JP4567946B2 - 懸濁排水処理装置及び懸濁排水処理方法 - Google Patents

懸濁排水処理装置及び懸濁排水処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダムや河川、湖沼、用水路等から流れ込む泥水や濁水、トンネル工事や浚渫工事、河川工事、造成工事、各種の建設工事などで発生する懸濁排水を清浄化するための懸濁排水処理装置及び懸濁排水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ダムや河川、湖沼の護岸工事などの工事現場などから排出される懸濁排水を浄化させるために複数の固液分離機等を組み合わせて浄化処理が行なわれている。このような懸濁排水の浄化処理に関して、例えば以下のような技術のものが知られている。
特許文献1には、濁水・泥水を貯留する貯留槽と、前記濁水・泥水に凝集剤を投入する凝集剤投入手段と、前記凝集剤と前記濁水・泥水を混合してフロックを生成する混合装置と、前記混合装置で生成された前記フロックを水と分離するろ過装置とを備えた濁水・泥水処理装置が記載されている。
特許文献2には、濁水を通過させる流路部内の水流方向に沿って、直流電源の陽極及び陰極に夫々接続した陽極電極板と陰極電極板とを交互に配列して電極板群を形成してなる濁水処理装置が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−219471号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平11−226577号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術は以下のような課題を有していた。
(イ)特許文献1に記載の凝集剤投入手段を有する濁水・泥水処理装置は、ポリ塩化アルミニウム等の凝集剤を懸濁排水に加えて細かい粒子を凝集させフロック化させるので、この凝集剤が拡散して周囲の環境を汚染しやすい上に、その投入量などの調整が困難であり、薬剤のコストがかかる等経済性にも欠けるという課題があった。
(ロ)フロックと水とを分離するろ過装置が多孔質体からなり、濁水の処理に伴ってその網目体の表面に固形分が厚く付着していくために、濁水のろ過効率が次第に低下して、大量処理が困難になるという課題があった。
(ハ)特許文献2に記載の電極板を用いて粒子を凝集させる濁水処理装置では、凝集させた処理液から固形分を分離する構成が呈示されていないので、電極板に流す濁水の水量などをろ過装置と連動させて適切に調整することが困難で、濁水処理の作業性に欠けるという課題があった。
(ニ)アルミニウムイオンが微小懸濁粒子と結合したまま排出され放流先で食用の生物に生物濃縮され安全性を害すという課題があった。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、凝集剤の使用による環境汚染等のおそれがなく、ろ布等の目詰まりがなく常時一定なろ過処理を行うことができると共に、電極板に流す濁水の水量などをろ過装置と連動させて効率的に懸濁排水を処理できる懸濁排水処理装置の提供及び、懸濁排水の大量処理を連続的にかつ効率的に行うことができる懸濁排水処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の懸濁排水処理装置は、陽極板及び陰極板が平行配置されて形成された間隙に土砂等の固形分を含む懸濁排水が供給される凝集流路を備えた懸濁粒子凝集部が配設された懸濁粒子凝集槽と前記懸濁粒子凝集槽の下流側に隔壁を介して直列配置されたろ過槽とを有する処理水槽と、前記処理水槽の前記ろ過槽に配置されその外部表面側から前記懸濁排水が供給されて内部裏面側からろ過された処理水が排出される全体に密閉して形成された袋状のフィルタを備えたろ過部と、前記フィルタの表面にその毛先が当接して配置されたブラシ部と、前記ブラシ部を前記フィルタの表面に沿って往復摺動させるブラシ駆動部と、を有し、前記フィルタが、袋状に形成されたろ布と、パイプで全体が枠状に形成され枠内側に3次元網目構造を有した芯材が配設され前記ろ布に内蔵された支持枠体と、前記支持枠体の中空部に連通し前記フィルタの側方下部に前記ろ布の外部に開口して取り付けられ前記フィルタ内のろ過液の排出と前記ろ布の逆洗を行うための圧縮空気や加圧水の供給を行う通水孔と、前記支持枠体の各パイプに貫通して穿設され前記支持枠体の枠内側に向けて一列又は複数列に形成された複数の取水孔と、を有して構成されている。
この構成によって以下の作用を有する。
(1)袋状に形成されたフィルタの外部表面にその毛先が当接して配置されたブラシ部をフィルタの外部表面に沿って往復摺動して摩るので、フィルタ面上の固形分の付着層を除去して、目詰まりさせることなく、一定のろ過条件を保持させることができ、ろ過効率の経時的安定性を維持すると共にフィルタの目詰まりによるメンテナンスの回数を著しく削減でき、ろ過作業の作業性を向上できる。
(2)フィルタ表面がブラシ部で所定間隔で摩って掃引され、フィルタ層の内部に一定量の固形分を保持させてフィルタ本来の網目間隔を狭めた状態で使用でき、数μm程度の微小粒子を透過させることなく捕捉できる。
(3)ブラシ部を往復摺動させるブラシ駆動部を有するので、フィルタ面へのエア吹き付けやフィルタの振動付加等による従来の付着層の除去方法等に比較して、均一にかつ確実に付着層を除去できる。
(4)ブラシ部の毛先をフィルタの外部表面に沿って摩りながら往復摺動させるので、フィルタ面を損傷させることがなく、メンテナンス性や耐用性に優れている。
(5)ブラシ部をフィルタの外部表面に沿ってその表面を摩りながら往復摺動させるので、フィルタ面上に付着した固形分の付着層を除去でき、常時、適正な自然ろ過条件を安定的に保持させることができ、処理作業の効率化と安定化とが図られる。
(6)ブラシ部の毛先だけを当接させるので、フィルタ層の内部に一定量の固形分を保持させた透水状態を維持して使用でき、フィルタ網目の間隔より小さい微小粒子でも透過させることなく捕捉できる。
(7)ブラシ部を往復摺動させるブラシ駆動部を有するので、フィルタ面へのエア吹き付けやフィルタの振動付加等による従来の付着層の除去方法等に比較して、確実に付着層を除去でき、作業性とメンテナンス性に優れている。
(8)フィルタが袋状に形成され、懸濁水がこの袋状のフィルタの外部表面側から内部裏面側に流れるので、このフィルタの外側部分に付着した固形分をブラシやゴムホース等でさすることにより容易に除去することができる。
(9)フィルタに固着した付着層を除去してろ過条件を一定に維持させることが容易にできるので、処理効率の向上が図られ、河川工事等での多量の土砂微粒子を含む大量の懸濁排水を効率的に処理することが可能になる。
(10)フィルタが袋状になっているので、処理水槽内のスペースが狭い場合でもそのフィルタ面を有効に活用して、効率的に大量の懸濁排水を処理できる。
(11)従来の凝集剤を用いる水処理装置のように溶出物がないので、浄化処理に伴って環境を汚染させるおそれがない。
