JP4563268B2 - Pcbの免疫学的測定方法のための試料の調製方法 - Google Patents

Pcbの免疫学的測定方法のための試料の調製方法 Download PDF

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Description

本発明は、PCBの免疫学的測定方法のための試料の調製方法等に関する。
ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、不燃性で、絶縁性、電気的特性に優れ、化学的に安定であるため、トランスやコンデンサー・電線の絶縁油、食品・製紙・化学工業における熱媒体、潤滑油、可塑剤、難燃剤、船舶塗料、インクやノンカーボン紙などの溶媒等として、かつて幅広い産業分野で利用されてきた。
しかしその後、PCBは内分泌攪乱物質として生体に対して作用し、様々な毒性を発揮することが判明し、日本では1972年に製造・使用が禁止され、現在に至っている。
PCBは、非常に安定な物質でかつ焼却によりダイオキシン類を発生することから、廃棄された絶縁油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、汚染土壌等に含まれるPCBの量を正確に把握し、厳重に管理することが必要であるが、それらの量が膨大であるため、簡易かつ高感度なPCBの測定方法の確立が急務である。
しかしながらPCBは、ベンゼン環を2つ有するビフェニル構造の水素(H)が塩素(Cl)で置換された化合物の総称であり、置換塩素の数と位置によって209種の異性体が存在し、また、工業製品として市販されていたPCB(例えば商品名、カネクロール(Kanechlor:KC)やアロクロール(Aroclor:Ar))も種々の塩素数のPCB異性体の混合物である(表1および表2を参照)。更に、絶縁油等に含まれるPCBの組成も試料ごとに一定ではない。このようにこれら塩素数の異なる各種異性体を含む複雑な組成の市販されていたPCBを、簡易にしかも高感度に測定する方法が求められていた。
PCBの高感度測定方法としては、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC-MS法)、ガスクロマトグラフ電子捕獲型検出法(GC-ECD法)等が知られているが、高価な機器を必要とし、機器の操作に習熟を要するため、膨大な量の試料を測定する方法としては問題がある。この問題を回避するため、PCBを認識する抗体を用いる免疫学的測定方法などが開発されている(特許文献1)。特許文献2には、イムノクロマトグラフィーを用いた、PCB等の低分子物質検出器具が開示されている。しかし、PCBは209種にものぼる異性体を有するので、特異性の高い抗体を用いると、結果としてPCBのごく一部の異性体のみを検出することとなり、広汎な異性体を一時に検出することが出来ない。
また、絶縁油等の試料は、PCBの免疫学的測定法を妨害し得る物質を多量に含有し、測定に先立ち、適切な方法で前処理することにより、妨害物質を除去し、試料中に含まれるPCBを、抗体を失活させることのない適切な溶媒へ抽出することを要する。試料の前処理方法としては、活性炭もしくはアルミナを含有する担体を用いるカラム処理により、試料からモノオルトハロポリクロロビフェニル(moPCB)を除去する方法が報告されている(特許文献3)。
特開2000−191699号公報 特開2004−138550号公報 特開2003−287539号公報
上記事情に鑑み、本発明は、複雑で多様な組成を有するPCBを、簡便且つ高感度で検出または定量することが可能なPCBの免疫学的測定方法のための測定試料の調製方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、PCBの免疫学的測定方法において問題となる抗原抗体反応や酵素反応の妨害物質の除去法を鋭意検討し、PCBの免疫学的測定方法に好適な試料の調製方法を完成するに至った。
即ち、本発明は以下に関する。
[1]以下の工程を含む、PCBの免疫学的測定用試料の調製方法。
(a)試料をヘキサン及びDMSOと混合し、DMSO分画を採取すること;
(b)DMSO分画を無機塩水溶液で希釈し、希釈物をヘキサンと混合し、第1のヘキサン分画を採取すること;
(c)第1のヘキサン分画をスルホン化剤と混合し、第2のヘキサン分画を採取すること;
(d)第2のヘキサン分画へDMSOを添加し、ヘキサンを蒸発させ、残渣をPCBの免疫学的測定用試料として得ること。
本発明の調製方法によれば、パラフィン系物質、多環芳香族系物質等の妨害物質が高率で除去されたPCBの免疫学的測定用試料を、簡便に、小スケールで調製することが可能である。
本発明の調製方法により得られた試料を用いて免疫学的測定法でPCBを測定することにより、複雑で多様な組成を有するPCBを、一時に、簡便かつ高感度で測定することができる。
1.PCBの免疫学的測定用試料の調製方法
本発明は、以下の工程を含む、PCBの免疫学的測定用試料の調製方法を提供するものである。
(a)試料をヘキサン及びDMSOと混合し、DMSO分画を採取すること;
(b)DMSO分画を無機塩水溶液で希釈し、希釈物をヘキサンと混合し、第1のヘキサン分画を採取すること;
(c)第1のヘキサン分画をスルホン化剤と混合し、第2のヘキサン分画を採取すること;
(d)第2のヘキサン分画へDMSOを添加し、ヘキサンを蒸発させ、残渣をPCBの免疫学的測定用試料として得ること。
本発明の調製方法に供することのできる試料としては、絶縁油、潤滑油、可塑剤、難燃剤、船舶塗料、インクやノンカーボン紙などの溶媒、土壌等を挙げることができるが、これらに限定されない。
PCBとは、ベンゼン環を2つ有するビフェニル構造の水素(H)が塩素(Cl)で置換された化合物の総称であり、下式(I);
Figure 0004563268
(式中、nは1〜5の整数を、mは0又は1〜5の整数を示す。)
で表される化合物、又はその混合物を意味する。PCBの塩素数(nとmの和)は1〜10の整数である。ベンゼン環における塩素置換の位置は特に限定されない。
工業製品として市販されていたPCB(例えば商品名、カネクロール(Kanechlor:KC)やアロクロール(Aroclor:Ar))は種々の塩素数のPCB異性体の混合物である。市販PCBの組成(塩素数毎の成分重量比)を表1に、その塩素含有量と主成分を表2にそれぞれ示す。
