JP4566980B2 - 供給計画策定システム、供給計画策定プログラム及び供給計画策定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、供給計画策定システム、供給計画策定プログラム及び供給計画策定方法に係る発明であって、特に、発電機の運用制約を満足する供給計画策定システム、供給計画策定プログラム及び供給計画策定方法に関するものである。
大規模な火力発電機群に対して実用的な運転スケジュール(供給計画)を策定するためには、各発電機の特性や物理的な制約条件等の様々な要素を考慮しなければならなかった。そこで、従来の運転スケジュールの策定では、ラグランジュ緩和法を適用し制約条件を緩和して発電機毎の部分問題として独立して取り扱い、全体運転コストを最適化する運転スケジュールを策定していた。
また、特許文献1に示す運転スケジュールの策定方法では、発電機の起動停止の組合せから起動制約条件(例えば、同時起動禁止や起動停止回数制限)を考慮して運転スケジュールの策定を行っていた。具体的に、特許文献1では、同時起動禁止制約に違反している運転スケジュールの組合せを予め排除し、起動停止回数制約違反のある運転スケジュールの組合せに対して違反量に応じたペナルティを評価関数として加えている。そして、特許文献1では、当該評価関数の小さい順に運転スケジュールの組合せを並べ替え、当該評価関数値の小さい運転スケジュールを指定選択することで制約違反を縮小化して運転スケジュールの策定を行っていた。
さらに、特許文献2では、燃料消費量制約を満足するために、対象となる発電機の燃料費を仮想的に調整する手段を持ち、仮想的に設定された燃料費のもとで運転スケジュールの策定を繰り返し実行して運転スケジュールを策定していた。
特開2000−300000号公報 特開2001−037087号公報
運転スケジュールの策定にラグランジュ緩和法を適用する場合、年単位といった長期間に亘る運転スケジュールを策定するには、重要な制約条件である燃料消費量制約や起動停止回数制約の統合的な最適化処理が困難であった。これは、制約条件である燃料消費量制約が、同一燃料基地から燃料供給を受ける複数台の発電機から構成される発電機グループの計画対象期間の総出力に関わるものであったり、制約条件である起動停止回数制約が、時間軸方向に対する発電機の起動停止回数の制約であったりするためである。
また、特許文献1では、各時刻に検討対象となる発電機の数を固定しているが、運転スケジュール策定の対象となる期間が増大すると、事前処理としての運転スケジュールの組合せの絞り込みや優先順位の決定が増大するので、長期間の運転スケジュール策定は望めなかった。特に、特許文献1では、運転スケジュール策定の時間軸方向への制約を考慮する手段がなかった。
さらに、特許文献2では、燃料消費量制約に対応して起動停止回数制約を考慮する手段がなく、長期間の運転スケジュールを策定する場合に制約を統合的に考慮することができなかった。また、特許文献2では、複数の制約を統合して体系的に取り扱い最適な運転スケジュールを策定することができなかった。
そこで、本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、年間単位といった長期間に亘る供給計画(運転スケジュール)において、起動停止回数制約及び燃料消費量制約を統合的に考慮して供給計画を策定する供給計画策定システム、供給計画策定プログラム及び供給計画策定方法を提供することを目的とする。
本発明に係る解決手段は、複数の発電機それぞれの起動停止状態及び出力を決定する供給計画策定システムであって、発電機の特性、作業計画、物理的制約条件及び電力需要データを少なくとも含む入力データの入力及び設定を行うデータ設定部と、データ設定部で設定された入力データを用いて発電機それぞれの起動停止状態を初期化する起動停止状態初期データ設定処理と、起動停止状態初期データ設定処理において初期起動状態とされた発電機に対し、所定のアルゴリズムを用いて出力を決定する発電機初期出力決定処理と、発電機毎の部分問題として、発電機初期出力決定処理で算定された値と残存停止回数に基づいて発電機の起動停止可能時刻を判定する起動停止可能時刻判定処理、起動停止可能時刻判定処理の結果に基づき停止オプションを設定する起動停止可能時刻設定処理、及び起動停止可能時刻設定処理で設定された停止オプションと燃料消費量制約とを考慮して動的計画法により計画対象期間の起動停止スケジュール案を作成する起動停止スケジュール作成処理をそれぞれ行う部分問題処理と、起動停止スケジュール案を所定の基準で選択し発電機の起動停止状態を変更する起動停止スケジュール変更処理と、起動停止スケジュール変更処理により起動停止状態が決定している複数の発電機からの出力を決定する発電機出力決定処理とを行い計画対象期間の計画策定結果を演算する計画策定部と、計画策定部の計画策定結果から出力に必要な形式の結果データを算出する結果処理部とを備える。
本発明に記載の供給計画策定システムは、計画策定部が起動停止状態初期データ設定処理と、発電機初期出力決定処理と、部分問題処理と、起動停止スケジュール変更処理と、発電機出力決定処理とを行い計画対象期間の計画策定結果を演算するので、長期間に亘る供給計画において、起動停止回数制約及び燃料消費量制約を統合的に考慮して供給計画を策定することができる。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係る供給計画策定システムの構成を示すブロック図である。図1に示す供給計画策定システムでは、大規模な火力発電機群の運転スケジュールである供給計画を策定するために必要となる種々の入力データを受け付け、設定を行うデータ設定部1を備えている。なお、入力データには、発電機の特性、作業計画、物理的制約条件及び電力需要データを少なくとも含んでいる。
