JP2007300829A - Dnaマイクロアレイ等に供する検体の調製方法 - Google Patents

Dnaマイクロアレイ等に供する検体の調製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】DNAマイクロアレイ等での固相上のプローブとのハイブリダイゼーションに供する、ターゲット核酸の定量的な検出に適した検体の調製方法を提供すること。
【解決手段】3’末端にT以外の配列を有するオリゴdTプライマーを用いて逆転写することで塩基長の一律なcDNAが得られ、検体であるcRNAの塩基長も揃い、標的核酸の存在量をより正確に反映したハイブリッド体形成が可能となる。さらにポリA配列を有する標識付きヌクレオチドを前記cRNAにアニールさせる方法で標識することで、cRNA一分子に対し一単位の標識物質を付加することでハイブリッド体の量に比例した検出が可能となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、DNAマイクロアレイ等に供する検体の調製方法に関する。
ヒトゲノム計画に代表されるように各種の生物の遺伝子が解明され、生命活動のメカニズム、病気、体質等と遺伝子の関連が次々と調べられている。そして、遺伝子の有無やその存在量(発現量)を知ることで、例えば病気などのより詳細な特徴やタイピング、あるいは効果的な治療方法の選択などが可能となることがわかってきた。
検体に含まれている特定の遺伝子の有無やその存在量を調べる方法は、昔から多くの方法が考案されている。その中でも応用範囲が広く検出対象によらず適用可能な方法として、検出対象とする遺伝子あるいは核酸の特徴的な部分配列を選び、その部分配列の有無や量を調べることにより、その有無あるいは存在量を調べる方法が広く用いられている。具体的には、選び出された部分配列の相補鎖に相当する核酸配列(プローブ)を用意し、検体とプローブがハイブリダイゼーションすることを何らかの手段で検出することにより、検体中の核酸配列の有無を調べる方法である。
ハイブリダイゼーションを利用した特定の核酸の検出方法は、固相上での反応であるか、液相中での反応であるかを問わず用いることが可能である。例えば、固相上でハイブリダイゼーションを行う場合には、プローブを固相上に固定または吸着させておき、その固相上に何らかの検出可能な標識物質により標識した検体を添加し、固相上からの標識物質の信号を測定することにより検出する方法が代表的である。中でもプローブをガラスや金属などの平面基板上に固定したチップ、あるいは微少粒子表面へ固定したビーズ等は代表的な固相ハイブリダイゼーションの形態である。固相上のハイブリダイゼーションが好まれる理由は、B/F分離が容易であること、検出領域を物理的に微小化でき高感度化が期待できること、複数種のプローブを物理的に隔離することにより同時多項目の検出が可能であることなどがある。さらには、固相ゆえにその取り扱いや応用が容易に出来るからである。
ところで、上記のようなハイブリダイゼーションを利用した特定の核酸の検出方法では、検体にあらかじめ標識をしておく必要がある。また、調べたい検体の絶対量が少ない場合、ハイブリダイゼーションで核酸を検出できるよう検体を増幅するステップも必要とする。
上記ハイブリダイゼーションを利用して遺伝子の発現量を調べる場合、細胞等の生体試料から抽出されたRNAを検体として用いる場合が多い。mRNAを増幅する方法としては一般的に、in vitro transcription法(IVT法)が用いられる。この方法では、まず微量RNAに対し、RNA合成酵素のプローモータ配列が付加されたプライマーを用いて逆転写反応により一本鎖のcDNAを合成する。さらにDNA合成酵素によって二本鎖cDNAを調製後、RNAポリメラーゼで転写反応を行うことによってcRNAを合成する。材料となるリボ核酸が存在し、酵素が活性を持つ限り、cDNAからRNAが合成され続けるので、最終的には1分子のcDNAから約100分子ほどのcRNAが生成する。増幅効率の点ではPCRに劣るものの、IVT法は検体中の遺伝子の発現プロファイルを保ったまま検体を増幅でき、網羅的な発現解析等には特に有効である。また、このIVT法を行う際に、標識付きヌクレオチドを添加しておくことによって標識物質を取り込むことができる。
ところで、多くのマイクロアレイの場合、プローブは5’末端に導入された物質を介して固相上に固定されている。従って、プローブとハイブリッド体を形成するcRNAの全塩基配列のうち、ハイブリッド部位より5’末端側は液相側、3’末端側は固相側に存在する。ハイブリッド部位から5’末端までの長さが長くなるほど、ハイブリッド体の安定性が低くなることが報告されている(非特許文献1を参照のこと)。
また、我々は、固相上に固定されたプローブとターゲット核酸とのハイブリッド体は、下記で定義するL1、L2において、L1≦L2の関係を満足すると安定するということを確認している。ここで、プローブとハイブリッド体を形成するターゲット核酸において、ハイブリッド部位より5’末端側のハイブリッド体を形成していない部位の塩基鎖長をL1とし、3’末端側のハイブリッド体を形成していない部位の塩基鎖長をL2とする。
