JP4566436B2 - 動圧密工法と動圧密装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は土木・建築・廃棄物処理・その他の技術分野において、地盤を締め固めるための動圧密工法と動圧密装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
土木や建築の分野で広く利用されているところの動圧密工法は、地上高く吊り上げたハンマを地面に向けて自由落下させ、その際の衝突エネルギを利用して地盤を締め固めるという技術である。これについては地盤を突き固めることからタンピングともいわれている。
【0003】
動圧密工法には大別してハンマ連結式とハンマ脱着式とがある。ハンマ連結式の場合は、ワイヤロープの先端に繋がれたハンマ(鋼製またはコンクリート製)をウインチで巻き上げた後、ハンマをワイヤロープから切り離すことなくウインチをフリーにし、ワイヤロープを巻きほどいてハンマを地面へ落下させる。ハンマ脱着式の場合は、ワイヤロープの先端に繋がれた脱着機でハンマを保持し、これをウインチで巻き上げた後、脱着機から切り離して地面へ落下させる。いずれの方式も、ハンマを吊り上げるための吊上ステップとハンマを落下させるための落下ステップとを必要な回数だけ繰り返す。
【0004】
動圧密工法については上記のとおり、ハンマを用いるのがこの分野での技術常識である。動圧密工法による軟弱地盤の改良についていうと、タンピングは本タンピング施工や仕上げタンピングなどで実施し、これと関連して埋め戻しや整地も行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ハンマを用いる動圧密工法については下記▲1▼〜▲7▼のような課題がある。▲1▼ハンマの吊り上げと落下を繰り返し行うため手数が掛かりすぎる。▲2▼ハンマの取扱中、トラブルの発生することが少なくない。とくにハンマ連結式ではワイヤロープの縺れがよく起きる。▲3▼トラブルを回避するためのハンマ操作に高度の熟練が要る。▲4▼落下によって地盤に貫入したハンマを「地切り」という作業で引き抜かねばならない。その際の引き抜き荷重はハンマの約3〜4倍にもなる。これはハンマ操作用として地切り可能な大型クーレンが必要になるということである。▲5▼クーレンの大型化を緩和する手段として動滑車を増やすこと、すなわち、ワイヤロープの減速により巻上力を増大して引き抜き荷重を確保することが考えられる。しかし減速することで巻き上げに時間が掛かるという影響が出る。▲6▼巻上時間はエンジンのフル回転により短縮できるが、このような対策はクーレンを過酷に取り扱うことになるから、クーレンの機械要素やワイヤロープを早期に損耗させてしまう。▲7▼動圧密工法において、埋め戻し作業や整地作業の一部をタンピングが兼ねる場合は、労力・工期・工事費用などを画期的に改善することができる。けれどもハンマを用いるタンピングには上記両作業との関連性がないから、その種の改善をはかることができない。
【0006】
【発明の目的】
本発明は上述した技術課題に鑑みなされたものである。すなわち本発明は、土砂団塊の利用という技術思想に基づき、強大なタンピング力の確保・作業難度の解消・トラブル回避・労力削減・工期短縮・工事費用の低減・装置の簡潔化・装置耐用年数の延長など、これらを満足させることのできる動圧密工法と動圧密装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載された動圧密工法は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項1記載の動圧密工法は、地盤上に移動自在に設置するものとして上部側に貯溜部を有する落下シュートを用いること、および、落下シュートの貯溜部内に土砂を送り込むための手段として搬送機械を用いること、および、地盤上に設置されて立ち上がる落下シュートの貯溜部内に搬送機械を介して土砂を搬入し、それらの搬入土砂で土砂団塊をつくること、および、土砂団塊を落下シュートの貯溜部内