JP4560254B2 - 露光装置及び基板搬入出装置、半導体デバイス製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロードロック室を持ち、これを経由して外部との間で基板の搬入出を行う露光装置及び基板搬入出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体工場において、半導体露光装置は、コータデベロッパ(以下C/Dと適宜略記する)と呼ばれる装置との間でウエハの授受を行う運用方式が一般的である。すなわち、従来は、C/Dがレジストと呼ばれる感光材をウエハに塗布し、インラインステーションと呼ばれる受け渡しステーションに置き、このウエハを半導体露光装置が受け取り露光した後、インラインステーションに戻し、C/Dは露光済みのウエハをインラインステーションから受け取り、現像を行うという工程を繰り返していた。
【0003】
ところが、最近のF2 エキシマレーザを光源に用いた露光装置においては、酸素による露光光の吸収を減らすために、露光装置は、内部を不活性ガスによりパージすることが必要になりつつある。
【0004】
一方、C/Dは従来通り大気中で感光材を塗布し、現像するために、F2 エキシマレーザを光源に用いた露光装置とC/Dとの間のウエハ受け渡しには、互いの環境の差を調整するためのロードロック室を経由することが一般的である。
【0005】
すなわち、露光装置へのウエハ搬入時には、ロードロック室の露光機側のドアを閉めておき、C/Dがロードロック室にウエハを置いた後、C/D側のドアを閉め、ロードロック室を密閉した後、同室内を不活性ガスで充填し、雰囲気が露光装置内部と同一になった後に、ロードロック室の露光機側のドアを開け、露光装置がウエハを搬入している。
【0006】
また、露光装置からのウエハ搬出時には、ロードロック室のC/D側のドアを閉めておき、露光装置がロードロック室にウエハを置いた後、露光装置側のドアを閉め、ロードロック室を密閉した後、同室内を大気解放し、雰囲気がC/Dと同一になった後に、ロードロック室のC/D側のドアを開け、C/Dがウエハを搬出している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述の従来例では、露光装置からのウエハ搬出時には、ロードロック室のC/D側のドアを閉めておき、露光装置がロードロック室にウエハを置いた後、露光装置側のドアを閉め、ロードロック室を密閉した後、同室内を大気解放するために、充填してあった不活性ガスが消費され、半導体露光工程のランニングコスト高騰の原因となっていた。なお、本問題は、露光装置内を高価なヘリウムガスで充填している場合に、更に顕著である。
【0008】
本発明は、ランニングコストを低減することができる露光装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決し目的を達成するために、本発明は、ロードロック室を持ち、該ロードロック室経由で外部機器及び人間のどちらかとの間で基板の搬入出を行う露光装置において、前記ロードロック室が複数あり、各ロードロック室内にパージガスを充填させる機構と、充填されたパージガスを回収して再利用する機構と、搬入出される基板がそれぞれのロードロック室に置かれた段階で、各ロードロック室を閉鎖する閉鎖手段と、各ロードロック室の環境を結合することで内部の環境を平均化した状態から、各ロードロック室の環境を前記基板搬入出のための所定環境に合わせる手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、ロードロック室経由で外部機器及び人間のどちらかとの間で基板の搬入出を行う基板搬入出装置において、前記ロードロック室が複数あり、前記ロードロック室内にパージガスを充填させる手段と、充填されたパージガスを回収し再利用する手段と、搬入出される基板がそれぞれのロードロック室に置かれた段階で、各ロードロック室を閉鎖する手段と、各ロードロック室の環境を結合することで内部の環境を平均化した状態から、各ロードロック室の環境を前記基板搬入出のための所定環境に合わせる手段とを備えることを特徴としてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る半導体露光装置について、ロードロック室が一つであり、基板がウエハである場合を例として、図面を用いて説明する。
