JP4558158B2 - 共振形光ファイバジャイロにおける偏波変動誘起ドリフトを低減させる方法および該方法を用いた装置 - Google Patents

共振形光ファイバジャイロにおける偏波変動誘起ドリフトを低減させる方法および該方法を用いた装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリング共振器を用いたセンサに関し、特にリング共振器内を対向伝搬する2光波間の回転により生じた共振周波数差を測定する共振形光ファイバジャイロ装置における偏波変動誘起ドリフトを低減させる方法および該方法を利用した装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転により生ずるサニャック効果を利用し、測定対象の回転速度を検出する光ファイバジャイロ(FOG:Fiber Optic Gyro)の1つに共振形光ファイバジャイロ(R−FOG:Resonator Fiber Optic Gyro)がある。R−FOGは、リング共振器の鋭い共振特性を利用するため、干渉形光ファイバジャイロ(I−FOG:Interferometer Fiber Optic Gyro)が数百メートル〜数キロメートルの光ファイバを必要とするのに対して、数メートル〜数十メートルのファイバ長で同等の感度を得ることができる。
【0003】
以下、リング共振器に関して説明する。
R−FOGは、光ファイバ及びカプラで構成された反射形または透過形のリング共振器をセンシングループとして用いる。反射形は図15(a)のようにセンシングループ33と1台のカプラ32により構成される。使用されるカプラ32は、分岐比が例えば98:2であるような低分岐比のカプラである。レーザ光をポート1から入射させ、その出射光強度をポート2で観測し、入射光の周波数に対する特性を取得すると図16(a)に示すような反射形の共振特性が得られる。また、透過形は図15(b)のようにセンシングループ36と2台のカプラ35,37により構成される。レーザ光をポート1から入射させ、その出射光強度をポート2で観測し、入射光の周波数に対する特性を取得すると図16(b)に示すような透過形の共振特性が得られる。センシングループ及びリード部には、光ファイバに限らず他の導波路を用いてもよいことは勿論である。共振点では、リング共振器を周回する光波は位相が揃った定在波となっている。共振点の間隔はフリースペクトルレンジと呼ばれ、
Figure 0004558158
で与えられる。ここで、cは光速であり、nは光ファイバの屈性率、Lはセンシングループ長である。
【0004】
フィネスは共振の鋭さを表わすパラメータであり、(2)式で定義される。
Figure 0004558158
ここでΔνは図16に示した共振特性の半値全幅であり、Rはカプラの分岐比、αはリング共振器中の損失である。フィネスは、センシングループ中を光波が何周できるかを表わしており、一般にフィネスが大きいほどジャイロとしての検出感度は高まる。
共振特性は、図17のように横軸を、リング共振器中を伝搬する周回数の1周異なる2光波の位相差としても同様に得ることができる。この場合、共振点は2qπ(q:整数)で生じ、となり合う共振点の間隔はちょうど2πとなる。
【0005】
R−FOGの回転検出原理は、リング共振器が角速度Ωで回転すると、時計回りの光波(CW光)と反時計回りの光波(CCW光)の光路長にサニャック効果により光路差が生じ、これによりCW光とCCW光の共振周波数に差を生じさせることによる。共振周波数差は、
Figure 0004558158
と表される。ここで、Sはリング共振器が囲む面積で、λはレーザの発振波長である。角速度Ωはこの共振周波数差を測定することにより得られ、一方の光波の共振点を基準とし、他方の光波の共振点を観測することによりジャイロ出力が得られる。
【0006】
図18及び図19に、それぞれ反射形リング共振器及び透過形リング共振器を用いたR−FOGの一般的な構成を示す。
レーザ光源41,49を出射した光は、ビームスプリッタBSで2分岐される。2分岐された光はそれぞれレンズL1,L2を通り、光ファイバに導かれ、カプラC1に入射する。カプラC1によりリング共振器46,54に入射した光は時計回り(CW)と反時計回り(CCW)でループ内を伝播する。
ループ内で定在波となるような光の周波数は共振を生じ、共振特性はCW光については受光器D1で、CCW光については受光器D2でそれぞれ観測される。
共振点を検出するためにCW、CCW両光波には、リング共振器46,54に入射する前に、それぞれ位相変調器PM2、PM1により、周波数fn と周波数fm を有する正弦波によりバイアス変調が加えられる。周波数fn と周波数fm は発振器 (1) 44,53及び発振器 (2) 45,52により生成され、同一の周波数でも良いが、光誘起雑音の除去のためには異なる周波数とするのが望ましい形態である。この正弦波による変調は共振周波数のずれを、正弦波の周波数成分を持つ誤差信号として与える。すなわち、正弦波の周波数で同期検波することで共振微分特性を得ることができる。共振微分特性が0となる光波の周波数が共振点であり、そこにフィードバックすることにより共振点の検出及び追従が可能となる。
【0007】
R−FOGでは、環境温度変化等の外乱が共振器長を変化させ、共振周波数を大きく変動させるが、これはCW光,CCW光に対して相反的な効果であり、サニャック効果による非相反な効果とは分離される。
一般に相反的効果に対しては、シフトする共振点に追従するためにCW光、CCW光のうち何れかの受光器出力をもとにレーザ光源の発振周波数に帰還させる方法が採用されている。またはリング共振器に取り付けたピエゾ素子PZTにより共振器長をちょうど共振点に一致するように制御しても同様である。
共振点を検出するためのバイアス変調の方法は、正弦波のみならず矩形波で行っても同様であり、また、「デジタルセロダイン方式共振形光ファイバジャイロ(春本道子、保立和夫、信学技報1996年5月)」(文献1)にあるように、“デジタルセロダイン" による2値の周波数シフトを一定の交換周波数で行っても同様に可能である。
【0008】
図18及び図19では、CW光については同期検波回路LIA1で、CCW光については同期検波回路LIA2でそれぞれ同期検波され、共振周波数のずれが検出される。同期検波回路LIA1の出力は、レーザ周波数制御回路39,47に入力され、レーザの周波数f0 がCW光を基準に、ある1つの共振点に一致するように制御される。同期検波回路LIA2の出力は、CW光とCCW光の共振点のずれが電圧値として求められる。これはジャイロのオープンループ出力である。
検出範囲の拡大のためには、セロダイン(鋸歯状)波を用いたクローズドループ方式が用いられる。セロダイン波は、その振幅を光波に2πの位相回転を与える電圧値とし、セロダイン波の周波数分だけ光波の周波数を変化させる働きをする。ニオブ酸リチウム(LiNbO3 :LN)導波路上に電気光学変調器を配置した導波路形変調器は使用できる周波数帯域が広く、セロダイン波による変調の際に使用される位相変調器である。
【0009】
同期検波回路LIA2の出力を、積分制御のため積分器43,51に入力し、積分器の出力を電圧制御発振器VCOに入力し、セロダイン波発生器により生成されるセロダイン波の周波数f2 を変化させる。セロダイン波は導波路形位相変調器LN2に入力され、CCW光が共振点に一致するように制御される。これによりCCW光の周波数はf0 +f2 となる。セロダイン波の周波数f2 をカウントすることによりジャイロのクローズドループ出力が得られる。
さらに分解能の向上のためには、静止時のセロダイン波に一定の周波数を持たせる方法がある。この方法では、CCW光へのセロダイン波入力と同時に導波路形位相変調器LN1を用いてセロダイン波発生器より固定の周波数f1 を持つセロダイン波をCW光に入力する。このときCW光の周波数は、f0 +f1 となる。結果的にCCW光とCW光の周波数差f2 −f1 は、ジャイロのクローズドループ出力となる。
【0010】
以下、R−FOGの誤差要因の一つである偏波変動により誘起される出力の誤差および誤差が変動することによる出力のドリフトについて説明する。
偏波変動とは、リング共振器、リード部またはカプラ等の導波路(光ファイバ)において、光波の偏波状態が、導波路の不均一あるいは偏波依存性により変化することであり、これは温度等の環境条件によって大きく影響される。光ファイバに偏波保持特性のない通常のシングルモードファイバ(SMF:Single Mode Fiber)を使用すると、安定な共振特性を得ることができず、出力に大きな誤差を生じさせるため実用には適さない。
したがって一般には、偏波保持特性を有した偏波保持ファイバ(PMF:Polarization Maintaining Fiber)が用いられる。偏波保持ファイバは、導波路の材質に複屈折性を持たせることにより、直線偏波が伝搬可能な2つの偏波軸を有し、この偏波軸はX軸、Y軸と呼ばれる。偏波保持ファイバには、例えばPANDAファイバ等がある。
【0011】
しかしながら、偏波保持ファイバを使用した場合にも、1つの偏波軸を選択的に使用することは、光ファイバ(導波路)やカプラの持つクロストーク及びリング共振器を製作する際の組立誤差により、現実には不可能であり、リング共振器の共振特性は、2つの固有偏波状態(ESOP:Eigenstate of Polarization)を重ね合わせた特性をもつ。共振器中の固有偏波状態に関する議論は、「K. Iwatsuki, K. Hotate and M. Higashiguchi, "Eigenstate of polarization in a fiber ring resonator and its effect in an optical passive ring-resonator gyro", Appl.Opt., Vol.25,No.15, pp.2606-2612, 1986. 」(文献2)において論じられている。すなわち、固有偏波状態(ESOP)とは、光波がリング共振器を1周した時に変化しない偏波状態であり、リング共振器1周を表す伝達行列の2つの固有ベクトルに対応している。リング共振器1周の伝達行列がユニタリ行列で表されるならば、2つの固有ベクトルは直交する。
【0012】
つぎに2つのESOPがジャイロ出力に影響する様子を説明する。
図15に示したリング共振器は、より正確には図20に示すようにセンシングループ中で最低でも1つ以上のスプライス(融着)箇所が必要である。偏波保持ファイバを用いたリング共振器の場合、融着するファイバ同士の偏波軸が一致するように融着角度θが調整されねばならない。現状の融着技術では、角度ずれは、約1°である。
角度ずれによりファイバ融着箇所では偏波軸の回転が発生している。それ以外にもセンシングループでのクロストーク、カプラまたはリード部等で偏波結合が生じている。このため直線偏波のレーザ光をX軸のみに入射させた場合でも、実際には意図しないY軸に光波が結合し、理想的な場合とは異なる様相となる。
【0013】
このとき受光器で観測される共振特性には、図21に示すように2つのESOPに対応した共振点が現れる。回転検出のために用いる共振点を有したESOPをESOP1とすれば、ESOP2は、意図しない共振点を有する。ESOP1とESOP2の共振点の位置関係は、共振器長すなわちセンシングループの長さに依存し、環境温度等により変動する。ESOP1とESOP2の共振点の間隔がπのとき、ESOP2の共振点は最も小さく、ESOP1に与える影響は小さいが、ESOP2の共振点は、ESOP1に近づくにつれて増大する。図21の斜線部分にこの様子を示す。
【0014】
