JP4563871B2 - 撮影システム - Google Patents

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本発明は、撮影システム、より詳しくは、遠隔操作により煙突内部の点検・調査対象物を撮影する撮影システムに関する。
煙突の内面は劣化しやすく、劣化が進行すると内面ライニング材が崩壊して煙突の装置寿命が低下する。また、煤等の付着堆積量が多くなると煙突から飛散して周辺の環境を汚染したり、火の粉を撒き散らして火災の原因となったりする恐れがある。
このため、煙突の内部は定期的に点検を行い、調査を行う必要がある。
従来行われている煙突内部の点検・調査の方法は、煙突頂部から吊り下げられたロープやゴンドラを使って作業者が煙突内部の状況を撮影し、得られた写真画像を評価するものであった。この作業基準については、非特許文献1に定められている。
また、関連技術として特許文献1乃至6に記載されたものがある。
「鉄筋コンクリート造独立煙突の点検・補修安全作業基準」(昭和61年1月:日本煙突保全協会) 特開平10−184034号公報 特開平8−303747号公報 特開平6−294243号公報 特開平8−68622号公報 特開2001−330236号公報 特開平8−145577号公報
しかしながら、煙突頂部から吊り下げられたロープやゴンドラを使用して作業者が煙突内部の状況を写真撮影する作業は非常な危険を伴うものであり、劣悪な環境下での作業であるために、きめ細かな写真撮影が行えず、したがって詳細な調査が難しいという問題がある。
また、作業者が中に入るためには、煙突の内部温度が40℃以下であることが必要であるが、煙突内部の温度を下げるためには製造装置などの長時間に渡る休止が必要である。
これらの問題を解決することを目的とした技術に、特許文献1乃至4等があり、遠隔操作により煙突内を撮影・記録することを可能としている。しかしながら、特許文献1及び4では調査対象が鋼製煙突に限定されている。更に、特許文献1乃至4等に記載された技術はいずれも休止中の煙突を対象としたものであって、稼動中の煙突には適用できない。
稼動中の煙突内部を調査する技術としては、特許文献5があるが、これは調査範囲がマンホール付近のみに限定されている。
また、高温環境での撮影を行う技術に、特許文献6があるが、これは炉の内面を対象としたものであり、カメラは固定されているので長大な煙突に対しての適用はできない。
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて創作されたものであり、煙突の内部点検のように危険かつ劣悪な環境下における撮影作業をきめ細かく、かつ長時間行うことが可能であり、従来は不可能であった通煙中の煙突内の撮影を可能とする撮影システムを提供するものである。
上記課題を解決するため、第1の発明は撮影システムに係り、断熱容器に密閉された撮像装置と、前記断熱容器内の温度上昇を抑制する冷却媒体の収納部と、耐熱ガラス製の撮影窓と、前記冷却媒体から発生するガスを前記撮影窓の外側表面に導く配管とを備え、煙突内に吊り下げられる撮像ユニットと、表示装置を備えた表示ユニットと、遠隔操作により前記撮像装置の撮影方向を制御するとともに、前記撮像装置で被写体を撮影した映像を前記表示装置に送信して画像表示させる制御ユニットとを有することを特徴とし、
第2の発明は、第1の発明における撮影システムに係り、冷却媒体はドライアイスであることを特徴とし、
第3の発明は、第1又は第2の発明における撮影システムに係り、前記撮像ユニットは、さらに、前記断熱容器に取り付けられた少なくとも2本のアームで構成される姿勢安定機構を備え、前記撮像ユニットが前記煙突内に吊り下げられたとき、前記制御ユニットにより前記煙突内部壁面に前記アームを押圧して、前記断熱容器を固定し得るようになっていることを特徴としている。
以下に、上記本発明の構成に基づく作用について説明する。