(12)陽極板と陰極板間に直流電圧を印加することにより、この凝集流路を流れる懸濁排水中の微小粒子を帯電させ、懸濁粒子のフロック化を促して、下流のろ過部のフィルタで捕捉できる所定大きさまで成長させ、この電気処理された懸濁排水中の固形分をろ過部のフィルタ上に確実に保持させて清水部分と固形分とに効率的に分離させることができる。
(13)懸濁粒子凝集槽の下流側に隔壁を介してろ過槽が直列配置されるので、処理水槽全体をコンパクトにすることができ、トラックの荷台部分に装置を搭載して容易に移動させることができ、道路工事におけるアスファルトやコンクリート道路の面部をカッターで切断する際などに伴って発生する懸濁排水を容易に処理することができる。
(14)懸濁粒子凝集槽でフロック化処理された懸濁排水が直列配置されたろ過槽に供給されるので、懸濁排水の流動に伴う圧力損失等のロスが少なく、全体の浄化処理効率を高めることができる。
(15)通水管の枠内側に3次元網目構造を有した芯材を配置して外圧力でろ過部のフィルタが潰れないようにしておくことができ、ポンプ等を用いた強制排水時にろ布がその中央部で凹んで表裏のろ布同士が接触して流路が閉塞され通水性が妨げられるのを有効に防止することができる。
(16)通水孔にコンプレッサ等から圧縮空気を供給したり、浄化水を用いた加圧水等を流すことによりろ布の逆洗を行うことができる。
【0008】
ここで、ブラシ部は、細長平板状やリング状などに形成され、平板状の片面側や円筒状の内面側にフィルタ外部表面にその毛先が対向するナイロンやポリビニルアルコール、ポリエステル等の繊維が植毛されている。ブラシ部はバネなどの弾性部材を介して保持され、この毛先から所定の押圧力がフィルタ面に付加されるように配置されている。尚、ブラシ部としては、植毛ブラシの他、ゴム製や合成樹脂製のシート状物や管状物、金属製やセラミック製の薄板も使用することができる。ろ過部の水中でフィルタ表面に付着したスラッジを摩って剥離することが可能だからである。
ブラシ駆動部は、モータやリミットスイッチ等を有して構成され、モータを駆動源としてブラシ部をフィルタ面に反って移動させ、ブラシ部が片側のリミットスイッチに接触して摺動方向を反転させることにより、所定間隔でフィルタ面上を往復摺動できるようにしている。
ブラシ駆動部は電動モータ以外に空気圧や水圧モータを用いることもできる。
ブラシ部を連続的に駆動させる場合、ブラシ駆動部で往復摺動されるブラシは、5〜60秒間、好ましくは10〜300秒間でリミットスイッチ間を一往復するように設定することが望ましい。これは懸濁排水の種類やその処理量などにもよるが、往復摺動の間隔が10秒より短かくなるにつれ、フィルタとブラシとの摩耗が激しくなって耐用性が低下する傾向があり、逆に300秒より長くなるにつれ、フィルタ面に付着する付着層の平均厚みが厚くなって、圧力損失が大となり自然ろ過による適正なろ過条件を維持させるのが困難となる傾向が表れ、これらの傾向は5秒より短くなるか、300秒を超えるとさらに大きくなる。
【0009】
ろ過部は、所定の網目間隔、例えば0.001〜1mmの網目間隔を有する織物や不織物からなる袋状のフィルタを懸濁排水が供給される水槽内に互いに所定間隔、例えば10〜200mmの間隔をおいて多数平行に配置して形成される。
ろ過部は、全体が枠状となるように金属やプラスチック製などの通水管を形成して、通水管の枠内側に取水孔を多数設け、この枠状の通水管の全体をろ布で袋状に覆設し、通水管から内部のろ過水を排出させるための排水口部をろ布に設けることで形成させることもできる。
さらに、通水管の枠内側に3次元網目構造又は中空状構造を有した芯材を配置して外圧力でろ過部のフィルタが潰れないようにしておくこともできる。
この通水管に穿設された取水孔の配置数が、通水管の中心線に対して、その一方側から他方側に向かって次第に多くすることによって、フィルタ部分の高低位置等で異なる懸濁排水の透過吸込み量が均一になるようにすることもできる。
【0010】
また、ろ過部は、一端側に取水孔部を備えた円形又は角形筒状の取水側端部材と、他端側の逆洗用配管を備えた円形又は角形筒状の逆洗側端部材と、前記取水側端部材及び前記逆洗側端部材間に円筒又は角筒又は星形筒を形成するように等間隔をあけて配設されたろ布支持部材と、前記ろ布支持部材に円筒状又は角筒状にもしくは星形筒状に覆設されろ布とで構成することもできる。これによって、フィルタ部材の取水孔部からろ布でろ過された浄化水を得ることができると共に、逆洗用配管を備えるので、ろ布が目詰まりした場合に逆洗用の空気やろ過水を流すことにより、付着した固形分を容易に剥離除去することができる。また、多数のろ布支持部材に円筒状又は角筒状にもしくは星形筒状に覆設されたろ布を有するので、構造強度を高めて、しかも軽量化でき、経済性に優れる。ろ布が星形となるように形成した場合にはろ過の際の実効面積を大きくしてろ過効率を高めることができ、大量処理にも対応できる。
【0011】
さらに、ろ過部には、炭酸ガス等の微細気泡を含む水流を供給する微細気泡混合液噴出器や炭酸ガスの微細気泡を発生させる微細気泡発生器をその槽底等に備えるようにしてもよく、これによって、ろ過水槽でアルカリ水が中和されアルカリ水による害を防ぐことができる。
ここで微細気泡混合液噴出器は、例えば略回転対称形に形成された中空部を有する器体と、器体の周壁部に接線方向に開口され気液導入管が連設された気液導入孔と、中空部の回転対称軸の方向に開口して設けられた気液噴出孔とを備えて構成されたものなどが適用できる。この気液導入孔にポンプを介して炭酸ガスや空気の気泡を含む水を流入させると、器体周壁の接線方向から流入した水流は、器体の内壁に沿って旋回して、この旋回運動によって、水に内在した気泡が微細気泡となり、微細気泡の炭酸ガスや空気を含む気液混合水を気液噴出孔から吐出させることができ、水中のアルミニウムイオンやカルシウム等のアルカリ分を水中に溶存したCO2で中和したり、溶存酸素量を高め、水質浄化等を促進させることができる。
【0012】
ろ過部は、ろ過部の取水部の下流側に配置された遮断弁と、遮断弁の上流側の取水部に連通された逆洗用配管と、を備えるようにしてもよく、これによって、フィルタのろ布が懸濁水の固形分によって目詰まりした時に、取水部の下流側に配置された遮断弁を閉止し、遮断弁の上流側の取水部に連通された逆洗用配管から圧縮空気や浄化水を用いた加圧水等を流すことにより逆洗操作を行なうことができ、フィルタ内部を圧縮空気や加圧水等で膨張させ押し出したり、ろ布を圧縮空気で通気させたりすることで、ろ布の表面に付着した固形分の層を効果的に剥離させて除去させ、ろ過水槽の底部に堆積させることができる。また、遮断弁を操作して効率的に圧縮空気や加圧水をろ布に向けて供給することができ、固形分を剥離させてメンテナンス性や作業性に優れている。
【0013】
ろ過部に配設されるフィルタは、ろ過水槽内に互いに所定間隔を有して着脱可能に立設させる仕切り枠を設けてユニット化にしてもよく、フィルタの取り付け時や、その損傷、劣化した際に、確実かつ容易にフィルタの交換が行なえ、メンテナンス性に優れている。さらに、仕切り枠によりフィルタが互いに干渉し合うのを防止でき、ろ過効率を維持できる。