図1は、第1の実施形態の全体構成を表す図である。同図において、1はF2 を光源とした露光装置であり、不活性ガスによりパージすることにより、酸素による露光光の吸収を防ぐ構造を具備し、ウエハに微細な回路パターンを露光することが可能である。2はC/D(コータデベロッパ)であり、ウエハにレジストを塗布し、また露光済みのウエハを現像することが、大気環境中で可能である。
3は露光装置に付設したロードロック室である。このロードロック室3は、露光装置側ドア4と、C/D側ドア5とを備えている。ここで、ドア4,5は、露光装置1のコントローラ(不図示)の指令により開閉することが可能である。
【0020】
6はロードロック室3内に設けられたインラインステーションであって、ウエハ7を置くことが可能である。8は、露光装置1内の搬送ロボットであって、ロードロック室3のドア4が開いている場合、ロードロック室3内のインラインステーション6上のウエハ7を露光装置1へ搬入することができる。また、搬送ロボット8は、インラインステーション6上にウエハがない場合は、露光装置1で処理した露光済みウエハを、インラインステーション6上に置くことが可能である。
【0021】
9は、C/D2内の搬送ロボットであり、ロードロック室3のドア5が開いている場合、ロードロック室3内のインラインステーション6上のウエハ7をC/D2へ搬入することができる。また、この搬送ロボット9は、インラインステーション6上にウエハがない場合は、C/D2で処理したレジスト塗布済みウエハを、インラインステーション6上に置くことが可能である。
【0022】
10は、露光装置1のコントローラの指令により、ロードロック室3内に不活性ガスを充填し、エア等をパージして、任意の環境に設定することができる環境制御装置である。11は、露光装置1のコントローラの指令により、ロードロック室3内の不活性ガスを回収することができるガス回収装置である。12は、ガス回収装置11により回収されたガスを浄化するガス浄化装置であり、13はガスタンクである。このガスタンク13は、本工程に使用する不活性ガスを貯蔵し、環境制御装置10に送出することができ、またガス浄化装置12により浄化されたガスを再貯蔵することができる。
【0023】
14は、露光装置1のコントローラの指令により、ロードロック室3内を大気解放することができる解放バルブである。18はバルブであって、ガスタンク13からロードロック室3へガスを導入する時に、開けられる。19はバルブであって、ロードロック室3のガスを回収する時に、開けられる。
【0024】
図2は、露光装置1のコントローラがロードロック室3のC/D2側ドア5を開け、C/D2の搬送ロボット9がウエハ7をインラインステーション6に置いた状態を表す図である。
【0025】
図3は、露光装置1のコントローラがロードロック室3のドア5を閉めた状態を表す図である。
【0026】
図4は、環境制御装置10が、ガスタンク13からバルブ18を通して不活性ガスをロードロック室3に送り込み、同室3内の環境を、所定環境である露光装置1内の環境に合わせている状態を表す図である。
【0027】
図5は、ロードロック室3内の環境が、露光装置1内の環境に合った後、露光装置1のコントローラがロードロック室3のドア4を開けて、搬送ロボット8が、インラインステーション6上のウエハ7を搬入し、露光処理した後、インラインステーション6に戻した状態を表す図である。
【0028】
図6は、露光装置1のコントローラがドア4を閉めた後、ガス回収装置11がロードロック室3内の不活性ガスを回収し、回収されたガスがガス浄化装置12により浄化され、ガスタンク13に貯蔵される状態を表す図である。
【0029】
図7は、ロードロック室3内の不活性ガスがほとんど回収された後で、解放バルブ14を開き、同室3内を大気解放している状態を表す図である。
【0030】
図8は、露光装置1のコントローラがロードロック室3のドア5を開け、C/D2の搬送ロボット9が、インラインステーション6上のウエハ7をC/D2側へ搬入できる状態を表す図である。
【0031】
上記構成において、順を追って露光装置とロードロック室との間のウエハの搬入出及びC/Dとロードロック室との間のウエハの搬入出の動作について説明する。最初に、図2に示すように、露光装置1のコントローラがロードロック室3のドア5を開け、C/D2の搬送ロボット9がレジスト塗布済みウエハ7をインラインステーション6に置く。