監修;高木利久、編集;東京大学理学部生物情報科学学部教育特別プログラム「東京大学バイオインフォマティクス集中講義」羊土社
RNAの逆転写の際によく用いられるT7−oligo(dT)24プライマーはTが24塩基連続する配列を有し、これがmRNA上のポリAテイル部分とアニールする。ただし、ポリAテイルの長さは数百塩基に及ぶこともあり、どの部分に結合するか確定できないため、合成後のcDNAのポリTの塩基長、及びcDNA全長は一律ではない。従って、このcDNAを鋳型として合成されるcRNAの5’末端のポリU配列も一律の長さにはならない。
従来のIVT法で調製したcRNAをDNAマイクロアレイに供した場合、5’末側のポリU配列の塩基長が一律にならず、同じmRNA由来のcRNAであっても合成された塩基長がバラバラになっていた。更に、同じ細胞に由来するサンプルであっても、毎回同じようにcRNAを調製できず、DNAマイクロアレイで得られる結果の再現性に問題が生じる場合があった。
また、cRNA合成時に標識付きヌクレオチドを添加して標識物質を取り込ませる場合には、標識物質はランダムに取り込まれるために1分子辺りの標識量が一律にはならない。このため、DNAマイクロアレイに供して得られたシグナル値は検体中の量比を反映したものではなく、より厳密な定量を行う上での検討すべき課題であった。
従って、本発明は、上記問題点を解決すべく、検体の遺伝子発現量をより正確に定量するための検体調製方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため研究を重ねた結果、一定以上のポリU配列長が存在するようにcRNAを合成し、標識付きポリA配列をポリU配列にアニールさせることで、より精度の高い定量評価を行うことができる検体調製方法を提供できることを見出した。
すなわち、本発明の検体の調製方法は、固相上のプローブとのハイブリダイゼーションに供するターゲット核酸を含む検体の調製方法であって、
検体調製用試料としての3’末端にポリA配列を有するRNAに対して、5’末端にcRNA合成用プロモーター配列を有するオリゴdTプライマーを用いて逆転写反応を行い、一本鎖cDNAを合成する工程と、
前記一本鎖cDNAに対し、DNA合成酵素を付加して二本鎖cDNAを合成する工程と、
前記二本鎖cDNAに対し、RNAポリメラーゼによりcRNAを合成する工程と、
標識が付加されたポリA配列を有するオリゴヌクレオチドを前記cRNAのポリU配列にアニールさせて検体RNAを得る工程と、を有することを特徴とする検体の調製方法である。
さらには、調製に利用できるmRNA量が十分にある場合は、増幅工程を行わないでポリT配列長が揃ったターゲット核酸を含む検体を調製する方法も提供する。かかる検体の調製方法は、固相上のプローブとのハイブリダイゼーションに供するターゲット核酸を含む検体の調製方法であって、
検体調製用試料としての3’末端にポリA配列を有するRNAに対して、5’末端に標識物質が付加されたオリゴdTプライマーを用いて逆転写反応を行い、検体としての一本鎖cDNAを合成する工程を有し、
前記5’末端に標識物質が付加されたオリゴdTプライマーとして、互いに同じ塩基長を有し、3’末端の一配列以外は同じ配列であって、3’末端にG、C、Aのいずれかをそれぞれ有する3種類の該オリゴdTプライマーが、互いに等濃度に調整されて該逆転写反応に用いられることを特徴とする検体の調製方法である。
本発明の検体調製法によれば、調製されたcRNAに対し、標識付きポリA配列オリゴヌクレオチドをアニールさせることにより、DNAマイクロアレイ等に供する検体として用いることができる。本発明によって調製された検体は、固相上のプローブと安定なハイブリッド体を形成し、さらに1分子のcRNAに対し1単位の標識物質が標識されているため、検体が持つRNAの量比を反映した、より精度の高い定量評価を可能とするものである。
さらに、本発明によれば配列によらずポリU長が一律なcRNAを合成することができるので、更に精度の高い定量評価を可能とすることができる。
本発明による検体調製方法を更に詳しく説明する。
本発明による検体調製方法は、以下の各工程を有する。
(1)3’末端にポリA配列を有するRNAに対して、5’末端にcRNA合成用プロモーター配列を有するオリゴdTプライマーを用いて逆転写反応を行い、一本鎖cDNAを合成する工程。
(2)前記一本鎖cDNAに対し、DNA合成酵素を付加して二本鎖cDNAを合成する工程。
(3)前記の二本鎖cDNAに対し、RNAポリメラーゼによりcRNAを合成する工程。
(4)標識が付加されたポリA配列を有するオリゴヌクレオチドを前記cRNAのポリU配列にアニールさせる工程。
なお、配列の表現に用いる「A」、「T」、「G」及び「C」は、それぞれアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)である塩基を示す。