さらに、図1に示す供給計画策定システムには、入力データに基づいて経済的な供給計画を策定する計画策定部2と、計画策定部2が演算した計画策定結果から出力に必要な形式(運転コストなど)の結果データを算出する結果処理部3とを備えている。また、図1に示す供給計画策定システムでは、結果処理部3等の演算結果を画面上に表示する表示部4を備えている。なお、本発明に係る供給計画策定システムでは、表示部4をシステム外に設け、外部の表示装置や出力装置(例えば、プリンタ)に結果処理部3等の結果を出力する構成でも良い。
また、図1に示す供給計画策定システムでは、データ設定部1で入力された入力データ、計画策定部2の計画策定結果、及び結果処理部3の結果データを格納するデータ格納部5を備えている。なお、本発明に係る供給計画策定システムでは、必ずしもシステム内にデータ格納部5を備えている必要はなく、システム外部にデータ格納部を設ける構成でも良い。
次に、図1に示すデータ設定部1は、システム操作者がデータ入力を行うものであり、具体的にはマウス、キーボード等の入力装置により実現できる。また、図1に示す表示部4は、システム操作者が結果表示の確認を行うものであり、ディスプレイ等の出力装置により実現できる。一方、計画策定部2は、コンピュータの内部演算処理として実現され、プログラムとしてコンピュータの記録媒体に記憶保存されるか、又は伝送媒体を介して読み込み保存されている。結果処理部3も同様に、コンピュータの内部演算処理として実現される。また、データ格納部5は、記憶装置上にデータベースとして実現される。
図2に、本実施の形態に係る供給計画策定システムで処理される供給計画策定方法のフロー図を示す。まず、図2に示すフロー図では、計画策定部2が起動停止状態初期データ設定処理S10を実行する際に、データ格納部5に格納されている入力データ(発電機データ11,及び発電機作業計画データ12,物理的制約条件データ13,電力需要データ14,電力取引契約データ15)を読み込む。
ここで、発電機データ11は、発電機の出力上下限値,起動パターン,停止パターン,起動費,最小運転時間,最小停止時間,燃料費曲線係数,燃料消費量曲線係数等の発電機毎の特性を示すデータであり、発電機毎に格納されている。発電機作業計画データ12は、各発電機の定期点検などの作業により運転を停止する期間や、出力値を一定に制限する期間などの発電機のデータである。物理的制約条件データ13は、発電機の作業計画以外の強制運転期間及び当該期間の出力値、燃料消費量や起動停止回数の指定等の電力供給計画を立案するにあたって満足すべき条件データである。電力需要データ14は、契約している需要家の各時刻における総需要予測データである。電力取引契約データ15は、電力の取引市場で売買された電力量、もしくは相対契約により既に契約済みの電力量に関するデータである。
これら、発電機データ11,発電機作業計画データ12,物理的制約条件データ13,電力需要データ14及び電力取引契約データ15の入力データは、システム操作者がデータ設定部1から入力、設定し、データ格納部5に登録する。これら入力データの入力は、キーボードやディスプレイからなる装置を利用しても良いし、別途用意されたデータファイル(例えば、CSV形式などのファイル形式でデータが保存された電子ファイル)から読み込むことでも良い。
図3に、本実施の形態に係るデータ格納部5に保存されている電力取引契約データ15の一例を示す。図3に示す電力取引契約データ15は、概要データ15aと詳細時系列データ15bとに分けて設定されている。概要データ15aは、契約名,契約相手,契約種別(販売又は調達の区分),契約最大電力,契約最大電力に対する基本料金,各時刻の契約量に対する従量料金を図3に示すように1つの契約データとして格納されている。一方、詳細時系列データ15bは、指定年月日,当該年月日の指定時間帯,当該時間帯の電力使用量を図3に示すように1つのデータとして格納されている。なお、詳細時系列データ15bは、概要データ15aの各契約データに対して独立して一意的に紐付けられている。
次に、本実施の形態に係る供給計画策定システムで取り扱う目的関数について説明する。本実施の形態に係る供給計画策定システムでは、供給計画の対象期間(計画対象期間)における燃料費と起動費の総和を複数の制約条件を満足させながら最小化することである。例えば、燃料費が発電機の出力の二次関数として与えられる場合、本実施の形態に係る供給計画策定システムで取り扱う目的関数は数1と記述される。
Figure 0004566980
なお、数1では、tが時刻、iが発電機の個別番号、a,b,cが燃料費曲線の係数、uが発電機の起動停止状態(起動=1,停止=0)、Pが発電機の出力、SCが発電機の起動費をそれぞれ表している。
そして、制約条件としては、例えば、各発電機の出力上下限制約が数2に、各時刻の需給バランス制約条件が数3にそれぞれ記述される。
Figure 0004566980
Figure 0004566980
なお、数2では、Pminが発電機の最小出力、PMaxが発電機の最大出力をそれぞれ表している。また、数3では、Dが電力の需要予測、CPjが契約jの契約出力(買いの場合+,売りの場合−)をそれぞれ表している。
数2,数3の制約条件以外にも、各発電機には、最小運転時間(停止している発電機を起動すると運転を継続しなければならない最小時間)や最小停止時間(運転している発電機を停止すると停止を継続しなければならない最小時間)の制約条件がある。また、起動パターン(起動時に発電機の出力を上昇させるための固定出力パターン)や停止パターン(停止時に発電機の出力を減少させるための固定出力パターン)等の制約条件も考えられる。
さらに、制約条件としては、数4に示すように、供給計画の対象期間に亘って同じ燃料消費グループに属する発電機の総燃料消費量に対する上下限制約を表す燃料消費量制約条件が考えられる。
Figure 0004566980
なお、数4では、d,e,fが発電機の燃料消費曲線の係数、gが燃料消費グループの個別番号、Qminが燃料消費グループの最小燃料消費量、QMaxが燃料消費グループの最大燃料消費量をそれぞれ表している。
また、数5に示すように、供給計画の対象期間に亘って各発電機が実行する総起動停止回数の上限制約を表す起動停止回数制約条件も考えられる。