【0032】
次に、図3に示すように露光装置1のコントローラがロードロック室3のドア5を閉め、ロードロック室3内の環境と、C/D2内の環境を遮断する。
【0033】
次に、図4に示すように、環境制御装置10が、ガスタンク13からの不活性ガスをロードロック室3にバルブ18を通して送り込み、同室3内の環境を、露光装置1内の環境に合わせる。
【0034】
次に、図5に示すように、ロードロック室3内の環境が、露光装置1内の環境に合った後、露光装置1のコントローラがロードロック室3のドア4を開けて、搬送ロボット8が、インラインステーション6上のウエハ7を露光装置1側に搬入し、露光処理を行う。露光処理が終了した後、搬送ロボット8は、ウエハ7をインラインステーション6に戻す。
【0035】
次に、図6に示すように、露光装置1のコントローラはドア4を閉め、その後ガス回収装置11はバルブ19を通してロードロック室3内の不活性ガスを回収し、回収されたガスは、ガス浄化装置12により浄化して、ガスタンク13に貯蔵される。従って、該回収されたガスは次回の基板搬入出時に、パージガスとして再利用されることになる。
【0036】
次に、図7に示すように、ロードロック室3内の不活性ガスをほとんど回収した後で、解放バルブ14を開き、同室3内を大気解放する。
【0037】
次に、図8に示すように、露光装置1のコントローラは解放バルブ14を閉じ、ロードロック室3のドア5を開け、C/D2の搬送ロボット9は、インラインステーション6上の露光処理が終わったウエハ7をC/D2側へ搬入する。
【0038】
次のウエハを搬入出する場合は、図2からの動作を繰り返す。
【0039】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体露光装置について、ロードロック室が二つあり、基板がウエハである場合を例として、図面を用いて説明する。
図9は、第2の実施形態の全体構成を表す図である。同図において、23はロードロック室である。このロードロック室23は、露光装置側ドア24と、C/D2側のドア25とを備えている。ここで、ドア24,25は、露光装置1のコントローラ(不図示)の指令により開閉することが可能である。26はロードロック室23内に設けられたインラインステーションであり、ウエハ27を置くことが可能である。ここで搬送ロボット8は、ロードロック室23のドア24が開いている場合、ロードロック室23内のインラインステーション26上のウエハ27を露光装置1へ搬入することができる。また、搬送ロボット8は、インラインステーション26上にウエハがない場合は、露光装置1で処理した露光済みウエハを、インラインステーション26上に置くことが可能である。
【0040】
また、C/D2内の搬送ロボット9は、ロードロック室23のドア25が開いている場合、ロードロック室23内のインラインステーション26上のウエハ27をC/D2へ搬入することができる。また、搬送ロボット9は、インラインステーション26上にウエハがない場合は、C/D2で処理したレジスト塗布済みウエハを、インラインステーション26上に置くことが可能である。30は、露光装置1のコントローラの指令により、ロードロック室23内を不活性ガスにより充填、パージし、任意の環境に設定することができる環境制御装置である。21は、露光装置1のコントローラの指令により、ロードロック室23内の不活性ガスを回収することができるガス回収装置であり、22は、ガス回収装置21により回収されたガスを浄化するガス浄化装置である。16はロードロック室3,23内の環境を結合する結合管、17は、結合管16の途中に入り、開閉することによりロードロック室3,23内の環境を結合するか否かを選択することができるバルブであり、露光装置1のコントローラの指令により開閉することが可能である。28はバルブであって、ガスタンク13からロードロック室23へガスを供給する時に、開けられる。29はバルブであって、ロードロック室23のガスを回収する時に、開けられる。その他の構成は、第1の実施形態と同じである。なお、ガスタンク13は共通の一つである。
【0041】
図10は、露光装置1のコントローラがロードロック室3のドア5と、ロードロック室23のドア24を開け、露光装置1の搬送ロボット8が、ウエハ27をインラインステーション26に置き、またC/Dの搬送ロボット9がウエハ7をインラインステーション6に置いた状態を表す図である。
