JP2020131070A - 建設泥水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Mei Cho
銘 張
山口 健二
Kenji Yamaguchi
健二 山口
純一 山野辺
Junichi Yamanobe
純一 山野辺
和彦 小松
Kazuhiko Komatsu
和彦 小松
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Abstract

【課題】地盤掘削や地盤改良などで発生する建設泥水を短時間で固液分離することができる新規な処理方法および処理装置を提供する。【解決手段】建設泥水に20V以上の直流電圧を印加して、凝集粒子を形成することを特徴とする、建設泥水処理方法を採用する。また、建設泥水を収容する収容部と、前記収容部に設けられた少なくとも一対の電極と、前記電極のそれぞれに電気的に接続され、対になる電極間に20V以上の直流電圧を印加する直流電源と、を備えることを特徴とする、建設泥水処理装置を採用する。【選択図】図1

Description

本発明は、地盤掘削又は地盤改良工事等で発生する建設泥水の処理方法及び処理装置に関する。
地盤掘削又は地盤改良工事等において発生する建設泥水を適切に処理することは、自然環境の保全および建設残土の有効利用において重要である。特に日本では、シールドトンネルの掘削や地盤改良などの工事が数多く行われることにより、泥水の発生機会が多く、また泥水の発生量も多いため、建設泥水の適切な処理の重要性は極めて高い。
建設泥水は、水中に土の微粒子が分散した懸濁液であり、その処理にあたっては、固液分離を行うことが通常である。
建設泥水の固液分離技術として、特許文献1〜3には、泥水に高分子凝集剤を添加してフロックを形成した後、濾過等により固液分離する方法が開示されている。
また、特許文献4、5には、フィルタープレスやスクリュープレスにより泥水を脱水する方法が開示されている。
さらに、特許文献6〜8には、泥水に電極を浸漬して電圧を印加し、電解ないし電気泳動現象を利用して懸濁粒子を寄せ集める技術が開示されている。
特開2017−119272号公報 特開2007−7535号公報 特開2003−236308号公報 特開2018−34135号公報 特開2010−12495号公報 特開平5−337499号公報 特開平6−71299号公報 特開平6−154762号公報
高分子凝集剤を用いた固液分離方法では、凝集剤のコストがかかるため、処理全体のコストが高くなってしまう。また、高分子凝集剤が化学物質であることから、分離された水を放流する際や分離された固形分(ケーキ)を再利用ないし処分する際に、該凝集剤が環境に与える影響が懸念され、今後使用が規制される虞もある。
フィルタープレスないしスクリュープレスでは、脱水に時間がかかると共に、脱水効果、すなわち脱水ケーキの低含水率化にも限界がある。また、フィルタープレスについては、目詰まりが発生しやすく、これを解消するための逆洗も困難であるという問題もある。
電解ないし電気泳動現象を利用した固液分離方法では、土粒子をある程度寄せ集めることはできるものの、固液分離が完全にできず、凝集剤などによる処理を併用する必要があるという問題がある。
そこで本発明は、これらの問題点を解消し、地盤掘削や地盤改良などで発生する建設泥水を短時間で固液分離することができる新規な処理方法および処理装置を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために種々の検討を行ったところ、建設泥水に高い直流電圧を印加して凝集粒子を形成することにより、建設泥水を短時間で固液分離できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、前記課題を解決するための本発明の第1の実施態様は、建設泥水に20V以上の直流電圧を印加して、凝集粒子を形成することを特徴とする、建設泥水処理方法、である。