からそのシュートの内部沿いに落下させて地盤に衝突させ、土砂団塊が地盤に衝突したときの衝突エネルギで土砂団塊を地盤に食い込ませると同時に地盤を締め固めることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2に係る動圧密工法は、請求項1記載の工法において、地盤の各所を締め固めるために落下シュートの設置場所を変更し、地盤の各所で土砂団塊を地盤に衝突させることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項3に係る動圧密工法は、請求項1または2記載の工法において、土砂団塊の落下時、落下シュートの下部側面よりシュート内の空気を排気することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項3に記載された動圧密装置は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項3記載の動圧密装置は、地盤上に移動自在に設置するための落下シュートと落下シュートの上部側に土砂を送り込むための搬送機械とを備えていること、および、落下シュートの上部側には土砂を貯溜して土砂団塊をつくったり土砂団塊を落下させたりするための貯溜部が設けられていること、および、土砂用の貯溜部をもつ落下シュートの上部側と搬送機械の土砂搬出部とが互いに対応するものであることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項4に係る動圧密工法は、請求項3記載の装置において、シュート内の空気を排気するための排気部が落下シュートの下部側面に設けられていることを特徴とする。
【0012】
【作用】
本発明に係る動圧密工法の場合、はじめは上部側に貯溜部を有する落下シュートを地盤上に設置し、落下シュートの貯溜部内に搬送機械で土砂を搬送投入する。貯溜部内で各土砂は土砂団塊(一塊り土砂群)となる。つぎに土砂団塊を貯溜部内から落下シュートの内部沿いに一気に落下させる。このようにすると、土砂団塊は散乱することのない一塊り状態を保持して高速落下し地盤に衝突する。具体的一例として、50m3の土砂団塊(重量約80t)を高さ20mの貯溜部内から落下させて地盤に衝突させる。そのときの土砂団塊の衝突エネルギは(80t)x(20m)=1600t・mである。この値に減衰率(土砂空隙などに起因する)を掛けたものが土砂団塊の実質的な衝突エネルギとなるが、これによる地盤の改良深度として20m以上が確保できる。比較例としての従来工法において、高さ25mの高所から25tのハンマを落下させたときの衝突エネルギは625t・mで、地盤の改良深度は15mである。この対比から理解できるように、本発明工法によるときは従来工法を上回るタンピング力で高度の動圧密が行える。本発明工法は、また、落下シュートの設置場所を変更し、それぞれの場所で土砂団塊を地盤に衝突させることにより、広い地盤も難なく締め固めることができる。さらに土砂団塊の落下時、落下シュート内の空気を排気して空気抵抗を減少させると、衝突エネルギの減衰率を低く抑えることができる。
【0013】
本発明に係る動圧密装置は動圧密のための既述の構成を備えている。したがって本発明に係る動圧密装置によるときは、本発明工法を合理的に実施することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る動圧密工法と動圧密装置について、これらの実施形態を添付図面に基づき説明する。
【0015】
本発明に係る動圧密装置の一実施形態を示した図1〜図4において、図1の自走車両11は走行部12の上にボディ部13が旋回自在に搭載された周知のものである。走行部12はエンジンの動力を伝達されて駆動する無限軌条(クローラ)および/または車輪などを主体にしたもの、ボディ部13はクレーン操縦機構・車両操縦機構・その他を有するものである。ボディ部13のフロント側には、平面二股状(例:コ字状)の取付部14を上部に有するものであって旋回フレームの前部にピンで取り付けられたブーム15が起倒自在に装備されているとともに油圧式または空気圧式の伸縮アーム16が揺動自在に装備されている。ボディ部13には、さらに、シーブ17・18を保持したシーブ保持体19・20や、ワイヤロープ21を巻き取ったり巻き戻したりするためのウインチ(図示せず)も備わっている。ウインチから巻き戻されたワイヤロープ21は、その先端(巻き戻し端)がシーブ17・18を経由してブーム15の取付部14に繋ぎ止められている。
