JP4556230B2 - 核酸検出容器 - Google Patents

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本発明は、核酸塩基配列の核酸増幅反応を利用する核酸検出用容器に関する。
核酸塩基配列の増幅方法は、例えばDNA合成の連鎖反応によるPolymerase Chain Reaction法(以下「PCR法」という、Science, 230:1350-1354,1985)やNASBA法(Nucleic Acid Sequence Based Amplification 法、Nature, 350,91-92,1991)及びLAMP法(特開2001-242169号公報)、ICAN法(特許登録番号3433929号)等が公知である。これらの核酸増幅反応は、複製増幅しようとする目的遺伝子や遺伝子領域(以下「目的遺伝子」という)の核酸塩基配列(以下「特定核酸」という)に相補的な1組の合成オリゴヌクレオチドプライマー(以下「プライマー」という)を用いて、液相中にて行われる。
特定核酸の増幅反応の成否の判定は、特定核酸とハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチドプローブ(以下「プローブ」という)と増幅反応後の検体を反応させ、ハイブリダイズ反応を通じて検出する。具体的には、核酸検出部位に特定核酸とハイブリダイズしうるプローブを固定化し、特定核酸をハイブリダイズさせ、ハイブリダイズした核酸をRI、蛍光物質、化学発光物質等の標識物質により検出するのが一般的である。
複数の目的遺伝子に含まれる特定核酸を複製増幅させ、目的遺伝子ごとの増幅反応の成否を判定したい場合には、特定核酸の数だけのプライマーの組を含む核酸増幅反応試薬、核酸増幅反応容器を準備し、核酸を増幅させ、各々の増幅処理した検体や試薬を各々の特定核酸の検出用容器に分注する必要があった。
上記核酸増幅方法、例えばPCR法により増幅して得られた物質を簡易に検出可能とするために、増幅反応及び核酸の検出反応を、同一の反応基板上で行う方法が各種試みられている。同一の反応基盤上で増幅反応や核酸検出を行うために、同一基板上に設けた増幅部位と核酸検出部位の付近に緩衝液保持部、試薬保持部、検体保持部等を設け、或いは緩衝液、試薬、反応液等の流通を可能とする液流路を同一基板上に設けることを特徴とするものが主であった(特許文献1〜3)。このような反応基盤に液流路を設ける方法についての報告はあるものの、液流路を設けないで同一基盤、あるいは同一容器中で核酸の増幅及び核酸の検出を行う方法についての報告はなかった。
特開2003-325199号公開公報 特開2003-177114号公開公報 特開2003-325199号公開公報
本発明の課題は、迅速かつ容易に核酸増幅及び核酸検出しうる核酸検出方法を提供することにある。さらには、このような核酸検出を可能とする核酸検出用容器を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の核酸を増幅させる核酸増幅部位(1)と、少なくとも1つの核酸検出部位(2)を備え、該核酸検出部位(2)には予め検出用プローブが固定化された核酸検出用容器を用い、かつ核酸増幅反応時には核酸増幅部位(1)と、核酸検出部位(2)との間を遮断させ、核酸検出時には前記遮断を取り除いて連通させることにより、同一容器内で核酸の増幅及び核酸の検出が迅速かつ容易に行いえることを見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下よりなる。
核酸を増幅させる核酸増幅部位(1)と、検出用プローブが固定化された少なくとも1つの核酸検出部位(2)を備えた、底面を有する容器において、核酸増幅部位(1)と核酸検出部位(2)が、容器の底面の異なる位置に設けられ、該位置が核酸増幅反応後に、当該反応液が、容器内で拡散展開され、核酸検出部位と接触することが可能な関係にあって、該核酸増幅部位(1)と該核酸検出部位(2)の間に特定の液流路が設けられていないことを特徴とする核酸検出用容器。