ESOP2の共振点とESOP1の共振点が接近し、さらには重複することが、ESOP1の共振点を回転検出に用いる場合に、非常に大きなジャイロ出力の誤差要因となる。この2つのESOPに対応する共振点の重複に関する議論及び理論解析は、「高橋正信、田井修市、久間和生“リング共振形光ファイバジャイロにおける偏波結合の影響"、第2回光波センシング技術研究会、LST 2−14, pp.97-104, 1988.」(文献3)で論じられており、より詳細には、「K. Takiguchi and K. Hotate“Bias of an Optical Passive Ring-Resonator Gyro Caused by the misalignment of the Polarization Axis in the Polarization-Maintaining Fiber Resonator", IEEE J. Lightwave Technol.,Vol.10,No.4,pp.514-522,1992.」(文献4)において定量的に検証されている。これらの文献によれば、リング共振器に用いる偏波保持ファイバの2つの偏波軸の伝搬定数差Δβと、センシングループファイバの長さLの積であるΔβLが、ΔβL=2mπ(m:整数)のとき、2つのESOPの共振点が重複し、ΔβL=π+2mπ(m:整数)のとき、2つのESOPの共振点は最も離れ、かつ、不用なESOP2の共振点を最も小さくすることができる。
【0015】
しかしながら、約1℃の温度変化でΔβLがπ以上に変化してしまうため、リング共振器自体を温度制御する以外に共振点の重複を避けることはできない。この問題を解決するために、考えられたのが、リング共振器中で偏波軸を回転させる方法である。これは、図22に示すようにリング共振器中のスプライス箇所において、偏波保持ファイバの偏波軸を90°捻って融着するもので(θ=90°)、 U.S. Patent 5,018,857「Sanders et al.“PASSIVE RESONATOR GYRO WITH POLARIZATION ROTATING RING PATH"」(文献5)及び「Sanders et al.“Novel polarization-rotating fiber resonator for rotation sensing applications", Proc. SPIE, Fiber Optic and Laser Sensors VII, Vol.1169, pp. 373-381, 1989. 」(文献6)において開示されたものである。
【0016】
これよれば、リング共振器中での偏波の90°回転は、固有ベクトルをファイバ偏波軸に対して常に45°傾いたものとし、図23のように2つのESOPを等しく励振させ、一方のESOPの共振点は、繰り返し現れる他方の共振点の中央に位置するため、環境温度により共振器長が変化しても、両者の相対位置は一定に保たれ、2つのESOPの共振点が重複することはない。スプライス箇所における融着角度θが90°から多少ずれたとしても、ESOP2の共振点は、繰り返し現れるESOP1の共振点の間の中央付近での変動にとどまり、環境温度に対して安定な共振器が実現できる。
さらに、90°スプライス箇所での角度ずれが1°(θ=89°またはθ=91°)で、共振器のフィネスが100以上であれば、誤差は航空機の慣性航法に要求される精度である10-7(rad/s)以下となることが、「K. Takiguchi and K. Hotate“Evaluation of the Output Error in an Optical Passive Ring-resonator", IEEE Photon. Technol., Vol.3,No.1,pp.80-90,1991.」(文献7)において解析されている。ただし、この解析では、リング共振器を構成する光ファイバ、カプラ及びリード部には、偏波依存性がないことを前提している。
【0017】
しかしながら、この存在しないことが前提であった偏波依存性が、大きな誤差要因として働き、理論解析から期待された性能を達成できないという実験結果が「L.K. Strandjord, and G.A. Sanders “Resonator Fiber Optic Gyro Employing A Polarization-Rotating Resonator", Proc. SPIE, Vol.1585, Fiber Optic Gyros:15th Anniversary Conference, 1991.」(文献8)に示されている。上に挙げた90°スプライス時の解析が不十分であることは、より詳細な解析によっても明確にすることができる。
課題を明確にするために、文献7に示された解析について説明する。ここで行われた解析手法は、文献4により詳細に理論展開が示されており、解析に使用されたモデルは両者ともほぼ同等のものである。後者はスプライス箇所の角度θをθ≒0°としたときの解析であり、前者の解析ではθをθ≒90°としていることが主な違いである。
【0018】
図24にこれらの解析に用いられたリング共振器のモデルを示す。
1 とP2 は、リング共振器のリード部に接続された偏光子である。だたし、90°スプライスの解析ではリング共振器のリード部に偏光子が挿入されていない。また、リング共振器のカプラは両解析とも偏波依存性の無いものを仮定している。図24中のE0Cw 及びE0CCwは、リング共振器に入射するレーザ光である。ここで、θiCw とθiCCwは、入射光を直線偏波と仮定し、ファイバのX軸に対する角度ずれを表す。ここで、X軸に入射させるかY軸に入射させるかは任意にである。Lはセンシングループのファイバの長さであり、カプラ55からスプライス箇所で分けられる2つの長さは、L1 とL2 である。またΔLはこれらの差である。
【0019】
文献4によれば、受光器で観測される一方の光のパワーすなわち共振特性は、
Figure 0004558158
である。CCW光についても同様である。
式中のK i (i=1〜6)は、リング共振器のパラメータで決まる定数であり、βj (j=1,2) は、それぞれのESOPの伝搬定数である。(4) 式の第1項、第2項及び第3項は、それぞれESOP1、ESOP2及びこれらの積で表わされる干渉成分である。ここで、第3項については、リング共振器中及び受光器までのリード部に偏波依存性の要素が存在するときにのみ生じる。このモデルでは、カプラは偏波依存性がないと仮定しているため、リード部の偏光子のみにより生じる。
【0020】
共振点の検出のためには、(4) 式を微分した共振微分特性が必要である。同期検波回路LIAの出力が共振微分特性となる。文献1のように“デジタルセロダイン"による2値の周波数シフトを一定の交換周波数で行った場合にも、共振微分特性に似た特性が得られる。
クローズドループ方式により、共振微分特性は0になるよう制御される。ここでは、ESOP1の共振点を回転検出に使用しているが、共振微分特性は、図25に示すように、ESOP1、ESOP2及び干渉成分に対応した、3つの成分に分解され、ESOP1の共振点のオペレーション・ポイント、すなわち共振微分特性が0となる位置は、ESOP2及び干渉成分の存在によりζ=2qπ(q:整数)からずれが生じている。オペレーションポイントを算出するには(4) 式を,それぞれの項に対応した位相で微分し,(5) 式を満たすζを求める。
Figure 0004558158
【0021】
ここでDi (i=1-3)は、(4) 式の第i項目のζによる微分を表わし、Δβ' は2つのESOPの伝搬定数の差である。Nを整数とすれば、角速度に換算したζ=2qπ(q:整数)からのずれは、
Figure 0004558158
となる。c0 、λ、rは、それぞれ真空中の光速、光源の波長、リング共振器の半径である。
回転を検出するためには、CW光とCCW光のそれぞれのオペレーションポイントの差を出力に用いるため、(4) 〜(6) 式の操作をCW光、CCW光それぞれに対して行い、差をジャイロ出力の誤差とする。
【0022】
上述のように、90°スプライスの解析ではリング共振器のリード部に偏光子が挿入されていない。
偏光子の伝達行列は、
Figure 0004558158
と表され、偏波依存性の損失の場合も同様である。
したがって、ε1 =ε2 =1となっており、(4) 式の第3項が生じていない。
そのため算出された誤差は、ESOP2によるものだけに影響されたものである。
しかしながら、偏波依存性損失が全く存在しないということは、あり得ない。そこでεi (i=1,2)に、1から僅かに変化させた0.9999等の数値を代入することによりその影響を確認することができる。すなわち、εi は、消光比を得るための偏光子としてだけでなく、偏波依存性の損失の存在を表すことができる。
【0023】
図26は、文献4中のモデルにおいてεi に、1, 0.9999, 0.999及び0.99を代入して、ジャイロ出力の誤差を算出したものである。
ここで用いたパラメータは、センシングループ長L=15m、センシングループ径r=0.05m、レーザ光源の波長λ=1.3μm、リング共振器のフィネスF=100、リング共振器でのスプライス角θ=89°、入射直線偏波のファイバ偏波軸に対する角度ずれθiCw =0°、θiCCw=1°である。
図26からεi のわずかな変化で、ジャイロ出力の誤差が急激に増大することがわかる。したがって、偏光子を使用しない状態をεi =1として、その結果算出される誤差、すなわちジャイロの精度は、実際には期待できないことが分かる。
以上より、εi =1とした従来の解析は、明らかに現実性を欠いている。そのため算出されたジャイロ出力の誤差は、(4) 式の第3項の影響が含まれておらず、実際の結果とは大きく食い違ってくることは明らかである。
【0024】
以上の問題点は、この本発明とは別に対策が試みられており、「U.S.Patent 5,296,912 Strandjord et al.“R-FOG ROTATION RATE ERROR REDUCER HAVING RESONATOR MODE SYMMETRIZATION" 」(文献9)及び「L.K. Strandjord, and G.A. Sanders “Performance Improvements of a Polarization-Rotating Resonator Fiber Optic Gyroscope", Proc. SPIE, Fiber Optic and Laser Sensers X, Vol.1795, pp. 94-104, 1992.」(文献10)に開示されている。この方法は、光源の発振周波数を2つの周波数で交互に切り替えて用いるため、“スイッチング・テクニック" と呼ばれる。
【0025】
これは、上述した干渉項が共振特性の非対称を誘起し、ESOP1を回転検出に用いた場合と、ESOP2を回転検出に用いた場合では、誤差は等しく、符号が異なるとことに基づいている。その性質を用いて、光源の発振周波数を、ESOP1とESOP2に交互に追従させるために周波数を切り替え、それぞれの場合で生じる出力を平均すれば、誤差をゼロにできるというものである。
しかしながら、この方法で改善が見られたとしても、受光器で観測されるリング共振器の出力は結果的にジャイロ出力の誤差となる要因を持ったままである。また、レーザ光源の周波数を常に切り替えねばならず、その過程で性能を劣化させる可能性がある。さらにシステムの煩雑化の一因となることは否定できない。
【0026】
さらに、受光器で観測されるリング共振器の出力が、誤差を持たないようにする方策が、「L. Strandjord and G. Sanders“Passive stabilization of temperature dependent polarization errors of a polarization-rotating resonator fiber optic gyroscope", Proc. SPIE, Fiber Optic and Laser Sensers XIII, Vol.2510, pp. 81-91, 1995.」(文献11)に示されている。ここでは、透過形リング共振器に関するものであり、式展開は文献9に示されたものでる。