Figure 0004563268
Figure 0004563268
工程(a)において使用されるヘキサンの量は、試料の種類等によって適宜選択することが可能であるが、例えば試料が絶縁油である場合、試料50mgにつき、通常0.05〜2mL程度である。また、使用されるDMSOの量は、DMSO分画へのPCBの抽出が達成される限り特に限定されないが、ヘキサン1mLに対して、通常0.25〜5mL程度である。ヘキサンとの混合時におけるエマルジョンの発生を抑制し、操作性を向上する観点から、ヘキサン1mLに対して、0.5〜3mL程度(例えば約2mL)のDMSOを使用することが好ましい。また、当該DMSOは、ヘキサンで飽和されていることが好ましい。
試料のヘキサン及びDMSOとの混合は、試料中のPCBがDMSOへ効率よく抽出されるよう、マルチミキサー等を用いて行われる。
妨害物質をより確実に除去する観点より、工程(a)を繰り返し行ってもよい。工程(a)の繰り返し回数は、特に限定されないが、通常2〜5回程度である。
工程(b)においては、まず工程(a)で採取されたDMSO分画を無機塩水溶液で希釈する。無機塩としては、例えばNaClを挙げることが出来る。無機塩水溶液中の無機塩の濃度は、本発明の調製方法を阻害しない限り特に限定されないが、例えば無機塩としてNaClを使用する場合は、通常2〜10(w/v)%(例えば約5(w/v)%)程度である。無機塩水溶液の添加量は、特に限定されないが、DMSO分画1mLにつき、通常2.5〜6mL(例えば約4mL)程度である。
次に、希釈されたDMSO分画をヘキサンと混合する。添加されるヘキサンの量は、本発明の調製方法を阻害しない限り特に限定されないが、希釈されたDMSO分画10mLに対して、通常0.5〜2.5mL(例えば約1.5mL)程度である。混合物をボルテックスミキサーなどにより激しく攪拌することにより、PCBがヘキサン分画へ逆抽出される。
工程(c)においては、工程(b)で採取されたヘキサン分画をスルホン化剤と混合する。スルホン化剤処理により、ヘキサン分画中に含まれる妨害物質がスルホン化されることによりスルホン化剤層へ除去される。スルホン化剤としては本発明の調製方法を達成し得る限り限定されないが、硫酸に希釈した発煙硫酸が好ましい。硫酸中の発煙硫酸濃度は、本発明の調製方法を達成し得る限り限定されないが、通常5〜30%程度、好ましくは7.5〜25%(例えば、約10%)程度である。5〜30%程度の濃度の発煙硫酸を使用することにより、高い効率で妨害物質を除去することが出来る。硫酸に希釈した発煙硫酸の添加量は、特に限定されないが、ヘキサン分画0.7mLにつき、通常0.5〜2mL(例えば約1mL)程度である。
スルホン化剤処理に先立ち、工程(b)で採取されたヘキサン分画を脱水してもよい。脱水は自体公知の方法により行うことが可能であり、例えば、ヘキサン分画を無水硫酸ナトリウムと混合することにより行うことが出来る。
また、スルホン化剤処理されたヘキサン分画を、無機塩水溶液と混合することにより、ヘキサン分画に混入した酸を除去してもよい。無機塩としては、本発明の調製方法を阻害しない限り特に限定されないが、例えばNaClを挙げることが出来る。無機塩水溶液中の無機塩の濃度は、本発明の調製方法を阻害しない限り特に限定されないが、例えば無機塩としてNaClを使用する場合は、通常2〜10(w/v)%(例えば約5(w/v)%)程度である。無機塩水溶液の添加量は、特に限定されないが、ヘキサン分画1mLにつき、通常0.5〜2mL(例えば約1mL)程度である。
工程(d)では、まず、スルホン化剤処理されたヘキサン分画へDMSOが添加される。DMSOはヘキサンで飽和されていることが好ましい。DMSOの添加量は、特に限定されないが、ヘキサン分画1mLにつき、通常0.5〜2mL(例えば約1mL)程度である。
次にヘキサン分画中のヘキサンを蒸発させる。該蒸発は通常室温にて、抽出液濃縮器等を用いて行われる。ヘキサンを蒸発させることにより、ヘキサン分画中のPCBはDMSO分画(残渣)へ抽出され、該残渣をPCBの免疫学的測定用試料として得ることができる。
該残渣をそのままPCBの免疫学的測定に用いてもよいが、混入したヘキサンが免疫学的測定に影響する可能性を回避するために、DMSOで該残渣を適当に希釈した後に、免疫学的測定に用いてもよい。
本発明の方法により調製された試料は、所望のPCBの免疫学的測定法に用いることができる。「PCBの免疫学的測定法」とは、PCBを特異的に認識する抗体がPCBと抗原抗体反応を起こすことにより形成され得る複合体(PCB−抗体複合体)の量を測定することにより、試料中のPCBを測定(検出、定量等)する方法をいう。形成され得るPCB−抗体複合体は、放射性同位元素免疫測定法(RIA法)、ELISA法(Engvall,E.,Methods in Enzymol.,70,419−439(1980))、蛍光抗体法、プラーク法、スポット法、凝集法、オクタロニー(Ouchterlony)等の一般に抗原の検出に使用されている種々の方法(「ハイブリドーマ法とモノクローナル抗体」、株式会社R&Dプラニング発行、第30頁−第53頁、昭和57年3月5日)や、水晶振動子を用いる方法(特開2002−310874号公報)等により検出することができる。感度、簡便性等の観点からELISA法が汎用される。
PCBの免疫学的測定法においては、試料と、既知の量の標識されたPCBとの、抗体に対する結合の量的な競合反応によって定量する、いわゆる競合法が好適に用いられるが、上田らの「オープンサンドイッチ法による小分子の高感度非競合的測定」(免疫化学測定法研究会第9回(2004年)学術シンポジウム講演要旨集、9−10(2004))等の非競合法も使用可能である。競合法においては、未知の量のPCBを含む試料液と、既知の量の標識されたPCBとを混合させ、当該混合液を担体上に固定化された抗体と接触させる。そして、担体上に保持された標識PCB−抗体複合体を検出する。