また、本発明の第2の実施態様は、建設泥水を収容する収容部と、前記収容部に設けられた少なくとも一対の電極と、前記電極のそれぞれに電気的に接続され、対になる電極間に20V以上の直流電圧を印加する直流電源と、を備えることを特徴とする、建設泥水処理装置である。
本発明によれば、建設泥水を短時間で固液分離することができる。
本発明の第2の実施態様に係る建設泥水処理装置を示す模式図 本発明の第2の実施態様に係る建設泥水処理装置において、貯留槽に剛性フィルターを設ける場合の配置例を示す模式図 本発明の第2の実施態様に係る建設泥水処理装置において使用可能な真空脱水機の構造を示す模式図 本発明の実施態様を現場(オンサイト)での建設泥水の処理に適用した例を示す模式図
以下、本発明の実施態様の構成及び作用効果について、技術的思想を交えて説明する。なお、数値範囲の記載(2つの数値を「〜」でつないだ記載)については、下限及び上限として記載された数値をも含む意味である。
本発明の実施態様(本発明の第1の実施態様及び第2の実施態様を含み、以下「本実施態様」と総称する。)において処理の対象となる建設泥水は、地盤掘削や地盤改良工事で発生する、土砂を含む水である。土の微粒子が安定して分散した懸濁液であるため、環境中にそのまま放流することはできず、また固液分離も容易でないため、その処理は困難である。
[建設泥水の処理方法]
まず、本発明の第1の実施態様(以下、「第1実施態様」と記載する。)に係る建設泥水の処理方法について説明する。
この処理方法では、建設泥水に20V以上の直流電圧を印加する。
前記直流電圧の印加により、建設泥水に含まれる土等の微粒子が集合して凝集粒子を形成する。
20V以上の直流電圧を印加することで、凝集粒子を安定して形成することができる。また、前記直流電圧は、電極間の電流密度が0.003A/cm以上となる値とすることが好ましい。印加する直流電圧の上限値に制限はないが、装置設計上の制約が小さい点で80V以下とすることが好ましい。
この凝集粒子形成のメカニズムは、以下のように考えられる。建設泥水に20V以上の高い電圧が印加されると、水が効率よく電気分解し、陽極では水素イオンが生じて酸性になり、陰極では水酸化物イオンが生じてアルカリ性になる。このとき、陽極では、土の微粒子中に存在する鉄、アルミニウム及びカルシウム等の金属イオンが水素イオンとの交換により溶出し、陰極側へ移動する。この金属イオンが陰極で水酸化物イオンと結合し、沈殿性の水酸化物を形成する。この沈殿性の水酸化物が核となって土粒子凝集体(凝集粒子)の形成が開始される。凝集粒子が大きくなるにつれて周辺の微粒子に作用する引力が大きくなり、該微粒子を取り込むことで凝集粒子が成長する。また、電気場および電気熱で発生する対流場において、凝集粒子同士の衝突も発生するため、凝集粒子のサイズが大きくなるだけでなく、重さも大きくなり、崩れにくい凝集粒子になる。
他方、印加電圧が低い場合には、前述した水の電気分解は殆ど起こらないため、土の微粒子は電気泳動によって正極側に移動し、電極に付着するに留まる。このため、微粒子が凝集し、大きく崩れにくい粒子を形成することはない。
建設泥水に直流電圧を印加する時間は限定されないが、十分に粒径が大きく崩れにくい凝集粒子を得る点で、20分以上が好ましく、30分以上がより好ましい。他方、ある一定時間を超えて直流電圧を印加しても、凝集粒子の成長速度が漸減するため、短時間で処理を終える点からは、直流電圧を印加する時間は、2時間以下が好ましく、60分以下がより好ましい。
第1実施態様では、建設泥水の濃度に応じて、直流電圧の印加前に希釈を行ってもよい。建設泥水を希釈することによって、その粘度が低下して流動性がよくなるため、微粒子の凝集が容易になる。建設泥水を希釈する際には、ファンネル粘度計で計測した粘性が26秒以下となるように調整することが好ましい。
