するしかない。
更に、駆動側のプーリシャフトは、その入力が大きいため、回転方向のみならず、軸線方向にかかる負荷も考慮することが好ましいが、従来の装置は、測定物を横向きに配置する構成であることから、かかる装置を応用すると横幅が広くなって装置の大型化を招くなどの問題が生じるため、シャフト軸線の測定に不向きである。このため、本願発明者は、軸線方向に外力が付加された条件下での、寸法測定が可能な装置の要求があることを認識するに至った。
本発明の目的とするところは、無段変速機内に搭載された状態を想定して、プーリシャフト組立体の軸線方向に間隔を空けて存在する2つの部位間の寸法を測定する装置を提供することにある。
本発明である、無段変速機のプーリシャフト組立体の寸法測定装置は、シャフトに固定したフランジの一面がシーブ面としてなり、当該フランジを挟んだシャフトの2つの端部領域に軸受が配置されたプーリシャフトを備える無段変速機のプーリシャフト組立体に関し、当該プーリシャフト組立体の軸線方向に間隔を空けて存在する2つの部位間の寸法測定装置であって、
プーリシャフト組立体を起立させたときに下側に位置する前記部位の、その下端面を支持するステージ面を有し、当該プーリシャフト組立体を起立させた状態に支持するステージ部材と、
プーリシャフト組立体を起立させたときに上側に位置する前記部位の、その上側面と接触可能なホールド面を有し、前記部位の相互間をステージ面と共に挟持可能なホルダー部材と、
ステージ面に対するホールド面の高さが予め設定された基準高さとなるように、ステージ部材とホルダー部材との間の寸法を規定するゲージ部材と、
ステージ面とホールド面とで前記部位の相互間を挟持したとき、当該部位の少なくとも一方に予め設定した所定の外力を付加する外力付加手段と、
ゲージ部材により規定された基準高さと、前記部位の少なくとも一方に外力を付加したとき、当該基準高さからのホールド面の落込み量とに基いて、当該外力を付加したときの、当該部位間の寸法を測定する負荷状態寸法測定手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明において、「基準高さ」とは、プーリシャフト組立体に外力を付加したときのホールド面の落込み量を測定するための基準となる高さをいう。このため、本発明に係る「基準高さ」は、プーリシャフト組立体を起立させた状態で配置したとき、当該プーリシャフト組立体の2つの部位が同時にステージ面とホールド面との間の寸法を規定できる寸法であればよい。即ち、本発明に係る「基準高さ」は、測定すべき2つの部位の下端面と上端面との相互間の高さ(寸法)以上であればよい。
また、ゲージ部材は、ステージ部材とホルダー部材との間の寸法を規定するものであるので、例えば、ゲージ部材がステージ面とホールド面との間に介在するときは、ゲージ部材の全長が基準高さと一致するため、当該基準高さから落込み量を減算して求めた値がそのまま、2つの部位の少なくとも一方に外力を付加したときの、当該部位間の寸法となる。
これに対し、ゲージ部材がステージ面とホールド面との間に介在しないときは、ステージ部材における、ゲージ部材の取付面とステージ面との高さが一致しないか、ホルダー部材における、ゲージ部材の取付面とホールド面との高さが一致しないか、の少なくともいずれか一方の場合であり、この場合、ステージ部材における、ゲージ部材の取付面とステージ面との高さ方向における寸法差も、ホルダー部材における、ゲージ部材の取付面とホールド面との高さ方向における寸法差も、いずれも予め明らかなことから、これら2つの寸法差と、ゲージ寸法の全長とを加算又は減算したものが基準高さとなり、この基準高さからの落込み量を減算して求めた値が、2つの部位の少なくとも一方に外力を付加したときの、当該部位間の寸法となる。
本発明では、ステージ部材とホルダー部材との間の寸法をゲージ部材で規定することで、ステージ面に対するホールド面の高さが基準高さに設定されることから、プーリシャフト組立体を起立させた状態で測定すべき2つの部位の上端面及び下端面をステージ面とホールド面とで挟持すると共に、ステージ部材及びホルダー部材の少なくともいずれか一方から所定の外力を付加すれば、ステージ面とホールド面との少なくともいずれか一方から所定の外力を付加することで、基準高さからのホールド面の落ち込み量を測定することができる。このため、このホールド面の落込み量を基準高さから減算すれば、2つの部位の少なくとも一方に外力を付加したときの、当該部位間の寸法を算出することができる。
また、本発明では、2つの部位をステージ面とホールド面とで挟持するとき、その相互間にゲージ部材が存在したままになると、当該ゲージ部材が干渉してしまうことが考慮される。かかる問題は、ゲージ部材を着脱可能とすることで解消できるが、好適には、ホルダー部材を、プーリシャフト組立体の軸線周りに回転可能とし、当該ホルダー部材の回転方向に、ゲージ部材の上端が挿入可能な凹部又は貫通孔を設けることが好ましい。かかる構成によれば、ホルダー部材を軸線周りに時計回り又は反時計回りに回転させることで、ゲージ部材の上端をホルダー部材に設けた凹部又は貫通孔に挿入させることができるため、ゲージ部材を取り外すことなく、当該ステージ部材に対してホルダー部材を昇降させることができる。
本発明に係る、上記外力付加手段には、スプリングやゴム部材に代表される弾性部材や、エアシリンダに代表される空気圧を利用した装置等を挙げられるが、ホールド面から所定の外力を付加するときには、ホルダー部材そのものを錘として利用できる。
また、本発明では、上記外力付加手段は、前記部位の相互間に互いに向き合う所定の外力を付加するものとすることができる。かかる外力付加手段にも、スプリングに代表される弾性部材、エアシリンダに代表される空気圧を利用した装置及び錘部材等が挙げられるが、ステージ面から所定の外力を付加するときには、弾性部材や空気圧を利用した装置を利用することが好ましい。
また、本発明に従えば、前記外力が前記部位の相互間に互いに向き合うように付加される場合、当該外力の大きさは、互いに異なるものとしても、互いに等しいものとしてもよい。