検査用の試料としては、検体調製方法の出発材料となるRNAが含まれているものであれば特に限定なく利用できる。例えば真核生物等の生物種から抽出されたmRNA、またはこのmRNAが含まれている核酸抽出物やtotalRNA等が好適に利用できるが人工的に合成したものであっても問題ない。試料中に含まれるRNAは、1種でもよく、複数種が混合状態にあるものでもよい。
検体とは、DNAマイクロアレイ等の固相担体上に固定されたプローブとのハイブリダイゼーションに供する核酸検体である。これにはプローブと相補的な配列を有するターゲット核酸が含まれている(ただし、ターゲット核酸の有無を調べる検査では、ターゲット核酸が含まれない場合もある)。よって、本発明では、逆転写の増幅工程を有する調製を行う場合は検体はcRNAとなり、十分量のRNAを出発材料として増幅工程を経ない調製を行う場合には検体はcDNAとなる。
ここで真核生物では、そのmRNAは、転写後の修飾として3’末端がポリAテイルと呼ばれるポリアデニル酸(ポリA)鎖の付加を受けるため、3’末端にポリA配列を有している。このポリA配列の塩基長は通常約100bp以上300bp以下であるが、中には数百塩基に及ぶこともある。よって本発明の3’末端にポリA配列を有するRNAとしては、真核生物である生物種から抽出されたmRNAを好適に用いることができる。また他の生物種のmRNA、mRNA以外の生物由来のRNA、さらに人工的に合成されたRNAも問題なく利用できる。また、3’末端のポリA配列の塩基長については特に限定されない。
cRNA合成用プロモーター配列とは、RNAポリメラーゼが認識するプロモーター配列であれば特に限定なく利用可能であるが、中でもT7、T3およびSP6プロモーター等が好適に利用できる。cRNA合成の工程で使用するRNAポリメラーゼが認識できるプロモータ配列が選択される。
5’末端にcRNA合成用プロモーター配列を有するオリゴdTプライマーは、ポリチミジル酸(ポリT)配列を有し、その5’末端に上記のcRNA合成用プロモーター配列を有しているものであれば特に限定されない。ここで、このオリゴdTプライマーのポリTの塩基長は、好ましくは15mer以上40mer以下である。対象とするRNAにはAが連続して11塩基並ぶ配列も存在し、ポリTの塩基長が10前後ではmRNAのポリAテイル以外の部分にまでアニールする恐れがあり、塩基長が短過ぎるとアニールさせるための温度条件設定が難しい。逆にポリTの塩基長が長すぎても、Tm値が上昇するため、全長で特異的にアニールさせるためには厳密な実験条件の設定が必要となる。さらに、上記のオリゴdTプライマーとして、3’末端にG、C、Aのいずれかをそれぞれ有する上記のオリゴdTプライマーから選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。さらに、これら1種以上のオリゴdTプライマーが複数の場合は、互いに同じ塩基長を有し、3’末端のヌクレオチド以外は同じ配列を有していることが好ましい。これらのオリゴdTプライマーは、その3’末端にT以外の塩基があることによりRNAのポリAテイルの最上流部分にアニールすることになる。これにより、RNAのポリAの塩基長に関わらずポリTの塩基長の揃った一本鎖cDNAを合成することが可能となる。さらに、5’末端にcRNA合成用プロモーター配列を有するオリゴdTプライマーとして、3’末端にG、C、Aのいずれかをそれぞれ有する3種類の該オリゴdTプライマーが反応液において互いに等濃度になるように調整されて、逆転写反応に用いられることが好ましい。この反応液により逆転写反応を行うと、全てのmRNAに対応することができる。
そして、上記のような工程で合成した一本鎖cDNAに対し、二本鎖cDNAを合成し、RNAポリメラーゼによりcRNAを合成する。一本鎖cDNAのポリTの塩基長が揃っているために合成したcRNAのポリUの塩基長も全て同じになる。このcRNAはDNAマイクロアレイに好適に供することができる。
以上の工程をまとめた例を示す。まず、細胞から抽出されたtotalRNAに対し、5’末端にT7のプロモーター配列を有し、24塩基からなるオリゴdT配列を有するオリゴ(dT)24プライマーを用いて逆転写を行う。このオリゴ(dT)24プライマーは、3’末端にG、C、Aのいずれかがそれぞれ付加されたもののうち1種以上用意する。
上記の3種類のオリゴdTプライマーが互いに等濃度に調整された反応液を用いれば、全てのmRNAに対して逆転写を行うことができる。このプライマーセットが含まれた反応液を用いて逆転写された一本鎖cDNAはポリT配列が24merに揃ったものとなる。この処理は、細胞に限らずあらゆる生物種から回収されるRNAや人工的に合成されたRNA等のポリAテイルを含む全てのRNAに対しても適用できる。
このようにして合成された一本鎖cDNAに対し、DNA合成酵素を作用させ、二本鎖cDNAを合成し、精製する。その後T7RNAポリメラーゼを用いてcRNAの合成を行う。この反応では、材料となるリボ核酸が存在し、酵素が活性を持つ限り、cDNAからRNAが合成され続けるので、最終的にはcDNAの量比を保ったまま、もとの約100倍のcRNAが生成される。合成されたcRNAは精製後、DNAマイクロアレイに供する検体として用いることができる。
