JP4558255B2 - エミュレータ端末への表示データダウンロード方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーソナルコンピュータ（ＰＣ）に端末エミュレータを搭載することによって実現されるホストコンピュータのエミュレータ端末において、グラフィカルユーザインタフェース（ＧＵＩ：Ｇｒａｐｈｉｃａｌ Ｕｓｅｒ Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）部品と共に表示するデータの更新方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来からＰＣに端末エミュレータを搭載することで、ホストコンピュータの端末装置として動作させることができる。近年では、文字や記号のみならずグラフィカルな要素を表示するためにＧＵＩが一般化しており、エミュレータ端末からホストコンピュータ上のＧＵＩアプリケーションを実行することでＧＵＩ部品をＰＣ画面上に表示することができる。
【０００３】
この場合、ＰＣには、Ｗｉｎｄｏｗｓ（登録商標）等のＧＵＩを提供するシステムが搭載されている必要があり、このシステムが提供するＧＵＩ表示機能によってＧＵＩ部品がＰＣ画面上に表示されることになる。ＧＵＩ部品であるリストボックスの中には、所定のユーザ操作によって項目データ群（以下、「表示データ」）が表示されることになるが、その表示データは、ホストコンピュータからＰＣにダウンロードされ、ＰＣのＧＵＩ表示機能によってリストボックス内に表示されることになる。
【０００４】
リストボックスには、選択可能な項目データがリスト表示され、ユーザは、その中から所望の項目を選択することになる。従って、選択候補としてリストボックスに表示される項目データは、選択可能なデータであることが要求される。従来においては、いったんエミュレータ端末にダウンロードされた表示データをリストボックス内に表示するので、ＰＣ側に保持する表示データを最新のものにする必要がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においては、ＰＣ側の表示データの更新がＰＣ主導で行われていたので、ＰＣ側ではどのタイミングで表示データを更新すればよいのかわからなかった。最新の表示データを取得しリストボックス内に表示できるようにするためには、頻繁にホストコンピュータへアクセスしなければならなかった。リストボックス内に表示データを表示する度に最新のデータをダウンロードすることも考えられるが、表示データが更新されていなければダウンロードする必要はないので効率的でない。
【０００６】
本発明は以上のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ＧＵＩ部品と共に表示される表示データのエミュレータ端末へのダウンロードを効率的に行うことのできるエミュレータ端末への表示データダウンロード方法を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明に係るエミュレータ端末への表示データダウンロード方法は、グラフィカルユーザインタフェース部品とともに表示する表示データをホストコンピュータからエミュレータ端末へダウンロードする方法において、ホストコンピュータが、表示画面データが表示されることで形成されるエミュレータ端末画面上にグラフィカルユーザインタフェース部品とともに表示される表示データが更新されたことを検出するステップと、ホストコンピュータが、エミュレータ端末からのグラフィカルユーザインタフェース部品表示要求に応じてダウンロードする表示画面データに、そのダウンロードする時点で当該表示データが更新されているときにはその表示画面データに表示データ更新通知情報を組み込むことによって当該表示データが更新されたことをエミュレータ端末に知らせるステップと、エミュレータ端末が、ダウンロードされた表示画面データに表示データ更新通知情報が組み込まれているときのみホストコンピュータへ表示データ取得要求を送信するステップと、ホストコンピュータが、エミュレータ端末からの表示データ取得要求に応じて更新された表示データをダウンロードするステップとを含むものである。
【０００８】
また、表示データ更新通知情報は、表示画面を形成するシステムラインに表示されるものとする。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【００１０】
図１は、本発明に係るエミュレータ端末への表示データダウンロード方法を実施するコンピュータシステムの一実施の形態を示した構成図である。図１には、ホストコンピュータに相当するサーバ１０とサーバ１０のエミュレータ端末となるクライアントＰＣ２０とをＬＡＮ１で接続した構成が示されている。なお、クライアントＰＣ２０が端末エミュレータを動作させているときを特にエミュレータ端末２０とも称することにする。図１には、便宜的にそれぞれ１台ずつ示したが、これに限定されるものではない。