ここで、互いに隣接し合うフィルタ部材間の間隔は、5〜20cm、好ましくは10〜15cmの範囲とすることが望ましい。処理する懸濁水の懸濁粒子の濃度や処理水量にもよるが、この間隔が10cmより少なくなるにつれ、ろ過水槽内を流れる懸濁水の流動抵抗が大きくなって、ろ過水量が減少する傾向が表れ、逆に15cmを超えるにつれて、ろ過水槽内に配置されるろ布の表面積が不足してろ過効率が低下する傾向が表れ、これらの傾向は5cmより少なくなるか、20cmを超えるとさらに顕著になるので好ましくない。
仕切り枠としては、金属製や合成樹脂製の流水が流れるように開口部を多数備えたものが用いられる。また、仕切り枠やフィルタは底部から離して懸濁物を底部側に貯留できるように配置される。これにより、逆洗された懸濁物を底部に流下させる効率を高めることができる。
【0014】
ろ過部はまた、フィルタを内蔵するろ過水槽と懸濁水隔壁を介して形成された懸濁水貯留槽と、ろ過水槽と前記懸濁水貯留槽の底部に取水口部側が低くなるように傾斜して形成された汚泥集積壁と、ろ過水槽及び懸濁水貯留槽の取水口側の下部に形成され汚泥集積壁上面に集積された汚泥を排出する汚泥排出部とを備えるようにしてもよい。これによって、懸濁水貯留槽に供給されてろ過水槽でろ過される懸濁水中の土砂などの大粒子を予め沈殿除去することができ、ろ布における負荷を軽減できる。さらに、その底部に傾斜して形成された汚泥集積壁を有するので、特別な動力を要することなく、汚泥排出部から土砂などの固形分を除去できる。
【0015】
更に、袋状のフィルタの内部には必要に応じて、フィルタを支持するための塩化ビニール製パイプなどで組まれた枠体を内蔵させたり、フィルタの両端部を水槽内の側部側に固定したりして、隣接するフィルタ間の距離を適正にしてその形状を保持するようにすることもできる。フィルタの素材としては、合成繊維や天然繊維からなる織布又は不織布が適用できる。合成繊維には通常、太さが0.1〜20μm程度のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール系、ポリフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、酢酸ビニル、四フッ化エチレンなどのものが使用できる。なお、前記繊維の各交点の所定個所を加熱により融着したり接着剤を用いて接着したりして固定し、全体を補強すると共に、懸濁水中の固体粒子の大きさに応じてその捕捉率を調整するようにしてもよい。また、フィルタの素材を、懸濁水中の帯電した固体粒子の付着を妨げるイオン交換樹脂で構成したり、フィルタ表面をイオン交換樹脂で部分的に被覆したりして、固体粒子の付着を抑制して、ろ過処理中の目詰まりを防ぐことも可能である。
イオン交換樹脂としては、ジビニルベンゼンで架橋したポリスチレンなどの母体合成樹脂にフェノール性ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基など酸性基を結合させた高分子酸からなる陽イオン交換樹脂や、母体合成樹脂にアミノ基、イミノ基、アンモニウム基などの塩基性基を結合させた高分子塩基からなる陰イオン交換樹脂を固形分の正負の帯電状態に応じて選択して用いることができる。例えば、懸濁水中の固形分が正に帯電する場合は陽イオン交換樹脂をフィルタに被覆することで固形分のろ布内への侵入や、その付着を効果的に防止できる。
なお、懸濁粒子凝集部の電極間に印加する電圧及び、この凝集流路に供給する懸濁排水の供給流量などは、ろ過部におけるフィルタの網目間隔やそのフィルタの面積、フィルタの圧損等に応じて実験的に適正値が設定される。これにより、ろ過部に供給される懸濁排水の処理液をフロック化させ、所定大きさに凝集フロック化された粒子をフィルタ面で確実に捕捉して清水に分離できる。
【0017】
ここで、懸濁粒子凝集部の陽極板及び陰極板はアルミニウムや亜鉛・ステンレス、チタン、スチール等の金属材や、炭素質等の導電性材料からなる平板状電極である。これらの平板状電極を非導電性のスペーサ等を介して交互に所定間隔例えば1〜100mmの間隔をおいて水槽内に複数配置して懸濁粒子凝集部が構成される。これら平板状電極間の隙間に懸濁排水を供給してその凝集流路を形成させ、電極板間に所定電圧、例えば0.5〜100ボルトの電圧を印加して懸濁排水中の微小粒子などを帯電させ、粒子間の凝集力を高めてフロック化を促すようにしている。
【0018】
請求項2に記載の懸濁排水処理装置は、請求項1に記載の発明において、前記懸濁粒子凝集槽に、前記懸濁粒子凝集部の凝集流路の上流側及び/又は下流側に懸濁排水を上昇下降させる上昇流路と下降流路とを備えた粒子沈殿部が配設されて構成される。
この構成により請求項1に記載の作用に加えて以下の作用を有する。
(1)懸濁粒子凝集槽内に凝集流路の上流側及び/又は下流側に上昇流路と下降流路とを備えた粒子沈殿部が配置されているので、供給される懸濁排水の流れを上下方向に反転させ、この流れの変化によって、懸濁排水中の固形分を効果的に沈殿分離させることができる。
(2)以降の凝集流路やろ過部における懸濁排水の浄化処理を軽減して、装置全体の耐用性やメンテナンス性を高めることができる。
(3)電力等の駆動源を要せず所定大きさの浮遊粒子を沈殿させることのできる粒子沈殿部を備えるので、懸濁排水の浄化処理をさらに経済的に行うことができる。
ここで、上昇流路及び下降流路は、電気的に懸濁排水中の微小粒子を凝集させる凝集流路の上流側及び/又は下流側に先端が上方又は下方に突設された仕切り部を介して設けられ、隣接する上昇流路と下降流路の下端で懸濁排水の流れが反転してここに懸濁排水中の固形分を沈殿させる。
【0019】
懸濁排水処理装置が、懸濁粒子凝集部とろ過部とがその内部に直列配置された懸濁排水処理槽を有して構成されている場合、懸濁排水処理槽内に懸濁粒子凝集部とろ過部とが内蔵されているので、全体をコンパクトにすることができ、トラックの荷台部分に装置を搭載して容易に移動させることができ、道路工事におけるアスファルト道路の面部をカッターで切断する際などに伴って発生する懸濁排水を容易に処理することができる。
また、懸濁粒子凝集部でフロック化処理された懸濁排水が直列配置されたろ過部に供給されるので、懸濁排水の流動に伴う圧力損失等のロスが少なく、全体の浄化処理効率を高めることができる。
ここで、懸濁排水処理槽は、プラスチック製や金属製など素材で形成された箱型容器であり、ポンプ等を介して懸濁排水が上方の開口部等から供給され、内部に平行配置された袋状のフィルタに取り付けられた排水パイプ等を介してそのフィルタの内部からろ過された懸濁排水の処理液が外部に排出できる。
【0021】
請求項3に記載の懸濁排水処理装置は、請求項1又は2に記載の発明において、前記懸濁粒子凝集槽又は前記ろ過槽の内部に、アルカリ性の前記懸濁排水を中和する中和手段を有して構成されている。
この構成によって、請求項1又は2の作用に加えて以下の作用を有する。
(1)中和手段を有するので、アルカリイオンにより河川等の放流先がアルカリ化するのを防止できる。