PCBを標識する標識剤としては、例えば、標識酵素(西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ等)、放射性同位元素(125I等)、酵素基質、蛍光物質(FITC、PE、APC、GFP等)、ビオチンなどが挙げられる。PCBとこれらの標識剤の結合には、マレイミド法[ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(J.Biochem.),79,233(1976)]、活性化ビオチン法[ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.),100,3585(1978)]などを用いることが出来る。
より具体的には、例えば、未知の量のPCBを含む試料液と、既知の量の標識されたPCBとを混合させ、当該混合液を担体上に固定化された抗体と接触させる。次に、固相をよく洗浄し、固相上に結合した標識剤の活性を測定する。標識剤が放射性同位元素である場合、ウェル・カウンターまたは液体シンチレーションカウンターで測定する。標識剤が標識酵素である場合、基質を加えて放置し、比色法もしくは蛍光法で酵素活性を測定する。標識剤が蛍光物質等であっても、公知の方法に従って測定することができる。
本発明の調製方法によれば、妨害物質が高率で除去されたPCBの免疫学的測定用試料を、簡便に、小スケールで調製することが可能である。該方法を用いて調製された試料を用いて、免疫学的測定方法によりPCBを測定することにより、極めて高感度で、簡便で、安価に、多数のサンプル中のPCBを測定することが可能となる。
2.PCBの測定方法およびそのためのキット
上記した方法で調製された試料と、PCBに対する異なる特異性を有する2種以上の抗体を含む抗体混合物とを接触させ、形成され得るPCB-抗体複合体の量を測定することにより、PCBを高感度かつ簡便に測定することができる。
該測定方法において使用される抗体混合物は、PCBに対する異なる特異性を有する2種以上の抗体を含み、好ましくは異なる塩素数のPCBを主成分とするPCBに対する特異性を有する2種以上の抗体を含む。このような抗体混合物を使用することにより、市販PCBや絶縁油中のPCBのように複雑で多様な組成を有するPCBを一時に高感度で検出または定量することが可能となる。
抗体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)等の天然型抗体、遺伝子組換え技術を用いて製造される組換え抗体(例えば、single-chain Fv fragments (scFv)、bispecific-chimeric scFV (χ-scFv)、tandem scFV (scFv)2、bispecific-(scFv)2、disulfide-linked scFv、disulfide-stabilized Fv fragments(dsFv)、diabody、single-chain diabody (scDb)、bivalent diabody、bispecific diabody、knob-into-hole stabilized diabody、disulfide-stabilized diabody、triabody、tetrabody、trispecific triabody、CL-dimerized scFv、CH1-CL-dimerized scFv、CH3-dimerized scFv、knob-into-hole CH3-dimerized scFv、CH3-dimerized bivalent diabody、Fc-dimerized scFv、Fab-scFv fusions、Ig-scFv fusions、leucine-zipper stabilized scFv dimers、helix-stabilized scFv dimers、4 helix-bundle stabilized scFv tetramers、streptavidin-scFv、intrabody、Fab’ fragments、F(ab’) fragments、Fv fragments (Fv)、キメラ抗体、ヒト化抗体、一本鎖抗体等)、ヒト抗体産生トランスジェニック動物等を用いて製造され得るヒト抗体等が挙げられるが、これらに限定されない。抗体は、作成の容易さ等の点から、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体が、好ましく用いられる。また、複雑で多様な組成を有するPCBを一時に検出するために、ポリクローナル抗体を用いることがより好ましい。モノクローナル抗体を用いた場合、その高い特異性のため、結果としてPCBのごく一部の異性体のみを検出することとなる場合があるからである。
また、本明細書において、「抗体」は、その結合性断片をも含む概念である。抗体の結合性断片とは、前述の抗体の一部分の領域を意味し、具体的には例えばF(ab')2、Fab'、Fab、Fv(variable fragment of antibody)、scFv、dsFv(disulfide stabilised Fv)、dAb(single domain antibody)、等や(Exp. Opin. Ther. Patents, Vol.6, No.5, p.441-456, 1996)、Fab発現ライブラリーによって作製された抗体断片等が例示される。
「抗体が特定のPCB(特定の塩素数のPCB、特定の塩素数のPCBを主成分として(例えば、成分重量比として40重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上)含有する市販PCB等)に対して特異性を有する」とは、特定のPCB(特定の塩素数のPCB、特定の塩素数のPCBを主成分として含有する市販PCB等)に対する抗体の親和性が、他のPCB(他の塩素数のPCB、他の塩素数のPCBを主成分として含有する市販PCB等)に対する親和性と比較して高いことをいう。特定の塩素数のPCBに対する特異性は、該塩素数のPCBを主成分として含有する市販PCB(例えば商品名、カネクロール(Kanechlor:KC)やアロクロール(Aroclor:Ar))に対する特異性として決定され得る。抗体の親和性は、例えば結合定数や、ELISAにおける交差反応性等を指標として決定することができる。交差反応性は、基準となるPCB(基準塩素数のPCB、基準塩素数のPCBを主成分として含有する市販PCB(例えばKC−400等)等)に対する抗体の結合を、競合ELISA法等で、50%阻害するために必要な特定PCB(特定の塩素数のPCB、特定の塩素数のPCBを主成分として含有する市販PCB等)の濃度の逆数に比例する値であり、実施例等に記載の方法で算出することが出来る。例えば、抗体の親和性の指標としてELISAにおける交差反応性を採用する場合、抗体のある特定のPCB(特定の塩素数のPCB、特定の塩素数のPCBを主成分として含有する市販PCB等)に対する交差反応性が、他のPCB(他の塩素数のPCB、他の塩素数のPCBを主成分として含有する市販PCB等)に対する交差反応性と比較して、例えば20%、好ましくは50%以上大きいかあるいは小さい場合に、「抗体が該特定のPCBに対して特異性を有する」と定義することができる。