これによればレーザ光源から出射された光波が最初に到達する第1のカプラと、リング共振器中の90°スプライス箇所と、光波を出射させ受光器に入力させる第2のカプラで分割される、光ファイバの3つの部分の長さL1 ,L2 ,L3 の内、前記第1のカプラと90°スプライス箇所までの長さL1 と、前記第2のカプラと90°スプライス箇所までの長さL2 の長さの差ΔLが0あり、かつ、前記第1のカプラと前記第2のカプラ間の長さL3 が0に近いことが、誤差を低減させるとしている。
【0027】
しかしながら、その結果にいたる式展開において近似を多用しており、また、誤差の発生要因として、干渉成分を含むESOP1の共振点と、ESOP2の共振点の距離を重視し、ジャイロ出力に現れる誤差の発生メカニズムを解析したものではなく、厳密さに欠けている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した種々の問題を解決するもので、その目的は、従来の手法で解決されていない、偏波依存性の損失がリング共振器中、カプラまたはリード部に存在する場合にも、共振形光ファイバジャイロの出力に誤差を発生させない方法およびその方法を用いた装置を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明による偏波変動誘起ドリフトを低減させる方法は、光波を伝搬させる2つの偏波軸を有する導波路により形成されるセンシングループならびに前記センシングループ中に挿入され、レーザ光源からの光波を前記センシングループに導くとともに該センシングループの光波を出射させるカプラからなり、前記センシングループ中に偏波を回転させる点を有する反射形リング共振器においてリング共振器の回転角速度により生ずるサニャック効果である非相反的効果を計測する方法において、
前記カプラと前記偏波を回転させる点で分割される導波路の2つの部分の長さL1 およびL2 の差をΔL、導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差をΔβとしたとき、前記ΔLとΔβの関係が、
ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)又は、近傍の値
になるようにし偏波変動により誘起される誤差を最小にするように前記ΔLを設定する構成としてある。
【0030】
また、本発明による共振形光ファイバジャイロ装置は、光波を伝搬させる2つの偏波軸を有する導波路により形成されるセンシングループ,前記センシングループ中に挿入され、レーザ光源からの光波を前記センシングループに導くとともに該センシングループの光波を出射させるカプラからなり、前記センシングループ中に偏波を回転させる点を有する反射形の共振形光ファイバジャイロ装置において、リング共振器の回転角速度により生ずるサニャック効果である非相反的効果を計測するため、前記カプラと前記偏波を回転させる点で分割される導波路の2つの部分の長さL1 およびL2 の差をΔL、導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差をΔβとしたとき、前記ΔLとΔβの関係が、
ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)又は、近傍の値
になるようにし偏波変動により誘起される誤差を最小にするように前記ΔLを設定する構成としてある。
【0031】
本発明による偏波変動誘起ドリフトを低減させる方法は、光波を伝搬させる2つの偏波軸を有する導波路により形成されるセンシングループ,前記センシングループ中に挿入され、レーザ光源からの光波を前記センシングループに導く第1のカプラならびに前記センシングループの光波を出射させる第2のカプラからなり、前記センシングループ中に偏波を回転させる点を有する透過形リング共振器においてリング共振器の回転角速度により生ずるサニャック効果である非相反的効果を計測する方法において、前記第1のカプラと前記偏波を回転させる点で分割される導波路の2つの部分の長さL1 とL2 の差をΔL、導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差をΔβとしたとき、前記ΔLとΔβの関係が、
ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)又は、近傍の値
になるようにし偏波変動により誘起される誤差を最小にするように前記ΔLを設定する構成としてある。
【0032】
本発明による共振形光ファイバジャイロ装置は、光波を伝搬させる2つの偏波軸を有する導波路により形成されるセンシングループ,前記センシングループ中に挿入され、レーザ光源からの光波を前記センシングループに導く第1のカプラならびに前記センシングループの光波を出射させる第2のカプラからなり、前記センシングループ中に偏波を回転させる点を有する透過形の共振形光ファイバジャイロ装置において、リング共振器の回転角速度により生ずるサニャック効果である非相反的効果を計測するため、前記第1のカプラと前記偏波を回転させる点で分割される導波路の2つの部分の長さL1 とL2 の差をΔL、導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差をΔβとしたとき、前記ΔLとΔβの関係が、
ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)又は、近傍の値
になるようにし偏波変動により誘起される誤差を最小にするように前記ΔLを設定する構成としてある。
【0033】
本発明による偏波変動誘起ドリフトを低減させる方法は、光波を伝搬させる2つの偏波軸を有する導波路により形成されるセンシングループ,前記センシングループ中に挿入され、レーザ光源からの光波を前記センシングループに導く第1のカプラならびに前記センシングループの光波を出射させる第2のカプラからなり、前記センシングループ中に偏波を回転させる点を有する透過形リング共振器においてリング共振器の回転角速度により生ずるサニャック効果である非相反的効果を計測する方法において、
前記第1のカプラ,前記偏波を回転させる点および前記第2のカプラで導波路を3つの部分に分割し、その内、前記第1のカプラと偏波を回転させる点までの長さをL1 、偏波を回転させる点から前記第2のカプラまでの長さをL2 、第2のカプラから第1のカプラまでの長さをL3 ,L1 と偏波を回転させる点から前記第2のカプラを経て前記第1のカプラまでの長さ(L2 +L3 )の差をΔL及び導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数の差をΔβとしたとき、前記ΔLとΔβとL3 の関係が、
ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)もしくは近傍の値
かつ、ΔβL3 =mπ[ rad] (m:整数)もしくは近傍の値
になるようにし偏波変動により誘起される誤差を最小にするように前記ΔL及びL3 を設定する構成としてある。
【0034】
本発明による共振形光ファイバジャイロ装置は、光波を伝搬させる2つの偏波軸を有する導波路により形成されるセンシングループ,前記センシングループ中に挿入され、レーザ光源からの光波を前記センシングループに導く第1のカプラならびに前記センシングループの光波を出射させる第2のカプラからなり、前記センシングループ中に偏波を回転させる点を有する透過形の共振形光ファイバジャイロ装置において、
リング共振器の回転角速度により生ずるサニャック効果である非相反的効果を計測するため、前記第1のカプラ,前記偏波を回転させる点および前記第2のカプラで導波路を3つの部分に分割し、その内、前記第1のカプラと偏波を回転させる点までの長さをL1 、偏波を回転させる点から前記第2のカプラまでの長さをL2 、第2のカプラから第1のカプラまでの長さをL3 ,L1 と偏波を回転させる点から前記第2のカプラを経て前記第1のカプラまでの長さ(L2 +L3 )の差をΔL及び導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数の差をΔβとしたとき、前記ΔLとΔβとL3 の関係が、
ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)もしくは近傍の値
かつ、ΔβL3 =mπ[ rad] (m:整数)もしくは近傍の値
になるようにし偏波変動により誘起される誤差を最小にするように前記ΔL及びL3 を設定する構成としてある。
【0035】
本発明による偏波変動誘起ドリフトを低減させる方法は、光波を伝搬させる2つの偏波軸を有する導波路により形成されるセンシングループならびに前記センシングループ中に挿入され、レーザ光源からの光波を前記センシングループに導くとともに該センシングループの光波を出射させるカプラからなり、前記センシングループ中に偏波を回転させる点を有するリング共振器においてリング共振器の回転角速度により生ずるサニャック効果である非相反的効果を計測する方法において、前記偏波を回転させる点が2箇所であり、前記カプラと前記偏波を回転させる2箇所で分割される導波路を3つの部分に分割し、その内、前記カプラと第1の偏波を回転する点までの長さL1 と前記カプラと第2の偏波を回転する点までの長さL2 の差をΔL、導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差Δβの関係が、
ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)又は、近傍の値
になるようにし偏波変動により誘起される誤差を最小にするように前記ΔLを設定する構成としてある。
【0036】
本発明による共振形光ファイバジャイロ装置は、光波を伝搬させる2つの偏波軸を有する導波路により形成されるセンシングループならびに前記センシングループ中に挿入され、レーザ光源からの光波を前記センシングループに導くとともに該センシングループの光波を出射させるカプラからなり、前記センシングループ中に偏波を回転させる点を有する共振形光ファイバジャイロ装置において、リング共振器の回転角速度により生ずるサニャック効果である非相反的効果を計測するため、前記偏波を回転させる点が2箇所であり、前記カプラと前記偏波を回転させる2箇所で分割される導波路を3つの部分に分割し、その内、前記カプラと第1の偏波を回転する点までの長さL1 と前記カプラと第2の偏波を回転する点までの長さL2 の差をΔL、導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差Δβの関係が、
ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)又は、近傍の値
になるようにし偏波変動により誘起される誤差を最小にするように前記ΔLを設定する構成としてある。
【0037】
本発明は上記構成において、偏波を回転させる点における偏波の回転角度を約90°にすることができる。
本発明は上記構成において、偏波を回転させる点における偏波の回転角度を約45°にすることができる。
本発明は上記構成において、前記光波を伝搬させる2つの偏波軸を有した導波路は、光ファイバであり、偏波を回転させる点は、光ファイバの融着(スプライス)点にすることができる。
本発明は上記構成において、前記カプラまたは第1のカプラに入力するため光波を伝搬させる2つの偏波軸を有した導波路の入力端から前記カプラまたは第1のカプラまでの長さをLiCW およびLiCCWとしたとき、前記LiCW およびLiCCWと前記導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差Δβの関係が、
ΔβLiCW =Pπ[ rad] (P:整数)又は、近傍の値
ΔβLiCCW=Qπ[ rad] (Q:整数)又は、近傍の値
となるように設定することができる。
【0039】
【作用】