(2)アルカリイオンによる河川等の生物のアルカリ蓄積を防止できる。
ここで、中和手段としては、希塩酸や酢酸などの中和剤を添加するか、炭酸ガス等を懸濁排水中に吹き込むことにより行われる。
【0022】
請求項4に記載の懸濁排水処理装置は、請求項3に記載の発明において、前記中和手段が、散気管と、前記散気管に炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給部と、を有する、又は、微細気泡混合液噴出器と、前記微細気泡混合液噴出器に炭酸ガスと水との混合流体を供給するポンプとを有して構成されている。
この構成によって、請求項3の作用に加えて以下の作用を有する。
(1)中和手段として、散気管を有するので、懸濁排水中に炭酸ガスや空気を吹き込み、水酸化カルシウム等のアルカリ分を中和し処理水を中性化したり、溶存酸素量を高めることができる。
(2)中和手段として、微細気泡混合液噴出器に炭酸ガスや空気と水との混合流体を供給するポンプを有するので、アルカリ分を中和したり、溶存酸素量を高めることができる。特に、微細気泡混合液噴出器は水中への空気の溶解力が強いので、空気だけでもアルカリ分を中和できる。
【0023】
請求項5に記載の懸濁排水処理方法は、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の懸濁排水処理装置を用いた懸濁排水処理方法であって、土砂等の固形分を含む懸濁排水を前記処理水槽内に供給する懸濁水供給工程と、前記処理水槽内に配置され全体に密閉して形成された袋状の前記フィルタの外部表面側から内部裏面側に前記懸濁排水をろ過させるろ過工程と、前記フィルタの表面にその毛先が当接された前記ブラシ部を前記ブラシ駆動部を用いて前記フィルタの表面に沿って往復摺動させるブラシ工程とを有して構成されている。
この構成によって、以下の作用を有する。
(1)懸濁排水が供給される処理水槽内に配置された袋状のフィルタで懸濁排水をろ過させるろ過工程と、ブラシ駆動部を介してブラシ部をフィルタの表面に沿って往復摺動させるブラシ工程を有するので、そのフィルタ面に堆積付着した固形分を確実に除去することができる。
(2)フィルタが常時適正なろ過状態に維持されるので、懸濁排水の浄化処理を大量かつ効率的に行うことができる。
【0024】
請求項6に記載の懸濁排水処理方法は、請求項5に記載の発明において、前記懸濁水供給工程の前工程として、前記陽極板と前記陰極板が平行配置された前記凝集流路で前記懸濁排水中の懸濁粒子を凝集させる凝集工程を備えて構成されている。
この構成によって、請求項5の作用に加えて以下の作用を有する。
(1)凝集流路を流れる懸濁排水中の微小粒子を帯電させる凝集工程を備えるので、浮遊性の懸濁粒子のフロック化を促して、ろ過部のフィルタで捕捉できる所定大きさまで成長させ、懸濁排水中の固形分をろ過部のフィルタ上に確実に保持させて清水部分と固形分とに効率的に分離させることができる。
(2)従来の凝集剤を用いる水処理方法のように溶出物がないので、浄化処理に伴って環境を汚染させるおそれがない。
【0025】
請求項7に記載の懸濁排水処理方法は、請求項5又は6に記載の発明において、ろ過工程又は前記凝集工程において、前記懸濁排水のアルカリ分を中和する中和工程又は溶存酸素量を高める溶存酸素富化工程を備えて構成されている。
この構成によって、請求項5又は6の作用に加えて以下の作用を有する。
(1)懸濁排水がpH9〜12のアルカリ性を呈しても中和し、pH7の中性とすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る懸濁排水処理装置について説明する。
図1は実施の形態1の懸濁排水処理装置の斜視図であり、図2はその構成断面模式図である。
図1及び図2において、10は実施の形態1の懸濁排水処理装置、11は懸濁排水が供給配管11aを介して供給される懸濁粒子凝集槽、11bは所定間隔をあけて平行に並設された陽極板と陰極板を備え陽極板と陰極板の間に凝集流路を備えた懸濁粒子凝集部、11eは懸濁粒子凝集槽11に流入した土砂等の比重の重い粒子を開閉弁11fを通して排出する凝集槽排出部、11gは3°〜45°傾斜して側壁に形成された凝集槽槽底、12は懸濁粒子凝集槽11で液中の微細粒子を電気的に凝集された懸濁排水が連結管12aを介して供給されろ過液をろ過液排出管12bから排出しその槽底12cにろ過分離された固形分が堆積されて固形分排出部12dから開閉弁12eを介して排出されるろ過槽、12fはろ過液排出管12bのバルブ、13,14は懸濁粒子凝集槽11の水槽内に流水方向と平行に又は直交して吊設された非導電性のスペーサ11cを有して懸濁粒子凝集槽11上部に固定された電極支持体11dを介して交互に直列配置された陽極板と陰極板、15は陽極板13と陰極板14に所定の直流電圧を印加する電源部、16はろ布16aにより全体が袋状となって平板状に形成され内部に支持枠体16bを有してろ過槽12内に立設されたフィルタ、フィルタ16はフィルタユニット(図示せず)でユニット化されたりしてろ過槽12に装設されている。16cはろ過槽12内に平行配置された複数のフィルタ16の下部に連設されたろ過液排出管12bに開口して設けられフィルタ16内のろ過液が排出される通水孔、17はフィルタ16の両表面側に対となってブラシ17aの毛先が当接されるブラシ部、18は左右のブラシ部17をフィルタ16の両ろ布面から当接させるように支持するブラシ支持体、19はブラシ支持体18をフィルタ16の面に沿って所定の速度で上下又は左右に往復摺動させる摺動機構を備えたブラシ駆動部である。
【0027】
懸濁粒子凝集槽11は下部が浸漬される黄銅やアルミニウムなどからなる陽極板13と陰極板14が交互に1〜100mmの間隙で配置されている。直流電圧が印加された陽極板13と陰極板14との間隙に懸濁排水の流れる凝集流路αを形成して、懸濁排水中の微細粒子の凝集を促している。これによって、ろ過槽12におけるフィルタ16の外表面でこの凝集させた粒子を捕捉しやすくなるようにしている。
陽極板13と陰極板14はその上部で電極支持体11dで連結保持され、各極板間にはプラスチックやセラミックス等からなる非導電性のスペーサ11cを配置して、所定間隔を維持させ凝集流路αが形成されるようにしている。
なお、ここでは各極板を懸濁粒子凝集槽11内に垂直になるように立設させているが、各極板を傾斜等させて配置して凝集流路を形成させることもできる。また、各極板に多数の通水孔を設けたり、金網状の素材で極板を形成し、極板に垂直な方向に懸濁排水が流れるようにしておくことができ、これよっても凝集流路αが形成できる。
懸濁粒子凝集槽11の底部は傾斜して形成され、沈殿された固形分を含む排水が凝集槽排出部11eからバルブ11fを開放することで適宜排出される。
陽極板13と陰極板14に電源部15を介して印加される直流電圧は2〜50ボルト、好ましくは6〜24ボルトとすることが望ましい。
これは、懸濁排水中の固形分の形態や電気伝導度、その処理量などにもよるが、この直流電圧が6ボルトより低くなるにつれ、微小粒子に対する凝集効果が低下する傾向が表れ、逆に24ボルトを超えるにつれ、懸濁排水の電解が進むと共に電極の消耗が加速される傾向が表れ、これらの傾向は2ボルトより低くなるか50ボルトより高くなるとさらに顕著になるからである。