Figure 0004566980
なお、数5では、NSSMaxは発電機の最大起動停止回数を表している。
本実施の形態では、燃料消費量が起動状態にある発電機の出力による燃料の消費分で定義されているため、燃料消費量が発電機の出力値及び起動停止状態に依存することになる。また、本実施の形態では、燃料消費量制約条件と起動停止回数制約条件とは共に全ての発電機に対して設定されているものとして扱う。なお、本実施の形態においても、燃料消費量制約の下限制約量を0、上限制約量を供給計画の対象期間で消費可能な最大量以上の値を与えれば、実質的に燃料消費量制約のない条件を模擬できることから汎用的なモデルの一般性を失わない。さらに、起動停止回数制約についても、上限制約回数を供給計画の対象期間に対して十分に大きな回数を与えれば、実質的に起動停止回数制約のない条件を模擬できることから汎用的なモデルの一般性を失わない。
次に、図2に示すフロー図では、計画策定部2が、発電機データ11より発電機データを、発電機作業計画データ12より作業計画データを、物理的制約条件データ13より制約条件データを参照して、各発電機の起動停止状態の初期化を実行する起動停止状態初期データ設定処理S10を行う。具体的に起動停止状態初期データ設定処理S10では、全期間の各時刻において起動状態の指定可能な全発電機に対して起動状態となるように初期化する。このとき、発電機作業計画データ12より作業計画データを参照して、作業停止期間中の発電機は、起動状態の指定は不可能として停止状態で初期化する。
次に、図2に示すフロー図では、計画策定部2が、起動状態にある全ての発電機に対して所定のアルゴリズムを用いて初期出力を決定する発電機初期出力決定処理S11を実行する。初期出力を決定するアルゴリズムとしては、例えば、全ての発電機の増分燃料費が等しくなるように各発電機の出力を割り振る等増分燃料コスト法を用いる。この等増分燃料コスト法は、電力事業者が発電計画の策定を行うとき従来から一般的に使用されているものであり、燃料費が最小となるように起動状態にある各発電機の出力を決定する方法である。なお、等増分燃料コスト法については、高橋一弘著、「電力システム工学」、コロナ社に詳述されている。
次に、図2に示すフロー図では、計画策定部2が、発電機初期出力決定処理S11で算定された各時刻の等増分燃料費を示すλ値を利用することにより、全発電機を対象にした供給計画問題を、各発電機の部分問題として処理する部分問題作成処理S12を実行する。具体的に部分問題作成処理S12では、各時刻のλ値(等増分燃料費)を利用することにより、全発電機を対象にした供給計画問題を、単一発電機からなり、単一発電機の起動停止状態を決定する最大NG個(NGは発電機数とする)の独立した各問題として、数1を数6に変換する。
Figure 0004566980
次に、図2に示すフロー図では、計画策定部2が、複数ある部分問題から1つの部分問題を選択する選択処理S13を実行する。次に、計画策定部2は、選択処理S13で選択した部分問題に対し、発電機の停止が有効となる時刻を判断し特定する起動停止可能時刻判定処理S14を実行する。本実施の形態では、上述したように発電機の初期状態を全て起動状態としている。また、起動停止回数の制約条件から見ると、制約内容は上限回数内で与えられるため、初期状態では必ず制約条件を満足する状態から検討を開始することになり、以降の処理では上限回数内で起動停止状態の変更を策定することになる。
一方、燃料消費量の制約条件から見ると、当該起動停止状態において取り得る出力値に相当する消費量が必ずしも制約条件を満足しているとは限らない。従って、燃料消費量の制約条件を満足していない場合(出力決定時の消費量が消費量上限制約量を超過している場合)には、それ以降の処理で燃料消費量の制約条件を満足する方向で部分問題を処理することになる。燃料消費量の制約条件を満足している場合には、それ以降の処理で燃料消費量の制約条件から逸脱しないように部分問題を処理することになる。このように、本実施の形態では、起動停止回数及び燃料消費量の制約条件が、各部分問題における起動停止状態の決定に際して統合的に考慮される。
図4に、本実施の形態に係る起動停止可能時刻判定処理S14の詳細なフロー図を示す。当該処理では、まず処理S140として、発電機初期出力決定処理S11のλ値と、当該発電機の起動停止回数の残存回数を読み込む。処理S141では、時刻tを初期化(t=1)する。次に、処理S142では、時刻tの前後M時刻分に含まれるλ値の平均値を数7に基づいて算出する。
Figure 0004566980
なお、数7では、Tが供給計画の対象期間の最終時刻を表している。
次に、図4に示すフロー図では、処理S142の結果を(開始時刻,終了時刻,平均値λ)の形式で候補セットとしてメモリに格納する処理S143を行う。処理144では、時刻tが最終時刻Tであるか否かを確認し、最終時刻Tでなければ処理S145で時刻tを1繰り上げ、最終時刻Tであれば処理S146に進む。
処理S146では、メモリに格納された全ての候補セットを平均値λの昇順で並べ替える。処理S147では、平均値λが最小の候補セットを選択する。なお、処理S147では、選択済み候補セットの数をゼロにセットする。次に、処理S148では、選択した候補セットが起動停止残存回数より少ないか否かを判断し、起動停止残存回数以上であれば処理を終了し、起動停止残存回数より少なければ処理S149に進む。処理S149では、開始時刻から終了時刻までの時刻範囲が、選択済み候補セットと重複するか否かを判定し、重複していなければ処理S150に進み、重複していれば処理S151に進む。
処理S150では、処理S147で選択した候補セットを選択済み候補セットとしてメモリに登録する。なお、処理S150では、選択済み候補セットの数を1つ繰り上げる処理も行う。一方、処理S151では、処理S146で並べ替えた全ての候補セットについて処理S148〜S150を行ったか否かの判断を行い、行っていなければ処理S152で平均値λの小さい順に候補セットを選択し、行っていれば処理を終了する。このように、本実施の形態に係る起動停止可能時刻判定処理S14では、起動停止回数以内の選択済み候補セットの開始時刻から終了時刻までの範囲を停止可能時刻として判定する。