【0042】
図11は、露光装置1のコントローラがロードロック室3のドア5と、ロードロック室23のドア24とを、閉めた状態を表す図である。
【0043】
図12は、露光装置1のコントローラがバルブ17を開いて、結合管16経由でロードロック室3,23内の環境を結合している状態を表す図である。
【0044】
図13は、露光装置1のコントローラがバルブ17を閉じて、ロードロック室3,23内の環境が遮断された後、バルブ18,28を開けて、環境制御装置10が、ロードロック室3内の環境を、露光装置1内の環境に合わせ、また環境制御装置30が、ロードロック室23内の環境を、C/D2内の環境に合わせている状態を表す図である。
【0045】
図14は、露光装置1のコントローラがロードロック室3のドア4と、ロードロック室23のドア25を開け、露光装置1の搬送ロボット8が、インラインステーション6上のウエハ7を搬入可能であり、またC/Dの搬送ロボット9が、インラインステーション26上のウエハ27をC/D2側へ搬入できる状態を表す図である。
【0046】
図15は、露光装置1の搬送ロボット8が、インラインステーション6上のウエハ7を露光装置1へ搬入し、またC/Dの搬送ロボット9が、インラインステーション26上のウエハ27をC/D2側へ搬入し終わり、インラインステーション6,26が空になった状態を表す図である。
【0047】
上記構成において、順を追って基板の搬送等の動作を説明する。最初に、図10に示すように、露光装置1のコントローラがロードロック室3のドア5と、ロードロック室23のドア24とを開け、露光装置1の搬送ロボット8が、露光済みのウエハ27をインラインステーション26上に置く。また、同じタイミングで、C/D2の搬送ロボット9がレジスト塗布済みウエハ7をインラインステーション6上に置く。
【0048】
次に、図11に示すように、露光装置1のコントローラがロードロック室3のドア5と、ロードロック23室のドア24とを閉め、ロードロック室3内の環境と、C/D2内の環境を遮断するとともに、ロードロック室23内の環境と、露光装置1内の環境を遮断する。
【0049】
次に、図12に示すように、露光装置1のコントローラがバルブ17を開いて、結合管16経由で両ロードロック室3,23内の環境を結合し、平均化する。次に、図13に示すように、露光装置1のコントローラがバルブ17を閉じて、ロードロック室3,23内の環境を遮断した後、環境制御装置10が、バルブ18を通してガスタンク13からの不活性ガスをロードロック室3に送り込み、同室3内の環境を、所定環境である露光装置1内の環境に合わせる。
【0050】
また、露光装置1のコントローラの指令により、ガス回収装置21はバルブ29を通してロードロック室23内の不活性ガスを回収し、回収されたガスをガス浄化装置22により浄化し、ガスタンク13に貯蔵する。その後環境制御装置30は、露光装置1のコントローラの指令により、ロードロック室23内を、所定環境であるC/D2内と同じ環境に設定する(合わせる)。このとき、ロードロック室3,23内の環境が平均化された状態から環境設定が開始されるので、短時間で環境設定を終了することが可能になり、かつ不活性ガスの回収サイクルを持つため、ランニングコストの低減を図ることが可能になる。
【0051】
次に、図14に示すように、露光装置1のコントローラがロードロック室3のドア4と、ロードロック室23のドア25とを開け、この後、露光装置1の搬送ロボット8が、インラインステーション6上のウエハ7を露光装置1へ搬入し、またC/D2の搬送ロボット9が、インラインステーション26上のウエハ27をC/D2側へ搬入する。これが終了すると、図15に示すように、インラインステーション6,26が空になる。
【0052】
次のウエハを搬入出する場合は、露光装置1のコントローラは、搬送ロボット8を用いて、露光済みのウエハをインラインステーション6上に置く。また同じタイミングで、C/D2の搬送ロボット9がレジスト塗布済みウエハ27をインラインステーション26上に置き、前回のウエハ搬入出と同様な処理を行う。
【0053】
なお、本発明は、基板がレチクル等の原板である場合にも、当然適用可能であり、C/D2の代わりに、人間が基板をロードロック室3,23に対し搬入出する場合にも適用できる。
【0054】
(半導体生産システムの実施形態)