核酸の増幅と核酸の検出を異なる容器で行わなければならなかったのに対し、本発明の核酸検出用容器を使用することで、同一容器内で、少ない検体量で、正確、迅速かつ簡便に核酸の検出を行うことが可能となる。また、同一の容器内で核酸の増幅と核酸の検出を行う場合に、核酸増幅部位から核酸検出部位に反応物を送る場合に、特定の液流路を設ける必要なく、簡便に核酸検出を行うことができる。
(核酸検出用容器)
以下に本発明の実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一符号は同一又は対応する部分を示すものとする。
図1及び図2は、本発明の核酸検出用容器を示す図である。図1は、本発明の容器を斜め方向から見たもので、立体的形状を把握することができる。図2は、本発明の容器の断面図である。
本発明の容器は、特定核酸を増幅させる核酸増幅部位(1)と核酸検出部位(2)を含み、(1)と(2)の間には試薬、緩衝液等の流路を設ける必要のないものである。また、(1)と(2)の間の距離は、特に限定されるものではないが、0.01〜300mmであればよく、好ましくは0.01〜100mmであり、より好ましくは0.01〜50mmである。
例えば図2に示すように核酸増幅部位(1)は容器の下方面に反応槽として突出させる形状とすることができる。核酸増幅部位(1)には、核酸増幅用試薬を予め備えておくことができる。本発明において核酸増幅用試薬とは、核酸を増幅させるのに必要な試薬をいう。核酸増幅は、公知の方法、例えばPCR法、NASBA法、LAMP法又はICAN法等により行うことができ、好適にはPCR法等を適用することができる。本発明の目的に適合しうる核酸検出部位(2)の大きさは特に限定されるものではないが、操作性等を考慮すると、容積は1〜100μL、好ましくは5〜20μLの範囲で選択することができる。また、既存のPCR測定用装置をそのまま使用可能な形状の核酸増幅部位(1)を設けることができれば、既存の装置を一部利用することができ便利である。
核酸検出用プローブを固定化した検出部位(2)は、容器内で反応溶液と接触可能な位置であればいずれの位置であっても良いが、例えば図2に示すように核酸検出用容器内の底面に設けることができる。検出部位(2)は、検出すべき核酸の種類に応じて複数箇所設けることができる。例えば、遺伝子の多型を検出する場合には、検出したい遺伝子の種類に応じたプローブの種類を固定化することができる。検出部位(2)を複数箇所設ける場合には、検出したい標識が識別可能な程度の間隔があれば良い。例えば、現在公知のDNAチップなどで適用される程度の間隔であれば良い。プローブは、本発明の核酸検出用容器の材質により、直接容器に固定化しても良いし、別途固定化用担体を設けて固定化しても良い。
本発明の核酸検出用容器の材料として、成型加工性が容易である合成樹脂を使用することができ、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなどを使用することができる。また、核酸検出用プローブは、上記容器に使用しうる有機材料のほか、ガラス、シリコンなどの無機材料、金、銀などの金属材料に固定することもできる。本発明の核酸検出用容器に核酸検出用プローブを直接固定化するのが好ましい。
核酸検出部位(2)に備えられる核酸検出用プローブは、目的の核酸配列を検出することができるように設計する。例えば、遺伝子の多型を検出する場合には、多型を識別可能なようにプローブ設計することが必要である。このようなプローブは、既に公知のものを使用することができ、また公知のDNA/RNA合成機で合成することもできる。
核酸検出用プローブは、公知の手法、又は今後開発される手法により容器の検出部位(2)に直接、あるいは担体を介して固定化することができる。
具体的には、DNAの固定化を目的としたナイロンやニトロ・セルロースのメンブレンであれば、DNA溶液を滴下後に紫外線照射・ベーキング・アルカリなどによって固定化する方法が知られている。また、ナイロンやポリスチレンなどの有機材料にオリゴDNAを固定化する場合、オリゴDNAに無関係な配列(ポリ・チミン鎖など)を付加し、DNAの分子量を大きくことにより固定化の効率をあげることもできる。また、担体表面がガラスなどの場合、アミノエトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤やポリリジンなどで担体表面が正電荷を有するように処理することで、ポリアニオンであるDNAプローブとの正電相互作用により、固定化の効率を上げることができることが知られている。