次に、図2に示すフロー図では、計画策定部2が、停止オプションを全てゼロにする初期化を行う起動停止可能時刻設定処理S15を実行する。その後、起動停止可能時刻設定処理S15は、起動停止可能時刻判定処理S14で停止可能時刻として判定された選択済み候補セットに包含される時刻に対してのみ、停止オプションを1(停止可能)と設定する。
次に、図2に示すフロー図では、計画策定部2が、動的計画法(Dynamic Programming)により供給計画の対象期間の起動停止スケジュール案を作成する起動停止スケジュール策定処理S16を実行する。本実施の形態では、発電機の初期状態が全て起動状態とされており、最小運転時間/最小停止時間や起動/停止パターンの条件を満足しながら各時刻の既起動状態を停止状態に変更するかどうかのみを動的計画法で検討し、単一発電機からなる部分問題に対して最適な多段決定方策(=起動停止状態の遷移)を策定する。
また、本実施の形態では、長期間の供給計画における起動停止回数制約及び燃料消費量制約を考慮した起動停止状態の経済性を検討するために動的計画法を拡張している。本実施の形態に係る動的計画法では、部分問題の各時刻の状態において一般的な動的計画法に従って次に遷移可能な状態を最小運転時間/最小停止時間、又は起動/停止パターンの条件を反映して計画を限定し、さらに各時刻の状態に対して停止状態への遷移を制御する停止オプションを用いて計画を限定している。
つまり、本実施の形態に係る動的計画法では、停止オプションを持つ期間のみが停止状態の検討を行うことができる。なお、停止オプションは、0(停止権利なし)又は1(停止権利あり)の二値で表されるものとする。停止時刻以後の起動状態への遷移には、最小運転時間/最小停止時間、又は起動/停止パターンの条件を参照して動的計画法にて自動的に検討されるものとし、特にその他の制限はない。
起動停止スケジュール策定処理S16では、発電機iの部分問題に対して動的計画法により停止オプションを考慮して最適な起動停止状態を決定し、発電機iの新しい起動停止スケジュール案としてメモリに記憶する。ただし、発電機iの部分問題に対して動的計画法を適用する場合には、数8に示すように必ず需給バランス制約を満足する出力値の可能解が存在することを保証するように起動停止状態を決定する。
Figure 0004566980
このとき、発電機iの部分問題に対する起動停止状態の変更に基づく単位変更電力当たりコスト改善量Eiを、数9のように算定することができる。このコスト改善量Eiは、新しい起動停止スケジュール案と一緒に記憶される。コスト改善量Eiが正であれば、部分問題における新しい起動停止スケジュールが全体のコストを改善することができることが分かる。
Figure 0004566980
なお、数9では、αが発電機のコスト改善量の調整パラメータ、u’が新しい起動停止スケジュールでの発電機の起動停止状態、TCが動的計画法の適用前の総コスト、TC’が動的計画法の適用後の総コストをそれぞれ表している。
上述したようにαiは、発電機iのコスト改善量の調整パラメータであるが、数10に示す燃料消費量制約の充足可能性に合わせて大きさを調整する。
Figure 0004566980
数10は、新しい起動停止スケジュール案のもとで取り得る燃料消費量の範囲と、制約条件範囲との重なりを表しており、少なくともどちらか一方を満足すれば燃料消費量制約を満足する可能性がある。
数10に示す燃料消費量制約を充足できない場合(特に繰り返し演算の初期)には、調整パラメータαを大きな値(例えば、α=10)に設定して燃料消費量制約を満足する領域へ起動停止状態を優先的に導くようにする。一方、数10に示す燃料消費量制約を充足する場合には、調整パラメータαを通常の値(α=1.0)に設定する。一旦、数10に示す制約条件を満足する起動停止状態になれば、再び数10に示す制約条件を違反する状態への遷移を禁止する。なお、上記の場合においても起動停止回数制約については、必ず満足されている。
次に、図2に示すフロー図では、計画策定部2が、全ての部分問題を選択し尽くしているかどうかを判断する部分問題選択終了判定処理S17を実行する。部分問題選択終了判定処理S17において、全ての部分問題を選択し尽くしていない場合には、未選択部分問題選択処理S18に進み、未選択の部分問題の中から次の部分問題を選択して起動停止可能時刻判定処理S14以降の処理を繰り返す。一方、部分問題選択終了判定処理S17において、全ての部分問題を選択し尽くしている場合には、演算終了判定処理S19に進む。
次に、計画策定部2は、数6に示した目的関数である燃料コストが改善を示す正の改善量を持つ新しい起動停止スケジュール案が存在するかどうかを確認する演算終了判定処理S19を実行する。演算終了判定処理S19において、正の改善量を持つ起動停止スケジュール案が存在しない場合には、全体の計画演算を終了し、その結果を出力する出力処理S20へ進む。一方、演算終了判定処理S19において、正の改善量を持つ起動停止スケジュール案が少なくとも1つ以上存在する場合には、起動停止スケジュール変更処理S21に進む。
次に、計画策定部2は、少なくとも1つ以上存在する正の改善量を持つ新しい起動停止スケジュール案のうち、最大の改善量を有する起動停止スケジュール案を採用する起動停止スケジュール変更処理S21を実行する。すなわち、起動停止スケジュール変更処理S21では、最もコスト改善が期待できる発電機の起動停止スケジュール案に基づいて部分問題の計画を更新して、それ以外の発電機の起動停止スケジュールについては変更を加えない。このとき、繰り返し計算において策定した新しい起動停止スケジュール案は全てリセットされる。
次に、計画策定部2は、更新された1つの発電機の起動停止スケジュールを含む全発電機の起動停止状態に対して発電機の出力を求める発電機出力決定処理S22を実行する。発電機出力決定処理S22は、等増分燃料コスト法により各時刻の発電機出力を経済的に決定する。発電機出力決定処理S22の処理が終了すると、部分問題作成処理S12に戻り、上述した一連の処理を繰り返す。
