JP4565924B2 - 圧縮機 - Google Patents

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本発明は、空調装置、給湯機、カーエアコン、ショーケース、冷凍・冷蔵庫、自動販売機などの冷凍装置において冷媒を圧縮する圧縮機に関する。
この種の圧縮機としては、例えば図11に示したように密閉容器1の内部に電動モータ2により駆動される圧縮手段としてのピストン3を備えた圧縮機構部4と、一端が圧縮機構部4の圧縮室5に吸入孔6を介して連通し、他端側に吸入口7が開口した吸入マフラー8とを大部分が近接状態に備え、密閉容器1に取着した吸入パイプ11を介して機内に導入した冷媒を吸入マフラー8を介して圧縮室5に送り込み、ピストン3の往復動作により冷媒を所定の圧力まで高めて機外に吐出する密閉型の圧縮機100Xが周知である(例えば、特許文献1参照。)。
なお、図中14はシリンダブロックであり、軸受15にはクランクシャフト16が支持され、その偏心部17にはコンロッド18を介してピストン3が連結されている。また、19は吸入孔6と図示しない吐出孔を備えたバルブプレート、20は吸入孔6を開閉するリード弁、21はシリンダヘッド、22は吸入孔6から吸入マフラー8に至る管路である。
そして、上記構成の圧縮機構部4を分散設置した複数個、例えば3個のスプリング23(図11においては、スプリング23は1個のみ図示。)により密閉容器1内で弾性支持して、圧縮機構部4の運転時の振動が密閉容器1に伝達されないようにしてある。
また、図12に示したように、吸入マフラー8がシリンダヘッド21に起立状態に設けられた圧縮機100Yも周知である(例えば、特許文献2参照。)。なお、図12においても、前記図11に示した部分と同一の機能を果たす部分には同一の符号を付してある。
特開平09−228950号公報 特開2003−097430号公報
特許文献1、2などに提案された圧縮機においては、トラックなどにより搬送する際に悪路を走るなどして強い衝撃を受けると、スプリングにより弾性支持された圧縮機構部が密閉容器の内面にぶつかって破損などすることがある、と云った問題点があり、その解決が課題となっていた。
本発明は、ピストンなどの圧縮手段を備え弾性部材により密閉容器内で弾性支持された圧縮機構部、密閉容器に固定した、剛性を有するストッパ部材の平板部、曲板部などの角部以外の部位により、常時、前記弾性部材側に向けて押圧されているとともに、前記ストッパ部材の圧縮機構部を押圧している部位の先端側が非押圧面側に屈曲していることを主要な特徴とする圧縮機である。
本発明によれば、密閉容器に固定されたストッパ部材の平板部、曲板部などの角部以外の部位により圧縮機構部を押圧しているので、トラックなどにより搬送する際に悪路を走るなどして強い衝撃を受けても、圧縮機構部が密閉容器の内面にぶつかって破損などすることがないし、削り屑が出ることもない。
ピストンなどの圧縮手段を備え弾性部材により密閉容器内で弾性支持された圧縮機構部、密閉容器に固定した、剛性を有するストッパ部材の平板部、曲板部などの角部以外の部位により、常時、前記弾性部材側に向けて押圧されているとともに、ストッパ部材の圧縮機構部を押圧している部位の先端側が非押圧面側に屈曲するようにした圧縮機。
以下、本発明の第1の実施例を図1〜図5に基づいて詳細に説明する。なお、理解を容易にするため、これらの図においても前記図11、図12において説明した部分と同様の機能を有する部分には同一の符号を付した。
第1の実施例の圧縮機100においても、密閉容器1の内部には電動モータ2によりピストン3などの圧縮手段が駆動される圧縮機構部4と、その圧縮機構部4に取着された吸入マフラー8とが収納されている。
すなわち、吸入マフラー8は、その上部開口端の周縁8Aがシリンダヘッド21に設けられた図示しない溝部に嵌入され、二つの嵌合穴8Bにシリンダヘッド21に設けられた図示しない係合突起が嵌入されるなどして、ピストン3を有するシリンダブロック14に装着されたシリンダヘッド21に取着され、密閉容器1に取着した吸入パイプ11を介して密閉容器1内に進入した冷媒が吸入口7から吸入マフラー8に入り、さらにシリンダブロック14の圧縮室5に入って電動モータ2が駆動するピストン3により圧縮され、所定の圧力に昇圧されて図示しないシリンダ内空隙に一旦吐出し、そこから吐出パイプ12を介して密閉容器1外に吐出するように構成されている。なお、符号13は密閉容器1内に図示しない冷媒と、冷凍機オイル30を注入するための注入パイプである。