上記構成によれば、偏波依存性損失がリング共振器中、カプラまたはリード部に存在する場合にも、リング共振器自体が誤差を発生しない状態にすることができる。したがって、この方法を用いた共振形光ファイバジャイロは、偏波変動により誘起されるジャイロ出力の誤差を最小に抑えることができ、また、誤差が変動することによるジャイロ出力のドリフトを低減することができる。これにより、高精度なジャイロが実現できる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して発明の実施の形態を詳しく説明する。
光波を伝搬させる導波路と、カプラから成るリング共振器において、回転等の非相反的効果を計測する場合に生じる誤差を解析し、誤差を生じさせないような方法を見出すためには、リング共振器から受光器までのリード部に偏波依存性損失が存在することを考慮しなければならない。また、このような偏波依存性は、僅かでも存在すると急激に誤差を発生する可能性が高くリング共振器中のカプラ、センシングループでも同様の考慮が必要である。
本発明は、偏光依存性の損失を、リング共振器を構成する各要素に仮定して、CW光、CCW光の共振特性を求め、それぞれのESOP1の共振点のずれ(オペレーション・ポイント)を算出して、ジャイロ出力に現われる誤差の発生のメカニズムを解析し、これにより誤差を最小にする方法を見出したものである。
【0041】
本発明における解析で最も重量なパラメータは、リング共振器のセンシングループ長(共振器長)が環境温度の変化により伸縮することを表すΔβLとΔβΔLがある。ここで、Δβは、偏波保持ファイバの2つの偏波軸の伝搬定数差であり、L及びΔLは、それぞれレーザ光源から出射された光波が最初に到達するカプラと、リング共振器中の、スプライス箇所で分割される導波路の2つの部分の長さL1 とL2 の和及び差である。
本発明にいたる解析では、誤差の発生メカニズムを明確にするために、ΔβLと同時にΔβΔLについて、これが誤差の発生にどのように関与するのかを検証した。ΔβΔL及びΔβLは共に2πの周期性を有しており、0〜2πまで誤差を算出すれば、誤差発生の全体像が把握できる。また、ΔβLは、ESOP1の共振点とESOP2の共振点の距離に対応し、ΔβL=π+2mπ(m:整数)のとき、ESOP2の共振点は、繰り返し現れるESOP2の共振点の中央に位置する。そのため、ΔβLによる影響はπを中心とし対称に現れることから、本発明における解析では、ΔβLは0〜πまでとした。
【0042】
本発明にいたるすべての解析で、センシングループ長L=15m、センシングループ径r=0.05m、レーザ光源の波長λ=1.3μm、リング共振器でのスプライス角θ=89°、入射直線偏波のファイバ偏波軸に対する角度ずれ
θiCW =1°、θiCCW=2°としている。
本発明における解析に用いたその他のパラメータを以下に示す。
・リング共振器でのスプライス角:θ[°]
・リード部の偏波依存性損失(反射形):εi (i=1−2)
・リード部の偏波依存性損失(透過形):εi (i=1−4)
・カプラにおける結合率(反射形):κx ,κy
・カプラにおける損失(反射形):γx ,γy
・カプラにおけるクロストーク(反射形):θR [°]
・入力側カプラにおける結合率(透過形):κ1x,κ1y
・出力側カプラにおける結合率(透過形):κ2x,κ2y
・入力側カプラにおける損失(透過形):γ1x,γ1y
・出力側カプラにおける損失(透過形):γ2x,γ2y
・入力側カプラにおけるクロストーク(透過形):θR1[°]
・出力側カプラにおけるクロストーク (透過形):θR2[°]
【0043】
(反射形リング共振器)
以下、本発明による方法を適用した共振形光ファイバジャイロ装置に反射形リング共振器を用いた場合の誤差の解析を示す。
図1に、本発明の解析に用いた反射形リング共振器のモデルを示す。
カプラは、偏波依存性を有するものとし、カプラでの反射を表す反射行列Cr は、
Figure 0004558158
とした。
カプラでの透過を表す透過行列Ct は、
Figure 0004558158
とおいた。ここで、θR は、カプラにおける近接した2本の偏波保持ファイバの偏波軸の角度ずれ、すなわちクロストークを表す。
【0044】
損失を表わす行列Cl は、
Figure 0004558158
とした。
リング共振器中のスプライスは、回転角度をθとすると、
Figure 0004558158
のように表される。
【0045】
次に、この回転により、センシングループには単位長さ当たり一定の捻りφが存在している。これによりファイバの伝達行列は(12)式のように表される。
Figure 0004558158
である。βi (i= x, y)は偏波保持ファイバの2つの偏波軸の伝搬定数であり、Δβは、偏波保持ファイバの2つの偏波軸の伝搬定数差である。また、ξは本解析に用いるパラメータであり、光波の周波数が変化したことによる位相変化、すなわちリング共振器中を伝搬する周回数の1周異なる2光波に位相差が生じることを表す。
【0046】
(11)式と(12)式から、CW光のセンシングループの伝達行列FbCW は、
Figure 0004558158
と表される。
これを用いて、CW光のリング共振器1周の伝達行列TCWは、
Figure 0004558158
と表すことができる。ここで、センシングループ中での損失は、カプラでの損失に含まれる。
【0047】
cwの固有値をλ1CW ,λ2CW とし、
λ1CW に対する固有ベクトルを、
Figure 0004558158
λ2CW に対する固有ベクトルを、
Figure 0004558158
とすると、固有値及び固有ベクトルを用いてTCWは、
Figure 0004558158
と書き換えられる。ここで
Figure 0004558158
Figure 0004558158
である。これらより
Figure 0004558158
であるから、
Figure 0004558158
ここで、
Figure 0004558158
である。
【0048】
CCW光のリング共振器1周の伝達行列TCCW は、
Figure 0004558158
と表させる。ここで、†は随伴行列を表す。
CCW の固有値をλ1CCW,λ2CCWとすると、
Figure 0004558158
である。
λ1CCWに対する固有ベクトルは、
Figure 0004558158
λ2CCWに対する固有ベクトルは、
Figure 0004558158
と表され、TCCW は、
Figure 0004558158
と書き換えられる。ここで
Figure 0004558158
Figure 0004558158
である。これらよりCWと同様に
Figure 0004558158
となる。ここで、
Figure 0004558158
である。
【0049】
レーザ光源より出射された光波は直線偏波であり、偏波保持ファイバのX軸に入射するものと仮定する。ここで、X軸に入射させるか、Y軸に入射させるかは任意にであり、問題とはならない。
入射光E0CW は、偏波保持ファイバのX軸に対する角度ずれをθiCW とすると、
Figure 0004558158
と表される。E0CW は、まず、リード部の偏光子P1 を通過する。P1 は、
Figure 0004558158
と表される。偏光子P1 を通過した光波E1CW は、
Figure 0004558158
と表させる。E1CW と(21)式を用いて、リング共振器をCWに周回しカプラに入力される光波E2CW は、
Figure 0004558158
と表される。
【0050】
また、E1CW とE2CW を用いて、リング共振器から出力された光波E3CW は、
Figure 0004558158
と表される。この光波は、リード部の偏光子P2 を通過する。P2 は、
Figure 0004558158
で表され、受光器に入力される光波EdCW は、
Figure 0004558158
と表される。これにより受光器で観測されるCW光の受光強度は、
Figure 0004558158
と表される。
【0051】
CWと同様に、入射光E0CCWは、偏波保持ファイバのX軸に対する角度ずれをθiCCWとすると、
Figure 0004558158
と表される。入射光は、偏光子P2 を通過し、偏光子の通過後の光波は、
Figure 0004558158
と表される。E3CCWと(30)式を用いて、リング共振器をCWに周回しカプラに入力される光波E4CCWは、
Figure 0004558158
と表せる。E3CCWとE4CCW を用いて、リング共振器から出力された光波E1CCW は、
Figure 0004558158
と表される。この光波は、リード部の偏光子P1 を通過し、受光器に入力される光波EdCCWは、
Figure 0004558158
と表させる。これにより受光器で観測されるCCW光の受光強度は、
Figure 0004558158
と表される。
【0052】
CW光、CCW光の共振特性は、 (12) 式及び(13)式中のξを変化させ、そのときの(39)式と(45)式の値により得られる。ここでξの変化は光波の周波数が変化したことにより、リング共振器中を伝搬する周回数の1周異なる2光波に位相差が生じることに等しい。
すなわち、CW光、CCW光の受光強度は、それぞれ
Figure 0004558158
のようにξの関数として表すことができる。
CW光、CCW光の共振特性及び共振点は、使用されるパラメータにより異なってくる。
図2(a)及び図2(b)は、それぞれξに対してCW光、CCW光の共振特性及び共振点の算出手法を示した概念図である。
この解析で用いる共振点の算出手法は、実際のジャイロ系における共振点検出手法である、共振点周囲でのバイアス変調を考慮して、図2(b)に示すように共振点の周囲でξを変化させ、ξを中心とし、その前後の値における受光強度が等しくなるξを検出することで行う。すなわち
Figure 0004558158
を満たすσCWがCWの共振点の位置として算出される。
また、
Figure 0004558158
を満たすσCCW がCCWの共振点の位置として算出される。
【0053】
これは、“デジタルセロダイン"による2値の周波数数シフトを一定の交換周波数で行う場合にも当てはまることである。ΔξCW及びΔξCCW は、それぞれCW光、CCW光に対するバイアス変調の変調深度を表し、本発明にいたる解析においては、すべてΔξCW=ΔξCCW とし、共振点での半値半幅となるように設定している。
誤差は、σCWとσCCW の差に相当し、ジャイロ出力の誤差は(6) 式の場合と同様に
Figure 0004558158
で与えられる。
【0054】
本発明の解析に挙げた誤差算出のプロセスは、結果的に文献4あるいは文献7でなされた方法と等価であるが、多大な式導出を必要とせず、一連の計算はコンピュータを用いた数値シミュレーションにより、現実の光学素子を模擬した、より複雑なモデルを容易に扱うことができる。
図3A〜図3Jに、反射形リング共振器を用いた場合の誤差の数値シミュレーションを行った結果を示す。
図3Aは、リード部の偏光子を仮定し、ε1 =ε2 =0.01とした場合の誤差の数値シミュレーション結果を示す。使用した他のパラメータは、θ=89°、κx =κy =0.02,γx =γy =0.02,θR =0°である。
図より
ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数) (A)
の関係で、誤差が最小となることが分かる。
【0055】
図3Bは、リード部の偏波依存性の損失を仮定し、ε1 =ε2 =0.99とした場合の誤差の数値シミュレーション結果を示す。使用した他のパラメータは、図3Aと同じである。図より、図3Aと同様に(A)式の関係で、誤差が最小となることが分かる。
これらは、誤差の符号も考慮して表すと、図3Cに示すようにΔβΔLに対する誤差の発生形態は、2πの周期で振動することを示している。
図3Dは、リード部に偏光子あるいは偏波依存性の損失が存在しないε1 =ε2 =1の場合に、カプラのみに偏波依存性があるとした場合である。すなわちκx ≠κy 、γx ≠γy とした場合の誤差の数値シミュレーション結果を示す。θ=89°,κx =0.02,κy =0.022,γx =0.02,γy =0.022,θR =2°とおいた。図より、図3A及び図3Bの場合と同様に、(A)式の関係で、誤差が最小になることが分かる。