第1実施態様では、直流電圧の印加により凝集粒子を形成した建設泥水を、自重により固液分離してもよい。固液分離処理により、含水比の少ない固形分と固形分量の少ない水とが得られるため、その後の固形分及び水の更なる処理が容易になる。また、固液分離を自重により、すなわち積極的に加圧ないし減圧を行うことなく実施することで、使用するフィルターの目詰まりが生じにくくなる上に、分離された固形分の密度上昇が抑えられ、その後の脱水等の更なる処理が容易となる。
第1実施態様では、前記自重による固液分離の後、得られた固形分を更に真空脱水し、含水比40%以下の建設発生土としてもよい。含水比40%以下の建設発生土は、工作物及び建築物の埋戻し、土木構造物の裏込め、道路、鉄道及び空港の盛土、河川築堤、土地造成並びに水面埋立等に利用することができるため、真空脱水処理は、システムの簡便さと廃棄物減量の点で好ましい。
[建設泥水処理装置]
次に、本発明の第2の実施態様(以下、「第2実施態様」と記載する。)に係る建設泥水処理装置について、図面を参照しながら説明する。
第2実施態様に係る建設泥水処理装置1は、図1に示すように、建設泥水を貯留する貯留槽2、該貯留槽2内に設けられた、陽極31及び陰極32からなる少なくとも1対の電極3、並びに前記電極3に電気的に接続され、前記陽極31及び前記陰極32の間に20V以上の直流電圧を印加する直流電源4を備える。
貯留槽2は、処理対象となる建設泥水を貯留できるものであれば、材質及び形状等は限定されない。貯留槽2の材質としては、例えば塩化ビニルやポリエチレン樹脂などが挙げられる。また、該貯留槽2は、1つの材質で形成されてもよく、複数の材質を組み合わせて形成されてもよい。貯留槽2の形状としては、例えば円筒状、四角形を始めとする多角形の底面を有する筒状、中空の球ないし半球状等が挙げられるが、応力集中を避け、耐水圧性能のよい円筒状もしくは半球状が好ましい。また、図1中では、貯留槽2の構造としてバッチ処理用のものを示しているが、フロー処理用の構造を有するものとしてもよい。
貯留槽2は、図2に示すように、建設泥水を固液分離する剛性フィルター5と、剛性フィルター5で分離された液体成分を槽外に排出する排出口6とを更に備えてもよい。貯留槽2に剛性フィルター5と排出口6とを配置することで、直流電圧の印加によって土微粒子が凝集・沈降した建設泥水を、輸送等のハンドリングを行うことなくそのまま濾過することができるため、ハンドリングに伴う凝集粒子の破壊と微粒子の発生、及び該微粒子によるフィルターの目詰まりが抑制され、固液分離をスムーズに行うことができる。
剛性フィルター5は、剛性を有する、すなわち付着した固形分を除去すべく通常の条件で逆洗した際に、変形ないし破損を生じないものであれば、材質及び形状は限定されない。また、剛性フィルター5の開口の大きさは、固液分離後の液体成分に求められる清澄度に応じて適宜決定すればよい。剛性フィルター5の例としては、積層焼結金網、プラスチック焼結多孔質体、セラミック焼結多孔質体及びなどポーラスメタルなどが挙げられる。
剛性フィルター5は、図2(a)に示すように、貯留槽2の下方に、底面と略平行に配置してもよいが、図2(b)に示すように、貯留槽2の側壁に沿って配置することが、貯留槽2内に沈降した凝集粒子によって排水が阻害されにくく、また透過面積も広い点で好ましい。
建設泥水処理装置1における電極3は、陽極31及び陰極32からなる。なお、「陽極」及び「陰極」はそれぞれ、「正極」及び「負極」と呼ばれることもあるが、本実施態様では、上述したとおり水の電気分解が起こって電流が流れるため、「陽極」及び「陰極」の語を用いる。また、図1中には一対の電極3のみが図示されているが、複数対の電極3を備える装置も第2実施態様に含まれる。