次に、表示部4では、出力処理S20が計画策定部2の処理で獲得した結果をディスプレイ等の画面に適時に表示し、システム操作者に必要な結果を提供している。このように、本実施の形態に係る供給計画策定システムでは、例えば供給計画の対象期間が年レベルとなる長期供給計画の立案であっても、需給バランス及び燃料費に大きな影響を与える燃料消費量制約と起動停止回数制約を統合的に考慮して経済的な供給計画を作成できる。また、本実施の形態に係る供給計画策定システムでは、運用者による結果の補正により処理を行っていた業務を負荷軽減し効率化を図ることができる。
本実施の形態に係る供給計画策定システムでは、図2に示すフローチャートを用いて長期供給計画を策定する方法及びそのシステムについて説明したが、本発明はこれに限られず、図2に示すフローチャートの長期供給計画の策定方法における各処理の実行手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムであっても良い。また、本発明は、当該プログラムを記憶する記録媒体(例えば、ハードディスクに格納されているプログラム)であっても良い。さらに、当該プログラムを記録したコンピュータで読取可能な記憶媒体は、ハードディスクの他にCD−ROMやMO等の記憶媒体であっても良い。
(実施の形態2)
本実施の形態に係る供給計画策定システムの構成は、図1に示すブロック図と同じである。しかし、本実施の形態に係る計画策定部2では、実施の形態1で説明した一連の処理に加えて、簡便な方法で供給計画の概要を高速に策定し、供給計画の対象期間全体に亘る制約量を複数の期間に合理的に分割する前処理を実施する。
例えば、本実施の形態では、以下に説明するような前処理を実施することができる。図5に、本実施の形態2に係る供給計画策定のフローチャートを示す。図5に示すフローチャートでは、実施の形態1で説明した処理S10〜処理S22までの供給計画策定処理SAに先行して前処理S3を計画策定部2で実行する。結果処理部3が、前処理S3の結果である制約量の配分結果を得て、データ格納部5に登録する。
前処理S3では、入力データとして実施の形態1と同様、発電機データ11,発電機作業計画データ12,物理的制約条件データ13,電力需要データ14及び電力取引契約データ15を読み込む。そして、図5に示すフローチャートでは、燃料消費量制約が実質的な出力制約条件となっている燃料消費量制約グループに属する発電機(以降、「燃料消費量制約付き発電機」ともいう)の計画を最初に策定する処理S31を実行する。図6に、処理S31の詳細な内容を示したフローチャートを示す。なお、当該処理S31では、起動停止回数制約の有無は問わない。
図6に示すフローチャートでは、まず、燃料消費量制約グループに属する全ての発電機で、起動可能な発電機は対象の供給計画期間の全時刻に亘って起動状態とし、その出力値を全時刻に亘って最大とする初期値設定処理S311を実行する。次に、処理S312は、燃料消費量制約グループのうち1つのグループを選択する処理を行う。さらに、処理S313では、当該グループ内で送電単価が最大の発電機を選択する。ここで、送電単価とは、発電機が最大出力で運転しているときの単位出力あたり平均燃料費で与えられる単価であり、各発電機に対して一意に定義される。
本実施の形態では、効率的な処理のために供給計画の対象期間を予めタイムフレームという時間単位で分割しておき、起動停止状態はこのタイムフレーム単位で検討する。また、タイムフレームは各発電機に対して定義される供給計画の対象期間の分割単位であり、例えば以下のように与える。タイムフレームの長さは、当該発電機の最小停止時間及び最小運転時間より大きい168時間(1週間の総時間数)の約数とする。また、タイムフレームの位置は、供給計画の対象期間のうちで需要量が最小となる時刻が、当該時刻に対応するタイムフレームの中心となるように配置する。なお、タイムフレームの中心がない場合には、中心の次の時刻とする。その他のタイムフレームについても、上記の配置に基づいて配置する。
次に、図6に示す停止フレーム選択処理S314では、処理S313で選択した発電機に対して、供給計画の対象期間の全タイムフレームを対象に評価値を計算する。計算結果に基づき評価値が最小値となるタイムフレームを1つ選択する。ここで、評価値としては、例えば(λ値×選択発電機の出力)−(選択発電機の起動費+燃料費)の値を使用する。なお、供給計画の対象期間の全発電機に後述する優先順位法を適用し、燃料消費量制約及び起動停止回数制約を考慮しないで計画を策定してλ値を予め求めて、メモリ上に保存しておく。
当該評価値は、対象のタイムフレームにおいて選択した発電機を停止させた場合に全体のコストがどのように変化するかを示す。そのため、当該評価値が負値であれば、全体のコストが最小化する方向の停止案であることが分かる。停止フレーム選択処理S314では、最小の評価値を持つタイムフレームを選択する。
次に、図6に示す起動停止スケジュール変更処理S315では、停止フレーム選択処理S314で選択されたタイムフレームで発電機を停止状態に変更する。そして、発電機を停止状態に変更後に、以下の処理において各チェックを行う。まず、処理S316において、停止可能なタイムフレームが残っているか否かを判定する。停止可能なタイムフレームが残っていない場合には、選択した発電機の検討を終了して処理S317に進む。処理S317では、次に送電単価の大きい発電機を選択して処理S314,S315を繰り返し行う。停止可能なタイムフレームが残っている場合には処理S318に進む。
