JP4558421B2 - 半導体センサ - Google Patents

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本発明は、半導体基板に設けられたメンブレンやダイアフラム等の薄膜構造部上に形成された抵抗体を用いて所定の物理量を測定する半導体センサに関するものである。
従来、この種の半導体センサとしては、例えばフローセンサが知られている。このフローセンサは、薄膜構造部に形成された発熱体(抵抗体)により発せられる熱が、同発熱体付近を流通する流体によって奪われることを利用して流体の流量を感知する。すなわち、発熱体の生じる熱のうち、流体によって奪われる熱量は流体の流量が多くなるほど増加することから、この流体によって奪われる熱量に基づいて発熱体付近の流体の流量を計測することができる。
一方、こうしたフローセンサ、及び該フローセンサを用いたフローメータとしては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。以下、この特許文献1に記載のフローセンサ及びフローメータについて図7および図8を参照して説明する。
図7は、フローセンサの全体構造を示すものである。この図7に示すように、フローセンサFSは、半導体基板10を備えて構成されている。そして、この半導体基板10上に、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、上流側温度計Rka、及び下流側温度計Rkbが導体膜20にパターニングされて形成されている。このうち、上流側ヒータRhaおよび下流側ヒータRhbは、電流の供給によって発熱する発熱体としての機能に加えて、同発熱体の抵抗値の変化に基づいて自身の温度を感知する感温体としての機能も備えるものである。一方、上流側温度計Rkaおよび下流側温度計Rkbは、当該フローセンサFSの環境温度を感知する機能を備えるものである。これら上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、上流側温度計Rka、及び下流側温度計Rkbは、リード部L1〜L6を介して、後述する信号生成回路SG(図8)とパッドP1〜P6及びボンディングワイヤW1〜W6を介して接続されている。
また、上記半導体基板10は、空洞部Hを有して構成されている。この空洞部Hは、上記半導体基板10の裏面側において図7に1点鎖線にて示す矩形状の領域で開口されるとともに、この開口面積が半導体基板10の上面側へ行くほど縮小されて、同半導体基板10の上面では同図7に破線にて示す矩形状の領域となるかたちで形成されている。そして、この空洞部H上に薄膜構造部MBが形成され、上記空洞部Hを架橋するようにして上流側ヒータRhaおよび下流側ヒータRhbが形成されている。
こうした構造からなるフローセンサFSを備えたフローメータの等価回路を図8に示す。
この図8に示すように、フローメータFMは、上記構成からなるフローセンサFSと、同フローセンサFSの感知結果に基づき電気信号を生成する信号生成回路SGとを備えて構成されている。
このうち、フローセンサFSでは、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbの生じる熱のうち、流体(吸入空気など)によって奪われる熱に基づいて流体の流量を感知する。また、フローセンサFSでは、上流側ヒータRhaと下流側ヒータRhbとでそれぞれ生じる熱のうち、流体によって奪われる熱量の差に基づき、流体の流通方向を感知する。
一方、信号生成回路SGは、上記フローセンサFSによる流体の流量及び流体の流通方向の感知結果に応じた検出信号を生成する。詳しくは、上流側ヒータRha及び上流側温度計Rkaの温度差と、下流側ヒータRhb及び下流側温度計Rkbの温度差とをそれぞれ所定値(例えば「200℃」)とするように、フローセンサFSへ供給する電流を制御する。そして、このフローセンサFSで消費される電力に基づき上記流体の流量及び流体の流通方向に応じた検出信号を生成する。