更に、本発明では、軸受の外輪がスラスト方向に移動することも考慮した場合、少なくともホールド面が、一方の部位として、軸受の外輪に接触するように構成することができる。この場合、ステージ面は、他方の部位として、軸受の外輪を支持しても、シーブ面を支持してもよい。
加えて、本発明では、前記シャフトを貫通させる開口部を有し、この開口部の周縁に、シーブ面を支持する傾斜面が形成された支持盤を備えることが好ましい。この場合、前記支持盤をステージ部材として構成すれば、1つの装置で、2つの軸受相互間の寸法と、軸受とシーブ面との相互間の寸法とを測定することができる。
なお、落込み量を測定する手段としては、例えば、回転機構を応用したダイヤルゲージをデジタル化したデジタルゲージが挙げられる。また、負荷状態寸法算出手段としては、CPU(中央演算処理装置)等を搭載したコンピュータに代表される(制御)コントローラが挙げられる。デジタルゲージとコントローラとの組み合わせによれば、デジタルゲージからの測定値を入力として、2つの部位の少なくとも一方に外力を付加したときの、当該部位間の寸法を算出することができる。
本発明によれば、ゲージ部材によって基準高さを規定したステージ部材とホルダー部材との相互間に、プーリシャフト組立体を起立させた状態で、測定すべき2つの部位を配置したのち、ステージ部材及びホルダー部材の少なくとも一方から当該部位に所定の外力を付加するだけの簡単な作業で、プーリシャフト組立体に対して軸線方向の外力が付加された条件下での寸法測定を実現することができる。また、かかる構成によれば、装置の大型化を招くことなく省スペース化を図ることができる。更に、かかる構成によれば、ピン状の接触子を用いた従来の装置と比較して、装置の構成が簡素化されると共に、寸法測定の際の複雑な演算が不要となることから、製造コストの抑制を図ることができる。
また、本発明によれば、ゲージ部材を基準としてステージ部材及びホルダー部材の少なくとも一方から外力を付加することで2つの部位の相互間の寸法を測定することから、同じ条件で繰返し測定したときのばらつきが小さい繰返し精度(再現性)の高い測定を実現することができる。
また、本発明において、ホルダー部材を、プーリシャフト組立体の軸線周りに回転可能とし、当該ホルダー部材の回転方向に、ゲージ部材の上端が挿入可能な凹部又は貫通孔を設ければ、測定すべき2つの部位間をステージ面とホールド面とで挟持する際に、ゲージ部材を取り除く必要がないため、測定に要する作業を一連作業として自動化できる。これにより、測定にかかる作業の効率化を図ることができる。
また、本発明に係る外力付加手段としてホルダー部材を用いれば、その自重によってプーリシャフト組立体を起立させたときに上側に位置する前記部位の、その上側面に所定の外力が付加できるので、電気等のエネルギー資源を用いることなく、一方向からの外力付加を実現することができる。
更に、本発明において、前記外力付加手段が、前記部位の相互間に互いに向き合う所定の外力を付加するものであれば、2つの部位の両側から外力が付加された、より厳しい状態での測定を実現できる。
また、上記の外力付加手段として、エアシリンダに代表される空気圧を利用した装置を用いれば、所望の外力を高い精度で付加させることができると共に、エネルギー資源の利用を極力抑えることができるので資源の節約を図ることができる。
また、上記の外力付加手段として、スプリングやゴム部材に代表される弾性部材を用いれば、電気等のエネルギー資源を用いることなく、一方向からの外力付加を実現することができる。
本発明において、2つの部位の相互間に互いに向き合う所定の外力を付加する場合、当該外力の大きさを互いに等しいものとすることができる。
また、本発明において、少なくともホールド面が前記軸受の外輪に接触する構成とすれば、スラスト(軸線)方向に生じる外力に影響を受けやすい軸受や、動力伝達に伴うベルトからの影響を最も受けるシーブ面を考慮した、より実用性を意識した測定が可能となる。
更に、本発明では、前記シャフトを貫通させる開口部を有し、この開口部の周縁に、シーブ面を支持する傾斜面が形成された支持盤を設ければ、プーリシャフト組立体を装置に吊下げてセットすることで、プーリシャフト組立体を安定した状態に位置決めすることができる。また、プーリシャフト組立体のシーブ面を支持することで、測定位置が簡単に決まり、また、測定条件出しも簡便にして測定に掛かる作業手順を短くすることができる。
また、本発明において、前記支持盤がステージ部材を構成するものとすれば、1つの装置で、2つの軸受相互間の寸法と、軸受とシーブ面との相互間の寸法とを測定できることから、効率的な測定が可能になり、作業性の向上に有効である。
以下、図面を参照して、本発明の各形態を詳細に説明する。
図1は、ベルト式無段変速機に搭載されるプライマリプーリ(駆動プーリ)側のプーリシャフト組立体10の測定装置100を一部断面で示す正面図である。また、図2は、図1の領域Xを示す拡大図であり、図3は、領域Xの要部を模式的に示す斜視図である。更に、図4は、図1の領域Yを示す拡大図であり、図5(a),(b) それぞれ、プーリシャフト組立体10を測定する際の領域X,Yにおける状態を更に拡大して示す要部断面図である。加えて、図6(a),(b)はそれぞれ、後述の支持盤を動作させた状態を模式的に示す斜視図である。また、図7は、図6に示す支持盤の上側より、後述の可動ホルダー120と補助可動ホルダー160とを装着した状態を模式的に示す要部斜視図である。
プーリシャフト組立体10は、図1に示すように、シャフト11に固定されたフランジ(以下、「固定フランジ」という)12を有し、この固定フランジ12を挟んだシャフト11の端部領域にそれぞれ、ボール軸受(以下、「軸受」という)30,40が設けられたプーリシャフトPsを備え、このプーリシャフトPsのシャフト11には、このシャフト11に沿って進退可能なフランジ(以下、「可動フランジ」という)13が設けられている。