本発明は、遠隔操作により煙突の内部を撮影する撮影システムに係り、断熱容器内に密閉された撮像装置を備え、煙突内に吊り下げられる撮像ユニットと、表示装置を備えた表示ユニットと、遠隔操作により撮像装置の撮影方向を制御するとともに、撮像装置で被写体を撮影した映像を表示装置に送信して画像表示させる制御ユニットとを有している。
従って、撮像ユニットを煙突内部に吊り下げ、表示ユニットと制御ユニットとを煙突外部に置いて、遠隔操作により撮像装置の撮影方向を制御して撮像装置により被写体(煙突内部)を撮影し、撮影した被写体の映像信号を送信して表示ユニットにより被写体の映像を表示することができる。
これにより、作業者が煙突内に入ることなく煙突内部の目視点検を行うことができる。これは、作業者にとって危険かつ劣悪な環境下で点検・調査を行う場合に特に有効である。
また、撮像ユニット内の電子機器類は密閉された断熱容器内に収納されているので、排ガスの温度が低く、あるいは短時間であれば、通煙中であっても撮影が可能である。
一方、煙突内の排ガス温度が高い場合は、撮像ユニットを構成する撮像装置その他の機器類、すなわち撮像装置、撮像装置で撮影した被写体の映像信号を送信する映像信号送信装置、及び撮像装置の姿勢を制御する姿勢制御装置を収納する断熱容器を通じて外部熱(煙突内部の熱)がその内部に伝熱し、それらの電子機器類を破壊したり誤動作を引き起こしたりする危険がある。このために、断熱容器内部に冷却媒体の収納部を備えることで、必要なときには断熱容器内に冷却媒体を収納し、排ガス温度の高い煙突内であっても、断熱容器内の昇温を抑制して、撮像ユニットを構成する電子機器類の破壊や誤動作を防止しつつ長時間撮影を行うことができる。
更に、煙突内の排ガスには、主として炭素の微細な粉末である煤を含有する場合が多く、この煤が耐熱ガラス製の撮影窓に付着すると良好な撮影画像が得られない。本発明は、撮影窓を備えた撮像ユニットにおいて、撮像ユニット内部の冷却は、冷却媒体の昇華、蒸発、或いは融解における潜熱を利用するものであり、同時に、冷却媒体の昇華、蒸発、或いは融解によって生じる流体を撮影窓の外側表面に導く配管を設けることで、撮影窓表面に付着する煤を吹き飛ばし、良好な画質の撮影画像を得ることができる。即ち、温度上昇による相変化によって冷却媒体に堆積膨張が発生すると、撮像ユニット内部が加圧されるので、発生した流体を配管によって撮影窓の外側表面に導き、撮影窓に吹き付けることで、撮影窓に付着する煤を吹き飛ばすことができる。これにより、良好な画質の撮影画像を得ることができる。
更に、撮像ユニットは、少なくとも2本のアームで構成される姿勢安定機構を備え、撮像ユニットを煙突内部に吊り下げたとき、制御ユニットによる遠隔操作により煙突内部壁面にアームを押圧することにより、断熱容器を固定し得るようになっている。通煙中の煙突内は排ガスや温度勾配によって生ずる気流のために撮像ユニットが揺れて明瞭な像の撮影が難しくなる恐れがあるが、この場合に、姿勢安定機構を作動させて撮像ユニットを固定させ、これにより、安定的な撮影作業を行うことできる。この場合、姿勢安定機構は制御ユニットによる遠隔操作によって動作するので、作業者が煙突内に立ち入ることなく、遠隔操作により姿勢安定機構の操作を行うことができる。
以上のように本発明によれば、遠隔操作により撮像装置の姿勢を制御して撮像装置により煙突内の任意箇所の撮影を行い、撮影した被写体の映像信号を表示ユニットに送信して被写体の映像を表示・記録することができるので、作業者が煙突内に立ち入ることなく煙突内の任意の場所の映像を取得し、点検・調査を行うことができる。
また、撮像ユニットを構成する電子機器類は密閉された断熱容器内に収納されているので、煙突内の排ガスの熱が撮像ユニットに伝熱するのを抑制することができる。このため、稼働中の煙突内であっても被写体の撮影を行うことができる。
更に、撮像ユニットを構成する電子機器類を収納する密閉された断熱容器内に冷却媒体を収納することで、排ガス温度が高温であっても断熱容器内の昇温を抑制することができるため、撮像ユニットを構成する電子機器類の破壊や誤動作を防止しつつ長時間の撮影が可能となる。このとき、冷却媒体にドライアイスを使用し、昇華炭酸ガスを配管により撮影窓に吹き付けることで、排ガス中の煤が撮影窓に付着するのを防止することができ、撮影作業を障害なく、好適に行わせることができる。