【0056】
図3A,図3B及び図3Dの結果より、偏波依存性の損失による、誤差の発生は同じ性向を有することが確認できる。
図3E及び図3Fは、リード部及びカプラに偏波依存性を仮定した場合の誤差の数値シミュレーションである。ぞれぞれリード部の偏波依存性をε1 =ε2 =0.01及びε1 =ε2 =0.99とした場合である。他のパラメータはいずれもθ=89°,κx =0.02,κy =0.022,γx =0.02,γy =0.022,θR =2°である。図より、図3A,図3B及び図3Dの場合と同様に、(A)式の関係で、誤差が最小になることが分かる。
以上の結果より、偏波依存性の損失により生じる誤差は、(A)式の関係を満たすとき最小となることが分かる。また、ある値のΔβΔLについては、誤差はΔβLに対してほぼ一定値となっている。すなわち、ジャイロ出力の誤差は、ΔβLの依存性は非常小さく、ΔβΔLに依存性を有する。
【0057】
ΔβLは約1℃でπ以上変化するため環境温度に大きく影響されるが、ΔβΔLは、(A)式の関係を満たしつつ、ΔLを小さくすることで、環境温度の影響は非常に小さく保たれる。
したがって、(A)式の関係を用いることにより、環境温度によらずジャイロ出力の誤差を低減することが可能となる。
図3G〜図3Jは、リング共振器中のスプライス角θを、θ=90°,75°,45°,10°のように変化させた場合の解析結果である。他のパラメータはすべて、ε1 =ε2 =0.01,κx =0.02,κy =0.022,γx =0.02,γy =0.022,θR =2°とした。
図より、いずれの場合においても、ΔβΔLに対しては(A)式の関係を満たすとき、誤差は最小となる。この関係はスプライス角θに関わりなく生じ、例えば、θ=90°,75°,45°,10°等、とり得る回転角においても同様の現象が生じる。θ=90°とすることで、ΔβLに対する依存性が減少するという点だけの問題であり、したがって、θ≠90°としても、本発明の趣旨を逸脱するものでないことは明らかである。
【0058】
さらに、リング共振器中の第1のスプライス箇所以外に、例えば、カプラとセンシングループを個別に製作し、それらを接続する際に第2、第3のスプライス箇所が生じる場合に、そこでの偏波の回転により、(A)式の関係が影響されることはない。これは上述の通り、偏波の回転は、ΔβLの依存性にのみ関与することが図3G〜図3Jの結果より言えるからである。
また、偏波の回転それ自体は偏波依存性の損失でなく、本発明が解決しようとしている課題とは直接の関係はないことからも言えることである。第1のスプライス箇所での偏波の回転角θより、第1のスプライス箇所以外での偏波の回転角がずっと小さいという場合には、本発明の趣旨を逸脱することなく、第1のスプライス箇所のみを考慮することにより、(A)式の関係が適用できることは明らかである。
【0059】
図4A,図4Bは、誤差が最大となるΔβΔL=2nπ(n:整数)において、偏光子の消光比、すなわち偏波依存性損失を表すεi (i=1,2)に対して誤差を算出したものである。図4Aは、カプラに偏波依存性が存在しない場合である。パラメータは、θ=89°,κx =κy =0.02,γx =γy =0.02,θR =0°としている。誤差は、ε1 =ε2 =0.6付近で最大となり、完全な偏光子が存在する場合(εi =0)と、偏光子が存在しない、すなわち偏波依存性損失が全くない(εi =1)場合に誤差は最小になる。図4Bは、カプラが偏波依存性を有する場合である。パラメータは、θ=89°,κx =0.02,κy =0.022,γx =0.02,γy =0.022,θR =2°としている。この結果から、リード部に消光比の高い偏光子を挿入するか、あるいは偏光子を用いずにリード部及びカプラに偏波依存性損失が極力生じないようにすることにより、誤差はある程度低減されることが分かる。
【0060】
(透過形リング共振器)
つぎに本発明による方法を適用した共振形光ファイバジャイロ装置に透過形リング共振器を用いた場合の誤差の解析を示す。
図5に、解析に用いた透過形リング共振器のモデルを示す。
図5に示した透過形リング共振器のモデルは、ΔLの定義をΔL=L1 −(L2 +L3 )としている。これは、図1に示した反射形リング共振器のモデルと入射側カプラと90°スプライス点で分けられる光ファイバの2つの部分の和をL、差をΔLとしている点で等しい。
図5では、入力側リード部のP1 、P2 及び出力側リード部のP3 、P4 は、偏波依存性の損失としている。ポラライザとしても式及び結果が同様であることは、反射形における解析により明らかである。
入力側カプラの反射を表す反射行列C1rは、
Figure 0004558158
とおいた。
また、透過を表す透過行列C1tは、(51)式の様においた。ここで、θR1は、入力側カプラにおける近接した2本の偏波保持ファイバの偏波軸の角度ずれ、すなわちクロストークを表す。
Figure 0004558158
及び損失を表わす行列C1lは、
Figure 0004558158
とおいた。
【0061】
また、出力側カプラの反射を表す反射行列C2rは、
Figure 0004558158
とし、
透過を表す透過行列C2tは、(54)式の様においた。ここで、θR2は、出力側カプラにおける近接した2本の偏波保持ファイバの偏波軸の角度ずれ、すなわちクロストークを表す。
Figure 0004558158
及び損失を表わす行列C2lは、
Figure 0004558158
とおいた。
【0062】
リング共振器中の回転は、スプライス角θを用いて(11)式と同様に表される。
また、ファイバの伝達行列は、(12)式と同様に表される。
これらから、CW光のセンシングループの伝達行列は、
Figure 0004558158
と表される。
これを用いて、CW光のリング共振器1周の伝達行列TCWは、
Figure 0004558158
と表すことができる。
また、CCW光のリング共振器1周の伝達行列TCCW は、
Figure 0004558158
と表させる。
【0063】
固有値、固有ベクトルの扱いは、反射形リング共振器の場合と同様であり、(21)式及び(30)式と同様に、
Figure 0004558158
Figure 0004558158
のように表される。ここで、
Figure 0004558158
Figure 0004558158
である。
【0064】
CWの入射光E0CW は、偏波保持ファイバのX軸に対する角度ずれをθiCW とすると、
Figure 0004558158
と表される。E0CW は、まず、入力側リード部の偏波依存性損失(偏光子)P1 を通過する。P1 は、
Figure 0004558158
と表される。偏光子P1 を通過した光波E1CW は、
Figure 0004558158
と表される。E1CW と(59)式を用いて、リング共振器をCWに周回し入射側カプラに入力される光波E2CW は、
Figure 0004558158
と表される。E1CW とE2CW を用いて、リング共振器をCWに周回し入射側カプラから出力される光波E4CW は、
Figure 0004558158
と表される。
【0065】
さらに、E4CW を用いて、リング共振器から出力された光波E5CW は、
Figure 0004558158
と表される。この光波は、出力側リード部の偏波依存性損失(偏光子)P3 を通過する。P3 は、
Figure 0004558158
で表され、受光器に入力される光波EdCW は、
Figure 0004558158
と表せる。これにより受光器で観測されるCW光の受光強度は、
Figure 0004558158
と表される。
【0066】
CWと同様に、入射光E0CCWは、偏波保持ファイバのX軸に対する角度ずれをθiCCWとすると、
Figure 0004558158
と表される。E0CCWは、まず、入力側リード部の偏波依存性損失(偏光子)P2 を通過する。P2 は、
Figure 0004558158
と表される。偏光子P2 を通過した光波E3CCWは、
Figure 0004558158
と表される。
3CCWと(60)式を用いて、リング共振器をCCWに周回しカプラに入力される光波E4CCW は、
Figure 0004558158
と表される。
【0067】
また、E3CCWとE4CCWを用いて、リング共振器をCCWに周回し入射側カプラから出力される光波E2CCWは、
Figure 0004558158
と表される。
さらに、E2CCWを用いて、リング共振器から出力された光波E5CCWは、
Figure 0004558158
と表される。この光波は、出力側リード部の偏波依存性損失P4 を通過する。
4 は、
Figure 0004558158
で表され、受光器に入力される光波EdCCWは、
Figure 0004558158
と表せる。これにより受光器で観測されるCCW光の受光強度は、
Figure 0004558158
と表される。
【0068】
透過形リング共振器の場合も反射形リング共振器の場合と同様にCW光、CCW光の共振特性は、(12)式及び(56)式中のξを変化させ、そのときの(71)式と(80)式の値により得られる。ここでξの変化は光波の周波数が変化したことにより、リング共振器中を伝搬する周回数の1周異なる2光波に位相差が生じることに等しい。
反射形リング共振器の場合と同様に(47)式及び(48)式からCW光、CCW光それぞれの共振点σCW、σCCW を求め(49)式により誤差を算出する。
図6A〜図6Hに、透過形リング共振器を用いた場合の誤差の数値シミュレーション結果を示す。
図6Aは、出力側カプラ及び出力側のリード部に偏波依存性がない、すなわち、κ2x=κ2y=0.02,γ2x=γ2y=0.02,θR2=0°,ε3 =ε4 =1とした場合の誤差の数値シミュレーション結果である。他のパラメータは、θ=89°,κ1x=0.02,κ1y=0.022,γ1x=0.02,γ1y=0.022,θR1=2°,ε1 =ε2 =0.99とした。
図より、反射形リング共振器の場合と同様に、(A)式の関係で誤差が最小になることが分かる。これは、透過形リング共振器の出力は、リング共振器中を周回する光波を出力しているとみなすことができるので当然と言える。
したがって、(A)式の関係は、反射形、透過形に関わらず一般的に成り立つことが分かる。
【0069】
図6Bは、出力側カプラ及び出力側リード部にも偏波依存性を持たせた解析である。
パラメータは、θ=89°,ε1 =ε2 =0.99,κ1x=0.02,κ1y=0.022,γ1x=0.02,γ1y=0.022,θR1=2°,ε3 =ε4 =0.99,κ2X=0.02,κ2y=0.022,γ2x=0.02,γ2y=0.022,θR2=2°とした。
出力側カプラに偏波依存性の損失が存在することにより、(A)式の関係からずれを生じている。このことは、(A)式の持つ一般性が保たれるのは、出力側カプラ、及び出力側リード部に偏波依存性がない、或は、小さい場合であることを示している。
出力側カプラ、及びリ出力側ード部の偏波依存性の影響を除去するためには、(A)式の関係を保ちつつ、出力側カプラの最適な位置を規定することが必要である。入力側カプラと出力側カプラの長さが、πの整数倍であれば、(A)式の関係が透過形に適用できることを以下に示す。
【0070】
図6Cは、図6Bと同様に、出力側カプラ及び出力側リード部にも偏波依存性を持たせた解析である。パラメータは、図6Bと同じである。ただし、この解析では、ΔβL3 =πとし、ΔβL とΔβ(L1 −L2 )に対して行った。 図より、Δβ(L1 −L2 )=2nπ(n:整数)で誤差が最小になることが分かり、この関係は、入射側カプラと90°スプライス点で分けられる光ファイバの2つの部分の和、及び差に関して(A)式の関係と一致している。