【0028】
次に、フィルタについて、図面を用いて説明する。
図3(a)は実施の形態1のフィルタの斜視図であり、図3(b)はフィルタのろ布を取り外した状態の斜視図であり、図3(c)は、ろ過槽12に配置されるユニット化されたフィルタの斜視図である。
図3において、16は実施の形態1の懸濁水のフィルタ、16aは袋状に形成されたろ布、16bはろ布16aに内蔵された合成樹脂製管状物で略矩形枠状に形成された支持枠体、16cは支持枠体16bの中空部に連通しろ布16aの外部に開口して取り付けられた通水孔、16dはろ布16aの通水孔16c側で両面のろ布を縫着やファスナー等で固定する上側及び下側のろ布固定部、16eは支持枠体16bの各パイプに貫通して穿設された複数の取水孔、16fは支持枠体16bの枠内に配置された金属線や合成樹脂製線状物で3次元網目構造状に形成された芯材である。
図3(c)に示すようにフィルタ16は三枚を1組として、ユニット化されそれぞれの通水孔16cが三分岐管16gを介して平行に結合され、三分岐管16gの基端部がろ過槽12のろ過液排出管12bに連結されている。尚、ユニット化は2〜5枚を1組としてもよい。
支持枠体16bは図3(b)に示すように、全体が略矩形状の枠体に構成され、上部取水パイプ16ba、下部取水パイプ16bb、奥部取水パイプ16bc、前部取水パイプ16bdとで構成されている。前部取水パイプ16bdの中央より下よりの位置にろ布16aから外部に向けて突出して配置された通水孔16cが設けられている。
なお、取水孔16eは枠状に形成された支持枠体16bの枠内側に向けて一列又は複数列に形成されている。その口径は1〜5mmの範囲とし、支持枠体16bにおける取水孔16eの配置数は、各取水パイプ16ba〜16bd毎に異ならせている。即ち、各取水パイプ16ba〜16bdにおける単位長さ当たりの取水孔16eの配置数をそれぞれNa〜Ndとすると、Nb>Nc=Nd>Naの関係となるように形成されている。また、奥部取水パイプ16bc及び前部取水パイプ16bdにおける取水孔16eは下方から上方にいくほど疎になるように形成することが好ましい。これによって、通水孔16cにコンプレッサ等から圧縮空気を供給してろ布16aの逆洗を行う際の空気量を均一化させ、ろ布16aに付着した固形分の除去効率を高めることができる。
【0029】
芯材16fはポリエチレンやポリアミドなどの軟質又は硬質の合成樹脂からなり、3次元網目構造をもつように形成されるのが好ましく、これによって、ポンプ等を用いた強制排水時にろ布16aがその中央部で凹んで表裏のろ布16a同士が接触して流路が閉塞され通水性が妨げられるのを有効に防止することができる。
フィルタ16はその上端等をろ過槽12の上部に釣り下げて支持させたり、支持枠体16bやフィルタ16自体に取り付けられた図示しない支持部材などを介して立設したりして、ろ過槽12内に互いに所定間隔、例えば30〜150mmの間隔をおいて固定配置される。
それぞれのフィルタ16の内部はろ過液排出管12bに通水孔16cを介して連通されている。なお、ろ過液排出管12bを分岐構造にして、その分岐部を各フィルタ16に連結して用いてもよい。
【0030】
互いに平行配置されたフィルタ16を保持するろ過槽12の槽底12cは水平面に対して約3〜45度の角度に片傾斜またはV字状に両傾斜させている。この傾斜部の最下部に連設して、バルブ12e等を有した固形分排出部12dが配置されている。このバルブ12eを開くことによって、槽底12cに沈殿堆積する土砂などを固形分排出部12dから排出させる。
【0031】
細長に形成されたブラシ部17のブラシ17aはブラシ支持体18を介して略平板状のフィルタ16の両面側を挟み込むように配置される。
図4(a)はブラシ部を駆動させるブラシ駆動部の駆動機構を説明する平面図であり、図4(b)はその要部側面図であり、図5はブラシ駆動部の斜視図である。
図4、図5において、19はブラシ部17を左右方向に摺動させるブラシ駆動部、ブラシ駆動部19はろ過槽12の内側下部に配設されたブラシ駆動部支持部12gに載置固定されている。19aは平行配置されたフィルタ16の両サイドに配置されたブラシ支持体18をチェーン19b及びスプロケット19cを介して駆動させるためのモータである。ブラシ部17のブラシ17aはチェーン19bを介してブラシ駆動部19のモータ19aでフィルタ16の両表面に沿って駆動される。ろ過槽12とチェーン19bにはブラシ部17の上下又は左右反転位置にリミットスイッチ19d,19eが設けられており、これによってモータ19aの正逆回転が切り替えられてブラシ部17の往復摺動させる操作が制御される。
なお、ブラシ支持体18はそのフィルタ面に沿って垂直方向又は水平方向に往復摺動するようにしたリンク機構等の前後動機構を備えたブラシ駆動部で駆動されるようにしてもよい。
【0032】
以上のように構成された実施の形態1の懸濁排水処理装置10に用いて懸濁排水を処理する方法について説明する。
まず、ダムや河川、湖沼、用水路等の工事現場から流れ込む泥水等の懸濁排水、トンネル工事や河川工事、浚渫工事、造成工事、各種の建設工事などで発生する土砂等の固形分を含む懸濁排水を懸濁粒子凝集槽11内に供給する。
懸濁粒子凝集槽11に供給された懸濁排水は、所定電圧が印加された陽極板13と陰極板14との間の凝集流路を流れ、ここで、液中の微小粒子が帯電され互いに凝集して所定大きさの粒子(フロック)が形成される。
懸濁粒子凝集槽11で電解処理されフロック化された粒子を含む懸濁排水は連結管12aからろ過槽12に供給され、フィルタ16のろ布16aでろ過される。こうしてフィルタ16の表面に沈着付着された固形分とろ過液とに分離され、ろ過液がフィルタ16下部の通水孔16cからろ過液排出管12bを介して排出される一方、フィルタ16の面上に付着した後剥離した土砂などの固形分は、槽底12cに貯留され、必要に応じて、固形分排出部12dから排出される。
この間、フィルタ16の両面にはブラシ部17のブラシ17aの毛先が当接され、ブラシ駆動部19を用いて所定の速度で往復摺動され、これによって、フィルタ16のろ布16aの表面のスラッジを落としろ布16aのろ過圧が常時一定となる適正なろ過条件に維持させている。
こうして、懸濁排水を懸濁粒子凝集槽11とろ過槽12とに連続的に供給して、微小粒子を含む懸濁排水の浄化処理を効率的に行うことができる。
【0033】
実施の形態1の懸濁排水処理装置は以上のように構成されているので以下の作用を有する。
(1)懸濁粒子凝集槽11で液中の微小粒子を帯電させることができ、浮遊性の懸濁粒子のフロック化を促して、ろ過槽12のフィルタ16で捕捉できる所定大きさ(5〜10μm以上)まで成長させ、この固形分をろ過槽12のフィルタ16上に確実に保持させて清水部分と固形分とに効率的に分離できる。
