JP4558061B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

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本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光できる有機電界発光素子(以下、「有機EL素子」又は「素子」ともいう。)に関する。
有機電界発光素子(有機EL素子)は、低電圧駆動で高輝度の発光が得られることから活発に研究開発が行われている。有機電界発光素子は、一対の電極間に有機層を有し、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とが有機層において再結合し、生成した励起子のエネルギーを発光に利用するものである。
近年、燐光発光材料を用いることにより、素子の高効率化が進んでいる。燐光発光材料としてはイリジウム錯体や白金錯体などが知られているが(例えば、特許文献1および特許文献2参照)、高効率と高耐久性を両立する素子の開発には至っておらず、両者を両立しうる燐光材料の開発が切望されているのが現状である。
また、燐光発光材料として、3つの6員環と1つの5員環からなる4座配位子を有する白金錯体を発光層に含有する有機電界発光素子が知られている(例えば、特許文献3及び特許文献4参照)。
米国特許第6303238号明細書 国際公開第00/57676号パンフレット 特開2006−261623号公報 特開2008−37848号公報
上記特許文献3及び4に記載の白金錯体を用いた有機電界発光素子は、高輝度で駆動したときに、時間経過に伴って駆動電圧が上昇し、消費電力が上昇するという問題がある。
本発明の目的は、高輝度駆動したときでも、時間経過に伴う駆動電圧の上昇が少ない有機電界発光素子を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、一般式(I)で表される化合物を有機層に含有する有機電界発光素子が、上記課題を解決することを見出した。すなわち、上記課題は以下の手段により解決することができる。
〔1〕一対の電極間に、少なくとも発光層を含む有機層を有する有機電界発光素子であって、下記一般式(II−a−1)で表される化合物を前記有機層の少なくともいずれかの層に含有する有機電界発光素子。
Figure 0004558061
式中、X101、X102、X103は、各々独立に、置換基を有していてもよい炭素原子であり、X104、X105、X106、X107、X108、X111、X112、X113は、各々独立に、無置換の炭素原子であり、X114が無置換の炭素原子であり、X115が置換基を有していてもよい窒素原子であり、X116は炭素原子であり、Lが、−C(R81)(R82)−又は−N(R89)−であり、R81、R82が、それぞれ、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、R89が、それぞれ、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、環Q53は5員環を表し、5員環を形成する原子間の結合は単結合または二重結合である。環Q51、環Q52、環Q53、及び環Q54とPtの結合を表す実線は共有結合を表し、破線は配位結合を表す
〔2〕
前記置換基が、アルキル基シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基、フッ素原子、又はヘテロ環基であることを特徴とする〔1〕に記載の有機電界発光素子。
〔3〕
前記置換基が、メチル基、トリフルオロメチル基、フッ素原子、メトキシ基、アリール基、シアノ基であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の有機電界発光素子。
〔4〕
一般式(II−a−1)で表される化合物を前記発光層に含有することを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
〔5〕
重水素原子を少なくとも1つ有する材料を、前記有機層の少なくともいずれかの層に含有することを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
〔6〕
前記重水素原子を少なくとも1つ有する材料が、重水素原子を少なくとも1つ有する、カルバゾール骨格またはインドール骨格のいずれかを含む材料であることを特徴とする〔5〕に記載の有機電界発光素子。

〕のいずれか一項に記載の一般式(II−a−1)で表される発光材料。

〕のいずれか一項に記載の一般式(II−a−1)で表される化合物のいずれかを含有する発光層。

〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた表示素子。
10
〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いたディスプレイ。
11
〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた照明光源。
本発明は、上記〔1〕〜〔11〕に係る発明であるが、以下、それ以外の事項についても記載している。
本発明によれば、高輝度駆動したときでも時間経過に伴う駆動電圧の上昇が少なく、消費電力に優れた有機電界発光素子を提供することができる。従って、本発明の有機電界発光素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等の分野に好適に使用できる。
以下、本発明に係る有機EL素子の好適な実施形態について説明する。
本発明に係る有機EL素子は、一対の電極間に、少なくとも発光層を含む有機層を有するものである。前記有機層は、有機化合物のみからなる層であっても良いし、有機化合物と無機化合物をともに含有する層であってもよい。前記有機層としては、発光層の他に正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、励起子ブロック層等を含んでいてもよい。各層は、それぞれ他の機能を兼備していても良い。また、各層は複数の層から形成されていてもよい。
有機層の積層の態様としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が好ましい。更に、正孔輸送層と発光層との間、及び/又は、発光層と電子輸送層との間には、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には、電子注入層を有してもよい。
前記有機層の少なくともいずれかの層は、前記一般式(I)で表される金属錯体を含有する。
前記一般式(I)で表される金属錯体は、その機能が限定されることはなく、発光材料、ホスト材料、励起子ブロック材料、電荷ブロック材料あるいは電荷輸送材料として利用することができ、その中でも発光材料、ホスト材料、電荷輸送材料として利用する場合がより好ましく、発光材料、ホスト材料として利用する場合が更に好ましく、発光材料として利用する場合が最も好ましい。
また、前記一般式(I)で表される化合物を含有する層は、前述の有機層のうちいずれの層にも含有することができるが、一般式(I)で表される化合物を発光層に含有することが好ましい。
発光層に一般式(I)で表される化合物を含有する場合は、発光材料またはホスト材料として発光層に含有することがより好ましく、発光材料として発光層に含有することがさらに好ましく、少なくとも一種のホスト材料と共に発光層に含有することが特に好ましい。
発光層に発光材料として含有する場合、前記一般式(I)で表される化合物の含有量は、発光層の総質量に対して、0.1質量%以上60質量%以下の範囲が好ましく、0.2質量%以上50質量%以下の範囲がより好ましく、0.3質量%以上40質量%以下の範囲がさらに好ましく、0.5質量%以上30質量%以下の範囲が最も好ましい。
なお、一般式(I)で表される化合物を発光層に発光材料として含有する場合、一般式(I)で表される化合物と後述の燐光発光材料を併用することができる。この場合、一般式(I)で表される化合物の含有量は、燐光発光材料全体の質量に対して、0.1質量%以上60質量%以下の範囲が好ましく、0.2質量%以上50質量%以下の範囲がより好ましく、0.3質量%以上40質量%以下の範囲がさらに好ましく、0.5質量%以上35質量%以下の範囲が最も好ましい。
