JP4559609B2 - 建物における給水用樹脂管の配管構造及び配管ユニット - Google Patents
建物における給水用樹脂管の配管構造及び配管ユニット Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物における給水用樹脂管の配管構造及び給水配管ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】
給水・給湯用の配管として、これまでの金属管に替え、施工の容易な樹脂管が用いられる傾向にある。ところが、北海道などの寒冷地では、冬期などにおいて管内の水が凍結することから、水抜きを行う必要があるが、樹脂管を用いたこれまでの配管系統では、水を抜けない、あるいは、抜きにくいという問題があった。
【0003】
本発明は、このような背景において、樹脂管を用いた配管構造において、凍結予防のための水抜きを確実に行うことができる給水用樹脂管の配管構造を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、建物の1階床下空間部に樹脂管からなる主管が延ばされ、この主管の先端側の所定長さ範囲が床下空間部において傾斜状態に保持され、この傾斜部に沿って同じく樹脂管からなる複数の枝管が分岐され、枝管は床上に延ばされ、前記傾斜部の傾斜方向の下側に水抜き部が備えられ、かつ、水抜き部で抜かれた水を受け入れる受けが備えられていることを特徴とする建物における給水用樹脂管の配管構造によって解決される。なお、「給水」の語は、給水と給湯のいずれか一方又は両方を含む意味において用いていることはいうまでもない。
【0005】
この配管構造では、水抜き部を開くと、主管の先端側の傾斜部内の水が、その傾斜の作用で水抜き部の側へと流れていき、それによって床上の枝管内の水と主管傾斜部内の水が水抜き部を通じて受けに送り込まれ、管内の水を確実に抜くことができる。従って、樹脂管を用いた床下分岐型の配管構造でありながら、管内からきれいに水を抜いて、凍結を予防することができる。
【0006】
上記の主管先端の傾斜部が、床下ベース面に設置されたベース断熱材に沿わされて傾斜状態に固定されている場合は、傾斜部を安定良く傾斜状態に保つことができ、しかも、樹脂管が床下ベース面の側から冷やされるのを防ぐことができる。
【0007】
この傾斜部がその上方より断熱材でカバーされている場合は、傾斜部をより一層安定良く傾斜状態に保つことができると共に、床下空間部内の冷気で樹脂管の傾斜部が冷やされるのを防ぐことができる。
【0008】
また、建物の床下に設置される給水配管用ユニットであって、
樹脂管からなる主管を接続して主管先端部を形成する所定長さの同じく樹脂管からなる主管先端管部が備えられ、
この主管先端管部は、傾斜状態に保持され、
この主管先端管部に対して、同じく樹脂管からなる複数の枝管を接続できるようになっていることを特徴とする給水配管ユニット、並びに、
このユニットにおいて、前記主管先端管部の傾斜方向の下側に水抜き部が備えられている給水配管ユニット
を用いて施工を行うことにより、現場での施工を能率良く行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1には、住宅等の建物の床下空間部1に設置した、樹脂管からなる給水・給湯用の主管2,3と、同じく樹脂管からなる枝管4…,5…との分岐部分の構造を示している。樹脂管には、例えば、ボリブテン管や架橋ポリエチレン管などが用いられる。
【0011】
6は、コンクリート土間などによる床下のベース面であり、この土間6上に、上面一方向勾配付きのベース断熱材7が設置され、この断熱材7の上面に、主管2,3の先端側の所定長さ範囲2a,3aが、断熱材7の傾斜に沿うように、先端側を斜め上方に向けるように傾斜状態にされて支えられ、固定されている。断熱材7に支えられて固定されている各主管2,3の傾斜部2a,3aの長さ寸法は、例えば2mであり、緩やかな傾斜角度で一方向に傾斜するようになされている。このように、主管2,3の傾斜部2a,3aを下から断熱材で傾斜状態に支えて固定しユニット化した構造とすることにより、傾斜部2a,3aを安定良く傾斜状態に保つことができ、しかも、主管傾斜部2a,3aが土間6の側から冷やされるのを防ぐことができる。
【0012】
この傾斜部2a,3aにおいて、分岐用の継ぎ手8…が、傾斜部2a,3aの長さ方向に沿って所定間隔おきに介設され、各分岐継ぎ手8…に枝管4…,5…が接続され、各枝管4…,5…は、床上の各所、例えば、浴槽や洗面、洗濯機、流し、階上、階下のトイレなどへと延ばされている。12は床面ラインである。
【0013】
そして、主管2,3には、先端傾斜部2a,3aの下流基端側において、水抜き部としての水抜き弁9,9が介設され、土間6には、抜かれた水を受け入れる受けとしての浸透枡10が設けられている。水抜き弁9,9は、洗面室などの屋内の床下に設置されており、床をとることで、配管の分岐部分や水抜き弁等にアクセスすることができるようになっている。
【0014】