(2)袋状に形成されたフィルタ16の外部表面にその毛先が当接して配置されたブラシ部17のブラシ17aをその外部表面に沿って往復摺動させるので、フィルタ16面上の固形分の付着層を常時除去して、目詰まりさせることなく常時、一定のろ過条件を保持させることができ、処理作業の効率化が図られる。
(3)ろ布16aの表面にブラシ部17のブラシ17aでろ布16aの表面を軽く当接させるので、一定量の微粒子状の固形分をろ布16a中に保持させ、フィルタ本来の網目間隔を該固形分で狭めた状態で使用でき、0.1〜5μm程度の微小粒子を透過させることなく捕捉できる。
(4)懸濁水が袋状に形成されたフィルタ16の外部表面側から内部裏面側に流れるので、このフィルタ16の外側部分に付着した固形分の除去を容易に行うことができる。
(5)ブラシ部17を有しているので、フィルタ16に固着した付着層を凝集させた状態で除去してろ過条件を一定に維持させることが容易にできるので、処理効率の向上が図られ、ダムや河川等の懸濁排水を大量に処理することが可能になる。
(6)フィルタ16が袋状になっているので、設備スペースが狭い場合でもそのフィルタ面を有効に活用して、効率的に懸濁排水を処理できる。
(7)従来の凝集剤を用いる水処理装置のように有害な溶出物がないので、浄化処理に伴って環境を汚染させるおそれがない。
(8)ブラシ部17を往復摺動させるブラシ駆動部19を有するので、フィルタ面へのエア吹き付けやフィルタの振動付加、逆流等による従来の付着層の除去方法等に比較して、確実に付着層を除去できる。
(9)従来は化学的な方法で懸濁粒子の除去を行っていたが、本発明は物理的な除去なので水に溶解したミネラル分等はそのまま処理水として河川やダムに排出されるので、河藻や海藻の成長を促進し、環境保全、改善効果を得ることができる。
【0034】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る懸濁排水処理装置について説明する。
図6は実施の形態2の懸濁排水処理装置の斜視図であり、図7はその側面断面模式図である。
図6及び図7において、20は実施の形態2の懸濁排水処理装置、21は実施の形態1と同様の構成の懸濁粒子凝集槽11とろ過槽12を一体化し共に内蔵して配置された処理水槽、22,23は懸濁粒子凝集槽11の上流側及び下流側に設けられ懸濁排水を上昇下降させる上昇流路と下降流路とを備えた上流側及び下流側粒子沈殿部、24はろ過液排出管12bから流出するろ過水を貯水する貯水槽、24aは貯水槽24のろ過水を河川等に排水する排水管、25はポンプ、25aは貯水槽24からポンプ25にろ過水を送る吸水管、26はポンプ25の吸引側へ炭酸ガスを供給するガス供給部、27は炭酸ガスとろ過水の混合流体を吐出する吐出管、28は略回転対称形に形成された中空部を有する器体28aと、器体の周壁部に接線方向に開口され気液導入管28bが連設された気液導入孔と、中空部の回転対称軸の方向に開口して設けられた気液噴出孔28cとを備えた微細気泡混合液噴出器である。微細気泡混合液噴出器28の気液導入管28bから気液導入孔にポンプ25を介して炭酸ガスや空気の気泡を含む水を流入させると、器体周壁の接線方向から流入した水流は、器体28aの内壁に沿って旋回して、この旋回運動によって、水に内在した気泡が微細気泡となり、微細気泡の炭酸ガスや空気を含む気液混合水を気液噴出孔28cから吐出させることができ、水中のアルミニウムイオンやカルシウム等のアルカリ分を水中に溶存したCO2で中和したり、溶存酸素量を高め、水質浄化等を促進させることができる。
なお、以下の説明において、実施の形態1と同様の作用を有するものについては同一の符号を付してその説明を省略する。
上流側粒子沈殿部22は、懸濁排水が供給される供給配管11a側に垂設されその下端が開口して保持される上部隔壁22aと、処理水槽21の槽底21aから立設されその上端が突出して保持される下側が流水可能に形成された下部隔壁22bとを備えてこの隔壁間に懸濁排水を上昇下降させるための下降流路と上昇流路が形成されている。なお処理水槽21の上流側粒子沈殿部22及び懸濁粒子凝集槽11、下流側粒子沈殿部23の底部は傾斜して形成され、その下端側には沈殿物を排出させる孔部等で形成された排出部22cや貯留部が設けられており、必要に応じて沈殿物が連続的又は間欠的に取り出せるようになっている。なお排出部22cは上流側粒子沈殿部22及び懸濁粒子凝集槽11、下流側粒子沈殿部23ごとに独立して設けることもできる。
下流側粒子沈殿部23は懸濁粒子凝集槽11とろ過槽12との間に垂直又は傾斜させて取り付けられた上部隔壁23aと下側に流水部が形成された下部隔壁23bを備えて形成されている。これによって、懸濁粒子凝集槽11の上部側から懸濁排水を取り込み槽底21a側に下降させて流れ上方に反転させることで、懸濁排水の流れのショートパスを防止して、懸濁排水の浄化処理を効率的行えると共に、特に大きく成長した固形分を上部隔壁23aの下側で沈殿させて除去することができる。
【0035】
次に、電極支持構造について、図面を用いて説明する。
図8は懸濁粒子凝集部における電極支持構造を示す断面構成図である。
図8において、30は懸濁排水が供給配管11aを介してその上部側などから供給される懸濁粒子凝集槽11の処理水槽や電解水槽等の水槽壁部、13,14はアルミなどの導電性材料で略平板状に形成され、それぞれ所定間隔をおいて配置される陽極板及び陰極板、31は黄銅などの金属からなる導電性スペーサ31aを介して電気的に接続して各電極板を保持させるための導電性支持部、32は塩化ビニル製のパイプ等からなる非導電性スペーサ32aを介して各電極板13,14を絶縁状態で支持するための非導電性支持部、33は各電極板13,14をそれぞれ電源部15に接続するための導線である。
陽極板13と陰極板14はその上下部や中間部で導電性支持部31や非導電性支持部32を介して連結保持されて所定間隔を維持させ極板間に凝集流路が形成されるようにしている。このため、例えば水槽壁部30の上部側に設けた供給配管11aから懸濁排水を供給すると、導電性支持部31と非導電性支持部32によって支持された陽極板13と陰極板14との間の凝集流路で、極めて微細な懸濁粒子を凝集させて5μm以上の粒子に成長させることができるので、沈殿させるとともに、下流側のろ過槽12で容易にろ過して分別させることができる。水槽壁部30の側壁部や下部側等に設けた図示しない排出口等から電解処理された懸濁排水を排出させることができる。
【0036】
実施の形態2の懸濁排水処理装置20は以上のように構成されているので、実施の形態1の作用に加えて、以下の作用を有する。
(1)懸濁粒子凝集槽11の上流側及び下流側に粒子沈殿部22、23が配置されているので、供給される懸濁排水の流れを上下方向に反転させ、この流れの変化によって、懸濁排水中の比重の大きい固形分を効果的に沈殿分離できる。
(2)処理水槽21内に懸濁粒子凝集槽11とろ過槽12とが内蔵されているので、全体をコンパクトにすることができる。
(3)懸濁粒子凝集槽11でフロック化処理された懸濁排水を直接、ろ過槽12に供給できるので懸濁排水の移送に伴う圧力損失等のロスが少なく、装置運転時における経済性にも優れている。