次に、本発明に係る装置を用いた半導体デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産システムの例を説明する。これは半導体製造工場に設置された製造装置のトラブル対応や定期メンテナンス、あるいはソフトウェア提供などの保守サービスを、製造工場外のコンピュータネットワークを利用して行うものである。
【0055】
図16は全体システムをある角度から切り出して表現したものである。図中、101は半導体デバイスの製造装置を提供するベンダ(装置供給メーカ)の事業所である。製造装置の実例としては、半導体製造工場で使用する各種プロセス用の半導体製造装置、例えば、前工程用機器(露光装置、レジスト処理装置、エッチング装置等のリソグラフィ装置、熱処理装置、成膜装置、平坦化装置等)や後工程用機器(組立て装置、検査装置等)を想定している。事業所101内には、製造装置の保守データベースを提供するホスト管理システム108、複数の操作端末コンピュータ110、これらを結んでイントラネット等を構築するローカルエリアネットワーク(LAN)109を備える。ホスト管理システム108は、LAN109を事業所の外部ネットワークであるインターネット105に接続するためのゲートウェイと、外部からのアクセスを制限するセキュリティ機能を備える。
【0056】
一方、102〜104は、製造装置のユーザとしての半導体製造メーカの製造工場である。製造工場102〜104は、互いに異なるメーカに属する工場であっても良いし、同一のメーカに属する工場(例えば、前工程用の工場、後工程用の工場等)であっても良い。各工場102〜104内には、夫々、複数の製造装置106と、それらを結んでイントラネット等を構築するローカルエリアネットワーク(LAN)111と、各製造装置106の稼動状況を監視する監視装置としてホスト管理システム107とが設けられている。各工場102〜104に設けられたホスト管理システム107は、各工場内のLAN111を工場の外部ネットワークであるインターネット105に接続するためのゲートウェイを備える。これにより各工場のLAN111からインターネット105を介してベンダの事業所101側のホスト管理システム108にアクセスが可能となり、ホスト管理システム108のセキュリティ機能によって限られたユーザだけにアクセスが許可となっている。具体的には、インターネット105を介して、各製造装置106の稼動状況を示すステータス情報(例えば、トラブルが発生した製造装置の症状)を工場側からベンダ側に通知する他、その通知に対応する応答情報(例えば、トラブルに対する対処方法を指示する情報、対処用のソフトウェアやデータ)や、最新のソフトウェア、ヘルプ情報などの保守情報をベンダ側から受け取ることができる。各工場102〜104とベンダの事業所101との間のデータ通信および各工場内のLAN111でのデータ通信には、インターネットで一般的に使用されている通信プロトコル(TCP/IP)が使用される。なお、工場外の外部ネットワークとしてインターネットを利用する代わりに、第三者からのアクセスができずにセキュリティの高い専用線ネットワーク(ISDNなど)を利用することもできる。また、ホスト管理システムはベンダが提供するものに限らずユーザがデータベースを構築して外部ネットワーク上に置き、ユーザの複数の工場から該データベースへのアクセスを許可するようにしてもよい。
【0057】
さて、図17は本実施形態の全体システムを図16とは別の角度から切り出して表現した概念図である。先の例ではそれぞれが製造装置を備えた複数のユーザ工場と、該製造装置のベンダの管理システムとを外部ネットワークで接続して、該外部ネットワークを介して各工場の生産管理や少なくとも1台の製造装置の情報をデータ通信するものであった。これに対し本例は、複数のベンダの製造装置を備えた工場と、該複数の製造装置のそれぞれのベンダの管理システムとを工場外の外部ネットワークで接続して、各製造装置の保守情報をデータ通信するものである。図中、201は製造装置ユーザ(半導体デバイス製造メーカ)の製造工場であり、工場の製造ラインには各種プロセスを行う製造装置、ここでは例として露光装置202、レジスト処理装置203、成膜処理装置204が導入されている。なお図17では製造工場201は1つだけ描いているが、実際は複数の工場が同様にネットワーク化されている。工場内の各装置はLAN206で接続されてイントラネットを構成し、ホスト管理システム205で製造ラインの稼動管理がされている。