電極3は、貯留槽2内の建設泥水に所期の直流電圧を印加できるものであれば、材質及び形状等は限定されない。また、陽極31と陰極32とを同じ材質で、同一形状に形成してもよく、両者を異なる材質で、又は異なる形状に、それぞれ形成してもよい。電極3の材質としては、例えばステンレス、チタン、アルミニウム、炭素及び白金などが挙げられる。また、電極3を構成する陽極31及び陰極32はそれぞれ、1つの材質で形成されてもよく、コーティング等により複数の材質を組み合わせて形成されてもよい。陽極31は腐食されやすいため、不溶性の酸化イリジウムで被覆した金属電極、又は消耗性ではあるが安価な炭素電極等を用いることが好ましい。電極3の形状としては、例えば平板状、曲板状、筒状、棒状及び網状等が挙げられる。
電極3は、建設泥水を流通可能な開口部を有する形状としてもよい。電極3をこのような形状とすることにより、建設泥水の流動及び泥水中の土粒子の移動を妨げることなく効率よく凝集させることができる。このような形状を得るためには、パンチングメタル、エキスパンドメタル又は金属網などで電極3を形成すればよい。
電極3を構成する陽極31と陰極32との距離は、処理対象となる建設泥水の性質、貯留槽2の大きさ及び使用する直流電源4の性能等に応じて適宜設定すればよい。一例として、40〜200mmが挙げられる。
陽極31及び陰極32の貯留槽2内での配置も限定されず、図1に示されるような陽極31と陰極32とが対向する配置の他、貯留槽2の中央部に配置された一方の電極を他方の電極が取り囲む配置としてもよい。貯留槽2内に剛性フィルター5を設ける場合には、上述したように凝集粒子の沈降が陰極32側に生じることを考慮して、剛性フィルター5に近い側に陰極32を配置することが、固液分離をスムーズに行う点で好ましい。
直流電源4は、電極3に電気的に接続され、対になる電極、すなわち陽極31と陰極32との間に20V以上の直流電圧を印加できるものであればよい。処理対象となる建設泥水の性質に応じて印加する電圧を調節する点からは、電源電圧を変更可能なものが好ましい。
建設泥水処理装置1は、図1に示すように、貯留槽2の後段に、固液分離後の剛性フィルター5に付着した固形分を脱水する真空脱水機7を備えてもよい。真空脱水機7で固形分の脱水処理を行うことで、含水比40%以下の建設発生土が得られ、上述した種々の用途に利用できる。真空脱水機7は、減圧ないし吸引により固形分から水分を除去するものであれば、構造等は限定されず、一例として図3に示す構造のものが使用できる。
図3に示される真空脱水機7は、湿潤状態の土粒子凝集体を収容する上部容器71、及び真空吸引と分離水の貯留とを行う下部容器72を備える。上部容器71と下部容器72との間には、ゴムパッキン(図示せず)が挟まれており、止水構造となっている。上部容器71の下部には、波状剛性フィルター73が設置されている。波状剛性フィルター73の材質及び形状は、脱水時に生じる圧力差に耐えられるものであれば限定されない。波状のフィルターを使用することで、有効濾過面積が大きくなり、濾過と脱水の効率が高くなる。真空吸引は下部容器72に接続された真空ポンプ(図示せず)によって行い、分離した水は下部容器72に収容される。他方、土粒子凝集体は、真空脱気によって水分が除去され、含水比の低い建設発生土として上部容器71から排出される。
建設泥水処理装置1は、図1に示すように、貯留槽2の前段に、貯留槽2に供給する建設泥水を希釈する希釈槽8を備えてもよい。希釈槽8を設けることで、建設泥水の粘度を微粒子が凝集しやすいものに調整できるため、処理槽2における処理を効率的に行うことができる。
なお、建設泥水処理装置1は、排出口6及び/又は真空脱水器7からの排水を希釈槽8に供給する流路(図1中には図示せず)を更に備えてもよい。
[現場(オンサイト)での建設泥水の処理例]