図6Dは、図6B及び図6Cと同様に、出力側カプラ及び出力側リード部にも偏波依存性を持たせた解析である。パラメータは、図6B及び図6Cと同一である。ただし、この解析では、ΔβL3 =2πとし、ΔβLとΔβ(L1 −L2 )に対して行った。
【0071】
図より、Δβ(L1 −L2 )=π+2nπ(n:整数)で誤差が最小になることが分かり、この関係は、入射側カプラと90°スプライス点で分けられる光ファイバの2つの部分の和、及び差に関して(A)式の関係と一致している。
以上より、ΔL=L1 −(L2 +L3 )とおけば
ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)
かつ、ΔβL3 =mπ[ rad] (m:整数) (B)
のとき、偏波変動により誘起される誤差を最小にすることができる。その関係を満たすようにΔL及びL 3を設定することで偏波変動に誘起される誤差を低減させることができる。出力側カプラの位置を規定する以外は、反射形の場合と同一である。これは、透過形リング共振器を用いた場合に(A)式の関係を維持し、確実に誤差を低減できる方法である。
【0072】
ここで、(A)式の関係がより確実なものであることを示すための検証を行う。
(50)式,(51)式,(52)式,(53)式,(54)式,(55)式,(64)式,(69)式,(73)式及び(78)式中の2行2列の行列式の非対角成分は0となっている。これらは、εi ( i=1-4) =1の場合と同様に理想化された状態であり、0からの僅かな変化が、誤差の発生形態を変化させる恐れがある。
図6Eは、(50)式,(51)式,(52)式,(53)式,(54)式,(55)式,(64)式,(69)式,(73)式及び(78)式中の2行2列の行列式の非対角成分の0を、0.01にした場合の誤差の数値シミュレーション結果である。この解析では、図6Dと同様にΔβL3 =2πとし、ΔβL とΔβ(L1 −L2 )に対して行った。、他のパラメータは、図6B,図6C及び図6Dと同じである。図より、(A)式を満たすとき誤差が最小となる関係は維持されている。
【0073】
さらに、センシングループ中のファイバに偏波依存性損失があることが考えられる。例えばファイバに加わった応力等は、偏波依存性損失となり得る。
図6Fは、センシングループ中に
Figure 0004558158
で表される偏波依存性損失を挿入した場合の誤差の数値シミュレーション結果である。この解析では、図6D及び図6Eと同様にΔβL3 =2πとし、ΔβL とΔβ(L1 −L2 )に対して行った。
ここでは、εx =1,εy =0.99とした。また、MPDL の位置は、図5の透過形リング共振器モデルにおいて、センシングループ中のL1 の領域に、カプラからの距離LPDL =1.23π/Δβの位置に存在するものとした。他のパラメータは、図6B,図6C,図6D及び図6Eと同じである。
この解析は、(56)式、(68)式を、
Figure 0004558158
Figure 0004558158
のように修正することによって容易に行うことができる。
【0074】
図6Fの結果は、やはり(A)式を満たすとき誤差が最小となる関係は維持されている。
以上に示した数値シミュレーションの結果は、偏波依存性の損失の存在による誤差の発生形態は、それが、リング共振器のリード部、カプラ、センシングループ中のどの場所に存在する場合にも、必ず(A)式の関係で誤差が最小となることを示している。
したがって、図6E及び図6Fに示したような(A)式の関係がより確実であることを検証する結果は、透過形のみならす、反射形においても成立することは明らかである。
【0075】
(スプライス箇所を2箇所有するリング共振器)
(A)式の関係を満たすとき、誤差は最小となる結果より、誤差を減少させるために、以下の類推が得られる。
これは、図7に示すように、リング共振器中の偏波に回転を与えるスプライス箇所を2箇所おき、カプラ6から第1のスプライス箇所7aまでの長さをL1 、カプラ6から第2のスプライス箇所7bまでの長さをL2 、残りの部分の長さをL3 とする構成である。ここで、ΔL=L1 −L2 とおけば、ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)、すなわち(A)式の関係を満たすとき、誤差が低減される。これは、スプライス箇所が1箇所の場合と類似の効果が期待できる。
この解析は、反射形リング共振器の解析においては、センシングループを記述する(13)式を変更することにより行うことができる。また、透過形リング共振器の解析においては、(56)式を変更することにより行うことができる。ここで、スプライス箇所のおける回転は、第1のスプライス箇所7aにおける回転角度をθ1 、第2のスプライス箇所7bのおける回転角度をθ2 とし、(11)式及び(12)式の定義を用いて、(13)式は
Figure 0004558158
のように変更される。透過形リング共振器の場合も同様の変更となる。
【0076】
図8A,図8Bに、スプライス箇所を2箇所有する反射形リング共振器を用いた場合の誤差の数値シミュレーションおこなった結果を示す。
図8Aは、ΔLの定義をΔL=L1 −L2 とした場合の解析結果である。パラメータは、θ1 =θ2 =45°,ε1 =ε2 =0.01,κx =0.02,κy =0.022,γx =0.02,γy =0.022,θR =0とした。図より、(A)式の関係を満たすとき、誤差が低減されることが分かる。
図8Bは、Δβ(L1 −L2 )=πとし、L1 及びLを変化させた場合の解析結果である。パラメータは、図8Aと同じである。
ΔβL1 =(N+0.5)π[ rad] (N:整数) (C)
の関係で、誤差が低減されることが分かる。
【0077】
この方法は、2つの固有偏波状態の共振点が、等しく励振されない問題点を有するものの、2箇所のスプライス箇所をカプラの近くに配置することによりL1 及びL2 の長さを短くし、長さ決定を容易にする利点がある。
(A)式の関係を満たすとき誤差が最小となることが分かり、スプライス箇所が1箇所だけの場合と類似の効果を得られることが確認された。
上述のように(A)式の関係を満たすとき誤差が最小になることは、反射形、透過形に関わらず成り立つことから、透過形においてもスプライス箇所を2箇所有するリング共振器を用いて同様に誤差を低減できることは明白である。
【0078】
(リード部の長さ)
以上に挙げたすべての解析において、リング共振器に入射する光波は、直線偏波としている。これらは、(32)式,(40)式,(63)式及び(72)式における定義によっている。しかしながら、偏波保持ファイバの偏波軸に対して角度ずれを有した直線偏波は、直線偏波と楕円偏波を繰り返す性質を有し、直線偏波から次の直線偏波に変化する1周期はビート長である。
リング共振器に入射する光波が直線偏波でない場合は、解析結果に変化をもたらす。この場合の誤差の数値シミュレーション結果は、X軸とY軸を伝搬する光の位相差を考慮して
(32) 式及び(63)式において、
Figure 0004558158
(63) 式及び(72)式において、
Figure 0004558158
とすることにより得ることができる。ここで、φiCW は、φiCCWは、それぞれ、リード部を伝搬するCW、CCWの入射光においてX軸を伝搬する光波とY軸を伝搬する光波の位相差を表す。
【0079】
図9に、反射形リング共振器モデルにおいて、入射偏波が直線偏波からずれた場合の誤差の数値シミュレーション結果を示す。
ここでは、φiCW =0、φiCCW=0.5πとしている。他のパラメータは、θ=90°,ε1 =ε2 =0.01,κx =0.02,κy =0.022,γx =0.02,γy =0.022,θR =0°とした。
図より、直線偏波からのずれにより、誤差が最小となるΔβΔLの値が、(A)式の関係からずれることが分かり、正確に(A)式の関係で誤差が低減される効果を得るには、リング共振器に入射する光波は、常に直線偏波である必要がある。
リング共振器のリード部の偏波保持ファイバには、まず直線偏波が入射される。そこでの偏波軸に対する角度ずれは、これまでの解析に用いたθiCW 及びθiCCWと同じように扱うことができる。カプラにおいてリング共振器に入射する光波が直線偏波となるためには、入射端からカプラまでの長さLiCW 及びLiCCWは、ビート長の整数倍となるよう設定される必要がある。ビート長は、偏波保持ファイバの偏波軸間の伝搬定数差Δβとの積がπとなる長さであり、入射端からカプラまでの長さは、
ΔβLiCW =Pπ[ rad] (P:整数)
ΔβLiCCW=Qπ[ rad] (Q:整数) (D)
となるように設定することで、リング共振器に入射するCW、及びCCWの光波は、常に直線偏波となる。
【0080】
これまでの解析により、この関係が、反射形、透過形に関わらず成り立つことはもちろんである。また、例えば、
ΔβLiCW =π/2+Pπ[ rad] (P:整数)
ΔβLiCCW=π/2+Qπ[ rad] (Q:整数) (D)'
とおくことにより、φiCW 及びφiCCWをあえて(D)式以外の値とすることにより、入射光を直線偏波ではない状態とすれば、(A)式の関係はそれに応じて修正され、
ΔβΔL=(π+δ)+2nπ[ rad] (n:整数) (A)'
の関係が誤差を最小とする新たな結果を得ることは当然である。ここで、δは修正分の変位を表わす。このような場合においても、本発明にいたる解析を用いれば結果を容易に得られることから、それを適用することは本発明の趣旨を逸脱するものでないことは明らかである。
【0081】
以上、図3A〜図9までの解析により、(A)式の関係を満たすようにΔLを非常に小さく設定する、例えば
ΔL=π/Δβ (E)
のように設定すれば、温度変化によるL1 とL2 の長さの伸縮が均一であれば、温度変化によるセンシングループ長の大きな変化に関係なく、誤差が大幅に低減できることがわかる。
例えば、1.3μm帯PANDAファイバではΔβ≒1600[rad/m]であり、ΔLの設定値は1.96[mm]と計算される。
【0082】
(ΔβΔLの制御)
以上の結果より、偏波依存性の損失により生じる誤差は、基本的に(A)式の関係を満たすとき最小となることが分かる。また、ある値のΔβΔLについては、誤差はΔβLに対してほぼ一定値となっている。すなわち、スプライス箇所での回転角度が90°に近い場合には、誤差は、ΔβLに依存性を有さず、ΔβΔLにのみ依存性を有する。この性質を利用すれば、センシングループを制御してΔβLの変化によらず、(A)式の関係を保つことも可能である。
また、上述したように入射光の偏波状態の変動やその他モデルに含まれない要因により(A)式の関係に、ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)からの多少のずれが生じることも起こり得る。さらに、(A)式の関係と満たすようにΔLを設定した場合にも、環境条件によりL1 とL2 の長さが不均一に伸縮すれば、当初の設定値からずれることも否定できない。そのような場合にも、センシングループの長さを制御することにより、ΔβLの変化によらず、誤差が最小となるように補正することが可能である。
また、ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)からのずれを検出して、ΔLが(A)式の関係を満たすようフィードバック制御することも可能である。
例えば、誤差の大きさは、共振点検出のために実施するバイアス変調の変調深度、すなわち(47)式及び(48)式におけるΔξCW及びΔξCCW に依存性を有する。一般に変調深度が大きいほど誤差は増大する。
【0083】
図6Gは、図6Fと同様の解析において、共振点で半値半幅となるように設定した変調深度を用いた場合(Δξ)と、変調深度を半分にした場合(Δξ/2)の、ΔβΔLに対する誤差のΔβL=2mπ(m:整数)のときの比較である。これらを誤差の符号も考慮して比較すると、図6Hに示すように表される。