固定フランジ12及び可動フランジ13の対向面はそれぞれ、図4に示すように、Vベルトに代表される、図示せぬ無終端状の動力伝達部材を掛け渡すべく、シーブ面12f,13fとして構成されている。
装置100は、図1に示すように、生産ラインの場内等に固定されるベース101を有し、このベース101には、空気圧を利用した装置としてのエアシリンダ102が設けられている。エアシリンダ102の周りには、複数の脚部材103がベース101から起立し、これら脚部材103の上端には、脚部材103と共に一部断面で示されたプレート状の土台104が固定されている。
土台104からは、断面で示す内筒部106が起立し、この内筒部106の内部には、スプリング等によって、中心軸O1に沿って進退可能なピン部材105が弾支されている。また、土台104には、図3に示すように、中心軸O1の周りに間隔を空けて、内筒部106を取り囲むように複数の貫通孔104aが形成されている。
また、土台104の上側には、図1に示すように、エアシリンダ102の進退運動によって、中心軸O1に沿って昇降可能な可動ステージ110が配置されている。可動ステージ110を昇降させるにあたっては、図3に示すように、土台104の下側に、エアシリンダ102のヘッド(以下、「シリンダヘッド」という)102hによって押し上げ可能な押圧部111を配置すると共に、この押圧部111から櫛歯状に間欠的に起立する複数の連結部材111aをそれぞれ、上述の貫通孔104aを通して、可動ステージ110の下端面に固定する。
これにより、可動ステージ110は、シリンダヘッド102hの上昇と共に土台104に対して上昇する一方、シリンダヘッド102hの下降と共に土台104に対して下降する。
なお、本形態では、図1に示すように、土台104と可動ステージ110との間に、中心軸O1に沿って平行に伸びる直動機構Daが設けられている。直動機構Daは、図2に示すように、可動ステージ110に固定されたスライダDa(s)と、このスライダDa(s)の案内となるレールDa(r)とを有し、土台104に対する可動ステージ110の昇降を中心線O1に沿って平行になるように規制する。
また、土台104には、可動ステージ110の下端面と接触可能なストッパS1が起立し、可動ステージ110の降下するときの下限値を規定している。なお、本形態では、ストッパS1としてボルト部材を用い、土台104に螺着させることで、ストッパS1をその軸線周りに時計回り又は反時計回りに回転させることにより、可動ステージ110の降下するときの下限値を調整できる。
可動ステージ110の中心には、図2に示すように、内筒部106が貫通する開口部110aが形成されている。この開口部110aには内筒部106が貫通し、当該内筒部106には、ラジアル軸受Bを介してリング部材110rが中心軸O1の周りを回転可能に支持されている。このため、可動ステージ110は、その連結部材111aと、土台104の貫通孔104aとの間に形成された隙間分だけ、内筒部106周りに回転させることができる。
可動ステージ110の上面には、図2に示すように、プーリシャフト組立体10を起立させたときに下側に位置する軸受30の外輪(以下、「アウターレース」という)31の、その下端面(以下、「下側アウターレース端面」という)31eを支持するステージ面112が形成されている。このステージ面112は、開口部110aの上縁部に形成されている。これにより、可動ステージ110は、プーリシャフト組立体10を起立させた状態に支持するステージ部材として機能する。
なお、可動ステージ110の上面には更に、ステージ面112を取り囲むように、一部断面で示す円筒状の支持部材113が固定されている。この支持部材113の内周面113fは、プライマリ側組立体10が起立した状態のとき、アウターレース31の側面31fと接触して中心軸O1に対するプライマリ側組立体10の傾きを規制する。
これに対し、プーリシャフト組立体10の上側には、図1に示すように、可動ホルダー120が配置されている。可動ホルダー120の下端面(以下、「ホルダー下端面」という)122には、可動ホルダー120の中心軸O1付近に、図4に示すように、円筒状の突出部123が設けられている。この突出部123の中心軸O1付近には、下向きに開口し、プーリシャフト組立体10の軸受40側を収納可能な収納凹部124が形成されている。
収納凹部124には、ホルダー下端面122に形成された開口部を大径にする環状の段差面である、ホールド面125が形成されている。ホールド面125は、可動ホルダー120が下降したとき、プーリシャフト組立体10の上側に位置する軸受40の外輪(以下、「アウターレース」という)41の、その上端面(以下、「上側アウターレース端面」という)41eに接触する。これにより、可動ホルダー120は、軸受30,40の相互間をステージ面112と共に挟持することができるホルダー部材として機能する。
また、可動ホルダー120には、図4や図7に示すように、左右対称に外向きに突出するアーム部121が設けられている。アーム部121は、図4に示すように、その下端面が突出部123と共にホルダー下端面122を構成し、後述するゲージ部材130の上端によって支持されている。更に、ホルダー下端面122には、図4に示すように、中心軸O1の周りに間隔を空けて、ゲージ部材130の上端を挿入可能な複数の凹部又は貫通孔からなり、下端面122からの可動ホルダー120の落込みを可能にする落込み許容部120nが形成されている。
これにより、可動ホルダー120をプーリシャフト組立体10(中心軸O1)の周りに時計回り又は反時計回りに回転させることで、ゲージ部材130の上端をそれぞれ、各落込み許容部120nに挿入される位置に到達させると、可動ホルダー120は、ゲージ部材130の上端が落込み許容部120nに挿入される寸法分だけ、中心軸O1に沿って降下する(落込ませる)ことができる。即ち、かかる構成によれば、ゲージ部材130を取り外すことなく、ホルダー面125を下降させることができる。
