JP4555587B2 - 抵抗スポット溶接方法 - Google Patents
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記
溶接電流≧下限電流+1kA、
通電時間:0.08〜0.4sec
ここで、上記下限電流は、d=k√t(ここで、d:所望のナゲット径(mm)、t:鋼板板厚(mm)、k:3〜6の定数)で表されるナゲット径を形成し得る最小電流であり、重ねるめっき鋼板の板厚が異なる場合は、tは薄い方の板厚である。
鋼板A:溶融亜鉛めっき鋼板
本発明における溶融亜鉛めっき鋼板は、電極に接する側のめっき付着量が30g/m2以上でかつ板厚が0.3〜1.0mmの範囲のものを対象とする。Znの付着量が30g/m2未満の溶融亜鉛めっき鋼板は、Zn付着量が少ないために電極寿命の低下が小さいこと、耐食性に劣るため自動車用鋼板には一般に用いられていないことなどにより、本件の範囲から外した。また、板厚の下限を0.3mmに規定する理由は、板厚が0.3mm未満の溶融亜鉛めっき鋼板は、スポット溶接自体が困難であり、また、自動車用鋼板としては一般に用いられていないからである。一方、板厚の上限を1.0mmに規定する理由は、鋼板を重ねスポット溶接した際に形成される溶融部は、一般に、鋼板が厚いほど表面から離れて鋼板内部に形成されること、鋼板自体の熱容量が大きくなり鋼板の温度上昇量が小さくなるため、電極先端の表面温度の上昇が抑えられることから、板厚1.0mm超えの鋼板では、Znめっき層の存在による電極損耗量の増大が小さく抑制されるからである。なお、電極に接する側のめっき付着量が30g/m2以上の溶融亜鉛めっき鋼板は、電極に接しない側のめっきの有無は問わないが、一般に溶融亜鉛めっき鋼板を片側だけめっきすることは困難であるから、通常は、両面にめっきがされている溶融亜鉛めっき鋼板である。また、電極に接しない側のめっき付着量に特に制限はない。
溶融亜鉛めっき鋼板と組み合せて重ねスポット溶接される鋼板は、板厚が1.0mm以上でかつ亜鉛の融点(420℃)より高い融点の金属めっき層を有する鋼板であることが必要である。例えば、溶融亜鉛めっき鋼板どうしの重ねスポット溶接の場合では、前述したように、溶接電流経路が広がって溶接電流が高電流化し発熱量が増大する。そのため、鋼板の板厚が厚くなっても、電極先端の損耗量に大きな変化がなく、電極寿命が改善されないからである。この効果が明瞭になるのは、800℃程度以上の融点を有する金属のめっき鋼板であり、具体的には、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(Fe−Zn合金の融点:800℃)やZn−Ni合金めっき鋼板(Zn−Ni合金の融点:1000℃)などを挙げることができる。亜鉛より高い融点を有する金属または合金をめっき金属として有するめっき鋼板では、電極に接しない側のめっきの有無は問わない。ただし、一般に、溶融亜鉛めっき鋼板を片側だけめっきすることは困難であるから、溶融亜鉛めっき鋼板の場合は、通常、両面めっきが施されている。なお、電極に接しない側のめっき付着量に特に制限はない。
本発明に用いる電極は、アルミナ分散銅製の電極であることが好ましい。本発明の電極寿命延長の効果は、溶接する鋼板のめっき層金属の融点と板厚を上記適正範囲に限定することによって十分に得ることができる。しかし、その効果をさらに有効に発現させるためには、スポット溶接に用いる電極、特に電極の素材を適正が選定することが重要である。従来、電極素材としては、銅に0.5〜1.3%のクロムを添加したクロム銅合金、銅に0.02〜0.2%のジルコニウムを添加した合金などが用いられている。しかし、これらの銅合金では、溶接にともなう熱サイクルが原因で電極が焼戻されて軟化するため、溶接時の打撃により電極先端が拡大して溶接電流密度が低下してしまう。一方、アルミナ分散銅製の電極では、前記の軟化が起こらないため、溶接電流密度が低下することはないので、アルミナ分散銅を素材とした電極を用いることが好ましい。このアルミナ分散銅は、銅にアルミナを0.3〜0.5mass%分散させた合金で、粉体から製造される焼結合金の一種であり、特に高温強度に優れた特性を有する。
溶接電流≧下限電流+1kA
溶接電流は、溶接部を形成させるために必要な最低限の溶接電流(以下、「下限電流」という)よりも大きい電流とする必要がある。しかし、安定して溶接部を形成させるためには、溶接電流は、(下限電流+1kA)以上に設定する必要がある。さらに安定して溶接強度を確保するには(下限電流+2kA)以上がより好ましい。
下限電流および上限電流は、予め同じめっき鋼板の組み合わせ電流を変化させてスポット溶接を試みて決定する。
下限電流は、所望のナゲットを形成しうる最小の電流である。一般に、所望のナゲット径dはk√t(ここで、d:所望のナゲット径(mm)、t:鋼板板厚(mm)、k:3〜6の定数)のように表される。重ねるめっき鋼板の板厚が異なる場合に、必要な溶接強度を確保するには、tは薄い方の板厚とすればよい。なお、自動車用のめっき鋼板のスポット溶接では、kの値は4〜4.5が例示できる。
一方、溶接電流の上限側は、電極先端と鋼板とが溶着する電流(以下、「上限電流」という)以下とする必要がある。したがって、溶接電流は、(下限電流+1kA)〜(上限電流)の範囲とするのが好ましい。しかし、溶接電流は高いほど、形成されるナゲット径が大きくなる反面、電極先端部の損耗量も増大して電極寿命の低下をもたらすため好ましくない。そのため、より好ましい上限は(上限電流−1kA)とするのが好ましい。
溶接電流の通電時間は、安定した溶接部を形成するためには、0.08秒以上とする。通電時間が0.08秒以下では、溶接電流の設定と実測定値に相違を生じ、安定した溶接が実現できないほか、溶接部を形成するための十分な発熱量が得られない。一方、0.4秒を超える通電時間は、電極先端が溶融状態のめっき金属と接する時間が長くなり、電極先端の損耗が著しくなるので、電極寿命の低下を招く。そのため、通電時間は、0.08〜0.4秒の範囲に制限する。
Claims (1)
- 電極に接する側のめっき付着量が30g/m2以上の溶融亜鉛めっき鋼板Aと、もう一方の電極にめっき層が接するように重ねためっき鋼板Bを抵抗スポット溶接するに際し、
前記鋼板Aの板厚を0.3〜1.0mmとし、前記鋼板Bの板厚を1.0mm以上とし、
前記鋼板Bのめっき金属は亜鉛より高い融点を有する亜鉛を含有する合金とし、
電極はアルミナ分散銅製の電極を用い、
通電条件が下記を満たすようにして溶接することを特徴とする抵抗スポット溶接方法。
記
溶接電流≧下限電流+1kA、
通電時間:0.08〜0.4sec
ここで、上記下限電流は、d=k√t(ここで、d:所望のナゲット径(mm)、t:鋼板板厚(mm)、k:3〜6の定数)で表されるナゲット径を形成し得る最小電流であり、重ねるめっき鋼板の板厚が異なる場合は、tは薄い方の板厚である。
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