特定のPCBに対して特異性を有する抗体は、PCBとキャリアタンパク質との結合体で哺乳動物を免疫感作し、該特定PCBを特異的に認識する抗体を単離することで、製造することができる。
上記キャリアタンパク質としては、特に限定されないが、例えばウシ血清アルブミン(BSA)、スカシ貝ヘモシアニン(KLH)、オボアルブミン(OVA)、ウサギ血清アルブミン(RSA)、ウシチログロブリン(BTG)等が挙げられる。
PCBとキャリアタンパク質との結合体は、PCBがキャリアタンパク質に直接的又は間接的に結合した化合物であれば、特に限定されないが、好ましくは、当該結合体は、PCBがスペーサーを介してキャリアタンパク質に結合した化合物である。スペーサーとしては、例えばアルキレンを含む2価の基、ポリエチレングリコール由来の2価の基等が挙げられる。
次に、該結合体で哺乳動物が感作される。
モノクローナル抗体を製造する場合は、上述の結合体を哺乳動物に対して、それ自体あるいは担体、希釈剤等とともに投与し、当該結合体で哺乳動物を免疫感作する。投与に際しては抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを用いてもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行なうことができる。用いられる哺乳動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが挙げられるが、マウス、ラット又はニワトリが好ましく用いられる。
免疫感作された哺乳動物から抗体価の認められた個体を選択し、最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを製造することができる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (1975)〕および公知のその変法に従い実施できる。モノクローナル抗体産生ハイブリドーマは、自体公知あるいはそれに準ずる方法に従って培養される。通常HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地で行なうことができる。
引き続き、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマから、特定PCBを特異的に認識するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマが選択される。当該選択には種々の方法が使用できるが、例えば、特定PCBキャリア蛋白結合体を吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素(西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ等)などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる脾臓細胞がマウス由来の場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法などが用いられる。以上により、特定のPCBを特異的に認識する抗体を産生するハイブリドーマが得られる。
引き続き、上記ハイブリドーマの培養上清や、上記ハイブリドーマをプリスタン処理ヌードマウスに移入することにより得られる腹水から、特定のPCBを特異的に認識するモノクローナル抗体が単離される。モノクローナル抗体の単離は、自体公知の方法、例えば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈澱法、等電点沈澱法、電気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なうことができる。
特定のPCBを特異的に認識するポリクローナル抗体を製造する場合、モノクローナル抗体と同様に、該特定PCBとキャリアタンパク質との結合体を哺乳動物に対してそれ自体あるいは担体、希釈剤等とともに投与し、当該結合体で哺乳動物を免疫感作する。用いられる哺乳動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが挙げられるが、ウサギ、ヒツジ、ヤギ等が好ましく用いられる。
ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫感作された哺乳動物の血清、腹水など、好ましくは血清から単離することができる。ポリクローナル抗体の単離は、上記のモノクローナル抗体の単離と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうことができる。好ましくは、ポリクローナル抗体は、特定のPCBを結合させたカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより、該特定PCBを特異的に認識する抗体画分を分離することにより精製される。
更に、目的としない種類のPCB(目的としない塩素数のPCB、目的としない塩素数を主成分として含有する市販PCB等)を結合させたカラムで抗体分画を処理することにより、目的としない塩素数のPCBに交差反応性を有する抗体分画を除去し、所望のPCBに対して高い特異性を有する抗体を得ることが出来る。
上記抗体混合物中に含まれる抗体が特異的に認識するPCBの種類は、特に限定されないが、より広汎なPCB異性体を一時に高感度で検出するため、あるいは、絶縁油等に含まれる主要なPCB異性体を確実に測定するため、該抗体混合物は、少なくとも以下の2種の抗体を含むことが好ましい:
(a)塩素数が4以下のPCBを主成分とするPCBに対する特異性を有する抗体;
(b)塩素数が5以上のPCBを主成分とするPCBに対する特異性を有する抗体。
塩素数が4以下(例えば1〜4、好ましくは2〜4)のPCBを主成分とするPCBとは、塩素数が4以下のPCBを成分重量比として40重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上含有するPCB組成物をいう。塩素数が5以上(例えば5〜10、好ましくは5〜8)のPCBを主成分とするPCBとは、塩素数が5以上のPCBを成分重量比として40重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上含有するPCB組成物をいう。
ここで、上記(a)の抗体においては、塩素数が3のPCBを主成分とするPCB(KC-300等)に対する特異性と塩素数が4のPCBを主成分とするPCB(KC-400等)に対する特異性とが同等であることが好ましい。「同等の特異性」とは、抗体の特異性(交差反応性等)の差が10%以下、好ましくは6%以下、より好ましくは3%以下であることをいう。また、上記(b)の抗体においては、塩素数が5のPCBを主成分とするPCBに対する特異性と塩素数が6のPCBを主成分とするPCBに対する特異性とが同等であることが好ましい。このような特異性を有する抗体を用いることにより、多様な組成を有するPCBに対して実質的に同等の感度を与えるような、高感度の測定が達成できる。
上記抗体混合物中に含まれる各抗体の含有比率は、抗体の種類や、特異性に応じ、より広汎なPCB異性体をより高感度で検出するように適宜設定することが出来る。
例えば、本明細書に記載の測定方法において、上記(a)及び(b)記載の抗体を含む抗体混合物を用いる場合、その混合比率は、モル比[(塩素数が4以下のPCBを主成分とするPCBに対する特異性を有する抗体):(塩素数が5以上のPCBを主成分とするPCBに対する特異性を有する抗体)]として、例えば5:1〜1:5、好ましくは3:1〜1:3、より好ましくは2:1〜1:2である。
なお、本明細書において、「抗体混合物」とは、同一の相(固相、液相)の中に複数種類の抗体が存在している状態(例えば同一固相上に複数種類の抗体が固定された状態、同一液相中に複数種類の抗体が溶解した状態等)のみならず、複数種類の抗体がそれぞれ異なる複数の固相(例えばビーズ)上に固定され、これらの複数の固相が同一の液相中に存在している状態をも含む。
抗体混合物と試料との接触は、試料中に含まれるPCBが抗体に結合し、PCB−抗体複合体を形成し得るように、通常、抗体混合物が固定化された固相担体に試料を接触させることにより行われる。
抗体混合物は、例えば、「代謝」、Vol.8, 696 (1971)に記載されているブロムシアン法、グルタルアルデヒド法、カルボジイミド法、エポキシ活性化法、「エンザイムイムノアッセイ」第268〜296頁に記載された方法、「アフィニティークロマトグラフィーハンドブック」(アマシャム ファルマシア バイオテク株式会社(1998年12月20日発行))に記載された方法などの公知の方法により、固相担体に固定化することができる。固定化用担体としては、例えば、マイクロプレート(例、96ウェルマイクロプレート、24ウェルマイクロプレート、192ウェルマイクロプレート、384ウェルマイクロプレートなど)、試験管(例、ガラス試験管、プラスチック試験管)、ガラス粒子、ポリスチレン粒子、修飾ポリスチレン粒子、ポリビニル粒子、ラテックス(例、ポリスチレン・ラテックス)、ニトロセルロース膜、臭化シアン活性化濾紙、DBM活性化濾紙、粒状固相(例、セファロース、セファデックス、アガロース、セルロース、セファクリルなど)、鉄含有ポリカーボネート膜、磁気ビーズ、水晶振動子、金コロイドなどが挙げられる。
本発明の測定方法に供される試料としては、絶縁油、潤滑油、可塑剤、難燃剤、船舶塗料、インクやノンカーボン紙などの溶媒、土壌等を挙げることができるが、これらに限定されない。絶縁油等の試料は、本発明の測定方法を妨害し得る物質を含有し、適切な方法で前処理することにより、妨害物質を除去し、試料中に含まれるPCBを、抗体を失活させることのない適切な溶媒へ抽出した上で、本発明の方法に用いることが好ましい。該前処理方法としては、例えば平成4年度厚生省告示第192号別表第3の第1や、社団法人日本電気協会の電気技術調査委員会が制定したJEAC1201絶縁油中のポリ塩化ビフェニル(PCB)の分析方法規定(1991)に記載された方法や、上記本発明の調製方法を挙げることができる。
形成され得るPCB−抗体複合体は、放射性同位元素免疫測定法(RIA法)、ELISA法(Engvall,E.,Methods in Enzymol.,70,419−439(1980))、蛍光抗体法、プラーク法、スポット法、凝集法、オクタロニー(Ouchterlony)等の一般に抗原の検出に使用されている種々の方法(「ハイブリドーマ法とモノクローナル抗体」、株式会社R&Dプラニング発行、第30頁−第53頁、昭和57年3月5日)や、水晶振動子を用いる方法(特開2002−310874号公報)等により検出することができる。感度、簡便性等の観点からELISA法が汎用される。
本明細書に記載のPCBの測定方法においては、試料と、既知の量の標識されたPCBとの、抗体に対する結合の量的な競合反応によって定量する、いわゆる競合法が好適に用いられるが、上田らの「オープンサンドイッチ法による小分子の高感度非競合的測定」(免疫化学測定法研究会第9回(2004年)学術シンポジウム講演要旨集、9−10(2004))等の非競合法も使用可能である。競合法においては、未知の量のPCBを含む試料液と、既知の量の標識されたPCBとを混合させ、当該混合液を担体上に固定化された上記抗体混合物と接触させる。そして、担体上に保持された標識PCB−抗体複合体を検出する。