前記一般式(I)で表される金属錯体を発光層以外の層(例えば電荷輸送層等)に用いる場合には、その層中において10質量%〜100質量%含まれることが好ましく、30質量%〜100質量%含まれることがより好ましい。
次に、一般式(I)、一般式(II)、一般式(II-a)、一般式(II-a-1)、一般式(II-b)、一般式(II-b-1)、一般式(III)、一般式(III-a)で表される化合物(以下、これらを総称して、「特定構造の金属錯体」ということもある。)について説明する。
なお、これらの一般式(I)等において、配位結合とは中性の配位子と金属の間で形成される結合を表し、共有結合とはアニオン性の配位子と金属カチオンの間で形成される結合を意味する。
また、以下の特定構造を有する金属錯体に関する説明における水素原子は、同位体(重水素原子等)も含み、またその他の置換基を構成する原子も、その同位体も含むものとする。
本明細書において置換基群Aとは以下のように定義される。
(置換基群A)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどが挙げられる。)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数3〜10であり、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、
スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、より好ましくはフッ素原子が挙げられる)、
シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
一般式(I)について説明する。
Figure 0004558061
式中、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X11、X12、X13、X16、Z1、Z2、Z3、及びZ4は、各々独立に炭素原子、窒素原子又はリン原子を表し、X14及びX15は、各々独立に炭素原子、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を表す。X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X11、X12、X13、X14、及びX15がさらに置換可能な場合は各々独立に置換基を有していてもよい。環Q3は5員環を表し、5員環を形成する原子間の結合は単結合または二重結合である。Mは2価の金属イオンを表す。M-Z1、M-Z2、M-Z3、及びM-Z4は、配位結合又は共有結合を表す。L1は二価の連結基を表す。
一般式(I)において、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X11、X12、X13、X16、Z1、Z2、Z3、及びZ4は、各々独立に炭素原子、窒素原子又はリン原子を表し、好ましくは炭素原子又は窒素原子を表す。
X14及びX15は、各々独立に炭素原子、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を表し、好ましくは炭素原子、窒素原子、または酸素原子であり、より好ましくは炭素原子または窒素原子であり、最も好ましくは炭素原子である。
X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X11、X12、X13、X14、及びX15がさらに置換可能な場合、置換基群Aを含む置換基から選択される置換基を各々独立に有していてもよい。好ましい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、スルフィノ基、ヘテロ環基、シリル基であり、より好ましくは置換又は無置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基、フッ素原子、ヘテロ環であり、さらに好ましくは、メチル基、トリフルオロメチル基、フッ素原子、メトキシ基、アリール基、シアノ基である。
環Q3は5員環を表し、5員環を形成する原子間の結合は単結合または二重結合を表す。5員環を形成する原子間の結合は、単結合及び二重結合のいかなる組み合わせでもよい。
Mは2価の金属イオンを表す。二価の金属イオンとしては特に限定されないが、白金イオン、パラジウムイオン、ニッケルイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、亜鉛イオンなどが挙げられ、白金イオン、パラジウムイオン、ニッケルイオン、銅イオンが好ましく、白金イオン、パラジウムイオン、ニッケルイオン、がより好ましく、白金イオンが特に好ましい。
M-Z1、M-Z2、M-Z3、及びM-Z4は、配位結合又は共有結合を表す。すなわち、M-Z1、M-Z2、M-Z3、及びM-Z4の結合のうちいずれか2つが配位結合を表し、他の2つは共有結合を表す。
は二価の連結基を表す。二価の連結基としては特に限定されないが、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子からなる二価の連結基が特に好ましく、下記の連結基群Aより選択される基が特に好ましい。
連結基群A:
Figure 0004558061
連結基群Aにおいて、R81、R82、R83、R84、R85、R86、R87、R88、R89、R90、R91、及びR92(R81〜R92)はそれぞれ独立に水素原子又は置換基群Aを含む置換基から選択される置換基を表す。R81〜R92が置換基を表す場合、該置換基は好ましくは置換基群Aから選ばれる置換基である。R81〜R92が置換可能な場合、さらに置換基を有していてもよく、R81とR82、R83とR84、R85とR86、R83とR85、R83とR86、R84とR86、あるいはR90とR91がそれぞれ互いに結合し環を形成してもよい。
は、好ましくは連結基群Aより選択される置換基であり、このうち-C(R81)(R82)-、-C(R83)(R84)C(R85)(R86)-、-Si(R87)(R88)-、-N(R89)-、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、または-CO-が好ましく、-C(R81)(R82)-、-C(R83)(R84)C(R85)(R86)-、-Si(R87)(R88)-、-O-、又は-S-がより好ましく、-C(R81)(R82)-、-C(R83)(R84)C(R85)(R86)-がさらに好ましい。
前記-C(R81)(R82)-において、R81及びR82は、好ましくは水素原子又は下記置換基群Bから選ばれる置換基である。
(置換基群B)
置換基は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子であり、より好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくはアルキル基、アリール基である。
前記-C(R83)(R84)C(R85)(R86)-において、R83、R84、R85及びR86は好ましくは水素原子又は置換基群Bから選ばれる置換基である。
前記-Si(R87)(R88)-において、R87及びR88は好ましくは水素原子又は置換基群Bから選ばれる置換基である。
前記-Ge(R90)(R91)- において、R90及びR91は好ましくは水素原子又は置換基群Bから選ばれる置換基である。
前記-N(R89)-において、R89は好ましくは水素原子又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基であり、さらに好ましくはアリール基である。
前記-P(R92)-において、R92はR89の好ましい範囲と同義である。
一般式(I)、一般式(II)、一般式(II-a)、一般式(II-a-1)、一般式(II-b)、一般式(II-b-1)、一般式(III)、一般式(III-a)の関係は以下の通りである。
一般式(I)で表される金属錯体は、好ましくは一般式(II)で表される金属錯体または一般式(III)で表される金属錯体である。