本形態では、可動ホルダー120の重量を利用することで当該可動ホルダー120を錘として機能させる。即ち、本形態では、可動ホルダー120の重量を、上側アウターレース端面41eに対して予め所望の外力F1(例えば、F1=50N)が付加できるように調整する。これにより、可動ホルダー120のホールド面125は、図5(a)に示すように、可動ホルダー120の下降に伴い、ステージ面112と共に軸受30,40を挟持すると共に、上側アウターレース端面41eを介してプーリシャフト組立体10に対して中心軸O1に沿った下向きの外力F1を付加する。即ち、可動ホルダー120は、上側アウターレース端面41eに所定の外力F1を付加する外力付加手段として機能する。
なお、図4に示すように、収納凹部124の一部を形作る内周面124fは、ホルダー下端面122に繋がり、可動ホルダー120をプライマリ側組立体10にセットしたとき、アウターレース41の側面41fと接触して中心軸O1に対するプライマリ側組立体10の傾きを規制する。
また、本形態では、可動ステージ110を介してプーリシャフト組立体10をエアシリンダ102の伸縮によって昇降させることができる。このため、本形態では、エアシリンダ102に供給されるエアを制御することで、下側アウターレース端面31eに対して軸線O1方向に沿って上向きに所望の外力F2(例えば、F2=50N)を付加することができる。
これにより、可動ステージ110のステージ面112は、図5(b)に示すように、可動ステージ110の上昇に伴い、ホールド面125と共に軸受30,40を挟持するとき、下側アウターレース端面31eを介してプーリシャフト組立体10に対して中心軸O1に沿った上向きの外力F2を付加する。
即ち、エアシリンダ102は、錘部材としての可動ステージ120からの外力F1に抗し、軸受30,40の相互間で互いに向き合う所定の外力F2を付加する外力付加手段として機能する。
ゲージ部材130は、ステージ面112に対するホールド面125の高さL1が、予め設定された基準高さLB1となるように、可動ステージ110と可動ホルダー120との間の寸法を規定する。なお、本形態では、ゲージ部材130は、図1等に示すように、その下端がステージ面112に固定されている。
ここで、基準寸法LB1とは、図1に示すように、プーリシャフト組立体10に外力を付加したときのホールド面125の落込み量Δ1を測定するための基準となる高さをいう。
本形態では、同図に示すように、ゲージ部材130がステージ面112とホールド面125との間に介在しない。このため、本形態に係る、ゲージ部材130は、その全長LG1そのものが、ステージ面112とホールド面125との間の寸法を直接規定するものではない。
しかしながら、可動ホルダー120における、ゲージ部材130の取付面であるホルダー下端面122とホールド面125との高さ方向における寸法差Lsは、可動ホルダー120の製造時に予め明らかなことから、この寸法差Lsと、ゲージ部材130の全長LG1とを加算して算出した値(LG1+LS)が、本発明に従う基準高さLB1となる。従って、本形態では、ゲージ部材130の全長LG1そのものではなく、基準高さLB1から落込み量Δ1を減算して求めた値が、下側アウターレース端面31eと上側アウターレース端面41eとの両方に外力F1,F2を付加したときの、当該部位間の寸法ΔL1となる。
また、本形態に係るベース101には、図1に示すように、プーリシャフト組立体10をセットした可動ステージ110を四方から取り囲む4つのパネル部材108が固定されている。同図では、図面手前を作業者側とし、左右の2つのパネル部材108の上部には、後述の図6(a)に示すように、シャフト11を貫通させる開口部Aを有し、固定フランジ12のシーブ面12fを支持する支持盤140が設けられている。
支持盤140は、作業者に向かって前後方向に分割された2つ割りに構成されている。支持盤140を構成する2つの割り部材141,142はそれぞれ、図6に示すように、左右のパネル部材108に固定されたレール109に沿って、同図(b)の矢印に示すように前後に移動させることができる。これにより、支持盤140は、2つの割り部材141,142を前後に開くことで、可動フランジ13を下向きにした状態で通した後、2つの割り部材141,142を閉じることで、その開口部A内にシャフト11を通した状態に、プーリシャフト組立体10を配置することができる。
加えて、本形態に係る支持盤140は、開口部Aの周縁に、固定フランジ12のシーブ面12fを支持する傾斜面143が形成されている。これにより、割り部材141,142を閉じてプーリシャフト組立体10をセットすると、プーリシャフト組立体10は、可動ステージ110による支持とは無関係に、安定して吊下げられた状態に位置決めされる。
ところで、シーブ面は、無段変速機を駆動させたときに動力伝達に伴うベルトからの影響を最も受ける部分であり、特に、固定フランジ12側のシーブ面12fは、当該固定フランジ12がシャフト11に固定されてその動きが規制されるため、より実用性を意識して測定を行うことが好ましい。そこで、本形態では、支持盤140もプーリシャフト組立体10を支持できることに着目し、支持盤140も、プーリシャフト組立体10を支持するステージ部材として機能させている。
本発明に従えば、支持盤140で支持されるシーブ面12fの位置は、仕様に応じて適宜設定することが可能であるが、例えば、シーブ面半径RがR=58.374mmとなる位置とする。かかる位置のシーブ面12fは、無段変速機を駆動させたとき、Vベルトによる動力伝達時において最も影響を受けやすい部分であるためである。
なお、本形態に係る支持盤140では、実際には、支持盤140の上端面144に連なる傾斜面143でシーブ面12fを支持しているが、本形態では、支持盤140の上端面144をステージ面とする。