【0058】
一方、露光装置メーカ210、レジスト処理装置メーカ220、成膜装置メーカ230などベンダ(装置供給メーカ)の各事業所には、それぞれ供給した機器の遠隔保守を行うためのホスト管理システム211,221,231を備え、これらは上述したように保守データベースと外部ネットワークのゲートウェイを備える。ユーザの製造工場内の各装置を管理するホスト管理システム205と、各装置のベンダの管理システム211,221,231とは、外部ネットワーク200であるインターネットもしくは専用線ネットワークによって接続されている。このシステムにおいて、製造ラインの一連の製造機器の中のどれかにトラブルが起きると、製造ラインの稼動が休止してしまうが、トラブルが起きた機器のベンダからインターネット200を介した遠隔保守を受けることで迅速な対応が可能であり、製造ラインの休止を最小限に抑えることができる。
【0059】
半導体製造工場に設置された各製造装置はそれぞれ、ディスプレイと、ネットワークインタフェースと、記憶装置にストアされたネットワークアクセス用ソフトウェアならびに装置動作用のソフトウェアを実行するコンピュータを備える。
記憶装置としては内蔵メモリやハードディスク、あるいはネットワークファイルサーバーなどである。上記ネットワークアクセス用ソフトウェアは、専用又は汎用のウェブブラウザを含み、例えば図18に一例を示す様な画面のユーザインタフェースをディスプレイ上に提供する。各工場で製造装置を管理するオペレータは、画面を参照しながら、製造装置の機種401、シリアルナンバー402、トラブルの件名403、発生日404、緊急度405、症状406、対処法407、経過408等の情報を画面上の入力項目に入力する。入力された情報はインターネットを介して保守データベースに送信され、その結果の適切な保守情報が保守データベースから返信されディスプレイ上に提示される。またウェブブラウザが提供するユーザインタフェースはさらに図示のごとくハイパーリンク機能410〜412を実現し、オペレータは各項目の更に詳細な情報にアクセスしたり、ベンダが提供するソフトウェアライブラリから製造装置に使用する最新バージョンのソフトウェアを引出したり、工場のオペレータの参考に供する操作ガイド(ヘルプ情報)を引出したりすることができる。ここで、保守データベースが提供する保守情報には、上記説明した本発明に関する情報も含まれ、また前記ソフトウェアライブラリは本発明を実現するための最新のソフトウェアも提供する。
【0060】
次に上記説明した生産システムを利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図19は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これを出荷(ステップ7)する。前工程と後工程はそれぞれ専用の別の工場で行い、これらの工場毎に上記説明した遠隔保守システムによって保守がなされる。また前工程工場と後工程工場との間でも、インターネットまたは専用線ネットワークを介して生産管理や装置保守のための情報がデータ通信される。
【0061】
図20は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を成膜する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
各工程で使用する製造機器は上記説明した遠隔保守システムによって保守がなされているので、トラブルを未然に防ぐと共に、もしトラブルが発生しても迅速な復旧が可能であり、従来に比べて半導体デバイスの生産性を向上させることができる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ロードロック室経由でコータデベロッパもしくは人間との間でウエハ等の基板の搬入出を行う露光装置において、ロードロック室内に充填されたパージガスを回収し、タンクに戻すガス回収装置を備え、露光装置からの基板搬出時には、ロードロック室のC/D側のドアを閉めておき、露光装置がロードロック室に基板を置いた後、露光装置側のドアを閉め、ロードロック室を密閉した後、同室内の環境を大気と同等にする前に、ガス回収装置がロードロック室内のガスを回収し、回収されたガスを再利用することができ、これにより半導体露光工程のランニングコストを低減させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る露光装置を含めた半導体露光ラインの全体構成を表す図である。