一般式(II)で表される金属錯体は、好ましくは一般式(II-a)で表される金属錯体、または一般式(II-b)で表される金属錯体である。
一般式(II-a)で表される金属錯体は、好ましくは一般式(II-a-1)で表される金属錯体である。
一般式(II-b)で表される金属錯体は、好ましくは一般式(II-b-1)で表される金属錯体である。
一般式(III)で表される金属錯体は、好ましくは一般式(III-a)で表される金属錯体である。
一般式(I)で表される金属錯体の好ましい態様の1つは、一般式(II)で表される金属錯体である。
一般式(II)で表される金属錯体について説明する。
Figure 0004558061
式中、X21、X22、X23、X24、X25、X26、X27、X28、X31、X32、X33、X36、Z11、Z12、及びZ14は、各々独立に炭素原子、窒素原子又はリン原子を表し、X34及びX35は各々独立に炭素原子、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を表す。X21、X22、X23、X24、X25、X26、X27、X28、X31、X32、X33、X34、及びX35がさらに置換可能な場合は各々独立に置換基を有していてもよい。環Q13は5員環を表し、5員環を形成する原子間の結合は単結合または二重結合である。環Q13とPtの結合、Pt-Z11、Pt-Z12、及びPt-Z14、は配位結合又は共有結合を表す。L2は二価の連結基を表す。
一般式(II)において、X21、X22、X23、X24、X25、X26、X27、X28、X31、X32、X33、X34、X35、X36、Z11、Z12、Z14、及びL2は、一般式(I)のX1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X11、X12、X13、X14、X15、X16、Z1、Z2、Z4、及びL1と同義であり、また好ましい範囲も同義である。
Q13は5員環を表し、5員環を形成する原子間の結合は単結合または二重結合を表す。5員環を形成する原子間の結合は、単結合及び二重結合のいかなる組み合わせでもよい。
環Q13とPtの結合、Pt-Z11、Pt-Z12、及びPt-Z14は、配位結合又は共有結合を表す。環Q13とPtの結合、Pt-Z11、Pt-Z12、及びPt-Z14の結合のうちいずれか2つが配位結合を表し、他の2つは共有結合を表す。
一般式(II)で表される金属錯体の好ましい態様の1つは、一般式(II-a)で表される金属錯体である。
一般式(II-a)で表される金属錯体について説明する。
Figure 0004558061
式中、X61、X62、X63、X64、X65、X66、X67、X68、X71、X72、X73、X76、Z31、Z32、及びZ34は、各々独立に炭素原子、窒素原子又はリン原子を表し、X74、及びX75は各々独立に炭素原子、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を表す。X61、X62、X63、X64、X65、X66、X67、X68、X71、X72、X73、X74、及びX75がさらに置換可能な場合は各々独立に置換基を有していてもよい。環Q33は5員環を表し、5員環を形成する原子間の結合は単結合または二重結合である。環Q33とPtの結合を表す破線は配位結合を表し、Pt-Z31、Pt-Z32、及びPt-Z34、は配位結合又は共有結合を表す。L4は二価の連結基を表す。
一般式(II-a)において、X61、X62、X63、X64、X65、X66、X67、X68、X71、X72、X73、X74、X75、X76、Z31、Z32、Z34、及びL4は、一般式(II)のX21、X22、X23、X24、X25、X26、X27、X28、X31、X32、X33、X34、X35、X36、Z11、Z12、Z14、及びL2と同義であり、また好ましい範囲も同義である。
Q33は5員環を表し、5員環を形成する原子間の結合は単結合または二重結合を表し、単結合、二重結合のいかなる組み合わせでもよい。
環Q33とPtの結合は配位結合を表し、Pt-Z21、Pt-Z22、及びPt-Z24は、配位結合又は共有結合を表す。Pt-Z21、Pt-Z22、及びPt-Z24の結合のうちいずれか1つが配位結合を表し、他の2つは共有結合を表す。
一般式(II-a)で表される金属錯体は、好ましくは一般式(II-a-1)で表される金属錯体である。
一般式(II-a-1)で表される金属錯体について説明する。
Figure 0004558061
式中、X101、X102、X103、X104、X105、X106、X107、X108、X111、X112、X113、及びX116は、各々独立に炭素原子、窒素原子又はリン原子を表し、X114、及びX115は各々独立に炭素原子、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を表す。X101、X102、X103、X104、X105、X106、X107、X108、X111、X112、X113、X114、及びX115がさらに置換可能な場合は各々独立に置換基を有していてもよい。環Q53は5員環を表し、5員環を形成する原子間の結合は単結合または二重結合である。環Q51、環Q52、環Q53、及び環Q54とPtの結合を表す実線は共有結合を表し、破線は配位結合を表す。L6は二価の連結基を表す。
一般式(II-a-1)において、X101、X102、X103、X104、X105、X106、X107、X108、X111、X112、X113、X114、X115、X116及びL6は、一般式(II-a)のX61、X62、X63、X64、X65、X66、X67、X68、X71、X72、X73、X74、X75、X76、及びL4と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
Q53は5員環を表し、5員環を形成する原子間の結合は単結合または二重結合を表し、単結合、二重結合のいかなる組み合わせでもよい。
環Q51とPt、及び環Q54とPtの結合を表す実線は共有結合を表し、環Q52とPt、及び環Q53とPtの結合を表す破線は配位結合を表す。
一般式(II)で表される金属錯体の好ましい態様の1つは、一般式(II-b)で表される金属錯体である。
一般式(II-b)で表される金属錯体について説明する。
Figure 0004558061
式中、X81、X82、X83、X84、X85、X86、X87、X88、X91、X92、X93、X94、X95、Z41、Z42、及びZ44は、各々独立に炭素原子、窒素原子又はリン原子を表す。X81、X82、X83、X84、X85、X86、X87、X88、X91、X92、X93、X94、及びX95がさらに置換可能な場合は各々独立に置換基を有していてもよい。環Q33とPtの結合を表す実線は共有結合を表し、Pt-Z41、Pt-Z42、及びPt-Z44、は配位結合又は共有結合を表す。L5は二価の連結基を表す。
一般式(II-b)において、X81、X82、X83、X84、X85、X86、X87、X88、X91、X92、X93、Z41、Z42、及びZ44、及びL5は、一般式(II)のX21、X22、X23、X24、X25、X26、X27、X28、X31、X32、X33、Z11、Z12、Z14、及びL2と同義であり、また好ましい範囲も同義である。
X94、及びX95は、各々独立に炭素、窒素又はリンから選択される原子を表し、好ましくは炭素原子、窒素原子である。
X94、及びX95がさらに置換可能な場合、置換基群Aを含む置換基から選択される置換基を各々独立に有していてもよい。好ましい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、スルフィノ基、ヘテロ環基、シリル基であり、より好ましくは置換又は無置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基、フッ素原子、ヘテロ環であり、さらに好ましくは、メチル基、トリフルオロメチル基、フッ素原子、メトキシ基、アリール基、シアノ基である。
環Q43とPtの結合は共有結合を表し、Pt-Z21、Pt-Z22、及びPt-Z24は、配位結合又は共有結合を表す。Pt-Z21、Pt-Z22、及びPt-Z24の結合のうちいずれか2つが配位結合を表し、他の1つは共有結合を表す。