具体的には、上記フローセンサFSおよび信号生成回路SGは、上流側ヒータRhaおよび抵抗R1aと上流側温度計Rkaおよび抵抗R2aとが並列接続された上流側ホィーストンブリッジUHB、及び下流側ヒータRhbおよび抵抗R1bと下流側温度計Rkb及び抵抗R2bとが並列接続された下流側ホィーストンブリッジ回路DHBを備えて構成されている。そして、上流側ホィーストンブリッジUHBでは、上流側ヒータRhaでの電圧降下と上流側温度計Rkaでの電圧降下とが差動増幅回路UOPに取り込まれ、この差動増幅回路UOPにより、ブリッジの平衡条件を成立させるべく、これらの電圧降下の差に応じてトランジスタUTが制御される。こうした動作は、トランジスタDT及び差動増幅回路DOPを備える下流側ホィーストンブリッジDHBにおいても同様である。また、上記上流側ヒータRhaでの電圧降下と、上記下流側ヒータRhbでの電圧降下とが差動増幅回路COPに取り込まれて、これら2つの電圧降下の差に応じた信号が差動増幅回路COPにて生成される。そして、この信号が増幅回路ACによって増幅された後、信号生成回路SGの端子P7を介して外部に出力される。すなわち、この端子P7を介して出力される検出信号が流体の流量及び流通方向の検出信号である。
ところで、こうしたフローセンサでは、薄膜構造部を構成する構成膜のピンホールやキズ、あるいは、それら構成膜間のパーティクル等の欠陥がある場合、上記薄膜構造部の表面と裏面との気圧差や流体中のダストの衝突等といった外部応力に対する薄膜構造部の耐性、すなわち薄膜構造部が破壊に至る外部応力(破壊耐量)が低下してしまう。このため、フローセンサの製造にあたっては、上記欠陥のある薄膜構造部を選別して除去するスクリーニングが行われる。このスクリーニングは、例えば、薄膜構造部の表面全体に空気又はオイル等を用いて均一に圧力を印加して、ある規定値以下のチップを破壊するようにして行われる。
しかし、こうしたスクリーニングにより薄膜構造部のすべての欠陥を選別して除去することは一般には困難である。そこで従来から、上記欠陥による破壊耐量の低下を抑制すべく、上記薄膜構造部に補強部材を設けて同薄膜構造部の剛性を高めることが行われている。こうしたフローセンサの一例としては、例えば特許文献2に記載のものが知られている。
図9に、この特許文献2に記載のフローセンサの薄膜構造部を示す。このフローセンサでは、半導体基板110の空洞部111上に形成されている薄膜構造部112に、発熱体113と同発熱体113の上流側において温度を感知する感温体114とを備えるとともに、薄膜構造部112の周縁部の一部、詳しくは薄膜構造部112の周縁部を構成する辺のうち、下流側に位置する辺の中央付近に補強部材115を設けている。そして、この補強部材115により薄膜構造部112の剛性を高めるようにしている。
特開平16−191299号公報 特開平15−202257号公報
ところで、上記スクリーニング時の圧力によって上記薄膜構造部の周縁部に働く応力は一般に、この周縁部を構成する各辺の中央付近ほど大きく、上記薄膜構造部の四隅に近いほど小さいという特性がある。このため、均一な剛性を有する薄膜構造部のスクリーニングを行う場合、上記欠陥がその薄膜構造部の周縁部を構成する辺の中央付近にある場合にはこれを選別して除去することができるものの、上記欠陥が薄膜構造部の四隅近傍にある場合にはこれを選別して除去することができない。これに対し、フローセンサとして実際に使用される際の応力のかかり具合は、上記スクリーニング時とは異なり、必ずしも薄膜構造部全体に均一ではない。このため、上記四隅近傍の欠陥に応力が集中した場合、この四隅近傍の欠陥を起点として薄膜構造部が破壊されることも起こり得る。すなわち、こうした四隅近傍の欠陥による同薄膜構造部の破壊耐量の低下は避けられないものとなっている。
こうした実情の下、上記特許文献2に記載にフローセンサの場合、薄膜構造部112に設けられた上記補強部材115によって確かに薄膜構造部112の剛性は高められるものの、この補強部材115による薄膜構造部112の剛性の向上は、薄膜構造部112の周縁部を構成する辺の中央付近でなされるにすぎない。このため、上記補強部材115を設けた場合であれ、スクリーニングにより除去できない上記四隅近傍の欠陥による破壊耐量の低下は依然として避けられないものとなっている。
なお、こうした実情は、フローセンサに限らず、半導体基板にメンブレンやダイアフラム等の薄膜構造部が設けられた他の半導体センサにおいても概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その目的は、欠陥の入る位置によることなく、それら欠陥に起因する薄膜構造部の破壊耐量の低下を好適に抑制することのできる半導体センサを提供することにある。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、半導体基板上に形成された