【0016】
図1〜図4に例示された落下シュート31は、たとえば鋼のごとき堅牢な金属でつくられた筒状構造のものである。落下シュート31の各部の横断面形状は円形でも多角形でもよいが、代表的一例として横断面四角形のものが採用される。落下シュート31についてさらにいうと、これは下部筒32・上部筒35・ホッパ61などを主要な構成部材にしている。上下両筒32・35の相対関係でいえば、上部筒35は下部筒32よりも数倍長く、下部筒32の口径は上部筒35のそれよりも一回り大きい。下部筒32はフィン形をなす多数の脚33を下部外周面に有し、内外に通じる排気部34を上部側面に有している。
けれども排気部34の外部端末にある開口(排気用出口)は下を向いている。上部筒35はその上部側に貯溜部36を有する。図1〜図4の例では上部筒35の上部空間と一対の開閉部材37・38とによって貯溜部36が構成されており、両開閉部材37・38にこれ用の操作機構が付帯している。図3でとくに明らかなように、上部筒35の上部両側面には両開閉部材37・38の先端部を出し入れするための一対の開口窓39・40がある。両開閉部材37・38は両開口窓39・40のところに配置されてそこに回動自在に取り付けられるものである。
そのために両開閉部材37・38は、これらの上面の中間部に支点部41・42を有している。各支点部41・42は、通常、複数のものが開閉部材の幅方向沿いに設けられるものである。両開閉部材37・38はこのほか、これら用の操作部材を連結するための連結部43・44をそれぞれ後端部上面に有している。各連結部43・44も、通常、開閉部材後端部側の上面両隅付近に設けられるものである。上部筒35の両側面には、両開閉部材37・38の支点部41・42と対応する支持部45・46が両開口窓39・40の上縁付近にある。両開閉部材37・38を操作するための一対のジャッキ47・48は油圧式または空気圧式のもので、その伸縮軸49・50の先端に連結片51・52が設けられている。
両ジャッキ47・48は伸縮軸49・50を上向きにして上部筒35の前後面に取り付けられている。この場合に両開閉部材37・38は、支点部41・42と連結部43・44とが支点軸53・54で連結されることにより上部筒35の両側面に回動自在に取り付けられる。また、連結部43・44と連結片51・52とにわたって複数の連結アーム55・56があてがわれ、該各連結アーム55・56の両端部が連結軸57・58・59・60でそれらに連結される。したがって支点部41・42をもつ一対の開閉部材37・38は、両ジャッキ47・48の伸縮軸49・50を伸縮操作したときに、これらの開閉端部が両開口窓39・40より上部筒35の内外に出入りするという態様で開閉される。一方でホッパ61は、図1・図2のごとく擂り鉢状に傾斜した筒形をしている。ホッパ61にはステー62を介して監視カメラ63が取り付けられている。下部筒32・上部筒35・ホッパ61の組み合わせ構造についていうと、上部筒35はこれの下部側を下部筒32内に挿入した状態で該下部筒32と脱着可能に連結されており、ホッパ61は上部筒35の上端部側において該上部筒35と脱着可能に連結されている。
【0017】
このようにして組み立てられた落下シュート31は、図1で明らかなように自走車両11に組み付けられる。すなわち落下シュート31は、上部筒35の一部がブーム15の取付部14内に嵌め込まれてそこに連結されたり、伸縮アーム16の先端が下部筒32の一側面(左側面)に枢着されたりして自走車両11に組み付けられるのである。自走車両11の運転席にはこのほか、両ジャッキ47・48の操作系(図示せず)や、監視カメラ62に接続されたモニタ(図示せず)も備え付けられている。
