JP4560887B2 - 製鋼スラグを原料とする水中硬化体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中硬化体に係わり、特に、製鋼スラグ、とりわけ粉粒状の溶銑予備処理スラグを利用したコンクリートに代わる水中硬化体に関する。
【0002】
【従来の技術】
製鋼工程で発生するスラグは、塩基度(CaO/SiO2)が高く、且つ遊離CaOを多量に含有するため、水分を吸って膨脹し易く、高炉スラグのような土木・建設資材としての用途には向かず、従来よりその処理に難儀している。そこで、かかる状況を打破するため、近年、製鋼スラグを積極的に活用する技術の開発が試みられるようになった。
【0003】
例えば、特開平10−152364号公報は、製鋼スラグを含有する骨材と潜在水硬性を有するシリカ含有物質とポゾラン反応性を有するシリカ含有物質のうち1種または2種を50%以上含有し、水和反応によって硬化する結合材とを混合して製造した水和硬化体を開示している。また、特開平2−233539号公報は、結合材、細骨材、粗骨材の全てを粉砕および破砕した鉄鋼スラグとすると共に、前記結合材に高炉スラグと製鋼スラグとを混合した鉄鋼スラグを用いて製造したスラグ・ブロックを開示している。
【0004】
ところで、一般に、土木工事では、コンクリートの構造物が建設されることが多い。この土木工事は、通常、大気中でコンクリート組成物(混練水も含む)を型枠への流し込み(打設という)硬化させ、その硬化体を製品とする。一方、コンクリート組成物を直接水中で打設する工事もある(例えば、本州四国連絡橋の基礎、防波堤、ドックの底版等の建設)。このような場合、通常のコンクリート組成物を使用すると、水中であることから、粒径や比重の異なる骨材、その他原料の粒子が硬化前に互いに分離して不均一になり、所望強度を有する硬化体にならない。そこで、コンクリート組成物に別途増粘剤を加え(水中不分離コンクリートとか水中コンクリートと呼ばれている)、水中打設時の分離を抑制するようにしている。いずれにしても、土木工事では,大量のコンクリート組成物が消費されている。
【0005】
そこで、本出願人は、コンクリート製品が前記したスラグ硬化体と同様な手法で製造されていることに着眼した。つまり、該コンクリート製品に代え、製鋼スラグを主原料とした硬化体が利用できれば、製鋼スラグを多量に消費可能な新しい用途が開けるからである。
【0006】
しかしながら、本出願人が上記した従来技術を用いて、製鋼スラグを原料とするスラグの硬化体を試作したところ、下記のような問題点が明らかとなった。
【0007】
まず、特開平10−152364号公報記載の方法によれば、製鋼スラグとして転炉スラグを用いると、20℃の水中で養生した際に硬化体が崩壊し、満足できるものにならない場合があった。この原因を詳細に調査した結果、近年は、転炉の内張り耐火物を保護するためにスラグ中に添加されるドロマイトやマグネシアクリンカ等に起因して転炉スラグ中のMgO濃度が高くなっているが、このようなMgO濃度が高い転炉スラグを用いると、硬化体にする際に該転炉スラグに含まれるfree−MgOが水中養生で水和膨張し、製造されるべき硬化体が崩壊することが判明した。
【0008】
また、前記特開平2−233593号公報記載の方法で転炉スラグを原料としたスラグの硬化体を製造するには、該転炉スラグを微粉砕する必要がある。しかしながら、転炉スラグ中には、上記したようにfree−MgO相が含まれているため、スラグ自体が固くて微粉になり難く、反応性の高い微粉にまで粉砕するには、粉砕コストが莫大になるという問題があった。
【0009】
そのため、本出願人は、free−MgOがほとんど存在しない溶銑予備処理スラグを主原料にすれば、前記問題は解決できると考え、該溶銑予備処理スラグを主体にした硬化体の製造を研究した。しかしながら、その試みも簡単には成功せず、ひび割れや、強度の低い硬化体しか製造できなかった。ただし、この試作過程で、溶銑予備処理スラグを主体にした混合物が水中で高い粘性(B型粘度計30rpmで2000cps,すなわち2Pa−s程度)を示し、硬化前でもその粒子同士が互いに分離しない傾向のあること見出した。このことは、もし硬化後に満足できる強度になるなら、前記した水中打設による硬化体の製造可能性を示唆するものであり、今後の技術開発に期待が持てた。ここで、溶銑予備処理とは、溶銑の転炉製鋼に際し、転炉における通常の脱炭精錬を行なう前の溶銑に、予め各種の精錬剤を添加して脱珪、脱燐、脱硫等の処理をすることを言い、その際生じたスラグを溶銑予備処理スラグと称している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、コンクリートに代えて使用しても問題の生じない製鋼スラグを原料とする水中硬化体を提案することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため、スラグ硬化体に使用する製鋼スラグとして、特に溶銑予備処理スラグを使用して、水中打設による硬化体の製造に鋭意努力し、その成果を本発明に具現化した。すなわち、本発明は、水中で打設され、硬化した硬化体であって、