さらに、撮像ユニットに遠隔操作により作動する姿勢安定機構が取り付けられているので、排ガスの気流によって撮像ユニットが揺れて明瞭な像の撮影が難しくなる恐れのある場合に、撮像ユニットを固定することができ、これにより安定して被写体の明瞭な撮影を行うことができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(撮影システムの説明)
図1は、本発明の実施形態に係る撮影システム全体を構成する装置及び機器を煙突内外に設置したときの状態を示す図である。矢印は、制御信号、或いは映像信号の流れを示す。
この撮影システムは、図1に示すように、撮像ユニット101と制御ユニット102と表示ユニット103とで構成される。制御ユニット102は撮像ユニット101を構成するカメラの姿勢制御装置等の遠隔操作を行う。各ユニットの更に詳しい構成は、後に図2を参照して説明する。
本発明における撮像ユニット101は、図1に示すように、煙突頂部に設置された吊り下げ架台からウィンチに接続されたワイヤ(吊り下げ手段)により煙突内部に吊り下げられる。本実施形態においては、撮像ユニット101の重量は30kg程度と軽量であるので、吊り下げ架台は簡便なものでかまわない。なお、図1では、ウィンチは地上に固定されているが、撮像ユニット101が軽量であるので、小型のウインチが使用でき、ウィンチは煙突頂部のステージ上に設置可能である。
撮像ユニット101で撮影された煙突内部(被写体)の画像は、後述する映像信号送信装置により無線電波VS2として送信され、これを煙突頂部に設置されたアンテナ2aで受け、煙突外部に設置された表示ユニット103により映像信号に復調して、モニタ上に表示され記録される。
撮像ユニット101には、煙突外部に設置された制御ユニット102により姿勢安定制御装置4を介して遠隔操作される姿勢安定機構20が取り付けられており、これにより煙突内の排ガスや温度勾配による気流に対しての撮像ユニット101の揺動を抑制している。
更に、撮像ユニット101には照明用の光源30が取り付けられており、これにより煤の多い煙突内においても撮影に必要な照度を得ることができる。
次に、各ユニットの更に詳しい構成を図2を参照して説明する。
図2は、本発明の各ユニットのより詳細な構成、及び撮像ユニット101、制御ユニット102、及び表示ユニット103の間の関係を示すブロック図である。図2中、矢印は、制御信号、或いは映像信号の流れを示している。
撮像ユニット101は、被写体を撮影するカメラ(撮像装置)1と、アンテナ2aを含む映像信号送信装置2と、アンテナを含む制御信号受信装置3aと、信号コード変換装置3と、図示しない姿勢制御装置と、姿勢安定制御装置4と、各装置及び機器に電力を供給する直流電源5とで構成され、これらの装置や機器類は密閉された断熱容器9内に収納されている。なお、図示しない姿勢制御装置は撮像装置1内に設置されている。また、断熱容器9内には冷媒収納室(冷却媒体6の収納部)12が設けられている。更に、断熱容器9の外部には、姿勢安定機構20、及び被写体を照明する光源30を備えている。
上記の各装置及び機器のうち、制御信号受信装置3aは、信号コード変換装置3を介して撮像装置1の姿勢制御装置と接続し、受信した制御信号をこれらの装置に中継する。映像信号送信装置2は撮像装置1からの映像信号VS1を無線信号VS2に変換して撮像ユニット101の外部に送信している。
制御ユニット102は、上記撮像ユニット101を構成する装置及び機器類を、姿勢制御装置、及び姿勢安定制御装置4を介して遠隔操作により作動させるものである。撮像装置1の姿勢制御は制御信号CS2を姿勢制御装置に送信することによって行われ、断熱容器9の姿勢の安定は、信号を姿勢安定制御装置4に送信することによって行われる。なお、撮像装置1の制御信号CS2及び姿勢安定制御装置4の制御信号は低周波又は直流動作であるため耐火電線での信号伝達が可能であり、従って、この信号伝達は有線でも無線でもよい。また、カメラ(撮像装置)1、映像信号送信装置2、制御信号受信装置3a、直流電源5、光源30のオン/オフなどの作動制御も制御ユニット102により行われる。