処理S318では、起動停止回数が制約条件の回数に達していないか否かを確認する。制約条件の回数に達している場合には処理S317へ進み、制約条件の回数に未達の場合には処理S319へ進む。処理S319では、停止状態に変更後の燃料消費量制約グループの消費量を計算し制約条件を満足しているか否かを判定する。制約条件を満足していない場合には処理S317へ進み、制約条件を満足する場合には処理S320へ進む。処理S320では、まだ上述の処理を終了していない未処理の燃料消費量制約グループがあるか否かを判定する。未処理の燃料消費量制約グループが存在する場合には処理S321へ進み、次の燃料消費量制約グループを選択して処理S313以下の処理を繰り返し行う。未処理の燃料消費量制約が存在しない場合には、図5に示す処理S31を終了して次の処理S32へ進む。
処理S32では、処理S31で対象となった燃料消費量制約付き発電機以外の発電機に対する供給計画の策定を実施する。当該供給計画の策定では、処理S31で決定した燃料消費量制約付き発電機の各時刻での合計出力を需要データから差し引いた需要に対して行い、燃料消費量制約及び起動停止回数制約は考慮しない。なお、処理S32は、電力事業者が従来から一般的に使用している燃料費の最小化を目的としたアルゴリズムである優先順位法(例えば、Allen J. Wood、Bruce F. Wollenberg著、"Power Generation, Operation, And Control -Second Edition-"、JOHN WILEY & SONS, INC.に詳述されている)を適用することで求めることができる。優先順位法は、例えば送電単価を優先順位としてその順位による起動停止状態の決定によりコストの最小化を行う。当該方法は、時間軸方向への制約条件や状態遷移に伴うコストを考慮しないため、コストを最小化する供給計画の策定は期待できないが、問題規模が大きい場合にも演算コストが小さく高速な需給バランス概要算定に適している。
次に、図5に示す処理S33では、処理S32で対象となった発電機が起動停止回数の制約条件を満たしているか否かの判定を行い、制約条件違反があれば当該違反を解消するように処理を行う。違反を解消させる処理としては、例えば既に起動状態の2つのタイムフレームの間に挟まれた停止状態のタイムフレームを1つ以上起動状態(最小出力とする)に変更することにより行う。この操作により起動停止回数を1回減少させることができる。対象となる停止状態のタイムフレームは、複数の停止状態のタイムフレームの中から評価指標に従って適切なものを選択する。この評価指標としては、例えば(起動対象発電機の起動費+燃料費)−(λ値×起動対象発電機の出力)を指標とする。
当該評価指標は、対象のタイムフレームにおいて選択した発電機を起動させた場合の全体のコスト変化を示す指標である。当該評価指標が正値であれば、選択した発電機の起動により増加する全体のコストを表している。そのため、処理S33では、最小の評価指標を持つタイムフレームを選択することになる。さらに、処理S33では、発電機に対する制約条件違反の解消処理が終了したとき、燃料消費量制約付き発電機及び起動停止回数の制約条件違反解消処理済み発電機の起動停止スケジュールを既に決定したものとして固定し、それら以外の発電機の供給計画を優先順位法により策定する。そして、処理S33では、全ての発電機の供給計画を策定した後に、λ値を更新してメモリ上に保存する。処理S33では、以上の処理を制約違反がなくなるまで繰り返し、処理S34に進む。
次に、処理S34では、上述の一連の処理により求めた供給計画の結果に基づいて、供給計画の対象期間を予め与えた長さの単位で分割し、分割された期間のそれぞれに燃料消費量制約量及び起動停止回数制約量を配分する。配分方法は、各期間に相当する供給計画の結果に含まれる燃料消費量制約量及び起動停止回数制約量を各期間の配分量とする。結果処理部3は、処理S34で得た配分結果をデータ格納部5に登録する。
次に、前処理S3の全ての処理が終了すると、分割された各期間を供給計画の対象期間として、配分された制約条件の各量を参照して供給計画策定処理SAを実行する。具体的には、図5に示す処理S9では、分割された期間から最初の期間を選択して、当該期間に対して供給計画策定処理SAを実行する。当該期間に対する処理が終了すると、処理S23では、未処理の期間が存在するか否かの判定を行う。未処理の期間があれば、処理S24に進み、当該期間に後続する期間を選択して同様に供給計画策定処理SAを繰り返し行う。つまり、分割した全ての期間が終了するまで繰り返し供給計画策定処理SAが行われる。
以上のように、本実施の形態に係る供給計画策定システムでは、前処理を具備することにより、長期間を対象とする供給計画策定の規模を合理的に縮小することができる。つまり、実施の形態1では、燃料消費量制約及び起動停止回数制約を考慮した動的計画法による処理において、供給計画の対象期間が長くなれば長くなるほど時間軸方向に対する処理負担が大きくなるため、供給計画の策定に要する演算時間が増大する。一方、本実施の形態では、前処理により、例えば年間を供給計画の対象期間を月間単位に分割し、燃料消費量制約及び起動停止回数制約の制約量を配分することで、全体の供給計画期間における需要状況に応じた制約量の分散傾向を高速に捉えることができる。その上で、分割した各期間に対して実施の形態1に記載の方法を適用することにより、経済的な供給計画の策定を小さい演算コストで実施することが可能となる。ここでは、前処理から引き継がれる要素は制約量の配分結果のみであり、実施の形態1に記載の方法が有する固有の計画性能を阻害しない。
本実施の形態に係る供給計画策定システムでは、図5に示すフローチャートを用いて長期供給計画を策定する方法及びそのシステムについて説明したが、本発明はこれに限られず、図5に示すフローチャートの長期供給計画の策定方法における各処理の実行手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムであっても良い。また、本発明は、当該プログラムを記憶する記録媒体(例えば、ハードディスクに格納されているプログラム)であっても良い。さらに、当該プログラムを記録したコンピュータで読取可能な記憶媒体は、ハードディスクの他にCD−ROMやMO等の記憶媒体であっても良い。
(実施の形態3)