DNAマイクロアレイで検出するためには、検体に標識物質が付加されていることが必要である。そこで、cRNA溶液に対し、標識が付加されたポリA配列を有するオリゴヌクレオチドを加え、cRNAにアニールさせることにより検体に標識を行う。この工程は、IVT増幅を利用する場合の本発明の検体調製方法における特徴点のひとつである。cRNAのポリU配列に特異的にポリA配列オリゴヌクレオチドがアニールし、一分子のcRNAに対し、一単位の標識物質が付加されることになる。このように検体を調製することによって、例えばDNAマイクロアレイで検出した場合に得られるシグナル値は検体中に含まれるターゲット核酸の量比(全体に占める割合)を反映したものとなる。
ここで、標識付きポリA配列オリゴヌクレオチドのポリAの塩基長は、オリゴdTプライマーのポリTの塩基長と同様に15mer以上40mer以下であることが好ましい。このポリAのより好ましい塩基長は、逆転写時に用いたオリゴdTプライマーのポリTの塩基長と同じ長さである。また、標識付きポリA配列オリゴヌクレオチドとして、5’末端にG、C、Tのいずれかをそれぞれ有するものから選択される少なくとも1種以上の該オリゴヌクレオチドを用いることが好ましい。これら1種以上のオリゴヌクレオチドが複数である場合は、互いに同じ塩基長を有し、5’末端の一配列以外は同じ配列であることが好ましい。さらに5’末端にG、C、Tのいずれかをそれぞれ有する3種類の標識付きポリA配列オリゴヌクレオチドが互いに等濃度になるように調整されて、cRNAとのアニールに用いられることが好ましい。これにより、cRNAの5’末端側にあるポリU配列とハイブリッド体を形成し、RNAの塩基配列によらず全てのcRNAに対して同条件で標識を付加することが可能となる。このようにして調製された標識付きcRNA検体によるDNAマイクロアレイ上のプローブとのハイブリッド体は非常に安定しており、定量性・再現性共に優れた結果を得ることが可能である。
図1に、本発明によって調製された標識化cRNAのイメージを示した。この操作は、DNAマイクロアレイに供する前のみならず、DNAマイクロアレイ上に検体を供した後、すなわちハイブリダイゼーション中に同時に行うことも可能である。なぜなら、本発明での標識化反応はマイクロアレイ上のプローブと検体中のターゲット核酸とのハイブリダイゼーションと同じ動作原理に基づくため、同時に行うことが可能なのである。また、この標識付きポリA配列オリゴヌクレオチドによる標識工程はハイブリダイゼーション後に行うことも可能である。ハイブリダイゼーション後に行うと、DNAマイクロアレイ上のプローブとハイブリッド体を形成したcRNAにのみ標識されるので、より効率的にかつ特異的に標識されるという利点もある。
標識物質としては、どのような標識物質でも特に制限なく本発明に用いることが可能であるが、一般に高感度な検出が可能な蛍光物質等を用いる。中でも、Cy3、Cy5を代表とするCyDye(アマシャムバイオサイエンス社製)は、核酸標識用の蛍光物質として良く用いられ、これらの蛍光物質は本発明においても有効である。また、ビオチン、およびアミノアリル系化合物等の核酸標識用物質も本発明の検体調製方法には有効である。
また、本調製法の出発材料となるRNAが贅沢な量で取得できる場合には、IVT増幅を行わずに一本鎖cDNA合成のみでDNAマイクロアレイに供することが可能である。その場合は、3’末端にポリA配列を有するRNAに対して、5’末端に標識物質が付加されているオリゴdTプライマーを用いて逆転写反応を行う。このオリゴdTプライマーとして、3’末端にG、C、Aのいずれかをそれぞれ有する5’末端に標識物質が付加されているオリゴdTプライマーが、互いに等濃度に調整されて逆転写反応に用いられることが好ましい。この方法によって検体の遺伝子発現量をより正確に定量するための検体調製方法を提供することができる。これらのオリゴdTプライマーのポリTの塩基長は15mer以上40mer以下であることが好ましい。さらにこれらのオリゴdTプライマーは互いに同じ塩基長を有し、3’末端の一配列以外は同じ配列であることが好ましい。
本発明の検体調製方法により合成されたcRNAと、固相上あるいは固相表面に固定されたプローブと、のハイブリダイゼーションによって二本鎖を形成させ、標識物質のシグナルを測定することによって、プローブとハイブリダイズしたcRNAを高感度に検出することができる。固相ハイブリダイゼーションを利用した高感度な検出デバイスとしては、様々な物質、形態が知られているが、本発明の検体調製方法は制限なく適用可能である。このうち、ガラス基板に核酸を固定化したDNAマイクロアレイはその代表例であり、本発明の検体調製方法によって作成されたターゲット核酸の検出に特に好適である。固相に用いられる材質としてはその他にも、樹脂、金属、金属薄膜、繊維等がある。またその概観上の形態も、微粒子、光ファイバー先端、多孔質材料、繊維等がある。