そして、吸入マフラー8の圧縮機構部4に臨む側の面には、突出寸法は小さく、水平方向には長い凸部9と、その凸部9より突出寸法は大きく、水平方向には短い突部10とが、それぞれ分散して設けられている。
すなわち、水平方向に長い凸部9は上下方向に離間して3箇所に、上段部と中段部との間隔と、下段部と中段部との間隔が異なる状態で平行に、且つ、吸入マフラー8がシリンダヘッド21に装着された状態では圧縮機構部4に接触しない寸法で設けられている。
また、水平方向に短い突部10は、下段部の凸部9と中段部の凸部9との間の水平方向に離間した部位において、吸入マフラー8がシリンダヘッド21に装着された状態で圧縮機構部4に押圧される寸法に形成されている。
そして、吸入マフラー8が添設された圧縮機構部4は、密閉容器1内に分散設置された複数個、例えば3個のスプリング23(図2においては1個のみ記載)により弾性支持され、その上部側が密閉容器1の内面に溶接などの適宜の固定手段により取着された、例えば十分な剛性を有する鉄製の2個のストッパ24により下方に押圧されている。
なお、二つのストッパ24は、例えば図4に示したようにコ字状に屈曲形成され、その取着部24Aなどにおいて密閉容器1を構成する容器本体1Aとエンドキャップ1Bの内のエンドキャップ1Bの内面にスポット溶接などにより離間して取着され、角部以外の例えば平板状に形成された押圧部24Bを中心とした部分が、容器本体1A内でスプリング23により弾性支持された圧縮機構部4に当接して圧縮機構部4を下方に押圧している。
この第1の実施例の圧縮機100においては、吸入マフラー8が添設された状態で、スプリング23により弾性支持されている圧縮機構部4は、ストッパ24の角部以外の平板部からなる押圧部24Bを中心とした部位によりスプリング23側の下方に押圧されているので、圧縮機100をトラックなどにより搬送する際に悪路を走るなどして強い衝撃を受けても、圧縮機構部4が密閉容器1の内面にぶつかって破損などすることがないし、ストッパ24と強く接触しても削り屑が出ることもない。
しかも、ストッパ24は、押圧部24Bより先端側の先板部24Cが非押圧面側に屈曲しているので、ストッパ24が内面に固定されたエンドキャップ1Bを、圧縮機構部4を備えた容器本体1Aに嵌め込み、溶接などして密閉容器1を形成する際に先端部24Dが圧縮機構部4に突き当たることがないと云った利点もある。
また、吸入マフラー8の圧縮機構部4に臨む面には水平方向に長い複数個の凸部9が圧縮機構部4と非接触状態で上下方向に不等間隔に配置されているので、吸入マフラー8と圧縮機構部4との間の冷媒は振動しても定常波を形成し難く、したがって吸入マフラー8と圧縮機構部4との間にある冷媒と、吸入マフラー8の容器壁とは共鳴し難い。
また、水平方向に短い突部10が圧縮機構部4を押圧し、その反作用としての応力が二つの突部10を介して吸入マフラー8の圧縮機構部4に臨む面に作用しているので、吸入マフラー8の容器壁は振動し難い。
したがって、電動モータ2が起動され、ピストン3が往復動作することにより冷媒の吸入、圧縮、吐出が繰返され、吸入マフラー8内を冷媒が脈動しながら流れても、吸入マフラー8が激しく振動して大きな音を出すことはない。
本発明の第2の実施例の圧縮機100を図6〜図9に基づいて説明する。これらの図においても前記図面において説明した部分と同様の機能を有する部分には同一の符号を付し、前記第1の実施例の圧縮機100と相違する点のみを説明する。
第2の実施例の圧縮機100においては、図9に示した形状のストッパ24がエンドキャップ1Bの内面にスポット溶接などにより取着され、その平板状の押圧部24Bが圧縮機構部4に当接して圧縮機構部4をスプリング23側の下方に押圧している。
この第2の実施例の圧縮機100に用いられているストッパ24には、押圧部24Bの先端側に非押圧面側に屈曲した先板部は設けられていないが、先端部24Dは半円状の曲面に形成されている。また、先端部24Dの両端部分も円弧状の曲面に形成されている。
そして、このような形状に作製されたストッパ24は、その平板状の押圧部24Bは圧縮機構部4を押圧するが、半円状の曲面に形成された先端部24Dが圧縮機構部4に当接しないように、圧縮機構部4に逃げのある部位に位置するように配置されている。