図6Hは、(A)式の関係を満たすとき誤差は、変調深度に関わりなく最小であり、例えば、2つの異なる変調深度を、ある周期で交互に適用すれば、ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)からのずれが、その周期に同期して現れることを示している。すなわち、ΔLが最適値からずれた事を示す制御のための誤差信号を与える。この誤差信号を用いて、ΔLにフィードバックを行い、常に(A)式の関係を満たすことが可能である。この方法によれば、(A)式の関係に変化が生じた場合にも、ジャイロ出力の誤差が最小となるように、ΔLは最適値に制御される。
【0084】
【実施例】
上述の解析結果より、本発明の実施例を説明する。
図10は、本発明による方法を適用した共振形光ファイバジャイロ装置の第1の実施例を示す図で、90°スプライスを有する反射形リング共振器の場合である。
回転等の非相反的効果を計測する場合に、カプラ8とリング共振器中の偏波を回転させる点9aで分割される導波路の2つの部分の長さL1 とL2 の差ΔLと、導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差Δβの関係が、
ΔβΔL =π+2nπ[ rad] (n:整数)又は、近傍の値
のとき、偏波変動により誘起される誤差が最小になる性質を用いて、その関係を満たすようにΔLを設定する。これにより偏波変動に誘起される誤差を低減させることができる。
【0085】
図11は、本発明による方法を適用した共振形光ファイバジャイロ装置の第2の実施例を示す図で、90°スプライスを有する透過形リング共振器を使用する場合である。
回転等の非相反的効果を計測する場合に、レーザ光源から出射された光波が最初に到達する入力側カプラ10とリング共振器中の偏波を回転させる点11aで分割される導波路の2つの部分の長さL1 とL2 の差ΔLと、導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差Δβの関係が、
ΔβΔL =π+2nπ[ rad] (n:整数)又は、近傍の値のとき、偏波変動により誘起される誤差が最小になる性質を用いて、その関係を満たすようにΔLを設定することで偏波変動に誘起される誤差を低減させることができる。
【0086】
図12は、本発明による方法を適用した共振形光ファイバジャイロ装置の第3の実施例を示す図で、90°スプライスを有する透過形リング共振器のさらに確実な例である。
回転等の非相反的効果を計測する場合に、レーザ光源から出射された光波が最初に到達する入力側カプラ13(第1のカプラ)とリング共振器中の偏波を回転させる点14aと光波を出射させ受光器に入力させる出力側カプラ15(第2のカプラ)で分割される導波路の3つの部分の長さL1 ,L2 ,L3 について、入力側カプラ13と偏波を回転させる点14aまでの長さL1 と、偏波を回転させる点14aから出力側カプラ15を経て入力側カプラ13までの長さ(L2 +L3 )の差ΔLと、入力側カプラ13と出力側カプラ15間の長さL3 と、導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差Δβの関係が、
ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)又は、近傍の値
かつ、ΔβL3 =mπ[ rad] (m:整数)又は、近傍の値又は、
のとき、偏波変動により誘起される誤差が最小になる性質を用いて、その関係を満たすようにΔL及びL3 を設定する。これにより偏波変動に誘起される誤差を低減させることができる。
【0087】
図13は、本発明による方法を適用した共振形光ファイバジャイロ装置の第4の実施例を示す図で、スプライス箇所を2箇所有するリング共振器の場合である。
回転等の非相反的効果を計測する場合に、カプラ16とリング共振器中の偏波を回転させる2箇所17a,17bで分割される導波路の3つの部分の長さL1 ,L2 ,L3 の内、カプラ16と第1の偏波を回転する点17aまでの長さL1 とカプラ16と第2の偏波を回転する点17bまでの長さL2 の差ΔLと、導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差Δβの関係が、
ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)又は、近傍の値のとき、偏波変動により誘起される誤差が最小になる性質を用いて、その関係を満たすようにΔLを設定する。これにより偏波変動に誘起される誤差を低減させることができる。
以上、光ファイバの導波路の実施例について説明したが、光ファイバ以外の導波路、例えばニオブ酸リチウム(LiNbO3 )基板上に形成された光導波路やガラス導波路、ポリマー導波路においても同様であることはもちろんである。
【0088】
図14は、本発明による方法を適用した共振形光ファイバジャイロ装置の第5の実施例を示す図で、リード部長さを考慮したR−FOGの光学系である。
プロトン交換法により製作されたニオブ酸リチウム(LiNbO3 )導波路19は、高い消光比を持つ導波路である。このような高消光比を有する導波路から出力された光波は、直線偏波とみなすことができる。また、このニオブ酸リチウム(LiNbO3 )導波路は、光波のバイアス変調やセロダイン波による制御に必要な位相変調器が付加されたデバイスとしてこの位置に配置されることが通常である。この導波路と偏波保持光ファイバは接着され、リング共振器のリード部の偏波保持ファイバには、導波路から高消光比の直線偏波が入射される。カプラ20においてリング共振器に入射する光波が直線偏波となるために、入射端からカプラ20までの長さLiCW 及びLiCCWは、
ΔβLiCW =Pπ[ rad] (P:整数)又は、近傍の値
ΔβLiCCW=Qπ[ rad] (Q:整数)又は、近傍の値
の関係を満たすように設定される。
【0089】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、偏波依存性のロスがリング共振器中、カプラ、または、リード部に存在する場合にも、リング共振器自体が誤差を発生しない状態にすることができる。
したがって、本発明の方法を用いた共振形光ファイバジャイロ装置は、偏波変動により誘起されるジャイロ出力の誤差を最小に抑えることができ、また、誤差が変動することによるジャイロ出力のドリフトを低減することができる。これにより、高精度なジャイロ装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による共振形光ファイバジャイロ装置の第1の実施の形態を説明するための図で、反射形リング共振器モデルの概略図である。
【図2】共振特性からの共振点の算出手法を説明するための図である。
【図3A】反射形リング共振器を用いた場合の誤差の数値シミュレーション結果を示すグラフで、ε1 =ε2 =0.01とした場合である。
【図3B】反射形リング共振器を用いた場合の誤差の数値シミュレーション結果を示すグラフで、ε1 =ε2 =0.99とした場合である。
【図3C】ΔβΔLに対する誤差の発生形態を示すグラフである。
【図3D】カプラのみに偏波依存性を仮定した場合の誤差の数値シミュレーション結果を示すグラフで、κx ≠κy,γx≠γy,ε1 =ε2 =1の場合である。
【図3E】リード部及びカプラに偏波依存性を仮定した場合の誤差の数値シミュレーション結果を示すグラフで、κx ≠κy,γx ≠γy,ε1 =ε2 =0.01とした場合である。
【図3F】リード部及びカプラに偏波依存性を仮定した場合の誤差の数値シミュレーション結果を示すグラフで、κx≠κy,γx≠γy,ε1 =ε2 =0.99とした場合である。
【図3G】リング共振器中のスプライス角をθ=90°とした場合の解析結果を示すグラフである。
【図3H】リング共振器中のスプライス角をθ=75°とした場合の解析結果を示すグラフである。
【図3I】リング共振器中のスプライス角をθ=45°とした場合の解析結果を示すグラフである。
【図3J】リング共振器中のスプライス角をθ=10°とした場合の解析結果を示すグラフである。
【図4A】反射形リング共振器を用いた場合の誤差の偏光子依存性を示すグラフで、カプラに偏波依存性が存在しない場合である。
【図4B】反射形リング共振器を用いた場合の誤差の偏光子依存性を示すグラフで、カプラに偏波依存性を有する場合である。
【図5】本発明による共振形光ファイバジャイロ装置の第2の実施の形態を説明するための図で、透過形リング共振器モデルの概略図である。
【図6A】透過形リング共振器を用いた場合の誤差の数値シミュレーション結果を示すグラフで、出力側カプラおよび出力側リード部に偏波依存性がない場合である。
【図6B】透過形リング共振器を用いた場合の誤差の数値シミュレーション結果を示すグラフで、出力側カプラおよび出力側リード部に偏波依存性を持つ場合である。
【図6C】透過形リング共振器を用いた場合の誤差の数値シミュレーション結果を示すグラフで、出力側カプラおよび出力側リード部に偏波依存性を持ち、ΔβL3 =πとした場合のΔβLとΔβ(L1 −L2 )に対する結果である。
【図6D】透過形リング共振器を用いた場合の誤差の数値シミュレーション結果を示すグラフで、出力側カプラおよび出力側リード部に偏波依存性を持ち、ΔβL3 =2πとした場合のΔβLとΔβ(L1 −L2 )に対する結果である。
【図6E】所定の式の2行2列の行列式の非対角成分を0.01にした場合の誤差の数値シミュレーション結果を示すグラフで、ΔβL3 =2πにした場合のΔβLとΔβ(L1 −L2 )に対する結果である。
【図6F】センシングループ中に(81) 式で表される偏波依存性損失を挿入した場合の誤差の数値シミュレーション結果を示すグラフで、ΔβL3 =2πにした場合のΔβLとΔβ(L1 −L2 )に対する結果である。
【図6G】2つの異なる変調深度について、誤差の数値シミュレーション結果を示すグラフで、ΔβΔLに対する誤差の比較である。
【図6H】2つの異なる変調深度について、誤差の数値シミュレーション結果を示すグラフで、ΔβΔLに対する誤差を符号も考慮して比較したものである。
【図7】本発明による共振形光ファイバジャイロ装置の第3の実施の形態を説明するための図で、スプライス箇所を2箇所有したリング共振器モデルの概略図である。
【図8A】スプライス箇所を2箇所有したリング共振器を用いた場合の誤差の数値シミュレーション結果を示すグラフで、ΔL=L1 −L2 とした場合である。
【図8B】スプライス箇所を2箇所有したリング共振器を用いた場合の誤差の数値シミュレーション結果を示すグラフで、Δβ(L1 −L2 )=πとしてL1 およびLを変化させた場合である。
【図9】反射形リング共振器モデルにおいて入射偏波が直線偏波からずれた場合の誤差の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
【図10】本発明による共振形光ファイバジャイロ装置の第1の実施例を示す図で、反射形リング共振器の場合である。
【図11】本発明による共振形光ファイバジャイロ装置の第2の実施例を示す図で、透過形リング共振器の場合である。
【図12】本発明による共振形光ファイバジャイロ装置の第3の実施例を示す図で、透過形リング共振器の出力側カプラの位置を最適化した場合である。
【図13】本発明による共振形光ファイバジャイロ装置の第4の実施例を示す図で、スプライス箇所を2箇所有したリング共振器の場合である。
【図14】本発明による共振形光ファイバジャイロ装置の第5の実施例を示す図で、リード部長さを考慮した共振形光ファイバジャイロ装置の光学系である。
【図15】反射形及び透過形リング共振器を示す図である。
【図16】図15のリング共振器の光波の周波数に対する共振特性を示す図である。
【図17】図15のリング共振器の伝搬回数の1周異なる光波の位相差に対する共振特性を示す図である。
【図18】反射形の共振形光ファイバジャイロの構成図を示すブロック図である。
【図19】透過形の共振形光ファイバジャイロの構成図を示すブロック図である。