固相へのプローブの結合様式としては吸着、化学結合等様々な方式が存在するが、いずれの結合様式でも、本発明のターゲット核酸の検出に適用可能である。例えば、イオン結合では、アミノ基をコートしてあるガラス基板或いは樹脂表面に対し、通常の核酸を供するだけでイオン的に結合させることができる。また、5’末端、3’末端にアミノ基、チオール基等の官能基を修飾した修飾オリゴヌクレオチドを用いて固定化することも可能である。例えばアミノ基を利用する場合、固相表面にアミノ基と効率的に反応するスクシイミド基をあらかじめ結合させておき、5’末端、もしくは3’末端にアミノ基を修飾したオリゴヌクレオチドを固相表面に供給する。これにより、容易に共有結合を形成させることができ、本発明のターゲット核酸を検出するためのプローブとして好適に用いることが可能である。またチオール基を用いる場合には、例えば固相にマレイミド基を結合させておくことにより、アミノ基の場合と同様、共有結合を容易に形成し、本発明のターゲット核酸を検出するためのプローブとして好適に用いることが可能である。
固相へのプローブの供給方法としては、インクジェット法によってDNA溶液を固相に印字する方法等がある。このインクジェット法で作製されたDNAマイクロアレイは、プローブのスポットが小さいこと、固定されたプローブの濃度が均一であることが特長である。このDNAマイクロアレイを用いた本発明の検体調製方法によるcRNAをハイブリさせた結果はより定量性・再現性の高い信頼できるものとなり、特に効果的である。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、以下に述べる実施例は、本発明にかかる最良の実施形態の一例ではあるが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1> 胃癌標準細胞KATOIIIの検体処理
(1)細胞からtotalRNAの抽出
胃癌標準細胞KATOIII(大日本製薬社)の懸濁液に、Qiagen社のRNA抽出Kit,QiashredderとRNA精製Kit,RNeasy Mini Kitを用いてtotal RNAを抽出、精製した。
まず細胞懸濁液(1x106個/100μl)にβメルカプトエタノールを含むRLT緩衝液を600μl加え、混合液をQiashredderに添加した。15000rpmで1分間遠心後、抽出液に70%エタノールを加えて、RNeasyのカラムに添加した。12000rpmで15秒遠心後、廃液を捨ててからカラムにRW1緩衝液を700μl添加した。12000rpmで15秒遠心後、新しいチューブにカラムをセットし、RPE緩衝液を500μl添加した。12000rpmで2分間遠心後廃液を捨て、何も添加せずに15000rpmで1分間遠心した。新しいチューブにカラムをセットし、RNase free waterを50μl加えて1分間静置後、12000rpmで1分間遠心してRNAを溶出した。
(2)逆転写によるcDNAの合成、精製
cRNA合成用プロモーター配列を有するオリゴdTプライマーを表1に示す4種類用意した。
Figure 2007300829
表1に示したオリゴdTプライマーを1種または混合して、表2に示すような組成のオリゴdTプライマーセット(Mix1〜Mix4)を用意した。
Figure 2007300829
(1)で調製したtotal RNA溶液11μlに対し、オリゴdTプライマーセットMix1〜Mix4をそれぞれ1μl加えたものを4本作製した。これらを70℃で10分間インキュベートし、表3の試薬を表記順に加え、42℃で1時間逆転写反応を行い、一本鎖cDNAを合成した。
Figure 2007300829
更に、表4の試薬を表記順に加え、16℃で2時間インキュベートし、二本鎖cDNAをそれぞれ合成した。
Figure 2007300829
最後にT4 DNA polymerase(Invitrogen社)2μlを加えて16℃で5分間インキュベートし、両端の1本鎖の部分を二本鎖に調製した。
続いてPhase Lock Gel(PLG)(eppendorf社)を用いて、DNAを精製した。二本鎖cDNA溶液160μlに対し、等量のPCI(Phenol/Chloroform/Isopropylalchol=25:24:1)(和光純薬社)を加え、よく混合し、PLGチューブにアプライし、12000rpmで2分間遠心を行った。上清を新しいチューブに移し、表5に示す通りに試薬を加え、4℃、15000rpmで20分間遠心を行った。
Figure 2007300829
上清を除去し、80%エタノール(−20℃)を500μl加え、更に4℃、15000rpmで5分間遠心を行った。上清を除去した後に濃縮遠心し、乾燥粉末状のDNAに超純水50μlを加えて溶解した。
(3)cRNAの合成、精製