(4)上部隔壁22a,23aや下部隔壁22b,23bを有しているので比重の重い粒子が粒子沈殿部22,23に沈降するので、懸濁粒子凝集槽11やろ過槽12における懸濁排水の浄化処理を軽減して、装置全体の耐用性やメンテナンス性を高めることができる。
(5)電力等の駆動源を要せず所定大きさの浮遊粒子を沈殿させることのできる粒子沈殿部22,23を備えるので、懸濁排水の浄化処理をさらに経済的に行うことができる。
(6)電極板への通電により微細な懸濁粒子を電気的に凝集させるので、ろ過槽12のフィルタ16の目詰まりを防ぐことができ運転時間を著しく長くすることができる。
【0037】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る懸濁排水処理装置について説明する。
図9は実施の形態3の懸濁排水処理装置のろ過槽に配設されるろ過ユニットとブラシ部の要部斜視図であり、図10はブラシ部の変形例の斜視図である。図9,10において、12bはろ過液排出管、16はフィルタ、16cは通水孔、16dはろ布固定部であり、これらは実施の形態1と同様なものなので、同一の符号を付し説明を省略する。
図9において、17aaは90°以内で反転するモータにカップリング等を介して軸着されたブラシ回動軸191に軸着されたステンレス製や木製、FRP等で形成されたブラシ部、17caはブラシ部17aaに固定された合成樹脂製シートやゴム管等で形成されたブラシである。尚、ブラシ部17aa,17aaは交互に90°以内で回動するように回動が調整されている。
図10において、17abはモータにカップリング等を介して軸着された回転軸192に軸着されたステンレス等で形成されたブラシ部、17cbはブラシ17caと同様の材質でブラシ部17abに固定されたブラシである。フィルタ16間に配設されるブラシ部17aa,17abには両面にブラシ17ca,17cbが形成されている。
以上のように実施の形態3のブラシ部は構成されているので、簡単な機構で、フィルタ16の表面のスラッジをなで降ろすことができる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に記載の懸濁排水処理装置によれば、以下の効果を有する。
(1)袋状に形成されたフィルタの外部表面にその毛先が当接して配置されたブラシ部をフィルタの外部表面に沿って往復摺動させるので、フィルタ面上の固形分の付着層を除去して、目詰まりさせることなく、一定のろ過条件を保持させることができ、ろ過効率の経時的安定性を維持すると共にフィルタの目詰まりによるメンテナンスの回数を著しく削減でき、ろ過作業の作業性を向上できる。
(2)フィルタ表面がブラシ部で所定間隔で掃引され、フィルタ層の内部に一定量の固形分を保持させてフィルタ本来の網目間隔を狭めた状態で使用でき、数μm程度の微小粒子を透過させることなく捕捉できる。
(3)ブラシ部を往復摺動させるブラシ駆動部を有するので、フィルタ面へのエア吹き付けやフィルタの振動付加等による従来の付着層の除去方法等に比較して、確実に付着層を除去できる。
(4)ブラシ部の毛先をフィルタの外部表面に沿って往復摺動させるので、フィルタ面を損傷させることがなく、メンテナンス性や耐用性に優れている。
(5)ブラシ部をフィルタの外部表面に沿って往復摺動させるので、フィルタ面上に付着した固形分の付着層を除去でき、常時、適正なろ過条件を安定的に保持させることができ、処理作業の効率化と安定化とが図られる。
(6)ブラシ部の毛先だけを当接させるので、フィルタ層の内部に一定量の固形分を保持させた透水状態を維持して使用でき、フィルタ網目の間隔より小さい微小粒子でも透過させることなく捕捉できる。
(7)ブラシ部を往復摺動させるブラシ駆動部を有するので、フィルタ面へのエア吹き付けやフィルタの振動付加等による従来の付着層の除去方法等に比較して、確実に付着層を除去でき、作業性とメンテナンス性に優れている。
(8)フィルタが袋状に形成され、懸濁水がこの袋状のフィルタの外部表面側から内部裏面側に流れるので、このフィルタの外側部分に付着した固形分の除去を容易に行うことができ、フィルタのろ過時間が長くメンテナンス性に優れる。
(9)フィルタに固着した付着層を除去してろ過条件を一定に維持させることが容易にできるので、処理効率の向上が図られ、河川工事等からの大量の懸濁排水を効率的に処理することが可能になる。
(10)フィルタが袋状になっているので、処理水槽内のスペースが狭い場合でもそのフィルタ面を有効に活用して、効率的に懸濁排水を処理できる。
(11)従来の凝集剤を用いる水処理装置のように溶出物がないので、浄化処理に伴って環境を汚染させるおそれがない。
(12)陽極板と陰極板間に直流電圧を印加することにより、この凝集流路を流れる懸濁排水中の微小粒子を帯電させ浮遊性の懸濁粒子のフロック化を促して、下流のろ過槽のフィルタで捕捉できる所定大きさまで成長させ、この電気処理された懸濁排水中の固形分をろ過槽のフィルタ上に確実に保持させて清水部分と固形分とに効率的に分離させることができろ過性に優れる。
(13)懸濁粒子凝集槽の下流側に隔壁を介してろ過槽が直列配置されるので、処理水槽全体をコンパクトにすることができ、トラックの荷台部分に装置を搭載して容易に移動させることができ、道路工事におけるアスファルトやコンクリート道路の面部をカッターで切断する際などに伴って発生する懸濁排水を容易に処理することができる。
(14)懸濁粒子凝集槽でフロック化処理された懸濁排水が直列配置されたろ過槽に供給されるので、懸濁排水の流動に伴う圧力損失等のロスが少なく、全体の浄化処理効率を高めることができる。
(15)通水管の枠内側に3次元網目構造を有した芯材を配置して外圧力でろ過部のフィルタが潰れないようにしておくことができ、ポンプ等を用いた強制排水時にろ布がその中央部で凹んで表裏のろ布同士が接触して流路が閉塞され通水性が妨げられるのを有効に防止することができる。
(16)通水孔にコンプレッサ等から圧縮空気を供給したり、浄化水を用いた加圧水等を流すことによりろ布の逆洗を行うことができる。
【0040】
請求項2に記載の懸濁排水処理装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、以下の効果を有する。
(1)凝集流路の上流側及び/又は下流側に上昇流路と下降流路とを備えた粒子沈殿部が配置されているので、供給される懸濁排水の流れを上下方向に反転させ、この流れの変化によって、懸濁排水中の固形分を効果的に沈殿分離させることができる。
(2)以降の凝集流路やろ過部における懸濁排水の浄化処理を軽減して、装置全体の耐用性やメンテナンス性に優れる。
(3)電力等の駆動源を要せず所定大きさの浮遊粒子を沈殿させることのできる粒子沈殿部を備えるので、懸濁排水の浄化処理をさらに経済的に行うことができる。
【0043】
請求項3に記載の懸濁排水処理装置によれば、請求項1又は2に記載の効果に加えて、以下の効果を有する。
(1)中和手段を有するので、アルカリイオンにより河川等の放流先がアルカリ化を防止でき、耐環境性(河川の汚濁防止など)に優れる。
(2)アルカリイオンによる河川等の生物のアルカリ蓄積を防止できる。
【0044】