【図20】偏波保持ファイバを用いたリング共振器とスプライス箇所を示す図である。
【図21】固有偏波状態(ESOP)を示す概念図である。
【図22】偏波保持ファイバを用いたリング共振器における90°スプライスを説明するための図である。
【図23】リング共振器で偏波の90°回転を行った場合の共振特性を示す図である。
【図24】偏波保持ファイバを用いたリング共振器(反射形)を示す図である。
【図25】共振微分特性におけるESOP1,ESOP2及び干渉成分を説明するためのグラフである。
【図26】僅かな偏波依存性により誤差が急激に増大する様子を示す図である。
【符号の説明】
1,6,8,16,20,32,35,37…カプラ
2,4,7,9,11,14,17,21…リング
3,10,13…入力側カプラ
5,12,15…出力側カプラ
31,34…リード部
33,36…センシングループ

Claims (12)

  1. 光波を伝搬させる2つの偏波軸を有する導波路により形成されるセンシングループならびに前記センシングループ中に挿入され、レーザ光源からの光波を前記センシングループに導くとともに該センシングループの光波を出射させるカプラからなり、前記センシングループ中に偏波を回転させる点を有する反射形リング共振器においてリング共振器の回転角速度により生ずるサニャック効果である非相反的効果を計測する方法において、
    前記カプラと前記偏波を回転させる点で分割される導波路の2つの部分の長さL1 およびL2 の差をΔL、導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差をΔβとしたとき、前記ΔLとΔβの関係が、
    ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)又は、近傍の値
    になるようにし偏波変動により誘起される誤差を最小にするように前記ΔLを設定することを特徴とする共振形光ファイバジャイロにおける偏波変動誘起ドリフトを低減させる方法。
  2. 光波を伝搬させる2つの偏波軸を有する導波路により形成されるセンシングループ,前記センシングループ中に挿入され、レーザ光源からの光波を前記センシングループに導くとともに該センシングループの光波を出射させるカプラからなり、前記センシングループ中に偏波を回転させる点を有する反射形の共振形光ファイバジャイロ装置において、
    リング共振器の回転角速度により生ずるサニャック効果である非相反的効果を計測するため、前記カプラと前記偏波を回転させる点で分割される導波路の2つの部分の長さL1 およびL2 の差をΔL、導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差をΔβとしたとき、前記ΔLとΔβの関係が、
    ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)又は、近傍の値
    になるようにし偏波変動により誘起される誤差を最小にするように前記ΔLを設定することを特徴とする共振形光ファイバジャイロ装置。
  3. 光波を伝搬させる2つの偏波軸を有する導波路により形成されるセンシングループ,前記センシングループ中に挿入され、レーザ光源からの光波を前記センシングループに導く第1のカプラならびに前記センシングループの光波を出射させる第2のカプラからなり、前記センシングループ中に偏波を回転させる点を有する透過形リング共振器においてリング共振器の回転角速度により生ずるサニャック効果である非相反的効果を計測する方法において、
    前記第1のカプラと前記偏波を回転させる点で分割される導波路の2つの部分の長さL1 とL2 の差をΔL、導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差をΔβとしたとき、前記ΔLとΔβの関係が、
    ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)又は、近傍の値
    になるようにし偏波変動により誘起される誤差を最小にするように前記ΔLを設定することを特徴とする共振形光ファイバジャイロにおける偏波変動誘起ドリフトを低減させる方法。
  4. 光波を伝搬させる2つの偏波軸を有する導波路により形成されるセンシングループ,前記センシングループ中に挿入され、レーザ光源からの光波を前記センシングループに導く第1のカプラならびに前記センシングループの光波を出射させる第2のカプラからなり、前記センシングループ中に偏波を回転させる点を有する透過形の共振形光ファイバジャイロ装置において、
    リング共振器の回転角速度により生ずるサニャック効果である非相反的効果を計測するため、前記第1のカプラと前記偏波を回転させる点で分割される導波路の2つの部分の長さL1 とL2 の差をΔL、導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差をΔβとしたとき、前記ΔLとΔβの関係が、
    ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)又は、近傍の値
    になるようにし偏波変動により誘起される誤差を最小にするように前記ΔLを設定することを特徴とする共振形光ファイバジャイロ装置。
  5. 光波を伝搬させる2つの偏波軸を有する導波路により形成されるセンシングループ,前記センシングループ中に挿入され、レーザ光源からの光波を前記センシングループに導く第1のカプラならびに前記センシングループの光波を出射させる第2のカプラからなり、前記センシングループ中に偏波を回転させる点を有する透過形リング共振器においてリング共振器の回転角速度により生ずるサニャック効果である非相反的効果を計測する方法において、
    前記第1のカプラ,前記偏波を回転させる点および前記第2のカプラで導波路を3つの部分に分割し、その内、前記第1のカプラと偏波を回転させる点までの長さをL1 、偏波を回転させる点から前記第2のカプラまでの長さをL2 、第2のカプラから第1のカプラまでの長さをL3 ,L1 と偏波を回転させる点から前記第2のカプラを経て前記第1のカプラまでの長さ(L2 +L3 )の差をΔL及び導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数の差をΔβとしたとき、前記ΔLとΔβとL3 の関係が、
    ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)もしくは近傍の値
    かつ、ΔβL3 =mπ[ rad] (m:整数)もしくは近傍の値
    になるようにし偏波変動により誘起される誤差を最小にするように前記ΔL及びL3 を設定することを特徴とする共振形光ファイバジャイロにおける偏波変動誘起ドリフトを低減させる方法。
  6. 光波を伝搬させる2つの偏波軸を有する導波路により形成されるセンシングループ,前記センシングループ中に挿入され、レーザ光源からの光波を前記センシングループに導く第1のカプラならびに前記センシングループの光波を出射させる第2のカプラからなり、前記センシングループ中に偏波を回転させる点を有する透過形の共振形光ファイバジャイロ装置において、
    リング共振器の回転角速度により生ずるサニャック効果である非相反的効果を計測するため、前記第1のカプラ,前記偏波を回転させる点および前記第2のカプラで導波路を3つの部分に分割し、その内、前記第1のカプラと偏波を回転させる点までの長さをL1 、偏波を回転させる点から前記第2のカプラまでの長さをL2 、第2のカプラから第1のカプラまでの長さをL3 ,L1 と偏波を回転させる点から前記第2のカプラを経て前記第1のカプラまでの長さ(L2 +L3 )の差をΔL及び導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数の差をΔβとしたとき、前記ΔLとΔβとL3 の関係が、
    ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)もしくは近傍の値
    かつ、ΔβL3 =mπ[ rad] (m:整数)もしくは近傍の値
    になるようにし偏波変動により誘起される誤差を最小にするように前記ΔL及びL3 を設定することを特徴とする共振形光ファイバジャイロ装置。
  7. 光波を伝搬させる2つの偏波軸を有する導波路により形成されるセンシングループならびに前記センシングループ中に挿入され、レーザ光源からの光波を前記センシングループに導くとともに該センシングループの光波を出射させるカプラからなり、前記センシングループ中に偏波を回転させる点を有するリング共振器においてリング共振器の回転角速度により生ずるサニャック効果である非相反的効果を計測する方法において、
    前記偏波を回転させる点が2箇所であり、
    前記カプラと前記偏波を回転させる2箇所で分割される導波路を3つの部分に分割し、その内、前記カプラと第1の偏波を回転する点までの長さL1 と前記カプラと第2の偏波を回転する点までの長さL2 の差をΔL、導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差Δβの関係が、
    ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)又は、近傍の値
    になるようにし偏波変動により誘起される誤差を最小にするように前記ΔLを設定することを特徴とする共振形光ファイバジャイロにおける偏波変動誘起ドリフトを低減させる方法。
  8. 光波を伝搬させる2つの偏波軸を有する導波路により形成されるセンシングループならびに前記センシングループ中に挿入され、レーザ光源からの光波を前記センシングループに導くとともに該センシングループの光波を出射させるカプラからなり、前記センシングループ中に偏波を回転させる点を有する共振形光ファイバジャイロ装置において、
    リング共振器の回転角速度により生ずるサニャック効果である非相反的効果を計測するため、前記偏波を回転させる点が2箇所であり、
    前記カプラと前記偏波を回転させる2箇所で分割される導波路を3つの部分に分割し、その内、前記カプラと第1の偏波を回転する点までの長さL1 と前記カプラと第2の偏波を回転する点までの長さL2 の差をΔL、導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差Δβの関係が、
    ΔβΔL=π+2nπ[ rad] (n:整数)又は、近傍の値
    になるようにし偏波変動により誘起される誤差を最小にするように前記ΔLを設定することを特徴とする共振形光ファイバジャイロ装置。
  9. 偏波を回転させる点における偏波の回転角度は約90°であることを特徴とする請求項2,請求項4または請求項6記載の共振形光ファイバジャイロ装置
  10. 偏波を回転させる点における偏波の回転角度は約45°であることを特徴とする請求項8記載の共振形光ファイバジャイロ装置
  11. 前記光波を伝搬させる2つの偏波軸を有した導波路は、光ファイバであり、
    偏波を回転させる点は、光ファイバの融着(スプライス)点であることを特徴とする請求項2,請求項4,請求項6または請求項8記載の共振形光ファイバジャイロ装置。
  12. 前記カプラまたは第1のカプラに入力するため光波を伝搬させる2つの偏波軸を有した導波路の入力端から前記カプラまたは第1のカプラまでの長さをLiCW およびLiCCWとしたとき、前記LiCW およびLiCCWと前記導波路の有する2つの偏波軸の伝搬定数差Δβの関係が、
    ΔβLiCW =Pπ[ rad] (P:整数)又は、近傍の値
    ΔβLiCCW=Qπ[ rad] (Q:整数)又は、近傍の値
    となるように設定したことを特とする請求項2,請求項4,請求項6または請求項8記載の共振形光ファイバジャイロ装置。
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