(2)で合成した4種の二本鎖cDNAを用いてcRNA合成を行った。cRNAの合成にはT7 MEGAscript kit(Ambion社)を用いた。試薬を表6に表記した順で加え、37℃で4時間インキュベートした。cRNAの合成後、RNA精製Kit,RNeasy Mini Kit(Qiagen社)を用いて精製した。合成したcRNA溶液20μlに超純水80μlを加え、よく混合する。続いて、RLT buffer(+2−ME)(RNeasy Mini Kitに付属)を350μl加え、更によく混合し、スピンダウンする。続いて100%エタノールを250μl加え、ピペッティングにより混合し、RNeasy Miniカラムにアプライし、10000rpmで15秒遠心を行う。下の液を再度カラムにアプライし、10000rpmで15秒遠心を行う。下の液を捨て、新しい2mlチューブにカラムをセットし、buffer RPE(+エタノール)(RNeasy Mini Kitに付属)を500μl加える。10000rpmで15秒遠心を行い、再度buffer RPE(+エタノール)500μlを加え、15000rpmで2分遠心を行う。下の液を捨て、新しい1.5mlチューブにカラムをセットし、超純水50μlを加え、1分間静置した後、10000rpmで1分遠心を行って溶出し、cRNA溶液を得た。
Figure 2007300829
(4)吸光度測定
合成したcRNA溶液に関して吸光度を測定した。結果を表7に示す。測定での波長は260nmを用いた。
Figure 2007300829
<実施例2> 標識化cRNAの作製
(1)標識付きポリA配列オリゴヌクレオチドの準備
表8に示す配列をもつ標識付きポリA配列オリゴヌクレオチドを用意した。なお、標識物質にはCy3を選び、5’末端に修飾させた。
Figure 2007300829
表8に示した標識付きポリA配列オリゴヌクレオチドを1種または混合して、表9に示すような組成の標識付きポリA配列オリゴヌクレオチドのセット(L−Mix1〜L−Mix4)を用意した。
Figure 2007300829
(2)標識化反応
実施例1で作製したcRNA溶液に対し、表10に示すように試薬を調製し、92℃で5分保温した後、55℃で30分インキュベートした。なお、オリゴdTプライマーMix1によるcRNAにはL−Mix1を、Mix2にはL−Mix2を、Mix3にはL−Mix3を、Mix4にはL−Mix4を使用した。
Figure 2007300829
(20×SSPE;3M NaCl、0.2M NaH2PO4・H2O、0.02M EDTA、pH7.4)
(3)吸光度測定
(2)で標識を行った標識化cRNA溶液に対し、マイクロバイオスピンカラムP30(BioRad社製)、及びマイクロコンYM−30(Millipore社製)で精製、濃縮を行ったのち、cRNA溶液が100μlになるようにメスアップを行った。そして、吸光度測定によりcRNAおよびCy3の含有量を測量した。吸光度測定の波長はcRNA量の測定には260nm、Cy3量の測定には550nmを用いた。その結果を表11に示す。
Figure 2007300829
結果からわかるように、Mix1がRNA量当たりのCy3量が最も多い。一方で、Mix2からMix4まではRNA量当たりのCy3量がほぼ同じである。
本発明の標識方法では、標識量はポリUの存在量に依存する。従来のオリゴdTプライマーを用いた場合(Mix1)は、ポリUの長さが長いものもあり、標識量は多くなると予想される。その一方で、一分子のcRNA当たりの標識量が1であったり2またはそれ以上になる場合もあり、標識量がcRNA分子量を反映しない。本発明の末端にG、C、Aを付加したプライマーを用いた場合(Mix2からMix4)では標識率はやや落ちるものの、全てほぼ同じ値を示しており、標識量がcRNA分子量を反映していることが示された。
<実施例3> DNAマイクロアレイの作製
(1)プローブの設計及び合成
CEA(carcinoembryonicantigen)とACTB(actin beta)の2種の遺伝子に着目し、DNAマイクロアレイ上に固定するためのプローブを設計した。これら2種の遺伝子はともに胃がん標準細胞KATO IIIにおいて高い発現があることが知られている。設計した部分塩基配列を特異的に認識できるよう、配列、GC%、融解温度(Tm値)に充分配慮して設計を行った。このプローブ設計においては、cRNA鎖がプローブとハイブリダイゼーションし、プローブとハイブリッド体を形成する。設計されたプローブの塩基配列を表12に示す。
Figure 2007300829
(2)ガラス基板の洗浄
合成石英のガラス基板(サイズ(W×L×T):25mm×75mm×1mm、飯山特殊ガラス社製)を耐熱、耐アルカリ性のラックに入れ、所定の濃度に調製した超音波洗浄用の洗浄液に浸した。一晩、洗浄液中で浸した後、20分間超音波洗浄を行った。続いて、ガラス基板を取り出し、軽く純水で漱いだ後、超純水中で20分超音波洗浄を行った。次に、80℃に加熱した1N水酸化ナトリウム水溶液中に10分間、ガラス基板を浸した。再び、純水洗浄と超純水洗浄を行い、DNAチップ用の洗浄済石英ガラス基板を用意した。
(3)表面処理