本実施の形態に係る供給計画策定システムの構成も、図1に示した構成と同じである。しかし、本実施の形態に係る供給計画策定システムでは、データ設定部1が供給計画策定に必要な種々の入力データを受け付けることに加えて、システム操作者が入力データに対して修正が必要かどうかを判断し、必要であれば入力データを修正できる処理が追加されている点で実施の形態1と異なる。また、本実施の形態に係る表示部4には、システム操作者が実施の形態2で説明した前処理S3による制約量の配分結果を画面に表示して確認できる処理が追加されている。
図7に、本実施の形態に係る供給計画策定システムのフローチャートを示す。図7に示すフローチャートでは、前処理S3を終了した後、表示部4に前処理S3での結果を表示する前処理結果表示処理S4を行う。具体的に前処理結果表示処理S4では、前処理の結果である各期間の制約量の配分結果をデータ格納部5より取り出して画面上に表示し、システム操作者に当該結果を確認させる。
次に、データ修正必要性判定処理S5は、システム操作者に対して、制約量の配分結果を見て入力データの修正が必要か否かの判断を要求する処理を行う。データ修正必要性判定処理S5で入力データの修正が必要であると判断した場合、データ設定部1は、システム操作者の指示に従い、入力データの修正を受け付けるデータ修正受付処理S6を行う。
そして、データ修正受付処理S6で修正された入力データに基づいて、計画策定部2は、前処理S3を再度行う。一方、データ修正必要性判定処理S5で入力データの修正が必要ないと判断される場合、実施の形態で説明した処理S9に進む。
例えば、長期供給計画は、燃料調達や発電機の定期検査などの計画策定と密接に連携して実行する必要があり、各計画間で調整の繰り返しによる合意形成が必要となる。本実施の形態に係る供給計画策定システムでは、燃料消費量と燃料調達計画との調整や発電機作業計画との協調を目的として、前処理S3の結果である各期間への制約量の配分結果を見て、システム操作者がデータ修正受付処理S6で作業計画や各制約データを調整することができる。このように、本実施の形態では、システム操作者が満足する結果が得られるまで、入力データを修正して供給計画を策定できるため処理の効率化に効果がある。
(実施の形態4)
本実施の形態に係る供給計画策定システムの構成も、図1に示した構成と同じである。しかし、本実施の形態に係る供給計画策定システムでは、入力データを修正できる処理に加えて、システム操作者が制約量の配分結果に対して修正が必要か否かの判断を行い、必要であれば当該配分結果を修正できる処理がデータ設定部1に追加されている点で実施の形態3と異なる。
図8に、本実施の形態に係る供給計画策定システムのフローチャートを示す。図8に示すフローチャートでは、前処理S3を終了した後、表示部4に前処理S3での結果を表示する前処理結果表示処理S4を行う。具体的に前処理結果表示処理S4では、前処理の結果である各期間の制約量の配分結果をデータ格納部5より取り出して画面上に表示し、システム操作者に当該結果を確認させる。
次に、実施の形態3で説明したように、データ修正必要性判定処理S5は、システム操作者に対して、制約量の配分結果を見て入力データの修正が必要か否かの判断を要求する処理を行う。データ修正必要性判定処理S5で入力データの修正が必要であると判断した場合、システム操作者の指示に従い、入力データの修正を受け付けるデータ修正受付処理S6を行い、修正が不要な場合は、配分結果修正必要性判定処理S7に進む。
配分結果修正必要性判定処理S7では、システム操作者に対して、制約量の配分結果を見て当該配分結果の修正が必要か否かの判断を要求する処理を行う。当該配分結果の修正が必要な場合、データ設定部1は、システム操作者の指示に従い、データ格納部5に格納されている当該配分結果の修正を受け付ける配分結果修正受付処理S8を行う。配分結果修正受付処理S8が修正した当該配分結果をデータ格納部5に格納した後に、計画策定部2は実施の形態2で説明した処理S9に進む。当該配分結果が修正の必要のないものであれば、配分結果修正受付処理S8を行わずに処理S9に進む。
例えば、前処理S3を行った段階では、ある期間において特定の燃料種別に出力が偏って多く割り振られ、燃料種別間のバランスを欠く、あるいは、同様に起動停止回数の偏りがあって最終的な計画策定結果がシステム操作者の満足する計画とならない場合がある。本実施の形態に係る供給計画策定システムでは、このような場合に、システム操作者が配分結果修正受付処理S8にて各期間への制約量の配分結果を直接修正することができるので、システム操作者の満足する結果を得られる配分結果を用いて供給計画を策定することができ処理の効率化に効果がある。
本発明の実施の形態1に係る供給計画策定システムのブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る供給計画策定のフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る供給計画策定の入力データを説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る供給計画策定の起動停止可能時刻判定処理のフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る供給計画策定のフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る供給計画策定の前処理のフローチャートである。 本発明の実施の形態3に係る供給計画策定のフローチャートである。 本発明の実施の形態4に係る供給計画策定のフローチャートである。
符号の説明
1 データ設定部、2 計画策定部、3 結果処理部、4 表示部、5 データ格納部、11 発電機データ、12 発電機作業計画データ、13 物理的制約条件データ、14 電力需要データ、15 電力取引契約データ。

Claims (8)

  1. 複数の発電機それぞれの起動停止状態及び出力を決定する供給計画策定システムであって、
    前記発電機の特性、作業計画、物理的制約条件及び電力需要データを少なくとも含む入力データの入力及び設定を行うデータ設定部と、