矩形状からなる薄膜構造部に抵抗体を備え、該抵抗体を用いて所定の物理量を測定する半導体センサとして、前記薄膜構造部の周縁部を構成する各辺の隣接する2辺の端から同2辺の長さの「1/4」まで跨る態様で、前記薄膜構造部の四隅に補強部材を形成することとした。
上記構成によれば、薄膜構造部の四隅に形成される上記補強部材によって、その四隅における薄膜構造部の膜厚が向上され、上記薄膜構造部の四隅における剛性が高められる。すなわち、スクリーニングにより選別できない上記四隅の欠陥がある場合であれ、この四隅に形成された上記補強部材による剛性をもって破壊耐量の低下が補われることとなる。一方、上記補強部材が形成されない上記四隅を除いた部分の欠陥に関しては、スクリーニング時に破壊されて的確に選別されるため問題ない。したがって、欠陥が入る位置がいかなる場合であれ、その欠陥に起因する薄膜構造部の破壊耐量の低下を抑制することができるようになる。
また、上記補強部材を、前記薄膜構造部の周縁部を構成する各辺の隣接する2辺の端から同2辺の長さの「1/4」にまで跨る態様で形成することが有効である。
発明者による実験の結果、スクリーニング時に上記薄膜構造部に加わる応力のうち、スクリーニングの効果が期待できない応力となる領域が各辺の端から「1/4」の長さまでであることが確認されている。このため、上記薄膜構造部の各辺における端から「1/4」の長さまでの領域に補強部材を設けることにより、必要且つ十分な補強部材をもって破壊耐量の低下を抑制することができるようになる。
また、請求項1に記載の半導体センサにおいて、例えば請求項2に記載の発明によるように、前記補強部材を、前記抵抗体を構成する配線の一部で形成することにより、上記抵抗体を形成する工程の際に併せて補強部材を形成することが可能となるため、補強部材を形成するための新たな工程を設ける必要がなくなり、工数の増加を抑えることができる。
また、請求項1に記載の半導体センサにおいて、例えば請求項3に記載の発明によるように、前記補強部材を、前記抵抗体を構成する配線とは電気的に分離されたダミー配線として形成することにより、上記抵抗体と補強部材とが熱的に絶縁されるため、上記発熱体の発熱効率を向上させることができ、もって消費電力を抑えることもできるようになる。
また、請求項1に記載の半導体センサにおいて、例えば請求項4に記載の発明によるように、前記補強部材を、前記抵抗体を構成する配線の一部により形成されてなるものと、同抵抗体を構成する配線とは電気的に分離されたダミー配線として形成されてなるものとの組み合わせからなるようにしてもよい。
また、請求項3又は4に記載の半導体センサにおいて、例えば請求項に記載の発明によるように、前記補強部材を、前記抵抗体と同じ材料で且つ、同じ層に形成することにより、上記抵抗体を形成する工程の際に併せて上記ダミー配線としての補強部材も形成することができるようになるため、工数の増加を抑えることができるようになる。
なお、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体センサとしては、例えば請求項6に記載の発明によるように、上記薄膜構造部に、上記抵抗体として、発熱体、およびこの発熱体付近の温度を感知する感温体とが形成されたフローセンサを採用することができる。
以下、本発明にかかる半導体センサを車載用内燃機関の吸入空気量を検出するフローメータに使用されるフローセンサに適用した一実施の形態について図1〜図3を参照して説明する。なお、先に述べた従来のフローセンサと同じ機能を有する要素については同じ符号を用いることとし、その詳細な説明は割愛する。
図1は、本実施の形態のフローセンサの全体構造を示すものである。この図1に示すように、フローセンサFSは、半導体基板10を備えて構成されている。そして、この半導体基板10上に、上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、上流側温度計Rka、及び下流側温度計Rkbが導体膜20にパターニングされて形成されている。これら上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、上流側温度計Rka、及び下流側温度計Rkbは、リード部L1〜L6を介して、先の図8に示す信号生成回路SGとパッドP1〜P6及びボンディングワイヤW1〜W6を介して接続されている。