【0018】
落下シュート31にはこのほか、図1・図2のごとく搬送機械71が組み合わされている。搬送機械71としては、落下シュート31の貯溜部36内に土砂等を搬送投入できるものであれば各種のものが採用できる。搬送機械71の具体的一例をあげると、自走式かつ旋回式のベルトコンベアすなわちステージスプレッダということになる。ステージスプレッダは受け入れコンベアと捲き出しコンベアとを備え、それらのコンベアが独自に俯仰・旋回できるものである。この搬送機械71にもステー72を介して監視カメラ73が取り付けられている。この監視カメラ用のモニタ(図示せず)も自走車両11の運転席に備え付けられている。
【0019】
図1〜図4に例示された動圧密装置で地盤Gを締め固めるため動圧密工法を実施するときは一例として下記のようにする。はじめは自走車両11を走行させて落下シュート31を地盤G上のタンピング地点に設置したり、搬送機械71の搬出端部をホッパ61の上に配してこれと落下シュート31とを連係したりする。つぎに土砂を搬送機械71で搬送しながら一定量の土砂を落下シュート31の貯溜部36内に投入する。この投入状態を示したのが図4(A)である。図4(A)で明らかなように、貯溜部36内に投入された各土砂は一塊り土砂群となって土砂団塊Sとなる。その後、土砂団塊Sを貯溜部36内から落下させるべく両ジャッキ47・48を操作し、これら伸縮軸49・50をそれぞれのジャッキ47・48内に没入させる。これにともなう一連の動作として、各伸縮軸先端(上端)の連結片51・52が降下したり、両連結片51・52がこれらの降下方向へ両連結アーム55・56を牽引したり、両開閉部材37・38の開閉端部が支点部53・54を支点にして図3の矢印方向へ瞬時回動したりする。それで両開閉部材37・38が図4(B)のように開放されるから、土砂団塊Sは散乱することのない一塊り状態を保持して落下シュート31内を高速落下する。このときの落下シュート31内では、落下中の土砂団塊Sがその下位の空気を押し下げつつこれを排気部34よりシュート外に排気する。そして高速落下する土砂団塊Sは、落下シュート31の下端まで達したときに図4(C)のごとく地盤Gのタンピング地点に衝突する。この際の衝突エネルギは強大である。したがって土砂団塊Sは、地盤Gのタンピング地点を締め固めると同時にそれ自体も地中に貫入する。これはすなわち、タンピングと同時に地盤Gの貫入部(凹んだ部分)を土砂団塊Sで埋めるのであるから、動圧密にともなう埋め戻し作業や整地作業の一部も同時進行する。落下シュート31については、土砂団塊Sの落下後、両ジャッキ47・48の伸縮軸49・50をそれぞれ上方へ突出復帰させることで両開閉部材37・38が図4(A)の閉鎖状態に戻るから、つぎのタンピング作業に備えることができる。地盤Gの同一箇所を繰り返しタンピングするときは上記の作業を必要な回数だけ実施すればよく、地盤Gの他の箇所をタンピングするときはそのタンピング地点へ落下シュート31を移動して上記の作業を行えばよい。
【0020】
人工島造成のために広大な地盤を締め固めたり広範な用地内の地盤を締め固めたりするときの一般例では、施工域を適当な大きさの工区に区画し、工区順にタンピングしては敷き均すという施工を行う。図5・図6を参照して説明する地盤の締め固めは、こうした場合のタンピング施工例を示す。とくにいえば人工島を造成するときの地盤締め固め例である。
【0021】
図5・図6において、落下シュート31は前述した自走車両11に装備されているため任意の地点へ移動させることができる。図5・図6で搬送機械は二種類ある。一つの搬送機械71は既述のステージスプレッダ(自走式かつ旋回式のベルトコンベア)、他の一つの搬送機械74はシフタブルコンベアである。シフタブルコンベア(搬送機械74)も自走式かつ旋回式のベルトコンベアである。これは海面上の揚土設備としてリクレーマ船のような揚土船が使われるとき、揚土船から陸上(たとえば人工島)への土砂搬送のために用いられるものである。図5・図6の例では、二基の搬送機械71が前後につながれ、その後側の搬送機械71にもう一つの搬送機械74がつながれている。この場合に前側の搬送機械71は、これの搬送端部が落下シュート31の上部と対応していて該シュートの貯溜部36内に土砂を投入できるようになっている。