【図2】 第1の実施形態に係る露光装置の動作を表す図である。
【図3】 第1の実施形態に係る露光装置の動作を表す図である。
【図4】 第1の実施形態に係る露光装置の動作を表す図である。
【図5】 第1の実施形態に係る露光装置の動作を表す図である。
【図6】 第1の実施形態に係る露光装置の動作を表す図である。
【図7】 第1の実施形態に係る露光装置の動作を表す図である。
【図8】 第1の実施形態に係る露光装置の動作を表す図である。
【図9】 本発明の第2の実施形態に係る露光装置を含めた半導体露光ラインの全体構成を表す図である。
【図10】 第2の実施形態に係る露光装置の動作を表す図である。
【図11】 第2の実施形態に係る露光装置の動作を表す図である。
【図12】 第2の実施形態に係る露光装置の動作を表す図である。
【図13】 第2の実施形態に係る露光装置の動作を表す図である。
【図14】 第2の実施形態に係る露光装置の動作を表す図である。
【図15】 第2の実施形態に係る露光装置の動作を表す図である。
【図16】 本発明に係る装置を用いた半導体デバイスの生産システムをある角度から見た概念図である。
【図17】 本発明に係る装置を用いた半導体デバイスの生産システムを別の角度から見た概念図である。
【図18】 ユーザインタフェースの具体例である。
【図19】 デバイスの製造プロセスのフローを説明する図である。
【図20】 ウエハプロセスを説明する図である。
【符号の説明】
1:露光装置、2:コータデベロッパ(C/D)、3:ロードロック室、4:ロードロック室3の露光装置側ドア、5:ロードロック室3のコータデベロッパ側ドア、6:インラインステーション、7:ウエハ、8:露光装置1内の搬送ロボット、9:コータデベロッパ2内の搬送ロボット、10:環境制御装置、11:ガス回収装置、12:ガス浄化装置、13:ガスタンク、14:解放バルブ、16:結合管、17,18,19:バルブ、21:ガス回収装置、22:ガス浄化装置、23:ロードロック室、24:ロードロック室23の露光装置側ドア、25:ロードロック室23のコータデベロッパ側ドア、26:インラインステーション、27:ウエハ。
Claims (7)
- ロードロック室を持ち、該ロードロック室経由で外部機器及び人間のどちらかとの間で基板の搬入出を行う露光装置において、前記ロードロック室が複数あり、各ロードロック室内にパージガスを充填させる機構と、充填されたパージガスを回収して再利用する機構と、搬入出される基板がそれぞれのロードロック室に置かれた段階で、各ロードロック室を閉鎖する閉鎖手段と、各ロードロック室の環境を結合することで内部の環境を平均化した状態から、各ロードロック室の環境を前記基板搬入出のための所定環境に合わせる手段とを備えることを特徴とする露光装置。
- 前記基板とは感光基板であることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記基板とは原板であることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記外部機器とはレジスト塗布・現像装置であることを特徴とする請求項1または2に記載の露光装置。
- 前記外部機器とは原板搬送装置であることを特徴とする、請求項1または3に記載の露光装置。
- ロードロック室経由で外部機器及び人間のどちらかとの間で基板の搬入出を行う基板搬入出装置において、前記ロードロック室が複数あり、前記ロードロック室内にパージガスを充填させる手段と、充填されたパージガスを回収し再利用する手段と、搬入出される基板がそれぞれのロードロック室に置かれた段階で、各ロードロック室を閉鎖する手段と、各ロードロック室の環境を結合することで内部の環境を平均化した状態から、各ロードロック室の環境を前記基板搬入出のための所定環境に合わせる手段とを備えることを特徴とする基板搬入出装置。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群を半導体製造工場に設置する工程と、該製造装置群を用いて複数のプロセスによって半導体デバイスを製造する工程とを有することを特徴とする半導体デバイス製造方法。
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