PCBを標識する標識剤としては、例えば、標識酵素(西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ等)、放射性同位元素(125I等)、酵素基質、蛍光物質(FITC、PE、APC、GFP等)、ビオチンなどが挙げられる。PCBとこれらの標識剤の結合には、マレイミド法[ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(J.Biochem.),79,233(1976)]、活性化ビオチン法[ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.),100,3585(1978)]などを用いることが出来る。
より具体的には、例えば、未知の量のPCBを含む試料液と、既知の量の標識されたPCBとを混合させ、当該混合液を担体上に固定化された上記抗体混合物と接触させる。次に、固相をよく洗浄し、固相上に結合した標識剤の活性を測定する。標識剤が放射性同位元素である場合、ウェル・カウンターまたは液体シンチレーションカウンターで測定する。標識剤が標識酵素である場合、基質を加えて放置し、比色法もしくは蛍光法で酵素活性を測定する。標識剤が蛍光物質等であっても、公知の方法に従って測定することができる。
本明細書に記載のPCBの測定方法において競合法を用いる場合、抗体混合物中に含まれるそれぞれの抗体が特異的に認識するPCBに対応する標識PCBを適切な比率で混合して用いることが好ましい。
標識PCBの混合比率は以下のようにして求めることができる。
まず、抗体混合物中に含まれる各々の抗体について、各抗体1種のみと、各抗体が特異的に認識するPCBと対応する標識PCBとを用いて、競合法により、試料中のPCB濃度が0のときの標識シグナル強度(吸光度、蛍光強度等)を測定する。次にそれぞれの抗体について、PCB濃度が0のときに、同一抗体量を用いたときに同一の標識シグナル強度を与える様に、標識PCBの濃度調整を行う。そして、抗体混合物中における各抗体の混合比率(モル比)と同一の比率で、対応する標識PCBを混合する。
このように、異なる標識PCBを混合して用いることによって、異なる組成のPCBに対しても、実質的に同等の感度を有する、定量性のよい測定を行うことが出来る。
また本明細書においては、PCBに対する異なる特異性を有する2種以上の抗体を含む抗体混合物を提供するための試薬を含む、PCB測定用キットを提供する。
該試薬としては、上述のPCBに対する異なる特異性を有する2種以上の抗体を含む抗体混合物自体、あるいは混合されていない状態にある各々の抗体等を挙げることができる。該キットには、その他、上記方法において使用され得る種々の試薬、例えば、標識PCB、洗浄液、発色基質、発色停止液、標準PCB、試験プロトコールが記載された指示書等が含まれ得る。洗浄液としては、蒸留水、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)やT-PBS(Tween-20含有リン酸緩衝生理食塩水等を用いることができる。発色基質としては、酵素としてペルオキシダーゼを用いる場合は、3,3’,4,4’−テトラメチルベンチジン(TMBZ)などを用いることができる。発色停止液としては、0.5N硫酸や0.5Mリン酸などを用いることができる。標識PCBとしては、PCB(あるいはその誘導体)と酵素(例えばペルオキシダーゼ)を結合させたものなどを使用することができる。
本明細書に記載のPCB測定用キットを用いれば、上記方法により、簡便にPCB測定を行うことが可能である。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1 絶縁油試料の前処理
絶縁油試料約50mgを試験管に正確に秤量した。ヘキサン1mLを試料に加え、マルチミキサーにより1分間攪拌した。更に、ヘキサン飽和DMSO 2mLを加え、マルチミキサーにより1分間攪拌した。エマルジョンが形成された時は、遠心分離(2000rpm/min)により層をきれいに分離した(以下の攪拌操作においても同様である)。
次にヘキサン層を除去し、DMSO層にヘキサン1mLを加え、マルチミキサーにより1分間攪拌した。再度、ヘキサン層を除去し、DMSO層にヘキサン1mLを加え、マルチミキサーにより1分間攪拌した。
ヘキサン層を除去し、DMSO層を試験管へ移した。DMSO層に5%NaCl水溶液 8mLを加えることによりDMSO層を希釈し、更にヘキサン1.5mLを加え、ボルテックスミキサーにより1分間攪拌した。
予め10-30mg程度の無水硫酸ナトリウムを入れておいた試験管に、ヘキサン層1mLを移し、ボルテックスミキサーにより20-30 秒間攪拌した。予め10%発煙硫酸1mLを分注しておいた試験管に、ヘキサン層0.7mLを移し、マルチミキサーにより1分間攪拌した。
予め、5%NaCl水溶液 0.4mLを分注しておいた試験管に、ヘキサン層0.4mLを移し、ボルテックスミキサーにより20-30 秒間攪拌した。
予め、キーパーとしてヘキサン飽和DMSOを0.2mL分注しておいた試験管に、ヘキサン層0.2mLを移し、抽出液濃縮器を用いて、室温(約20-28℃)でヘキサン層を蒸発させた。
残ったDMSO層0.2mLに、DMSO 0.8mLを加えて希釈し、ELISA測定に用いた。
参考例1 ELISA法による絶縁油試料中PCB濃度の測定
試薬及び方法
1)ELISAキット
絶縁油試料中PCB濃度の測定においては、Abraxis社製の2種のELISAキット
(中〜高塩素化PCB(HC-PCB)測定用キット:品番PN530001)、及び
(低塩素化PCB(LC-PCB)測定用キット:品番PN530021)
を単独で、又は適宜組み合わせて使用した。それぞれのキット中に含まれる主な試薬の構成は以下の通りである。
1. 抗PCB抗体結合磁気ビーズ(組成:抗PCB抗体を結合させた磁気ビーズ)
2. PCB-酵素複合体(AgE)(組成:PCB(あるいはその誘導体)と酵素(例えばペルオキシダーゼ)を結合させたものなど)
3. 発色液(組成:酵素の基質(例えばペルオキシダーゼの場合は、3,3’,4,4’−テトラメチルベンチジン(TMBZ)など))
4. 停止液(組成:0.5N硫酸や0.5Mリン酸など)
5. 洗浄液(組成:PBS(リン酸緩衝生理食塩水)やT-PBS(Tween-20含有リン酸緩衝生理食塩水))
HC-PCB測定用キット中の抗PCB抗体結合磁気ビーズに含まれる抗PCB抗体は、中〜高塩素化PCBに特異性を有するポリクローナル抗体(抗HC-PCB抗体)であり、Abraxis社より品番PN530001として市販されている。