打設前の原料混合物が粉砕した粉粒状の溶銑予備処理スラグと高炉スラグ微粉末とを含有し、打設後において前記溶銑予備処理スラグ及び高炉スラグ微粉末の粒子同士が互いに分離していないことを特徴とする製鋼スラグを原料とする水中硬化体である。
【0012】
この場合、前記原料混合物が、粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグを15〜55mass%、高炉スラグ微粉末を5〜40mass%含有したり、あるいは、粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグを15〜55mass%、高炉スラグ微粉末を3〜36mass%、フライアッシュを1.5〜30mass%含有し、且つ高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対するフライアッシュ含有量の比が質量比で0.1〜0.75であることが好ましい。
【0013】
また、前記高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの合計含有量に対する溶銑予備処理スラグの含有量の比が質量比で0.2超であると一層好ましい。そして、前記混合物には、さらに、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、塩化物から選ばれた1種又は2種以上を、高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対して0.2〜20mass%添加したり、あるいはさらに、ナフタレンスルホン酸及び/又はポリカルボン酸を、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、粒径が0.1mm以下の溶銑予備処理スラグの合計含有量に対して0.1〜2.0mass%添加するのが良い。
【0014】
本発明によれば、硬化時に互いに反応する各原料の粒子同士が水中打設に際して分離することがなくなり、コンクリートに代えて使用しても問題の生じない水中硬化体となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0016】
まず、本発明に係る硬化体は、水中打設で製造されるものであるので、適切な打設方法が必要である。そこで、発明者は、その方法について検討し、従来の水中コンクリートの打設に使用される方法ならいずれでも良いことを確認した。つまり、(A)原料とする配合済みの混合物を袋詰めして海中に設置する、(B)該混合物を底開き箱に入れて、その箱を打込み場所に吊り下げ、底を開いて打ち込む、(C)ホッパ付きトレミー管を打込み場所に沈設し、それを介して混合物をプランジャを用いて打込む、(D)コンクリートポンプを用い、陸上部と同様に施工する等である(詳しくは、改定新版 コンクリート工学ハンドブック:朝倉書店、1981年11月20日初版発行の1225〜1230頁を参照)。
【0017】
次に、本発明に係る硬化体の主原料とする製鋼スラグとしては、特に溶銑予備処理スラグを採用することにした。その理由は、前記したように、発明者が溶銑予備処理スラグを主体にした混合物が水中で高い粘性を示し、硬化前でもその粒子同士が互いに分離しない傾向のあること見出していたからである。また、溶銑予備処理スラグは、以下に列記するような特徴があり、硬化体とした際の強度の発現に有利と考えたからでもある。
(1)溶銑予備処理では、精錬剤にMgOを添加しないので、発生スラグは、元来MgO濃度が低く、且つCaO/SiO2が低い。また、若干含まれるMgOもほとんどCaMgSi27として存在し、free−MgO相がほとんど存在しない。従って、従来転炉スラグを原料として使用した場合に生じていたfree−MgOの水和膨張による硬化体の割れ、粉化、変形、強度低下等の問題を一掃できる可能性がある。
(2)溶銑予備処理スラグは、上記のようにCaO/SiO2が低く、且つP5濃度が高いので、free−CaO濃度が低い。そのため、free−CaOによる水和膨張性も低く、製鋼スラグ中のfree−CaOの水和膨張に起因する硬化体の割れ、粉化、変形、強度低下などの問題も一掃できる可能性がある。
(3)微粉が多く、反応性が高いので、それ自体が他の配合原料である高炉スラグ微粉末やフライアッシュの代替になり得る。