一般式(II-b)で表される金属錯体は、好ましくは一般式(II-b-1)で表される金属錯体である。
一般式(II-b-1)で表される金属錯体について説明する。
Figure 0004558061
式中、X121、X122、X123、X124、X125、X126、X127、X128、X131、X132、X133、X134、及びX135は、各々独立に炭素原子、窒素原子又はリン原子を表す。X121、X122、X123、X124、X125、X126、X127、X128、X131、X132、X133、X134、及びX135がさらに置換可能な場合は各々独立に置換基を有していてもよい。環Q61、環Q62、環Q63、及び環Q64とPtの結合を表す実線は共有結合を表し、破線は配位結合を表す。L7は二価の連結基を表す。
一般式(II-b-1)において、X121、X122、X123、X124、X125、X126、X127、X128、X131、X132、X133、X134、X135、及びL7は、一般式(II-b)のX81、X82、X83、X84、X85、X86、X87、X88、X91、X92、X93、X94、X95、及びL5と同義であり、また好ましい範囲も同義である。
環Q62とPt、及び環Q63とPtの結合を表す実線は共有結合を表し、環Q61とPt、及び環Q64とPtの結合を表す破線は配位結合を表す。
一般式(I)で表される金属錯体の好ましい態様の1つは、一般式(III)で表される金属錯体である。
一般式(III)で表される金属錯体について説明する。
Figure 0004558061
式中、X41、X42、X43、X44、X45、X46、X47、X48、X51、X52、X53、X56、Z21、Z22、及びZ24は、各々独立に炭素原子、窒素原子又はリン原子を表し、X54及びX55は各々独立に炭素原子、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を表す。X41、X42、X43、X44、X45、X46、X47、X48、X51、X52、X53、X54、及びX55がさらに置換可能な場合は各々独立に置換基を有していてもよい。環Q23は5員環を表し、5員環を形成する原子間の結合は単結合または二重結合である。環Q23とPtの結合は共有結合を表し、Pt-Z21、Pt-Z22、及びPt-Z24、は配位結合又は共有結合を表す。L3は二価の連結基を表す。
一般式(III)において、X41、X42、X43、X44、X45、X46、X47、X48、X51、X52、X53、X54、X55、X56、Z21、Z22、Z24、及びL3は、一般式(I)のX1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X11、X12、X13、X14、X15、X16、Z1、Z2、Z4、及びL1と同義であり、また好ましい範囲も同義である。
Q23は5員環を表し、5員環を形成する原子間の結合は単結合または二重結合を表し、単結合、二重結合のいかなる組み合わせでもよい。
環Q23とPtの結合は共有結合を表し、Pt-Z21、Pt-Z22、及びPt-Z24、は配位結合又は共有結合を表す。
Pt-Z21、Pt-Z22、及びPt-Z24は、配位結合又は共有結合を表す。Pt-Z21、Pt-Z22、及びPt-Z24の結合のうちいずれか2つが配位結合を表し、他の1つは共有結合を表す。
一般式(III)で表される金属錯体は、好ましくは一般式(III-a)で表される金属錯体である。
一般式(III-a)で表される金属錯体について説明する。
Figure 0004558061
式中、X141、X142、X143、X144、X145、X146、X147、X148、X151、X152、X153、及びX156は、各々独立に炭素原子、窒素原子又はリン原子を表し、X154、及びX155は各々独立に炭素原子、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を表す。X141、X142、X143、X144、X145、X146、X147、X148、X151、X152、X153、X154、及びX155がさらに置換可能な場合は各々独立に置換基を有していてもよい。環Q73は5員環を表し、5員環を形成する原子間の結合は単結合または二重結合である。環Q71、環Q72、環Q73、及び環Q74とPtの結合を表す実線は共有結合を表し、破線は配位結合を表す。L8は二価の連結基を表す。
一般式(III-a)において、X141、X142、X143、X144、X145、X146、X147、X148、X151、X152、X153、X154、X155、X156、及びL6は、一般式(III)のX41、X42、X43、X44、X45、X46、X47、X48、X51、X52、X53、X54、X55、X56、及びL3と同義であり、また好ましい範囲も同義である。
Q83は5員環を表し、5員環を形成する原子間の結合は単結合または二重結合を表し、単結合、二重結合のいかなる組み合わせでもよい。
環Q72とPt、及び環Q73とPtの結合を表す実線は共有結合を表し、環Q71とPt、及び環Q74とPtの結合を表す破線は配位結合を表す。
以下に、一般式(I)で表される金属錯体の具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の具体例においては、一般式(I)で表される化合物を下記一般式(A)で表し、一般式(A)におけるQ、Q、Q、Q、及びLに用いることのできる部分構造群を示す。
部分構造Q、Q、Q、及びQ中のM、Lはそれぞれ一般式(A)のM、Lに対応する。Qは、〔Qで表される部分構造〕中のQはQを表し、〔Qで表される部分構造〕中のQはQを表し、〔Qで表される部分構造〕中のQはQを表し、〔Qで表される部分構造〕中のQはQを表す。
Figure 0004558061
また、以下の部分構造群において、Qに用いることのできる部分構造群は、〔QB60CN〕、及び〔QB61CC〕で表される部分構造群である。
に用いることのできる部分構造群は〔QT60CN〕、及び〔QT61CC〕で表される部分構造群である。
に用いることのできる部分構造群は〔QT51CC〕、〔QT51CN〕、〔QT50CN〕、で表される部分構造群である。
に用いることのできる部分構造群は〔QB61CC〕、〔QB60CN〕で表される部分構造群である。
Lに用いることのできる部分構造は〔L〕で表される部分構造群である。〔L〕の部分構造群中の2個のQは左側のQがQBを、右側のQがQCを表す。
〔Q、Qで表される部分構造〕
部分構造群QB60CNを以下に示す。
〔QB60CN〕:
Figure 0004558061
Figure 0004558061
部分構造群QB61CCを以下に示す。
〔QB61CC〕:
Figure 0004558061
Figure 0004558061
Figure 0004558061
Figure 0004558061
〔Qで表される部分構造〕
部分構造群QT60CNを以下に示す。
〔QT60CN〕:
Figure 0004558061
Figure 0004558061
部分構造群QT61CCを以下に示す。
〔QT61CC〕:
Figure 0004558061
Figure 0004558061
Figure 0004558061
Figure 0004558061
[Qで表される部分構造]
部分構造群QT51CCを以下に示す。
〔QT51CC〕:
Figure 0004558061
Figure 0004558061
Figure 0004558061
部分構造群QT51CNを以下に示す。
〔QT51CN〕:
Figure 0004558061
部分構造群QT50CNを以下に示す。
〔QT50CN〕:
Figure 0004558061
Figure 0004558061
Figure 0004558061
[連結基L]
連結基Lの部分構造群〔L〕を以下に示す。
〔L〕:
Figure 0004558061
Figure 0004558061
Figure 0004558061
一般式(I)で表される化合物は、以上の部分構造QA〜QDの組み合わせ(QA、QB、QC、QD)が、
(QB60CN、QT60CN、QT51CC、QB61CC)
(QB60CN、QT60CN、QT51CN、QB61CC)