上記の配管構造では、図2(イ)に示すように、水抜き弁を閉じた状態にすることで、床上の各所で水や湯を利用することができ、一方、冬期など、管内の水が凍結するおそれのあるときは、図2(ロ)に示すように、主管2,3の図示しない元栓を閉じ、水抜き弁9,9を開くと共に、各所に延ばされた枝管4…,5…の水栓を開くことで、主管2,3の先端傾斜部2a,3a内の水が、その傾斜の作用で水抜き弁9,9の側へと流れていき、それによって床上に延ばされた枝管4…,5…内の水と主管2,3の傾斜部2a,3a内の水も水抜き弁9,9を通じて浸透枡10の中へと排出され、管内の水がきれいに抜かれる。こうして、樹脂管を用いた床下分岐型の配管構造でありながら、樹脂管内からきれいに水を抜けて、冬期などにおける管内の水の凍結を予防できる。
【0015】
なお、水抜き部9,9を挟んで主管傾斜部2a,3aとは反対側、即ち一次側の主管部分2b,3bについても、この水抜き部9,9に向けて下方に傾斜するように配管しておくことで、主管2,3の一次側の水もこの水抜き部9,9を開くことで抜くことができる。
【0016】
図3に示す実施形態では、主管2,3の先端傾斜部2a,3aが、上方より、断熱材からなる断熱蓋11でカバーされている。この断熱蓋11により、主管2,3の先端傾斜部2a,3aをより一層安定良く傾斜状態に保つことができると共に、床下空間部1内の冷気で主管傾斜部2a,3aが冷やされるのを防ぐことができる。その他は、図1に示す実施形態と同様である。
【0017】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の各実施形態において、主管傾斜部2aを、主管2を接続して主管先端部を形成する所定長さの同じく樹脂管からなる傾斜させた主管先端管部とし、この主管先端管部に主管を接続できるようにし、この主管先端管部に上記のような枝管接続用の継ぎ手8…などの枝管接続部を設けて枝管4を接続できるようにした給水配管ユニットに構成されているのもよい。このようにユニット品を用いるこで、主管先端管部を床下において容易に傾斜状態に設置することができ、現場での施工の省力化を図ることができる。なお、このようなユニット品において、主管先端管部は、ベース用断熱材7によって傾斜状態に保持する構成にしてベース用断熱材7もユニット構成品に含ませるようにしてよいし、また、主管先端管部の傾斜方向の下側に水抜き部9を備えさせてこの水抜き部9もユニット構成品に含ませるようにしてよい。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりのものであるから、樹脂管を用いた床下分岐型の給水配管構造において、凍結予防のための水抜きを確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図(イ)は実施形態の配管構造を示す断面側面図、図(ロ)は同斜視図である。
【図2】図(イ)は給水時の水の流れ状態を示す斜視図、図(ロ)は水抜き時の水の流れ状態を示す斜視図である。
【図3】図(イ)は他の実施形態の配管構造を示す断面側面図、図(ロ)は同斜視図である。
【符号の説明】
1…床下空間部
2,3…主管
2a,3a…傾斜部
4,5…枝管
6…コンクリート土間(床下ベース面)
7…ベース断熱材
9…水抜き弁(水抜き部)
10…浸透升(受け)
11…断熱蓋(カバー断熱材)
Claims (5)
- 建物の1階床下空間部に樹脂管からなる主管が延ばされ、この主管の先端側の所定長さ範囲が床下空間部において傾斜状態に保持され、この傾斜部に沿って同じく樹脂管からなる複数の枝管が分岐され、枝管は床上に延ばされ、前記傾斜部の傾斜方向の下側に水抜き部が備えられ、かつ、水抜き部で抜かれた水を受け入れる受けが備えられていることを特徴とする建物における給水用樹脂管の配管構造。
- 前記傾斜部が、床下ベース面に設置されたベース断熱材に沿わされて傾斜状態に固定されている請求項1に記載の建物における給水用樹脂管の配管構造。
- 前記傾斜部がその上方より断熱材でカバーされている請求項2に記載の建物における給水用樹脂管の配管構造。
- 建物の床下に設置される給水配管用ユニットであって、
樹脂管からなる主管を接続して主管先端部を形成する所定長さの同じく樹脂管からなる主管先端管部が備えられ、
この主管先端管部は、傾斜状態に保持され、
この主管先端管部に対して、同じく樹脂管からなる複数の枝管を接続できるようになっていることを特徴とする給水配管ユニット。 - 前記主管先端管部の傾斜方向の下側に水抜き部が備えられている請求項4に記載の給水配管ユニット。
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JPH10299041A (ja) * | 1997-04-22 | 1998-11-10 | Matsushita Electric Works Ltd | 浴室用配管構造 |
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- 2000-10-31 JP JP2000333832A patent/JP4559609B2/ja not_active Expired - Fee Related
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