このため、本形態では、支持盤140の上端面144を平坦面として構成し、この上端面144に、他のゲージ部材150の下端が固定されている。本形態に係るゲージ部材150は、上端面144に対するホールド面125の高さL2が、予め設定された基準高さLB2となるように、可動ホルダー120と支持盤140との間を規定する。即ち、本形態では、更に、支持盤140の上端面144も、他のステージ面として構成されている。
ここで、ゲージ部材150も、図1に示すように、ステージ面144とホールド面125との間に介在しない。このため、本形態に係る、ゲージ部材150も、その全長LG2そのものが、支持盤140の上端面144(以下、「第2のステージ面144」とする)とホールド面125との間の寸法を直接規定するものではない。
しかしながら、上述のとおり、ホルダー下端面122とホールド面125との高さ方向の寸法差Lsは予め明らかなことから、この寸法差Lsと、ゲージ部材150の全長LG2とを加算して算出した値(LG2+LS)が、本発明に従う基準高さLB2となる。従って、本形態では、ゲージ部材150の全長LG2そのものではなく、基準高さLB2から落込み寸法Δ2を減算して求めた値が、下側アウターレース端面31eと上側アウターレース端面41eとの両方に外力F1,F2を付加したときの、当該部位間の寸法ΔL2となる。
なお、ゲージ部材150の上端も、ホルダー下端面122の落込み許容部120nに挿入可能に構成されている。これにより、可動ホルダー120をプーリシャフト組立体10(中心軸O1)の周りに時計回り又は反時計回りに回転させることで、ゲージ部材150の上端をそれぞれ、各落込み許容部120nに挿入される位置に到達させると、可動ホルダー120は、ゲージ部材150の上端が挿入される分だけ、中心軸O1に沿って降下することができる。即ち、かかる構成によれば、ゲージ部材150を取り外すことなく、ホルダー面125を下降させることができる。
ところで、装置100内にプーリシャフト組立体10をセットして当該プーリシャフト組立体10に荷重を負荷する場合、可動ホルダー120だけでは、プーリシャフト組立体10に対して重量の変化を付けられない。このため、同一装置で荷重の変化を実現させる場合には、重量の異なる可動ホルダー120に組み付けし直さなければならないという煩雑さがある。
そこで、本形態では、図4に示すように、プーリシャフト組立体10に負荷する荷重を容易に変更できるように補助可動ホルダー160を設けている。補助可動ホルダー160は、図示のように、可動ステージ120を貫通する複数の連結部材161を間欠的に有し、当該連結部材161にそれぞれ、固定フランジ12の裏面に接触する押圧面162が形成されている。連結部材161はそれぞれ、可動ステージ120に中心軸O1周りに間隔を空けて間欠的に形成された複数の貫通孔120aを通る櫛歯状に垂下する。これにより、補助可動ホルダー160は、図7に示すように、ゲージ部材130,150上に可動ホルダー120を載せ置いた状態でも、可動ホルダー120を介して着脱させることができる。
符号170は、回転機構を応用したダイヤルゲージをデジタル化したデジタルゲージである。デジタルゲージ170は、測定ピン171の伸縮量を基に寸法測定が行われる。例えば、下降前の可動ホルダー120に測定ピン171を接触させてゼロ調整を行ったのち、可動ホルダー120を降下させて、ステージ面112とホールド面125とで下側アウターレース端面31e及び上側アウターレース端面41eの相互間を挟持すると共に、互いに向き合う所定の外力F1,F2を付加したときの測定ピン171の伸長量を測定することで、可動ホルダー120の落込み量Δ1を測定し、また、ステージ面144とホールド面125とで下側アウターレース端面31e及びシーブ面12fの相互間を挟持すると共に、互いに向き合う所定の外力F1,F2を付加したときの測定ピン171の伸長量を測定することで、可動ホルダー120の落込み量Δ2を測定する。
符号300は、CPU(中央演算処理装置)等を搭載したコンピュータに代表される(制御)コントローラである。コントローラ300は、デジタルゲージ170から入力される落込み量Δ1又はΔ2に基づいて、外力F1及びF2を付加したときの、下側アウターレース端面31eと上側アウターレース端面41eとの間の寸法L1、又は、シーブ面12fと上側アウターレース端面41eとの間の寸法L2を演算する。
即ち、本形態では、デジタルゲージ170及びコントローラ300が圧縮時寸法演算手段として機能する。
次に、図面を参照して、装置100での測定方法を説明する。
下側アウターレース端面31eと上側アウターレース端面41eとの両方に外力F1,F2を付加したときの、当該部位間の寸法ΔL1を測定するにあたっては、作業者は先ず、図6(b)に示すように開いた支持盤140から、プーリシャフト組立体10を軸受30が下向きになるように装置100内に挿入し、下側アウターレース端面31eを図2に示すようにステージ面112にセットする。
次に作業者は、図6(a)に示すように支持盤140を閉じたのち、エアシリンダ102を用いて可動ステージ110を下降させる。これにより、プーリシャフト組立体10のシーブ面12fが支持盤140の傾斜面143に接触することで、プーリシャフト組立体10が支持盤140に対して吊下げられた状態となっても、当該プーリシャフト組立体10を安定した状態に位置決めすることができる。また、シーブ面12fを傾斜面143で支持することで、測定位置が簡単に決まり、また、測定条件出しも簡便にして測定に掛かる作業手順を短くできることができる。なお、図1,4に示す符号Cは、2つの割り部材141,142を固定するクランプ要素である。
次に作業者は、図7の破線で示すように、支持盤140から上向きに露出するゲージ部材130の上端に、可動ホルダー120のアーム部121を載せ置くことで、ステージ面112からホールド面125までの基準高さLB1を設定する。
ここで、デジタルゲージ170の測定ピン171を可動ホルダー120に接触させた位置が基準となるように、デジタルゲージ170のゼロ調整を行えば、可動ホルダー120の落込み量Δ1をデジタルゲージ170の変化量として、そのまま測定することができる。