また、上記半導体基板10は、空洞部Hを有して構成されている。この空洞部Hは、上記半導体基板10の裏面側において図1に1点鎖線にて示す矩形状の領域で開口されるとともに、この開口面積が半導体基板10の上面側へ行くほど縮小されて、同半導体基板10の上面では同図1に破線にて示す矩形状の領域となるかたちで形成されている。そして、この空洞部H上に薄膜構造部MBが形成され、上記空洞部Hを架橋するようにして上流側ヒータRhaおよび下流側ヒータRhbが形成されている。この薄膜構造部MBは、フローセンサFSの他の箇所と比べてその膜厚が薄く形成されることから、熱容量が低く抑えられ、また、フローセンサFSの他の箇所との熱的な絶縁が確保される。
図2は、図1に示すA−A線における薄膜構造部の断面構造を示すものである。この図2に示すように、上記半導体基板10上には、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを構成する導体膜20が、下部絶縁膜30と上部絶縁膜40とに挟まれるかたちで積層されており、これら導体膜20、下部絶縁膜30、および上部絶縁膜40により上記空洞部Hの上に薄膜構造部MBが形成されている。上記下部絶縁膜30及び上部絶縁膜40は、シリコン窒化膜やシリコン酸化膜等からなり、上記導体膜20は白金(Pb)やn型又はp型のポリシリコン(PolySi)等の金属膜からなる。また、上記半導体基板10の裏面側には例えばシリコン窒化膜等からなる裏面膜50が形成されている。
こうした構成からなるフローセンサFSでは、欠陥のある薄膜構造部を選別して除去するスクリーニングが行われる。以下、このスクリーニング時における上記薄膜構造部MBの応力分布について説明する。なお、本実施の形態では、上記薄膜構造部MBの表面全体に空気又はオイル等を用いて均一に圧力を印加する方法を採用しており、そのスクリーニング時における上記薄膜構造部MBの周縁部の1辺に沿った応力分布を図3に示す。
この図3に示すように、薄膜構造部MBに対して均一に圧力がかけられた場合、薄膜構造部MBの周縁部を構成する各辺の中央ほど応力が大きく、その中央から四隅に向かうほど応力が小さくなる。特に、薄膜構造部MBの四隅(各辺の端)から一辺の長さの「1/4」の長さまでの領域に関してはスクリーニングの効果が期待できない応力となっている。
そこで、本実施の形態では、応力の低下する各辺の端から「1/4」の長さまでの領域を四隅領域(四隅近傍)として、この四隅領域を補強することとしている。詳しくは、図1に示すように、上記上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhb等を構成する導体膜20の一部を上記四隅領域に設けている。この四隅領域に設けられる導体膜20は、薄膜構造部MBを構成する各辺の隣接する2辺に跨る態様で形成されている。これにより、導体膜20の形成された上記四隅領域においては他の部分に比べて膜厚が厚く構成されることとなり、この導体膜20が上記薄膜構造部MBの四隅領域における補強部材として機能することとなる。
次に、上記フローセンサFSの製造方法について説明する。
まず、上記半導体基板10上に、例えば化学気相成長法(CVD法)によりシリコン窒化膜若しくはシリコン酸化膜、あるいはこれらの複合膜等からなる絶縁膜を積層して、下地膜となる上記下部絶縁膜30を形成する。
次に、この下部絶縁膜30上に白金やn型又はp型のポリシリコン等からなる金属膜を積層する。そして、この金属膜をエッチングして上記上流側ヒータRha、下流側ヒータRhb、上流側温度計Rka、及び下流側温度計Rkbのパターニングを形成するとともに、薄膜構造部MBの上記四隅領域にあたる部分に上記金属膜が残存するようエッチングする。これにより、図1に示される態様の導体膜20が形成される。
次に、上記導体膜20の形成された上記下部絶縁膜30上にシリコン窒化膜若しくはシリコン酸化膜、あるいはこれらの複合膜からなる絶縁膜を積層して上記上部絶縁膜40を形成する。そして、この上部絶縁膜40をエッチングして上記導体膜20のリード部L1〜L6に通ずるコンタクトを形成するとともに、その上にアルミニウム層を形成してエッチングすることにより、上記パッドP1〜P6を形成する。
次に、プラズマCVD法によって上記半導体基板10の裏面にシリコン窒化膜等を形成し、薄膜構造部MBを形成したい領域のみをエッチングして上記裏面膜50を形成する。そして、この裏面膜50をマスクとして水酸化カリウム溶液(KOH液)で半導体基板10をエッチングすることにより、上記空洞部Hおよび薄膜構造部MBを形成する。こうして、フローセンサFSが製造される。なお、本実施の形態では、上記薄膜構造部MBを形成するにあたって、上記半導体基板10を残さずエッチングしているが、薄膜構造部MBの剛性等を考慮してある程度の半導体基板10を残すようにしてもよい。