以下、本実施態様を地盤掘削や地盤改良工事が行われている現場(オンサイト)での建設泥水の処理に適用した例について、図面に基づいて具体的に説明する。
図4は、本実施態様による建設泥水処理装置及びこれを用いた建設泥水の処理フローを模式的に示すものである。本例ではまず、地盤掘削または地盤改良などで発生する泥水を原液泥水として一時貯留槽に収容する。この一時貯留槽は、剛性の容器やタンク、又は遮水シートを敷設したトレンチでもよく、泥水の発生量が少ない場合は設けなくてもよい。
次に、この一時貯留槽の原液泥水を希釈槽8に移送して、原液泥水の粘性や比重に応じて2〜5倍程度に希釈する。希釈槽8は、一時貯留槽同様に、剛性の容器やタンク、又は遮水シートを敷設したトレンチでもよい。また、泥水を希釈する必要がない場合は設けなくてもよい。
続いて、前記希釈した泥水を貯留槽2に移送する。貯留槽には、陽極31と陰極32とからなる電極3が設置されており、槽内の泥水に20V以上の直流電圧を印加して電気化学的処理を行う。電気化学的処理した泥水は水と土壌粒子凝集体の混合物となり、この混合物を予め貯留槽2に設置した剛性フィルター5を用いて一次分離を実施する。一次分離により固形分と分離された水は、貯留槽2の下部に設置した排水口6から排水される。本例では、一時分離を自重によって行っているが、貯留槽2の上部に気密性の蓋を設置し、貯留槽2内に空気圧を加えることにより、分離を加速させることも可能である。固液分離は基本的に泥水の自重によって為されるため、剛性フィルター5の目詰まりは殆ど発生しない。また、仮に目詰まりが発生した場合でも、フィルターの剛性が高いため、堆積した土壌粒子凝集体を排出した後に、高圧水による逆洗浄によって容易に除去可能である。
排水口6から排水された水は、別途浄化処理をして清澄水とした後、自然環境に放流してもよく、流路91を通じて希釈槽8へと供給し、原液泥水の希釈に循環利用してもよい。また、剛性フィルター5として開口の十分小さなものを採用した場合には、排水口6から排水される水が清澄水となるため、そのまま自然環境に放流することもできる。
なお、泥水の性質及び発生量によっては、一次分離を省略してもよい。
続いて、一次分離により分離された湿潤状態の固形分を貯留槽2から排出し、真空脱水機7に供給して二次分離を行い、含水比40%以下の建設発生土と水とを得る。得られた水は、別途浄化処理をして清澄水とした後、自然環境に放流してもよく、流路92を通じて希釈槽8へと供給し、原液泥水の希釈に循環利用してもよい。
以下、実施例に基づいて本実施態様をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
シールドトンネル掘削工事現場から排出された泥水(比重:1.16)600mLを希釈槽に供給し、水を加えて撹拌して2400mLに希釈した。希釈後の泥水の比重は、1.04であった。
希釈後の泥水を、直径30×高さ220mmの酸化イリジウム被覆のチタン製網状陽極と直径120×高さ220mmのステンレス製パンチング板陰極とが45mm隔てて配置された貯留槽に供給して両電極を泥水中に浸漬し、30Vの直流電圧を30分間印加した。通電中の電流値は平均で3.2Aであり、電流密度は0.0016A/cmであった。
通電後の泥水を、貯留槽の内部に側壁に沿って立設された積層焼結金網製の剛性フィルター(孔径:0.45μm)で自重により濾過して一次分離したところ、13分で全量の濾過が完了した。このとき、除去された水量は848.5gであった。
一次分離後に剛性フィルター上に残存した湿潤状態の固形分を、波状剛性フィルター(孔径:0.45μm)を備える真空脱水機に供給し、波状剛性フィルター上に残存した固形分の表面が乾燥状態になり、亀裂が発生してからさらに5分間の吸引による二次分離を行った。このとき、除去された水量は1487.8gであった。