次いで、可動ホルダー120をプーリシャフト組立体10の周りに時計回り又は反時計回りに回転させると、可動ホルダー120は、ゲージ部材130の上端が落込み許容部120nに挿入される分だけ、中心軸O1に沿って降下するため、図5(a),(b)に示すように、ステージ面112及びホールド面125がそれぞれ、下側アウターレース端面31e及び上側アウターレース端面41eを挟持する。
このとき、可動ホルダー120は錘として機能するので、図5(a)に示すように、上側アウターレース端面41eには、下向きの外力F1が付加される。また、可動ステージ110はエアシリンダ102に繋がるため、エアシリンダ102を介して可動ステージ110を上昇させることで、図5(b)に示すように、ステージ面112を介して下側アウターレース端面31eにも上向きの外力F2が付加される。
このため、可動ホルダー120を下降させて可動ホルダー120が安定したところで、デジタルゲージ170の変化量を測定すれば、その測定値が外力F1,F2を付加したときの落込み量Δ1となる。その後、この落込み量Δ1をコントローラ300に入力し、このコントローラ300にて、基準高さLB1から落込み量Δ1を減算して求めた値が、下側アウターレース端面31eと上側アウターレース端面41eとの両方に外力F1,F2を付加したときの、当該部位間の寸法ΔL1となる。
なお、可動ホルダー120が安定したかどうかの判定は、例えば、プーリシャフト組立体10の構造や材質等に応じて適宜設定した所定時間が経過した否かで判定する。
これに対し、上側アウターレース端面41eとシーブ面12fとの両方に外力を付加したときの、当該部位間の寸法ΔL2を測定するにあたっては、支持盤140から上向きに露出するゲージ部材150に、可動ホルダー120のアーム部121を載せ置くことで、ステージ面144からホールド面125までの基準高さLB2を設定する。
ここでも、デジタルゲージ170の測定ピン171を可動ホルダー120に接触させた位置が基準となるように、デジタルゲージ170のゼロ調整を行えば、可動ホルダー120の落込み量Δ2をデジタルゲージ170の変化量として、そのまま測定することができる。
次いで、可動ホルダー120をプーリシャフト組立体10の周りに時計回り又は反時計回りに回転させると、可動ホルダー120は、ゲージ部材150の上端が落込み許容部120nに挿入される分だけ、中心軸O1に沿って降下するため、ステージ面144及びホールド面125がそれぞれ、図5(a),(b)に示すように、シーブ面12f及び上側アウターレース端面41eを挟持する。
このときも、可動ホルダー120が錘として機能するので、エアシリンダ102を伸長させることで、図5(a)に示すように、上側アウターレース端面41eに下向きの外力F1が付加されると共に、図5(b)に示すように、シーブ面12fにも上向きの外力F2が付加される。
このため、寸法ΔL1の測定と同様、可動ホルダー120を下降させて可動ホルダー120が安定したところで、デジタルゲージ170の変化量を測定すれば、その測定値が外力F1,F2を付加したときの落込み量Δ2となる。その後、この落込み量Δ2をコントローラ300に入力し、基準高さLB2から落込み量Δ2を減算すれば、その値が、上側アウターレース端面41eとシーブ面12fとの両方に外力F1,F2を付加したときの、当該部位間の寸法ΔL2となる。
本発明によれば、ゲージ部材130,150によって基準高さLB1,LB2を規定した可動ステージ110と可動ホルダー120又は支持盤140との相互間に、プーリシャフト組立体10を起立させた状態で配置したのち、可動ステージ110及び可動ホルダー120の少なくとも一方から測定すべき2つの部位に所定の外力F1,F2を付加するだけの簡単な作業で、プーリシャフト組立体10に対して軸線O1方向の外力F1,F2が付加された条件下での寸法ΔL1,ΔL2の測定を実現することができる。また、かかる構成によれば、装置100の大型化を招くことなく省スペース化を図ることができる。更に、かかる構成によれば、ピン状の接触子を用いた従来の装置と比較して、装置の構成が簡素化されると共に、寸法測定の際の複雑な演算が不要となることから、製造コストの抑制を図ることができる。
また、本形態によれば、ゲージ部材130,150を基準として可動ステージ110及び可動ホルダー120又は支持盤140から外力F1,F2を付加することで2つの部位の相互間の寸法ΔL1,ΔL2を測定することから、同じ条件で繰返し測定したときのばらつきが小さい繰返し精度(再現性)の高い測定を実現することができる。
また、本形態の如く、可動ホルダー120を、プーリシャフト組立体10の軸線O1周りに回転可能とし、当該可動ホルダー120の回転方向に、ゲージ部材130,150の上端が挿入可能な落込み許容部120nを設ければ、測定すべき2つの部位間をステージ面112又は144とホールド面125とで挟持する際に、ゲージ部材130,150を取り除く必要がないため、測定に要する作業を一連作業として自動化できる。これにより、測定にかかる作業の効率化を図ることができる。
また、本形態の如く、外力付加手段として可動ホルダー120を用いれば、その自重によって上側アウターレース端面41eに所定の外力F1が付加できるので、電気等のエネルギー資源を用いることなく、一方向からの外力付加を実現することができる。
また、本形態の如く、外力付加手段として、エアシリンダ104を用いれば、下側アウターレース端面31e又はシーブ面12fに所望の外力F2を高い精度で付加させることができると共に、エネルギー資源の利用を極力抑えることができるので資源の節約を図ることができる。
なお、上記外力付加手段には、スプリングやゴム部材に代表される、弾性部材も採用することができ、また、かかる手段は、可動ホルダー120に外力F1を付加する手段として用いてもよい。外力付加手段として弾性部材を用いれば、電気等のエネルギー資源を用いることなく、一方向からの外力付加を実現することができる。