(QB60CN、QT61CC、QT50CN、QB61CC)
(QB60CN、QT61CC、QT51CC、QB60CN)
(QB60CN、QT61CC、QT51CN、QB60CN)
(QB61CC、QT60CN、QT50CN、QB61CC)
(QB61CC、QT60CN、QT51CC、QB60CN)
(QB61CC、QT60CN、QT51CN、QB60CN)
(QB61CC、QT61CC、QT50CN、QB60CN)
となるように、各部分構造群から選ばれた4つの部分構造と、連結基Lの群と、二価の金属イオンから、選ばれる任意の組み合わせによって、表すことができる。
例えば、一般式(I)で表される化合物として下記に示される化合物は上記一般式(A)におけるQAがQB60CN-1を表し、QBがQT61CC-1を表し、QCがQT51CN-3を表し、QDがQB60CN-1を表し、LがL-1を表し、Mが白金原子を表すことを意味する。
Figure 0004558061
下記に具体的な化合物例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004558061
Figure 0004558061
Figure 0004558061
Figure 0004558061
Figure 0004558061
Figure 0004558061
Figure 0004558061
前記特定構造を有する金属錯体は、低分子化合物であってもよいし、オリゴマー化合物、ポリマー化合物であってもよいが、低分子化合物であることが好ましい。
ポリマー化合物の場合は、重量平均分子量(ポリスチレン換算)は好ましくは2000以上、より好ましくは2000〜1000000、さらに好ましくは3000〜100000である。また、ポリマー化合物の場合、前記各一般式で表される構造がポリマー主鎖中に含まれてもよいし、ポリマー側鎖に含まれていてもよい。また、ポリマー化合物の場合、ホモポリマー化合物であってもよいし、コポリマー化合物であってもよい。
前記特定構造を有する金属錯体がポリマー化合物である場合の具体例を以下に示すが、これらには限定されない。
一般式(I)で表される化合物は、公知の合成法により合成することができる。具体的は、配位子となる化合物と金属源とを、公知の手法に従って、溶媒の存在下または非存在下、塩基の存在下又は非存在下、室温以下又は加熱下で反応させることにより得られる。
公知の方法としては、Journal of Organic Chemistry 53, 786, (1988) 、G. R. Newkomeet al.)の、789頁、左段53行〜右段7行に記載の方法、790頁、左段18行〜38行に記載の方法、790頁、右段19行〜30行に記載の方法、Chemische Berichte 113, 2749 (1980)、H. Lexy ほか)の、2752 頁、26行〜35行に記載の方法等が挙げられる。
金属源としては、例えば、塩化白金、臭化白金、プラチナアセチルアセトナート、塩化白金酸カリウム、塩化パラジウム、塩化パラジウム酸ナトリウム、酢酸銅、銅アセチルアセトナート、ジクロロ(N,N,N’,N’−テトラメチレンジアミン)亜鉛、酢酸亜鉛等を使用できる。
溶媒を使用する場合は、例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキサイド系溶媒、水などを使用することができる。より具体的には、アセトニトリル、ベンゾニトリル、酢酸、エタノール、メトキシエタノール、グリセロール、水、及び、これらの混合溶媒を用いることができる。
塩基を使用する場合は、無機化合物あるいは有機化合物の種々の塩基を用いることができる。例えば、ナトリウムメトキサイド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、炭酸カリウムなどを使用することができる。
前記反応の反応温度は反応の活性により異なり、−30℃〜400℃の範囲で行なうことができる。好ましくは、0℃〜350℃であり、25℃〜250℃がより好ましい。なお、加熱する場合は通常の加熱手段以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も用いることができる。
反応時間は反応原料の活性により異なり、通常1分〜60時間の範囲で行なうことができる。好ましくは、30分〜24時間であり、1時間〜5時間がより好ましい。
その他、反応を促進させる添加剤(トリフルオロメタンスルホン酸銀、ピリジン、トリエチルアミンなど)を添加させてもよい。また、反応は不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガスなど)の存在下で行なってもよい。
前記有機層には、重水素原子を少なくともひとつ有する材料を用いることが好ましい。重水素原子を少なくともひとつ有する材料を用いることにより、耐久性をより向上させることができる。
重水素原子を少なくともひとつ有する材料は、いずれの有機層に含まれていても良いが、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、励起子ブロック層、電荷ブロック層のいずれか、もしくは複数に含有されるのが好ましく、発光層、励起子ブロック層、電荷ブロック層のいずれか、もしくは複数に含有されるのがより好ましく、発光層に含有されるのがさらに好ましく、特に発光層中のホスト材料として含有されるのが好ましい。
重水素原子を少なくとも1つ有する材料とは、有機材料であっても、無機材料であっても、その両方であってもよいが、有機材料であることが好ましい。
重水素原子を少なくとも1つ有する有機材料とは、有機材料における水素原子または重水素原子が結合し得る位置において、重水素原子と水素原子の比率(重水素原子の原子数:水素原子の原子数)が、100:0から1:99の範囲に含まれていることを意味する。ここで、水素原子または重水素原子が結合し得る位置は、1分子中、少なくとも特定の1箇所から全部の範囲の何れでもよい。言い換えれば、上記比率は水素原子または重水素原子が結合し得る位置の総和において、重水素原子が占める割合(重水素化率)が1〜100%であることと同義である。
従って、上記比率の状態は、当該位置に重水素を含む化合物と重水素を含まない化合物を、適当な比率で同時に使用することによって実現できる。
重水素原子と水素原子の組成の範囲として、好ましくは100:0から5:95であり、より好ましくは100:0から50:50であり、特に好ましくは100:0から80:20である。
重水素原子を少なくとも1つ有する有機材料としては、例えば、国際公開第02−47440号パンフレットに記載の化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
重水素原子を少なくとも1つ有する有機材料の好ましいものとしては、窒素原子を含む材料である。窒素原子を含む材料の中でも、三級アミン骨格、カルバゾール骨格、または、インドール骨格を含む材料が好ましく、カルバゾール骨格、または、インドール骨格を含む材料がより好ましく、カルバゾール骨格を含む材料が特に好ましい。
重水素原子を少なくとも1つ有する、カルバゾール骨格またはインドール骨格を含む材料としては、例えば、以下に示すものが挙げられる。
Figure 0004558061
Figure 0004558061
次に、有機EL素子を構成する各要素について説明する。
<有機層>
有機層は少なくとも発光層を含み、単層でも複数の層から構成されていてもよい。複数の層から構成される場合は、発光層以外の有機層としては、前述したごとく、正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
−有機層の形成−
有機層を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても好適に形成することができる。
−発光層−
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
発光層は1層であってもよいし、2層以上から形成されていてもよい。2層以上の場合は、それぞれの層が異なる発光色で発光するものであてもよい。