一方で、プローブDNAや固定表面に官能基を導入して化学的に固定化する方法、例えば、担体の材料がガラス、シリコンなどの無機材料の場合には、核酸検出用プローブの末端にトリメトキシシラン、トリエトキシシランなどのシランカップリング反応が可能な官能基を修飾し、その溶液に24〜48時間浸漬し、取り出した後、洗浄することによることもできる。または、ガラス、シリコンなどの無機材料担体上に、アミノエトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤で処理することで、担体の表面をアミノ化し、末端にカルボン酸を導入したプローブDNAとアミノカップリング反応させることで、固定化する方法などがある。さらに、担体の材料が金、銀などの金属材料の場合、核酸検出用プローブの末端にチオール基、ジスルフィド基などの金属と結合可能な官能基を修飾し、その溶液に24〜48時間浸漬し、取り出した後、洗浄し、固定化することができる。
また、すでにあるDNA鎖を固定するのでなく、リソグラフィー技術を利用して、望む配列を固定表面上で直接合成する方法も知られており、本発明においてはこの方法によりプローブの合成及び固定することもできる。
本発明の核酸増幅用試薬は、例えば核酸増幅用プライマー、検体処理液、緩衝液等が例示される。これらの試薬のうち適当なものを選択して核酸増幅部位(1)に予め備えておくことができる。
核酸増幅用プライマーは、増幅すべき核酸配列にあわせて適宜、設計作成することができる。核酸増幅用プライマーは、目的に応じて市販のものを使用することもできるし、また、公知の方法、或いは今後開発される新たな方法により合成することができる。核酸増幅用プライマーには、核酸検出部位(2)で検出する際に便利なように、標識又は標識を結合しうる物質を予め修飾しておくこともできる。修飾は、後述する公知の方法により行うことができる。
(核酸検出方法)
本発明の核酸検出用容器を用いて、同一の容器内で特定核酸の増幅及び検出を行うことができる。具体的には、次に示す工程を含む。
1)検体を核酸増幅部位(1)に導入する工程
2)前記検体が導入された核酸増幅部位(1)と、核酸検出部位(2)とを遮断する工程
3)検出すべき核酸を増幅させる工程
4)前記核酸増幅部位(1)と核酸検出部位(2)との遮断を取り除く連通工程
5)前記増幅した核酸反応液を容器内に拡散展開させる工程
6)前記増幅した核酸を核酸検出部位(2)に固定化された検出用プローブとハイブリダイズさせる工程
7)容器内で核酸検出用試薬を反応させる工程
8)核酸検出部位(2)において核酸を検出する工程
以下、各工程について、詳細に説明する。
1)検体を核酸増幅部位(1)に導入する工程
本工程は、核酸増幅部位(1)で、目的とする核酸を増幅させるために、目的の核酸が混入可能性のある検体を核酸増幅部位に加えることにより行われる。目的の核酸は、本発明においては具体的に限定されるものではないが、特定の遺伝子等が挙げられる。例えば、生体中の特定の遺伝子を検出したい場合や、特定の遺伝子の多型を解析したい場合には、該当する特定の配列部分を検出することが例示される。また、遺伝子タイプの異なるウイルス感染について解析したい場合なども、特定の遺伝子の特定の配列部分を検出することができる。このような目的で適用される検体は、このような目的の核酸が混入可能性のあるあらゆる成分について行うことができる。例えば、血液、尿、唾液、鼻汁、分泌物、その他の体液や、微生物混入可能性のある物質、例えば食品、緩衝液等を検体として適用することができる。
核酸増幅部位(1)で、PCR反応等の核酸増幅方法により核酸を増幅させる場合には、検体からDNA等を予め抽出した処理検体を使用するのが通常である。DNAの抽出方法は公知の方法で行うことができ、例えばフェノール抽出法、グアニジンチオシナネート抽出法、バナジルリボヌクレオシド複合抽出法等が公知であり、一般的である。