LC-PCB測定用キット中の抗PCB抗体結合磁気ビーズに含まれる抗PCB抗体は、低塩素化PCBに特異性を有するポリクローナル抗体(抗LC-PCB抗体)であり、Abraxis社より品番PN530021として市販されている。
一部の試験においては、抗HC-PCB抗体結合磁気ビーズと抗LC-PCB抗体結合磁気ビーズとを適当な比率(体積比)で混合して使用した(カクテル抗体法)。
また、一部の試験においては、市販のHC-AgEと、市販のLC-AgEとを適当な比率(体積比)で混合して使用した。
2)標準試料の調製
PCB標準物質としては、特にことわりのない限りカネクロール KC-400(GL-サイエンス製: Cat No. 1021-19104)を使用した。カネクロール KC-400を100% DMSOに溶解し、0.5, 1, 2, 5, 10, 30, 100, 300, 1000ppbのPCBを含む100%DMSO溶液を標準試料として調製した。
また、塩素数の異なるPCBに対する交差反応性を試験する場合は、
KC-300(GL-サイエンス製:Cat No. 1021-19103)
KC-500(GLサイエンス製:Cat No. 1021-19105)
KC-600(GLサイエンス製:Cat No. 1021-19106)
を用い、KC-400と同様に標準試料を調製した。
3)試料の測定
ポリスチレン試験管中に、上記方法により前処理した試料、又はPCB標準試料を80μL入れた。更に、蒸留水(125μL)、PCB-酵素複合体(250μL)、及びPCB抗体結合磁気ビーズ(500μL)を加え、ボルテックスミキサーにより1-2秒攪拌し、混合液を室温で30分静置することにより反応させた。試験管をマグネテッィクセパレータに取り付け、2分間静置し、磁気ビーズを分離した。マグネテッィクセパレータにとりつけたまま、試験管内の溶液を廃棄した。試験管をセパレーターから取り外したのち洗浄液(1mL)を添加し、ボルテックスミキサーにより1-2秒攪拌し、マグネテッィクセパレータに取り付け、2分間静置し、磁気ビーズを分離した。マグネテッィクセパレータにとりつけたまま、試験管内の溶液を廃棄した。更に、試験管をセパレーターから取り外したのち洗浄液(1mL)を添加し、ボルテックスミキサーにより1-2秒攪拌し、マグネテッィクセパレータに取り付け、2分間静置し、磁気ビーズを分離した。マグネテッィクセパレータにとりつけたまま、試験管内の溶液を廃棄した。試験管をセパレーターから取り外したのち発色液(500μL)を添加し、ボルテックスミキサーにより1-2秒攪拌し、混合液を室温にて40分間静置し、反応させた。停止液(500μL)を添加し、可視分光光度計、ミクロセルを使用して吸光度測定(450nm)を測定した。標準曲線より試料中のPCB濃度(ppb)を算出し、必要に応じて、試料分取量、前処理回収率等に基づき、値を補正した。
4)標準曲線の作成
調製したELISA測定用標準試料を用い、上記測定フローに従って、各濃度(0, 0.5, 1, 2, 5, 10, 30, 100, 300, 1000ppb)における吸光度を測定した。次に、得られた吸光度からデルタソフトを使用して4-パラメーター式により測定値を得た。
4-パラメーター式 : Y=((A-D)/(1+(X/C)B)+D
A: 0濃度の吸光度、B: 50%阻害濃度(IC50)での傾き、C: IC50
D: 最小吸光度(バックグラウンド)、Y: 吸光度(Abs. 450nm)、
X: 試料中(100%DMSO溶液)の濃度(ppb)
5)試料中PCB濃度の換算
試料中のPCB濃度(ppm)は、ELISA信号値(吸光度)から標準曲線を使用してELISA濃度換算値(ppb)を得たのち、以下の式に従って試料希釈倍数および前処理での回収率で補正した。
[試料中のPCB濃度(ppm)]=[ELISA濃度換算値(ppb) ] X [試料希釈倍数] / [前処理におけるPCB回収率] / 1000
* 試料希釈倍数: 約50mg秤量した試料を最終的に150倍希釈してELISA測定する場合は、50 X 150 =7500を実際の試料量(mg)で除した値を採用した。
6)ガスクロマト電子捕獲型検出器(GC-ECD)法によるPCB濃度の測定
一部の試験においては、JEAC1201絶縁油中のポリ塩化ビフェニル(PCB)の分析方法規定(1991)によりGC-ECD法によりPCB濃度を測定した。
結果
1)PCB-酵素複合体の抗PCB抗体に対する反応性
中〜高塩素化PCB測定用キット又は低塩素化PCB測定用キットに含まれる各PCB-酵素複合体(AgE)の各抗PCB抗体結合磁気ビーズに対する反応性を確認した。その結果、HC-AgEの抗LC-PCB抗体に対する反応性はOD: 0.475であり、抗HC-PCB抗体に対する反応性(OD: 0.715)に比べ約2/3程度であった(表3)。一方、LC-AgEは抗HC-PCB抗体とほとんど反応性を示さなかった(OD: 0.156)。これらのことから抗HC-PCB抗体結合磁気ビーズ及び抗LC-PCB抗体結合磁気ビーズを混合して使用する際に、抗HC-PCB抗体、抗LC-PCB抗体の効果をそれぞれ発揮させるためには、各AgEについても吸光度が同程度となるように希釈後、混合して使用することが必要と考えられた。
両AgEについて、抗HC-PCB抗体結合磁気ビーズ: 抗LC-PCB抗体結合磁気ビーズ(1:1)の混合ビーズとの反応性を確認したところ、HC-AgEについてはキット原液で、またLC-AgEについてはキット原液をPBSにて1.7倍希釈で同程度のOD(0.64)が得られることが判った(表3、図1)。このことから、1:1混合ビースを使用する時には、HC-AgE(原液)とLC-AgE (1.7倍希釈)とを等体積量混合して使用することとした。
Figure 0004563268
2)各種抗体ビーズ混合比におけるAgE調整濃度
抗HC-PCB抗体結合磁気ビーズ: 抗LC-PCB抗体結合磁気ビーズ=1〜4:1とし、上述と同様に、各ビーズ混合比におけるAgE調整濃度を決定した(表4)。
Figure 0004563268
3)各種ビーズ混合比におけるKC交差反応性
各種抗体ビーズ混合比におけるKC交差反応性を、抗HC-PCB抗体結合磁気ビーズ又は抗LC-PCB抗体結合磁気ビーズを単独で使用した時のものと比較した(図2)。2種の抗体ビーズを混合して用いることにより、KCに対する交差反応性の分布が収束しており、カクテル抗体法の有効性が示唆された。