請求項4に記載の懸濁排水処理装置によれば、請求項3に記載の効果に加えて、以下の効果を有する。
(1)中和手段を有するので、アルカリ分を中和したり、溶存酸素量を高めることができる。
【0045】
請求項5に記載の懸濁排水処理方法によれば、以下の効果を有する。
(1)懸濁排水が供給される処理水槽内に配置された袋状のフィルタで懸濁排水をろ過させるろ過工程と、ブラシ駆動部を介してブラシ部をフィルタの表面に沿って往復摺動させるブラシ工程を有するので、そのフィルタ面に堆積付着した固形分を確実に除去し、ろ過時間を長期にし作業性に優れる。
(2)フィルタが常時適正なろ過状態に維持されるので、懸濁排水の浄化処理を大量かつ効率的に行うことができる。
【0046】
請求項6に記載の懸濁排水処理方法によれば、請求項5に記載の効果に加えて、以下の効果を有する。
(1)凝集流路を流れる懸濁排水中の微小粒子を帯電させる凝集工程を備えるので、浮遊性の懸濁粒子のフロック化を促して、ろ過部のフィルタで捕捉できる所定大きさまで成長させ、懸濁排水中の固形分をろ過部のフィルタ上に確実に保持させて清水部分と固形分とに効率的に分離させることができる。
(2)従来の凝集剤を用いる水処理方法のように溶出物がないので、浄化処理に伴って環境汚染を防止できる。
【0047】
請求項7に記載の懸濁排水処理方法によれば、請求項5又は6に記載の効果に加えて、以下の効果を有する。
(1)懸濁排水がpH9〜12のアルカリ性を呈しても中和し、pH7の中性とすることができ放流先の河川等の汚染を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の懸濁排水処理装置の斜視図
【図2】 実施の形態1の懸濁排水処理装置の断面模式図
【図3】 (a)実施の形態1のフィルタの斜視図
(b)フィルタのろ布部を取り外した状態の斜視図
(c)ろ過部に配置されるフィルタユニットの斜視図
【図4】 (a)ブラシ部を駆動させるブラシ駆動部の駆動機構を説明する側面図
(b)その平面図
【図5】 ブラシ駆動部の斜視図
【図6】 実施の形態2の懸濁排水処理装置の斜視図
【図7】 実施の形態2の懸濁排水処理装置の構成断面図
【図8】 実施の形態1、2の懸濁粒子凝集部における電極支持構造の変形例を示す断面構成図
【図9】 実施の形態3の懸濁排水処理装置のろ過部に配設されるろ過ユニットとブラシ部の要部斜視図
【図10】 ブラシ部の変形例の斜視図
【符号の説明】
10 実施の形態1の懸濁排水処理装置
11 懸濁粒子凝集槽
11a 供給配管
11b 懸濁粒子凝集部
11c スペーサ
11d 電極支持体
11e 凝集槽排出部
11f バルブ
11g 凝集槽槽底
12 ろ過槽
12a 連結管
12b ろ過液排出管
12c 槽底
12d 固形分排出部
12e 開閉弁
12f バルブ
12g ブラシ駆動部支持部
13 陽極板
14 陰極板
15 電源部
16 フィルタ
16a ろ布
16b 支持枠体
16c 通水孔
16d ろ布固定部
16e 取水孔
16f 芯材
16g 三分岐管
17、17aa、17ab ブラシ部
17a、17ca、17cb ブラシ
18 ブラシ支持体
19 ブラシ駆動部
19a モータ
19b チェーン
19c スプロケット
20 実施の形態2の懸濁排水処理装置
21 処理水槽
21a 槽底
22 上流側粒子沈殿部(粒子沈殿部)
22a 上部隔壁
22b 下部隔壁
22c 排出部
23 下流側粒子沈殿部(粒子沈殿部)
23a 上部隔壁
23b 下部隔壁
24 貯水槽
24a 排水管
25 ポンプ
26 ガス供給部
28 微細気泡混合液噴出器
30 水槽壁部
31 導電性支持部
31a 導電性スペーサ
32 非導電性支持部
32a 非導電性スペーサ
33 導線
191 回動軸
192 回転軸

Claims (7)

  1. 陽極板及び陰極板が平行配置されて形成された間隙に土砂等の固形分を含む懸濁排水が供給される凝集流路を備えた懸濁粒子凝集部が配設された懸濁粒子凝集槽と前記懸濁粒子凝集槽の下流側に隔壁を介して直列配置されたろ過槽とを有する処理水槽と、前記処理水槽の前記ろ過槽に配置されその外部表面側から前記懸濁排水が供給されて内部裏面側からろ過された処理水が排出される全体に密閉して形成された袋状のフィルタを備えたろ過部と、前記フィルタの表面にその毛先が当接して配置されたブラシ部と、前記ブラシ部を前記フィルタの表面に沿って往復摺動させるブラシ駆動部と、を有し、
    前記フィルタが、袋状に形成されたろ布と、パイプで全体が枠状に形成され枠内側に3次元網目構造を有した芯材が配設され前記ろ布に内蔵された支持枠体と、前記支持枠体の中空部に連通し前記フィルタの側方下部に前記ろ布の外部に開口して取り付けられ前記フィルタ内のろ過液の排出と前記ろ布の逆洗を行うための圧縮空気や加圧水の供給を行う通水孔と、前記支持枠体の各パイプに貫通して穿設され前記支持枠体の枠内側に向けて一列又は複数列に形成された複数の取水孔と、を有することを特徴とする懸濁排水処理装置。
  2. 前記懸濁粒子凝集槽に、前記懸濁粒子凝集部の凝集流路の上流側及び/又は下流側に懸濁排水を上昇下降させる上昇流路と下降流路とを備えた粒子沈殿部が形設されていることを特徴とする請求項1に記載の懸濁排水処理装置。
  3. 前記懸濁粒子凝集槽又は前記ろ過槽、前記処理水槽のいずれか1以上の内部に、アルカリ性の前記懸濁排水を中和する中和手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の懸濁排水処理装置。
  4. 前記中和手段が、散気管と、前記散気管に炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給部と、を有する、又は、微細気泡混合液噴出器と、前記微細気泡混合液噴出器に炭酸ガスと水との混合流体を供給するポンプと、を有することを特徴とする請求項3に記載の懸濁排水処理装置。
  5. 請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の懸濁排水処理装置を用いた懸濁排水処理方法であって、土砂等の固形分を含む懸濁排水を前記処理水槽内に供給する懸濁水供給工程と、前記処理水槽内に配置され全体に密閉して形成された袋状の前記フィルタの外部表面側から内部裏面側に前記懸濁排水をろ過させるろ過工程と、前記フィルタの表面にその毛先が当接された前記ブラシ部を前記ブラシ駆動部を用いて前記フィルタの表面に沿って往復摺動させるブラシ工程とを有することを特徴とする懸濁排水処理方法。
  6. 前記懸濁水供給工程の前工程として、前記陽極板と前記陰極板が平行配置された前記凝集流路で前記懸濁排水中の懸濁粒子を凝集させる凝集工程を備えていることを特徴とする請求項5に記載の懸濁排水処理方法。
  7. 前記ろ過工程又は前記凝集工程において、前記懸濁排水のアルカリ分を中和する中和工程又は溶存酸素量を高める溶存酸素富化工程を備えていることを特徴とする請求項5又は6に記載の懸濁排水処理方法。
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