(4)上記したように、free−MgO相がほとんど存在しないので、スラグ自体が柔らかく、転炉スラグに比較してはるかに粉砕し易い。
(5)微粉の溶銑予備処理スラグの働きで、溶銑予備処理スラグと高炉スラグ微粉末あるいはフライアッシュとが反応し易くなり、より高強度化が図れる。
(6)比重が3以上と大きいので、硬化体の密度が大きくなり、打設後の沈降速度が大きい。
【0018】
そこで、発明者は、粉粒状の溶銑予備処理スラグと高炉スラグ微粉末との混合物を、増粘剤を加えず袋に詰め、水中に沈設して数十日放置して硬化させた。そして、得られた硬化体を調査したところ、ひび割れはなく、強度も従来の水中コンクリートと遜色のない値であったので、増粘剤を用いずに製造したこの水中硬化体を本発明としたのである。なお、従来の水中コンクリートでは、通常のコンクリート組成物に加える増粘剤としてメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等に代表される水溶性セルロースが添加されるが、本発明は、かかる高価な物質を使用せずに、安価な水中硬化体であるという利点がある。
【0019】
発明者は、このような溶銑予備処理スラグを使用するにあたって、さらに水中硬化体をより優れたものにする研究を重ね、以下に述べる配合を順次考えたのである。
【0020】
まず、前記混合物を、溶銑予備処理スラグの粒径1.18mm以下の部分が15〜55mass%含有するように配合する。発明者は、溶銑予備処理スラグのうちで硬化反応に寄与の大きな部分がどのような大きさのものであるかを詳細に調査し、粒径1.18mm以下の範囲において特に反応性が良好で得られる硬化体の強度が高くなり、しかもひび割れの発生が著しく小さくなることを見いだしたからである。なお、このことは、配合する溶銑予備処理スラグの中に、これよりも粒度の大きい溶銑予備処理スラグが含まれることを妨げるものではない。粒度の大きい溶銑予備処理スラグは、粉砕の過程で粉砕され難かったことを意味するだけで、それ自体がある程度の強度を有しているので、増量剤として、また粗粒ながらも活性が高く結合剤としての寄与があり得る。
【0021】
また、本発明では、このような粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの量を限定する一方で、これと反応するSiO2含有物質をも適正量で配合するようにした。そのようなSiO2含有物質は、潜在水硬性あるいはポゾラン反応性を有するものが好ましく、具体的には高炉スラグ微粉末を単味で、あるいは高炉スラグ微粉末とフライアッシュとの混合物の使用が好ましい。このフライアッシュは、高炉スラグ微粉末と同様に潜在水硬性あるいはポゾラン反応性のSiO2を含有する物質であり、石炭の燃焼によって生成する。また、フライアッシュは、それ自体が極めて微粉であり、これを高炉スラグ微粉末の代替として使用すると、溶銑予備処理スラグとの反応性が一層向上し、硬化体のひび割れ発生の抑制と長時間養生後の強度の向上が可能となる。
なお、高炉スラグ微粉末を単味で使用する場合、その適正含有量は、5〜40mass%とする。
【0022】
本発明において、溶銑予備処理スラグ及び高炉スラグ微粉末の含有量を上記のように限定した理由は、以下の通りである。粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有率が15mass%未満であったり、あるいは高炉スラグ微粉末の含有量が40mass%超えでは、相対的にSiOを硬化させるアルカリ土類金属イオンの供給が不足気味となり、得られる硬化体の強度が低下する。また、粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有率が55mass%超え、あるいは高炉スラグ微粉末の含有量が5mass%未満では、溶銑予備処理スラグ中の水和膨張性を有するCaO等の成分を固定するSiO2が不足気味となるため、得られる硬化体を水中養生する過程で硬化体の膨張や粉化が発生し、著しく硬化体の強度が低下するからである。
【0023】
さらに、本発明では、SiO2含有物質として高炉スラグ微粉末とフライアッシュとの混合物を使用する場合、それらの適正含有量は、粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有率15〜55mass%、高炉スラグ微粉末の含有率3〜36mass%、フライアッシュの含有率1.5〜30mass%とする。そして、特に、高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対するフライアッシュ含有量の比が質量比で0.1〜0.75とすることが必要である。