発光層は、発光材料のみで構成されていてもよいし、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でも良い。
ここで、ホスト材料とは、発光層を構成する材料のうち、発光材料以外のものであり、発光材料を分散して層中に保持する機能、陽極や正孔輸送層等から正孔を受け取る機能、陰極や電子輸送層等から電子を受け取る機能、正孔及び/または電子を輸送する機能、正孔と電子の再結合の場を提供する機能、再結合により生成した励起子のエネルギーを発光材料に移動させる機能、及び正孔及び/または電子を発光材料に輸送する機能のうち少なくとも一種の機能を有する材料を意味する。
ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は一種であっても二種以上であっても良く、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいても良い。
ホスト材料としては、例えば、カルバゾール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するもの及びアリールシラン骨格を有するものや、後述の正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層の項で例示されている材料が挙げられる。
また、ホスト材料としては、特開2002−100476号公報の段落0113〜0161に記載の化合物及び特開2004−214179号公報の段落0087〜0098に記載の化合物等を好適に用いることができる。
ホスト材料のガラス転移点は、100℃以上500℃以下であることが好ましく、110℃以上300℃以であることがより好ましく、120℃以上250℃以下であることがさらに好ましい。
ホスト材料の膜状態での蛍光波長は、400nm以上650nm以下の範囲であることが好ましく、420nm以上600nm以下の範囲であることがより好ましく、440nm以上550nm以下の範囲であることがさらに好ましい。
発光層中のホスト材料の濃度は、特に限定されないが、発光層中において主成分(含有量が一番多い成分)であることが好ましく、50質量%以上99.9質量%以下がより好ましく、70質量%以上99.8質量%以下がさらに好ましく、80質量%以上99.7質量%以下が特に好ましく、90質量%以上99.5質量%以下が最も好ましい。
発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であってもよく、一種のみ用いてもよいし、二種以上用いてもよい。
発光材料としては、前記特定構造を有する金属錯体を使用することができる。また、その他の発光材料としては、下記の蛍光発光材料及び/又は燐光発光材料を使用することができる。
蛍光発光材料としては、一般には、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ピラン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、縮合多環芳香族化合物(アントラセン、フェナントロリン、ピレン、ペリレン、ルブレン、またはペンタセンなど)、8−キノリノールの金属錯体、ピロメテン錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、およびこれらの誘導体などを挙げることができる。
燐光発光材料としては、一般に、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体を挙げることができる。
例えば、該遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、金、銀、銅、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金であり、更に好ましくはイリジウム、白金である。
ランタノイド原子としては、例えばランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、およびルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry, Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer−Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
具体的な配位子としては、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、酢酸配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。上記錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
燐光発光材料の好ましい具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。下記化合物と前記一般式(I)で表される化合物を発光材料として併用することが特に好ましい。
Figure 0004558061
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発光材料は、一般的に発光層を形成する全化合物質量に対して、0.1質量%以上60質量%以下の範囲が好ましく、0.2質量%以上50質量%以下の範囲がより好ましく、0.3質量%以上40質量%以下の範囲がさらに好ましく、0.5質量%以上30質量%以下の範囲が最も好ましい。
発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
−正孔注入層、正孔輸送層−
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、フェニルアゾールやフェニルアジンを配位子に有するIr錯体に代表される各種金属錯体等を含有する層であることが好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、正孔注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.5nm〜100nmであるのがより好ましく、1nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
−電子注入層、電子輸送層−
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層、電子輸送層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
電子注入層、電子輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.2nm〜100nmであるのがより好ましく、0.5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
−正孔ブロック層−
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機層として、正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、アルミニウム(III)ビス(2-メチル-8-キノリナト)4-フェニルフェノレート(Aluminum (III) bis (2-methyl-8-quinolinato) 4-phenylphenolate(BAlqと略記する))等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(2,9-Dimethyl-4,7-diphenyl-1,10-phenanthroline(BCPと略記する))等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
<陽極>
陽極は、通常、有機層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
陽極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物が好適に挙げられる。陽極材料の具体例としては、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。この中で好ましいのは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からはITOが好ましい。