本発明においても、予めDNAを抽出した処理検体を本発明の測定に供することはできるが、更に簡便な方法として、核酸増幅部位(1)に検体処理液を予め備えておくことで、核酸増幅部位(1)に検体導入する工程においてDNAを抽出することができる。このような検体処理液は、公知あるいは市販のものを使用することができ、例えばアンプダイレクト(島津製作所製)を使用することができる。このような検体処理液を使用すると、直接検体を本発明の測定容器に導入することで、特定の核酸を増幅させることができる。
2)検体が導入された核酸増幅部位(1)と、核酸検出部位(2)とを遮断する工程
検体中に含まれる目的とする特定の核酸を増幅するために、検体及び核酸増幅に必要な試薬類、例えば核酸増幅用プライマー、基質試薬、緩衝液等のすべてが核酸増幅部位におかれた後、核酸増幅部位(1)を密閉することが必要である。PCR法による核酸増幅の方法は、後述のように高温処理を行うため、検体及び反応試薬の蒸散を防止する必要がある。同時に、増幅反応で高濃度化した検体が蒸散などで直接検出部位に触れ、検出反応時に非特異な反応を生じたり、容器外の装置に触れることによりキャリー・オーバーのコンタミネーションを起こしたりすることを防ぐことができる。
核酸増幅部位(1)と核酸検出部位(2)は、例えば図2の(3)部分に核酸増幅部位に巌合する蓋をおくことにより遮断することができる。又は図2の(3)部分に核酸増幅部位に含まれる検体よりも比重の小さい不揮発性有機溶媒を、例えばミネラル・オイルなどを重層するように流し込むことによっても遮断することができる。
3)検出すべき核酸を増幅させる工程
検出すべき核酸の増幅は、公知の方法、例えばPCR法、NASBA法、LAMP法又はICAN法等により行うことができ、好適にはPCR法等により行うことができる。
増幅すべき核酸の塩基数が100〜400塩基対、好ましくは150〜300塩基対の場合のPCR法により増幅する場合を例示して説明する。(i)2本鎖ゲノムDNAを約92〜95℃、約30秒〜1分間の反応条件で熱処理することにより1本鎖にする変性工程、(ii)該1本鎖DNAのそれぞれに約50〜65℃を約20秒〜1分間の反応条件で、少なくとも2種類の増幅プライマーを結合させることによりPCRの反応開始点となる2本鎖部分を作製するアニール工程、(iii)約70〜75℃を約20秒〜5分間の反応条件でDNAポリメラーゼを用いて反応させる鎖伸張工程の(i)〜(iii)の工程を通常の方法により20〜40回繰り返す。
後述する核酸検出のために、核酸増幅反応に使用するプライマーは、標識物質と反応しうる物質、例えばビオチン、放射性同位体等を修飾したものを使用することができる。
4)核酸増幅部位(1)と核酸検出部位(2)との遮断を取り除く連通工程
前記増幅した核酸配列中に目的の核酸を含むか、又は遺伝子多型の配列のうちいずれであるか等の分析のために、核酸検出部位(2)に特定の核酸が増幅した検体を導入する必要がある。そのために、遮断を取り除いて核酸増幅部位(1)で増幅処理された検体を取り出し、核酸検出部位(2)に導入しなければならない。例えば核酸増幅部位に巌合する蓋で遮断した場合には、該蓋を取り外せば遮断を除去することができる。例えば、比重の軽い不揮発性の有機溶媒を用いて遮断した場合には、核酸増幅部位に洗浄用緩衝液等の溶液や反応試薬などを注入することにより該有機溶媒が分散されて、遮断を除去することができる上、増幅した拡散を希釈することができて好ましい。
5)増幅した核酸反応液を容器内に拡散展開させる工程
核酸増幅部位(1)と核酸検出部位(2)との遮断を取り除いた後、核酸検出部位に増幅した核酸を接触させるために拡散展開をさせる。例えば、核酸増幅部位(1)に核酸検出に必要な試薬、緩衝液等を加えることで、増幅された特定の核酸を含む反応液を核酸増幅部位(1)からあふれ出させ、検体を容器の底面部に拡散展開させる。試薬、緩衝液等は、核酸検出部位(2)の側壁(4)面にそって滴下させ、加えることができる。