シランカップリング剤KBM−603(信越シリコーン社製)を、1%の濃度となるように純水中に溶解させ、2時間室温で攪拌した。続いて、洗浄済石英ガラス基板を、このシランカップリング剤水溶液に浸し、20分間室温で放置した。ガラス基板を引き上げ、軽く純水で表面を洗浄した後、ガラス基板の両面に窒素ガスを吹き付けて乾燥させた。次に、窒素ブロー乾燥したガラス基板を、120℃に加熱したオーブン中で1時間ベークし、カップリング剤処理を完結させた。このカップリング剤処理により、ガラス基板表面に、シランカップリング剤由来のアミノ基が導入された。
一方、EMCS(同仁化学研究所社製)を、ジメチルスルホキシドとエタノールの1:1混合溶媒中に最終濃度が0.3mg/mlとなるように溶解したEMCS溶液を用意した。EMCSは、N−マレイミドカプロイロキシスクシイミド(N−(6−Maleimidocaproyloxy)succinimido)である。ベーク終了後、カップリング剤処理済ガラス基板を放冷し、調製したEMCS溶液中に室温で2時間浸した。この浸漬処理間に、カップリング剤処理済ガラス基板の表面に導入されているアミノ基と、EMCSのスクシイミド基とが反応し、ガラス基板表面にEMCS由来のマレイミド基が導入された。EMCS溶液から引き上げたガラス基板を、先述のジメチルスルホキシドとエタノールの混合溶媒を用いて洗浄し、さらに、エタノールにより洗浄した後、窒素ガス雰囲気下で乾燥させた。
(4)プローブ用DNAの合成
上記(1)で設計したプローブを合成した。
プローブDNAは、上記の表面にマレイミド基が導入されガラス基板に対して共有結合させるため、定法に従って、5’末端にチオール化処理を施した。その後、DNA合成時における副反応を避けるために、保護を施している保護基を脱保護し、さらにHPLC精製および脱塩処理を施した。
得られたプローブDNAは、純水に溶解し、それぞれ、最終濃度(インク溶解時)5μMとなるように分注した後、凍結乾燥を行い、水分を除いた。
(5)BJプリンターによるプローブDNA吐出、および基板表面への結合
グリセリン7.5wt%、チオジグリコール7.5wt%、尿素7.5wt%、アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)1.0wt%を含む水溶液を用意した。続いて、分注したプローブDNAを上記の混合溶媒に規定濃度(10μM)となるように溶解した。得られたプローブDNA溶液を、バブルジェットプリンター(商品名:BJF−850 キヤノン社製)用インクタンクに充填し、印字ヘッドに装着した。
なお、前記バブルジェットプリンターは、平板へのインクジェット印刷が可能なように改造を施したものである。また、該改造バブルジェットプリンターは、所定のファイル作成方法に従って印字パターンを入力することにより、約5plのDNA溶液液滴を、約120μmピッチでスポッティングすることが可能となっている。
続いて、この改造バブルジェットプリンターを用いて、ガラス基板表面に、プローブDNA溶液のスポッティング操作をおこなった。DNAマイクロアレイ1枚あたり、各プローブごとに16スポットの吐出が行われるよう印字のパターンを予め作成し、インクジェット印字した。目的のパターンにDNA溶液のスポッティングが確実に行われていることを拡大鏡等により確認した後、30分間常温で加湿チャンバー内に静置し、ガラス基板表面のマレイミド基とプローブDNA5’末端のスルファニル基(−SH)とを反応させた。
(6)洗浄
加湿チャンバー内における30分間の反応後、100mMのNaClを含む10mMのリン酸緩衝液(pH7.0)により、ガラス基板表面に残った未反応のプローブDNAを洗い流した。ガラス基板表面に、各DNAチップ当たり16スポットに所定の一本鎖プローブDNAが、それぞれ固定された、DNAマイクロアレイ型DNAチップを得た。
<実施例4>ハイブリダイゼーション反応
実施例3で作製したDNAマイクロアレイと、実施例2で調製した標識化cRNAを用いて、マイクロアレイ上でのハイブリダイゼーションを行った。
(1)ハイブリダイゼーション
実施例1で得たcRNA溶液Mix1〜Mix4に対し、実施例2の通りに標識化cRNAを作成した。ただし、標識用試薬は表13で示すように調整した。92℃5分で保温した後、55℃で30分インキュベートし、標識化cRNA溶液を得た。これを、そのままハイブリダイゼーション溶液とした。すなわち、ハイブリダイゼーション溶液の濃度は下記に示すとおりである。
<ハイブリダイゼーション溶液>
6×SSPE/10% ホルムアミド/0.05% SDS/標識化cRNA
(6×SSPEの組成は、NaCl 900mM、NaH2PO4・H2O 60mM、EDTA 6mM、pH:7.4)
Figure 2007300829
水切りしたDNAマイクロアレイを、ハイブリダイゼーション装置(Genomic Solutions Inc.Hybridization Station)にセットした。上記組成のハイブリダイゼーション溶液を用いて、表14に示す手順・条件でハイブリダイゼーション反応を行った。