このように限定する理由は、以下の通りである。
【0024】
まず、粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有率を15〜55mass%とした理由は、既に述べた理由と同じであるので省略する。高炉スラグ微粉末を3〜36mass%としたのは、3mass%未満では、高強度の硬化体が得られず、36mass%超えでは、それ以上の強度の増加が望めず不経済だからである。フライアッシュは、その含有量が1.5mass%以上で、且つ高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対するフライアッシュ含有量の比が質量比で0.1以上の場合にその効果が顕著である。ただし、フライアッシュは、常温での硬化性が高炉スラグ微粉末よりも劣る傾向があり、フライアッシュの含有率が30mass%を超えたり、あるいは高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対するフライアッシュ含有量の比が質量比で0.75を超えると、硬化体全体としての硬化を遅らせることになるので、好ましくない。したがって、フライアッシュの含有率は、1.5〜30mass%で、且つ高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対するフライアッシュ含有量の比が質量比で0.1〜0.75とする。
【0025】
加えて、本発明では、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの合計含有量に対する溶銑予備処理スラグの含有量の比が質量比で0.2超とするのが一層好ましい。このようにすると、溶銑予備処理スラグから供給されるアルカリ土類金属イオンの量と、潜在水硬性を有するSiO含有物質中の反応性SiOの量的バランスが一層適正となり、硬化体のひび割れ防止効果が高まるからである。
【0026】
本発明は、上記した配合によって、製造した硬化体の強度の向上とひび割れ発生を著しく低減するものであるが、さらに加えて、混合物にアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、塩化物から選ばれた1種又は2種以上を、高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対して0.2〜20mass%添加したり、あるいは、ナフタレンスルホン酸及び/又はポリカルボン酸を、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、粒径が0.1mm以下の溶銑予備処理スラグの合計含有量に対して0.1〜2.0mass%添加しても良い。
【0027】
アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、塩化物から選ばれた1種又は2種以上を0.1mass%以上添加することによって、硬化体の硬化を促進することが可能となり、養生に要する時間を短縮できるからである。しかし、20mass%を超えて添加しても、その効果が飽和するので、上限は、20mass%とする。
【0028】
また、ナフタレンスルホン酸及び/又はポリカルボン酸を添加すると、原料を水と共に混練する際の混錬性が向上する。そのため、混練に必要な水の量を低減することができ、その結果、より高強度の硬化体が得られるようになる。その際に、添加量を高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対して0.2mass%未満では効果に乏しく、2.0mass%を超えて添加しても、効果が飽和するので、0.1〜2.0mass%に限定する。
【0029】
なお、本発明に係る硬化体を形成させる作業場所としては、河川よりも海が好ましい。水速が遅い方が粒子が分離し難いからである。
【0030】
本発明では、溶銑予備処理スラグを主原料とし、上記のような原料配合にすることにより、増粘剤を添加しないでも、実用に耐える水中硬化体が製造可能になったが、その水中硬化体は、コンクリートに比べて以下のような利点があった。
【0031】
1.セメントコンクリートより、低アルカリ性である。
【0032】
2.高比重の溶銑予備処理スラグを用いているので、密度が高く、施工後の沈降速度が大きい。
【0033】
3.内部に鉄分を含有するために、鉄イオンを徐放し、藻類の生成速度が早く、海中生物の育成に役立つ。
【0034】
【実施例】
(発明例)