表示ユニット103は、映像信号受信装置53とモニタ(表示装置)54とで構成されており、撮像ユニット101から送信された映像信号VS2を映像信号受信装置53で受信し、ビデオ信号VS3に変換してモニタ54で表示する。
次に、撮像ユニット101の具体的な実施例について図3及び図4を参照して説明する。図3は撮像ユニット101の具体的な構成を示す側部から見た模式図である。図4は、同じく撮像ユニット101を上部から見た模式図である。
図3において、撮像ユニット101は外側ハウジング9a、内側ハウジング9bにより構成される二重構造の密閉された断熱容器9内に収納されている。また、断熱容器9には耐熱ガラス製の撮影窓10が設けられている。断熱容器9の上面は、図4に示すように、6角形状を有し、従って、断熱容器9は全体として6角形の筒のような構造を有する。
外側ハウジング9aと内側ハウジング9bは耐熱性と機械的強度に優れた非導電性材料が好適であり、エンジニアリングプラスチックの使用が好ましい。本実施例においてはガラス繊維強化フェノール樹脂を使用している。
外側ハウジング9aと内側ハウジング9bの間の空間にはガラスウールを充填した断熱層9eが設けられている。また、内側ハウジング9b内は上部網目板9cと下部網目板9dによって仕切られ、これらにより撮像装置1を収納するカメラ室11、冷却媒体6を収納する冷媒収納室12、及び機器室13が区分けされている。機器室13には、映像信号送信装置2、撮像装置の制御信号受信装置3a、同制御信号の信号コード変換装置3、姿勢安定制御装置4、姿勢安定機構20のモータ(駆動装置)20a、及びこれら機器の電源装置5が収納されている。
さらに、姿勢安定機構20を構成するモータ20aから出力軸21が外部に突き出しており、この出力軸21により後述する姿勢安定機構20が駆動される構造となっている。
出力軸21の近傍である機器室13の上部空隙からは配管14が下方に伸びており、撮影窓11の直下に配置されるノズル14bにつながっている。
光源30は、図4に示すように、6角柱状の断熱容器9の5つの側壁に、断熱容器9の周囲を囲むように一つずつ、計5個取り付けられている。この実施例では、照射方向は固定されているが、カメラの動きにあわせて、水平方向や垂直方向に自由に照射方向を変えられるようにしてもよい。
映像信号発信装置2は、撮像装置1から出力された映像信号をアンテナ2aを介して無線により発信する。本実施例では1.2GHzの搬送波を使用しているが、電波法の制約を受けない周波数帯であれば1.2GHzでなくとも差し支えない。
姿勢安定機構20の作動を制御する姿勢安定制御装置4は、4つの継電器(リレー)により構成されていて、制御ユニット102からの有線(耐火電線)信号により制御される。
次に、撮像ユニット101の動作について説明する。
本実施例に使用している撮像装置1は、外部信号による遠隔操作の可能な自動焦点ビデオカメラであり、水平方向340度の旋回操作(パン)、上下方向100度の旋回操作(チルト)、及びズーム操作を外部からの信号(信号コード:RS232C)により制御することができる。従って、本実施例においては、撮像装置1の撮影制御は次のようにして行う。即ち、制御ユニット内のパソコンでRS232Cの制御信号CS1を出力し、これを図示していない信号コード変換装置によって長距離通信規格であるRS422コードに変換した後に、2.4GHzの搬送波に変調した電波CS2を発信して無線送信を行う。撮像ユニット101内の制御信号受信装置3aでこのCS2を受信し、信号コード変換装置3でRS232Cコードに変換して撮像装置1に入力し、撮像装置の制御を行う。本実施例では、制御信号CS2に2.4GHzの無線を使用しているが、これ以外の周波数であっても、また、耐火電線を使用した有線信号であってもよい。
得られた被写体の撮影画像は映像信号送信装置2に送り、1.2GHzの搬送波信号に変調してアンテナ2aより送信する。