更に、本形態の如く、上記外力付加手段が、前記部位の相互間に互いに向き合う所定の外力F1,F2を付加するものであれば、2つの部位の両側から外力F1,F2が付加された、より厳しい状態での測定を実現できる。
また、本形態のように、少なくともホールド面125が上側アウターレース端面41eに接触する構成とすれば、スラスト(軸線)方向に生じる外力に影響を受けやすい軸受30,40や、動力伝達に伴うベルトからの影響を最も受けるシーブ面12fを考慮した、より実用性を意識した測定が可能となる。
更に、本形態の如く、シャフト11を貫通させる開口部Aを有し、この開口部Aの周縁に、シーブ面12fを支持する傾斜面143が形成された支持盤140を設ければ、プーリシャフト組立体10を装置100にセットすることで、プーリシャフト組立体10を安定した状態に位置決めすることができる。また、シーブ面12fを支持することで、測定位置が簡単に決まり、また、測定条件出しも簡便にして測定に掛かる作業手順を短くすることができる。
また、本形態の如く、支持盤140がステージ部材を構成するものとすれば、1つの装置100で、2つの軸受30,40相互間の寸法ΔL1と、軸受30とシーブ面12fとの相互間の寸法ΔL2とを測定できることから、効率的な測定が可能になり、作業性の向上に有効である。
図8は、ベルト式無段変速機に搭載されるセカンダリプーリ(従動プーリ)側のプーリシャフト組立体20の測定装置200を一部断面で示す正面図である。なお、以下の説明において、プライマリ側と同様の構成のものは同一の符号をもって、その説明を省略する。
プーリシャフト組立体20も、図8に示すように、シャフト21に固定された固定フランジ22を有し、この固定フランジ22を挟んだシャフト21の端部領域にそれぞれ、ボール軸受40及びころ軸受50が設けられたプーリシャフトPsを備え、このプーリシャフトPsのシャフト21には、可動フランジ23が設けられている。また、固定フランジ22及び可動フランジ23の対向面もそれぞれ、プライマリ側と同様、シーブ面22s,23sとして構成されている。
本形態では、可動ステージ210が直動機構Daを介してベース101に直結されている。即ち、本形態では、可動ステージ210をもって、土台104を省略している。
エアシリンダ102は、プーリシャフト組立体20を可動ステージ210に載置すべく、当該可動ステージ210を上昇させるときや、プーリシャフト組立体20を当該プーリシャフト組立体20のシーブ面22fが支持部材140(割り部材141,142)に接触した状態で装置200内にセットすべく、当該可動ステージ210を下降させるときに使用される。
可動ステージ210の下降は、ストッパS2によって規制され、ストッパS2によって支持される。即ち、本形態でのエアシリンダ102は、装置200内にプーリシャフト組立体20をセットし、又は、装置200から取り外すときに、その着脱作業を容易にさせる目的に使用されるに過ぎない。
可動ステージ210の中心には、シリンダヘッド102hが当接する内筒部206が起立し、この内筒部206の内部には、スプリング等によって、中心軸O1に沿って進退可能なピン部材205が弾支されている。
また、可動ステージ210の上部には、内筒部206を取り囲むように、一部断面で示す円筒状の支持部材213が固定されている。支持部材213の内側には、ころ軸受50の外輪51の、その下端面(以下、「下側アウターレース端面」という)51eを支持するステージ面212が形成されている。
本形態の装置200は、上側アウターレース端面41eのみに外力F1を付加したときの、当該部位間の寸法ΔL3を測定する。寸法ΔL3を測定するにあたっては、作業者は先ず、エアシリンダ102を用いて可動ステージ210を上昇させた後、プライマリ側と同様、図6(b)に示すように開いた支持盤140からプーリシャフト組立体20を装置200内に挿入し、下側アウターレース端面51eを図8に示すようにステージ面212にセットする。
次に作業者は、図6(a)に示すように支持盤140を閉じたのち、エアシリンダ102を用いて可動ステージ210を下降させる。これにより、プーリシャフト組立体20が支持盤140に対して吊下げられた状態となっても、プライマリ側と同様、プーリシャフト組立体20を安定した状態に位置決めすることができる。また、シーブ面22fを傾斜面143で支持することで、測定位置が簡単に決まり、また、測定条件出しも簡便にして測定に掛かる作業手順を短くできることも同様である。
次に作業者は、プライマリ側と同様、支持盤140から上向きに起立するゲージ部材150に、可動ホルダー120のアーム部121を載せ置くことで、ステージ面144からホールド面125までの基準高さLB2を設定する。
ここでも、デジタルゲージ170の測定ピン171を可動ホルダー120に接触させた位置が基準となるように、デジタルゲージ170のゼロ調整を行えば、可動ホルダー120の落込み量Δ3をデジタルゲージ170の変化量として、そのまま測定することができる。
次いで、可動ホルダー120をプーリシャフト組立体20の周りに時計回り又は反時計回りに回転させると、可動ホルダー120は、ゲージ部材150の上端が落込み許容部120nに挿入される分だけ、中心軸O1に沿って降下するため、ステージ面144及びホールド面125がそれぞれ、シーブ面22f及び上側アウターレース端面41eを挟持する。
このときも、可動ホルダー120は錘として機能するので、上側アウターレース端面41eには、下向きの外力F1が付加される。但し、可動ステージ210はエアシリンダ102により下降しているため、下側アウターレース端面51eやシーブ面22fには上向きの外力F2が付加されない。
その後、寸法ΔL1やΔL2の測定と同様、可動ホルダー120を下降させて可動ホルダー120が安定したところで、デジタルゲージ170の変化量を測定すれば、その測定値が外力F1を付加したときの落込み量Δ3となる。そして、プライマリ側と同様、この落込み量Δ3をコントローラ300に入力し、基準高さLB2から落込み量Δ3を減算すれば、その値が、上側アウターレース端面41eにのみ外力F1を付加したときの、当該部位間の寸法ΔL3となる。