Figure 2007300829
(2)蛍光測定
ハイブリダイゼーション後、DNAマイクロアレイについてDNAマイクロアレイ用蛍光検出装置(Axon社製、Genepix4000B)を用いて、ハイブリッド体に由来する蛍光測定を行った。
輝度の算出にあたっては、DNAマイクロアレイ上、プローブDNAのスポットの無い部分において観測される蛍光強度をバックグランド値として、各スポットからの見かけの蛍光強度より、バックグランド値を差し引いた値を、蛍光強度の実測値とした。
(3)結果
表15にCEA及びACTBの蛍光強度の実測値を示す。
Figure 2007300829
表15の結果より、本発明の検体調製方法がDNAマイクロアレイに供するのに適していることが示された。更に、本発明による標識方法ならばより厳密な定量が可能となることが示唆された。
本発明によって調製された標識化cRNAを示す図である。

Claims (11)

  1. 固相上のプローブとのハイブリダイゼーションに供するターゲット核酸を含む検体の調製方法であって、
    検体調製用試料としての3’末端にポリA配列を有するRNAに対して、5’末端にcRNA合成用プロモーター配列を有するオリゴdTプライマーを用いて逆転写反応を行い、一本鎖cDNAを合成する工程と、
    前記一本鎖cDNAに対し、DNA合成酵素を付加して二本鎖cDNAを合成する工程と、
    前記二本鎖cDNAに対し、RNAポリメラーゼによりcRNAを合成する工程と、
    標識が付加されたポリA配列を有するオリゴヌクレオチドを前記cRNAのポリU配列にアニールさせて検体RNAを得る工程と、
    を有することを特徴とする検体の調製方法。
  2. 前記5’末端にcRNA合成用プロモーター配列を有するオリゴdTプライマーのポリTの塩基長が、15mer以上40mer以下であることを特徴とする請求項1に記載の検体調製方法。
  3. 前記5’末端にcRNA合成用プロモーター配列を有するオリゴdTプライマーとして、3’末端にG、C、Aのいずれかをそれぞれ有するものから選択される少なくとも1種以上の該オリゴdTプライマーを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の検体調製方法。
  4. 前記5’末端にcRNA合成用プロモーター配列を有するオリゴdTプライマーとして、3’末端にG、C、Aのいずれかをそれぞれ有する3種類の該オリゴdTプライマーが、互いに等濃度に調整されて前記逆転写反応に用いられることを特徴とする請求項3に記載の検体調製方法。
  5. 前記標識が付加されたポリA配列を有するオリゴヌクレオチドのポリAの塩基長が、15mer以上40mer以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の検体調製方法。
  6. 前記標識が付加されたポリA配列を有するオリゴヌクレオチドのポリAの塩基長が、前記5’末端にcRNA合成用プロモーター配列を有するオリゴdTプライマーのポリTの塩基長と同じ長さであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の検体調製方法。
  7. 前記標識が付加されたポリA配列を有するオリゴヌクレオチドとして、5’末端にG、C、Tのいずれかをそれぞれ有するものから選択される少なくとも1種以上の該オリゴヌクレオチドを用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の検体調製方法。
  8. 前記標識が付加されたポリA配列を有するオリゴヌクレオチドとして、5’末端にG、C、Tのいずれかをそれぞれ有する3種類の該オリゴヌクレオチドが、互いに等濃度に調整されて前記cRNAのポリU配列とのアニーリングに用いられることを特徴とする請求項7に記載の検体調製方法。
  9. 前記標識が付加されたポリA配列を有するオリゴヌクレオチドの標識物質が蛍光物質であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の検体調製方法。
  10. 前記蛍光物質がCy3またはCy5である請求項9に記載の検体調製方法。
  11. 固相上のプローブとのハイブリダイゼーションに供するターゲット核酸を含む検体の調製方法であって、
    検体調製用試料としての3’末端にポリA配列を有するRNAに対して、5’末端に標識物質が付加されたオリゴdTプライマーを用いて逆転写反応を行い、検体としての一本鎖cDNAを合成する工程を有し、
    前記5’末端に標識物質が付加されたオリゴdTプライマーとして、互いに同じ塩基長を有し、3’末端の一配列以外は同じ配列であって、3’末端にG、C、Aのいずれかをそれぞれ有する3種類の該オリゴdTプライマーが、互いに等濃度に調整されて前記逆転写反応に用いられることを特徴とする検体の調製方法。
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