撮像ユニット101を構成する装置及び機器類を収納している断熱容器9の内部温度は、断熱層9eを持たないカメラ室11が最も早く昇温するので、撮像ユニット101には断熱容器9内を冷却する機能が必要となる。次に、この冷却機能について説明する。
本発明における煙突内撮影システムは高温の環境内での撮影を目的としているため、撮像ユニット101の撮影可能時間は断熱容器9内に収納されている装置及び機器類が正常に動作する温度(45℃)以下に保たれている期間に相当する。
撮像ユニット101を構成する装置及び機器類は密閉された断熱容器9内に収納されているので、煙突内温度(排ガス温度に相当する)が100℃以下程度とあまり高くなければ、断熱容器9自身の断熱性能のみで2時間程度の撮影時間を得ることが可能である。
しかるに、これよりも高温の雰囲気内で撮影を行う場合には、断熱容器9内の冷媒収納室12に冷却媒体6を収納して冷却を行う。本実施例においては、冷却媒体6としてドライアイスを使用している。この場合、耐熱ガラス製の撮影窓10を通して伝熱によりカメラ室11の温度が上がると、冷媒であるドライアイス6の昇華により発生する炭酸ガスは比重により対流して、カメラ室11を冷却し、体積膨張によって機器室13を経由して出力軸21の周辺、及び配管14を経て断熱容器9の外部に噴出する。これにより出力軸21を冷却すると同時に撮影窓10の外側に付着した煤を吹き飛ばすことができる。
このとき、撮影可能時間は収納する冷却媒体6であるドライアイスの量で決まり、下記計算式により評価することができる。
X=K×A×(T1−T2)×t/H
ここで、X:ドライアイスの必要量(kg)、K:断熱容器9の材料の熱貫流率(kcal/m2・hr・℃)、A:断熱容器9の伝熱面積(m2)、T1:外気温度(℃)、T2:断熱容器9内の最大許容温度(℃)、t:断熱容器9内の温度保持時間(=撮影可能時間に相当)(hr)、H:ドライアイス6の融解潜熱=150(kcal/kg)である。
本実施例に上記計算式を適用した場合、断熱容器9の材料9aの熱貫流率(=0.76)、伝熱面積(=0.96m2)とし、外気温度:T1=250℃、保持温度:T2=40℃、温度保持
期間:t=2hrと置くと、必要炭酸ガス量=2kgとなる。
また、ドライアイス6は昇華すると容積は約750倍に膨張するので、2kgのドライアイス6が全量昇華した場合には、1 atmで約1,000 lの炭酸ガスを発生する。
発生した炭酸ガスの60%を煤落としガスとして配管14から流出させるとすると、その量は2hr当たりで600 l、すなわち300 l/hr=83 ml/secとなるので、配管14の径が8mmφであるならば、1.65m/secの流速で吐出することになる。
次に、本発明における撮像ユニット101に取り付けられる姿勢安定機構20の具体的な構成例について、図5及び図6を参照して説明する。
図5は、姿勢安定機構20の一つの構成例を示す図である。その姿勢安定機構20においては、複数のアーム22が断熱容器9に固定されたフレームに回転可能なように支持されており、このアーム22はトーションばね27により垂直方向に向けられている。アーム22に固定された腕26の先端から断熱容器9に固定されたローラ24を経て出力軸に固定されたプーリ21にワイヤ23が張り巡らされている。モータ20aは断熱容器9内、ほぼ中央上部で断熱容器9に固定して設置され、制御ユニット102からの制御信号により姿勢安定制御装置4を介して遠隔操作できるようになっている。
遠隔操作によりモータ20aの回転に伴って出力軸プーリ21が回転すると、ワイヤ23の一端はプーリ21に巻き取られ、アーム22は断熱容器9の両側に開くように回転を行う。これによってアーム22の先端が煙突の筒身に押し当てられると、撮像ユニット101が静止して揺動が止まるので、モータ20aの回転を停止する。
図6(a)、(b)は、姿勢安定機構20の他の構成例を示す図である。その姿勢安定機構20は、いわゆるマジックハンド類似の2つの伸縮自在なアーム22aと、アーム22aを伸縮させる駆動機構と、駆動機構に上下移動の動力を付与するモータ20aとで構成される。アーム22aは耐熱性容器9の側壁に伸縮自在なように取り付けられている。