6)増幅した核酸を核酸検出部位(2)に固定化された検出用プローブとハイブリダイズさせる工程
前記展開した反応液を該容器の底面部に設けられた核酸検出部位(2)に到達させ、反応液中に含まれる増幅した核酸と(2)に固定化された核酸検出用プローブと接触させ、ハイブリダイズさせる。該ハイブリダイズは、通常DNA等をハイブリダイズさせる条件下で行うことができ、例えば30〜65℃の温度等、通常の条件下で容器を振とうさせる等により行うことができる。
7)容器内で核酸検出用試薬を反応させる工程
増幅した核酸は、例えば、酵素発光法、RI、蛍光物質、化学発光物質などを用いて検出することができる。本工程では、該検出のために使用する核酸検出用試薬を、本発明の容器内で反応させる。
例えば、酵素蛍光法により検出する場合には、次の手順により核酸反応用試薬を反応させることができる。ビオチン修飾したプライマーを用いて増幅した核酸と、検出用プローブをハイブリダイズさせたものについて、該ビオチンにストレプト・アビジンを有するアルカリホスファターゼを結合させる。このようなストレプト・アビジン、アルカリホスファターゼを含む溶液との反応を本工程において行う。
8)核酸検出部位(2)において核酸を検出する工程
酵素発光法、RI法、蛍光法、化学発光法、化学蛍光法等の方法に応じて、通常の方法により検出することができる。例えば、発色した酵素溶液の吸光度、発光量、放射性同位体等の量を測定することによる。中でも、比較的安価で容易に実施できるNBT/BCIP発色法が好ましい。
(試薬、キット及び核酸検出用装置)
本発明は、本発明の核酸検出用容器を用いた核酸検出方法にも及ぶ。また、本発明の核酸検出方法に使用する核酸増幅部位(1)と核酸検出部位(2)とを遮断するもの、及び試薬、例えば核酸検出用容器に備えられた試薬等にも及ぶ。さらに、本発明は、核酸検出用容器、試薬等を含む核酸検出用キットにも及び、本発明の核酸検出用容器を装着させることによって、核酸増幅工程、反応工程、核酸検出工程等を自動的に行い得る核酸検出用装置にも及ぶ。
以下に、本発明の理解を深めるために、実施例を示して具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例の範囲に限定されるものでないことは明らかである。
(実施例1)核酸検出用容器の調製
核酸検出用容器として、素材にはポリプロピレン(PP)を用い、図3の容器を成形した。図3の核酸検出用容器の検出部位(2)に、配列表の配列番号1及び2に記載のオリゴDNAを、検出用プローブとして固定化した(図3(5)(6))。
これらは、エストロゲン受容体遺伝子のXba1遺伝子多型のX型とx型に対応した配列のオリゴヌクレオチドである。ターミナルトランスフェラーゼ(Terminal Transferase(プロメガ社))によって3'端にdTTPが約400塩基長ほど連なったポリT鎖(poly-T鎖)を付加した後1mMで0.5μL滴下し、乾燥させた。その後、波長312nmのUV照射装置(アットー社、15W×6本)で2分間照射して固定化した。同様に、5'端をビオチン標識した約400塩基長のpoly-T鎖もコントロールとして固定化した(図3(7))。
核酸検出用プローブ1、2
配列表の配列番号1及び2(X型及びx型)に記載のオリゴDNAを固定化した。
プローブ1:TCTGGAGTTGGGATGA(配列番号1)
プローブ2:GTGGTCTAGAGTTGGG(配列番号2)
(実施例2)核酸増幅反応及び検出反応
核酸増幅部位(1)にてPCR法による核酸増幅反応を行った。反応時には核酸増幅部位(1)を密閉するよう蓋を施した。
1)核酸増幅のために、以下の核酸増幅用試薬を混合し、全量を20μLとしたものを核酸増幅部位(1)に加えた。核酸増幅用プライマーとして、エストロゲン受容体遺伝子のXba1多型を含んだ約200塩基長の配列を増幅させるものを用いた。検体は、健常人血液よりアンプリコア血液検体処理用試薬(ロシュ社)により抽出したものを用いた。本検体における健常人のエストロゲン受容体遺伝子Xba1多型は既知で、xx型であった。
2)試薬類
Taq DNA ポリメラーゼ(東洋紡社) 1Unit
dNTPs 0.2mM