配合原料として、表1に示す粉砕した溶銑予備処理スラグ(脱珪、脱燐、脱硫処理別)、粒径0.1mm以下に微粉砕した高炉スラグ微粉末、Ca(OH)2を表2に示す配合に従い水で混練して、混合物を多種類準備した。そして、各混合物をそれぞれ個別にホッパを介してコンクリート用ポンプでタンクに溜めた水の中に送り、タンク底でそのまま養生させた。この際、ポンプに接続したホースの先は、タンク底に位置するようにしている。形成した硬化体の大きさは、厚み0.5m、表面積0.25m2であった。また、水温は、20℃で一定に維持している。
【0035】
【表1】
Figure 0004560887
【0036】
【表2】
Figure 0004560887
【0037】
得られた硬化体から試料を採取し、その28日後の圧縮強度と、水のpHを表3に一括して示す。
【0038】
【表3】
Figure 0004560887
【0039】
(比較例)
実施例1と同様にして、従来のコンクリート組成物を水で混練して混合物を2種準備した。そして、同様に水中に供給して養生させた(配合は、表4参照)。
【0040】
【表4】
Figure 0004560887
【0041】
得られた硬化体から試料を採取し、その28日後の圧縮強度と水のpHを表4に併せて示す。
【0042】
表4の値を基準にして表3の値を判断すると、本発明に係る水中硬化体は、コンクリートに代わり、十分に実用できることが明らかである。
【0043】
また、硬化体を上下方向に切断し、上部、中央部、下部での切断面を観察し、粒子の分離状況を確認した。本発明例1〜19及び比較例2では、硬化体の構成粒子の分離を示唆する切断面の様相の相違は認められなかった。これに対し、比較例1では、上部にセメント成分及び微粒の骨材が多く、下部ほど粗粒の骨材が多くなっており、セメント、骨材の分離が著しかった。
【0044】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、製鋼スラグを用いて、水中不分離コンクリートの代替品が供給可能になる。その結果、従来は廃棄していた溶銑予備処理スラグが有効に利用できるようになると共に、地球環境へも良い影響を与える。

Claims (6)

  1. 水中で打設され、硬化した硬化体であって、
    打設前の原料混合物が粉砕した粉粒状の溶銑予備処理スラグと高炉スラグ微粉末とを含有し、打設後において前記溶銑予備処理スラグ及び高炉スラグ微粉末の粒子同士が互いに分離していないことを特徴とする製鋼スラグを原料とする水中硬化体。
  2. 前記原料混合物が、粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグを15〜55mass%、高炉スラグ微粉末を5〜40mass%含有してなることを特徴とする請求項1記載の製鋼スラグを原料とする水中硬化体。
  3. 前記原料混合物が、粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグを15〜55mass%、高炉スラグ微粉末を3〜36mass%、フライアッシュを1.5〜30mass%含有し、且つ高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対するフライアッシュ含有量の比が質量比で0.1〜0.75としてなることを特徴とする請求項1記載の製鋼スラグを原料とする水中硬化体。
  4. 前記高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの合計含有量に対する粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有量の比が質量比で0.2超としてなることを特徴とする請求項3記載の製鋼スラグを原料とする水中硬化体。
  5. さらに、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、塩化物から選ばれた1種又は2種以上を、高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対して0.2〜20mass%添加してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製鋼スラグを原料とする水中硬化体。
  6. さらに、ナフタレンスルホン酸及び/又はポリカルボン酸を、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、粒径が0.1mm以下の溶銑予備処理スラグの合計含有量に対して0.1〜2.0mass%添加してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製鋼スラグを原料とする水中硬化体。
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