従って、PCB濃度が0のときのODが比較的高値で維持可能な抗体ビーズ混合比である抗HC-PCB抗体結合磁気ビーズ: 抗LC-PCB抗体結合磁気ビーズ=1:1及び2:1について、実サンプルにおける機器分析との比較データを取得することとした。
4)実試料を用いた結果の評価
絶縁油試料を用いて、ELISAの測定値と、GC-ECD法による測定値とを比較した結果を図3に示す。
GC-ECD法による測定は、公定法である平成4年厚生省告示第192号別表第3の第1に準拠して行った。ELISA法(抗-PCB抗体結合磁気ビーズのみ)とGC-ECD法の結果は、相関係数(R)0.951であり、公定法と高い相関が得られた。
カクテル抗体法では相関係数が改善され、とくに抗HC-PCB抗体結合磁気ビーズ: 抗LC-PCB抗体結合磁気ビーズ(2:1)ではR=0.991となった。以上の結果から、カクテル抗体法のビーズ混合比として「抗HC-PCB抗体結合磁気ビーズ: 抗LC-PCB抗体結合磁気ビーズ=2:1」が好ましいものと考えられた。
5)カクテル抗体法での交差反応性
カクテル抗体法(ビーズ混合比/抗HC-PCB抗体結合磁気ビーズ: 抗LC-PCB抗体結合磁気ビーズ=2:1)でのKC交差反応性(ELISA測定)を抗HC-PCB抗体結合磁気ビーズ又は抗LC-PCB抗体結合磁気ビーズのみを用いた場合と比較した。
なお、交差反応性は、各KCについて阻害率=50%を与えるときの濃度(IC50)より、下式により算出した。
交差反応性(%)=(KC-400のIC50)/(各KCのIC50)×100
その結果、抗HC-PCB抗体結合磁気ビーズのみを使用した時に比べ、交差反応性がKC-300で49から101%、KC-500で217から118%、KC-600で217から55%へとそれぞれ改善されていることを確認した(表5、図4)。
Figure 0004563268
6)絶縁油試料を用いた結果の評価
絶縁油試料を用いて、ELISAの測定値と、ガスクロマト電子捕獲型検出器(GC-ECD)法による測定値とを比較した。標準曲線のための測定結果及び絶縁油試料のための測定結果を表6及び7に示す。
Figure 0004563268
Figure 0004563268
(換算係数(カクテル抗体法におけるPCB前処理回収率)の算出)
表7の中のGC-ECD法測定値とカクテル抗体ELISA法測定値との相関を調べた(図5)。この結果よりELISA法測定値から絶縁油試料中の濃度換算係数を0.468とした。
(カクテル抗体法の効果)
抗HC-PCB抗体結合磁気ビーズ法(Generalと記載)とカクテル抗体法(Cocktailと記載)の定量値をGC-ECD法定量値と比較した(図6)。カクテル抗体法を用いることにより、交差反応性に起因する過剰、過少定量が大きく軽減され、ELISA定量値とGC-ECD機器分析値との比率は、抗HC-PCB抗体結合磁気ビーズ法では47〜197%であったのに対し、カクテル抗体法では61〜119%と、機器分析法に匹敵する精度が得られた。
(カクテル抗体法換算値とGC-ECD法測定値との相関)
カクテル抗体法換算値とGC-ECD法測定値との相関を調べた(図7)。カクテル抗体法を用いることにより、交差反応性に起因する過剰、過少定量が軽減され、抗HC-PCB抗体結合磁気ビーズのみを用いたELISA法での測定時と比較して、勾配は1.117→1.002へと改良され、また、相関係数(R)も0.93から0.99へと改善された。
(標準曲線の作成及び、検出下限値、定量範囲の設定)
カクテル抗体ELISA測定法のための標準試料(100%DMSO中でのKC-400)を用いたときの典型的な検量線を図8に示す。阻害率5〜10% (B/B0=90〜95%)、15〜20% (B/B0=80〜85%)を示す濃度をそれぞれ検出下限値(3ppb) 、定量下限値(7ppb)とし、標準物質濃度とB/B0の間に直線性が得られる標準物質の上限濃度(1000ppb)を定量上限値とした。
更に、絶縁油前処理における希釈倍率(150倍)および回収率(46.8%)から、絶縁油試料測定時の検出、定量範囲を以下のように設定した。
検出下限値: 3ppb(キット検出下限値)X 150(希釈倍率)/ 0.468(回収率)/1000 = 0.96ppm
定量下限値: 7ppb(キット定量下限値)X 150(希釈倍率)/ 0.468(回収率)/1000 = 2.2ppm
定量上限値: 1000ppb(キット定量上限値)X 150(希釈倍率)/ 0.468(回収率)/1000 = 320ppm
本発明の調製方法によれば、妨害物質が高率で除去されたPCBの免疫学的測定用試料を、簡便に、小スケールで調製することが可能である。
本発明の調製方法により調製された試料を用いて免疫学的測定法でPCBを測定することにより、広汎なPCB異性体を一時に、簡便かつ高感度で測定することができる。
カクテル抗体法において、1:1混合ビーズを使用したときの、LC-AgEの希釈倍率と吸光度との相関を示した図である。 各種抗体ビーズ混合比におけるカネクロールとの交差反応性を示した図である。 ELISAの測定値と、GC-ECD法による測定値との相関を示した図である。 カクテル抗体法におけるカネクロールとの交差反応性を示した図である。 カクテル抗体法によるELISAの測定値と、GC-ECD法による測定値との相関を示した図である。 ELISA法とGC-ECD法との定量値の比較を示した図である。 カクテル抗体法による換算値と、GC-ECD法による測定値との相関を示した図である。 カクテル抗体法における典型的な検量線を示した図である。

Claims (1)

  1. 以下の工程を含む、PCBの免疫学的測定用試料の調製方法。
    (a)試料をヘキサン及びDMSOと混合し、DMSO分画を採取すること;
    (b)DMSO分画を無機塩水溶液で希釈し、希釈物をヘキサンと混合し、第1のヘキサン分画を採取すること;
    (c)第1のヘキサン分画をスルホン化剤と混合し、第2のヘキサン分画を採取すること;
    (d)第2のヘキサン分画へDMSOを添加し、ヘキサンを蒸発させ、残渣をPCBの免疫学的測定用試料として得ること。
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