上述したところは、本発明の好適な形態を示したものであるが、特許請求の範囲内において、種々の変更を加えることができる。例えば、測定すべき部位は、軸受やシーブ面に限定されるものではない。また、上述した形態の各構成要素は、用途等に応じて適宜組み合わせることができる。
ベルト式無段変速機に搭載されるプライマリプーリ(駆動プーリ)側のプーリシャフト組立体の測定装置を一部断面で示す正面図である。 図1の領域Xを示す拡大図である。 領域Xの要部を模式的に示す斜視図である。 図1の領域Yを示す拡大図である。 (a),(b) それぞれ、プーリシャフト組立体を測定する際の領域X,Yにおける状態を更に拡大して示す要部断面図である。 (a),(b)はそれぞれ、支持盤を動作させた状態を模式的に示す斜視図である。 図5に示す支持盤の上側より、可動ホルダーと補助可動ホルダーとを装着した状態を模式的に示す要部斜視図である。 ベルト式無段変速機に搭載されるセカンダリプーリ(従動プーリ)側のプーリシャフト組立体の測定装置を一部断面で示す正面図である。
符号の説明
10 プライマリ側プーリシャフト組立体
11 プライマリ側シャフト
12 プライマリ側固定フランジ
12f プライマリ側固定フランジシーブ面
13 プライマリ側可動フランジ
13f プライマリ側可動フランジシーブ面
20 セカンダリ側プーリシャフト組立体
21 セカンダリ側シャフト
22 セカンダリ側固定フランジ
22f セカンダリ側固定フランジシーブ面
23 セカンダリ側可動フランジ
23f セカンダリ側可動フランジシーブ面
30 ボール軸受
31 アウターレース
31e 下側アウターレース(下)端面
40 ボール軸受
41 アウターレース
41e 上側アウターレース(上)端面
50 ころ軸受
51 アウターレース
51e 下側アウターレース(下)端面
100 プライマリ側プーリシャフト組立体の測定装置
102 エアシリンダ
110 可動ステージ
112 ステージ面
120 可動ホルダー
125 ホールド面
130 ゲージ部材
140 支持盤(可動ホルダー)
144 ホールド面
150 ゲージ部材
160 補助可動ホルダー
200 セカンダリ側プーリシャフト組立体の測定装置
210 可動ステージ
212 ステージ面
Ps プーリシャフト

Claims (9)

  1. シャフトに固定したフランジの一面がシーブ面としてなり、当該フランジを挟んだシャフトの2つの端部領域に軸受が配置されたプーリシャフトを備える無段変速機のプーリシャフト組立体に関し、当該プーリシャフト組立体の軸線方向に間隔を空けて存在する2つの部位間の寸法測定装置であって、
    プーリシャフト組立体を起立させたときに下側に位置する前記部位の、その下端面を支持するステージ面を有し、当該プーリシャフト組立体を起立させた状態に支持するステージ部材と、
    プーリシャフト組立体を起立させたときに上側に位置する前記部位の、その上端面と接触可能なホールド面を有し、前記部位の相互間をステージ面と共に挟持可能なホルダー部材と、
    ステージ面に対するホールド面の高さが予め設定された基準高さとなるように、ステージ部材とホルダー部材との間の寸法を規定するゲージ部材と、
    ステージ面とホールド面とで前記部位の相互間を挟持したとき、当該部位の少なくとも一方に予め設定した所定の外力を付加する外力付加手段と、
    ゲージ部材により規定された基準高さと、前記部位の少なくとも一方に外力を付加したとき、当該基準高さからのホールド面の落込み量とに基いて、当該外力を付加したときの、当該部位間の寸法を測定する負荷状態寸法測定手段とを備えることを特徴とする、無段変速機のプーリシャフト組立体の寸法測定装置。
  2. 請求項1において、ホルダー部材を、プーリシャフト組立体の軸線周りに回転可能とし、当該ホルダー部材の回転方向に、ゲージ部材の上端が挿入可能な凹部又は貫通孔を設けたことを特徴とする、無段変速機のプーリシャフト組立体の寸法測定装置。
  3. 請求項1又は2において、前記外力付加手段は、ホルダー部材であることを特徴とする、無段変速機のプーリシャフト組立体の寸法測定装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、前記外力付加手段は、前記部位の相互間に互いに向き合う所定の外力を付加するものであることを特徴とする、無段変速機のプーリシャフト組立体の寸法測定装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項において、前記外力付加手段は、空気圧を利用した装置であることを特徴とする、無段変速機のプーリシャフト組立体の寸法測定装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一項において、前記外力付加手段は、弾性部材であることを特徴とする、無段変速機のプーリシャフト組立体の寸法測定装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項において、少なくともホールド面が前記軸受の外輪に接触することを特徴とする、無段変速機のプーリシャフト組立体の寸法測定装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項において、前記シャフトを貫通させる開口部を有し、この開口部の周縁に、シーブ面を支持する傾斜面が形成された支持盤を備えることを特徴とする、無段変速機のプーリシャフト組立体の寸法測定装置。
  9. 請求項8において、前記支持盤がステージ部材を構成するものであることを特徴とする、無段変速機のプーリシャフト組立体の寸法測定装置。
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