駆動機構はローラ24a、出力軸プーリ21、及びワイヤ23により構成され、図5とほぼ同じように遠隔操作によりモータ20aが動くことにより作動して、アーム22aは図6(a)に示す折りたたまれた状態から図6(b)に示すように外側に開くように広がる。アーム22aの先端22bが煙突の筒身に押し当てられると、撮像ユニット101が静止して揺動が止まるので、モータ20aの回転を停止する。
以上のように、本発明の第1の実施の形態の撮影システムによれば、遠隔操作により撮像ユニット101の姿勢を制御して煙突内の任意箇所の撮影を行い、撮影した被写体の映像信号を表示ユニット103に送信して被写体の映像を表示・記録することができる。
また、冷媒収納室12に冷媒6を収納することにより、高温の環境下でも断熱容器9内を長時間にわたって十分に冷却することができる。
更に、断熱容器9には、遠隔操作で作動する姿勢安定機構20が取り付けられている。従って、排ガスの気流によってカメラ1を収納している断熱容器9が揺れて明瞭な像の撮影が難しくなる恐れのある場合に、断熱容器9を固定することができ、これにより被写体の明瞭な撮影を行うことができる。
以上により、作業者にとって危険かつ劣悪な環境下において対象物の点検や調査を行うときに、作業者が現場にいなくても、対象物の撮影をきめ細かく、安定してかつ長時間行うことが可能となる。
(被写体の撮影方法の説明)
次に、上記実施例である図3の撮影システムを用いた、本発明の実施形態である煙突内の被写体の撮影方法について、図1、図3乃至図5を参照しながら説明する。
この撮影システムは、図3の撮像ユニット101に、図5の断熱容器9の姿勢安定機構20を備えている。さらに、制御ユニット102と表示ユニット103を備えている。
まず、撮像ユニット101において、ドライアイス(冷却媒体)6を断熱容器9内部の冷媒収納室12に収納し、断熱容器9内部を密閉する。この撮像ユニット101をワイヤの一端に固定し、煙突内に吊り下げる。ワイヤの他端は固定されたウインチのローラに巻きつけてある。
次いで、制御ユニット102を操作し、制御信号送信装置52から撮像ユニット101に撮像装置1の制御信号CS2を送信する。撮像ユニット101は制御信号受信装置3aによりその制御信号CS2を受信し、信号コード変換装置3を経由した信号で撮像装置1の制御を行う。制御ユニット102内の図示していない姿勢安定制御装置(有線)により、撮像ユニット101内の姿勢安定制御装置4の操作を行う。これにより、姿勢安定機構20が動作してアーム22が開き、アーム22が煙突の内壁に押圧されて、撮像ユニット101が固定される。このとき、既にドライアイス(冷却媒体)6から昇華により炭酸ガスが断熱容器9内の冷媒収納室12に発生しており、余分の炭酸ガスは配管14に導かれて撮像ユニット101の外側からドーム型撮影窓11に吹き付けられている。炭酸ガスの吹き付けにより、ドーム型撮影窓11への煤の付着が阻止され、良好な視界が確保されている。
次に、制御ユニット102の図示していないスイッチのオン/オフ制御により撮像ユニット101に付属の光源30を点灯して被写体、即ち煙突の内部を照明する。撮像ユニット101内の撮像装置1から出力される映像信号VS1は映像信号送信装置2によって搬送波1.2GHzの映像信号VS2に変換されて、アンテナ2aから送信される。撮像ユニット101から送信された映像信号VS2は表示ユニット103内の映像信号受信装置53で受信し、映像信号をモニタ54に出力する。モニタ54に表示される煙突内面(被写体)の状況を観察しながら、制御ユニット102の操作を行って撮像装置1のパン、チルト、及びズームの制御を行い、任意の箇所の撮影を行い記録する。
一箇所の撮影が終了したら、撮像ユニット101が固定された状態を保持し、カメラ1の姿勢制御信号に基づき、カメラ1の角度を変えて上記の方法で、点検・調査が必要な他の対象物の撮影を繰り返す。或いは、姿勢安定機構20のアーム22を閉じて、撮像ユニット101が動きうる状態にし、次いで、ウインチにより撮像ユニット101を上下移動させて、点検・調査が必要な他の場所で撮像ユニット101を再び固定し、上記の方法で、他の点検・調査対象物の撮影を繰り返す。