【００１１】
サーバ１０は、ＧＵＩ表示データ管理部１２、アプリケーション実行部１３及びＧＵＩ表示データファイル１４を有している。ＧＵＩ表示データ管理部１２は、エミュレータ端末２０で画面表示されるリストボックス等のＧＵＩ部品と共に表示するＧＵＩ表示データを生成、修正等の更新処理を行い、最新版をＧＵＩ表示データファイル１４に格納する。アプリケーション実行部１３は、エミュレータ端末２０により指定されたアプリケーションを実行する。
【００１２】
一方、クライアントＰＣ２０は、端末エミュレータ２１、ＧＵＩ機能処理部２２、ＧＵＩ表示データ更新処理部２３及びＧＵＩ表示データファイル２４を有している。ＧＵＩ機能処理部２２は、クライアントＰＣ２０のオペレーティングシステムであるＷｉｎｄｏｗｓ（登録商標）が有する機能であり、ＧＵＩを提供する。ＧＵＩ表示データ更新処理部２３は、ＧＵＩ表示データファイル２４により保持するＧＵＩ表示データを最新のものにする。
【００１３】
次に、本実施の形態においてエミュレータ端末２０に表示データが表示されるまでの処理について説明する。
【００１４】
サーバ１０において、ＧＵＩ表示データ管理部１２は、アプリケーションにより表示されるリストボックス内にリスト表示する表示データを把握しており、該当する表示データが更新されたことを検知すると、その表示データを生成してＧＵＩ表示データファイル１４に格納する。つまり、サーバ１０側若しくは他のコンピュータで生成された表示データ（元データ）の文字コード、データ長等のデータ形式や属性と、エミュレータ端末２０において表示する表示データとが異なっている場合があるので、ＧＵＩ表示データ管理部１２は、元データをエミュレータ端末２０において表示可能な形式に変換する。この変換したデータをＧＵＩ表示データファイル１４に格納することで、当該表示データを最新版に更新する。このＧＵＩ表示データ管理部１２における表示データ更新処理は、エミュレータ端末２０の動作とは無関係に実行される。
【００１５】
次に、クライアントＰＣ２０がエミュレータ端末２０として動作し、リストボックスを表示するまでの処理について図２に示したフローチャートを用いて説明する。
【００１６】
ユーザが端末エミュレータ２１を起動することによりクライアントＰＣ２０をサーバ１０の端末として使用し始め（ステップ１０１）、更に、アプリケーションを起動したとする（ステップ１０２）。アプリケーションは、サーバ１０においてアプリケーション実行部１３により実行され、所定の画面をエミュレータ端末２０に表示する。アプリケーションは、ユーザ操作に応じたリストボックスの表示命令を認識すると（ステップ１０３）、そのリストボックスに対応した表示データの最新版を当該エミュレータ端末２０にダウンロードされているかを確認する（ステップ１０４）。これは、最新のＧＵＩ表示データファイル１４の日付とエミュレータ端末２０にダウンロードしたファイルの日付との比較、あるいはダウンロードの有無をフラグ情報として持つなどすることによって更新状況を確認することができる。
【００１７】
アプリケーションは、上記表示命令に対応した表示画面データをダウンロードするが、この確認の結果、当該表示データがエミュレータ端末２０にダウンロードされていないと判断すると、ダウンロードする表示画面データに表示データ更新通知情報を組み込んだ後（ステップ１０５）、ダウンロードする（ステップ１０６）。本実施の形態では、エミュレータ端末２０に表示される画面を形成する２５行目（最下行）のシステム行の所定の未使用カラム位置に“Ｒ”を書き込む。
【００１８】
エミュレータ端末２０において、ＧＵＩ表示データ更新処理部２３は、サーバ１０からダウンロードされてくる表示画面データの内容を監視しており、所定の行及びカラム位置に“Ｒ”が書き込まれているか否かを監視している。そして、書き込まれていることを検出すると、サーバ１０に対して該当する表示データの取得要求を送信する。
【００１９】
サーバ１０においてＧＵＩ表示データ管理部１２は、エミュレータ端末２０から送られてきた取得要求を受信すると（ステップ１０７）、ＧＵＩ表示データファイル１４に格納されている最新の表示データを取り出してダウンロードする（ステップ１０８）。ＧＵＩ表示データ更新処理部２３は、ダウンロードされてきた表示データをＧＵＩ表示データファイル２４に格納する。これにより、ＧＵＩ機能処理部２２は、リストボックス内に最新の表示データを表示することになる。
【００２０】
一方、アプリケーションは、ステップ１０４において最新の表示データをエミュレータ端末２０にダウンロード済みであると判断すると、表示画面データに表示データ更新情報を組み込むことなく、従来例と同様にエミュレータ端末２０へ単にダウンロードする（ステップ１０６）。