【0022】
図5・図6において実施する地盤Gのタンピングも図4で述べたと同様である。すなわち落下シュート31を地盤Gのタンピング地点に設置し、両搬送機械71・74を利用して落下シュート31の貯溜部36内に一定量の土砂を入れ、土砂団塊Sを貯溜部36内から一気に落下させてタンピング地点に衝突させる。けれども図5・図6の例では、地盤Gの各所を多点タンピングするから、落下シュート31を移動したりそれに応じて搬送機械71をシフトしたりする。このときの具体的一例は図6を参照してつぎのとおりである。はじめはタンピング地点P11をタンピングする。この地点のタンピングを終えたならば落下シュート31を図6の矢印X方向へ所定距離だけ移動させ、これに追従させて搬送機械71の搬送端部をシフトさせたのち、タンピング地点P12をタンピングする。以下同じ要領で各タンピング地点P13〜P18をタンピングする。ここまでタンピングを終えたときは、落下シュート31を図6の矢印Y方向へ所定距離だけ移動させ、これに追従させて搬送機械71の搬送端部をシフトさせた後、タンピング地点P21をタンピングする。続いて落下シュート31を図6の逆X方向へ所定距離だけ移動させ、これに追従させて搬送機械71の搬送端部をシフトさせた後、タンピング地点P22をタンピングする。以下も同じ要領で各タンピング地点P23〜P28をタンピングする。引き続き、落下シュート31をタンピング地点P28から同P31へと移動させ、これに追従させて搬送機械71の搬送端部をシフトさせた後、タンピング地点P31をタンピングする。その後も同じ要領で各タンピング地点P32・P38‥‥を順次タンピングする。このようにすれば、人工島造成のごとき広大な地盤を締め固めや広範な用地内の地盤を締め固めも合理的に進行する。
【0023】
本発明の具体的一例として、重量約80tの土砂団塊Sを高さ20mの貯溜部36内から落下させて地盤Gに衝突させたとき、土砂団塊Sの衝突エネルギが1600t・mになることはすでに述べた。この値に減衰率を掛けたものが土砂団塊Sの実質的な衝突エネルギになることや、これによる地盤の改良深度として20m以上が確保できることもすでに述べた。かかる本発明の場合に、貯溜部36への土砂の供給能力を大きくすれば、100〜200tの土砂団塊Sで100〜200回/日のタンピングが可能になると推定できる。地盤Gの改良深度も、たとえば、(土砂団塊Sの重量100t)x(貯溜部36の高さ25m)の場合に、従来例を凌駕するといえる。落下シュート31は高さ30前後のもので重量が20〜40tである。しかも土砂団塊Sを利用する動圧密工法や動圧密装置では、ハンマを用いないからこれの地切りもなくなる。したがって自走車両11に装備するクレーンは、従来の130〜150t級から100t級に下げることができる。
【0024】
本発明において用いる土砂はとくに種類を問わないから、この種の分野で用いられる各種の土砂が採用できる。これらのうちには、建設作業にともない発生する現場発生土、埋め立てなどに用いられる不良土、さらには、現場発生土や不良土に改良材を添加したものものも含まれる。もちろん土砂には小石・砕石・その他が混ざっていても構わないし、湿気を帯びたものも使うことができる。土砂が水分を含んだものであるとき、その含水率は30%以下とくに20%以下(例:5〜15%)が望ましい。湿気や水分を含む土砂は土砂団塊Sとなったときに塊状を保持しやすく、しかも残留空気が比較的少ないかほとんどみられなくなる。
【0025】