Tris-HCl 10mM(pH8.3)
KCl 50mM
MgCl2 1.5mM
プライマー(それぞれ0.5μMで5'端ビオチン標識)
フォワード:GTTCCAAATGTCCCAGCCGT(配列番号3)
リバース:CCTGCACCAGAATATGTTACC(配列番号4)
ヒトDNA 2μL
3)PCR反応温度条件
PCR反応は次の温度条件に従った。これにより、DNAの熱変性、プライマーのアニーリング、ポリメラーゼ反応による伸長反応を繰り返して核酸を増幅した。PCR反応は、市販の装置を用い、本発明の核酸検出用容器を装填しておこなった。
95℃ 5分 1サイクル
95℃ 30秒、55℃ 20秒、72℃ 20秒 30サイクル
72℃ 5分 1サイクル
4℃ 保存
4)検出反応
PCRによる核酸増幅反応後に、以下の条件にて検出反応を行った。
20μLの変性液(0.1M NaOH、0.2mM EDTA溶液)を核酸増幅反応後の溶液に加え、室温にて5分間放置した。
500mLのハイブリダイズ液(2×SSC溶液に0.1%のSDSを加えたもの)を加え、45℃に容器を保って30分間、振とう(60rpm/min程度)させながら、検出用プローブと増幅した核酸を反応させた。
上記の反応溶液を排出し、再度ハイブリダイズ液を加えた後、10分間振とうさせながら洗浄した。
溶液を排出し、リン酸緩衝液を加えた後、1分間振とうさせながら洗浄した。
溶液を排出し、アルカリホスファターゼ標識ストレプト・アビジンを加えたリン酸緩衝液を加え、室温で30分間振とう(60rpm/min程度)させながら反応させた。
溶液を排出し、リン酸緩衝液を加えた後、1分間振とうさせながら洗浄した。
溶液を排出し、NBT(ニトロ・ブルー・テトラゾリウム)、BCIP(ブロモ・クロロ・インドリル・リン酸・トルイジン塩)溶液を加え室温で30分間振とう(60rpm/min程度)させながら反応させた。
溶液を排出し、精製水を加えた後、10分間振とうさせながら洗浄した。
以上の作業により、PCR反応で増幅された特定の核酸配列と検出部位に固定されたプローブ配列がハイブリダイズした場合、PCR検体がビオチン標識されているため、ビオチンとストレプト・アビジンが反応し、さらにストレプト・アビジンに標識されたアルカリホスファターゼがNBT・BCIPで発色した。
以上の作業の結果、図4の通り、コントロール及びプローブ2の部分(7)及び(5)が発色し、プローブ1の部分(6)が発色しなかったので、用いたヒトDNAが既知の通りエストロゲン受容体遺伝子Xba1多型がxx型であることが検出できた。
以上説明したように、本発明の核酸検出方法により、1つの容器内で特定の核酸の増幅と検出を行うことができ、迅速かつ容易に核酸を検出することができる。核酸検出部位には、複数種の核酸検出用プローブを固定化することができ、これにより一度の核酸増幅処理で、遺伝子の多型や、感染したウイルスの遺伝子タイプの解析等を容易に行うことができる。本発明の測定方法を臨床検査等に適用することで、多種類の検体について、迅速かつ容易に検査を行うことができるようになる。
本発明の核酸検出用容器を示す図である。 本発明の核酸検出用容器の断面を示す図である。 本発明の核酸検出用容器を示す図である。(実施例1) 本発明の方法による検出結果を示す図である。(実施例2)
符号の説明
1 核酸増幅部位
2 核酸検出部位
3 核酸増幅部位と核酸検出部位を遮断する部位
4 側壁
5 プローブ2固定部位
6 プローブ1固定部位
7 コントロール核酸固定部位

Claims (1)

  1. 核酸を増幅させる核酸増幅部位(1)と、検出用プローブが固定化された少なくとも1つの核酸検出部位(2)を備えた、底面を有する容器において、核酸増幅部位(1)と核酸検出部位(2)が、容器の底面の異なる位置に設けられ、該位置が核酸増幅反応後に、当該反応液が、容器内で拡散展開され、核酸検出部位と接触することが可能な関係にあって、該核酸増幅部位(1)と該核酸検出部位(2)の間に特定の液流路が設けられていないことを特徴とする核酸検出用容器。
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