陽極は、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、陽極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って、前記基板上に形成することができる。例えば、陽極の材料として、ITOを選択する場合には、陽極の形成は、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って行うことができる。
陽極の形成位置としては特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができる。が、前記基板上に形成されるのが好ましい。この場合、陽極は、基板における一方の表面の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
陽極を形成する際のパターニングとしては、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陽極の厚みとしては、陽極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常、10nm〜50μm程度であり、50nm〜20μmが好ましい。
陽極の抵抗値としては、103Ω/□以下が好ましく、102Ω/□以下がより好ましい。陽極が透明である場合は、無色透明であっても、有色透明であってもよい。透明陽極側から発光を取り出すためには、その透過率としては、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、ここに記載される事項を本発明に適用することができる。耐熱性の低いプラスティック基材を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
<陰極>
陰極は、通常、有機層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。具体例としてはアルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、陰極を構成する材料としては、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。
アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されており、これらの公報に記載の材料は、本発明においても適用することができる。
陰極の形成方法については、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、前記した陰極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。例えば、陰極の材料として、金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って行うことができる。
陰極を形成するに際してのパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陰極形成位置は特に制限はなく、有機層上の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
また、陰極と前記有機層との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
陰極の厚みは、陰極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μm程度であり、50nm〜1μmが好ましい。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚さに薄く成膜し、更にITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
<保護層>
有機EL素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、SiNx、SiNxy等の金属窒化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
<基板>
前記電極及び有機層は基板上に作製することができる。
基板としては、有機層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。その具体例としては、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
例えば、基板としてガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
基板の形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、基板の形状としては、板状であることが好ましい。基板の構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、また、単一部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよい。
基板は、無色透明であっても、有色透明であってもよいが、発光層から発せられる光を散乱又は減衰等させることがない点で、無色透明であることが好ましい。
基板には、その表面又は裏面に透湿防止層(ガスバリア層)を設けることができる。
透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に用いられる。透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
熱可塑性基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
<封止容器>
本発明の有機EL素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
また、封止容器と有機EL素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
<駆動方法>
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機EL素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
<用途>
本発明の有機EL素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等に好適に利用できる。
以下に本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明の実施の態様はこれらに限定されない。
[実施例1−1〜1−20]
〔有機EL素子の作製(実施例1−1〜1−20)〕
厚み0.5mmで2.5cm角のITO膜を有するガラス基板(ジオマテック社製、表面抵抗10Ω/□)を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。この透明陽極(ITO膜)上に真空蒸着法にて以下の有機層1、有機層2、有機層3、有機層4を順次蒸着した。
本実施例における蒸着速度は、特に断りのない場合は0.2nm/秒である。蒸着速度はULVAC社製水晶振動子成膜コントローラーCRTM−9000を用いて測定した。
また、以下に記載の膜厚も、CRTM−9000の数値と、Dektak型触針式膜厚計で測定した膜厚をもとに作成した検量線から算出したものである。
<有機層1>表1に記載の正孔注入材料(HI):膜厚10nm
<有機層2>表1に記載の正孔輸送材料(HT):膜厚10nm
<有機層3>表1に記載のホスト材料(H)(95質量%)、及び表1に記載の発光材料(EM)(5質量%)の共蒸着:膜厚50nm
<有機層4>表1に記載の電子輸送材料(ET):膜厚40nm