そして、上記フローセンサFSを製造した後、同フローセンサFSと上記信号生成回路SG(図8)とをボンディングワイヤW1〜W6により電気的に接続する。これにより、フローメータが製造される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に列記する効果が得られるようになる。
(1)薄膜構造部MBの四隅領域に、同薄膜構造部MBの周縁部を構成する各辺の隣接する2辺に跨る態様で導体膜20の一部を形成することとした。このため、上記導体膜20によって四隅領域における薄膜構造部MBの膜厚が向上され、もって薄膜構造部MBの四隅近傍における剛性が高められる。すなわち、スクリーニングにより選別できない上記四隅領域の欠陥がある場合であれ、この四隅領域に形成された上記導体膜20による剛性をもって破壊耐量の低下が補われることとなる。一方、上記導体膜20が形成されない上記四隅領域を除いた部分の欠陥に関しては、スクリーニング時に破壊されて的確に選別されるため問題ない。したがって、欠陥が入る位置がいかなる場合であれ、その欠陥に起因する薄膜構造部MBの破壊耐量の低下を抑制することができるようになる。
(2)また、上流側ヒータRha等を構成する導体膜20の一部を用いて上記四隅領域を補強することとしたため、上流側ヒータRhaや下流側ヒータRhb等をパターニングする工程の際に併せて上記導体膜20の一部を上記四隅領域に形成することが可能となる。したがって、上記四隅領域を補強するための新たな工程を設ける必要がなくなり、工数の増加を抑えることができるようになる。
(3)薄膜構造部MBの周縁部を構成する各辺の端から同辺の「1/4」の長さまでの領域を四隅領域として、この四隅領域を上記導体膜20を用いて補強することとした。すなわち、スクリーニングの効果が期待できない四隅領域を上記導体膜20を用いて補強することとした。このため、必要且つ十分な導体膜20をもって薄膜構造部MBの破壊耐量の低下を抑制することができる。
なお、上記実施の形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施の形態では、上記薄膜構造部MBの四隅領域のみを上記導体膜20の一部により補強する場合について示したが、例えば、図4に示すように、測定対象である流体の流通方向に沿って延びる2辺に関しては、上記上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを形成するうえで導体膜20をエッチングする必要がないため、これら2辺については導体膜20を用いて補強してもよい。要は、薄膜構造部MBの四隅領域に、この薄膜構造部MBの周縁部を構成する各辺の隣接する2辺に跨る態様で導体膜20が形成される構成であればよい。
・上記実施の形態では、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhb等を構成する導体膜20の一部を用いて上記薄膜構造部MBの四隅領域を補強することとしたが、例えば図5に示すように、ダミー配線DHを薄膜構造部MBの四隅領域に形成して同四隅領域を補強してもよい。この構成を採用した場合、上記実施の形態と同等の効果を得ることができるとともに、上記上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbとダミー配線DHとが熱的に絶縁されるため、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbの発熱効率を向上させることができ、もって消費電力を抑えることにも寄与するようになる。なお、こうしたダミー配線DHによって上記四隅領域を補強する場合、上記導体膜20と同じ材料で且つ、同じ層にダミー配線DHを形成することで、工数の増加を抑えることもできる。
・また、図6に示すように、薄膜構造部MBの四隅領域を補強するにあたっては、上記ダミー配線DHによる補強と、上記導体膜20の一部による補強とを組み合わせることもできる。この際、四隅領域のうち、上記パッドP1〜P6に近い2つの領域をダミー配線DHにより補強する構成を採用することで、リード部L2とL3と、及びリード部L4とL5とを電気的に分離する境界部分を利用してダミー配線DHを簡便に形成することができるようになる。