したがって、この第2の実施例の圧縮機100においても、前記第1の実施例の圧縮機100と同様に、トラックに積載などして搬送する際に悪路を走るなどして強い衝撃を受けても、圧縮機構部4が密閉容器1の内面にぶつかって破損などすることがないし、ストッパ24と強く接触しても削り屑が出ることもない。
また、ストッパ24は、先端部24Dが曲面に形成されているので、ストッパ24が内面に取着されたエンドキャップ1Bを、圧縮機構部4を備えた容器本体1Aに嵌め込み、溶接などして密閉容器1を形成する際にストッパ24の先端部24Dが圧縮機構部4に突き当たっても圧縮機構部4が傷つくことがない。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
例えば、ストッパ24は、図10に例示したように押圧部24Bを円弧状などの曲面に屈曲した状態に作製して用いることができる。図10に示した形状のストッパ24により圧縮機構部4をスプリング23側の下方に押圧するようにした圧縮機100においても、前記第1、第2の圧縮機100と同様の作用効果を奏することができる。
また、板材を折り曲げ加工して作製するストッパ24は、取着部24Aが形成されている面と押圧部24Bが形成されている面に、連続したフランジを設けて曲げ剛性を高め、薄板化を図ることも可能である。
また、吸入マフラー8が添設された圧縮機構部4が、密閉容器1内に分散設置された複数個、例えば3個のスプリング23により懸垂状態に弾性支持され、その圧縮機構部4の下部側を密閉容器1の内面に溶接などの適宜の固定手段により取着したストッパ24によりスプリング23側、すなわち上方に押圧するように構成された圧縮機であっても良い。
また、吸入マフラー8の圧縮機構部4に臨む面には、前記凸部9・突部10の何れか一方のみを設けるようにすることも可能である。
また、凸部9を吸入マフラー8の圧縮機構部4に臨む面に複数個設ける場合、突出寸法と水平方向寸法が全て異なるように設けることもできるし、1個若しくは複数個の凸部9を傾斜した状態に設けることも可能である。
また、吸入マフラー8としては、図12に示した従来の圧縮機100Yの場合と同様、すなわちシリンダヘッド21に懸垂状態に取着されたものであっても良い。
第1の実施例である圧縮機の圧縮機構部とその周辺部分の正面説明図である。 第1の実施例である圧縮機の圧縮機構部とその周辺部分の断面説明図である。 第1の実施例である圧縮機の圧縮機構部とその周辺部分の平面説明図である。 第1の実施例である圧縮機のストッパの説明図である。 第1の実施例である圧縮機に用いる吸入マフラーの斜視説明図であり、(A)は正面側から、(B)は背面側から見たときの説明図である。 第2の実施例である圧縮機の圧縮機構部とその周辺部分の正面説明図である。 第2の実施例である圧縮機の圧縮機構部とその周辺部分の断面説明図である。 第2の実施例である圧縮機の圧縮機構部とその周辺部分の平面説明図である。 第2の実施例である圧縮機のストッパの説明図である。 本発明圧縮機のストッパの他の形状例を示す説明図である。 第1の従来技術を示す説明図である。 第2の従来技術を示す説明図である。
符号の説明
1 密閉容器
1A 容器本体
1B エンドキャップ
2 電動モータ
3 ピストン
4 圧縮機構部
5 圧縮室
6 吸入孔
7 吸入口
8 吸入マフラー
8A 周縁
9 凸部
10 突部
11 吸入パイプ
12 吐出パイプ
13 注入パイプ
14 シリンダブロック
15 軸受
16 クランクシャフト
17 偏心部
18 コンロッド
19 バルブプレート
20 リード弁
21 シリンダヘッド
22 管路
23 スプリング
24 ストッパ
24A 取着部
24B 押圧部
24C 先板部
24D 先端部
30 冷凍機オイル
100、100X、100Y 圧縮機

Claims (2)

  1. ピストンなどの圧縮手段を備え弾性部材により密閉容器内で弾性支持された圧縮機構部、密閉容器に固定した、剛性を有するストッパ部材の平板部、曲板部などの角部以外の部位により、常時、前記弾性部材側に向けて押圧されているとともに、
    前記ストッパ部材の圧縮機構部を押圧している部位の先端側が非押圧面側に屈曲していることを特徴とする圧縮機。
  2. 前記ストッパ部材の圧縮機構部を押圧している部位の先端部が曲面に形成されたことを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
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