最後にフッ化リチウム0.1nmおよび金属アルミニウムをこの順に100nm蒸着し陰極とした。これを大気に触れさせること無く、アルゴンガスで置換したグローブボックス内に入れ、ステンレス製の封止缶及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止し、実施例1−1〜1−22の有機EL素子を得た。
〔有機EL素子の作製(比較例1−1)〕
0.5mm厚み、2.5cm角のITO膜を有するガラス基板(ジオマテック社製、表面抵抗10Ω/□)を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。この透明陽極(ITO膜)上に真空蒸着法にて以下の有機層1、有機層2、有機層3、有機層4を順次蒸着した。
<有機層1>HI−4:膜厚10nm
<有機層2>HT−1:膜厚10nm
<有機層3>H−8(95質量%)、及び特開2008−37848号公報に記載の下記化合物(5質量%)の共蒸着:膜厚50nm
<有機層4>ET−1:膜厚40nm
最後にフッ化リチウム0.1nmおよび金属アルミニウムをこの順に100nm蒸着し陰極とした。これを大気に触れさせること無く、アルゴンガスで置換したグローブボックス内に入れ、ステンレス製の封止缶及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止し、比較例1−1の有機EL素子を得た。
〔有機EL素子の作製(比較例1−2)〕
比較例1−1において、特開2008−37848号公報に記載の化合物の代わりに、特開2006−261623号公報に記載の下記化合物を用いた以外は比較例1−1と同様にして比較例1−2の有機EL素子を作成した。
〔評価〕
(駆動時間に伴う駆動電圧の測定)
実施例1−1〜1−20、比較例1−1、及び比較例1−2の有機EL素子を、東京システム開発(株)製のOLEDテストシステムST−D型にセットし、定電流モードにて初期輝度1000cd/mの条件で駆動し、初期電圧と20時間後の電圧を測定し、駆動電圧の差を求めた。
比較例1−1、比較例1−2、及び実施例1−1〜1−20の有機EL素子の評価結果を下記表に示す。なお、下記表において、比較例1−2及び実施例1−1〜1−20の駆動電圧差は、比較例1−1の(20時間後の駆動電圧)−(初期電圧)を100とした相対値で示した数値である。
Figure 0004558061
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[実施例2−1〜2−3]
〔有機EL素子の作製(実施例2−1)〕
0.5mm厚み、2.5cm角のITO膜を有するガラス基板(ジオマテック社製、表面抵抗10Ω/□)を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。この透明陽極(ITO膜)上に真空蒸着法にて以下の有機層1、有機層2、有機層3、有機層4を順次蒸着した。
<有機層1>HI−4:膜厚10nm
<有機層2>HT−1:膜厚10nm
<有機層3>H−8(90質量%)、Ir(ppy)(5質量%)、及び本発明の化合物(5)(5質量%)の共蒸着:膜厚50nm
<有機層4>ET−1:膜厚40nm
最後にフッ化リチウム0.1nmおよび金属アルミニウムをこの順に100nm蒸着し陰極とした。これを大気に触れさせること無く、アルゴンガスで置換したグローブボックス内に入れ、ステンレス製の封止缶及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止し、実施例2−1の有機EL素子を得た。
〔有機EL素子の作製(実施例2−2)〕
実施例2−1において、本発明の化合物(5)の代わりに、本発明の化合物(7)を用いた以外は実施例2−1と同様にして実施例2−2の有機EL素子を作製した。
〔有機EL素子の作製(実施例2−3)〕
実施例2−1において、本発明の化合物(5)の代わりに、本発明の化合物(8)を用いた以外は実施例2−1と同様にして実施例2−3の有機EL素子を作製した。
〔有機EL素子の作製(比較例2−1)〕
比較例1−1において、特開2008−37848号公報に記載の化合物の代わりに、Ir(ppy)3を用いた以外は比較例1−1と同様にして比較例2−1の有機EL素子を作製した。
〔評価〕
(駆動時間に伴う駆動電圧の測定)
実施例2−1〜2−3及び比較例2−1の有機電界発光素子を、東京システム開発(株)製のOLEDテストシステムST−D型にセットし、定電流モードにて初期輝度1000cd/mの条件で駆動し、初期電圧と20時間後の電圧を測定し、駆動電圧の差を求めた。
実施例2−1〜2−3及び比較例2−1の有機EL素子の評価結果を下記表に示す。なお、下記表において、実施例2−1〜2−3の駆動電圧差は、比較例2−1の(20時間後の駆動電圧)−(初期電圧)を100とした相対値で示した数値である。
Figure 0004558061
上記実施例により、本発明の化合物を用いることにより、時間経過に伴う電圧上昇が少ない有機EL素子が得られる。高輝度駆動したとき、消費電力に優れた発光素子を作製することができる。

Claims (11)

  1. 一対の電極間に、少なくとも発光層を含む有機層を有する有機電界発光素子であって、下記一般式(II−a−1)で表される化合物を前記有機層の少なくともいずれかの層に含有する有機電界発光素子。
    Figure 0004558061
    式中、X101、X102、X103は、各々独立に、置換基を有していてもよい炭素原子であり、X104、X105、X106、X107、X108、X111、X112、X113は、各々独立に、無置換の炭素原子であり、X114が無置換の炭素原子であり、X115が置換基を有していてもよい窒素原子であり、X116は炭素原子であり、Lが、−C(R81)(R82)−又は−N(R89)−であり、R81、R82が、それぞれ、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、R89が、それぞれ、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、環Q53は5員環を表し、5員環を形成する原子間の結合は単結合または二重結合である。環Q51、環Q52、環Q53、及び環Q54とPtの結合を表す実線は共有結合を表し、破線は配位結合を表す
  2. 前記置換基が、アルキル基シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基、フッ素原子、又はヘテロ環基であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記置換基が、メチル基、トリフルオロメチル基、フッ素原子、メトキシ基、アリール基、シアノ基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
  4. 一般式(II−a−1)で表される化合物を前記発光層に含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
  5. 重水素原子を少なくとも1つ有する材料を、前記有機層の少なくともいずれかの層に含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
  6. 前記重水素原子を少なくとも1つ有する材料が、重水素原子を少なくとも1つ有する、カルバゾール骨格またはインドール骨格のいずれかを含む材料であることを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の一般式(II−a−1)で表される発光材料。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の一般式(II−a−1)で表される化合物のいずれかを含有する発光層。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた表示素子。
  10. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いたディスプレイ。
  11. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を用いた照明光源。
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