二次分離後に波状剛性フィルター上に残存した固形分を採集して質量(湿潤質量)を測定した後、該固形分を105℃で24時間乾燥した試料の質量(乾燥質量)を測定し、両質量の差「(湿潤質量)−(乾燥質量)」により含水比を算出したところ、39.8%であった。
[実施例2]
水道水に関東ローム土を分散して調製した模擬泥水(比重:1.20)1200mLを希釈槽に供給し、水を加えて撹拌して2400mLに希釈した。希釈後の泥水の比重は、1.10であった。
希釈後の泥水を、実施例1と同様の貯留槽に供給し、20Vの直流電圧を30分間印加した。通電中の電流値は平均で2.8Aであり、電流密度は0.0014A/cmであった。
通電後の泥水を、実施例1と同様に一次分離したところ、8分で全量の濾過が完了した。このとき、除去された水量は1075.8gであった。
一次分離後に剛性フィルター上に残存した湿潤状態の固形分を、実施例1と同様に二次分離を行った。このとき、除去された水量は1238.7gであった。
二次分離後に波状剛性フィルター上に残存した固形分の含水比を実施例1と同様に算出したところ、26.3%であった。
本発明に係る建設泥水処理方法によれば、地盤掘削又は地盤改良工事等において発生する建設泥水を短時間で固液分離することができる。また、本発明に係る建設泥水処理装置は、構成が単純であるため、地盤掘削や地盤改良工事が行われている現場(オンサイト)で建設泥水を処理することができる。さらに、本発明によれば、建設泥水から含水比が40%以下の建設発生土と清澄水とを直接得ることも可能である。含水比が40%以下の建設発生土は、工作物及び建築物の埋戻し、土木構造物の裏込め、道路、鉄道及び空港の盛土、河川築堤、土地造成並びに水面埋立等の各種用途に利用できる。また、清澄水は、環境中にそのまま放流することができる上、コンクリートの混練水等としての再利用も可能である。このため、本発明は、従来は処理が困難であった建設泥水の処理及び再資源化を可能とする点で有用である。
1 建設泥水処理装置
2 貯留槽
3 電極
31 陽極
32 陰極
4 直流電源
5 剛性フィルター
6 排出口
7 真空脱水機
71 上部容器
72 下部容器
73 波状剛性フィルター
8 希釈槽
91,92 流路

Claims (9)

  1. 建設泥水に20V以上の直流電圧を印加して、凝集粒子を形成することを特徴とする、建設泥水処理方法。
  2. 凝集粒子が形成された前記建設泥水を、自重により固液分離する、請求項1に記載の建設泥水処理方法。
  3. 前記固液分離後の固形分を真空脱水し、含水比40%以下の建設発生土とする、請求項2に記載の建設泥水処理方法。
  4. 建設泥水を貯留する貯留槽と、
    前記貯留槽内に設けられた少なくとも一対の電極と、
    前記電極のそれぞれに電気的に接続され、対になる電極間に20V以上の直流電圧を印加する直流電源と、
    を備えることを特徴とする、建設泥水処理装置。
  5. 前記電極が、建設泥水を流通可能な開口部を有する、請求項4に記載の建設泥水処理装置。
  6. 前記貯留槽が、建設泥水を固液分離する剛性フィルターと、該剛性フィルターで分離された液体成分を槽外に排出する排出口とを更に備える、請求項4又は5に記載の建設泥水処理装置。
  7. 前記剛性フィルターが、前記貯留槽の側壁に沿って設けられた、請求項6に記載の建設泥水処理装置。
  8. 前記剛性フィルターで分離された固形分を脱水する真空脱水機を更に備える、請求項6又は7に記載の建設泥水処理装置。
  9. 前記貯留槽の前段に設けられ、該貯留槽に供給する建設泥水を希釈する希釈槽、並びに前記排出口及び/又は前記真空脱水器からの排水を前記希釈槽に供給する流路を更に備える、請求項6〜8のいずれか1項に記載の建設泥水処理装置。
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