・上記実施の形態では、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhb等を構成する導体膜20を下部絶縁膜30及び上部絶縁膜40で挟む構成としたが、必要に応じて導体膜20の下側若しくは上側、または両側に絶縁膜からなる中間層を形成してもよい。ここで、上記導体膜20の下側に中間層を設けた場合、その中間層により導体膜20の密着性を向上させることができるとともに、上記半導体基板10をエッチングして上記空洞部Hを形成する際のストッパー膜として利用することができるようになる。一方、上記導体膜20の上側に中間層を設けた場合、その導体膜20による薄膜構造部MB表面の段差を軽減することができるため、流量及び流通方向の検出対象である流体の流れを阻害し難くなる。
・上記実施の形態では、薄膜構造部MBの四隅から「1/4」の領域を四隅領域(四隅近傍)として上記導体膜20により補強することとしたが、薄膜構造部MBに要求される剛性等に応じてこの四隅領域の大きさは適宜変更してもよい。
・上記実施の形態では、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbが、発熱体だけでなく感温体としても機能するものについて示したが、これら上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbとは別に感温体を設け、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbに関しては発熱体としてのみ機能するフローセンサに本発明を適用してもよい。
・上記実施の形態では、上流側ヒータRha及び下流側ヒータRhbを薄膜構造部MBに有するフローセンサについて示したが、例えば、先に述べた従来技術のフローセンサ(図9)の薄膜構造部など、他の薄膜構造を有するフローセンサに本発明を適用してもよい。
・上記実施の形態では、半導体センサとしてフローセンサの場合について示したが、メンブレンヤダイアフラム等の薄膜構造部を有する半導体センサであればフローセンサに限らず本発明は同様に適用することができる。
本発明にかかる半導体センサの一実施の形態としてフローセンサの全体構造を示す平面図。 図1に示すA−A線に沿って切断した場合の上記フローセンサの薄膜構造部の断面図。 スクリーニング時に上記フローセンサの薄膜構造部にかかる応力分布を示すグラフ。 同実施の形態のフローセンサの薄膜構造部の変形例を示す平面図。 同実施の形態のフローセンサの薄膜構造部の別の変形例を示す平面図。 同実施の形態のフローセンサの薄膜構造部のさらに別の変形例を示す平面図。 従来のフローセンサの全体構造を示す平面図。 従来のフローメータの回路構成図。 従来のフローセンサの薄膜構造部を示す平面図。
符号の説明
10…半導体基板、20…導体膜、30…下部絶縁膜、40…上部絶縁膜、50…裏面膜、DH…ダミー配線、FS…フローセンサ、H…空洞部、L1〜L6…ボンディングワイヤ、MB…薄膜構造部、P1〜P6…パッド、Rha…上流側ヒータ、Rhb…下流側ヒータ、Rka…上流側温度計、Rkb…下流側温度計、SG…信号生成回路。

Claims (6)

  1. 半導体基板上に形成された矩形状からなる薄膜構造部に抵抗体を備え、該抵抗体を用いて所定の物理量を測定する半導体センサにおいて、
    前記薄膜構造部の周縁部を構成する各辺の隣接する2辺の端から同2辺の長さの「1/4」まで跨る態様で、前記薄膜構造部の四隅に補強部材が形成されてなる
    ことを特徴とする半導体センサ。
  2. 前記補強部材が、前記抵抗体を構成する配線の一部により形成されてなる
    請求項1に記載の半導体センサ。
  3. 前記補強部材が、前記抵抗体を構成する配線とは電気的に分離されたダミー配線として形成されてなる
    請求項1に記載の半導体センサ。
  4. 前記補強部材が、前記抵抗体を構成する配線の一部により形成されてなるものと、同抵抗体を構成する配線とは電気的に分離されたダミー配線として形成されてなるものとの組み合わせからなる
    請求項に記載の半導体センサ。
  5. 前記補強部材が、前記抵抗体と同じ材料で且つ、同じ層に形成されてなる
    請求項3又は4に記載の半導体センサ。
  6. 前記抵抗体が発熱体および該発熱体近傍の温度を感知する感温体として前記薄膜構造部に形成されたフローセンサとして構成される
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体センサ。
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