    前記データ設定部で設定された前記入力データを用いて前記発電機それぞれの起動停止状態を初期化する起動停止状態初期データ設定処理と、前記起動停止状態初期データ設定処理において初期起動状態とされた前記発電機に対し、所定のアルゴリズムを用いて出力を決定する発電機初期出力決定処理と、前記発電機毎の部分問題として、前記発電機初期出力決定処理で算定された値と残存停止回数に基づいて前記発電機の起動停止可能時刻を判定する起動停止可能時刻判定処理、前記起動停止可能時刻判定処理の結果に基づき停止オプションを設定する起動停止可能時刻設定処理、及び前記起動停止可能時刻設定処理で設定された前記停止オプションと燃料消費量制約とを考慮して動的計画法により計画対象期間の起動停止スケジュール案を作成する起動停止スケジュール作成処理をそれぞれ行う部分問題処理と、前記起動停止スケジュール案を所定の基準で選択し前記発電機の起動停止状態を変更する起動停止スケジュール変更処理と、前記起動停止スケジュール変更処理により起動停止状態が決定している複数の前記発電機からの出力を決定する発電機出力決定処理とを行い前記計画対象期間の計画策定結果を演算する計画策定部と、
    前記計画策定部の前記計画策定結果から出力に必要な形式の結果データを算出する結果処理部とを備える供給計画策定システム。
  2. 請求項1に記載の供給計画策定システムであって、
    前記データ設定部で入力された前記入力データ、前記計画策定部の前記計画策定結果、及び前記結果処理部の前記結果データを格納するデータ格納部と、
    少なくとも前記結果処理部の前記結果データを表示する表示部とをさらに備える供給計画策定システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の供給計画策定システムであって、
    前記発電機初期出力決定処理で用いる所定のアルゴリズムは、等増分燃料コスト法であり、前記発電機初期出力決定処理で算定された値は等増分燃料費を示すλ値であることを特徴とする供給計画策定システム。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに1つに記載の供給計画策定システムであって、
    前記計画策定部は、前記計画対象期間を複数の期間に分割し、前記期間のそれぞれに前記物理的制約条件を分配する前処理を行い、前記期間のそれぞれに対して各処理を行うことを特徴とする供給計画策定システム。
  5. 請求項4に記載の供給計画策定システムであって、
    前記計画策定部は、前記前処理で行った前記物理的制約条件の分配結果を表示する前処理出力処理を行い、前記データ設定部は、前記前処理出力処理後に前記入力データの修正を受け付ける処理を行うことを特徴とする供給計画策定システム。
  6. 請求項5に記載の供給計画策定システムであって、
    前記計画策定部は、前記前処理出力処理で表示された前記分配結果を修正する前処理修正処理をさらに行うことを特徴とする供給計画策定システム。
  7. 複数の発電機それぞれの起動停止状態及び出力を決定する供給計画策定をコンピュータに実行させる供給計画策定プログラムであって、
    前記発電機の特性、作業計画、物理的制約条件及び電力需要データを少なくとも含む入力データを用いて前記発電機それぞれの起動停止状態を初期化する起動停止状態初期データ設定手段と、
    前記起動停止状態初期データ設定手段において初期起動状態とされた前記発電機に対し、所定のアルゴリズムを用いて出力を決定する発電機初期出力決定手段と、
    前記発電機毎の部分問題として、前記発電機初期出力決定手段で算定された値と残存停止回数に基づいて前記発電機の起動停止可能時刻を判定する起動停止可能時刻判定手段、前記起動停止可能時刻判定手段の結果に基づき停止オプションを設定する起動停止可能時刻設定手段、及び前記起動停止可能時刻設定手段で設定された前記停止オプションと燃料消費量制約とを考慮して動的計画法により計画対象期間の起動停止スケジュール案を作成する起動停止スケジュール作成手段をそれぞれ行う部分問題手段と、
    前記起動停止スケジュール案を所定の基準で選択し前記発電機の起動停止状態を変更する起動停止スケジュール変更手段と、
    前記起動停止スケジュール変更手段により起動停止状態が決定している複数の前記発電機からの出力を決定する発電機出力決定手段としてコンピュータを機能させる供給計画策定プログラム。
  8. 複数の発電機それぞれの起動停止状態及び出力を決定する供給計画策定方法であって、
    前記発電機の特性、作業計画、物理的制約条件及び電力需要データを少なくとも含む入力データを用いて前記発電機それぞれの起動停止状態を初期化する起動停止状態初期データ設定処理ステップと、
    前記起動停止状態初期データ設定処理ステップにおいて初期起動状態とされた前記発電機に対し、所定のアルゴリズムを用いて出力を決定する発電機初期出力決定処理ステップと、
    前記発電機毎の部分問題として、前記発電機初期出力決定処理ステップで算定された値と残存停止回数に基づいて前記発電機の起動停止可能時刻を判定する起動停止可能時刻判定処理ステップ、前記起動停止可能時刻判定処理ステップの結果に基づき停止オプションを設定する起動停止可能時刻設定処理ステップ、及び前記起動停止可能時刻設定処理ステップで設定された前記停止オプションと燃料消費量制約とを考慮して動的計画法により計画対象期間の起動停止スケジュール案を作成する起動停止スケジュール作成処理ステップをそれぞれ行う部分問題処理ステップと、
    前記起動停止スケジュール案を所定の基準で選択し前記発電機の起動停止状態を変更する起動停止スケジュール変更処理ステップと、
    前記起動停止スケジュール変更処理ステップにより起動停止状態が決定している複数の前記発電機からの出力を決定する発電機出力決定処理ステップとを備える供給計画策定方法。
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