【００２１】
エミュレータ端末２０において、ＧＵＩ表示データ更新処理部２３は、サーバ１０からダウンロードされてくる表示画面データの所定の行及びカラム位置に“Ｒ”が書き込まれていないことを確認すると、最新の表示データは取得済みであると判断する。これにより、ＧＵＩ機能処理部２２は、ＧＵＩ表示データファイル２４から表示データを取り出してリストボックスに表示する。
【００２２】
以上説明したように、本実施の形態においては、エミュレータ端末２０において表示されるリストボックスには常に最新のデータを表示することができるが、表示データのリストボックスへの初回表示時にはその表示データをエミュレータ端末２０へダウンロードし、２回目以降の表示時にはダウンロードしないように処理する。つまり、表示データが更新されたときのみダウンロードするようにしたので、無用な表示データのダウンロードをなくすことができ効率的である。
【００２３】
更に、リストボックスに表示する表示データが更新されたことをダウンロードする表示画面データに表示データ更新通知情報を組み込むことによってエミュレータ端末２０に知らせるようにした。つまり、本実施の形態によれば、エミュレータ端末２０への表示データのダウンロード制御をサーバ主導で行うことができる。
【００２４】
なお、本実施の形態においては、表示データ更新通知情報として“Ｒ”という文字をシステム行に付加するようにしたが、他の文字や記号、更に複数文字としてもよい。また、システム行は、ユーザが使用しない行であるために表示データ更新通知情報を付加するには好適であるが、ユーザ使用領域（１行目乃至２４行目）であってもユーザによって使用されないことが事前にわかっている領域内であれば、そのユーザ使用領域を利用するようにしてもよい。
【００２５】
【発明の効果】
本発明によれば、表示データが更新されたときのみグラフィカルユーザインタフェース部品とともに表示する表示データをエミュレータ端末へダウンロードするようにしたので、無用な表示データのダウンロードをなくすことができ効率的である。
【００２６】
また、グラフィカルユーザインタフェース部品とともに表示する表示データが更新されたことを、ダウンロードする表示画面データに表示データ更新通知情報を組み込むことによってエミュレータ端末に知らせるようにした。すなわち、エミュレータ端末への表示データのダウンロード制御をサーバ主導で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係るエミュレータ端末における表示データ取得方法を実施するコンピュータシステムの一実施の形態を示した構成図である。
【図２】 本実施の形態においてエミュレータ端末の画面上にリストボックスを表示するまでの処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
１０ サーバ、１１，２２ ＧＵＩ機能処理部、１２ ＧＵＩ表示データ管理部、１３ アプリケーション実行部、１４，２４ ＧＵＩ表示データファイル、２０ クライアントＰＣ（エミュレータ端末）、２１ 端末エミュレータ、２３ ＧＵＩ表示データ更新処理部。

Claims (2)

1. グラフィカルユーザインタフェース部品とともに表示する表示データをホストコンピュータからエミュレータ端末へダウンロードする方法において、
   ホストコンピュータが、表示画面データが表示されることで形成されるエミュレータ端末画面上にグラフィカルユーザインタフェース部品とともに表示される表示データが更新されたことを検出するステップと、
   ホストコンピュータが、エミュレータ端末からのグラフィカルユーザインタフェース部品表示要求に応じてダウンロードする表示画面データに、そのダウンロードする時点で当該表示データが更新されているときにはその表示画面データに表示データ更新通知情報を組み込むことによって当該表示データが更新されたことをエミュレータ端末に知らせるステップと、
   エミュレータ端末が、ダウンロードされた表示画面データに表示データ更新通知情報が組み込まれているときのみホストコンピュータへ表示データ取得要求を送信するステップと、
   ホストコンピュータが、エミュレータ端末からの表示データ取得要求に応じて更新された表示データをダウンロードするステップと、
   を含むことを特徴とするエミュレータ端末への表示データダウンロード方法。
2. 表示データ更新通知情報は、表示画面を形成するシステムラインに表示されることを特徴とする請求項１記載のエミュレータ端末への表示データダウンロード方法。

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