以上のように、本発明の実施形態の被写体の撮影方法によれば、作業者にとって危険かつ劣悪な環境下において対象物の点検や調査を行うときに、作業者が現場にいなくても、対象物の撮影をきめ細かく、安定してかつ長時間行うことが可能となる。
以上、実施の形態によりこの発明を詳細に説明したが、この発明の範囲は上記実施の形態に具体的に示した例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の上記実施の形態の変更はこの発明の範囲に含まれる。
例えば、上記の実施の形態では、制御信号により、すべての装置や機器の動作を制御するようにしているが、少なくともカメラ1の姿勢制御に関係する一部の装置や機器の動作を制御するようにしてもよい。
また、撮像ユニット101の断熱容器9内にドライアイス(冷却媒体)6を収納しているが、撮影場所の温度があまり高くならない場合、冷却媒体6を省略してもよい。
本発明の実施の形態である撮影システムを煙突内外に設置した状態を示す図である。 本発明の実施の形態である撮影システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態である撮影システムにおける一実施例の撮像ユニットの構成を示す側部模式図である。 本発明の実施の形態である撮影システムにおける一実施例の撮像ユニットの構成を示す上部模式図である。 本発明の実施の形態である撮影システムにおける一実施例の撮像ユニットに取り付けられた姿勢安定機構の一つの構成を示す図である。 本発明の実施の形態である撮影システムにおける一実施例の撮像ユニットに取り付けられた姿勢安定機構の他の構成を示す図で、(a)はアームが折りたたまれた状態を示し、(b)はアームが広がった状態を示す。
符号の説明
1 カメラ(撮像装置)
2 映像信号送信装置
3 コード変換装置
3a 制御信号受信装置
4 姿勢安定制御装置
5 直流電源
6 ドライアイス(冷却媒体;冷媒)
9 断熱容器
9a 外側ハウジング
9b 内側ハウジング
9c 上部網目板
9d 下部網目板
9e 断熱層
10 撮影窓
11 カメラ室
12 冷媒収納室(冷却媒体の収納部)
13 機器室
14 配管
14b ノズル
20 姿勢安定機構
20a モータ(駆動装置)
21 プーリ
22、22a アーム
22b アームの先端
23 ワイヤ
24,24a ローラ
26 腕
27 トーションばね
30 光源
51 リモコン
52 制御信号送信装置
53 映像信号受信装置
54 モニタ(表示装置)
101 撮像ユニット
102 制御ユニット
103 表示ユニット

Claims (3)

  1. 断熱容器に密閉された撮像装置と、前記断熱容器内の温度上昇を抑制する冷却媒体の収納部と、耐熱ガラス製の撮影窓と、前記冷却媒体から発生するガスを前記撮影窓の外側表面に導く配管とを備え、煙突内に吊り下げられる撮像ユニットと、
    表示装置を備えた表示ユニットと、
    遠隔操作により前記撮像装置の撮影方向を制御するとともに、前記撮像装置で被写体を撮影した映像を前記表示装置に送信して画像表示させる制御ユニットと
    を有することを特徴とする撮影システム。
  2. 冷却媒体はドライアイスであることを特徴とする請求項1記載の撮影システム。
  3. 前記撮像ユニットは、さらに、前記断熱容器に取り付けられた少なくとも2本のアームで構成される姿勢安定機構を備え、前記撮像ユニットが前記煙突内に吊り下げられたとき、前記制御ユニットにより前記煙突内部壁面に前記アームを押圧して、前記断熱容器を固定し得るようになっていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の撮影システム。
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