本発明において落下シュート31の貯溜部36は、一対の開閉部材37・38を主体にして開閉自在な底部を構成した。これは貯溜部36の底部が両開きするというものである。これ以外の一例として、単一の開閉部材を用いて貯溜部36の底部を片開き式の開閉構造にすることもある。その他の例として、貯溜部36を上面開放型の容器でつくり、これを落下シュート31の上部内に反転自在に備え付けることもある。搬送機械71は通常のベルトコンベアでもよいし、バケット形のコンベアでもよい。このほか、土砂をすくい取って落下シュート31の貯溜部36内に搬送投入できる機械類であれば、それも搬送機械71として利用できる。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係る動圧密工法と動圧密装置はつぎのような効果を有する。
【0027】
土砂団塊を落下シュートの貯溜部(高所)から落下させてこれを地盤に衝突させるから、その衝突エネルギで強大なタンピング力が確保できる。したがって、このタンピングによる地盤の締め固め効果が高い。
【0028】
タンピングの際、土砂を落下シュートの貯溜部に入れ、その土砂団塊を地上へ落下させるだけであるから作業難度がない。とくにハンマをクレーン操作する従来例と比べた場合にこの効果が大きい。したがって高度の熟練を要せずして動圧密工法を実施することができる。
【0029】
落下シュートの貯溜部から土砂団塊を重力落下させるだけであるからトラブルがほとんど発生しない。したがってワイヤロープに縺れが起こりがちであった従来のハンマ・クレーン方式と比べ、工事が順調に進行する。
【0030】
土砂団塊を地盤に食い込ませると同時に地盤を締め固めるということは、タンピング作業のみで、しかもこれと同期して埋め戻し作業や整地作業の一部も行えるということである。したがって労力の削減・工期の短縮・工事費用の低減をはかることができる。
【0031】
貯溜部のある落下シュートを主体にしたものであるから装置構成は簡潔である。落下シュートは、また、土砂を入れて土砂団塊を落下させるだけのものであるから過酷な取り扱いを受けず、したがって装置の耐用年数も長くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一実施形態を略示した正面図
【図2】図1の装置の右側面図
【図3】図1の装置の要部拡大断面図
【図4】本発明工法の一実施形態を工程順に略示した縦断面図
【図5】本発明工法の他の一実施形態を略示した正面図
【図6】図6の工法の平面図
【符号の説明】
11 自走車両
15 ブーム
31 落下シュート
32 下部筒
34 排気部
35 上部筒
36 貯溜部
61 ホッパ
71 搬送機械
74 搬送機械
G 地盤
S 土砂団塊
Claims (5)
- 地盤上に移動自在に設置するものとして上部側に貯溜部を有する落下シュートを用いること、および、落下シュートの貯溜部内に土砂を送り込むための手段として搬送機械を用いること、および、地盤上に設置されて立ち上がる落下シュートの貯溜部内に搬送機械を介して土砂を搬入し、それらの搬入土砂で土砂団塊をつくること、および、土砂団塊を落下シュートの貯溜部内からそのシュートの内部沿いに落下させて地盤に衝突させ、土砂団塊が地盤に衝突したときの衝突エネルギで土砂団塊を地盤に食い込ませると同時に地盤を締め固めることを特徴とする動圧密工法。
- 地盤の各所を締め固めるために落下シュートの設置場所を変更し、地盤の各所で土砂団塊を地盤に衝突させる請求項1記載の動圧密工法。
- 土砂団塊の落下時、落下シュートの下部側面よりシュート内の空気を排気する請求項1または2記載の動圧密工法。
- 地盤上に移動自在に設置するための落下シュートと落下シュートの上部側に土砂を送り込むための搬送機械とを備えていること、および、落下シュートの上部側には土砂を貯溜して土砂団塊をつくったり土砂団塊を落下させたりするための貯溜部が設けられていること、および、土砂用の貯溜部をもつ落下シュートの上部側と搬送機械の土砂搬出部とが互いに対応するものであることを特徴とする動圧密装置。
- シュート内の空気を排気するための排気部が落下シュートの下部側面に設けられている請求項4記載の動圧密装置。
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